JP5916425B2 - Cis太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

Cis太陽電池およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5916425B2
JP5916425B2 JP2012033256A JP2012033256A JP5916425B2 JP 5916425 B2 JP5916425 B2 JP 5916425B2 JP 2012033256 A JP2012033256 A JP 2012033256A JP 2012033256 A JP2012033256 A JP 2012033256A JP 5916425 B2 JP5916425 B2 JP 5916425B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
steel sheet
film
based plating
plating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012033256A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013171876A (ja
Inventor
服部 保徳
保徳 服部
伸也 古川
伸也 古川
栄次 渡辺
栄次 渡辺
清水 剛
剛 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Nisshin Co Ltd filed Critical Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Priority to JP2012033256A priority Critical patent/JP5916425B2/ja
Publication of JP2013171876A publication Critical patent/JP2013171876A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5916425B2 publication Critical patent/JP5916425B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明は、陽極酸化皮膜を有する表面処理鋼板を成膜用基板に用いたCIS太陽電池、およびその製造方法に関する。
CIS太陽電池は、カルコパイライト型の化合物層を光吸収層(光電変換層)とし、酸化亜鉛(ZnO)を窓層とする構造の太陽電池である。CIS太陽電池に適用されるカルコパイライト型化合物はCu、In、Seを基本成分とし、一般的にはInの一部をGaで置換したものが使用される。バンドギャップ制御のためにS(硫黄)が添加される場合もある。組成式はCu(Inx,Ga(1-x))(Sey,S(1-y)2、x=0〜1、y=0〜1で表される。本明細書ではこの種の化合物からなるCu(In,Ga)Se2型化合物の層を「CIS層」と呼ぶ。
図16に、従来一般的なCIS太陽電池の断面構造を模式的に例示する。基板41の表面に金属Moからなる下部電極層42が形成されている。下部電極層42の表面上に光吸収層としてCIS層43が形成されている。さらにその上に、CdSからなるバッファ層44を介して、窓層である酸化亜鉛層45、およびITO(酸化インジウム錫)などからなる透光性導電層46が形成されている。透光性導電層46の一部表面に金属からなる上部電極層47が設けられている。下部電極層42と上部電極層47にそれぞれ導線48が接続され、負荷49に電力が供給される。基板41としては一般にソーダライムガラスが適用される。ソーダライムガラスにはNaが含まれており、CIS層成膜中にそのNaがCIS層43中へと拡散し、CIS太陽電池の特性が向上する。本明細書では、下部電極層46を表面に形成するための基板部分(図1の例では基板41の部分)を単に「基板」と呼ぶ。
一方、AlまたはAl合金材料(以下「Al系材料」という)の表面処理として陽極酸化処理が知られている。陽極酸化処理によって形成された皮膜(陽極酸化皮膜)はAl23を主体とするものであり、Al系材料に耐食性、絶縁性、意匠性等を付与する手段として実用化されている。鋼板表面にクラッド接合したAl系材料の表面を陽極酸化処理し、これをCIS太陽電池等の基板に用いた例もある(特許文献10)。
溶融Al系めっき鋼板のめっき層表層部に陽極酸化皮膜を形成する技術も知られている(特許文献1〜5)。溶融Al系めっき鋼板としては一般にSiを3〜15質量%程度含有するめっき浴を用いて製造されるものが多用される。Siを含有させることによりめっき浴温を下げることができるとともに、基材鋼板(めっき原板)の表面とAl系めっき層の間に生成する合金層の成長を抑制することができる。この合金層はめっき密着性を確保する上で重要な役割を果たす反面、脆いという欠点がある。Siを含有する溶融Al系めっき浴を用いると、めっき時に基材鋼板とめっき層の間に比較的薄いAl−Fe−Si系合金層が生成し、この種の合金層が脆いことに起因する溶融Al系めっき鋼板の加工性劣化が改善される。陽極酸化皮膜を形成するための溶融Al系めっき鋼板としても、従来、Siを含有するAl系めっき鋼板が適用されている(特許文献1〜5)。
Siを含有する溶融Al系めっきを施しためっき鋼板においても、その後に例えば500℃以上に加熱する工程に供される場合には、その加熱によって基材鋼板とAl系めっき層の間に介在するAl−Fe−Si系合金層が成長する。成長した合金層は曲げ加工を施す用途では加工性を損なう要因となり、問題となることがある。この問題を解消する手法として、特定量の固溶Nを含有させた基材鋼板を適用する技術が知られている(特許文6〜9)。
特開昭63−57795号公報 特開昭64−21094号公報 特開平1−263256号公報 特開平3−104633号公報 特開平6−207262号公報 特開昭58−224159号公報 特開昭59−177355号公報 特開昭61−52356号公報 特開昭61−113754号公報 特開2011−159807号公報 特開2009−49389号公報 国際公開第2009/116626号
従来一般的なCIS太陽電池では、上述のように基板41としてソーダライムガラスが用いられているため、基板の薄肉化(軽量化)を図ることが難しい。また、ソーダライムガラスは柔軟性に劣るため、太陽電池のフレキシブル化を図ることも困難である。そこで、CIS太陽電池の軽量化やフレキシブル化に対応しうる基板材料として、ポリマーフィルムや、Ti、ステンレス鋼などの金属箔体の適用が検討されている。
しかしながら、ポリマーフィルムは熱に弱いことから、CIS層を形成させるための加熱処理に十分耐えられないという問題がある(特許文献11)。耐熱性の良好なポリイミドフィルムをCIS太陽電池の基板に適用する技術も知られているが(特許文献12)、この場合でも500℃以上の加熱を伴うような工程の採用は容易ではなく、CIS層の成膜方法および成膜条件に対する制約が大きい。
