JP5910003B2 - 通帳伝票プリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、金融機関等に設置され、通帳、伝票、証書などの媒体に印字等の処理を施す通帳伝票プリンタ等における媒体幅寄せ機構に関するものである。
一般に、金融機関等の営業店には通帳伝票プリンタが備えられており、この通帳伝票プリンタを用いた業務では伝票と通帳や証書を同時にセットし伝票と通帳や証書を交互に印字する必要がある。
このため、通帳伝票プリンタの印字部への搬送路は2個備える必要があり、さらに近年の省スペース化の要求のために、搬送路を上下2段重ね、下段の搬送路は通帳や証書用とし上段の搬送路は伝票用とし、上段の伝票用の搬送路の搬送下流側を下側に屈曲させて下段の通帳や証書用の搬送路に合流させ、各搬送路から印字部への搬送を前記合流位置に設けたブレードにより切り替える構成となっている。
そして、この通帳伝票プリンタでは、媒体の正しい位置に印字等の処理を行うために、その処理を行う前に幅寄せローラなどの幅寄せ手段により搬送路の左右いずれかの基準面に幅寄せを行うことで、傾いて搬送されてきた媒体の傾き(スキュー)の修正をするようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−239295号公報
しかしながら、上記従来の通帳伝票プリンタでは、前述のように上側の搬送路の搬送上流側が下側へと屈曲しており、さらに作業効率向上の要求により、搬送路の距離を短くすることで搬送時間を短縮しているため、媒体挿入口から屈曲位置までの距離が短くなっており、伝票が搬送路の屈曲位置にある場合は伝票先端と搬送路との摩擦力が大きくなり、伝票30の傾きの矯正ができなくなる場合があるという問題があった。
この傾きの修正ができない例としては、図14に示したように、伝票30の基準面X0と反対側が先行して挿入され搬送した場合は、基準面X0と当接する位置S2と幅寄せローラ12の位置の間がLβのように短くなり、幅寄せローラ12により傾きを矯正するモーメントはF2×Lβとなり、傾きを矯正できるのに十分なモーメントを確保できないため、伝票30の傾きを矯正することができない。
この問題を解消するために、例えば、幅寄せローラ12のフィード力を伝票先端と搬送路との摩擦力よりも大きくすると、薄い伝票30の場合、基準面に衝突した後に伝票が座屈してしまい、また、伝票先端と搬送路との摩擦力を無くすために媒体挿入口から屈曲部までの長さを長くして搬送路を長くすると、装置が大型化し、作業効率も低下してしまうという問題が発生する。
本発明は、前述の課題を解決するために次の構成を採用する。すなわち、媒体を搬送手段により搬送し、前記媒体に対して所定の処理を行う通帳伝票プリンタにおいて、前記媒体を基準面側に幅寄せする幅寄せ手段と、前記媒体が基準面に幅寄せされたことを検出する幅寄せ検出手段と、前記媒体の傾き方向を検出する媒体傾き検出手段とを備え、前記幅寄せ検出手段が、前記幅寄せ手段による前記媒体の基準面への幅寄せを検出できないときであって、前記媒体傾き検出手段が、前記媒体の傾き方向が前記基準面と反対側が先行して傾いていると検出したときは、前記搬送手段により該媒体を搬送方向とは逆方向に搬送して前記幅寄せ手段が該媒体の搬送方向先端部の近傍に位置するようにし、前記逆方向に搬送した媒体を前記幅寄せ手段により前記基準面側と反対方向に幅寄せさせ、その後、再度搬送手段により媒体を搬送させて前記幅寄せ手段により媒体の基準面への幅寄せを行うようにした。
本発明の通帳伝票プリンタによれば、以上のように構成したので、搬送路が短く搬送下流側が屈曲した通帳伝票プリンタにおいても、伝票が座屈することなく、確実に伝票の傾きを矯正し幅寄せすることができる。
