JP2001165930A - 試験紙 - Google Patents

試験紙

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JP2001165930A
JP2001165930A JP35230699A JP35230699A JP2001165930A JP 2001165930 A JP2001165930 A JP 2001165930A JP 35230699 A JP35230699 A JP 35230699A JP 35230699 A JP35230699 A JP 35230699A JP 2001165930 A JP2001165930 A JP 2001165930A
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test paper
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average pore
specimen
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JP35230699A
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Ken Takebe
建 建部
Katsuyuki Oba
克行 大場
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】血液などの検体の展開に要する時間を飛躍的に
短縮することができ、かつ非常に測定精度が高い、血糖
などの検体中の特定成分を測定する試験紙を提供する。 【解決手段】異方性の多孔質膜の第1層と第2層を積層
してなり、第1層は検体を供給する側の表面の平均孔径
が第2層と接触する側の表面の平均孔径よりも大きいも
のであり、第2層は第1層と接触する側の表面の平均孔
径が前記検体中の特定成分を測定する側の表面の平均孔
径よりも小さいものである試験紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば血糖測定装
置(血中成分測定装置)のような検体中の目的成分の量
を測定する装置または当該装置に接続する成分測定用チ
ップに用いる試験紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血糖値の測定を行う血糖測定装置(血中
成分測定装置)が知られている。この血糖測定装置は、
血中のブドウ糖量に応じて呈色する試験紙の呈色の度合
いを光学的に測定(測色)して血糖値を定量化するもの
である。このような従来の血糖測定装置では、試験紙の
測色は、発光素子および受光素子を備える測光部におい
て、試験紙に光を照射しその反射光の強度を測定するこ
とにより行われている。この血糖測定装置では、試験紙
に血液(検体)を供給・展開する操作を行った後、その
試験紙を遮光状態が確保される空間へ挿入し、血糖値の
測定を開始するが、操作性が劣るという欠点があるとと
もに、試験紙への血液の供給から測色までの時間が一定
でなく、それによる測定誤差が生じるという問題があ
る。そのため、試験紙への供給・展開から測定までの一
連の操作を連続的、自動的に行うことが出来る血糖自動
測定装置の開発が望まれている。
【0003】また、従来の試験紙は、検体を吸収可能な
多孔質材料で構成された1枚のシート基材に試薬を担持
させた構成のものである。この試験紙では、シート基材
の細孔の孔径が0.5μm程度と小さいため、通水性、
すなわち展延性が低く、そのため検体の展開に時間がか
かるという問題がある。このように検体の展開に要する
時間が長いということは、とくに、前記血糖自動測定装
置にとって不利である。
【0004】また、このような問題点を解決する手段と
して、(1)検体中の特定成分と反応して呈色する試薬
を担持する多孔質の第1の層と、検体中の濾別物を濾別
する機能を有する多孔質の第2の層とを積層してなり、
前記第1の層側から検体を供給して使用することを特徴
とする試験紙、(2)前記第1の層および前記第2の層
がそれぞれ親水性を有している上記(1)に記載の試験
紙、(3)前記第1の層における細孔の孔径が8〜50
μmである上記(1)または(2)に記載の試験紙、
(4)前記第2の層における細孔の孔径が5μm 以下