一方、ステンレス鋼や普通鋼等の鋼材を基板に用いると、Fe、Crなどの鋼成分元素が高温成膜の際にCIS層へと拡散する現象が起こる。CIS層中に侵入したこれらの不純物元素は光電変換効率を低下させる要因となることから、鋼材を基板に用いることは高性能のCIS太陽電池を得る上で一般的に不利となる。Tiの箔体を基材に用いる場合には、上記のような不純物元素の悪影響は回避される。ただし、Tiの箔体は材料コストが高いため、CIS太陽電池の基板として広く採用することには無理がある。また、基材が金属であるため、基板自体に絶縁性を持たせるためには何らかの絶縁層と一体化させる必要がある。
特許文献10に開示されるようにAl系材料の表面を陽極酸化処理した基板を用いると、Fe、Crなどの侵入による光電変換効率を低下は回避される。しかし、Alシートを鋼板にクラッド接合することはコスト増となり、またAlシート(箔)だけではCIS層成膜時の加熱や使用中における強度において不安がある。
本発明は、CIS太陽電池の軽量化、フレキシブル化および低コスト化をもたらすことができ、好ましくはフレキシブル化に対応できる基板自体に優れた絶縁性を持たせた実用的なCIS太陽電池を提供しようというものである。
上記目的を達成するために、本発明ではめっき層中にSiを含有する溶融Al系めっき鋼板に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板を成膜用基板として適用する。特に溶融Al系めっき時に生成するSi相の粒子を熱処理により所定形状に球状化した溶融Al系めっき鋼板に陽極酸化処理を施すことによって、絶縁性に優れた成膜用基板を実現することができる。
すなわち本発明では、めっき層中のSi含有量が3.0〜15.0質量%である溶融Al系めっき鋼板の当該Al系めっき層表層部に陽極酸化皮膜を有する表面処理鋼板を成膜用基板に用いたCIS太陽電池が提供される。そのAl系めっき層および陽極酸化皮膜中にはSi相の粒子が分散しており、板厚方向に平行な断面においてAl系めっき層および陽極酸化皮膜中の板厚方向長さが10μm以上であるSi相粒子の存在量が鋼板表面に平行方向の単位長さあたり100個/mm以下に調整されているものが特に好適な対象となる。
前記Al系めっき層は、例えば質量%でSi:3.0〜15.0%、Sr:0〜0.2%、Na:0〜0.1%、Ca:0〜0.1%、Sb:0〜0.6%、P:0〜0.2%、Mg:0〜5.0%、Cr:0〜1.0%、Mn:0〜2.0%、Ti:0〜0.5%、Zr:0〜0.5%、V:0〜0.5%、B:0〜0.10%、残部Alおよび不可避的不純物からなる組成を有するものである。
前記成膜用基板の陽極酸化皮膜の上には例えばアルカリ金属含有物質層を配置し、その上に下部電極層を介してCIS層を有する。アルカリ金属含有物質層は、M2O・nSiO2(ただしMはLi、NaまたはK、nは3〜5)で表される組成を有するアルカリ珪酸塩皮膜で構成することができる。
上記のCIS太陽電池の製造方法として、
Si含有量が3.0〜15.0質量%である溶融Al系めっき浴を用いて基材鋼板の表面にAl−Fe−Si系合金層を介するAl系めっき層を形成する工程、
前記Al系めっき層を形成した鋼板を加熱温度250〜570℃、保持時間0.5〜50hの条件範囲で加熱処理することにより、Al系めっき層中に存在するSi相を球状化し、板厚方向に平行な断面において板厚方向長さが10μm以上であるSi相粒子の存在量を基材鋼板表面に平行方向の単位長さあたり100個/mm以下に調整する工程、
前記加熱処理後のAl系めっき層を陽極酸化処理することにより陽極酸化皮膜を形成する工程、
前記陽極酸化皮膜の上にアルカリ金属含有物質層を形成する工程、
前記アルカリ金属含有物質層の上に下部電極層を形成する工程、
前記下部電極層の上にCIS層を形成する工程、
を有する製造方法が提供される。
その際、基材鋼板としてN含有量が0.002〜0.020質量%である鋼板を使用し、前記加熱処理を利用して基材鋼板とAl−Fe−Si系合金層の間にAlNを析出させることができる。
本発明によれば、低コストな溶融Al系めっき鋼板を素材とする絶縁性基板を用いて、変換効率の良好なCIS太陽電池を実現することが可能となった。その基板は鋼板を素材とするため強度や耐熱性に優れ、厚さの薄い鋼板を適用すれば柔軟性に富むCIS太陽電池が容易に得られる。また、溶融Al系めっきに起因して生成するSi相の形態を適正化したものを用いると基板の絶縁性に対する信頼性が向上し、各種デバイスへの適用に際し設計自由度が拡大する。
Siを含有する一般的な溶融Al系めっき鋼板の断面構造を模式的に示す図。 図1のAl系めっき層の表面に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板の断面構造を模式的に示す図。 図1のAl系めっき層の表面に陽極酸化処理を施した際に陽極酸化皮膜が不均一に成長した場合の断面構造を模式的に示す図。 めっき層中のSi相粒子の形態が所定形状に調整された溶融Al系めっき鋼板の断面構造を模式的に示す図。 図4のAl系めっき層の表面に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板の断面構造を模式的に示す図。 基材鋼板としてN含有量が0.002〜0.020質量%である鋼板を使用し、基材鋼板とAl−Fe−Si系合金層の間にAlNが析出しているタイプの溶融Al系めっき鋼板の断面構造を模式的に示す図。 図6のAl系めっき層の表面に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板の断面構造を模式的に示す図。 従来一般的なSi含有溶融Alめっき鋼板に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板の断面組織写真。 従来一般的なSi含有溶融Alめっき鋼板に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板の断面組織写真。 Si相が球状化された溶融Al系めっき鋼板に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板の断面組織写真。 Si相が球状化された溶融Al系めっき鋼板に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板の断面組織写真。 従来一般的なSi含有溶融Alめっき鋼板に陽極酸化処理を施した際に陽極酸化皮膜が不均一に成長した部分の断面組織写真。 従来一般的なSi含有溶融Alめっき鋼板に陽極酸化処理を施した際に陽極酸化皮膜が不均一に成長し、基材鋼板まで溶解した部分の断面組織写真。 Si相が球状化された溶融Al系めっき鋼板に図13と同様に15minの陽極酸化処理を試みた場合の断面組織写真。 陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧を測定するための回路構成を示す図。 従来一般的なCIS太陽電池の断面構造を模式的に示す図。 本発明に従うCIS太陽電池の断面構造を模式的に示す図。
〔本発明に従うCIS太陽電池の断面構造〕