実施例1の通帳伝票プリンタの構成図である。 実施例1の通帳伝票プリンタの要部構成および動作説明図である。 実施例1の通帳伝票プリンタの制御系ブロック図である。 実施例1の通帳伝票プリンタの動作フローチャート図である 実施例1の通帳伝票プリンタの動作説明図である。 実施例1の通帳伝票プリンタの動作説明図である。 実施例1の通帳伝票プリンタの動作説明図である。 実施例2の通帳伝票プリンタの動作フローチャート図である。 実施例2の通帳伝票プリンタの動作説明図である。 実施例2の通帳伝票プリンタの動作説明図である。 実施例2の通帳伝票プリンタの動作説明図である。 実施例2の通帳伝票プリンタの動作説明図である。 変形例の通帳伝票プリンタの構成および動作説明図である。 従来の通帳伝票プリンタの構成および動作説明図である。
以下、図面を用いて本発明に係わる実施の形態例を説明する。図面に共通する要素には同一の符号を付す。なお、以下の説明では、取扱う媒体として伝票、通帳、証書を例として説明するが、その他の紙葉状、冊子状の媒体であってもよい。また、以下の実施例の説明では媒体を挿入する挿入口側から見て左側を基準面とした例を説明するが、右側を基準面とした場合であっても本発明を適用することができる。
(構成)
図1は、実施例1の通帳伝票プリンタの構成を示す構成図である。同図に示したように、実施例1の通帳伝票プリンタは、インサータユニット2と印字ユニット3から構成される。
そして、インサータユニット2は、伝票、通帳や証書等の媒体の所定の位置に印字を行えるように、各媒体を幅寄せ動作により基準面(本例では伝票用挿入口側から見て左側)に押し付けた後に印字ユニット3へ搬送する機能を有し、印字ユニット3はインサータユニット2から搬送された各媒体に印字を行う機能を有する。
インサータユニット2には、印字等の処理を行うために係員が媒体をセットする通帳、証書用の挿入口8と伝票用の挿入口9があり、セットされたそれぞれの媒体を印字ユニット3へ搬送するための下段の搬送路4と上段の搬送路5が設けられており、印字ユニット3の搬送路7の手前で合流している。
そして、インサータユニット2に取り付けられたブレード6により、搬送路4から搬送路7、搬送路5から搬送路7へと連結するための切り替えを行えるようになっている。
伝票の挿入口9のすぐ奥側(図1中の右側)には伝票30を搬送させるためのフィードローラ10、14と、伝票30を下側からフィードローラ10、14に押し付けるためのフィードプレスローラ11、15が設けられており、これらのローラの略中央位置には伝票30を基準面(後述のX0)側に押し付けるための幅寄せローラ12と、伝票30を下側から幅寄せローラ12に押し付けるための幅寄せプレスローラ13が設けられている。
フィードローラ10、14は後述のフィードモータ42によって回転駆動され、それぞれ対向して配置されたフィードプレスローラ11、15は上下動できるようになっており、媒体挿入時及び幅寄せ時に搬送路5より下側に下降させることができるようになっている。
幅寄せローラ12も後述の幅寄せモータ43で回転駆動され、幅寄せプレスローラ13は上下動できるようになっており、媒体搬送時は搬送路5より下側に下降させることができるようになっている。
次に、図2の要部構成図を用いて、搬送路5に配置され、伝票30の搬送、幅寄せを行うときに媒体30の位置や傾きを検出するセンサについて説明する。まず、媒体挿入検出センサ21は、伝票用挿入口9より伝票30が挿入されたことを検知するためのセンサである。
媒体傾き検出センサ24〜26は、挿入され搬送される伝票30の先端の左右いずれが先行して傾いているかの検知および幅寄せ可能な許容内であるか否かを検知するためのセンサである。
媒体幅寄せ検出センサ22、23は、幅寄せ動作により伝票30の傾きが矯正され基準面X0に押し付けられたことを検知するためのセンサである。
