JP5911895B2 - 樹脂管用継手 - Google Patents

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Description

本発明は、水道用ポリエチレン管等を接合するための樹脂管用継手であって、特に、樹脂管の引抜き保持力と止水性を確実に確保した継手に関する。
従来、水道用ポリエチレン二層管用金属継手は、図10に示すように、金属継手本体1と、接続するパイプ2を拡径及び矯正するテーパ3を有するインコア4と、パイプ2を保持と止水する樹脂リング5と、樹脂リング5をパイプ2に押し付ける袋ナット6とを有している。この金属継手において、パイプ2に袋ナット6、樹脂リング5を装着した状態でパイプ2の管端2a側からインコア4を打ち込み、これを金属継手本体1に接続した状態で袋ナット6をねじ込むと、樹脂リング5の先端5aがインコア4によって拡径されたパイプ2に当る。更に、ねじ込みを続けると、樹脂リング5によってパイプ2が強く押し付けられ、図に示すように、パイプ2外周に環状鍔部7が形成される。この環状鍔部7により、継手本体1に引抜荷重が加わった際にパイプ2の抜出しが防がれると共に、樹脂リングの先端5aとパイプ2との接点によるシールがおこなわれている。
一方、特許文献1においては、テーパ状外周面と竹の子状段部が刻設されたテーパリング部と、テーパリング部の管端外周に突設された鍔部とから構成される樹脂管の端部拡径管が開示されている。この樹脂管の端部拡径管は、竹の子状段部の樹脂管内周面への食い込みと、鍔部の袋ナットへの係合とにより樹脂管の抜けを防ごうとするものである。
特許文献2には、前側、後側、中間の3つのフェルールを備えた管継手が開示されている。この管継手は、フェルールを介して締付ナットの締め付けによって配管への密封シールと抜け止めとを図りながら、この配管を接続しようとしている。この場合、中間フェルールは、割り溝が設けられた割り環状を呈し、この中間フェルールに締付ナットの締付力が縮径分力として作用し、その内面が配管に食い込むことなく配管を保持するようになっている。
一方、特許文献3のはめ輪は、2個のフェルールを用いて配管を接続するものである。このはめ輪は、これらのフェルールにより、管接続時における高い極部荷重、かじり傷、高いトルクを低減しようとするものである。
特開2009−79750号公報 特許第4045305号公報 特表2003−529032号公報
しかしながら、前述した図10の金属継手は、継手接続後の配管に地震などにより予期せぬ瞬間的な大きな力が加わった場合に、パイプ2が抜けてしまうおそれがあった。すなわち、この金属継手本体1は、軸方向の引抜き力が加わった際に、樹脂リング5と拡径されたパイプ2によって形成された環状鍔部7に荷重が集中することで、パイプ2の肉(表層)が逃げてしまい、パイプ2が滑るようにして抜け方向に移動することがあった。更に、この荷重が大きいと、パイプ2の変形量(パイプ2の肉の逃げ量)が大きくなり、パイプ2を保持しきれなくなって、このパイプ2が抜けてしまうことがある。
図11は、図10の金属継手本体1(サイズ50A)を用いて引抜き試験(試験方法は、配水用ポリエチレンパイプシステム協会団体規格 PCT B 21 「水道配水用ポリエチレン管金属継手」の引抜阻止性能試験方法による。)をおこなった際のチャート図を示している。図において、最大荷重が加わった直後に、パイプが抜けて荷重が急激に下がっていることが確認できる。また、このとき、パイプも降伏まで達していない。
特許文献1においても、上記の継手と同様であり、瞬間的な力が加わった場合には樹脂管が抜け方向にずれて抜けが生じるおそれがあり、樹脂管の引抜き阻止力とシール性が悪くなっていた。
特許文献2の管継手は、締付ナットやフェルールを再利用するために構成された構造であり、引抜き阻止力とシール性を向上させることは考慮されていない。この管継手における中間フェルールは、縮径変形して配管に密着して抜け止めをおこなうものであり、配管に食い込ませていないために引抜き阻止力が弱く、強い力が加わった場合には配管が抜ける場合がある。更に、この中間フェルールは、一つの割り溝が設けられた割り環であるため均等に縮径されず、前側フェルールや後側フェルールに均等に圧接することが難しくなっている。この管継手は、金属製の配管の接続用であるため、樹脂管を引抜き阻止力と止水性とを確保しながら接続することは難しい。
