JP5913868B2 - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつに関するものである。
パンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃及び後身頃を構成する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されてサイドシール部が形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成されている。以下、外装シートと内装体との固定部を内外固定部ともいう。外装シートとしては不織布を貼り合わせて形成したものが一般的である。
パンツタイプ使い捨ておむつにおいては、身体へのフィット性を向上させるために、外装シートに、種々の弾性伸縮部材を伸長状態で固定することが行われており、特に、胴周り領域(サイドシール部を有する縦方向領域)のほぼ全体にわたり、幅方向に沿って延在する細長状の弾性伸縮部材を備えているもの(特許文献1等)が一般的となっている。
また、ウエスト縁部領域の接触圧を相対的に高くすることが一般的であるのに対して、着用者の腸骨領域及び下腹部当接領域における接触圧を高めることにより、幼児の丸く膨出したお腹に対して良好にフィットさせ、ズレ落ちを防止することも提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−061681号公報
しかし、腸骨領域や下腹当接領域における弾性伸縮部材の接触圧を高くした場合、柔らかな製品風合いを出すために単に外装シートに柔軟な素材を用いると、装着前の自然状態(非伸長状態)において製品風合いが硬くなるという問題点があった。
そこで、本発明の主たる課題は、高い接触圧によるフィット性と柔軟な風合いとを両立することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
股間部から腹側に延在する前身頃をなす外装シートの両側部と股間部から背側に延在する後身頃をなす外装シートの両側部とが接合されてサイドシール部が形成されるとともに、装着者の胴を通すためのウエスト開口部及び脚を通すための左右一対の脚開口部がそれぞれ形成され、
前記外装シートの内側の幅方向中央部に、吸収体を含む内装体が固定されており、
前記外装シートは不織布で形成されており、
前記前身頃の外装シートのうち前記サイドシール部を有する縦方向領域は、ウエスト開口部の縁部を形成する前ウエスト縁部領域と、この前ウエスト縁部領域より股間側に位置するウエスト下部領域とを有するとともに、それぞれ幅方向に弾性伸縮するように構成されている、
パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記前身頃の外装シートは、少なくとも外面を形成する素材が、圧縮レジリエンスRC70%以上、かつ幅方向の剛軟度が15〜30mmの不織布とされ、
前記前身頃の外装シートにおける前記サイドシール部を有する縦方向領域のうち、少なくともウエスト下部領域における縦方向の一部の領域は、それ以外の領域と比べて接触圧が高く且つ幅方向の収縮率が低い高接触圧低収縮率領域とされている、
ことを特徴とする、パンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
高接触圧領域を有する外装シートに柔軟な素材を用いた場合、高接触圧領域における外装シートの収縮率が高くなり、外装シートの高密度化により硬質化する。これに対して、本発明では、高接触圧とするだけではなく、幅方向の収縮率を低下させた高接触圧低収縮率領域とすることにより、フィット性に優れるものでありながら、柔軟な風合いが得られるようになる。
<請求項2記載の発明>
前記高接触圧低収縮率領域は、接触圧が0.8〜1.1kPaであり、かつ幅方向収縮率が100〜170%である、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
接触圧及び幅方向収縮率は適宜定めることができるが、通常のパンツタイプ使い捨ておむつにおいて高い接触圧によるフィット性と柔軟な風合いとを両立する場合、この範囲内とするのが好ましい。
<請求項3記載の発明>
前記前身頃の外装シートは、前記前ウエスト縁部領域に縦方向に間隔を空けて幅方向伸長状態で固定された多数の幅方向に沿う細長状の前ウエスト縁部弾性伸縮部材と、ウエスト下部領域に縦方向に間隔を空けて幅方向伸長状態で固定された多数の幅方向に沿う細長状のウエスト下部弾性伸縮部材と、を有するものであり、
前身頃の外装シートにおける前記サイドシール部を有する縦方向領域のうち、前記高接触圧低収縮率領域は、それ以外の領域と比べて、前記ウエスト下部弾性伸縮部材の伸長率が低いか又は単位縦方向長さ当たりの前記ウエスト下部弾性伸縮部材の本数が少なく、かつウエスト下部弾性伸縮部材の太さが太い、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
高接触圧低収縮率領域は適宜の手法により形成することができるが、このようにウエスト下部弾性伸縮部材の伸長率、単位縦方向長さ当たりの本数、太さを適宜調整する手法が簡単に設計できるため好ましい。
<請求項4記載の発明>
前記前身頃の外装シートは、前記前ウエスト縁部領域に縦方向に間隔を空けて幅方向伸長状態で固定された多数の幅方向に沿う細長状の前ウエスト縁部弾性伸縮部材と、ウエスト下部領域に縦方向に間隔を空けて幅方向伸長状態で固定された多数の幅方向に沿う細長状のウエスト下部弾性伸縮部材と、を有するものであり、
前身頃の外装シートにおける前記サイドシール部を有する縦方向領域のうち、前記高接触圧低収縮率領域は、それ以外の領域と比べて、前記ウエスト下部弾性伸縮部材の固定時の伸長率が低く、かつウエスト下部弾性伸縮部材が天然ゴムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
天然ゴムは合成ゴムに比べて伸長時のSSカーブと収縮時のSSカーブとの差が小さい(つまり、同じ伸び(歪)において引張強さ(往)と引張強さ(復)との差が小さい)ため、高接触圧低収縮率領域においてウエスト下部弾性伸縮部材の伸長率を低くしても、接触圧を高く維持できるため、太さを太くしなくても(太くしても良い)高い接触圧を得ることができる。よって、高接触圧低収縮率領域においてウエスト下部弾性伸縮部材の太さが局所的に太くなることによる見栄えの悪化等の問題を抑制することができる。