図17に、本発明に従うCIS太陽電池の断面構造を模式的に例示する。図1に示した従来一般的なCIS太陽電池と大きく相違する点は、ソーダライムガラスからなる基板41(図16)の替わりに、溶融Al系めっき鋼板の表層部を陽極酸化処理した表面処理鋼板30を適用したことにある。この表面処理鋼板30は、基材鋼板1の表面にAl−Fe−Si系合金層2を介してAl系めっき層3を有し、そのAl系めっき層3の上層部に陽極酸化皮膜5を有する。この表面処理鋼板30を成膜用基板に用いてCIS太陽電池が構築される。例えば陽極酸化皮膜5の上にはアルカリ金属含有物質層21が形成され、その上にスパッタリング法などにより金属Moからなる下部電極層42が形成される。表面処理鋼板30を構成する陽極酸化皮膜5は、CIS層43を成膜する際の高温加熱時に基材鋼板1の鋼成分であるFeやCrなどがCIS層43中に拡散することを防止する。これにより、基板に鋼材を用いたことによる弊害(CIS層中への不純物混入による光電変換効率の低下)が解消される。また陽極酸化皮膜5は表面処理鋼板30自体に絶縁性を付与する機能も有する。アルカリ金属含有物質層21は例えばアルカリ珪酸塩皮膜で構成され、これはCIS層43中へのIa族アルカリ金属元素供給源として機能し、電池性能の向上をもたらす。陽極酸化皮膜5を封孔処理したのちアルカリ金属含有物質層21を形成しても良いが、陽極酸化皮膜5の表面上に直接アルカリ金属含有物質層21を形成することにより封孔処理を兼ねることができる。下部電極層42は例えばスパッタリング法などにより形成される金属Mo層である。なお、図17中の各層の厚さは部分的に誇張して描いてあり、必ずしも実際の厚さの比率を反映したものではない。またAl系めっき層3および陽極酸化皮膜5中には後述のようにSi相が存在するが、ここでは記載を省略してある。
〔表面処理鋼板の断面構造〕
上述のように、一般的に多用されている溶融Al系めっき鋼板はSiを3〜15質量%程度含有するAl系めっき浴を用いて製造されている。溶融めっき鋼板のめっき層組成はめっき浴組成をほぼ反映したものとなることから、一般的な溶融Al系めっき鋼板のめっき層中にはSiが3〜15質量%程度含まれている。
図1に、Siを含有する一般的な溶融Al系めっき鋼板の断面構造を模式的に示す。基材鋼板1の表面上にAl−Fe−Si系合金層2を介してAl系めっき層3が形成されている。Al系めっき層3は素地がAl相であり、その中に針状の形態を有するSi相4の粒子が分布している。なお、Al系めっき層3中にはSi相4の他に少量のAl−Fe−Si相が混在する場合があるが、記載を省略してある。
図2に、図1のAl系めっき層の表面に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板の断面構造を模式的に示す。陽極酸化処理によって元のAl系めっき層の上層部が陽極酸化皮膜5に変化している。すなわち、基材鋼板1の表面上にAl−Fe−Si系合金層2を介してAl系めっき層3(元のめっき層が残存した部分)および陽極酸化皮膜5が存在する。陽極酸化皮膜5は元のAl系めっき層の表面から深さ方向に細孔を形成しながら成長したものである。その際、元のAl系めっき層を構成するAl相の部分が溶解してAl23を主体とする酸化物質に置き換わっていくが、金属Si相は概ね元のままの形態を維持して陽極酸化皮膜5の内部にとどまる。
発明者らの検討によれば、陽極酸化皮膜5はCIS層43を成膜する際の高温加熱時に基材鋼板1の鋼成分であるFeやCrなどがCIS層43中に拡散することを防止する作用を呈する。また、陽極酸化皮膜5の表面から内部に向かって形成している多数の細孔はアルカリ金属含有物質層21(図17)の密着性を向上させるうえで有効に作用すると考えられる。陽極酸化皮膜5の平均厚さは、Fe、Crなどの鋼成分の拡散防止および絶縁性確保の観点から5μm以上とすることが望ましい。10μm以上とすることがより効果的である。陽極酸化皮膜5の平均厚さの上限は特に限定されないが、元のAl系めっき層の厚さに応じて通常は例えば100μm以下とすれば十分である。残存するAl系めっき層3の平均厚さは例えば5〜100μmとすることが望ましい。
陽極酸化皮膜5は成膜用基板である表面処理鋼板30(図17)自体に絶縁性を付与する機能も担う。ただし、発明者らの詳細な検討によれば、めっき層中にSiを含有する溶融Al系めっき鋼板(以下「Si含有溶融Al系めっき鋼板」ということがある)の表面に形成した陽極酸化皮膜5は、一般のアルミニウム製品の表面に形成した陽極酸化皮膜(Si相が内在しないもの)と比べ、絶縁性は多少劣ることがわかった。陽極酸化皮膜5の素地ともいえるAl23主体の酸化物質は絶縁性を有するが、その中に存在するSi相は導電性を有する。陽極酸化皮膜5の内部には下層のAl系めっき層3との境界を跨ぐSi相4の粒子が多く存在する。境界を跨ぐSi相4の粒子のなかには、図2中に符号aを付した粒子のように、陽極酸化皮膜5の表面近くに先端が位置するものも存在する。そのようなSi相粒子は陽極酸化皮膜5の表面付近とAl系めっき層3の間の電気抵抗を低減させ、陽極酸化皮膜5の絶縁性を低下させる要因となる。
また、Si含有溶融Al系めっき鋼板のAl系めっき層の中に存在する針状のSi相は、均一な厚さの陽極酸化皮膜を安定して形成させる上でも障害となりやすい。めっき層の表面付近に先端が位置するSi相は陽極酸化処理時に局所的な電流集中を招き、陽極酸化皮膜を不均一に成長させる要因となる。
図3に、図1のAl系めっき層の表面に陽極酸化処理を施した際に陽極酸化皮膜が不均一に成長した場合の表面処理鋼板の断面構造を模式的に示す。陽極酸化条件によっては電流が集中した箇所では陽極酸化皮膜5が急速に成長し、早期にAl−Fe−Si系合金層2にまで達することもある。Al系めっき層3が消失した箇所では下地の基材鋼板1が浸食されやすくなり、耐食性低下や陽極酸化皮膜5の密着性低下を招く恐れがある。
そこで発明者らは、陽極酸化皮膜5の絶縁性および膜厚の均一性に対する信頼性をより向上させるための手法について種々検討を重ねた。その結果、溶融Al系めっき時に生成するSi相粒子の形態を陽極酸化処理前に加熱処理により所定形状に調整しておくことにより、絶縁性に対する信頼性を改善することができることを見出した。また、陽極酸化処理における膜厚の安定性をも同時に向上させることができる。
図4に、めっき層中のSi相粒子の形態が所定形状に調整された溶融Al系めっき鋼板の断面構造を模式的に示す。基材鋼板1の表面上にAl−Fe−Si系合金層2を介してAl系めっき層3を有している点は図1に示した従来一般的な溶融Al系めっき鋼板と同様である。しかし、Al系めっき層3の中に分散しているSi相4の粒子形態が相違する。すなわち、Si相4の粒子が球状化しており、個々のSi相4の粒子について図中にdtと示した板厚方向長さを測定したとき、当該板厚方向長さdtが10μm以上と長い粒子の存在量が、板厚方向に平行な断面において基材鋼板表面に平行方向の単位長さあたり100個/mm以下に調整されている。前記存在量は、図4に例示したような板厚方向に平行な断面について、基材鋼板1の表面に平行な方向に1000μm以上の長さに渡ってめっき層3の全厚さ内を測定することによって求めることができる。Al系めっき層3の平均厚さは10μm超えとすることが望ましく、15μm以上に管理してもよい。Al系めっき層3が薄過ぎると、陽極酸化処理においてAlめっき層3を十分に残したまま安定して絶縁性に優れた陽極酸化皮膜を形成することが難しくなる場合がある。