特許文献3のはめ輪は、主に、比較的小口径で薄肉の金属製パイプを接続するために用いられるものであり、小口径のパイプにおいて、引張り強度よりも局部荷重やかじり傷を防いだり、高トルクの発生を低減させる、すなわち、パイプとリングとの食込み強度の向上が優先されたものである。このはめ輪は、パイプが大口径になると、パイプが滑りやすくなって抜けやすくなっていた。
しかも、このはめ輪は、パイプを拡径させずにフェルールを食い込ませるため、抜け方向に力が作用した際のベクトルが一致し、抜け方向に変位すると滑るように抜ける場合がある。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、継手に引抜き力が加わった場合でも、パイプが降伏するまでパイプの抜出しを防いでパイプの引抜き阻止力と止水性とを保持する樹脂管用継手を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、継手本体の接続部にリング体を介して袋ナットを螺合させて樹脂管を接続する樹脂管用継手であって、前記リング体を後部リングと前部リングとの合わせ面であり、かつ前方側へ傾斜するテーパ面を介して後部リングと前部リングとに分割形成し、前記前部リングの前方内方端に係止端部を設け、かつ、前記後部リングに軸方向に沿って形成した複数のスリットを形成し、前記袋ナットの締付時に樹脂管外周に前部リングの係止端部を押し付けて樹脂管外周に鍔部を形成し、前記後部リングは、前記テーパ面を介して求心方向に縮径させて前記前部リングの内径より小さい状態で樹脂管外周に食い込ませて樹脂管を接続する樹脂管用継手において、前記後部リングの前記テーパ面と前記前部リングの前記テーパ面の合わせ面の途中位置には、それぞれ段状の段部を形成し、これらの段部は、前記テーパ面の傾斜角度方向と反対の傾斜角度方向の傾斜で、かつ、この段部同士の傾斜同角度であり、それぞれのテーパ面と段部同士の合わせ面で前記後部リングのスリットを縮径させた状態で、後部リングと前リングを仮組みした樹脂管用継手である。
本発明によると、リング体をテーパ面を介して分割し、一方の後部リングに縮径可能にするためのスリットを形成しているため、後部リングがロックリングとしても機能を発揮し、一方、止水機能を発揮する前部リングによって形成された樹脂管の鍔部に加わる荷重を小さくすることにより、樹脂管の変形を小さくし、もって、引抜阻止力を向上させることができる。接続時に特殊な工程を経る必要もなく、通常の施工方法により接続することが可能になっている。しかも、リング体における周方向の位置合わせが不必要となるため組立てが容易となり、段部の嵌合が外れた場合でも、再度組み込むことができる。更に、リング体としての方向が位置決めされた状態で使用することができる。また、後部リングが左右非対称形状の場合でも誤装着を防止できるというメリットがある。袋ナットによる締付け時には、段部における傾斜が同角度に形成されていることより、後部リングの縮径に悪影響を与えることはない。
さらには、段部同士を嵌合させる際に、段部同士の合わせ面で後部リングのスリットを縮径させた状態で嵌合するため、後部リングと前部リングは、みだりに周方向に動くことなく、位置決めされた状態で仮組みされると共に、継手を締付ける前に、リング体は継手内に確実に仮組みされた状態で装着されるので、継手を締付けた後はパイプの引抜き阻止力と止水性とを確実に保持することが可能となり、しかも、段部同士の傾斜を同角度に形成しているので、後部リングの縮径に悪影響を与えることがない。
本発明における樹脂管用継手の一実施形態を示した断面図である。 図1のA部拡大断面図である。 リング体の第1実施形態を示した半截断面図である。(a)は、後部リングを示した半截断面図である。(b)は、前部リングを示した半截断面図である。 本発明の樹脂管用継手の引抜き試験におけるチャート図である。 リング体の第2実施形態を示した半截断面図である。(a)は、後部リングを示した半截断面図である。(b)は、前部リングを示した半截断面図である。 リング体の第3実施形態における後部リングを示した説明図である。(a)は、後部リングの半截断面図である。(b)は、後部リングの左側面図である。 リング体の第3実施形態における前部リングを示した説明図である。(a)は、前部リングの半截断面図である。(b)は、前部リングの左側面図である。 第3実施形態におけるリング体を組み合わせた状態を示す半截断面図である。 後部リングの第4実施形態を示した説明図である。(a)は、後部リングの半截断面図である。(b)は、後部リングの右側面図である。 従来の二層管用金属継手を示した半截断面図である。 従来の二層管用金属継手の引抜き試験のチャート図である。
