以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
本発明の実施形態に係る顕微鏡システムに含まれる複数の電動ユニットの各々の動作を制御するための操作が行われる顕微鏡コントローラは、タッチパネル部、制御部、及び通信制御部を備える。
タッチパネル部は、外部からの物理的接触による入力を受け付けると共に、表示機能を有する。タッチパネル部は、例えば本実施形態で言えば、タッチパネル207に相当する。
制御部は、タッチパネル部の表示領域に、複数の電動ユニットの各々の操作を可能にするための領域として、複数の機能エリアを設定すると共に、該複数の機能エリアのうちの何れかの機能エリアに対する外部からの物理的接触による入力が検出された場合に、該機能エリアに対応する電動ユニットを制御するための制御指示信号を生成する。また、制御部は、設定した複数の機能エリアのうちの所定の機能エリアに対する外部からの物理的接触による入力が検出された場合に、該機能エリアの領域又は該機能エリアを含む特定の複数の機能エリアの領域が拡大されるように、タッチパネル部の表示領域に複数の機能エリアを再設定すると共に、該再設定後の複数の機能エリアのうちの何れかの機能エリアに対する外部からの物理的接触による入力が検出された場合に、該機能エリアに対応する電動ユニットを制御するための制御指示信号を生成する。制御部は、例えば本実施形態で言えば、CPU201に相当する。
通信制御部は、制御部により生成された制御指示信号を、対応する電動ユニットの動作を制御する外部装置に対して、送信する。通信制御部は、例えば本実施形態で言えば、通信制御部205に相当する。
このように構成することにより、ユーザーの顕微鏡の操作性を向上させることができる。ここで、再設定により領域が拡大された機能エリアは、該機能エリアに対する外部からの物理的接触がドラッグ操作によるものである場合に、該ドラッグ操作に連動して該機能エリアに対応する電動ユニットを連続的に動作させるような操作を可能にする機能エリアとすることができる。
このように構成することにより、ユーザは、電動ユニットを連続的に動作させるためのドラッグ操作を、領域が拡大された機能エリアに対して行うことができるので、ユーザの操作性を向上させることができる。
また、再設定により領域が拡大された機能エリアは、標本又は対物レンズをステージの光軸方向に移動させる電動ユニットを操作可能にする機能エリア、及び、標本又は対物レンズをステージの光軸方向に対して垂直方向に移動させる電動ユニットを操作可能にする機能エリアとすることができる。
このように構成することにより、ユーザは、標本又は対物レンズをステージの光軸方向
及び該ステージの光軸方向に対して垂直方向に移動させるためのドラッグ操作を、領域が拡大された機能エリアに対して行うことができるので、ユーザの操作性を向上させることができる。
また、タッチパネル部の表示領域に設定又は再設定された複数の機能エリアは、標本又は対物レンズをステージの光軸方向に移動させる電動ユニットを操作可能にする機能エリア、標本又は対物レンズをステージの光軸方向に対して垂直方向に移動させる電動ユニットを操作可能にする機能エリア、光源の調光量を切り換える電動ユニットを操作可能にする機能エリア、光学倍率を切り換える電動ユニットを操作可能にする機能エリア、光学素子ターレット位置を切り換える電動ユニットを操作可能にする機能エリア、及び、検鏡方法を切り換える電動ユニットを操作可能にする機能エリアのうちの一つ以上を含むように構成することができる。
このように構成することにより、ユーザは、各種の電動ユニットの動作を操作することができる。また、タッチパネル部の表示領域に設定又は再設定された複数の機能エリアは、外部からの物理的接触がドラッグ操作によるものである場合に該ドラッグ操作に連動して対応する電動ユニットを連続的に動作させるような操作を可能にする機能エリアを含み、当該機能エリアに対して開始された外部からの物理的接触がドラッグ操作によるものであって、且つ、該ドラッグ操作による物理的接触が別の機能エリアに跨って行われた場合、制御部は、該ドラッグ操作による物理的接触が開始された機能エリアに対応する電動ユニットのみを制御するための制御指示信号を生成するように構成することもできる。
このように構成することにより、例えば、ユーザが所望の機能エリアに対するドラッグ操作を開始したものの、誤って、そのドラッグ操作が他の機能エリアに跨って行われた場合であっても、所望の電動ユニットのみを動作させることができる。
また、タッチパネル部の表示領域に設定又は再設定された複数の機能エリアの中で、外部からの物理的接触がドラッグ操作によるものである場合に該ドラッグ操作に連動して対応する電動ユニットを連続的に動作させるような操作を可能にする機能エリアを除く他の機能エリアにおいて、該機能エリアに対する外部からの物理的接触による入力が検出された場合に、制御部は、該物理的接触が途絶えた位置に基づいて、該機能エリアに対応する電動ユニットを制御するための制御指示信号を生成するように構成することもできる。
このように構成することにより、機能エリアに対する物理的接触が行われた際に、その物理的接触が終了した時点の位置(例えば指をタッチパネルから離した時の位置)に応じて、電動ユニットを動作させることができる。
また、タッチパネル部の表示領域に対する外部からの物理的接触による入力が検出された場合に、制御部は、該物理的接触が予め定められた特定の操作によるものであるか否かを判定し、該判定の結果が真である場合には、該特定の操作に対応する電動ユニットを制御するための制御指示信号を生成するように構成することもできる。
このように構成することにより、ユーザは、特定の操作を行うことによっても、所望の電動ユニットを動作させることができる。ここで、特定の操作は、一定時間以内にタッチパネル部の表示領域に設定されている所定領域上の同じ位置を2回連続してタッチする操作を含むように構成することもできる。
このように構成することにより、ユーザは、そのような操作を行うことによって、所望の電動ユニットを動作させることができる。また、特定の操作は、一定時間以内にタッチパネル部の表示領域に設定されている所定領域上に円を描くような操作を含むように構成することもできる。
このように構成することにより、ユーザは、そのような操作を行うことによって、所望の電動ユニットを動作させることができる。また、制御部は、特定の操作に応じて、光源の調光量を切り換える電動ユニット、光学倍率を切り換える電動ユニット、光学素子ターレット位置を切り換える電動ユニット、及び、検鏡方法を切り換える電動ユニットの何れかを制御するための制御指示信号を生成するように構成することもできる。
このように構成することにより、ユーザは、特定の操作を行うことによって、各種の電動ユニットを動作させることができる。また、特定の操作および対応する電動ユニットの組み合わせを、ユーザが任意に設定可能に構成することもできる。
このように構成することにより、ユーザは、特定の操作を行うことによって動作させる電動ユニットを自由に変更することができる。
また、顕微鏡システムが顕微鏡コントローラを備える構成とすることも可能である。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る顕微鏡システムの構成例を示す図である。同図において、正立型の顕微鏡装置1には、透過観察用光学系として、透過照明用光源6と、透過照明用光源6の照明光を集光するコレクタレンズ7と、透過用フィルタユニット8と、透過視野絞り9と、透過開口絞り10と、コンデンサ光学素子ユニット11と、トップレンズユニット12とが備えられている。
また、顕微鏡装置1には、落射観察光学系として、落射照明用光源13と、コレクタレンズ14と、落射用フィルタユニット15と、落射シャッタ16と、落射視野絞り17と、落射開口絞り18とが備えられている。
また、透過観察用光学系の光路と落射観察用光学系の光路とが重なる観察光路上には、標本19が載置される電動ステージ20が備えられている。電動ステージ20は、上下(Z)方向、左右(XY)方向の各方向に移動させることができる。なお、本実施形態では、電動ステージ20が移動することによって標本19と対物レンズとの位置関係が変更されるものであるが、対物レンズ側が移動することによって標本19と対物レンズとの位置関係が変更される構成とすることもできる。或いは、標本19と対物レンズの一方が上下方向に移動し他方が左右方向に移動することによって、標本19と対物レンズとの位置関係が変更される構成とすることもできる。