である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の試験
紙、及び(5)前記検体は血液であり、前記濾別物は主
に赤血球を含む血球である上記(1)ないし(4)のい
ずれかに記載の試験紙が、特開平11−183474号
で示されている。
【0005】以上のような第1の層と第2の層に分かれ
た試験紙を使用することで、前述の問題が解決されると
いう。しかしながらこのような試験紙を用いた場合に
も、以下のような問題点がある。まず、第1層目の多孔
質膜は、血球をも透過させ得る大きさの孔を持つことで
血液(検体)を迅速に膜内に展開させ、膜内の多孔質構
造表面に担持してある試薬と測定成分とを反応させて呈
色させることが要求される。したがって、孔径を大きく
することでより早い血液の展開が得られるため、孔径を
大きくすればする程良いと考えられる。ところが孔径を
大きくしすぎると、多孔質体の表面積が少なくなり、表
面に担持される試薬の量が少なくなってしまい、特に検
体中の被測定物質の濃度が濃い場合、被測定物質の量に
比べて試薬の量が不足してしまい、正確な測定が出来な
くなる。
【0006】また、第2層目の多孔質膜は、血球を濾別
しつつ試薬と反応した血漿成分を迅速に測定面へ展開さ
せうることが要求される。血球を濾別・除去するために
は孔径を小さくする程効果があるが、孔径を小さくしす
ぎると血漿成分の展開が遅くなる。また、入り口側の孔
径を大きくし、出口側の孔径を小さくすることで展開速
度を維持しつつ血球を除去する方法もあるが、血球除去
が測定面直前で行われたのでは、血球成分の血色素が多
孔質構造を通して透けて見えてしまい、測定精度に影響
してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、検体
の展開に要する時間を飛躍的に短縮することができ、か
つ非常に測定精度が高い、検体中の特定成分測定用試験
紙を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明により達成される。 (1)本発明は、検体中の特定成分と反応する試薬を担
持する多孔質の第1層と、前記検体中の浮遊物を濾別す
る機能を有する第2層とを積層してなり、前記第1層か
ら前記検体を供給して前記第2層で前記検体中の特定成
分を測定する試験紙において、前記第1層が異方性の多
孔質膜で、前記検体を供給する側の表面の平均孔径が前
記第2層と接触する側の表面の平均孔径よりも大きいも
のであり、前記第2層が異方性の多孔質膜で、前記第1
層と接触する側の表面の平均孔径が前記検体中の特定成
分を測定する側の表面の平均孔径よりも小さいことを特
徴とする試験紙である。
【0009】(2)本発明は、前記第1層の多孔質膜
が、平均孔径が3〜10μm、膜厚が50〜200μ
m、及び空孔率が50〜95%であり、前記検体を供給
する側の表面の平均孔径と前記第2層と接触する側の表
面の平均孔径との比が2.0以上であることを特徴とす
る上記(1)に記載の試験紙である。 (3)本発明は、前記第2層の多孔質膜が、平均孔径が
0.1〜2μm、膜厚が50〜200μm、及び空孔率
が50〜90%であり、前記検体中の特定成分を測定す
る側の表面の平均孔径と前記第1層と接触する側の表面
の平均孔径との比が1.5以上であることを特徴とする
上記(1)に記載の試験紙である。
【0010】(4)本発明は、前記第一層及び前記第二
層がポリエーテルスルホンからなることを特徴とする上
記(1)乃至(3)のいずれかに記載の試験紙である。 (5)本発明は、前記検体は血液であり、前記濾別物は
主に赤血球を含む血球である上記(1)乃至(4)のい
ずれかに記載の試験紙である。 (6)本発明は、前記検体は血液であり、前記特定成分
はグルコースである上記(1)乃至(5)のいずれかに
記載の試験紙である。 (7)本発明は、前記第一層及び/又は前記第二層に親
水化のために親水化剤を含む上記(1)乃至(6)のい
ずれかに記載の試験紙である。
【0011】(8)本発明は、前記検体中の特定成分と
反応する試薬が、グルコースオキシターゼ(GOD)様
酵素、ペルオキシターゼ(POD)様酵素、アスコルビ
ン酸オキシダーゼ様酵素、アルコールオキシダーゼ様酵
素、及びコレステロールオキシダーゼ様酵素の少なくと
も一つ、及び4−アミノアンチピリン、N−エチル−N
−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トル