以下に、本発明における樹脂管用継手の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明における樹脂管用継手の一実施形態を示した断面図であり、図2は、図1のA部拡大断面図である。本発明における樹脂管用継手は、継手本体10、リング体11、袋ナット12を有しており、継手本体10の接続部13に、リング体11を介して袋ナット12を螺合させて樹脂管からなるパイプ14を接続するものである。
継手本体10の接続部13は、内側に樹脂管14を挿入可能な形状を呈し、この接続部13の内周側には、パイプ14の管端部14aを当接して所定の挿入位置まで挿入させる当接部13aが形成されている。接続部13の外周側には雄ねじ15が形成され、この雄ねじ15に袋ナット12が螺着可能になっている。袋ナット12は、雄ねじ15への締付け時に樹脂管14を継手本体10に接続可能になっている。接続部13の他端側には、雄ネジ部16が形成され、この雄ネジ部16には図示しない外部の管路の雌ネジ部が接続可能になっている。本例においては、接続部13の他端側を雄ネジ部16としているが、この他端側は雌ネジ部であってもよい。
樹脂管用継手におけるリング体11は、後部リング20と前部リング21とに分割形成され、後部リング20が袋ナット12側、前部リング21が継手本体10側に位置した状態で樹脂管14の外周側に装着される。このように、リング体11を2分割することにより、前部リング21に止水・パイプ保持機能を、後部リング20にパイプ保持機能を持たせている。後部リング20と前部リング21には、それぞれ装着方向における前方側へ傾斜するテーパ面22、23が形成され、このテーパ面22、23が合わせ面となって後部リング20と前部リング21とが当接可能になっている。これらの後部リング20と前部リング21とから成るリング体11は、樹脂製リングよりなっており、その外形は、従来の樹脂リング5(図10参照)の外形と略同じである。
本実施形態においては、図2に示すように、リング体11の分割位置は、後部リング20の先端部24が、樹脂管14と後述するインコア25の接触点Pから3〜5mm程度の距離D分のだけ管端方向にずらした位置で樹脂管14の外周面に接するように設けられる。これは、後部リング20のロックリングとしてのロック効果を向上させるためのものであり、この後部リング20の先端部24がインコア25の挿入により拡径した樹脂管14に食い込みやすくするためである。テーパ面22、23は、後部リング20が前部リング21の内周側に潜り込めるような角度に形成されており、更に、このテーパ面のテーパ角度αは、袋ナット12における後部リング20の後端面26との合わせ面である傾斜面27と略同一のテーパ角度になっており、後部リング20の均一な縮径を促進している。
図3(a)に示すように、リング体11における後部リング20は、樹脂管14の外径とほぼ同じ内径を有する断面矩形状の環体形状を成し、この後部リング20には複数のスリット30が軸方向に沿って形成されている。本実施形態では、スリット30は、後部リング20を円周方向に8分割する位置に形成され、このスリット30により、後部リング20が求心方向に縮径可能になっている。更に、スリット30は、当該後部リング20の前端及び後端から交互に形成され、これにより、後部リング20全体が均一に縮径可能になっている。スリット30は、図5(a)に示すように、当該後部リングの前端からのみ形成されていてもよい。後部リング20の外周面31は、継手本体10に向けてテーパ状に形成されている。
一方、リング体11における前部リング21は、図3(b)に示すように、後部リング20と同様に樹脂管14の外径とほぼ同じ内径を有する断面矩形状の環体形状を成し、この前部リング21の外周面32は、継手本体10に向けてテーパ状に形成されている。前部リング21には、前方内方側に係止端部33が形成され、この係止端部33を頂点として、前部リング21の内周面と前方に設けられる前方端面34とにより傾斜角度(食込み角)βが形成されている。
後部リング20のテーパ面22のテーパ角度(食込み角)αと、前部リング21の先端側の傾斜角度(食込み角)βにおいて、前部リング21の食込み角βは、後部リング20よりも樹脂管14に食い込みにくくするために、後部リング20の食込み角αよりも大きく設定するのがよく、具体的には、例えば、前部リングの食込み角βを80〜90°程度、後部リングの食込み角αを55〜65°程度に設定するのが好ましい。本実施形態では、前部リングの食込み角βを90°、後部リングの食込み角αを60°に設定している。なお、前部リング21は、後部リング20よりも樹脂管14に食い込みにくく規制するために、上述の係止端部33を設ける他、内周面に凸凹を設けるなど、継手の軸方向への移動を抑制する形状や材質を用いてもよい。