図5に、図4のAl系めっき層の表面に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板の断面構造を模式的に示す。図2の場合と同様に、陽極酸化処理によって元のAl系めっき層の上層部が陽極酸化皮膜5に変化し、基材鋼板1の表面上にAl−Fe−Si系合金層2を介してAl系めっき層3(元のめっき層が残存した部分)および陽極酸化皮膜5が存在する。前述のように、陽極酸化皮膜5は元のAl系めっき層の表面から深さ方向に細孔を形成しながら成長したものであり、元のAl系めっき層を構成するAl相の部分が溶解してAl23を主体とする酸化物質に置き換わっていくが、Si相は概ね元のままの形態を維持して陽極酸化皮膜5の内部にとどまる。
陽極酸化皮膜5の平均厚さは、上述のように5μm以上とすることが望ましく、10μm以上とすることがより効果的である。ただし、陽極酸化処理時にAl系めっき層3が消失する箇所が生じると、その部分で下地の基材鋼板1が溶解する恐れがあるので、残存するAl系めっき層3の平均厚さは5μm以上を確保することが望ましい。
Si相4の粒子は球状化されて板厚方向長さdtが短くなっている。陽極酸化皮膜5とAl系めっき層3との境界を跨ぐSi相粒子も存在するが、それらの粒子のうち先端が陽極酸化皮膜5の表面付近にまで届くもの(すなわち陽極酸化皮膜5の厚さ方向の絶縁性低下要因となりやすいSi相粒子)は非常に少ない。このため、従来のSi含有溶融Al系めっき鋼板を使用した図2の場合と比べ、陽極酸化皮膜5の厚さ方向への絶縁性は高く維持される。
陽極酸化処理後にAl系めっき層および陽極酸化皮膜中に存在するSi相粒子は、概ね元の形態を維持していると見てよい。したがって、Al系めっき層中の板厚方向長さdtが10μm以上であるSi相粒子の存在量が基材鋼板表面に平行方向の単位長さあたり100個/mm以下に調整されたものを使用すれば、陽極酸化処理後において、Al系めっき層3および陽極酸化皮膜5中の板厚方向長さdtが10μm以上であるSi相粒子の存在量が基材鋼板表面に平行方向の単位長さあたり100個/mm以下である表面処理鋼板が得られる。このような表面処理鋼板は、絶縁性に対する信頼性が高く、その上にアルカリ珪酸塩皮膜を形成することによってFe、Cr等の遮蔽製と絶縁性の両面において優れたCIS太陽電池基板を得ることができる。陽極酸化皮膜5の平均厚さが5μm程度であっても、dtが10μm以上であるSi相粒子の存在量が100個/mm以下となるようにSi相4の粒子が球状化されていれば、従来のSi含有溶融Al系めっき鋼板を使用した場合と比べ絶縁性は大きく向上する。なお、陽極酸化処理後における前記Si相粒子の存在量は、図5に例示したような板厚方向に平行な断面について、基材鋼板1の表面に平行な方向に1000μm以上の長さに渡ってAl系めっき層3および陽極酸化皮膜5の全厚さ内を測定することによって求めることができる。
図6に、基材鋼板としてN含有量が0.002〜0.020質量%である鋼板を使用し、基材鋼板とAl−Fe−Si系合金層の間にAlNが析出しているタイプの溶融Al系めっき鋼板の断面構造を模式的に示す。基材鋼板1とAl−Fe−Si系合金層2の間にAlN濃化帯6が存在する。このAlN濃化帯6はSi相4を球状化させるための加熱処理を利用して生成させることができる。AlN濃化帯6の存在はTEMによる電子線回折やEDX等の分析手法により確認することができる。
図7に、図6のAl系めっき層の表面に陽極酸化処理を施した表面処理鋼板の断面構造を模式的に示す。基材鋼板1とAl−Fe−Si系合金層2の間にAlN濃化帯6が存在すること以外は図5と同様の組織状態を有する。AlN濃化帯6は、その後に当該鋼板を500℃程度以上の温度に加熱処理した際に基材鋼板1中のFeとAl系めっき層3中のAl、Siが反応することを抑制するバリアとして機能し、脆いAl−Fe−Si合金層2の成長を抑止する。したがって、陽極酸化皮膜5の上にCIS層等を500℃程度以上の高温で成膜する必要があるときなどに、Al−Fe−Si合金層2の過剰な成長が防止され、基板としての変形能(柔軟性)低下を抑制することができる。AlN濃化帯6を有するタイプの基板材料は柔軟性が要求されるCIS太陽電池の用途に適している。
〔基材鋼板の組成〕
基材鋼板としては、従来から溶融Al系めっき鋼板のめっき原板として適用されている鋼種をはじめ、用途に応じて種々の鋼種が対象となる。耐食性を重視する用途ではステンレス鋼を適用すればよい。ただし、成膜基板に用いる場合は熱膨張係数の観点からオーステナイト系ステンレス鋼よりフェライト系ステンレス鋼の方が有利となる。なお、上述のAlN濃化帯によるAl−Fe−Si合金層の成長抑制効果を期待する場合には、N含有量が0.002〜0.020質量%である鋼板を使用する。これよりN含有量が少ないとAl系めっき層中のSi相を球状化させるための熱処理によってAlN濃化帯を十分に形成することが難しい。逆にN含有量が過剰になると鋼が硬質化するので好ましくない。
〔Al系めっきの組成〕
本発明で適用対象とする溶融Al系めっき鋼板は、めっき層中のSi含有量が3.0〜15.0質量%のものである。溶融Al系めっき浴の組成は概ねそのまま溶融Al系めっき層の組成に反映される。Si含有量が少なすぎると溶融めっき時に形成されるAl−Fe(−Si)系合金層が厚くなりやすく、加工時にAl−Fe(−Si)系合金層の部分で割れが生じやすくなる。また、Si添加によるAl系めっき浴の液相線温度の低下効果が少なくなり、めっき浴温を高く維持するためのコストが増大する。一方、Si含有量が多くなりすぎると、共晶組成を超えて再び液相線温度が高くなるとともに、Si相が初晶として粗大化してめっき層自体の加工性を損なう。Al系めっき層中のSi含有量は5.0〜13.0質量%とすることがより好ましい。
溶融Al系めっき浴にはSiを上述の範囲で含有させる。ただし、浴中にはめっき原板である鋼板やポットの構成部材などからFeが不可避的に混入してくる。Feの混入量は3.0質量%まで許容される。めっき浴には必要に応じてSi以外の元素を含有させてもよい。例えば、質量%でSi:3.0〜15.0%、Sr:0〜0.2%、Na:0〜0.1%、Ca:0〜0.1%、Sb:0〜0.6%、P:0〜0.2%、Mg:0〜5.0%、Cr:0〜1.0%、Mn:0〜2.0%、Ti:0〜0.5%、Zr:0〜0.5%、V:0〜0.5%、B:0〜0.10%、残部Alおよび不可避的不純物からなる組成とすることができる。Sr、Na、Ca、Sb、P、Mg、Cr、Mn、Ti、Zr、V、Bは任意添加元素であり、それらの1種以上を含有させる場合は、Sr:0.005〜0.2%、Na:0.005〜0.1%、Ca:0.005〜0.1%、Sb:0.005〜0.6%、P:0.005〜0.2%、Mg:0.05〜5.0%、Cr:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Ti:0.005〜0.5%、Zr:0.05〜0.5%、V:0.05〜0.5%、B:0.005〜0.10%の含有量を確保することがより効果的である。また、Mgは1.0質量%以下、Mnは1.0質量%以下の範囲にそれぞれ管理してもよい。上記の元素のうちSr、Na、Ca、Sb、Pはめっき層中のSi相粒子を微細化する作用を有する。