イジンの少なくとも一つから構成されるものである上記
(1)乃至(7)のいずれかに記載の試験紙である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の試験紙は第1層と第2層
とを積層してなるものである。第1層は、開放面から検
体を供給し、かつ検体中の特定成分と当該反応する試薬
を反応させるものであり、第2層は検体中の浮遊物を濾
別し、かつ開放面で検体中の特定成分を測定するもので
ある。第1層及び第2層は主として以下の構成を有する
ものである。
【0013】第1層は、異方性の多孔質膜で、検体を供
給する側の表面の平均孔径が前記第2層と接触する側の
表面の平均孔径よりも大きいものである。第1層は、検
体の浸み込み及び展開を早くし、必要量の試薬を担持
し、かつ検体と試薬が反応する場を提供することが必要
とされ、第1層への検体の浸み込みを早くするために
は、第1層を構成する多孔質膜の検体が供給される側の
面の孔径を大きくすることで解決できる。しかし、膜全
体にわたって孔径を大きくすると、検体が接触する表面
積が小さくなり、試薬担持量が少なくなってしまう。そ
こで、検体を供給する側の孔径を大きくし、他方の孔径
を小さくする異方性構造とすることで、検体の浸み込み
及び展開を早くし、必要量の試薬を担持し、かつ検体と
試薬が反応する場を提供することができるため、迅速か
つ正確な測定が可能となる。
【0014】第1層の異方性の多孔質膜の具体的な構造
として、平均孔径は3〜10μm、望ましくは3〜7μ
m、より望ましくは3〜5μmであり、検体を供給する
側の表面の平均孔径と第2層と接触する側の表面の平均
孔径との比は2.0以上、望ましくは3.0以上、より望
ましくは4.0以上である。
【0015】第1層の膜厚は、特に限定しないが50〜
200μm、望ましくは70〜180μm、より望まし
くは80〜150μmである。膜厚が50μmを下回る
と、膜強度が不足してしまい、200μmを越えてしま
うと検体の展開に時間がかかってしまうためである。
【0016】第1層の空孔率は、特に限定しないが50
〜95%、望ましくは60〜90%、より望ましくは7
0〜88%である。空孔率が50%を下回ると必要な量
の検体を吸収展開することが出来なくなり、95%を越
えると膜強度が不足してしまうためである。
【0017】第1層の膜材質となるポリマーとしては、
ニトロセルロース、ポリビニルジフロライド、セルロー
スアセテート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、
ポリエチレンなどが使用できるが、とりわけ血糖値を測
定するために使用する試薬を担持した場合には、ポリエ
ーテルスルホンが試薬活性の経時的劣化が最も少なく好
適に使用できる。
【0018】第1層に担持される試薬としては、グルコ
ースオキシターゼ(GOD)様酵素、ペルオキシターゼ
(POD)様酵素、アスコルビン酸オキシダーゼ様酵
素、アルコールオキシダーゼ様酵素、及びコレステロー
ルオキシダーゼ様酵素など酵素剤や、4−アミノアンチ
ピリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スル
ホプロピル)−m−トルイジンなどの発色剤があげられ
る。なお、これらの試薬は、単独または複数で試験紙に
担持される。担持の方法としては、特に限定しないが、
これらの試薬をリン酸緩衝液などの緩衝液や水などに溶
かして第1層に含浸させ、その後乾燥させる方法などが
あげられる。
【0019】第2層は、異方性の多孔質膜で、第1層と
接触する側の表面の平均孔径が検体中の特定成分を測定
する側の表面の平均孔径よりも小さいものである。第2
層は、血球などの浮遊物を濾別し、試薬と反応した血漿
成分などの特定成分を迅速に開放面へ展開させることが
要求され、孔径を小さくすることで血球などの浮遊物を
濾別・除去することができる。しかし、孔径を小さくし
すぎると血漿成分などの特定成分の展開が遅くなる。ま
た第1層と接触する側の表面の孔径を大きくし、測定す
る側の表面の孔径を小さくすることで展開速度を維持し
つつ血球などの浮遊物を除去する方法もあるが、浮遊物
の濾別・除去が特定成分を測定する側の表面近くで行わ
れるため、血球成分の血色素が多孔質構造を通して透け
て見えてしまい測定の精度に影響を及ぼしてしまう。
【0020】そこで、第1層と接触する側の表面の孔径