樹脂管用継手に接続される樹脂管14には、その管端部14aに外形テーパ形状を呈する断面楔形のインコア25が内挿されている。このインコア25は、内挿時に樹脂管14の管端側をテーパ状に拡径された状態に保持し、このインコア25が樹脂管14を内側から補強していることにより、リング体11の押し付け時にこのリング体11により樹脂管14外周を変形させると共に、管端部14aが縮径変形することを防いでいる。樹脂管用継手により接続可能な樹脂管14としては、水道用ポリエチレン二層管、一般用ポリエチレン管、配水用ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管などがあり、これらの樹脂管14のうち、樹脂管用継手に接続可能な径を有する適宜の樹脂管14が選択される。
本発明の樹脂管用継手は、接続部13に樹脂管14を挿着して袋ナット12を締め付けたときに、樹脂管14外周に前部リング21の係止端部33を押し付けて樹脂管14外周を変形させて鍔部36を形成すると共に、後部リング20が、テーパ面22、23を介して求心方向に縮径して前部リング21の内径より小さい状態で樹脂管14外周に食い込むことにより、樹脂管14の引抜きを阻止するようにしたものである。
樹脂管用継手により樹脂管14を接続する場合には、樹脂管14に袋ナット12を装着し、前部リング21と後部リング20の取付け順序とそれぞれの取付け方向に注意しながら、樹脂管14の管端部14a側から外周にこれらのリング体11を装着する。次に、金槌等の図示しない工具を用いて樹脂管14の管端部14aに鍔状部が当接するまでインコア25を内挿させて装着する。このインコア25の装着により、樹脂管14の管端部14aがテーパ状に拡径され、袋ナット12とリング体11との樹脂管14からの抜け出しが防止された状態に保持される。
この状態で、樹脂管14の管端部14a(インコア25)が当接部13aに当接するまで樹脂管14を継手本体10の接続部13に挿入して樹脂管14を継手本体10の所定位置に装着する。
なお、本発明の樹脂管用継手に用いるリング体11は、少なくとも2つの分割リングであればよく、更に、この分割リングに他のリングを組合わせるようにしてもよい。
続いて、袋ナット12を継手本体10の雄ねじ15に締付けていくと、図1、図2に示すように、後部リング20の後端面26が袋ナット12の傾斜面27に押され、テーパ面22、23の当接により前部リング21が継手本体10方向に移動し、この前部リング21の係止端部33が拡径された樹脂管13の外周に当接する。この状態から更に袋ナット12を締付けると、前部リング21の係止端部33がパイプ14外周に強く押し付けられてこの外周側が変形して鍔部36が形成されて、係止端部33と鍔部36とにより止水及び樹脂管14の保持がおこなわれる。
このとき、後部リング20は、後端面26が傾斜面27により軸方向に押されると共に、この後部リング20と前部リング21の合わせ面であるテーパ面22、23によって縮径する。このとき、後部リング20は、前端及び後端から交互に形成されたスリット30により全体的に均一に縮径し、前部リング21の内径よりも内径が縮径された状態で樹脂管14の外周に接することでこの樹脂管14を強く保持するようになっている。さらに、後部リングの先端部24は、施工終了時において樹脂管14外周に食込んだ状態となる。
この状態から樹脂管14に引抜き荷重が加わった場合には、前部リング21の係止端部33が樹脂管14外周に形成された鍔部36に当接すると共に、合わせ面22、23により縮径された後部リング20の先端部24が樹脂管14外周に深く食い込むことによりこの樹脂管14の抜出しが阻止される。このとき、樹脂管14は、インコア25により拡径されており、このインコア25は楔形をしているため後部リング20の当たりが前部リング20に比べて弱くなるおそれがあるが、後部リング20が縮径することにより樹脂管14との当たりが強くなっている。
