JP5912742B2 - 多孔質膜の製造方法 - Google Patents

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本発明は、多孔質膜の製造方法に関する。
血糖値の測定を行う血糖測定装置(血中成分測定装置)が知られている。この血糖測定装置は、血中のグルコース(ブドウ糖)量に応じて呈色する試験紙の呈色の度合いを光学的に測定(測色)して血糖値を定量化するものであり、試験紙の測色は、発光素子および受光素子を備える測光部において、試験紙に光を照射しその反射光の強度を測定することにより行われている。
上記試験紙としては、検体を吸収可能な多孔質材料で構成された1枚のシート基材に試薬を担持させた構成の多孔質膜が知られている。例えば、特許文献1には、検体が供給される表面を有する第1の層と、該検体がしみ出し測定される表面を有する第2の層とを有し、かつ上記第1の層が大孔部からなり、該第1の層の表面が開孔部を有し、上記第2の層が小孔部からなり、該第2の層の表面が開孔部を有する多孔質膜を有する試験紙が開示されている。この多孔質膜は、製膜原液を基材上に膜状に広げる製膜原液供給工程と、前記製膜原液供給工程後の基材を凝固浴に浸漬させる凝固浴浸漬工程と、前記凝固浴浸漬工程後の基材を水浴中で溶剤成分および/または水溶性添加剤成分を除去する洗浄工程と、該洗浄工程後の基材を乾燥させる乾燥工程とを具備する製造方法により得られるものである。
特許第4374342号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法により得られた多孔質膜は、品質にばらつきが生じるという問題があった。
そこで、本発明は、品質のばらつきを低減させる多孔質膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、種々の研究を行った。その結果、溶出相を形成しうる重量平均分子量の±4%の範囲内にある重量平均分子量を有する水溶性第2成分ポリマーを用いて多孔質膜を製造することにより、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも1種のポリマーが非溶出相を、他のポリマーが溶媒に溶出される溶出相を形成した後、溶媒に浸漬させることにより形成される多孔質膜の製造方法であって、前記非溶出相を形成する非水溶性第1成分ポリマーと、前記溶出相を形成しうる重量平均分子量の±4%の範囲内にある重量平均分子量を有する水溶性第2成分ポリマーと、を含む製膜原液を基材上に膜状に広げる製膜原液供給工程と、該製膜原液供給工程後の基材を凝固浴に浸漬させる凝固浴浸漬工程と、該凝固浴浸漬工程後の基材を水浴中で溶剤成分および水溶性添加剤成分の少なくとも一方を除去する洗浄工程と、該洗浄工程後の基材を乾燥させる工程と、を含む、多孔質膜の製造方法である。
本発明によれば、品質のばらつきを低減させる多孔質膜の製造方法が提供される。
以下、工程順に、本発明の多孔質膜の製造方法を詳細に説明する。
[製膜原液供給工程]
本工程は、製膜原液を基材上に膜状に塗布する工程である。塗布方法の具体例としては例えば、製膜原液を基材の表面にキャスト厚調整可能なアプリケータを用いて押し広げる方法もしくは塗り広げる方法、またはT−ダイから製造原液を吐出する方法などが挙げられる。
上記製膜原液は、非溶出相を形成する非水溶性第1成分ポリマーと、後述の凝固浴浸漬工程で溶出される、溶出相を形成する水溶性第2成分ポリマーとを含む。そして、前記水溶性第2成分ポリマーは、設定上最適な溶出相を形成しうる重量平均分子量の±4%の範囲で製造に用いられる。
前記非水溶性第1成分ポリマーの具体例としては、例えば、ニトロセルロース、ポリフッ化ビニリデン、セルロースアセテート、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。これら非水溶性第1成分ポリマーは、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
これら非水溶性第1成分ポリマーのうち、血糖値測定に使用する試薬を担持する場合に試薬活性の経時的劣化が少ないという観点から、ポリエーテルスルホンが好ましい。
前記水溶性第2成分ポリマーの具体例としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。これら水溶性第2成分ポリマーは、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。特にポリビニルピロリドンは、商品名プラスドン(登録商標)(ISP社製)やコリドン(登録商標)(BASF社製)として知られ、その分子量により、K90、K30、C15、90F、12PFなどの品名で市販されている。