ところで、前記媒体傾き検出センサ24〜26は、幅寄せ可能な許容内であるか否かを検知するために、例えば、伝票30の傾きが20度以上で許容外とする場合では、図2(c)のように、媒体傾き検出センサ24および26を基準面X0と垂直方向の同一線上に配置し、媒体傾き検出センサ25を、媒体傾き検出センサ24および26の中央線上であって、媒体傾き検出センサ25と媒体傾き検出センサ24および媒体傾き検出センサ25と媒体傾き検出センサ26の配置方向が、それぞれ前記基準面X0と垂直の方向と角度θ=20度を成すように配置する。なお、本実施例では幅寄せ可能な傾きの許容を20度として説明するが、幅寄せローラ12による幅寄せ可能な範囲内であれば、角度θ=20度でなくともよい。
次に、実施例1の通帳伝票プリンタの制御系の構成を図3の制御ブロック図を用いて以下説明する。図3において、制御部40は、上記各部の動作を制御するもので、前述の媒体挿入検出センサ21、媒体幅寄せ検出センサ22、23、媒体傾き検出センサ24〜26の出力が制御部40への入力として接続されている。
また、制御部40には駆動部41が接続され、駆動部41にはフィードローラ10、14を回転駆動しフィードプレスローラ11、15を上下動させる動力源となるフィードモータ42と、幅寄せローラ12を回転駆動し幅寄せプレスローラ13を上下動させる動力源となる幅寄せモータ43が接続されている。
(動作)
以上の構成にて実施例1の通帳伝票プリンタは、以下のように動作する。なお、媒体幅寄せ動作以外の通常の通帳伝票プリンタの動作については、公知の通帳伝票プリンタの動作と同様であるので、簡略化のためにその説明を省略し、以下、本願発明に係る上段の搬送路5が用いられる伝票30の幅寄せ動作について、前の図1〜図3、図4の動作フローチャート図、図5〜図7の動作説明図を用いて詳細に説明する。
まず、通帳伝票プリンタが待機状態であるときは、フィードプレスローラ11、15および幅寄せプレスローラ13を搬送路5より下側へ下降させ、伝票30を挿入できる状態とする。
そして、矢印A方向のように、係員が伝票30を伝票用挿入口9より挿入し、媒体挿入検出センサ21がオンになると(ステップS01)、フィードプレスローラ11、15を上昇させ、伝票30をフィードローラ10、14に押し付けて搬送可能状態とする。
そして、挿入された伝票30を通帳伝票プリンタ内へ搬送する動作を開始し(ステップS02)、媒体傾き検出センサ24と26のオンに基づいて(ステップS03)、伝票30の先端の傾きが幅寄せ可能な許容内であるかどうかを判定する(ステップS04)。
なお、伝票30の傾きが許容角度以内かどうかの判定は、図2(c)を用いて前述した媒体傾き検出センサ24および26の両方がオンとなる前に媒体傾き検出センサ25がオンしたときは許容角度を超えて伝票30が傾いていると判定する。
そして、許容角度を20度とした場合では、伝票30の先端の傾きが20度以上(例えば25度)の場合は許容内ではないと判定し伝票30を排出し(ステップS13)、一方、伝票30の傾きが許容角度以内であると判定したときは、所定の距離だけ伝票30を搬送する(ステップS05)。
そして、伝票30の基準面X0側の端面が基準面に寄っているかを媒体幅寄せ検出センサ22、23の検出結果により判定し(ステップS06)、いずれの媒体幅寄せ検出センサ22、23もオンとなり伝票30が基準面に寄っていると判定したときは本処理を終了し、図7のように矢印A方向に伝票30を搬送し、印字ユニット3による印字等の処理を行う。
一方、いずれかの媒体幅寄せ検出センサ22、23がオンとなっていないときは伝票30が基準面に寄っていないと判定し、幅寄せプレスローラ13を上昇させ、フィードプレスローラ11、15を下降させてから、幅寄せローラ12を回転させ、幅寄せ動作を開始する(ステップS07)。