しかも、後部リングの先端部24はテーパ面22によって鋭角になっているため、樹脂管14に対して引抜き力が加わったときにこの先端部24が樹脂管14外周に強く食い込む。このとき、前部リング21と後部リング20に対して抜け方向に力が作用した際の力の樹脂管14への食い込み部位が更に径方向にずれることになる。この食い込み部位のずれにより、有効に後部リング20を樹脂管14外周に食い込ませることができ、樹脂管14が抜け方向に変位したときに後部リングの先端部24がより深く食い込むようになっている。このため、後部リング20により樹脂管14を保持する力が発揮される。なお、各リングの食い込み部位のずれは、インコア25によって管端部14aが拡径された樹脂管14に対して、より確実に得ることができる。
一方、前部リング21の係止端部24により鍔部36にかかる引抜荷重は小さくなり、樹脂管14の変形もほとんど発生しない。このとき、前部リング21は、樹脂管14を保持することよりも止水性を向上することが主な役割となる。
更に、大きな引抜荷重が加わった場合でも、後部リング20の樹脂管14への食い込みが強くなるだけであり、前部リング21により樹脂管14先端側が変形することが防がれる。
図4においては、上記の継手本体10に対して引抜き試験を実施した結果を示したものである。図に示すように、最大荷重(14.24kN)が加わっても樹脂管14が抜けることはなく、その力を保持しながら降伏を向かえ荷重が徐々に低下するのが確認された。更に、この状態で樹脂管14内に水を流して水圧を負荷し、樹脂管14が破壊するまで圧力を上げ続けても樹脂管14の抜出しは発生しなかった。図において、(A)は、第1実施形態の試験結果、(B)は、第2実施形態の試験結果を示している。
上述したように、本発明の樹脂管用継手は、前方側へ傾斜する合わせ面であるテーパ面22、23を介して後部リング20と前部リング21とを分割形成し、前部リング21に係止端部33を設け、後部リング20に複数のスリット30を形成し、袋ナット12の締付時に樹脂管14外周に係止端部33を押し付けて鍔部36を形成すると共に、後部リング20をテーパ面22、23を介して求心方向に縮径させて前部リング21の内径より小さい状態で樹脂管14外周に食い込ませることで樹脂管14の引抜きを阻止しているので、継手接続後に地震などにより瞬間的な大きな力が加わった場合でも、後部リング20がテーパ面22、23を介して樹脂管14に深く食い込むことにより、この樹脂管14の抜けが防止される。しかも、このとき、前部リング21の係止端部33と鍔部36との当接により止水性が確保される。
特に、前部リング21は、係止端部33などにより、樹脂管14への食い込みを規制されたものを用いることにより、後部リング20を前部リング21に相対して継手の軸方向に移動して縮径することができ、各リングによる異径の食い込み部位を形成して樹脂管14を段違いに保持することにより、その引き抜きを確実に防止することができる。
この樹脂管用継手は、水道用ポリエチレン管などからなる大口径の樹脂管についても同様の効果を発揮しながら接続でき、例えば、口径サイズ30から50Aで、その厚さが4.0〜8.0mm程度までの厚肉の配管であっても、前部リング21と後部リング20とによる異径の食込み部位により確実にシールしながら保持することができる。この場合、上述したように、リング体11のうち、後部リング20を前部リング21よりも深く樹脂管14に食込ませるようにし、この後部リング20の縮径をより促進するようにしているので、厚い肉厚の樹脂管14にも十分食い込ませることができ、インコア25を圧入した樹脂管14の外周にも食い込みが可能になっている。
一方、仮に、一体のリング体を用いた場合には、肉厚の厚い樹脂管14への食い込み量が不十分となる。また、分割したリング体を構成する際に、前部リングと後部リングの食込み量を同じにした場合にも、肉厚の厚い樹脂管に対して食い込み量が不十分になる。また、後部リングよりも前部リングの食込み量を大きくしたリング体の場合、インコアを圧入した樹脂管のテーパ外周に対して適用することが難しくなる。
図5においては、本発明の樹脂管用継手におけるリング体の第2実施形態を示している。なお、この実施形態以降において、前記実施形態と同一部分は同一符号によって表し、その説明を省略する。このリング体40は、図5(a)に示すように、後部リング41に形成したスリット42を、当該後部リング41の前端からのみ形成したものである。この場合、袋ナット12の締付け時に、後部リング41は、前端のみに形成されたスリット42により、全体が縮径することなく、樹脂管14に対して前端側のみが縮径されて食い込むようになっている。このとき、後部リング41の末端側は縮径されないため、縮径した際の後部リング41の内径は、前述した実施形態よりも大きくなるが、前記実施形態と同様に、樹脂管14の引抜き阻止力と止水性とを保持することができる。図5(b)においては、後部リング41と組合わせる前部リング43を示している。この前部リング43は、第1実施形態とう同一形状のものを利用することができる。