電動ステージ20の移動の制御は、ステージX−Y駆動制御部21とステージZ駆動制御部22とによって行われる。ステージX−Y駆動制御部21は、X−Yモータ21aの駆動を制御することにより、電動ステージ20をX方向及びY方向へ移動させる。ステージZ駆動制御部22は、Zモータ22aの駆動を制御することにより、電動ステージ20をZ方向へ移動させる。
なお、電動ステージ20は原点センサによる原点検出機能(不図示)を有している。そのため、電動ステージ20に載置した標本19の座標検出及び座標指定による移動制御を行うことができる。
また、観察光路上には、レボルバ24、キューブターレット25と、ビームスプリッタ27とが備えられている。レボルバ24には、複数の対物レンズ23a,23b,・・・(以下、必要に応じて「対物レンズ23」と総称する)が装着されている。レボルバ24を回転させることにより、複数の対物レンズ23から観察に使用する対物レンズを選択することができる。
蛍光キューブA(35a)、蛍光キューブB(35b)、蛍光キューブC(図示せず)はそれぞれ、励起フィルター、ダイクロックミラー及び各蛍光観察波長に対応した吸収フィルターを有する。キューブターレット25により、蛍光キューブA(35a)、蛍光キューブB(35b)、蛍光キューブC(図示せず)・・・のうちいずれかに切り換えて、光路上に配置することができる。
ビームスプリッタ27により、観察光路が接眼レンズ26側とビデオカメラ側(図示せず)とに分岐されている。更に、微分干渉観察用のポラライザー28、DIC(DifferentialInterference Contrast)プリズム29、及びアナライザー30は観察光路に挿入可能となっている。
なお、これらの各ユニットは電動化されており、その動作は後述する顕微鏡制御部31によって制御される。顕微鏡制御部31は、顕微鏡コントローラ2に接続されている。顕微鏡制御部31は、顕微鏡装置1全体の動作を制御する機能を有する。顕微鏡制御部31は、顕微鏡コントローラ2からの制御信号またはコマンドに応じ、検鏡法の変更、透過照明用光源6及び落射照明用光源13の調光等を行う。さらに、顕微鏡制御部31は、顕微鏡装置1による現在の検鏡状態を顕微鏡コントローラ2へ送出する機能を有している。また、顕微鏡制御部31はステージX−Y駆動制御部21及びステージZ駆動制御部22にも接続されている。このため、顕微鏡制御部31を介して、電動ステージ20の制御も顕微鏡コントローラ2により行うことができる。
顕微鏡コントローラ2は、実際にユーザが顕微鏡装置1に対する操作を入力するためのタッチパネルを有するコントローラである。詳しくは後述するが、このタッチパネルの表示領域に設定された所定のエリアには、顕微鏡装置1を操作するための所定の属性が設定されている。ユーザーは所定の属性が設定された機能エリア(タッチパネルに表示されたGUI(Graphical User Interface)ボタン等)を操作することで、顕微鏡装置1の各種の操作が可能な構成となっている。
図2は、顕微鏡コントローラ2の内部の構成例を示す図である。図3は、顕微鏡コントローラ2の、タッチパネルを含む外装の一部の一例を示す図である。図2に示すように、顕微鏡コントローラ2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、不揮発性メモリ204、通信制御部205、タッチパネル制御部206、及びタッチパネル207を備えている。これらの構成要素間では、CPU201の管理の下でバスを介して各種のデータを相互に授受することができる。
CPU201は、顕微鏡コントローラ2全体の動作制御を行うものである。ROM202には、CPU201が顕微鏡コントローラ2の動作制御を行うための制御プログラムが予め格納されている。なお、顕微鏡装置1を制御するためのアプリケーションソフトウェアもこの制御プログラムの一部である。RAM203は、CPU201が制御プログラムを実行する際に作業用記憶領域として利用すると共に、各種のデータを一時的に記憶しておくメモリである。
不揮発性メモリ204には、タッチパネル207に操作ボタン表示(アイコンボタン表示等)を含めた顕微鏡装置1を操作するための所定の属性が設定された複数の機能エリアの情報(以下「機能エリア設定情報」という)が予め格納されている。具体的には、機能エリア設定情報は、タッチパネル207の表示領域に、顕微鏡システムに含まれる複数の電動ユニットの各々の操作を可能にするための領域として、複数の機能エリアを設定するための情報である。なお、タッチパネル207の表示領域に複数の機能エリアを設定するとは、タッチパネル207の表示領域に複数の領域を設け、その各領域に対して何れの電動ユニットを操作可能にする機能を割り当てるかを設定することである。この機能エリア設定情報により割り当てられる機能は、例えば、電動ステージ20をXY方向へ移動させるための電動ユニットを操作可能にする機能、電動ステージ20をZ方向へ移動させるための電動ユニットを操作可能にする機能、及び、電動レボルバ24を回転させて任意の対物レンズを選択し観察光路に挿入させるための電動ユニットを操作可能にする機能等である。本実施形態では、不揮発性メモリ204に、少なくとも通常機能エリア用の機能エリア設定情報と拡大機能エリア用の機能エリア設定情報とが格納されている。
通信制御部205は、顕微鏡制御部31との間で行われるデータ通信(例えばシリアル通信)の管理を行い、各構成ユニットの動作を制御する制御情報などの顕微鏡制御部31への送信を行う。
タッチパネル207は、表示装置としての機能と入力操作用の操作子としての機能とを兼ね備えている。ここで、タッチパネル207は、膜抵抗方式、静電容量方式、赤外線方式、超音波方式等いずれの種類のタッチパネルでもよく、その種類に限定されない。また、タッチパネル制御部206は、タッチパネル207上においてユーザより入力された位置のX座標及びY座標を検出し、その検出した座標情報をCPU201へ送信する。
図3に示すように、タッチパネル207は、顕微鏡コントローラ2の外装208に嵌め込まれている。また、タッチパネル207は、外装208の表面に対してタッチパネル207の表面が窪むように嵌め込まれているため、タッチパネル207の表面と外装208の表面との間には、規制枠としての段差209が設けられている。この規制枠としての段差209により、例えば、ユーザがタッチパネル207上で指を移動させる際に、誤って指がタッチパネル207の外へ移動するのを防止することができる。また、ユーザが段差209に沿って指を移動させることによって、段差209をガイドとして利用することもできる。従って、段差209は、ユーザが例えばブラインド操作によりタッチパネル207を操作する際等に有効である。
次に、本実施形態に係る顕微鏡コントローラ2の動作について説明する。顕微鏡コントローラ2は、タッチパネル207を介して顕微鏡システムに含まれる複数の電動ユニットの各々の操作を可能にする動作モードとして、通常機能エリアモードと拡大機能エリアモードという2つの動作モードを有する。通常機能エリアモードは、タッチパネル207の表示領域に複数の機能エリアを設定した後に、各機能エリアの領域が変更されずに固定されたままとなる動作モードである。一方、拡大機能エリアモードは、タッチパネル207の表示領域に複数の機能エリアを設定した後に、一部の機能エリアの領域が拡大されるようにタッチパネル207の表示領域に複数の機能エリアを再設定することが可能な動作モードである。これら2つの動作モードの切り換えは、例えば、図示しない切換ボタンをユーザが操作することによって行うことができる。この場合、その切換ボタンは、タッチパネル207の表示領域に仮想的に設けるようにすることもできるし、顕微鏡コントローラ2の外装面に物理的に設けるようにすることもできる。
まずはじめに、動作モードが通常機能エリアモードであるときの顕微鏡コントローラ2の動作を説明する。図4は、その動作に係る処理フローの一例を示す図である。なお、この処理フローは、顕微鏡コントローラ2の制御部であるCPU201が、ROM202に記録されている制御プログラムを読み出し実行することによって行われるものである。