<請求項5記載の発明>
前記前身頃の外装シートにおける少なくとも前記高接触圧低収縮率領域は、外面を形成する外側不織布と、この内面に貼り合わされた内側不織布との間に弾性伸縮部材が挟持されて形成されており、前記内側不織布の幅方向の剛軟度が前記外側不織布の幅方向の剛軟度よりも高い、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように少なくとも高接触圧低収縮率領域を不織布の二層構造とし、外側不織布は柔軟な素材としつつ、内側不織布をより高い剛軟度のものとすることにより、高接触圧低収縮率領域における弾性伸縮部材の伸長率等を変更しなくても、また変更するにしてもその変更を最小限に抑えつつ、低収縮率とすることができる。
<請求項6記載の発明>
前記高接触圧低収縮率領域に、前記外装シートに前記内装体を固定する内外固定部の幅が前後両側よりも狭く、かつその幅の狭い内外固定部の側縁近傍まで前記ウエスト下部弾性伸縮部材が延在する、大伸縮部が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、高接触圧低収縮率領域において局所的に内外固定部の幅を狭めてその部分だけウエスト下部弾性伸縮部材の取り付け範囲を広げることによって、ウエスト下部弾性伸縮部材の収縮力作用範囲を拡大することができ、低収縮率としたことによる伸縮性の低下を補うことができる。よって、高接触圧低収縮率領域における接触圧をより低く抑えることができる。しかも、ウエスト下部弾性伸縮部材を有する縦方向範囲の全てにおいて内外固定部の幅を狭めるのではなく、一部(高接触圧低収縮率領域)のみ前後両側よりも内外固定部の幅を狭めるため、内装体と外装シートとの固定が不十分となることもない。
<請求項7記載の発明>
前記前身頃の外装シートにおけるウエスト下部領域は、前記前ウエスト縁部領域より股間側に位置し、装着者の腸骨領域に当接する腸骨当接領域と、装着者の下腹部に当接する下腹部当接領域とを有するとともに、それぞれ幅方向に弾性伸縮するように構成されており、
前記下腹部当接領域が前記高接触圧低収縮率領域とされている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
下腹部はその上側の腸骨領域等と比べて食事の前後や体の動きに伴うお腹の膨縮や変形が格段に少ないため、下腹部当接領域が最もズレにくい領域である。よって、この下腹部当接領域の接触圧を最も高くすることにより、おむつを体に対してしっかりと支えることができる。また、腸骨当接領域の締め付け力は相対的に弱いため、お腹の膨縮や変形に対して柔軟に追従することができる。なお、腸骨領域とは、腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位を意味し、下腹部とは恥骨部と鼠蹊部とを合わせた部分であり、腹部の最下部で、外陰部や大腿部に接する所を意味する。
以上のとおり、本発明によれば、高い接触圧によるフィット性と柔軟な風合いとを両立できるようになる、等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを概略的に示す、斜視図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを示す、断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図8は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつは、製品外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シート12の内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものであり、外装シート12と内装体200とを固定する内外固定部は図6に符号300で示されている。符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口部WOの縁から後身頃Bのウエスト開口部WOの縁までの前後方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装シート12は着用者に装着するための部分である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、これら接合部分は内外固定部300を含め、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。また、「前後方向(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつ100の装着状態、すなわちおむつ100の前身頃両側部と後身頃両側部を重ね合わせるようにおむつ100を股間部で2つに折った際に胴り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、不透液性バックシート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
立体ギャザー60を設ける場合、表面シート30の両側部は、不透液性バックシート11と立体ギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、不透液性バックシート11及び立体ギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(不透液性バックシート)
不透液性バックシート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。不透液性バックシート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、不透液性バックシート11として用いることができる。
不透液性バックシート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、不透液性バックシート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(立体ギャザー)