これら水溶性第2成分ポリマーのうち、ポリビニルピロリドンは、ニトロセルロース、ポリビニルジフロライド、セルロースアセテート、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリエーテルスルホンなどとは溶解せず、またこれらのポリマーを溶かす極性溶媒に溶解し、凝固後には水により抽出除去できるといった特性を有するため好ましい。
前記水溶性第2成分ポリマーの重量平均分子量は、設定上最適な溶出相を形成しうる重量平均分子量の±4%の範囲である。ここで、上記の「溶出相を形成しうる重量平均分子量」とは、本工程において前記水溶性第2成分ポリマーが凝集して溶出相を形成し、かつ前記水溶性第2成分ポリマーが抽出除去された後に形成される多孔質膜の空孔率や表面開孔率が所望の大きさとなる重量平均分子量であることを意味する。水溶性第2成分ポリマーの重量平均分子量が上記範囲を外れた場合、最終的に得られる多孔質膜の品質のばらつきが大きくなる。
前記水溶性第2成分ポリマーの重量平均分子量は、溶出相を形成しうる重量平均分子量の±4%、好ましくは±2%の範囲であることが好ましい。
前記水溶性第2成分ポリマーの溶出相を形成しうる重量平均分子量は、水溶性第2成分ポリマーの種類によって変わりうる。例えば、ポリビニルピロリドンの場合、溶出相を形成しうる重量平均分子量は30,000でありうる。
製膜原液の溶媒としては、具体的には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等の有機極性溶媒が挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。これらの中でも、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
製膜原液中の前記非水溶性第1成分ポリマーの濃度は、12〜15質量%のものが好ましい。また、前記非水溶性第1成分ポリマーと前記水溶性第2成分ポリマーとの仕込みの質量比は、1:1〜1:3であることが好ましい。前記非水溶性第1成分ポリマーの濃度と、前記非水溶性第1成分ポリマーと前記水溶性第2成分ポリマーとの仕込み比が前記の範囲であると、所望の空孔率が得られるため好ましい。
上記製膜原液が基材上に塗布される時に調整されるキャスト厚は、70〜260nmであることが、得られる多孔質膜の膜厚が好適な範囲に収まる理由から好ましい。
基材は、従来公知のものを適宜選択して用いることができるが、上記製膜原液を塗布する面に凸凹の表面を有する基材であることが好ましい。このような基材としては、具体的には、光沢度が12以下である板ガラス、光沢度12以下のマットフィルム、ポリエチレンテレフタレート製の光沢度が12以下である艶消しフィルム(例えば、光沢度12以下のマットフィルム)をコートした板ガラス等が、得られる多孔質膜の第2の層の表面に該基材の凸凹が転写されることになるため好適に例示される。ここで光沢度は、JIS Z8741:1997に準拠する。
[凝固浴浸漬工程]
本工程は、上記製膜原液供給工程後の基材を、水を含有する凝固浴に浸漬させる工程であり、より具体的には、前記製膜原液が塗布された基材を凝固浴に浸漬させて、前記非水溶性第1成分ポリマーを該基材上に析出させる工程である。
凝固浴としては、好ましくは60〜85w/w%、より好ましくは70〜80w/w%の上記製膜原液の溶媒を含有する水系凝固浴が好適に例示され、具体的には、N−メチル−2−ピロリドンを60〜85w/w%含有する水溶液であることが好ましい。溶媒の含有率がこの範囲であれば、上記非水溶性第1成分ポリマーの緩慢な凝固が実現し、多孔質構造の膜が形成される。
前記凝固浴の温度は好ましくは10〜50℃、より好ましくは20〜40℃であり、浸漬時間は好ましくは3〜20分間、より好ましくは5〜10分間である。凝固浴の温度および浸漬時間がこの範囲であれば、前記非水溶性第1成分ポリマーの析出速度が適当となり、多孔質構造の膜が効率よく形成される。
[洗浄工程]
本工程は、上記凝固浴浸漬工程後の基材を、水浴に浸漬させ溶剤成分および/または前記水溶性第2成分ポリマーを除去する工程である。より具体的には、前記非水溶性第1成分ポリマーが析出されて形成される膜(以下、単に「第1成分ポリマーからなる膜」とも称する)を、水浴中に好ましくは10〜1000分間、より好ましくは15〜60分間浸漬させることで、前記溶剤成分および/または前記水溶性第2成分ポリマー等を抽出除去する工程である。
[乾燥工程]
本工程は、上記洗浄工程後の第1成分ポリマーからなる膜を乾燥させる工程である。より具体的には、自然乾燥や電気オーブン等を用いて、好ましくは30〜100℃、より好ましくは40〜80℃の温度で、好ましくは1分〜24時間、より好ましくは1分〜2時間乾燥させる方法が例示される。
本発明の製造方法により得られる多孔質膜は、検体中の濾別物を濾別する機能を有し、該検体中の特定成分と反応して呈色する試薬を担持する多孔質膜(試験紙)として用いられる。