そして、伝票30を基準面に幅寄せできたかどうかを媒体幅寄せ検出センサ22、23の検出結果により判定するとともに(ステップS08)、幅寄せ動作を開始してから所定の監視時間が経過したかどうかの判定を行い(ステップS09)、幅寄せできずに監視時間が経過した場合はステップS10に進み、所定の監視時間が経過していないときはステップS08に戻り、幅寄せできたかどうかの判定を継続する。ステップS08にて伝票30が基準面に寄っていると判定したときは本処理を終了し、図7のように伝票30を矢印A方向に搬送し、印字ユニット3による印字等の処理を行う。
そして、ステップS09にて監視時間が経過した場合は、後述するステップS11、S12の姿勢変更後の幅寄せ動作を行った回数が所定のリトライ回数を超過したかどうかを判定し(ステップS10)、所定のリトライ回数を超過した場合は伝票30の幅寄せができない状態であるとしてステップS13に進み、伝票30を伝票用挿入口9から排出し本処理を終了する。
一方、所定のリトライ回数を超過していない場合は、幅寄せプレスローラ13を下降させ、フィードプレスローラ11、15を上昇させ、逆搬送(伝票用挿入口9側に搬送)して、図2の破線のように、伝票30を伝票用挿入口9の方向に媒体傾き検出センサ24、26のいずれかがオフするまで逆搬送し、搬送路5の屈曲部(図2側面図のb部)から一旦退避させる(ステップS11)。
なお、ステップS11における搬送路5の屈曲部からの退避は、伝票30が搬送路5の屈曲部から退避するようにすればよく、媒体傾き検出センサ24、26のいずれかがオフするまで逆搬送するのではなく、例えば、媒体傾き検出センサ25がオフするまで逆搬送するようにしてもよいし、あらかじめ定めた所定量逆搬送して退避するようにしてもよい。
次に、フィードプレスローラ11、15を下降させ、幅寄せプレスローラ13を上昇させ、図5矢印Dのように、基準面X0から離れる方向へ幅寄せローラ12を回転させることにより、ステップS11により逆搬送した伝票30(図5の破線)を矢印Eのように回転させて実線の状態のようにする姿勢変更を行う(ステップS12)。
なお、この伝票30の姿勢変更は、幅寄せローラ12を矢印D方向に回転させると重心30cから幅寄せローラ12までの長さLγに基づいて発生するモーメントF3×Lγにより重心30cを中心として伝票30を矢印E方向に回転させることにより行われる。
そして、図5の実線のように伝票30の姿勢が変更されると、ステップS05に戻り、以降の動作を前述と同様に行う。このとき、伝票30は、搬送路5の屈曲部(図5側面図のb部)から退避されているので、伝票30と屈曲部の摩擦力が発生せず、図6のように、基準面X0と当接する位置S1と幅寄せローラ12の距離をLαとすると、モーメントF1×Lαにより、矢印Fのように伝票30が回転し、傾きが矯正され、図7に示した状態となる。
そして、ステップS06、S07にて幅寄せが完了し伝票30が基準面に寄っていると判定したときは、フィードプレスローラ11、15を上昇させ、幅寄せプレスローラ13を下降させ、図7の状態となった伝票30を、矢印Aのように搬送し、印字ユニット3にて印字等の処理を行う。
(実施例1の効果)
以上のように実施例1の通帳伝票プリンタによれば、基準面への幅寄せを行い、幅寄せ検出センサにより幅寄せできないと検出したときは、逆方向に伝票を搬送して戻し、前記基準面と反対方向に幅寄せして伝票の姿勢を変更した後、再び前記基準面の方向に幅寄せするようにしたので、搬送路が短く搬送下流側が屈曲した通帳伝票プリンタにおいても、伝票が座屈することなく、確実に伝票の傾きを矯正し幅寄せすることができる。
(構成)
実施例2の通帳伝票プリンタの構成および制御系の構成は、実施例1の通帳伝票プリンタの構成と同様であるので、簡略化のためにその詳細な説明を省略する。