を小さくし、他方の孔径を大きくする異方性構造とする
ことで、血球などの浮遊物を濾別・除去を的確に行うと
ともに、血漿成分などの特定成分の測定する側の表面へ
の展開速度、測定精度を向上させることが可能となる。
【0021】第2層の異方性の多孔質膜の具体的な構造
として、平均孔径は0.1〜2μm、望ましくは0.3〜
1.6μm、より望ましくは0.5〜1.3μmであり、
検体中の特定成分を測定する側の表面の平均孔径と第1
層と接触する側の表面の平均孔径との比は1.5以上、
望ましくは2.0以上、より望ましくは2.3以上であ
る。
【0022】第2層の膜厚は、特に限定しないが50〜
200μm、望ましくは70〜180μm、より望まし
くは80〜150μmである。膜厚が50μmを下回る
と、膜強度が不足してしまい、200μmを越えてしま
うと検体の展開に時間がかかってしまうためである。
【0023】第2層の空孔率は、特に限定しないが50
〜95%、望ましくは70〜90%、より望ましくは7
5〜85%である。空孔率が50%を下回ると必要な量
の検体を吸収展開することが出来なくなり、95%を越
えると膜強度が不足してしまうためである。
【0024】第2層の膜材質となるポリマーとしては、
ニトロセルロース、ポリビニルジフロライド、セルロー
スアセテート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、
ポリエチレンなどが使用できるが、とりわけ血糖値を測
定するために使用する試薬を担持した場合には、ポリエ
ーテルスルホンが試薬活性の経時的劣化が最も少なく好
適に使用できる。
【0025】第1層及び第2層は、試薬を溶解した水溶
液を含浸させて製造することや、検体の供給、展開を迅
速に行うため、親水化剤を含ませる、親水性を有する材
質から構成する、あるいは親水化処理を行うことが望ま
しい。親水化剤としては、トライトンX−100などの
界面活性剤、水溶性シリコン、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コールなどがあげられる。親水化処理としては、プラズ
マ処理、グロー放電、コロナ放電、紫外線照射などの処
理方法があげられる。
【0026】第1層及び第2層の製造方法は、特に限定
することなく、湿式製膜、乾式製膜、溶融製膜などによ
り得ることができる。具体的には、例えば、膜材質とな
るポリマー溶液を膜状に塗り拡げ、溶媒成分を除去し、
乾燥させる方法などがあげられる。
【0027】第1層及び第2層の積層方法も、特に限定
することなく、例えば、単に重ね合わせ周囲を固定する
方法、接着・融着する方法などがあげられる。
【0028】なお、本発明の試験紙は、検体中の特定成
分の測定装置に脱着可能なチップ、あるいは測定装置自
体に挿入して使用させるものである。測定装置とは、血
液中の糖分、コレステロールや中性脂肪などや、尿中の
糖分、蛋白や潜血などを、定量的あるいは定性的に測定
する装置があげられる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。第1層及び第2層に使用する異方性の多孔質膜を、
実施例1〜7、比較例1〜2及び比較例6〜8として、
以下に示す条件で製膜した。まず、表1に示す製膜原液
を基材(ガラス板)上に50mlシリンジにて線状に供
給し、これをギャップ125μmのアプリケーターによ
りガラス板上に塗り拡げた。これを、表2に示す温度で
調製された70%N−メチル−2−ピロリドン(NM
P)水溶液からなる凝固浴中に浸漬し、膜材質ポリマー
成分を析出させた。その後、水浴中で溶剤成分、水溶性
添加剤成分を抽出除去した後、40℃オーブン中で乾燥
させて多孔質膜を得た。
【0030】比較例3〜5及び比較例9〜10について
は、市販されているニトロ化ポリエーテルスルホン膜お
よびポリエーテルスルホン膜(ともにポール・ゲルマン
サイエンス社製)をそれぞれ使用した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】各実施例及び比較例の異方性の多孔質膜の
各物性を表3及び表4に示す。各実施例及び比較例の多
孔質膜の平均孔径はASTM F316-86に従いキャピラリィ
フロー ポロメトリィ(Capillary Flow Porometry)
によって測定した。測定装置はパームポロシメーター
(PMI社製)を使用した。各実施例及び比較例の多孔