〔表面処理鋼板の断面組織写真の例示〕
Si含有量が9.0質量%である溶融Al系めっき鋼板を陽極酸化処理して得られた表面処理鋼板の板厚方向に平行かつ圧延方向に垂直な断面(C断面)の光学顕微鏡写真を図8〜図14に例示する。陽極酸化処理を施す前のAl系めっき層の平均厚さはいずれも37μm(めっき付着量100g/m2)である。陽極酸化処理条件は以下の通りである。
(陽極酸化処理条件)
・処理液:硫酸150g/L+アルミニウム5g/L
・処理温度:40℃
・電流密度:5.0A/dm2
図8、図9は、従来一般的なSi含有溶融Alめっき鋼板に陽極酸化処理を施したものである。陽極酸化処理時間は図8が5min、図9が10minである。下地のグレーに見える部分が基材鋼板、その上の白く見える層がAl系めっき層であり、基材鋼板とAl系めっき層の間には基材鋼板より若干濃いグレーに見えるAl−Fe−Si系合金層がある。Al系めっき層の上にあるまっ黒よりもわずかにグレーに見える層が陽極酸化皮膜であり、その上方のまっ黒に見える部分は埋め込み樹脂である。Al系めっき層および陽極酸化皮膜中に分散している濃いグレーに見える粒子がSi相であり、それより薄いグレーに見える粒子(上記Al−Fe−Si系合金層と同程度のグレーに見えるもの)がAl−Fe−Si系合金の相である。以上の各部分の見え方は後述の各写真において同様である。
この従来一般的なSi含有溶融Alめっき鋼板を用いた例では、Si相が針状を呈していることがわかる。それらは陽極酸化皮膜中にもほぼ元のままの形態を維持したまま存在する。陽極酸化皮膜中に存在する針状のSi相は前述のように陽極酸化皮膜の絶縁性を低下させる要因となる。
図10、図11は、Si相が球状化された溶融Al系めっき鋼板に陽極酸化処理を施したものである。陽極酸化処理時間は図10が5min、図11が10minである。Si相粒子は図8、図9のものと比べ板厚方向長さが短くなっており、板厚方向長さが10μm以上であるSi相粒子の存在量が基材鋼板表面に平行方向の単位長さあたり100個/mm以下に調整されている。陽極酸化皮膜中において表面付近からAl系めっき層まで届くSi相粒子の数は非常に少ない。そのため陽極酸化皮膜の絶縁性は高く維持される。
図12、図13は、従来一般的なSi含有溶融Alめっき鋼板に陽極酸化処理を施した際に陽極酸化皮膜が不均一に成長したものである。陽極酸化処理時間は図12が10min、図13が15minである。針状の長いSi相が存在することに起因して陽極酸化処理時に電流が局所的に集中しやすく、図12のように陽極酸化皮膜の膜厚が不均一になりやすい。Al系めっき層が消失した部分が生じると図13のように下地の基材鋼板が溶解することがある。電流集中が比較的生じにくい陽極酸化処理条件を見つけることによりCIS太陽電池基板としての実用に供することは可能であるが、製造性および製品品質に対する信頼性の観点からはSi相が球状化された溶融Al系めっき鋼板の採用が有利となる。
図14は、Si相が球状化された溶融Al系めっき鋼板に図13と同様に15minの陽極酸化処理を試みたものである。Al系めっき層が消失する直前まで非常に均一に陽極酸化皮膜が成長していることがわかる。これは針状の長いSi相がほとんど存在しないことにより陽極酸化処理の電流集中が起こりにくいためである。
〔アルカリ金属含有物質層〕
アルカリ金属含有物質層としては、アルカリ珪酸塩皮膜を例示することができる。その場合、アルカリ珪酸塩はM2O・nSiO2(ただしMはLi、NaまたはK、nは3〜5)で表される組成のものが特に好適である。工業的に入手が容易なアルカリ珪酸塩としては、Na珪酸塩やK珪酸塩ではnが1.2〜4.5のもの、Li珪酸塩ではnが3.5〜7.5のものが挙げられる。ただし、nが小さいアルカリ珪酸塩を使用した場合、皮膜中のアルカリ成分が多くなり空気中の水分や炭酸ガスとの反応生成物が形成され、白華現象と呼ばれる外観不良が生じやすい。一方、nが極端に高いものではアルカリ成分が少なすぎるため、形成されるアルカリ珪酸塩皮膜は脆くなる。そのため本発明ではnが3〜5のアルカリ珪酸塩を使用する。Li珪酸塩の場合は3.5〜5のものを使用することがより好ましい。
アルカリ金属含有物質層は、CIS層中へのIa族アルカリ金属元素の供給源として機能する。主としてCIS層成膜時の高温加熱によって、アルカリ金属含有物質層中のIa族アルカリ金属元素(Naなど)が下部電極層(例えばMo層)を通ってCIS層中へ拡散する。アルカリ金属含有物質層に厚さは、例えばアルカリ珪酸塩皮膜の場合、平均厚さが0.1μm以上であることがより効果的である。2.0μm以上であることが一層好ましい。一方、アルカリ珪酸塩皮膜が過剰に厚くなるとコスト増となる。種々検討の結果、アルカリ珪酸塩皮膜の平均厚さは3.0μm以下とすればよい。2.0μm以下あるいは1.0μm以下に管理してもよい。
〔製造方法〕
素材となるSi含有溶融Al系めっき鋼板は従来一般的な手法により得ることができる。溶融Al系めっき浴中のSi含有量は上述のように3.0〜15.0質量%とし、必要に応じてSr、Na、Ca、Sb、P、Mg、Cr、Mn、Ti、Zr、V、Bの1種以上を上記の範囲で含有させる。この溶融Al系めっき鋼板の表層部を陽極酸化処理することにより成膜基板用の表面処理鋼板が得られる。陽極酸化処理を施す側のめっき付着量(めっき層平均厚さ)は10μm超えとすることが望ましく、15μm以上に管理してもよい。
得られたSi含有溶融Al系めっき鋼板のAl系めっき層中には図1に示したように針状のSi相が存在し、このままでは絶縁性に優れた陽極酸化皮膜を安定的に形成することが難しい。そこで、溶融Al系めっき鋼板を加熱処理し、Si相を球状化させる。所定量のNを含有する基材鋼板を用いた場合、この加熱処理によって上述のAlN濃化帯の形成も同時に行うことができる。
この加熱処理では、板厚方向に平行な断面において板厚方向長さが10μm以上であるSi相粒子の存在量を基材鋼板表面に平行方向の単位長さあたり100個/mm以下に調整することが重要である。めっき層中のSi含有量や溶融めっき条件の相違により、最適な加熱条件は多少変動するが、発明者らの検討によれば、加熱温度250〜570℃、保持時間0.5〜50hの範囲内で加熱条件を設定することができる。実際には予備実験によりSi含有量および溶融めっき条件に応じた適正な加熱条件範囲を把握しておけばよい。AlN濃化帯の形成を同時に行う場合も、上記加熱温度・保持時間の範囲内において適正な加熱条件を見出すことが可能である。
上記のようにSi相粒子のサイズが適正化された溶融Al系めっき鋼板のAl系めっき層に陽極酸化処理を施すことにより、特に絶縁性に対する信頼性の優れた表面処理鋼板を得ることができる。陽極酸化処理方法は公知の手法を採用することができる。陽極酸化皮膜の平均厚さは5μm以上とすることが望ましく、10μmであることがより効果的である。