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。立体ギャザー60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66のうち前後方向両端部は、取付部分65から内装体200の側部を通り表面シート30の側部表面まで延在し且つこの表面シート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる。突出部分のうち前後方向中間部は非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸長状態で固定されている。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザーシートの間に防水フィルム64を介在させることもできる。
立体ギャザー60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
立体ギャザー60の取付部分65の固定対象は、内装体200における表面シート30、不透液性バックシート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成された立体ギャザー60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において立体ギャザー60が幅方向外側に開くように起立するため、立体ギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
立体ギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、立体ギャザー60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、立体ギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側において立体ギャザーを二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量(JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」)が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度(JIS K7224−1996高吸水性樹脂の吸水速度試験方法)が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装シート)
外装シート12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fを構成する部分と、股間部から背側に延在する後身頃Bを構成する部分とを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部12Aが形成されるとともに、図8に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。なお、股間部とは、展開状態における前身頃Fのウエスト端縁から後身頃Bのウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
外装シート12は、サイドシール部を有する縦方向領域(ウエスト開口部WOから脚開口部LOの上端に至る縦方向領域)として定まる胴り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向領域(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と間)として定まる中間部Lとを有する。
り部Tは、ウエスト開口部の縁部を形成する前ウエスト縁部領域fw及び後ウエスト縁部bw(前ウエスト縁部領域と対応する領域)と、これらの股間側に位置するウエスト下部領域fi,fd及びbi,bdとを有しており、ウエスト下部領域fi,fd及びbi,bdは、装着者の腸骨領域に当接する腸骨当接領域fi及び後中間領域bi(腸骨当接領域と対応する部分)と、装着者の下腹部に当接する下腹部当接領域fd及び後下端側領域bd(下腹部当接領域と対応する部分)とを有しており、それぞれ幅方向に弾性伸縮するように構成されている。
これらの領域の縦方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、例えば前ウエスト縁部領域fw及び後ウエスト縁部bwの縦方向長さはおむつ全長Yの2〜12%程度、腸骨当接領域fi及び後中間領域biの縦方向長さはおむつ全長Yの2〜14%程度、下腹部当接領域fd及び後下端側領域bdの縦方向長さはおむつ全長Yの5〜19%程度とすることができる。特に、サイドシール部12Aの縦方向長さがおむつ全長の20〜30%の場合、例えば前ウエスト縁部領域fw及び後ウエスト縁部bwの縦方向長さはおむつ全長Yの2〜10%程度、腸骨当接領域fi及び後中間領域biの縦方向長さはおむつ全長Yの4〜12%程度、下腹部当接領域fd及び後下端側領域bdの縦方向長さはおむつ全長Yの8〜15%程度とすることができる。
一方、中間部Lは両側縁が被着者の脚周りに沿うように括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。この結果、外装シート12は、全体としては略砂時計形状をなしている。外装シート12の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図8に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装体200の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるように定めてもよい。