同図に示すように、まず、S101では、不揮発メモリ204に記録されている通常機能エリア用の機能エリア設定情報がRAM203に読み出される。S102では、その機能エリア設定情報に基づいて、タッチパネル207上において顕微鏡システム1を操作するための所定の属性が各機能エリア(タッチパネル上に表示されたGUIボタン等を含む)に割り当てられ、機能エリアの設定が行われる。
図5は、S102の処理によってタッチパネル207の表示領域に複数の機能エリアが設定された時のタッチパネル207の表示画面の一例を示す図である。同図において、機能エリアS_Aは、電動ステージ20をXY方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられた機能エリアである。機能エリアS_Bは、電動ステージ20をZ方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられた機能エリアである。機能エリアS_Cは、対物レンズ24の切り換えを行う電動レボルバ24の操作を可能にするための機能が割り当てられた機能エリアである。機能エリアS_Dは、検鏡方法の切り換えを行う電動ユニットの操作を可能にするための機能が割り当てられた機能エリアである。機能エリアS_Eは、機能エリアS_Aに割り当てる機能を切り換える操作を可能にするための機能が割り当てられた機能エリアである。機能エリアS_Fは、その他の電動ユニットの操作を可能にするための機能が割り当てられた機能エリアである。
S102の処理が終了し、続くS103では、タッチパネル207に入力があったか否かが判定され、その判定結果がYes(「真」ともいう)の場合にはS104へ移行し、No(「偽」ともいう)の場合にはS106へ移行する。S104では、タッチパネル207への入力があった位置の座標(タッチパネル207上のXY座標)が取得され、その位置とS101で読み出された機能エリア設定情報とに基づいて、タッチパネル207への入力が何れの機能エリアに対するものであったかが判別される。S105では、S104で判別された機能エリアに応じた制御処理が行われる。詳細は後述するが、この制御処理では、その機能エリアに対する操作に応じた制御指示信号が生成され、その制御指示信号が通信制御部205により顕微鏡制御部31へ送信される。そして、その制御指示信号に基づいて、顕微鏡制御部31の制御の下に、対応する電動ユニットの動作が制御される。S106では、観察終了が指示されたか否かが判定され、その判定結果がYesの場合には本処理フローが終了し、Noの場合にはS103へ戻り、S106がYesになるまでS103乃至S105の処理が繰り返される。なお、観察終了の指示は、例えばタッチパネル207の表示領域に仮想的に設けたボタン等によって受け付けることができる。
本処理フローによれば、例えば、図5に示した表示画面において、電動ステージ20をXY方向又はZ方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられた機能エリアS_A又はS_Bに対してユーザによるドラッグ操作(例えば指をタッチパネル207にタッチしたまま移動させる操作)が行われた場合、その動作は次のようになる。
図6は、その動作に係る処理フローの一例を示す図であり、図4に示したS104乃至S106の処理に対応する。図6において、まず、S201では、機能エリアS_A又はS_B(ステージエリアともいう)に対して入力があったか否かが判定され、その判定結果がYesの場合にはS202へ移行し、Noの場合にはS106へ移行する。S202では、タッチパネル207への入力があった位置の座標(タッチパネル207上のXY座標)が検出される。S203では、ユーザがドラッグ操作中であるか否かが判定され、その判定結果がYesの場合にはS204へ移行し、Noの場合にはS106へ移行する。なお、ドラッグ操作中であるか否かは、例えば、タッチパネル207への入力が継続的に行われていると判断可能ならばドラッグ操作中、そうでないならドラッグ操作中でないと判定することができる。S204では、タッチパネル207への入力位置の座標(ドラッグ位置に対応した座標(タッチパネル207上のXY座標))が検出される。S205では、S202で検出された入力開始位置の座標とS204で検出されたドラッグ操作中の座標とから、電動ステージ20の移動距離及び方向が算出される。S206では、算出された移動距離及び方向に応じて電動ステージ20を移動させるための制御指示信号が生成され、これが通信制御部205を介して顕微鏡制御部31へ送信される。そして、顕微鏡制御部31は、その制御指示信号に基づいてステージX−Y駆動制御部21又はステージZ駆動制御部22を制御してX−Yモータ21a又はZモータ22aを駆動させ、S205で算出された移動距離及び方向に応じた電動ステージ20のXY方向又はZ方向の移動が行われる。S206の後
はS203へ戻り、S203の判定結果がNoになるまでS203乃至S206の処理が繰り返される。
このように、機能エリアS_A又はS_Bに対してユーザによるドラッグ操作が行われた場合、顕微鏡コントローラ2は、顕微鏡制御部31を介してステージX−Y駆動制御部21又はステージZ駆動制御部22に対して、ドラッグ操作が行われた距離と方向に対応する電動ステージ20の制御を行うように指示を与えるものである。電動ステージ20のXY方向又はZ方向の移動距離は、機能エリアS_A又はS_B上のドラッグ操作が行われた距離に対応する。顕微鏡コントローラ2は、ドラッグ操作が行われた距離に後述の所定の係数を乗じた距離を電動ステージ20が移動するように、顕微鏡制御部31に指示を行う。
図7、図8、及び図9は、図5に示した表示画面において、機能エリアS_Aに対してユーザによるドラッグ操作が行われた場合の動作の具体例を説明する図である。なお、図7(a)、図8(a)、及び図9(a)は、タッチパネル207の表示画面を示しており、その左右方向及び上下方向がタッチパネル207上のX方向及びY方向を示している。また、図7(b)、図8(b)、及び図9(b)は、電動ステージ20の上面を模式的に示しており、その左右方向及び上下方向が電動ステージ20のX方向及びY方向を示している。
図7(a)における機能エリアS_Aにおいて、例えば、ユーザによりドラッグ操作(例えば、指をタッチパネル207にタッチしたまま移動させる操作)が行われた場合、顕微鏡コントローラ2は、顕微鏡制御部31を介して、そのドラッグ操作の距離と方向に対応する位置に電動ステージ20の移動が制御されるように、ステージX−Y駆動制御部21に指示を与える。このとき、電動ステージ20のXY方向の移動距離は、機能エリアS_A上のドラッグ操作の距離に対応しており、その距離に係数1aを乗じた距離の分だけ電動ステージ20が移動するように顕微鏡コントローラ2は顕微鏡制御部31に指示を与えるものとなっている。
例えば、図7(a)及び図8(a)に示すように、機能エリアS_A上において、ユーザにより地点a1から地点a2までのドラッグ操作(例えば、指を地点a1にタッチし、その指をタッチパネル207にタッチしたまま地点a2まで移動させる操作)が行われた場合、そのドラッグ操作のX方向の距離成分はXA、Y方向の距離成分はYAとなる。この場合、図7(b)及び図8(b)に示すように、そのドラッグ操作前の電動ステージ20のXY座標を(X_0,Y_0)とすると、そのドラッグ操作によって、電動ステージ20がXY座標(X_1,Y_1)へ移動する制御が行われる。ここで、X_1は、XAに1aを乗じてからX_0を加算した値である。また、Y_1はYAに1aを乗じてからY_0を加算した値である。すなわち、機能エリアS_A上における地点a1から地点a2までのドラッグ操作によって、XAに1aを乗じた距離の分だけ電動ステージ20をX方向に移動させると共に、YAに1aを乗じた距離の分だけ電動ステージ20をY方向に移動させる制御が行われる。