(動作)
以上の構成にて実施例2の通帳伝票プリンタは、以下のように動作する。なお、媒体幅寄せ動作以外の通常の通帳伝票プリンタの動作については、公知の通帳伝票プリンタの動作と同様であるので、簡略化のためにその説明を省略し、以下、本願発明に係る上段の搬送路5が用いられる伝票30の幅寄せ動作について、前術の図1〜図3、図8の動作フローチャート図、図9〜図12の動作説明図を用いて詳細に説明する。
まず、通帳伝票プリンタが待機状態であるときは、フィードプレスローラ11、15および幅寄せプレスローラ13を搬送路5より下側へ下降させ、伝票30を挿入できる状態とする。
そして、矢印Aのように係員が伝票30を伝票用挿入口9より挿入し、媒体挿入検出センサ21がオンになると(ステップS21)、フィードプレスローラ11、15を上昇させ、伝票30をフィードローラ10、14に押し付けて搬送可能状態とする。
そして、挿入された伝票30を通帳伝票プリンタ内へ搬送する動作を開始し(ステップS22)、媒体傾き検出センサ24と26のオンに基づいて(ステップS23)、伝票30の先端の傾きが幅寄せ可能な許容内であるかどうかを判定する(ステップS24)。
例えば、許容角度を20度とした場合では、伝票30の先端の傾きが20度以上(例えば25度)の場合は許容内ではないと判定し伝票30を排出し(ステップS32)、一方、伝票30の傾きが許容角度以内であると判定したときは、次に、左右いずれに傾いているかどうかを判定する(ステップS25)。
なお、伝票30の傾きが許容角度以内かどうかの判定は、実施例1と同様、図2(c)を用いて前述した媒体傾き検出センサ24および26の両方がオンとなる前に媒体傾き検出センサ25がオンしたときは許容角度を超えて伝票30が傾いていると判定する。
また、伝票30の先端の左右いずれが先行して傾いているかどうかは、媒体傾き検出センサ24、26のうち、先にオンした媒体傾き検出センサがどちらであるかに基づいて判定するようにすればよい。例えば、媒体傾き検出センサ26であったときは、基準面X0と反対側(基準面X0を帳票用挿入口9から見て左側とした本例では、帳票用挿入口9から見て右側)が先行して傾いており、媒体傾き検出センサ24であったときは、基準面X0側が先行して傾いていると判定する。
ステップS25にて、図9のように伝票30が基準面X0とは反対側が先行して傾いていると判定したときは、フィードプレスローラ11、15を下降させ、幅寄せプレスローラ13を上昇させ、図10矢印Dのように基準面X0から離れる方向へ幅寄せローラ12を回転させることにより、破線の伝票30を矢印Eのように回転させて実線の状態のようにする姿勢変更を行い、一方、実線のように、伝票30が基準面X0側が先行して傾いていると判定したときは、上記姿勢変更の動作は行わずステップS27に進む(ステップS26)。
すなわち、図9のように、伝票30が基準面X0側とは反対側が先行して傾いている場合では、矢印Cのように幅寄せローラ12を駆動させると、伝票30と基準面X0の接点S2と幅寄せローラ12間の搬送方向の距離がLβと短いため、発生するモーメントはF2×Lβとなり幅寄せを行うには小さすぎ、幅寄せできない。このため、上記ステップS26のように伝票30の姿勢を変更する。
なお、この伝票30の姿勢変更は、幅寄せローラ12を矢印D方向に回転させると重心30cから幅寄せローラ12までの長さLγに基づいて発生するモーメントF3×Lγにより重心30cを中心として伝票30を矢印E方向に回転させることにより行われる。
このように、図10の実線のように伝票30の姿勢が変更されると、図11のように、基準面X0と当接する位置S1と幅寄せローラ12の位置の間がLαのように長くなり、幅寄せローラ12により傾きを矯正するモーメントはF1×Lαとなり、十分なモーメントを確保でき、矢印Fのように伝票30の傾きが矯正されて、図12の伝票30(実線)のようになる。
