JP5912621B2 - 懸架装置およびダストカバーの保持部材 - Google Patents
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Description
本発明は、ダストカバーに設けられる通気口を通じたダストカバー内部へのダストの侵入を抑制することを目的とする。
また、ダスト流入軽減部は、一の通気口に対応して一つ設けられるとよい。
さらに、ダスト流入軽減部は、通気口の周方向には設けられていないとよい。
<実施形態1>
図1は、懸架装置1の概略構成を示す図である。
懸架装置1は、図1に示すように、減衰装置(不図示)を内蔵するシリンダ10と、このシリンダ10内に収納されたピストン(不図示)を支持するピストンロッド20と、このピストンロッド20の外側に配置されたスプリング30と、を備えている。ピストンロッド20は、円柱状の部材であり、円柱の中心線方向の一方の端部側にピストンが取り付けられ、中心線方向の他方の端部側にナット21が取り付けられている。以下、ピストンロッド20の円筒の中心線方向を、単に「中心線方向」と称す場合がある。
また、懸架装置1は、シリンダ10から飛び出しているピストンロッド20の外周に圧入されたバンプラバー41と、このバンプラバー41の外周部に配置されたバンプラバーカップ42と、を備えている。本実施形態のバンプラバー41は、中心線方向における一端側(車輪側)から他端側(車体側)に向けて外径が段々と大きくなるように形成している。また、懸架装置1は、シリンダ10におけるピストンロッド20の摺動部に装着された保持構造部および保持部材の一例としてのバンプストッパキャップ100を備えている。
なお、バンプストッパキャップ100については、後に詳しく説明する。
また、懸架装置1は、ピストンロッド20の上端部側において上下方向に配置され、振動を吸収する複数(本実施形態においては2個)のマウントラバー61と、複数のマウントラバー61の内側に配置された円筒状のマウントカラー62と、バンプラバーカップ42の上面とともに複数のマウントラバー61を上下から挟む上座金63と、を備えている。複数のマウントラバー61の内の上側のマウントラバー61は、上スプリングシート32にその上端から凹むように形成された凹みに挿入されている。下側のマウントラバー61は、上スプリングシート32の下方に配置されたマウントラバーカップ65により、その上端および外周が覆われている。
図2(a)は、シリンダ10から飛び出しているピストンロッド20の長さが最短となる縮み状態を示す図であり、図2(b)は、シリンダ10から飛び出しているピストンロッド20の長さが最長となる伸び状態を示す図である。
図2(a)に示すように、ピストンロッド20が、シリンダ10に対して中心線方向の一方の端部側(図2(a)においては下方)へ移動すると、シリンダ10に内蔵した減衰装置(不図示)によって圧縮行程時における減衰力が発生する。この圧縮行程時において、ピストンロッド20などを覆うダストカバー50は中心線方向に縮む。そして、ダストカバー50が縮む際、ダストカバー50内の空気は、バンプストッパキャップ100の後述する切欠き部111を介して外側に抜ける。
ただし、ダストカバー50に設けられる通気口においては、空気のみならず小石や塵などのダストもダストカバー50の内側へと侵入する。そこで、本実施形態のバンプストッパキャップ100では、通気口としての切欠き部111を介して流入するダストの侵入の軽減を図っている。
図4は、実施形態1のバンプストッパキャップ100を詳細に説明するための図である。図4(a)はバンプストッパキャップ100のシリンダ10側からみた底面図であり、図4(b)は図4(a)に示すIVb−IVb断面の断面図である。さらに、図4(c)は、図4(b)に示すIVc−IVc断面の部分断面図である。
また、側部110には、側部110の中心線方向における覆い部120側とは反対側の端部に切欠き部111が形成される。本実施形態のバンプストッパキャップ100では、側部110の端部をU字状に切り欠くことによって、側部110に切欠き部111を形成している。そして、本実施形態では、図4(a)に示すように、切欠き部111は3箇所に形成され、カバー保持部130を間に挟んで円周方向に等間隔に配置している。
カバー保持部130は、図4(a)に示すように、3つ形成され、上述した切欠き部111を間に挟んで円周方向に等間隔に配置される。そして、カバー保持部130は、カバー固定部材70との間にダストカバー50を挟み込むことでダストカバー50を保持する(後述する図5(a)参照)。
また、バンプストッパキャップ100の側部110において、ダストカバー50を保持するカバー保持部130が設けられる部分は、ダストカバー50の伸縮の際にカバー保持部130にて特に力を受ける部分となる。そこで、バンプストッパキャップ100では、径方向に厚肉となる圧入部140を、周方向においてカバー保持部130の位置に合わせて配置することで側部110の補強を図っている。