このドラッグ操作の後、図9(a)に示すように、機能エリアS_A上において、ユーザにより更に地点a3から地点a4までのドラッグ操作が行われた場合、そのドラッグ操作のX方向の距離成分はXA´、Y方向の距離成分はYA´となる。この場合、図9(b)に示すように、そのドラッグ操作によって、電動ステージ20がXY座標(X_2,Y_2)へ更に移動する制御が行われる。ここで、X_2は、XA´に1aを乗じてからX_1を加算した値である。また、Y_2はYA´に1aを乗じてからY_1を加算した値である。すなわち、機能エリアS_A上における地点a3から地点a4までのドラッグ操作によって、XA´に1aを乗じた距離の分だけ電動ステージ20をX方向に更に移動させると共に、YA´に1aを乗じた距離の分だけ電動ステージ20をY方向に更に移動させる制御が行われる。
なお、図7乃至9の説明では、説明の便宜のため、ドラッグ操作の開始地点(例えば地点a1)と終了地点(例えば地点a2)に着目して、電動ステージ20の移動が制御される例を説明したが、実際には、ドラッグ操作中に図6のS203乃至S206の処理が繰り返されることから、ドラッグ操作が終了してから一気に電動ステージ20が移動するように制御されるのではなく、ドラッグ操作に追従しながら電動ステージ20の移動が制御されるようになる。
また、このようなドラッグ操作による電動ステージ20の移動制御に用いられる係数1aは、固定に限らず可変にすることも可能である。この場合、例えば、使用する対物レンズ23に応じて係数1aを可変とすることもできる。
図10、図11、及び図12は、図5に示した表示画面において、機能エリアS_Bに対してユーザによるドラッグ操作が行われた場合の動作の具体例を説明する図である。なお、図10(a)、図11(a)、及び図12(a)は、タッチパネル207の表示画面を示しており、その上下方向がタッチパネル207上のY方向を示している。また、図10(b)、図11(b)、及び図12(b)は、電動ステージ20の側面を模式的に示しており、その上下方向が電動ステージ20のZ方向を示している。
図10(a)、図11(a)、及び図12(a)において、機能エリアS_B内のバー301は、電動ステージ20のZ方向の座標の位置を示すものであり、バー301が機能エリアS_B内の上方向にあるほど対物レンズ23と電動ステージ20とが近づく位置にあることを示し、その下方向にあるほど対物レンズ23と電動ステージ20とが離れる位置にあることを示している。
図10(a)における機能エリアS_Bにおいて、例えば、ユーザにより地点b1から地点b2までのドラッグ操作(例えば、指を地点b1にタッチし、その指をタッチパネル207にタッチしたまま地点b2まで移動させる操作)が行われた場合、顕微鏡コントローラ2は、顕微鏡制御部31を介して、対物レンズ23と電動ステージ20とが近づく方向に電動ステージ20の移動が制御されるように、ステージZ駆動制御部22に指示を与える。或いは、その機能エリアS_Bにおいて、例えば、ユーザにより地点b2から地点b1までのドラッグ操作(例えば、指を地点b2にタッチし、その指をタッチパネル207にタッチしたまま地点b1まで移動させる操作)が行われた場合、顕微鏡コントローラ2は、顕微鏡制御部31を介して、対物レンズ23と電動ステージ20とが離れる方向に電動ステージ20の移動が制御されるように、ステージZ駆動制御部22に指示を与える。このとき、電動ステージ20のZ方向の移動距離は、機能エリアS_B上のドラッグ操作のY方向の距離成分に対応しており、その距離成分に係数1bを乗じた距離の分だけ電動ステージ20がZ方向に移動するように顕微鏡コントローラ2は顕微鏡制御部31に指示を与えるものとなっている。
例えば、図10(a)及び図11(a)に示すように、機能エリアS_B上において、ユーザにより地点b1から地点b2までのドラッグ操作が行われた場合、そのドラッグ操作のY方向の距離成分はZBとなる。この場合、図10(b)及び図11(b)に示すように、そのドラッグ操作前の電動ステージ20のZ座標をZ_0とすると、そのドラッグ操作によって、電動ステージ20がZ座標Z_1へ移動する制御が行われる。ここで、Z_1は、ZBに1bを乗じてからZ_0を加算した値である。すなわち、機能エリアS_B上における地点b1から地点b2までのドラッグ操作によって、対物レンズ23と電動ステージ20とが近づく方向へ、ZBに1bを乗じた距離の分だけ電動ステージ20を移動させる制御が行われる。また、これに伴い、機能エリアS_B内のバー301は、図11(a)に示すように、そのドラッグ操作前の位置に対して上方の位置となる、Z座標Z_1に対応する位置に移動する。
このドラッグ操作の後、図12(a)に示すように、機能エリアS_B上において、ユーザにより更に地点b3から地点b4までのドラッグ操作が行われた場合、そのドラッグ操作のY方向の距離成分はZB´となる。この場合、図12(b)に示すように、そのドラッグ操作によって、電動ステージ20がZ座標Z_2へ更に移動する制御が行われる。ここで、Z_2は、ZB´に1bを乗じてからZ_1を加算した値である。すなわち、機能エリアS_B上における地点b3から地点b4までのドラッグ操作によって、対物レンズ23と電動ステージ20とが近づく方向へ、ZB´に1bを乗じた距離の分だけ電動ステージ20を更に移動させる制御が行われる。また、これに伴い、機能エリアS_B内のバー301は、図12(a)に示すように、そのドラッグ操作前の位置に対して上方の位置となる、Z座標Z_2に対応する位置に移動する。
なお、図10乃至12の説明では、説明の便宜のため、ドラッグ操作の開始地点(例えば地点b1)と終了地点(例えば地点b2)に着目して、電動ステージ20の移動が制御される例を説明したが、実際には、ドラッグ操作中に図6のS203乃至S206の処理が繰り返されることから、ドラッグ操作が終了してから一気に電動ステージ20が移動するように制御されるのではなく、ドラッグ操作に追従しながら電動ステージ20の移動が制御されるようになる。
また、このようなドラッグ操作による電動ステージ20の移動制御に用いられる係数1bは、固定に限らず可変にすることも可能である。この場合、例えば、使用する対物レンズ23に応じて係数1bを可変とすることもできる。
また、図4に示した処理フローによれば、例えば、図5に示した表示画面において、機能エリアS_A及びS_B以外の機能エリアに対してユーザによる操作(例えば指をタッチパネル207にタッチする操作)が行われた場合、その動作は次のようになる。
図13、及び図14は、図5に示した表示画面において、機能エリアS_Cに対してユーザによる操作が行われた場合の動作の具体例を説明する図である。なお、図13(a)、及び図14(a)は、タッチパネル207の表示画面を示している。また、図13(b)、及び図14(b)は、複数の対物レンズ23が装着された電動レボルバ24の切り換え位置を模式的に示しており、太線で表された対物レンズが観察光路に挿入されている対物レンズを示している。本実施形態では、複数の対物レンズ23として、電動レボルバ24には、5倍(5×)の対物レンズ23a、10倍(10×)の対物レンズ23b、20倍(20×)の対物レンズ23c、40倍(40×)の対物レンズ23d、100倍(100×)の対物レンズ23eがそれぞれ装着されており、観察光路には、図13(b)に示すように、20倍の対物レンズ23cが挿入されていたとする。
図13(a)に示すように、機能エリアS_Cには、電動レボルバ24に装着されている複数の対物レンズ23a乃至23eの情報として、対応するアイコン401a乃至401eが表示されている。アイコン401a乃至401eにおいて、他のアイコンと区別されて表示されているアイコンは、観察光路に挿入されている対物レンズの情報を示している。ここでは、20倍の対物レンズ23cが観察光路に挿入されていることから(同図(b)参照)、その対物レンズ23cの情報に対応するアイコン401cが他のアイコンと区別されて表示されている。
このときに、ユーザーが機能エリアS_Cに対してタッチし、そのタッチがアイコン401dの位置で解除された場合(例えばタッチしていた指が離された場合)、顕微鏡コントローラ2は、タッチパネル207上でタッチが解除された位置(正確にはタッチが解除される直前のタッチの位置)の検出を行い、その位置のアイコン401dに対応する40倍の対物レンズ23dが観察光路に挿入されるよう電動レボルバ24の回転が制御されるように、顕微鏡制御部31に対して指示を与える。これにより、図14(b)に示すように、電動レボルバ24が回転して、観察光路に挿入される対物レンズが20倍の対物レンズ23cから40倍の対物レンズ23dへ切り換えられる。また、これに伴い、図14(a)に示すように、観察光路に挿入された40倍の対物レンズ23dに対応するアイコン401dが、アイコン401cに代わって、他のアイコンと区別されて表示される。