逆に、図11のように、伝票30の基準面X0側が先行して傾いている場合では、矢印Cのように幅寄せローラ12を駆動させると、伝票30と基準面X0の接点S1と幅寄せローラ12間の搬送方向の距離がLαと長いため発生するモーメントはF1×Lαとなり幅寄せを行うのに十分なモーメントとなるので、姿勢変更は行わない。
再び図8の動作フローチャートに戻って、次に、伝票30の基準面X0側の端面が基準面に寄っているかを媒体幅寄せ検出センサ22、23の検出結果により判定し(ステップS27)、いずれの媒体幅寄せ検出センサ22、23もオンとなり、伝票30が寄っていれば印字ユニット3による印字等の処理に進み、媒体幅寄せ検出センサ22、23のいずれかがオンとならないときは伝票30が寄っていないと判定し、幅寄せプレスローラ13を上昇させ、フィードプレスローラ11、15を下降させてから、幅寄せローラ12を回転させ、幅寄せ動作を開始する(ステップS28)。
そして、幅寄せできたかどうかを媒体幅寄せ検出センサ22、23の検出結果により判定するとともに(ステップS29)、幅寄せを開始してから所定の監視時間が経過したかどうかの判定を行い(ステップS30)、幅寄せができず監視時間が経過した場合はステップS31に進み、所定の監視時間が経過していないときはステップS29に戻り、幅寄せできたかどうかの判定を継続する。
一方、ステップS27またはステップS29にて幅寄せが完了したと判定されたときは、本処理を終了し、フィードプレスローラ11、15を上昇させ、幅寄せプレスローラ13を下降させ、図7の状態となった伝票30を、矢印Aのように搬送し、印字ユニット3にて印字等の処理を行う。
ステップS30にて監視時間が経過した場合は、上記ステップS26の姿勢変更後の幅寄せ動作を行った回数が所定のリトライ回数を超過したかどうかを判定し(ステップS31)、超過した場合は伝票30の幅寄せができない状態であるとしてステップS32に進み、伝票30を伝票用挿入口9から排出し本処理を終了する。
一方、所定のリトライ回数を超過していない場合は、ステップS24に戻り、前述のように、伝票30の先端の傾きが幅寄せ可能な許容内であるかどうかを判定および左右いずれに傾いているかどうかを判定し、傾き方向に応じて姿勢変更を行い、幅寄せ動作を繰り返す。
そして、フィードプレスローラ11、15を上昇させ、幅寄せプレスローラ13を下降させ、図12の状態となった伝票30(実線)を、矢印Aのように搬送し、印字ユニット3にて印字等の処理を行う。
なお、以上の実施例2の説明では、ステップS24にて伝票30の先端の傾きが許容角度以内で基準面X0と反対側が先行していると判定したときに、姿勢変更動作を行うように説明したが、ステップS24にて伝票30の先端の傾きが許容角度以内のときで基準面X0と反対側が先行して傾いていると判定したときは、所定の距離搬送し幅寄せのためのモーメントを増加させた後、幅寄せ動作を行い、幅寄せに失敗したときに、伝票30を逆搬送して図10のように搬送路5の屈曲部(側面図のb部)から一旦退避させてから、姿勢変更動作を行うようにしてもよい。
(実施例2の効果)
以上のように実施例の通帳伝票プリンタによれば、媒体傾き検出センサにより伝票が基準面と反対側が先行して所定の傾き以内で傾いていると検出したときは、前記基準面と反対方向に幅寄せして伝票の姿勢を変更した後、前記基準面の方向に幅寄せするようにしたので、搬送路の屈曲部と伝票の摩擦力が発生する頻度を少なくすることができ、さらに、確実に伝票の傾きを矯正して幅寄せすることができる。
《その他の変形例》
以上の実施例の説明では、幅寄せ手段、搬送手段として、ローラ状の幅寄せローラ、フィードローラにより幅寄せ、搬送する例として説明したが、ベルト状の幅寄せ手段、搬送手段であってもよい。