図3(b)に示すように、内側突起部150は、側部110の内周において、内側に向けて突出する部材である。内側突起部150は、懸架装置1が伸張して切欠き部111を通ってダストカバー50の外側から内側へ空気が流れるときに、その空気の流れに抗する位置に形成する(後述の図5(b)参照)。本実施形態では、懸架装置1が伸張する際の空気の流れは、切欠き部111から覆い部120へ向かう方向になる。従って、内側突起部150は、側部110の内周において、切欠き部111の近傍であって切欠き部111の覆い部120側の端部に設けている。
そして、内側突起部150は、バンプストッパキャップ100に形成する切欠き部111にそれぞれ形成する。本実施形態のバンプストッパキャップ100では、切欠き部111を3つ形成しているため内側突起部150も切欠き部111の数に合わせて3箇所に設けている。
図3(a)に示すように、外側突起部160は、側部110の外周において、外側に向けて突出する部材である。外側突起部160は、懸架装置1が伸張して切欠き部111を通ってダストカバー50の外側から内側へ空気が流れるときに、その空気の流れに抗する位置に形成する(後述の図5(b)参照)。本実施形態では、懸架装置1が伸張する際の空気の流れは、切欠き部111から覆い部120へ向かう方向になる。従って、外側突起部160は、側部110の外周において、切欠き部111の近傍であって切欠き部111の覆い部120側の端部に設けている。
そして、外側突起部160は、バンプストッパキャップ100に形成する切欠き部111にそれぞれ形成する。本実施形態のバンプストッパキャップ100では、切欠き部111を3つ形成しているため外側突起部160も切欠き部111の数に合わせて3箇所に設けている。
これによって、バンプストッパキャップ100にダストカバー50が取り付けられた状態にて、ダストカバー50が伸縮した際に、外側突起部160にダストカバー50が接触した場合であっても、ダストカバー50が損傷し難くなるように構成している。
まず、バンプストッパキャップ100とシリンダ10との接続について説明する。
図5(a)に示すように、バンプストッパキャップ100の内側にシリンダ10を挿入する。このとき、バンプストッパキャップ100における側部110の内周に形成される圧入部140とシリンダ10の外周とが接触する。これによって、バンプストッパキャップ100の圧入部140によってシリンダ10が圧入される。
また、本実施形態のバンプストッパキャップ100では、側部110の内周から径方向に突出する内側突起部150の長さは、圧入部140の径方向の突出する長さよりも短い。そのため、シリンダ10の外周と内側突起部150との間には隙間が形成される。
ここで、ダストカバー50をバンプストッパキャップ100に固定するカバー固定部材70について説明する。カバー固定部材70は、環状の部材である。そして、図5(a)に示すように、カバー固定部材70は、内側に形成される開口部71と、開口部71の外側に設けられる枠部72とを有する。枠部72の内側には円周状の溝72tが形成される。
そして、図5(a)に示すように、ダストカバー50の端部とカバー保持部130とを接触させた状態で、カバー固定部材70の枠部72の溝72tの内側に挟み込むことで、ダストカバー50の端部をバンプストッパキャップ100のカバー保持部130に固定する。
図5(a)に示すように、ダストカバー50がバンプストッパキャップ100に取り付けられた際に、ダストカバー50とカバー保持部130との接続部分は密着する。一方で、ダストカバー50と切欠き部111とが対峙する部分には隙間が形成される。さらに、バンプストッパキャップ100の切欠き部111の下側に設けられるカバー固定部材70は開口部71を有している。そのため、シリンダ10とカバー固定部材70との間にも隙間が形成される。従って、シリンダ10とカバー固定部材70との間の隙間、およびダストカバー50とバンプストッパキャップ100の切欠き部111との間の隙間を通って、ダストカバー50の内部に空気が入ったり外側に空気が出たりする。
このように、切欠き部111の付近に内側突起部150を設けることによって、ダストカバー50の内側へのダストの侵入が軽減される。
このように、切欠き部111の付近に外側突起部160を設けることによって、ダストカバー50の内側へのダストの侵入が軽減される。
続いて実施形態2が適用されるバンプストッパキャップ200について説明する。なお、実施形態1と同様なものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6は、実施形態2のバンプストッパキャップ200の全体構成を示す図である。図6(a)はバンプストッパキャップ200をバンプラバー41側から見た斜視図であり、図6(b)はバンプストッパキャップ200をシリンダ10側から見た斜視図である。