陽極酸化皮膜は、その上に成膜を施す前に公知の手法で封孔処理しても構わないが、陽極酸化皮膜の表面上に直接アルカリ金属含有物質層を形成することにより封孔を兼ねることができる。アルカリ金属含有物質層としてアルカリ珪酸塩皮膜を形成する場合は、アルカリ珪酸塩を含む水溶液を塗布・焼成する方法が適用できる。例えば、ディップコート、バーコート、ロールコートなどにより陽極酸化皮膜上にアルカリ珪酸塩水溶液を塗布後、300〜600℃で焼成することでアルカリ珪酸塩皮膜を形成することができる。アルカリ珪酸塩水溶液濃度を変化させることによりアルカリ珪酸塩皮膜の膜厚を調整することができる。
アルカリ金属含有物質層の上には通常、下部電極層が形成される。下部電極層としては例えばMo皮膜が適用できる。Mo皮膜形成手法は、スパッタリング法等、公知の手法が採用できる。この下部電極層の厚さは0.2〜3.0μm程度とすればよい。下部電極層の表面上に形成される各層の構成は特に限定されないが、従来一般的な手法に従う場合は、CIS層、バッファ層、酸化亜鉛層、透光性導電層を順次形成することにより太陽電池セルが構築される。CIS層の形成方法としては、例えばMo皮膜上にCu、In、Ga、Seを同時あるいは順次蒸着し、加熱拡散によりCIS層を合成する手法が採用できる。加熱温度は500〜600℃の高温とすることが可能である。
《実施例1》
表1に示す鋼を溶製し、熱間圧延、冷間圧延を含む工程により板厚0.8mmの冷延焼鈍鋼板を得た。
上記の冷延焼鈍鋼板をめっき原板として種々のSi含有量の溶融Al系めっき鋼板を製造した。その後、加熱処理(Si相球状化処理)を施して陽極酸化用素材とした。比較のため加熱処理を施していない陽極酸化用素材も用意した。各陽極酸化用素材の板厚方向に平行かつ圧延方向に垂直な断面(C断面)について顕微鏡観察を行い、Al系めっき層中における板厚方向長さが10μm以上であるSi相粒子の基材鋼板表面に平行方向の単位長さあたりの存在量(個/mm)を求めた。
次に、各陽極酸化用素材のAl系めっき層の表面に陽極酸化処理を施し、表層部に陽極酸化皮膜を有する表面処理鋼板を得た。陽極酸化処理条件は前述の条件を採用し、処理時間を変えることで陽極酸化皮膜の厚さを調整した。得られた表面処理鋼板について、板厚方向に平行な断面においてAl系めっき層および陽極酸化皮膜中の板厚方向長さが10μm以上であるSi相粒子の存在量(個/mm)を調べた。その結果、元のAl系めっき層中における測定結果とほぼ一致していた。
表2、表3に、めっき条件、加熱処理条件、陽極酸化処理前のAl系めっき層の平均厚さ、そのAl系めっき層における板厚方向長さが10μm以上であるSi相粒子の基材鋼板表面に平行方向の単位長さあたりの存在量(個/mm)、陽極酸化皮膜の平均厚さを示す。陽極酸化処理後における板厚方向長さが10μm以上であるSi相粒子の存在量は、陽極酸化処理前と同様であるため、表中には記載を省略した。
得られた表面処理鋼板の陽極酸化皮膜の表面上に、Na系のアルカリ珪酸塩皮膜を形成した。一部の表面処理鋼板についてはLi系およびK系のアルカリ珪酸塩皮膜を形成した試料も作製した。また、比較材として普通鋼冷延鋼板およびSUS430鋼板を用意し、それらの表面上にも同様の手法でNa系のアルカリ珪酸塩皮膜を形成した。アルカリ珪酸塩皮膜の形成は、処理液をディップコート法により塗布したのち、材料到達温度400℃で焼成する方法にて行った。焼成後のアルカリ珪酸塩皮膜層の平均厚さは0.5μmとした。処理液の組成およびディップコート条件は以下のとおりである。
〔処理液組成〕
Li系; Li2O・nSiO2(n=4.5):40質量%、残部:水
Na系; Na2O・nSiO2(n=4.8):40質量%、残部:水
K系; K2O・nSiO2(n=3.6):40質量%、残部:水
〔ディップコート条件〕
浸漬速度:2.5mm/sec
浸漬時間:5sec
引き上げ速度:2.5mm/sec
次に上記のアルカリ珪酸塩皮膜の上に、下部電極層としてRFスパッタリング法により平均厚さ1μmのMo皮膜を形成した。また標準試料として従来のソーダライムガラスを用意し、その表面上にも上記の手法でMo皮膜を形成した。
各試料の上記Mo皮膜上に、以下に示す方法で太陽電池セルを構築した。
まず、電極基板温度を約550℃とした状態でCu、In、Ga、金属Seを同時に蒸着することにより、厚さ2μmのCIS層を形成した。次に、CIS層表面の電池セル部となる部分のみが露出するようマスクした状態でケミカル・バス・デポジション法(CBD法)により厚さ約0.1μmのCdSバッファ層を形成し、その上に、スパッタ法により厚さ0.1μmの酸化亜鉛(ZnO)層および厚さ0.1μmのITO透光性導電層を順次形成した。太陽電池セルの大きさは5mm×5mmである。
このようにして構築した太陽電池セルのITO透光性導電層の一部表面のみが露出するようにマスクした状態で、その露出部分に上部電極層となるAuを蒸着法により形成し、CIS太陽電池を得た。
上記の方法により作製したCIS太陽電池に、山下電装社製「ソーラーシミュレーター;YSS−100」を用いてAM1.5、100mW/cm2の模擬太陽光を照射しながら、KEITHLEY社製「2400型ソースメータ」によりI−V特性を測定して、短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、形状因子FFの値を得た。これらの値から下記(1)式により光電変換効率ηの値を求めた。
光電変換効率η(%)=短絡電流密度Jsc(mA/cm2)×開放電圧Voc(V)×{形状因子FF/入射光100(mW/cm2)}×100 …(1)
ソーダライムガラスを基板に使用したCIS太陽電池(表4、表5の電池No.0)の光電変換効率η0を標準として、η0に対する各CIS太陽電池の光電変換効率ηの比率η/η0の値(「変換効率比」という)を求めた。その結果を表4、表5に示す。
表4、表5からわかるように、陽極酸化皮膜の上にアルカリ珪酸塩皮膜を形成した本発明例のCIS電池は、鋼板の表面に直接アルカリ珪酸塩皮膜を形成した比較例のCIS太陽電池(電池No.101−Na、102−Na)と比べ、光電変換効率が著しく改善された。これは主として、CIS層を成膜するときの加熱に伴う鋼中成分(Feなど)のCIS層中への拡散が陽極酸化皮膜によって遮蔽されたことによる効果であると推察される。
なお、この実験で試作した本発明例のCIS太陽電池は標準試料として作製したソーダライムガラスを用いた従来のCIS太陽電池と比較して変換効率が低かった。しかし、今後の要素技術の開発により、本発明に従う構成のCIS太陽電池は性能向上の余地を多分に有すると考えられる。
《実施例2》
実施例1で使用した溶融Al系めっき鋼板(陽極酸化処理を施す前の段階のもの)について、曲げ試験により加工性を評価した。また、実施例1で作製した成膜基板用の表面処理鋼板(陽極酸化皮膜を形成した段階のもの)について、その陽極酸化皮膜の絶縁性に対する信頼性を評価する試験を行った。評価方法は以下の通りである。
〔曲げ試験〕
溶融Al系めっき鋼板に2t夾み180°曲げを施した後、曲げ戻す試験を行い、Al系めっき層の剥離が認められなかったものを○(加工性良好)、それ以外を×(加工性不良)と評価した。
〔絶縁性試験〕