また、図5に示した表示画面において、機能エリアS_D及びS_Fに対する操作も、上述の機能エリアS_Cに対する操作と同様の操作によって所望の電動ユニットの操作が可能になるので、ここではその説明を省略する。
また、機能エリアS_Eは、機能エリアS_Aに割り当てる機能の情報として、対応する3つのアイコン(「XY−Position」、「Mirror」、及び「明るさ」)が表示されている。この3つのアイコンにおいて、他のアイコンと区別されて表示されているアイコンは、機能エリアS_Aに割り当てられている機能の情報を示している。図5に示した表示画面においては、機能エリアS_Aに、電動ステージ20をXY方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられていることから、その機能の情報に対応するアイコン「XY−Position」が他のアイコンと区別されて表示されている。なお、初期設定では、機能エリアS_Aに、電動ステージ20をXY方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられる。
このときに、ユーザーが機能エリアS_Eに対してタッチし、そのタッチがアイコン「Mirror」又は「明るさ」の位置で解除された場合(例えばタッチしていた指が離された場合)、顕微鏡コントローラ2は、タッチパネル207上でタッチが解除された位置(正確にはタッチが解除される直前のタッチの位置)の検出を行う。そして、その位置のアイコン「Mirror」又は「明るさ」に応じて、機能エリアS_Aに割り当てる機能を、キューブターレット25の位置を切り換える電動ユニットを操作可能にするための機能、又は、透過照明用光源6若しくは落射照明用光源13の調光量を切り換える電動ユニットを操作可能にするための機能へ切り換える。例えば、機能エリアS_Aに割り当てる機能が、キューブターレット25の位置を切り換える電動ユニットを操作可能にするための機能へ切り換えられた場合には、図15に示すように、機能エリアS_Eにおけるアイコン「Mirror」が、他のアイコンと区別されて表示される。また、このとき機能エリアS_Aには、切り換えられた機能に応じたアイコンが表示される。
なお、本実施形態では、タッチパネル207の表示領域に設定された複数の機能エリアの中で、ドラッグ操作が行われる機能エリアS_A及びS_B以外の機能エリア(例えば上述の機能エリアS_C等)については、ユーザによるタッチパネル207上のタッチが解除された位置(正確にはタッチが解除される直前のタッチの位置)に基づいて、対応する制御が行われる。或いは、その機能エリアS_A及びS_B以外の機能エリアについては、ユーザによるタッチパネル207上のタッチが開始された位置に基づいて、対応する制御が行われるように構成することも可能である。若しくは、その機能エリアS_A及びS_B以外の機能エリアについては、ユーザによるタッチパネル207上のタッチが解除された位置に基づいて対応する制御を行うか、又は、ユーザによるタッチパネル207上のタッチが開始された位置に基づいて対応する制御を行うかを、ユーザが任意に変更可能に構成することもできる。或いは、それを機能エリア毎に変更可能に構成することもできる。
次に、動作モードが拡大機能エリアモードであるときの顕微鏡コントローラ2の動作を説明する。ここでは、電動ステージ20をXY方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられた機能エリアS_Aと、電動ステージ20をZ方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられた機能エリアS_Bとが拡大される場合を例に説明する。
図16は、その動作に係る処理フローの一例を示す図である。なお、この処理フローも、顕微鏡コントローラ2の制御部であるCPU201が、ROM202に記録されている制御プログラムを読み出し実行することによって行われるものである。
同図に示すように、まず、S301及びS302では、通常機能エリアモードであるときの処理フローにおけるS101及びS102(図4参照)と同様の処理が行われる。これにより、図5に示した表示画面と同様に、タッチパネル207の表示領域に複数の機能エリアが設定される。すなわち、図5に示したように、機能エリアS_Aには、電動ステージ20をXY方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられる。機能エリアS_Bには、電動ステージ20をZ方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられる。機能エリアS_Cには、対物レンズ24の切り換えを行う電動レボルバ24の操作を可能にするための機能が割り当てられる。機能エリアS_Dには、検鏡方法の切り換えを行う電動ユニットの操作を可能にするための機能が割り当てられる。機能エリアS_Eには、機能エリアS_Aに割り当てる機能を切り換える操作を可能にするための機能が割り当てられる。機能エリアS_Fには、その他の電動ユニットの操作を可能にするための機能が割り当てられる。
続いて、S303では、タッチパネル207に入力があったか否かが判定され、その判定結果がYesの場合にはS304へ移行し、Noの場合にはS307へ移行する。S304では、タッチパネル207への入力があった位置の座標(タッチパネル207上のXY座標)が取得され、その位置とS301で読み出された機能エリア設定情報とに基づいて、タッチパネル207への入力が何れの機能エリアに対するものであったかが判別される。S305では、S304で判別された機能エリアが、エリア拡大を行う機能エリア(機能エリアS_A又はS_B)であったか否かが判定される。
S305の判定結果がNoの場合にはS306へ移行する。S306では、通常機能エリアモードであるときの処理フローにおけるS105(図4参照)と同様に、S304で判別された機能エリア(機能エリアS_C、S_D、S_E、又はS_F)に応じた制御処理が行われる。S307では、観察終了が指示されたか否かが判定され、その判定結果がYesの場合には本処理フローが終了し、Noの場合にはS303へ戻る。
一方、S305の判定結果がYesの場合にはS311へ移行する。S311では、不揮発メモリ204に記録されている拡大機能エリア用の機能エリア設定情報がRAM203に読み出される。S312では、その機能エリア設定情報に基づいて、タッチパネル207の表示領域に、機能エリアS_A及びS_Bが拡大されるように、複数の機能エリアが再設定される。
図17は、S312の処理によってタッチパネル207の表示領域に複数の機能エリアが再設定された時のタッチパネル207の表示画面の一例を示す図である。同図において、機能エリアS_A_2は、電動ステージ20をXY方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられた機能エリアであって、図5に示した機能エリアS_Aの領域が拡大された機能エリアである。機能エリアS_B_2は、電動ステージ20をZ方向に移動させる電動ユニットを操作可能にするための機能が割り当てられた機能エリアであって、図5に示した機能エリアS_Bの領域が拡大された機能エリアである。なお、機能エリアS_B_2内のバー501は、図5に示した表示画面における機能エリアS_B内のバー301に対応する。
S312の処理が終了し、続くS313では、タッチパネル207に入力があったか否かが判定され、その判定結果がYesの場合にはS314へ移行する。S314では、タッチパネル207への入力があった位置の座標(タッチパネル207上のXY座標)が検出され、その位置とS311で読み出された機能エリア設定情報とに基づいて、タッチパネル207への入力が何れの機能エリアに対するものであったかが判別される。S316では、S314で判別された機能エリアに応じた制御処理が行われる。例えば、図17に示した表示画面において、機能エリアS_A_2に対する入力であった場合には、電動ステージ20をXY方向に移動させる制御が行われ、機能エリアS_B_2に対する入力であった場合には、電動ステージ20をZ方向に移動させる制御が行われる。