質膜の表面平均孔径は走査型電子顕微鏡(JSM-840日本
電子製)で撮影した画像を画像解析装置(IP-1000PC 旭
化成製)により解析し、視野内の孔の孔径を面積換算で
円相当径として算出し、相加平均を表面平均孔径とし
た。したがって、多孔質膜の平均孔径と、表面平均孔径
は必ずしも相関関係が成り立つわけではない。膜厚はマ
イクロメーター(ミツトヨ精機製)にて測定した。空孔
率は重量法にて測定した。多孔質膜各部の条件は、次の
通りである。
【0034】[第1の層] 材質:ポリエーテルスルホン 膜厚:130±5μm 空孔率:82±3% コートした試薬:GOD、PODおよび4−アミノアン
チピリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−ス
ルホプロピル)−m−トルイジン(TOOS)、トライ
トンX−100
【0035】[第2の層] 材質:ポリエーテルスルホン 膜厚:100±5μm 空孔率:84±3% コートした試薬:トライトンX−100
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】(試験例1)実施例及び比較例の第1層の
多孔質膜を用い、次の試験を行った。評価する多孔質膜
表面の反射吸光度が測定できるように分光光度計(UV
−2400(PC)S 島津製作所社製)のサンプルホ
ルダーに固定し、ヒト血液を測定面反対側へマイクロピ
ペット(エッペンドルフ社製)で5μl添加し、反対面
の反射吸光度の時間変化を測定した。異方性膜について
は、血液の添加を孔径の大きい面と小さい面の二通りに
ついて行った。1秒間の反射率の変化割合が、最終変化
量の1%を超えた時から、1秒間の反射率の変化割合が
最終変化量の1%を下回ったときまでの時間をしみ出し
時間Δtとした。測定条件は下記のとおりである。結果
を表5に示す。
【0039】測定条件(時間変化) 測光値:反射率 波長:610nm スリット幅:2.0nm タイミングモード:オート 測定時間:90秒 サンプリングピッチ:0.1sec セル数:1 データ数:901
【0040】
【表5】
【0041】(試験例2)実施例及び比較例の第1層の
多孔質膜について、次の通り試薬担持量の測定を行っ
た。多孔質膜の試薬コート前の重量を精秤し、試薬コー
ト後の重量から差し引くことで、試薬担持量を算出し
た。結果を表5に示す。
【0042】(試験例3)実施例及び比較例の第2層の
多孔質膜を用い、次の試験を行った。評価する多孔質膜
表面の反射吸光度が測定できるように分光光度計(UV
−2400(PC)S 島津製作所社製)のサンプルホ
ルダーに固定し、ヒト血液を測定面反対側へマイクロピ
ペット(エッペンドルフ社製)で5μl添加し、試験例
1と同じしみ出し時間Δtの測定と、反対面の反射吸光
度の反射吸光スペクトルを測定した。しみ出し時間Δt
の測定条件は試験例1と同じである。血漿を添加した場
合のスペクトルと比較し血色素の影響の有無を判定し
た。異方性膜については、血液の添加を孔径の大きい面
と小さい面の二通りについて行った。結果を表6に示
す。
【0043】測定条件(反射吸光スペクトル) 測光値:反射率 波長範囲(nm):開始700,終了500 スキャン速度:中速 スリット幅:2.0nm サンプリングピッチ:1.0nm
【0044】
【表6】
【0045】(試験例4)上記の第1層と第2層の各多
孔質膜を積層する次の実験を行った。分光光度計(UV
−2400(PC)S 島津製作所社製)のサンプルホ
ルダーに、上記の第1層と第2層の各多孔質膜が密着す
るように重ねて固定し、ヒト血液を入り口側へマイクロ
ピペット(エッペンドルフ社製)で5μl添加し、反対
面の反射吸光度の時間変化および反射吸光スペクトルを
測定した。
【0046】この時、血液を添加する側に第1層の多孔
質膜、測定する側に第2層の多孔質膜を固定した。ま
た、各多孔質膜の固定する向きについては、等方性膜以
外は、第1層は孔径の大きい面を血液を添加する側に、
第2層は孔径の大きい面を測定する側にして実験を行っ
た。1秒間の反射率の変化割合が、最終変化量の1%を
超えた時から、1秒間の反射率の変化割合が最終変化量
の1%を下回ったときまでの時間をしみ出し時間Δtと
した。
【0047】また、血漿を添加した場合のスペクトルと
比較し血色素の影響の有無を判定した。各測定条件は試
験例1および試験例3と同じである。これらの結果を表