ここで、上記検体としては、具体的には、例えば、血液、尿、汗、リンパ液、胆汁、唾液等が挙げられる。また、上記検体中の特定成分としては、検体によっても異なるが、グルコース、コレステロール、ヘモグロビン、乳酸、ヘモグロビンATC、ケトン体等が挙げられる。
上記濾別物としては、上記検体が血液である場合、赤血球等の血球成分を含むものが挙げられる。
上記試薬としては、上記試験紙を血糖値測定用に用いる場合、具体的には、グルコースオキシターゼ(GOD)、ペルオキシターゼ(POD)、アスコルビン酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ等の酵素;4−アミノアンチピリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、1−(4−スルホフェニル)−2,3−ジメチル−4−アミノ−5−ピラゾロン(4−アミノ−1,2−ジヒドロ−1,5−ジメチル−2−(4−スルホフェニル)−3H−ピラゾール−3−オン)、N−エチル−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリンナトリウム(3−((3,5−ジメチルフェニル)エチルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム・1水和物)等の発色剤;リン酸緩衝液等の緩衝剤等が好適に例示される。
上記多孔質膜に担持させる上記試薬の担持量(μg/cm)は、上記特定成分との反応率に関与し、好ましくは80〜2400μg/cm、より好ましくは168〜1260μg/cmであることが、低い血糖値から高い血糖値まで直線的に発色が変化するという観点から好ましい。
本発明に係る多孔質膜の膜厚は、好ましくは50〜200μm、より好ましくは90〜180μm、さらに好ましくは110〜150μmである。多孔質膜の膜厚がこの範囲であれば、十分な膜強度が得られ、上記濾別物による影響も少なくなり、また上記検体のしみ出し時間(展開時間)が短縮され、必要な検体量も少なくて済む理由から好ましい。
さらに、本発明に係る多孔質膜の空孔率は好ましくは60〜95%、より好ましくは70〜80%である。多孔質膜の空孔率がこの範囲であれば、上記検体および試薬を十分に担持させることができ、また十分な膜強度が得られる。
ここで、空孔率(%)は、下記式を用いて重量法により求められる。
Figure 0005912742
前記式中、膜とは多孔質膜のことであり、膜成分の比重とは多孔質膜を構成するポリマーの比重である。
また、表面開孔率は、以下の実験方法で求められる。
実験方法:血液点着側膜の孔部分の総和の比率。測定範囲257μm×258μmをレーザー顕微鏡で観察し、撮影する。撮影画像を画像解析ソフトで解析して孔部分の面積を計測、測定範囲の面積に対する割合を表面開孔率として算出する。
また、前記多孔質膜は、親水化剤をさらに担持させるかまたは親水化処理を行うことが、検体の供給および展開させる時間を短縮することができるという理由から好ましい。
前記親水化剤としては、具体的には、例えば、トライトン(登録商標)X−100(Rohm&Haas社製)等の界面活性剤、水溶性シリコン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。親水化処理としては、具体的には、プラズマ処理、グロー放電、コロナ放電、紫外線照射等の処理方法が例示される。
さらに、上記多孔質膜は、上述した試薬および親水化剤以外に、所望により電解質(例えば、リン酸塩、フタル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩)、有機物(例えば、グリシン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン)を担持していてもよい。
このような多孔質膜からなる試験紙は、上述したように、検体の展開時間を短縮することができ、かつ、検体中の濾別物を第2の層の表面(測定面)から離れた位置で濾別することから測定精度が高くなるため、成分測定用チップの試験紙に好適に用いることができる。
前記試験紙の形状は、特に限定されず、円形、楕円形、正方形、長方形、菱形等の四角形、三角形、六角形、八角形等、必要に応じ選択して用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。
多孔質膜を、以下に示す条件で製膜した。
まず、ポリエーテルスルホン(スミカエクセル(登録商標)5200P、住友化学株式会社製)12〜15wt%、ポリビニルピロリドン(プラスドン(登録商標)K29/32、ISP社製)27〜35wt%、およびN−メチル−2−ピロリドン(BASF社製)48〜55wt%を含む製膜原液を、基材上にシリンジで線状に供給し、キャスト厚調節可能なアプリケータにより、キャスト厚が200〜270μmとなるように塗り広げた。基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の光沢度が12以下(JIS Z8741:1997)である艶消しフィルム(マットフィルム)をコートした板ガラスを用いた。