一方、S313の判定結果がNoの場合にはS315へ移行する。S315では、S312で複数の機能エリアが再設定されてから一定時間以上タッチパネル207に入力が無いか否かが判定され、その判定結果がYesの場合にはS301へ戻り、本処理フローが再び初めから開始する。
S316の後、又は、S315の判定結果がNoの場合、続くS317では、観察終了が指示されたか否かが判定され、その判定結果がYesの場合には本処理フローが終了し、Noの場合にはS313へ戻り、S315又はS317がYesになるまでS313乃至S316の処理が繰り返される。
なお、本処理フローでは、S315の判定結果がYesになると、例えば図17に示した表示画面が図5に示した表示画面に切り換わることになるが、この表示画面の切り換えが、S315の判定処理により行われるのではなく、例えば、ボタン操作によって行われるようにすることも可能である。この場合、そのボタンは、仮想的にタッチパネル207上に設けることもできるし、顕微鏡コントローラ2の外装に物理的に設けることもできる。
本処理フローにおいて、例えば、図17に示した表示画面における機能エリアS_A_2又はS_B_2に対してユーザによるドラッグ操作が行われた場合、その動作は基本的に通常機能エリアモード時における機能エリアS_A又はS_Bに対してユーザによるドラッグ操作が行われた場合の動作(図6乃至図12を用いて説明した動作)と同様の動作が行われるものであるが、具体的には次のような動作が行われる。
図18は、図17に示した表示画面において、機能エリアS_A_2に対してユーザによるドラッグ操作が行われた場合の動作の具体例を説明する図である。なお、図18(a)は、タッチパネル207の表示画面を示しており、その左右方向及び上下方向がタッチパネル207上のX方向及びY方向を示している。また、図18(b)は、電動ステージ20の上面を模式的に示しており、その左右方向及び上下方向が電動ステージ20のX方向及びY方向を示している。
図18(a)に示すように、機能エリアS_A_2上において、例えば、ユーザにより地点a5から地点a6までのドラッグ操作(例えば、指を地点a5にタッチし、その指をタッチパネル207にタッチしたまま地点a6まで移動させる操作)が行われた場合、そのドラッグ操作のX方向の距離成分はXA_2、Y方向の距離成分はYA_2となる。この場合、図18(b)に示すように、そのドラッグ操作前の電動ステージ20のXY座標を(X_0,Y_0)とすると、そのドラッグ操作によって、電動ステージ20がXY座標(X_21,Y_21)へ移動する制御が行われる。ここで、X_21は、XA_2に1aを乗じてからX_0を加算した値である。また、Y_21はYA_2に1aを乗じてからY_0を加算した値である。すなわち、機能エリアS_A_2上における地点a5から地点a6までのドラッグ操作によって、XA_2に1aを乗じた距離の分だけ電動ステージ20をX方向に移動させると共に、YA_2に1aを乗じた距離の分だけ電動ステージ20をY方向に移動させる制御が行われる。
図19は、図17に示した表示画面において、機能エリアS_B_2に対してユーザによるドラッグ操作が行われた場合の動作の具体例を説明する図である。なお、図19(a)は、タッチパネル207の表示画面を示しており、その上下方向がタッチパネル207上のY方向を示している。また、図19(b)は、電動ステージ20の側面を模式的に示しており、その上下方向が電動ステージ20のZ方向を示している。
図19(a)に示すように、機能エリアS_B_2上において、例えば、ユーザにより地点b5から地点b6までのドラッグ操作(例えば、指を地点b5にタッチし、その指をタッチパネル207にタッチしたまま地点b6まで移動させる操作)が行われた場合、そのドラッグ操作のY方向の距離成分はZB_2となる。この場合、図19(b)に示すように、そのドラッグ操作前の電動ステージ20のZ座標をZ_0とすると、そのドラッグ操作によって、電動ステージ20がZ座標Z_21へ移動する制御が行われる。ここで、Z_21は、ZB_2に1bを乗じてからZ_0を加算した値である。すなわち、機能エリアS_B_2上における地点b5から地点b6までのドラッグ操作によって、対物レンズ23と電動ステージ20とが近づく方向へ、ZB_2に1bを乗じた距離の分だけ電動ステージ20を移動させる制御が行われる。また、これに伴い、不図示ではあるが、機能エリアS_B_2内のバー501は、そのドラッグ操作前の位置に対して上方の位置となる、Z座標Z_21に対応する位置に移動する。
また、図16に示した処理フローにおいて、例えば、図17に示した表示画面における機能エリアS_A_2とS_B_2を跨ってユーザによるドラッグ操作が行われた場合には、次のような動作が行われる。
図20は、図17に示した表示画面において、機能エリアS_A_2からS_B_2へ跨いでユーザによるドラッグ操作が行われた場合の動作の具体例を説明する図である。なお、図20(a)は、タッチパネル207の表示画面を示しており、その左右方向及び上下方向がタッチパネル207上のX方向及びY方向を示している。また、図20(b)は、電動ステージ20の上面を模式的に示しており、その左右方向及び上下方向が電動ステージ20のX方向及びY方向を示している。
図20(a)に示すように、例えば、ユーザにより、機能エリアS_A_2上の地点a7から機能エリアS_B_S上の地点a8までのドラッグ操作(例えば、指を地点a7にタッチし、その指をタッチパネル207にタッチしたまま地点a8まで移動させる操作)が行われた場合、そのドラッグ操作のX方向の距離成分はXA_3、Y方向の距離成分はYA_3となる。この場合、図20(b)に示すように、そのドラッグ操作前の電動ステージ20のXY座標を(X_0,Y_0)とすると、そのドラッグ操作によって、電動ステージ20がXY座標(X_31,Y_31)へ移動する制御が行われる。ここで、X_31は、XA_3に1aを乗じてからX_0を加算した値である。また、Y_31はYA_3に1aを乗じてからY_0を加算した値である。すなわち、機能エリアS_A_2上における地点a7から機能エリアS_B_2上における地点a8までのドラッグ操作によって、XA_3に1aを乗じた距離の分だけ電動ステージ20をX方向に移動させると共に、YA_3に1aを乗じた距離の分だけ電動ステージ20をY方向に移動させる制御が行われる。このように、ドラッグ操作が機能エリアS_A_2で開始されて機能エリアS_B_2で終了した場合には、ドラッグ操作が開始された機能エリアS_A_2に対応する電動ステージ20のXY方向の移動が制御され、電動ステージ20のZ方向の移動は制御されない。
図21は、図17に示した表示画面において、機能エリアS_B_2から機能エリアS_A_2に跨ってユーザによるドラッグ操作が行われた場合の動作の具体例を説明する図である。なお、図21(a)は、タッチパネル207の表示画面を示しており、その上下方向がタッチパネル207上のY方向を示している。また、図21(b)は、電動ステージ20の側面を模式的に示しており、その上下方向が電動ステージ20のZ方向を示している。
図21(a)に示すように、例えば、ユーザにより、機能エリアS_B_2上の地点b7から機能エリアS_A_2上の地点b8までのドラッグ操作(例えば、指を地点b7にタッチし、その指をタッチパネル207にタッチしたまま地点b8まで移動させる操作)が行われた場合、そのドラッグ操作のY方向の距離成分はZB_3となる。この場合、図21(b)に示すように、そのドラッグ操作前の電動ステージ20のZ座標をZ_0とすると、そのドラッグ操作によって、電動ステージ20がZ座標Z_31へ移動する制御が行われる。ここで、Z_31は、ZB_3に1bを乗じてからZ_0を加算した値である。すなわち、機能エリアS_B_2上の地点b7から機能エリアS_A_2上の地点b8までのドラッグ操作によって、対物レンズ23と電動ステージ20とが近づく方向へ、ZB_3に1bを乗じた距離の分だけ電動ステージ20を移動させる制御が行われる。また、これに伴い、不図示ではあるが、機能エリアS_B_2内のバー501は、そのドラッグ操作前の位置に対して上方の位置となる、Z座標Z_31に対応する位置に移動する。このように、ドラッグ操作が機能エリアS_B_2で開始されて機能エリアS_A_2で終了した場合には、ドラッグ操作が開始された機能エリアS_B_2に対応する電動ステージ20のZ方向の移動が制御され、電動ステージ20のXY方向の移動は制御されない。