また、図示形態では、各領域を幅方向に弾性伸縮する構造とするために、外装シート12は、外面を形成する外側不織布12Sと、この内面に貼り合わされた内側不織布12Hとの間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材14〜20が挟持されて形成されている。特に図示形態では、内側に位置する内側不織布12Hはウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側不織布12Sは内側不織布12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されているが、これに限定されず他の公知の構造を採用して弾性伸縮部材を内蔵させることができる。
外側不織布12S及び内側不織布12Hとしては、不織布であれば特に限定無く使用でき、その原料繊維が何であるかは特に限定されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを使用することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。外側不織布12S及び内側不織布12Hの各目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
外側不織布12S及び内側不織布12H間に設けられる細長状弾性伸縮部材14〜20としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装シート12の外側不織布12S及び内側不織布12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材14〜20の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。
より詳細には、前ウエスト縁部領域fw及び後ウエスト縁部領域fwにおける内側不織布12Hの内側面と外側不織布12Sの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、前ウエスト縁部弾性伸縮部材及び後ウエスト縁部弾性伸縮部材17がそれぞれ複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。また、前ウエスト縁部弾性伸縮部材及び後ウエスト縁部弾性伸縮部材17のうち、股間側に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。この前ウエスト縁部弾性伸縮部材及び後ウエスト縁部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定することができる。また、前ウエスト縁部弾性伸縮部材及び後ウエスト縁部弾性伸縮部材17は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト縁部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、腸骨当接領域fi及び後中間領域biにおける内側不織布12Hの外側面と外側不織布12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位の幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなる腸骨部弾性伸縮部材19及び後中間弾性伸縮部材15がそれぞれ複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。 この腸骨部弾性伸縮部材19及び後中間弾性伸縮部材15としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定することができる。
また、下腹部当接領域fd及び後下端側領域bdにおける内側不織布12Hの外側面と外側不織布12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位の幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなる下腹部弾性伸縮部材20及び後下端側弾性伸縮部材14がそれぞれ複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。この下腹部弾性伸縮部材20及び後下端側弾性伸縮部材14としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定することができる。
さらに、図示形態では、前身頃F及び後身頃Bの中間部Lにおける内側不織布12Hの外側面と外側不織布12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなる中間部弾性伸縮部材16,18が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。中間部弾性伸縮部材16,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定することができる。
なお、図示のように、腸骨部弾性伸縮部材19及び後中間弾性伸縮部材15、下腹部弾性伸縮部材20及び後下端側弾性伸縮部材14、並びに中間部弾性伸縮部材16,18が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがない。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材14〜16,18〜20が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材14〜16,18〜20が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材14〜16,18〜20が細かく切断され、収縮力が作用せず(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)に、その幅方向両側のみが収縮力作用部分として構成されている形態も含まれる。もちろん弾性伸縮部材14〜16,18〜20の配設形態は上記例に限るものではなく、前身頃F及び後身頃Bの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、弾性伸縮部材14〜16,18〜20の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
(外装シート分割構造)