7に示す。
【0048】
【表7】
【0049】
【発明の効果】本発明の試験紙は、検体の展開速度が速
く、展開に要する時間を短くすることができるととも
に、測色に際し、十分な試薬担持量が確保でき、浮遊物
の影響を排し、より高精度の測定を行うことができる。
すなわち、検体の展開に要する時間を飛躍的に短縮する
ことができ、かつ非常に測定精度が高い、検体中の特定
成分測定用試験紙を提供することができる。
【0050】特に、本発明は血液中の糖分を測定する血
糖試験紙として有効であり、血液の展開速度が速く、展
開に要する時間を短くすることができるとともに、血糖
値の測色に際し、十分な酵素剤や発色剤などの試薬担持
量が確保でき、赤血球等の浮遊物の影響を排し、より高
精度の測定を行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G042 AA01 BD19 CA10 CB03 DA08 FA11 FB07 FC04 2G045 AA25 BA08 CA25 DA31 FA11 FA29 FB13 GC11 HA10 HB02 JA20 4J002 AB012 AB021 BB031 BD141 CH012 CN031 CP032 FD097 FD202 FD206 FD316 GB04 GF00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検体中の特定成分と反応する試薬を担持す
    る多孔質の第1層と、前記検体中の浮遊物を濾別する機
    能を有する第2層とを積層してなり、前記第1層から前
    記検体を供給して前記第2層で前記検体中の特定成分を
    測定する試験紙において、 前記第1層が異方性の多孔質膜で、前記検体を供給する
    側の表面の平均孔径が前記第2層と接触する側の表面の
    平均孔径よりも大きいものであり、 前記第2層が異方性の多孔質膜で、前記第1層と接触す
    る側の表面の平均孔径が前記検体中の特定成分を測定す
    る側の表面の平均孔径よりも小さいことを特徴とする試
    験紙。
  2. 【請求項2】前記第1層の多孔質膜が、平均孔径が3〜
    10μm、膜厚が50〜200μm、及び空孔率が50
    〜95%であり、前記検体を供給する側の表面の平均孔
    径と前記第2層と接触する側の表面の平均孔径との比が
    2.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の試
    験紙。
  3. 【請求項3】前記第2層の多孔質膜が、平均孔径が0.
    1〜2μm、膜厚が50〜200μm、及び空孔率が5
    0〜90%であり、前記検体中の特定成分を測定する側
    の表面の平均孔径と前記第1層と接触する側の表面の平
    均孔径との比が1.5以上であることを特徴とする請求
    項1に記載の試験紙。
  4. 【請求項4】前記第一層及び前記第二層がポリエーテル
    スルホンからなることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の試験紙。
  5. 【請求項5】前記検体は血液であり、前記濾別物は主に
    赤血球を含む血球である請求項1乃至4のいずれかに記
    載の試験紙。
  6. 【請求項6】前記検体は血液であり、前記特定成分はグ
    ルコースである請求項1乃至5のいずれかに記載の試験
    紙。
  7. 【請求項7】前記第一層及び/又は前記第二層に親水化
    のために親水化剤を含む請求項1乃至6のいずれかに記
    載の試験紙。
  8. 【請求項8】前記検体中の特定成分と反応する試薬が、
    グルコースオキシターゼ(GOD)様酵素、ペルオキシ
    ターゼ(POD)様酵素、アスコルビン酸オキシダーゼ
    様酵素、アルコールオキシダーゼ様酵素、及びコレステ
    ロールオキシダーゼ様酵素の少なくとも一つ、及び4−
    アミノアンチピリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキ
    シ−3−スルホプロピル)−m−トルイジンの少なくと
    も一つから構成されるものである請求項1乃至7のいず
    れかに記載の試験紙。
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