なお、図18乃至図21の説明でも、説明の便宜のため、ドラッグ操作の開始地点と終了地点に着目して、電動ステージ20の移動が制御される例を説明したが、実際には、通常機能エリアモード時の動作と同様に、ドラッグ操作が終了してから一気に電動ステージ20が移動するように制御されるのではなく、ドラッグ操作に追従しながら電動ステージ20の移動が制御されるようになる。また、このようなドラッグ操作による電動ステージ20の移動制御に用いられる係数1a及び1bも、固定に限らず可変にすることも可能である。この場合、例えば、使用する対物レンズ23に応じて係数1a及び1bを可変とすることもできる。
また、図20及び図21を用いて説明したような、複数の機能エリアに跨ってドラッグ操作が行われた場合の動作は、拡大機能エリアモード時における機能エリアが拡大される前の表示画面や通常機能エリアモード時の表示画面(例えば図5に示した表示画面)においても同様に行うことが可能なように構成することも可能である。この場合、機能エリアS_Aから別の機能エリアへ跨ってドラッグ操作が行われた場合や、機能エリアS_Bから別の機能エリアへ跨ってドラッグ操作が行われた場合には、ドラッグ操作が開始された機能エリアに応じた制御が行われることになる。
また、本実施形態では、図17に示した表示画面における機能エリアS_A_2及びS_B_2のように、拡大機能エリアモード時においては、電動ステージ20をXY方向に移動させる電動ユニットを操作可能にする機能エリアS_Aと、電動ステージ20をZ方向に移動させる電動ユニットを操作可能にする機能エリアS_Bとが拡大される例を示した。しかしながら、拡大される機能エリアの組み合わせは、機能エリアS_A及び機能エリアS_Bに限らず、他の組み合わせの機能エリアとすることも可能である。例えば、機能エリアが拡大される前の表示画面における機能エリアS_Aに対して入力があった場合には、図22に示した表示画面における機能エリアS_A_3のように、機能エリアS_Aのみが拡大されるように構成することも可能である。
以上、本実施形態によれば、顕微鏡コントローラ2が通常機能エリアモードと拡大機能エリアモードという2つの動作モードを有するので、使用する動作モードを状況に応じて切り換えることによって、一部の機能エリアのサイズを可変とすることが可能となる。従って、タッチパネルのような狭く限られた操作エリアであっても、動作モードを拡大機能エリアモードへ切り換えることによって、ドラッグ操作が行われる機能エリア(電動ステージ20をXY方向及びZ方向へ移動させる機能エリア)のサイズを拡大させることができるので、より長い操作ストロークによる入力が可能になると共にブラインド操作が可能となり、操作性の向上を図ることが可能となる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る顕微鏡システムの構成は、顕微鏡コントローラ2の不揮発メモリ205に後述の特定操作情報がテーブルとして更に記録されている点が、上述の第1の実施形態に係る顕微鏡システムの構成と異なっている。また、第2の実施形態に係る顕微鏡システムの動作は、顕微鏡コントローラ2によって行われる拡大機能エリアモード時の一部の動作が、上述の第1の実施形態に係る顕微鏡システムの動作と異なっている。そこで、第2の実施形態の説明では、その異なる点を中心に説明を行う。なお、その他の構成及び動作は、第1の実施形態に係る顕微鏡システムと同じであるので説明を省略する。
図23は、本実施形態に係る顕微鏡コントローラ2の不揮発メモリ204にテーブルとして記録されている特定操作情報の一例を示す図である。図24及び図25は、その顕微鏡コントローラ2のタッチパネル207の表示領域に予め定められている複数の入力エリアの一例を説明する図である。
図23に示したように、不揮発メモリ204に記録されている特定操作情報は、タッチパネル207の表示領域に予め定められている入力エリア毎に、ID(Identification)、当該入力エリアに対して対応付けされている特定操作、その特定操作によって制御が行われる駆動部位(電動ユニット)、その駆動部位に対する制御内容、及び、その制御の許可/禁止が定義された情報である。すなわち、許可が定義されたIDの特定動作のみ有効となるものである。また、エリア、特定動作、特定動作によって制御が行われる電動部位、その制御内容、その制御の許可/禁止の組み合わせはユーザーが任意に変更可能となっており、また新たな内容を、ユーザが任意に定義することが可能なように構成することも可能である。
タッチパネル207の表示領域に予め定められている複数の入力エリアは、図24に示した2個の入力エリアと図25に示した点線で囲む9個の入力エリアの、合計11個の入力エリアからなる。図24に示した2つの入力エリアは、機能エリアS_A_2とS_B_2に対応する入力エリアである。図25に示した9個の入力エリアは、タッチパネル207の四つの辺に沿って設けられた入力エリアSS_1、SS_2、SS_3、及びSS_4と、タッチパネル207の四つの角に設けられた入力エリアSS_5、SS_6、SS_7、及びSS_8と、タッチパネル207の中央に設けられた入力エリアSS_9である。
このように、不揮発メモリ204に特定操作情報を予め記録しておくと共に、タッチパネル207の表示領域に複数の入力エリアを予め定めておくことにより、詳しくは後述のように、その特定操作情報に定義されている特定操作が行われることによっても、駆動部位の制御を行うことができるようになっている。
図26は、第2の実施形態に係る顕微鏡システムにおいて、動作モードが拡大機能エリアモードであるときの顕微鏡コントローラ2の動作に係る処理フローの一例を示す図である。なお、この処理フローは、図16に示した処理フローに対応する。また、この処理フローも、顕微鏡コントローラ2の制御部であるCPU201が、ROM202に記録されている制御プログラムを読み出し実行することによって行われるものである。
図26に示した処理フローは、図16に示したS316の処理が、S316_1、S316_2、及びS316_3の処理に置き換えられたものである。従って、ここでは、その置き換えられた処理を中心に説明し、その他の処理については説明を省略する。
図26に示したように、S314においてタッチパネル207への入力が何れの機能エリアに対するものであったかが判別されると、続いて、S316_1では、S313でタッチパネル207への入力があったと判定されたときの、その入力が、不揮発メモリ204に記録されている特定操作情報に定義されている特定操作による入力であったか否かが判定される。
S316_1の判定結果がYesの場合、続くS316_3では、その特定操作に応じた制御処理(駆動部位(電動ユニット)の制御処理)が、不揮発メモリ204に記録されている特定操作情報に基づいて行われる。
一方、S316−1の判定結果がNoの場合、続くS316_2では、図16に示したS316と同様に、S314で判別された機能エリアに応じた制御処理が行われる。そして、S316_3の後、又は、S316_2の後は、S317へ移行する。
本処理フローによれば、例えば、図17に示した表示画面に対してユーザによる特定操作による入力が行われた場合、具体的には次のような動作が行われる。図27、図28、及び図29は、図17(図24)に示した表示画面において、機能エリアS_A_2に対して、一定時間T1内にユーザによる円を描くような操作による入力が行われた場合の動作の具体例を説明する図である。なお、図27(a)、図28(a)、及び図29(a)は、タッチパネル207の表示画面を示している。また、図27(b)、図28(b)、及び図29(b)は、複数の対物レンズ23が装着された電動レボルバ24の切り換え位置を模式的に示しており、太線で表された対物レンズが観察光路に挿入されている対物レンズを示している。本実施形態でも、複数の対物レンズ23として、電動レボルバ24には、5倍(5×)の対物レンズ23a、10倍(10×)の対物レンズ23b、20倍(20×)の対物レンズ23c、40倍(40×)の対物レンズ23d、100倍(100×)の対物レンズ23eがそれぞれ装着されており、観察光路には、図27(b)に示すように、20倍の対物レンズ23cが挿入されていたとする。