また、以上の実施例の説明では、幅寄せ手段を幅寄せローラ12として説明したが、この幅寄せローラ12は、図13に示したように、伝票30の搬送方向に複数並べて設けられた、例えば、幅寄せローラ12a、12bを配置し下側から伝票30を幅寄せローラ12a、12bに押し付ける幅寄せプレスローラ13a、13bを配置した構成としてもよい。この場合、伝票30の幅寄せ時には幅寄せローラ12aおよび12bを矢印C方向に回転させ、姿勢変更時には搬送上流側の幅寄せローラ12aを矢印C方向に回転させるとともに搬送下流側の幅寄せローラ12bを矢印D方向に回転させて、伝票30の姿勢変更を行うようにすればよい。
また、以上の実施例の説明では、媒体挿入検出センサ21、媒体傾き検出センサ24〜26、媒体幅寄せ検出センサ22、23のセンサの種類については、説明しなかったが、透過型や反射型のフォトセンサとしてもよいし、カメラ等で画像を取得して取得した画像から媒体の挿入、傾き、幅寄せ等を検出するようにしてもよい。
以上述べたように、本発明は、金融機関等に設置され通帳、伝票、証書などの媒体に印字等をする通帳伝票プリンタに広く用いることができる。
1 通帳伝票プリンタ
2 インサータユニット
3 印字ユニット
4、5、7 搬送路
6 ブレード
8 通帳、証書用挿入口
9 伝票用挿入口
10、14 フィードローラ
11、15 フィードプレスローラ
12 幅寄せローラ
13 幅寄せプレスローラ
30 伝票
21 媒体挿入検出センサ
22、23 媒体幅寄せ検出センサ
24〜26 媒体傾き検出センサ
40 制御部
41 駆動部
42 フィードモータ
43 幅寄せモータ
X0 基準面
S1、S2 基準面と媒体の当接位置

Claims (4)

  1. 媒体を搬送手段により搬送し、前記媒体に対して所定の処理を行う通帳伝票プリンタにおいて、
    前記媒体を基準面側に幅寄せする幅寄せ手段と、
    前記媒体が基準面に幅寄せされたことを検出する幅寄せ検出手段と
    前記媒体の傾き方向を検出する媒体傾き検出手段とを備え、
    前記幅寄せ検出手段が、前記幅寄せ手段による前記媒体の基準面への幅寄せを検出できないときであって、前記媒体傾き検出手段が、前記媒体の傾き方向が前記基準面と反対側が先行して傾いていると検出したときは、前記搬送手段により該媒体を搬送方向とは逆方向に搬送して前記幅寄せ手段が該媒体の搬送方向先端部の近傍に位置するようにし
    前記逆方向に搬送した媒体を前記幅寄せ手段により前記基準面側と反対方向に幅寄せさせ、その後、再度搬送手段により媒体を搬送させて前記幅寄せ手段により媒体の基準面への幅寄せを行うようにしたことを特徴とする通帳伝票プリンタ。
  2. 前記媒体傾き検出手段により媒体の傾き方向が前記基準面と反対側が先行して傾いていると検出したときは、前記搬送手段により媒体を所定の長さ搬送した後、前記幅寄せ手段により媒体の前記基準面への幅寄せを行い、その後、前記幅寄せ検出手段が、前記幅寄せ手段による前記媒体の基準面への幅寄せを検出できないときは、前記搬送手段により該媒体を搬送方向とは逆方向に搬送する請求項1記載の通帳伝票プリンタ。
  3. 前記幅寄せ手段は、幅寄せローラおよび幅寄せプレスローラであり、
    前記搬送手段は、フィードローラおよびフィードプレスローラである請求項1又は請求項2のいずれか記載の通帳伝票プリンタ。
  4. 前記媒体傾き検出手段が、前記媒体の傾き方向が前記基準面側が先行して傾いていると検出したときは、前記幅寄せ手段による前記媒体の前記基準面側と反対方向への幅寄せを行わない請求項1記載の通帳伝票プリンタ。
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