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、図9に示すように、外装シート12が、装着者の胴りのうち腹側を覆う腹側外装シート12Fと背側を覆う背側外装シート12Bとに分割されており、腹側外装シート12Fの幅方向中央部内面に内装体200の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シート12Bの幅方向中央部内面に内装体200の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。この場合、内装体200における不透液性バックシートの裏面には、内装体200の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとの間に露出する部分の一部又は全体を覆うように、股間部外装シートを固定することもできる。股間部外装シートとしては、前述した外装シートに用いられるものと同様の資材を用いることができる。
(後処理テープ)
外装シート12の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100を表面シート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
廃棄時には、おむつ100を表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70の折り重なり部分を剥離して展ばし、丸めた若しくは折り畳んだおむつ100の後身頃Bからウエスト開口部WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして接着剤により固定する。後処理テープ70は、不使用時にはコンパクトに折り畳まれ、使用時には長尺状に展開できる三つ折り形状のものが特に好適である。
後処理テープ70等の固定手段は、前身頃Fに設けてもよく、後身頃Bと前身頃Fの両方に設けてもよい。
(高接触圧低収縮率領域等について)
特徴的には、前身頃Fの外装シート12は、少なくとも外面を形成する素材(図示例では外側不織布12S)が、圧縮レジリエンスRCが70%以上、好ましくは70〜80%程度、かつ幅方向の剛軟度が15〜30mm、好ましくは20〜25mmの不織布とされる。圧縮レジリエンス及び剛軟度の測定方法については後述のとおりである。図示形態のように前身頃Fの外装シート12と後身頃Bの外装シート12とを共通の素材で一体的に形成する場合には、後身頃Bの外装シート12についても同様の素材構成とすることが望ましいが、異ならしめることもできる(特に後述する外装シート12分割構造の場合に好適)。このような圧縮レジリエンス及び幅方向の剛軟度の不織布としては、例えば繊度2〜3dtexのポリプロピレン繊維からなる目付け15〜20g/m2程度のスパンボンド不織布を例示することができる。
また、特徴的には、前身頃Fの外装シート12における胴り部Tのうち、少なくともウエスト下部領域fi,fdにおける縦方向の一部の領域は、それ以外の領域と比べて接触圧が高く且つ幅方向の収縮率が低い高接触圧低収縮率領域とされている。接触圧及び収縮率の測定方法については後述のとおりである。高接触圧低収縮率領域は、ウエスト下部領域fi,fd内であればその一部であっても全体であっても良く、一部とする場合は腸骨当接領域fi、若しくは腸骨当接領域fi及び下腹部当接領域fdに跨る一部分であっても良いが、特に下腹部当接領域fdとするのが好ましい。高接触圧領域を有する外装シート12に柔軟な素材を用いた場合、高接触圧領域における外装シート12の収縮率が高くなり、外装シート12の高密度化により硬質化するが、上述のように高接触圧とするだけではなく、幅方向の収縮率を低下させた高接触圧低収縮率領域とすることにより、フィット性に優れるものでありながら、柔軟な風合いが得られるようになる。
高接触圧低収縮率領域における接触圧及び幅方向収縮率は適宜定めることができるが、通常のパンツタイプ使い捨ておむつにおいて高い接触圧によるフィット性と柔軟な風合いとを両立する場合、接触圧が0.8〜1.1kPa、特に0.9〜1.0kPaであり、かつ幅方向収縮率が100〜170%、特に120〜140%であると好ましい。また、高接触圧低収縮率領域は、ウエスト下部領域fi,fdにおける高接触圧低収縮率領域以外の領域と比べて、接触圧が1.5〜2.5倍程度、特に1.7〜2.2倍程度、幅方向の収縮率が1.5〜2.0倍程度、特に1.7〜1.8倍程度であるのが好ましい。
特に好ましい各領域の接触圧の大小関係は次のとおりである。すなわち、外装シート12における、前ウエスト縁部領域fwの接触圧をFfw、腸骨当接領域fiの接触圧をFfi、下腹部当接領域fdの接触圧をFfd、及び後下端側領域bdの接触圧をFbdとしたとき、Ffd>Ffw>Ffiの関係及びFfd>Fbdの関係を満たすのが好ましい。このように、下腹部当接領域fdの接触圧Ffdを、これと胴り方向に対応する後下端側領域bdの接触圧Fbdよりも大きくなるように構成すると、臀部の膨らみに当接する領域である後下端側領域bdが、前身頃Fの下腹部当接領域fdによって強く前側に引っ張られて左右方向に展開され、臀裂側への移動が抑制されるため、本来装着者の臀裂よりも幅方向外側に位置するべき後身頃の立体ギャザー60,60が臀裂側にズレて落ち込むといった事態が生じ難くなる。
また、単に後身頃Bのみを考慮して前後の接触圧を異ならしめると、前身頃Fのフィット性が低下し、結果的に後身頃Bもズレやすくなるおそれがあるが、本発明では下腹部当接領域fdの接触圧Ffdを最も強くし、次いで前ウエスト縁部領域fwの接触圧Ffwを強くし、腸骨当接領域fiの接触圧をFfi最も弱く(この点では引用文献1と対照的である)したことにより、却って前身頃Fのフィット性が顕著に向上し、その結果として後身頃Bのズレ難さをより強固なものとしている。すなわち、下腹部はその上側の腸骨領域等と比べて食事の前後や体の動きに伴うお腹の膨縮や変形が格段に少ないため、下腹部当接領域fdが最もズレにくい領域である。よって、この下腹部当接領域fdの接触圧を最も高くすることにより、おむつを体に対してしっかりと支えることができる。また、腸骨当接領域fiの接触圧を最も低くすることにより、お腹の膨縮や変形に対して柔軟に追従することができる。さらに、単に腸骨当接領域fiの接触圧を弱めるとズレ落ち易くなるが、前ウエスト縁部領域fwの接触圧は腸骨当接領域fiよりも強く、また下腹部当接領域fdの接触圧を最も強くしているため、これら腸骨当接領域fiの縦方向両側の領域が支えとなり、腸骨当接領域fiのズレ落ちも防止することができる。よって、前身頃Fにおける静的なフィット性及び動的なフィット性の双方が向上し、ズレ落ち防止効果に優れたものとなり、その結果後身頃Bのズレ難さもより一層のものとなる。