図6〜図8においては、本発明における樹脂管用継手におけるリング体の第3実施形態を示している。このリング体45では、図6(a)、図6(b)に示す後部リング46と、図7(a)、図7(b)に示す前部リング47の合わせ面(テーパ面)48、49の径方向に環状の段部50、51をそれぞれ形成し、この段部50、51同士を嵌合させるようにして、図8に示すように後部リング46と前部リング47とを組立て可能に設けたものである。この場合、リング体45における周方向の位置合わせが不必要となるため組立てが容易となり、段部50、51の嵌合が外れた場合でも、再度組み込むことができる。更に、リング体45としての方向が位置決めされた状態で使用することができる。また、後部リング46が左右非対称形状の場合でも誤装着を防止できるというメリットがある。袋ナット12による締付け時には、段部50、51における傾斜が同角度に形成されていることより、後部リング46の縮径に悪影響を与えることはない。
図9においては、本発明における樹脂管用継手におけるリング体の第4実施形態を示している。このリング体55では、図9(a)、図9(b)に示すように、後部リング56のテーパ面57に略半球状の凸部58を複数形成し、この凸部58を図示しない前部リングに形成した凹部に嵌合可能に設けたものである。この場合、凸部58(凹部)をリング体55の外周側に配置するようにし、袋ナット12の締付け時の後部リング56の縮径を阻害しないようにすることが望ましい。袋ナット締付時において、後部リング56は、凸部58に沿って軸方向に動きながら縮径され、このとき、後部リング56と前部リングの共回りが防がれる。
また、図示しないが、後部リングと前部リングとが密着するテーパ面に、略長丸状の凸部と凹部を径方向にそれぞれ形成し、この凸部と凹部を嵌合してリング体として仮止めするようにしてもよい。更に、図示しないが、後部リングの凸部をスリットの両側に配置し、前部リングの凹部をこの凸部と対応する位置に設けるようにしてもよく、このように、凸部と凹部がリング体の合わせ面であるテーパ面が互いに嵌合可能な位置であれば、任意の位置に形成することができ、また、任意の形状に形成することができる。袋ナットの締付け時には、上記の場合と同様に、後部リングの縮径が阻害されることはない。
また、後部リングの前部リングに対する装着時の方向性を無くすために、この後部リングを左右対称に設けるようにしてもよい。この場合、後部リングは、左右の方向性にこだわることがないため前部リングと仮止めする必要がなくなる。更に、このとき、後部リングの外径を前部リングよりも大きく形成し、剛性を向上させるようにしてもよい。
10 継手本体
12 袋ナット
13 接続部
14 樹脂管(パイプ)
14a 管端部
25 インコア
30 スリット
33 係止端部
34 前方端面
36 鍔部
45 リング体
46 後部リング
47 前部リング
48 テーパ面
49 テーパ面
50 段部
51 段部
55 リング体
56 後部リング
57 テーパ面
58 凸部
α、β 食込み角(テーパ角度)

Claims (1)

  1. 継手本体の接続部にリング体を介して袋ナットを螺合させて樹脂管を接続する樹脂管用継手であって、前記リング体を後部リングと前部リングとの合わせ面であり、かつ前方側へ傾斜するテーパ面を介して後部リングと前部リングとに分割形成し、前記前部リングの前方内方端に係止端部を設け、かつ、前記後部リングに軸方向に沿って形成した複数のスリットを形成し、前記袋ナットの締付時に樹脂管外周に前部リングの係止端部を押し付けて樹脂管外周に鍔部を形成し、前記後部リングは、前記テーパ面を介して求心方向に縮径させて前記前部リングの内径より小さい状態で樹脂管外周に食い込ませて樹脂管を接続する樹脂管用継手において、前記後部リングの前記テーパ面と前記前部リングの前記テーパ面の合わせ面の途中位置には、それぞれ段状の段部を形成し、これらの段部は、前記テーパ面の傾斜角度方向と反対の傾斜角度方向の傾斜で、かつ、この段部同士の傾斜同角度であり、それぞれのテーパ面と段部同士の合わせ面で前記後部リングのスリットを縮径させた状態で、後部リングと前リングを仮組みしたことを特徴とする樹脂管用継手。
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