図6(a)に示すように、実施形態2のバンプストッパキャップ200の内側突起部250は、側部110の内周において、内側に向けて突出する部材である。内側突起部250は、懸架装置1が伸張して切欠き部111を通ってダストカバー50の外側から内側へ空気が流れるときに、その空気の流れに抗する位置に形成する(後述の図7(b)参照)。懸架装置1が伸張する際の空気の流れは、切欠き部111から覆い部120へ向かう方向になる。従って、内側突起部250は、側部110の内周において、切欠き部111の近傍であって切欠き部111の覆い部120側の端部に設けている。
そして、内側突起部250は、バンプストッパキャップ200に形成する切欠き部111にそれぞれ形成する。本実施形態のバンプストッパキャップ200では、切欠き部111を3つ形成しているため内側突起部250も切欠き部111の数に合わせて3箇所に設けている。
図6(b)に示すように、外側突起部260は、側部110の外周において、外側に向けて突出する部材である。外側突起部260は、懸架装置1が伸張して切欠き部111を通ってダストカバー50の外側から内側へ空気が流れるときに、その空気の流れに抗する位置に形成する(後述の図7(b)参照)。本実施形態では、懸架装置1が伸張する際の空気の流れは、切欠き部111から覆い部120へ向かう方向になる。従って、外側突起部260は、側部110の外周において、切欠き部111の近傍であって切欠き部111の覆い部120側の端部に設けている。
また、外側突起部260の径方向に突出する長さは、カバー保持部130よりも短く、カバー保持部130にダストカバー50が取り付けられて伸縮した際に、ダストカバー50に接触しないように設定している。
そして、外側突起部260は、バンプストッパキャップ200に形成する切欠き部111にそれぞれ形成する。本実施形態のバンプストッパキャップ200では、切欠き部111を3つ形成しているため外側突起部260も切欠き部111の数に合わせて3箇所に設けている。
また、ダストは、内側突起部250によって形成される空気流のよどみ付近に到達し、流速が下がるまたは減速することに伴う搬送力の低下によって切欠き部111側に落下する。バンプストッパキャップ200では、内側突起部250は、切欠き部111側が凹となるように円弧形状を有しているため、その内側によどみが特に形成され易くなっている。
このように、実施形態2のバンプストッパキャップ200では、内側突起部250を設けることによってダストの侵入がより軽減される。
また、ダストは、外側突起部160によって形成される空気流のよどみ付近に到達し、流速が下がるまたは減速することに伴う搬送力の低下によって切欠き部111側に落下する。そして、バンプストッパキャップ200では、外側突起部260は、切欠き部111側が凹となるように円弧形状を有しているため、その内側によどみが特に形成され易くなっている。
以上のように、実施形態2のバンプストッパキャップ200では、外側突起部260を設けることによってダストの侵入がさらに軽減される。
Claims (5)
- 液体が入れられたシリンダと、
前記シリンダ内に収納されたピストンと、
前記ピストンを支持するとともに一部が前記シリンダから突出するピストンロッドと、
前記シリンダ側から延び前記ピストンロッドの軸方向にて当該ピストンロッドを覆い、当該ピストンロッドの動きによって伸縮するダストカバーと、
前記シリンダの前記ダストカバーが配置される側の端部にて当該端部を覆うように取り付けられ、前記ダストカバーの当該シリンダ側を保持する保持構造部と、備え、
前記保持構造部は、
前記ピストンロッドが動いた際に、前記ダストカバーの内側と外側との空気流を確保する通気口と、
前記通気口を介して前記ダストカバーの内側へ空気流とともに流入するダストの流入を軽減するダスト流入軽減部と、を有することを特徴とする懸架装置。 - 前記ダスト流入軽減部は、前記軸方向において前記通気口と並ぶ位置にのみ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
- 前記ダスト流入軽減部は、一の前記通気口に対応して一つ設けられることを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
- 前記ダスト流入軽減部は、前記通気口の周方向には設けられていないことを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
- 液体が入れられたシリンダに取り付けられて、前記シリンダ側から延び、当該シリンダから突出するピストンロッドを覆うダストカバーを保持するダストカバーの保持部材であって、
前記シリンダの前記ダストカバーが配置される側の端部に設けられ、当該端部を覆う覆い部と、
前記ピストンロッドが動いた際に、前記ダストカバーの内側と外側との空気流を確保する通気口と、
前記通気口を介して前記ダストカバーの内側へ空気流とともに流入するダストの流入を軽減するダスト流入軽減部と、
を有することを特徴とするダストカバーの保持部材。
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