陽極酸化処理済みの表面処理鋼板について、耐電圧・絶縁測定装置(菊水電子製;TOS9201)を用いて、図15に示す回路構成にて試験片の厚さ方向に電圧を印加し、電圧をステップ状に上昇させながら直流電流値を測定する手法で電圧印加時間10secにて2mA以上の電流が流れた電圧を求め、その電圧を絶縁破壊電圧とした。電極はφ12mmであり、陽極酸化皮膜を有する評価表面を正極、反対側の表面を負極とし、負極を接触させる試料表面は基材鋼板の研磨面とした。基材鋼板の板厚は0.8mmで共通である。印加電圧は10Vからスタートした。試験環境は常温大気中である。
表6、表7に結果を示す。
溶融Al系めっき鋼板の加工性については、めっき層中のSi含有量が3.0〜15.0質量%である本発明例のものはいずれも良好であった。比較例であるNo.1は純Alめっき浴を用いたことにより溶融めっき時にAl−Fe系合金層が厚く成長し、加工性に劣った。No.7はSi含有量が過剰であるためSi相が初晶として粗大化し、この場合も加工性に劣った。
陽極酸化処理後の表面処理鋼板の絶縁性については、溶融Al系めっき後に加熱処理を実施してSi相粒子を適正形態に球状化したもの(No.26〜28を除くもの)は、加熱処理を実施していないNo.28や、加熱処理によるSi相粒子の球状化が不十分であるNo.26、27と比べ、絶縁破壊電圧が顕著に向上している。Si相粒子を球状化した表面処理鋼板は絶縁性を重視する用途に適用するCIS太陽電池においては特に効果的であると考えられる。微量のSr、Na、Ca、Sb、Pを含有するめっき浴を用いたNo.12〜17、25、60〜65、73は、めっき後の組織においてSi相が微細化されたことにより、Si含有量および加熱処理条件が同等であるNo.4、53と比べ板厚方向長さ10μm以上のSi相粒子の存在量が少なくなっており、それに伴って絶縁破壊電圧も向上する傾向が見られた。
〔実施例3〕
実施例1で作製した陽極酸化処理済みの表面処理鋼板のうち、表2に示したいくつかの試料と、表3に示したNを含有する基材鋼板を用いた試料について550℃×60minの加熱試験を行った。加熱試験前および後の試料について断面観察を行い、Al−Fe−Si系合金層の平均厚さの変化を調べた。結果を表8に示す。
表8からわかるように、所定量のNを含有する基材鋼板(鋼B、C)を用いたものは、上記加熱試験によるAl−Fe−Si系合金層の成長が顕著に抑制されている。EDXによる分析の結果、上記のAl−Fe−Si系合金層の成長が顕著に抑制された試料には、前述のSi相球状化処理後の段階で基材鋼板とAl−Fe−Si系合金層の界面付近にAlとNの濃化が観測されたことから、AlN濃化帯がAl−Fe−Si系合金層の成長を抑止するバリアとして機能したと考えられる。このようなAlN濃化帯を有する材料は、CIS層成膜時の500℃以上での加熱においてAl−Fe−Si系合金層の成長による変形能(加工性)の低下を抑止する上で有利となる。なお、AlN濃化帯を有しない材料を500℃以上での成膜処理に供した場合でも、特段の柔軟性を要求しない用途では特に問題ない。
1 基材鋼板
2 Al−Fe−Si系合金層
3 Al系めっき層
4 Si相
5 陽極酸化皮膜
6 AlN濃化帯
21 アルカリ金属含有物質層
30 表面処理鋼板
41 基板
42 下部電極層
43 CIS層
44 バッファ層
45 酸化亜鉛層
46 透光性導電層
47 上部電極層
48 導線
49 負荷

Claims (8)

  1. めっき層中のSi含有量が3.0〜15.0質量%である溶融Al系めっき鋼板の当該Al系めっき層表層部に陽極酸化皮膜を有し、そのAl系めっき層および陽極酸化皮膜中にはSi相の粒子が分散しており、板厚方向に平行な断面においてAl系めっき層および陽極酸化皮膜中の板厚方向長さが10μm以上であるSi相粒子の存在量が鋼板表面に平行方向の単位長さあたり100個/mm以下に調整されている表面処理鋼板を成膜用基板に用いたCIS太陽電池。
  2. Al系めっき層は、質量%でSi:3.0〜15.0%、Sr:0〜0.2%、Na:0〜0.1%、Ca:0〜0.1%、Sb:0〜0.6%、P:0〜0.2%、Mg:0〜5.0%、Cr:0〜1.0%、Mn:0〜2.0%、Ti:0〜0.5%、Zr:0〜0.5%、V:0〜0.5%、B:0〜0.10%、残部Alおよび不可避的不純物からなる組成を有するものである請求項に記載のCIS太陽電池用。
  3. 前記成膜用基板の陽極酸化皮膜の上にアルカリ金属含有物質層を配置し、その上に下部電極層を介してCIS層を有する請求項1または2に記載のCIS太陽電池用。
  4. アルカリ金属含有物質層は、M2O・nSiO2(ただしMはLi、NaまたはK、nは3〜5)で表される組成を有するアルカリ珪酸塩皮膜である請求項に記載のCIS太陽電池。
  5. Si含有量が3.0〜15.0質量%である溶融Al系めっき浴を用いて基材鋼板の表面にAl−Fe−Si系合金層を介するAl系めっき層を形成する工程、
    前記Al系めっき層を形成した鋼板を加熱温度250〜570℃、保持時間0.5〜50hの条件範囲で加熱処理することにより、Al系めっき層中に存在するSi相を球状化し、板厚方向に平行な断面において板厚方向長さが10μm以上であるSi相粒子の存在量を基材鋼板表面に平行方向の単位長さあたり100個/mm以下に調整する工程、
    前記加熱処理後のAl系めっき層を陽極酸化処理することにより陽極酸化皮膜を形成する工程、
    前記陽極酸化皮膜の上にアルカリ金属含有物質層を形成する工程、
    前記アルカリ金属含有物質層の上に下部電極層を形成する工程、
    前記下部電極層の上にCIS層を形成する工程、
    を有するCIS太陽電池の製造方法。
  6. 前記溶融Al系めっき浴は、質量%でSi:3.0〜15.0%、Sr:0〜0.2%、Na:0〜0.1%、Ca:0〜0.1%、Sb:0〜0.6%、P:0〜0.2%、Mg:0〜5.0%、Cr:0〜1.0%、Mn:0〜2.0%、Ti:0〜0.5%、Zr:0〜0.5%、V:0〜0.5%、B:0〜0.10%、残部Alおよび不可避的不純物からなる組成を有するものである請求項に記載のCIS太陽電池の製造方法。
  7. 基材鋼板としてN含有量が0.002〜0.020質量%である鋼板を使用し、前記加熱処理を利用して基材鋼板とAl−Fe−Si系合金層の間にAlNを析出させる請求項またはに記載のCIS太陽電池の製造方法。
  8. アルカリ金属含有物質層は、M2O・nSiO2(ただしMはLi、NaまたはK、nは3〜5)で表される組成を有するアルカリ珪酸塩皮膜である請求項に記載のCIS太陽電池の製造方法。
JP2012033256A 2012-02-17 2012-02-17 Cis太陽電池およびその製造方法 Active JP5916425B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012033256A JP5916425B2 (ja) 2012-02-17 2012-02-17 Cis太陽電池およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012033256A JP5916425B2 (ja) 2012-02-17 2012-02-17 Cis太陽電池およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013171876A JP2013171876A (ja) 2013-09-02