後身頃Bの外装シート12における、後ウエスト縁部領域bw、後中間領域bi及び後下端側領域bdの接触圧は適宜定めることができるが、後ウエスト縁部領域bwの接触圧をFbw、及び後中間領域biの接触圧をFbiとしたとき、Fbw=Ffw、及びFbi≦Ffiの関係を満たすように構成されていると好ましく、特に、後中間領域biにおける内装体200の後端部と対応する後中間領域bi後端部は、腸骨当接領域fiにおける後中間領域bi後端部と対応する部分よりも、接触圧が弱い(Fbi<Ffi)のが好ましい。これにより、内装体200の後端部が、前身頃Fの腸骨当接領域fiによって強く前側に引っ張られて左右方向に展開されるため、内装体200両側部の立体ギャザー60,60の臀裂側への移動が、より一層抑制されるようになる。これにより、後身頃Bの内装体200が臀裂側へズレるのを、より一層防止できる。
各領域の接触圧は適宜定めることができるが、本発明者が実験したところでは、前ウエスト縁部領域fwの接触圧Ffw0.4〜0.7kPa、特に0.5〜0.6kPa程度、腸骨当接領域fiの接触圧Ffi0.3〜0.6kPa、特に0.4〜0.5kPa程度、下腹部当接領域fdの接触圧Ffd0.8〜1.1kPa、特に0.9〜1.0kPa程度であるのが好ましく、後ウエスト縁部領域bwの接触圧Fbw0.4〜0.7kPa、特に0.5〜0.6kPa程度、後中間領域biの接触圧Fbi0.2〜0.5kPa、特に0.3〜0.4kPa程度、後下端側領域bdの接触圧Fbd0.8〜1.1kPa、特に0.9〜1.0kPa程度であるのが好ましい。
一方、特に好ましい各領域の収縮率の大小関係は接触圧の大小関係とは逆になるのが好ましく、具体的には次のとおりである。すなわち、外装シート12における、前ウエスト縁部領域fwの収縮率をCfw、腸骨当接領域fiの収縮率をCfi、下腹部当接領域fdの収縮率をCfd、及び後下端側領域bdの収縮率をCbdとしたとき、Cfd<Cfw<Cfiの関係及びCfd<Cbdの関係を満たすのが好ましい。また、後身頃Bの外装シート12における、後ウエスト縁部領域bwの収縮率をCbw、及び後中間領域biの収縮率をCbiとしたとき、Cbw=Cfw、及びCbi≧Cfiの関係を満たすように構成されていると好ましく、特に、後中間領域biにおける内装体200の後端部と対応する後中間領域bi後端部は、腸骨当接領域fiにおける後中間領域bi後端部と対応する部分よりも、収縮率が高い(Cbi>Cfi)のが好ましい。
各領域の収縮率は適宜定めることができるが、本発明者が実験したところでは、前ウエスト縁部領域fwの収縮率Cfwは120〜190%、特に140〜160%程度、腸骨当接領域fiの収縮率Cfiは105〜175%、特に125〜145%程度、下腹部当接領域fdの収縮率Cfdは100〜170%、特に120〜140%程度であるのが好ましく、後ウエスト縁部領域bwの収縮率Cbwは120〜190%、特に140〜160%程度、後中間領域biの収縮率Cbiは110〜180%、特に130〜150%程度、後下端側領域bdの収縮率Cbdは110〜180%、特に130〜150%程度であるのが好ましい。
外装シート12における接触圧の大小関係及び収縮率の大小関係は、公知の手法により構築することができる。例えば、図示のように、外側不織布12S及び内側不織布12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて外装シート12を形成し、各領域fw,fi,fd,bw,bi,bdにおける外側不織布12S及び内側不織布12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材14〜20を設けた構造の場合、各領域fw,fi,fd,bw,bi,bdの弾性伸縮部材14〜20の伸長率、単位縦方向長さ当たりの本数、太さ、伸縮特性(SSカーブ)を適宜調整する手法が簡単であるため好ましい。具体的には、高接触圧低収縮率領域では、それ以外の領域と比べて、弾性伸縮部材(高接触圧低収縮率領域を下腹部当接領域fdとしたときには下腹部弾性伸縮部材20となり、高接触圧低収縮率領域を腸骨当接領域fiとしたときには腸骨部弾性伸縮部材19である。以下に同じ。)の伸長率を低くするか又は単位縦方向長さ当たりの弾性伸縮部材の本数を少なくし、かつ弾性伸縮部材の太さを太くするのは、設計が簡単である点で一つの好ましい形態である。
また、高接触圧低収縮率領域では、それ以外の領域と比べて、弾性伸縮部材の固定時の伸長率を低くし、かつ弾性伸縮部材を天然ゴムとすることも一つの好ましい形態である。天然ゴムは合成ゴムに比べて伸長時のSSカーブと収縮時のSSカーブとの差が小さい(つまり、同じ伸び(歪)において引張強さ(往)と引張強さ(復)との差が小さい)ため、高接触圧低収縮率領域の弾性伸縮部材の伸長率を低くしても、接触圧を高く維持できるため、太さを太くしなくても(太くしても良い)高い接触圧を得ることができる。よって、高接触圧低収縮率領域の弾性伸縮部材の太さが局所的に太くなることによる見栄えの悪化等の問題を抑制することができる。
さらに、外側不織布12S及び内側不織布12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて外装シート12を形成する場合、外側不織布12Sは柔軟な素材としつつ、内側不織布12Hの幅方向の剛軟度を外側不織布12Sの幅方向の剛軟度よりも高くするのも一つの好ましい形態である。これにより、高接触圧低収縮率領域における弾性伸縮部材の伸長率等を変更しなくても、また変更するにしてもその変更を最小限に抑えつつ、低収縮率とすることができる。
もちろん、各領域に異なる部材を用いて継ぎ接ぎにより形成したり、伸縮不織布(糸ゴム等の弾性伸縮部材の付加なくして不織布自体が少なくとも幅方向に弾性伸縮するものを意味し、えば特開2008−156785号公報や特開2001−200460号公報記載のもの等。)やゴムシート等のシート状の弾性伸縮部材を用いて一部又は全部の領域を弾性伸縮するように構成したりする等、他の公知の手法を採用することにより、外装シート12における接触圧の大小関係及び収縮率の大小関係を構築することもできる。