製膜原液が塗り広げられた各基材を、凝固浴の溶媒濃度が75w/w%で調製され、かつ凝固浴の温度23〜27℃で設定されたN−メチル−2−ピロリドン水溶液(NMP水溶液)からなる凝固浴中に浸漬させ、非水溶性第1成分ポリマーであるポリエーテルスルホンを析出させた。その後、ポリエーテルスルホンからなる膜を水浴中に浸漬させ、溶媒成分であるNMPおよび水溶性第2成分ポリマーであるポリビニルピロリドンを抽出除去した後、40〜90℃のオーブン中で乾燥させて、各多孔質膜を得た。
ポリビニルピロリドン(PVP)の重量平均分子量を、下記表1の条件でゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によるポリエチレングリコール/ポリエチレンオキサイド換算の値で測定した。
Figure 0005912742
(評価)
上記で得られた多孔質膜を用い、次の実験を行った。各多孔質膜に、試薬として、グルコースオキシターゼ(GOD)、ペルオキシターゼ(POD)および4−アミノアンチピリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン(TOOS)を、親水化剤としてトライトン(登録商標)X−100を、それぞれ担持させた。担持方法としては、上記試薬および親水化剤を溶解させたリン酸緩衝液に、得られた各多孔質膜を浸漬させ、該試薬および該親水化剤がコートされた後に乾燥する方法を採用した。
コート処理後の多孔質膜を用いて、次の実験を行った。
試薬および親水化剤を担持させた各多孔質膜を、反射吸光度が測定できるように分光光度計(UV−2400(PC)S、株式会社島津製作所製)のサンプルホルダーに固定し、糖値を100mg/dL(BG100)および400mg/dL(BG400)に調整したヒト血液を入り口側の面へマイクロピペット(エッペンドルフ社製)で5μL添加し、血液を添加した表面と反対側の面の反射吸光度の反射吸光スペクトルを測定した。結果を下記表2に示す。
なお、測定条件は、測光値:反射率、波長範囲(nm):700nm〜500nm、スキャン速度:中速、スリット幅:2.0nm、サンプリングピッチ:1.0nmであった。
PVPの重量平均分子量と得られた測定値(性能)との関係を表2に示す。なお、表2中の性能の値は、BG100については、糖値が100mg/dLの時の測定値を100%とした時の相対値を表したものである。また、BG400については、糖値が400mg/dLの時の測定値を100%とした時の相対値を表したものである。
Figure 0005912742
表2の通り、市販のポリビニルピロリドン(プラスドン(登録商標)K29/32、ISP社製)の同一品種を用いて作製した多孔質膜であっても、その呈色特性が実測定したポリビニルピロリドンの重量平均分子量に影響を受けることが示された。
従来、同一品種内での重量平均分子量が、多孔質膜の呈色特性に影響を与えることは、知られておらず、実測定により、ポリビニルピロリドンの重量平均分子量を狭い範囲に制御することが重要である。
溶出相を形成しうる重量平均分子量の±4%の範囲にあるPVPを用いて製造した多孔質膜は、上記表2のサンプルNo.6〜12であるが、この範囲においては、製造ロット間での性能の差違が非常に低減されることが分かった。

Claims (1)

  1. 少なくとも1種のポリマーが非溶出相を、他のポリマーが溶媒に溶出される溶出相を形成した後、溶媒に浸漬させることにより多孔質膜を形成する多孔質膜の製造方法であって、
    前記非溶出相を形成する非水溶性第1成分ポリマーと、前記溶出相を形成しうる重量平均分子量の±4%の範囲内にある重量平均分子量を有する水溶性第2成分ポリマーと、を含む製膜原液を基材上に膜状に広げる製膜原液供給工程と、
    該製膜原液供給工程後の基材を凝固浴に浸漬させる凝固浴浸漬工程と、
    該凝固浴浸漬工程後の基材を水浴中で溶剤成分および水溶性添加剤成分の少なくとも一方を除去する洗浄工程と、
    該洗浄工程後の基材を乾燥させる工程と、
    を含み、
    前記非水溶性第1成分ポリマーは、ポリエーテルスルホンであり、
    前記水溶性第2成分ポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィによるポリエチレングリコール/ポリエチレンオキサイド換算の値で測定した重量平均分子量が、30,000±4%の範囲内にあるポリビニルピロリドンであり、
    前記多孔質膜は、血中のグルコース量に応じて呈色する試薬を担持する血糖値測定用の多孔質膜として用いられる、多孔質膜の製造方法。
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