JP5916425B2 true JP5916425B2 (ja) 2016-05-11

Family

ID=49265671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012033256A Active JP5916425B2 (ja) 2012-02-17 2012-02-17 Cis太陽電池およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5916425B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6069558B1 (ja) * 2016-03-11 2017-02-01 日新製鋼株式会社 溶融Al系めっき鋼板およびその製造方法
JP6652111B2 (ja) 2017-07-18 2020-02-19 トヨタ自動車株式会社 太陽電池の製造方法
CN108269868A (zh) * 2018-01-29 2018-07-10 北京铂阳顶荣光伏科技有限公司 薄膜太阳能电池

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56130461A (en) * 1980-03-15 1981-10-13 Nisshin Steel Co Ltd After-treatment of steel sheet coated with aluminum by hot dipping
JPS58224159A (ja) * 1982-06-19 1983-12-26 Nisshin Steel Co Ltd アルミめつき鋼板およびその製造法
JPS6289369A (ja) * 1985-10-16 1987-04-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光起電力装置
JPH06207262A (ja) * 1993-01-06 1994-07-26 Sky Alum Co Ltd 遠赤外線放射部材およびその製造方法
US5462649A (en) * 1994-01-10 1995-10-31 Electroplating Technologies, Inc. Method and apparatus for electrolytic plating
JP3485410B2 (ja) * 1996-01-18 2004-01-13 新日本製鐵株式会社 耐加熱黒変性に優れた溶融アルミめっき鋼板の製造法
JP2000040837A (ja) * 1998-07-24 2000-02-08 Nisshin Steel Co Ltd 非晶質シリコン薄膜型太陽電池用絶縁基板の製造方法
JP5247293B2 (ja) * 2008-08-11 2013-07-24 日新製鋼株式会社 鋼材とアルミニウム材料のろう付け接合構造およびろう付け方法
JP4700130B1 (ja) * 2010-02-01 2011-06-15 富士フイルム株式会社 絶縁性金属基板および半導体装置
EP2584059B1 (en) * 2010-06-21 2015-03-25 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Hot-dip al-coated steel sheet with excellent thermal blackening resistance and process for production of same
JP2012015328A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Fujifilm Corp Cis系膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013171876A (ja) 2013-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101760712B (zh) 镀覆表面品质优良的高锰钢的热浸镀锌钢板的制造方法
JP6247206B2 (ja) ポリイミド層含有フレキシブル基板、ポリイミド層含有フレキシブル太陽電池用基板、フレキシブル太陽電池およびそれらの製造方法
JP2008081794A (ja) アルミニウム合金および薄膜系太陽電池基板
US20100248417A1 (en) Method for producing chalcopyrite-type solar cell
TWI558478B (zh) 基材用金屬箔
WO2012033033A1 (ja) Cigs太陽電池用基板および電池
JP2010283342A (ja) Al基材、それを用いた絶縁層付金属基板、半導体素子および太陽電池
JP5916425B2 (ja) Cis太陽電池およびその製造方法
JP2011195953A (ja) アルミニウム合金板およびその製造方法
CA2918863C (en) Al-coated steel sheet having excellent total reflection characteristics and corrosion resistance, and method for manufacturing same
JP2011190466A (ja) アルミニウム合金基板および太陽電池用基板
JP5892806B2 (ja) 絶縁性の良好な表面処理鋼板およびその製造法
JP5883663B2 (ja) 絶縁層付フレキシブル金属基板およびその製造方法並びに半導体素子
JP2015104746A (ja) はんだ接合材料及びその製造方法
CN108010989A (zh) 柔性太阳能电池及其制备方法
JP6217295B2 (ja) Inスパッタリングターゲット
TW201427054A (zh) 光電變換元件及其製造方法、光電變換元件的緩衝層的製造方法與太陽電池
JP2013166977A (ja) 陽極酸化絶縁処理用溶融Al系めっき鋼板およびその製造法
JP5566227B2 (ja) Cigs太陽電池用電極基板および電池
US20150155402A1 (en) Solder joint material and method of manufacturing the same, soldering member and solar cell module
WO2012099187A1 (ja) Cis太陽電池用電極基板および電池
JP2011127153A (ja) めっき材料とその製造方法
JP2006057145A (ja) 半田付け性、耐食性および耐ホイスカー性に優れるSn系めっき鋼板およびその製造方法
US20140246088A1 (en) Thin films and preparation process thereof
JP2015155575A (ja) めっき材料とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5916425

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350