また、上述した接触圧の大小関係及び収縮率の大小関係を構築する手段は、適宜組み合わせて用いることができる。
(大伸縮部)
図6に外装シート12と内装体200とを固定する内外固定部300の領域を示すように、内外固定部300のうち、高接触圧低収縮率領域(図6に示す例では下腹部当接領域fdを想定)に位置する部分301の幅X2が、その前後両側よりも狭く構成されるとともに、前身頃Fにおいてはこの幅の狭い内外固定部301の側縁近傍まで下腹部弾性伸縮部材20が延在されることにより、高接触圧低収縮率領域における弾性伸縮範囲の幅が、その前後両側よりも広く構成されていると好ましい。特に、内外固定部300のうち、後下端側領域bdに位置する部分304の両側縁が内装体の両側縁近傍(同じでも良い)に位置するとともに、内外固定部300のうち、高接触圧低収縮率領域に位置する部分301の幅X2が、後下端側領域bdに位置する部分304の幅X3よりも狭く構成されるとともに、後身頃Bにおいては幅の広い内外固定部304の側縁近傍まで後下端側弾性伸縮部材14が延在されていると、より好ましい。以下では、この弾性伸縮範囲の広い部分の縦方向領域を大伸縮部EXともいう。
大伸縮部EXを設ける範囲は、高接触圧低収縮率領域を含む限り、高接触圧低収縮率領域だけとする他、ウエスト下部領域fi,fdにおける高接触圧低収縮率領域以外の領域までを含む範囲とすることもでき、このため図示例では、前身頃Fにおいて腸骨部弾性伸縮部材19の一部についても幅の狭い内外固定部301の側縁近傍まで延在されるとともに、後身頃Bにおいて中間弾性伸縮部材15の一部についても幅の広い内外固定部304の側縁近傍までが延在されることにより、腸骨当接領域fiの一部における弾性伸縮範囲の幅が、後中間領域biの一部における弾性伸縮範囲の幅よりも広く構成されている。
大伸縮部EXの縦方向範囲はおむつの寸法に応じて適宜定めることができるが、通常の場合、おむつの全長Yのうち後端(後身頃Bのウエスト開口部WOの縁)を0%とし、前端(前身頃Fのウエスト開口部WOの縁)を100%としたとき、4〜30%の範囲とするのが好ましい。
大伸縮部EXにおける内外固定部301の幅X2は適宜定めることができるが、通常の場合、内装体200の幅X4の7〜70%程度とするのが好ましい。ちなみに、内装体200の幅X4は適宜定めることができるが、おむつの全幅Xの20〜50%程度であるのが好ましい。
後身頃Bの内外固定部304の幅X3は内装体200の幅X4の70〜95%程度とするのが好ましい。大伸縮部EXの前後近傍の部分EF,EBにおける内外固定部302,303の幅は、大伸縮部EXよりも広く、例えば後身頃Bの内外固定部304の幅X3と同程度とすることが望ましい。また、大伸縮部EXの前後両側EF,EBにおける内外固定部302,303の縦方向長さはおむつの全長Yの2〜20%程度とするのが好ましい。なお、おむつ各部の寸法は、基本的に弾性部材による収縮が無い展開状態における長さを意味するものである。
なお、後下端側弾性伸縮部材14及び腸骨部弾性伸縮部材19の幅方向中央側の端を内外固定部301,302,303の側縁の近傍とする場合、その距離は特に限定されないが、通常の場合、内外固定部301,302,303の側縁から幅方向中央側及び幅方向外側にそれぞれ30mm程度の位置までとするのが好ましい。このように前身頃Fの内外固定部300の幅を少なくとも下腹部当接領域において狭くし、その部分だけ弾性伸縮範囲の幅を広げると、後身頃において狭まる弾性伸縮範囲を前身頃において補い、臀部の膨らみと対応する縦方向領域においておむつの周方向全体で適切かつ十分な伸縮性を確保することができ、臀部に対するフィット性に優れたものとなる。
(股間部弾性伸縮部材)
下腹部当接領域fdを高接触圧低収縮率領域とする場合、下腹部における尿受け入れ空間が少なくなり、急激に大量の排尿があると漏れに繋がるおそれがある。そこで、図示例のように少なくとも股間部における外装シート12(内装体200でも良い)の内側不織布12Hと外側不織布12Sとの間に、内装体200の股間部を幅方向に収縮させつつ外側に膨出させる股間部弾性伸縮部材13を設けて、図8に示すように内装体200の股間部を幅方向に収縮させつつ外側に膨出させて、内装体200と装着者の股間との間の空間を大きくするのも好ましい形態である。この場合の股間部弾性伸縮部材13としては、糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材を幅方向に伸長した状態で縦方向に間隔を空けて多数設けると、構造が簡素で、製造容易であるため好ましい。もちろん、伸縮不織布(糸ゴム等の弾性伸縮部材の付加なくして不織布自体が少なくとも幅方向に弾性伸縮するものを意味し、えば特開2008−156785号公報や特開2001−200460号公報記載のもの等。)やゴムシート等のシート状の弾性伸縮部材を用いて一部又は全部の領域を弾性伸縮するように構成しても良い。
股間部弾性伸縮部材13に細長状弾性伸縮部材を用いる場合、その弾性伸縮部材として、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定することができる。
<用語の説明>
以下に用語の定義を示す。
(a)「伸長率」
「伸長率」は自然長を100%としたときの値、つまり自然長をt、伸長時の長さをt1としたときに[(t1−t)/t]×100%で表される値を意味する。
(b)「収縮率」
「収縮率」とは、弾性変形限界(例えば外装シートの場合、不織布基材の収縮が伸ばされて無くなった状態)の長さをu1とし、自然長をuとしたとき、[(u1−u)/u]×100%で表される値を意味する。
(c)「圧縮レジリエンス(RC)」
KES(Kawabata≡s Evaluation System for Fabrics)に基づき、KES−FB3−AUTO−A 自動化圧縮試験機を用いた圧縮試験により測定する。測定は、圧縮面積2cm2の円形平面をもつ鋼板間で、0kPaから最大圧縮荷重5.0kPaまで試料を圧縮し、元に戻す間で行う。RCとは圧縮レジリエンスのことで圧縮回復性を表わし、値が100に近い程、回復性が良い。
(d)「剛軟度」