図27(a)及び図28(a)に示すように、機能エリアS_A_2上において、例えば、ユーザにより、一定時間T1内に地点a9から地点a10までの右回転(時計周り)の円を描くような操作による入力が行われた場合、その入力は、図23に示した特定操作情報に定義されているID01の特定操作による入力であったと判定され、より高倍の対物レンズが観察光路に挿入されるよう電動レボルバ24の回転が制御されるように、顕微鏡制御部31に対して指示を与える。これにより、図28(b)に示すように、電動レボルバ24が回転して、観察光路に挿入される対物レンズが20倍の対物レンズ23cから40倍の対物レンズ23dへ切り換えられる。
このような右回転(時計周り)の円を描くような操作による入力が行われた後に、今度は、図29(a)に示すように、機能エリアS_A_2上において、例えば、ユーザにより、一定時間T1内に地点a11から地点a12までの左回転(反時計周り)の円を描くような操作による入力が行われた場合、その入力は、図23に示した特定操作情報に定義されているID02の特定操作による入力であったと判定され、より低倍の対物レンズが観察光路に挿入されるよう電動レボルバ24の回転が制御されるように、顕微鏡制御部31に対して指示を与える。これにより、図29(b)に示すように、電動レボルバ24が回転して、観察光路に挿入される対物レンズが40倍の対物レンズ23dから20倍の対物レンズ23cへ切り換えられる。
図30、図31、及び図32は、図17(図25)に示した表示画面において、入力エリアSS_1又はSS_2に対して、一定時間T2内にユーザによる同じ位置への2回のタッチ操作による入力が行われた場合の動作の具体例を説明する図である。なお、図30 (a)、図31(a)、及び図32(a)は、タッチパネル207の表示画面を示している。また、図30(b)、図31(b)、及び図32(b)は、複数の対物レンズ23が装着された電動レボルバ24の切り換え位置を模式的に示しており、太線で表された対物レンズが観察光路に挿入されている対物レンズを示している。ここでは、図30(b)に示すように、観察光路には20倍の対物レンズ23cが挿入されていたとする。
図30(a)及び図31(a)に示すように、入力エリアSS_1上において、例えば、ユーザにより、一定時間T2内に地点a13での2回のタッチ操作による入力が行われた場合、その入力は、図23に示した特定操作情報に定義されているID03の特定操作による入力であったと判定され、より高倍の対物レンズが観察光路に挿入されるよう電動レボルバ24の回転が制御されるように、顕微鏡制御部31に対して指示を与える。これにより、図31(b)に示すように、電動レボルバ24が回転して、観察光路に挿入される対物レンズが20倍の対物レンズ23cから40倍の対物レンズ23dへ切り換えられる。
このような2回のタッチ操作による入力が行われた後に、今度は、図32(a)に示すように、機能エリアSS_2上において、例えば、ユーザにより、一定時間T2内に地点a14での2回のタッチ操作による入力が行われた場合、その入力は、図23に示した特定操作情報に定義されているID04の特定操作による入力であったと判定され、より低倍の対物レンズが観察光路に挿入されるよう電動レボルバ24の回転が制御されるように、顕微鏡制御部31に対して指示を与える。これにより、図32(b)に示すように、電動レボルバ24が回転して、観察光路に挿入される対物レンズが40倍の対物レンズ23dから20倍の対物レンズ23cへ切り換えられる。
図33及び図34は、図17(図25)に示した表示画面において、入力エリアSS_3又はSS_4に対して、一定時間T2内にユーザによる同じ位置への2回のタッチ操作による入力が行われた場合の動作の具体例を説明する図である。なお、図33及び図34は、タッチパネル207の表示画面を示している。
図33に示すように、入力エリアSS_3上において、例えば、ユーザにより、一定時間T2内に地点a15での2回のタッチ操作による入力が行われた場合、その入力は、図23に示した特定操作情報に定義されているID05の特定操作による入力であったと判定され、光量が増加されるよう光源(透過照明用光源6又は落射照明用光源13)が制御されるように、顕微鏡制御部31に対して指示を与える。これにより、光源の光量が増加する。
このような2回のタッチ操作による入力が行われた後に、今度は、図34に示すように、機能エリアSS_4上において、例えば、ユーザにより、一定時間T2内に地点a16での2回のタッチ操作による入力が行われた場合、その入力は、図23に示した特定操作情報に定義されているID06の特定操作による入力であったと判定され、光量が減少されるよう光源(透過照明用光源6又は落射照明用光源13)が制御されるように、顕微鏡制御部31に対して指示を与える。これにより、光源の光量が減少する。
なお、本実施形態では、機能エリアが拡大された後の表示画面(例えば図17に示した表示画面)において、特定操作による入力を受け付けるようにした。しかしながら、例えば、拡大機能エリアモード時における機能エリアが拡大される前の表示画面や通常機能エリアモード時の表示画面(例えば図5に示した表示画面)においても同様に特定操作による入力を受け付けるように構成することも可能である。
また、本実施形態において、例えば、図35に示すように、通常機能エリアモード時の表示画面において、機能エリアS_B上の地点a17から地点a18までのドラッグ操作が繰り返し行われている場合に、そのドラッグ操作が誤って他の機能エリアにずれてしまい、例えば図36に示すように、機能エリアS_F上の地点a17´から地点a18´までのドラッグ操作が行われてしまう場合がある。このような場合には、その機能エリアS_F上の地点a17´から地点a18´までのドラッグ操作も、繰り返し行われているドラッグ操作の一部であることから、そのドラッグ操作も機能エリアS_B上で行われたド
ラッグ操作とみなして、処理を行うようにすることも可能である。このような処理は、例えば、図17に示したような、拡大機能エリアモード時における機能エリアが拡大された後の表示画面においても行うことができるようにすることも可能である。
以上、本実施形態によれば、顕微鏡コントローラ2の不揮発メモリ204にテーブルとして記録されている特定操作情報により、タッチパネル207上での特定操作による入力を顕微鏡部位の操作に割り当てることが可能となる。従って、タッチパネルのような狭く限られた操作エリアであっても、ブラインド操作が可能となる。また、顕微鏡装置特有の操作である、対物レンズや検鏡方法の切り換え等といった特定の操作を割り当てることに
より、電動ステージの移動を含めたその他の顕微鏡装置の操作性を向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。例えば、上述した各実施形態に係る顕微鏡システムにおいては、顕微鏡装置として正立型顕微鏡装置を採用したが、これに限定されず、倒立型顕微鏡装置を採用することも可能である。また、顕微鏡装置を組み込んだライン装置といった各種システムに本実施形態を適用することも可能である。
また、上述した各実施形態に係る顕微鏡システムにおいて、タッチパネルを介して操作可能な電動ユニットとして、上述した電動ユニット以外の公知の電動ユニットを組み合わせて採用することも可能である。例えば、FS(Field Stop:視野絞り)を駆動する電動ユニットやAS(Aperture Stop:開口絞り)を駆動する電動ユニット等を組み合わせて採用することも可能である。
また、上述した各実施形態に係る顕微鏡システムでは、複数の対物レンズを備えたレボルバが回転することにより観察光路に挿入される対物レンズが切り換わる構成であったが、これに代えて、ズーム機構を備えた対物レンズを採用することも勿論可能である。
また、上述した各実施形態に係る顕微鏡システムでは、タッチパネルを有する顕微鏡コントローラとしたが、タッチパネルと同等の機能を有するデバイスにも置き換え可能である。