「剛軟度」は、JIS−L−1096に準じて45度カンチレバー法で測定される値である。
(e)「接触圧」
接触圧は、周長が500mmの円筒(幼児の腹まわりの長さの平均を想定)におむつを装着し、エイエムアイ・テクノ社製の接触圧測定器(AMI3037−2))及びφ=15mmのエアパックを用い、測定対象となる弾性伸縮領域内にエアパックの全体が収まるようにセットして接触圧を測定する。
(f)用語「引張強さ(往)」、「引張強さ(復)」
引張試験機(例えばSHIMADZU社製のAOUTGRAPHAGS−G100N)を用いて測定することができる。具体的には、おむつの該当部分を切りだして試験片を作成し、20℃条件下において、チャック間50mm、引張速度300mm/minの条件で引張試験を行う。この際の、伸び0から弾性変形限界(例えば外装シートの場合、不織布基材の収縮が伸ばされて無くなった状態)まで伸ばしていくときの引張強さを「引張強さ(往)」とし、弾性変形限界から伸び0まで戻していくときの引張強さを「引張強さ(復)」とする。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつに利用できるものである。
11…不透液性バックシート、12…外装シート、12F…腹側外装シート、12B…背側外装シート、12H…内側不織布、12S…外側不織布、12r…折り返し部分、25…印刷シート、200…内装体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部立体ギャザー、62…ギャザーシート、F…前身頃、B…後身頃、fw…前ウエスト縁部領域、fi…腸骨当接領域、fd…下腹部当接領域、bw…後ウエスト縁部領域、bi…後中間領域、bd…後下端側領域。

Claims (7)

  1. 股間部から腹側に延在する前身頃をなす外装シートの両側部と股間部から背側に延在する後身頃をなす外装シートの両側部とが接合されてサイドシール部が形成されるとともに、装着者の胴を通すためのウエスト開口部及び脚を通すための左右一対の脚開口部がそれぞれ形成され、
    前記外装シートの内側の幅方向中央部に、吸収体を含む内装体が固定されており、
    前記外装シートは不織布で形成されており、
    前記前身頃の外装シートのうち前記サイドシール部を有する縦方向領域は、ウエスト開口部の縁部を形成する前ウエスト縁部領域と、この前ウエスト縁部領域より股間側に位置するウエスト下部領域とを有するとともに、それぞれ幅方向に弾性伸縮するように構成されている、
    パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記前身頃の外装シートは、少なくとも外面を形成する素材が、圧縮レジリエンスRC70%以上、かつ幅方向の剛軟度が15〜30mmの不織布とされ、
    前記前身頃の外装シートにおける前記サイドシール部を有する縦方向領域のうち、少なくともウエスト下部領域における縦方向の一部の領域は、それ以外の領域と比べて接触圧が高く且つ幅方向の収縮率が低い高接触圧低収縮率領域とされている、
    ことを特徴とする、パンツタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記高接触圧低収縮率領域は、接触圧が0.8〜1.1kPaであり、かつ幅方向収縮率が100〜170%である、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記前身頃の外装シートは、前記前ウエスト縁部領域に縦方向に間隔を空けて幅方向伸長状態で固定された多数の幅方向に沿う細長状の前ウエスト縁部弾性伸縮部材と、ウエスト下部領域に縦方向に間隔を空けて幅方向伸長状態で固定された多数の幅方向に沿う細長状のウエスト下部弾性伸縮部材と、を有するものであり、
    前身頃の外装シートにおける前記サイドシール部を有する縦方向領域のうち、前記高接触圧低収縮率領域は、それ以外の領域と比べて、前記ウエスト下部弾性伸縮部材の伸長率が低いか又は単位縦方向長さ当たりの前記ウエスト下部弾性伸縮部材の本数が少なく、かつウエスト下部弾性伸縮部材の太さが太い、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記前身頃の外装シートは、前記前ウエスト縁部領域に縦方向に間隔を空けて幅方向伸長状態で固定された多数の幅方向に沿う細長状の前ウエスト縁部弾性伸縮部材と、ウエスト下部領域に縦方向に間隔を空けて幅方向伸長状態で固定された多数の幅方向に沿う細長状のウエスト下部弾性伸縮部材と、を有するものであり、
    前身頃の外装シートにおける前記サイドシール部を有する縦方向領域のうち、前記高接触圧低収縮率領域は、それ以外の領域と比べて、前記ウエスト下部弾性伸縮部材の固定時の伸長率が低く、かつウエスト下部弾性伸縮部材が天然ゴムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  5. 前記前身頃の外装シートにおける少なくとも前記高接触圧低収縮率領域は、外面を形成する外側不織布と、この内面に貼り合わされた内側不織布との間に弾性伸縮部材が挟持されて形成されており、前記内側不織布の幅方向の剛軟度が前記外側不織布の幅方向の剛軟度よりも高い、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  6. 前記高接触圧低収縮率領域に、前記外装シートに前記内装体を固定する内外固定部の幅が前後両側よりも狭く、かつその幅の狭い内外固定部の側縁近傍まで前記ウエスト下部弾性伸縮部材が延在する、大伸縮部が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  7. 前記前身頃の外装シートにおけるウエスト下部領域は、前記前ウエスト縁部領域より股間側に位置し、装着者の腸骨領域に当接する腸骨当接領域と、装着者の下腹部に当接する下腹部当接領域とを有するとともに、それぞれ幅方向に弾性伸縮するように構成されており、
    前記下腹部当接領域が前記高接触圧低収縮率領域とされている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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