JP5909106B2 - 透明樹脂材料の製造方法、透明樹脂チューブの製造方法、透明熱収縮チューブの製造方法及び熱収縮チューブ付き圧着端子の製造方法 - Google Patents

透明樹脂材料の製造方法、透明樹脂チューブの製造方法、透明熱収縮チューブの製造方法及び熱収縮チューブ付き圧着端子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱収縮性を付与することができる透明樹脂材料、その透明樹脂材料により形成される透明な熱収縮チューブ、及びその熱収縮チューブにより圧着部やその近傍が被覆されている熱収縮チューブ付き圧着端子に関する。
圧着端子とは、電線の接続端子の1種で、電線と端子に物理的圧力をかけ圧着させて電線を接続する端子である。圧着端子による電線の接続は、例えば、管状の金属製圧着部(金属製圧着スリーブ)に電線を挿入しその圧着部を圧着工具により加締めして行われる。
圧着端子による接続は、はんだ付けと比べて作業性が改善しやすいので、はんだ付けに代わる電線の接続方法として行われている。特に、振動や熱などによるハンダの劣化が激しい環境、機械的強度が求められる環境、はんだ付けにより僅かに上がる抵抗値が問題となる場合等で圧着端子を使用した電線の接続が行われている。
接続部の短絡防止のために、圧着端子の圧着スリーブ及びその近傍は絶縁被覆される場合が多い。特に、接続部の防水、防油、防塵が望まれる場合は、圧着スリーブ及びその近傍が樹脂により被覆された圧着端子が好ましく使用される。そして、この被覆には、加熱により径が収縮する熱収縮チューブが、被覆の作業を容易にできるため広く用いられている。例えば、特許文献1や特許文献2には、熱収縮チューブと圧着スリーブとを組み合わせた熱収縮チューブ付き圧着端子が開示されている。
図1〜4は、特許文献1に記載の熱収縮チューブ付き圧着端子を表わす。図1は熱収縮チューブ付き圧着端子の斜視図であり、図2は断面図である。又図3及び4は、圧着工具により加締めされた後の圧着部(圧着スリーブ)近傍の様子を示す断面図である。
図中、1は圧着スリーブを、2は熱収縮チューブを表わし、Kは接続される絶縁被覆電線を表わし、その先端部は絶縁被覆が剥離されて電線kaが露出している。この例では、熱収縮チューブ2の中央部は、熱収縮されて熱収縮部2aを形成して圧着スリーブ1を被覆しているが、両側は、圧着スリーブへの電線挿通を容易にするため熱収縮させずに大径の未収縮部2bのままとなっている。
露出している電線kaは、図1、2に示されるように圧着スリーブ1に挿入される。その後、圧着スリーブ1を熱収縮チューブ2(熱収縮部2a)の外側から圧着工具(図示されていない)等により加締めすることにより、電線kaと圧着スリーブ1が固着され電線ka間が接続される。図3は、電線ka間が固着され接続された状態を表わす断面図である。接続後、熱収縮チューブ2の未収縮部2bは加熱されて熱収縮し、図4で表されるように、接続部及びその近傍が熱収縮チューブ2で被覆される。その結果、高い接続強度と耐振動性に優れる接続が達成され、又防水、防油、防塵及び短絡防止が図られる。
実開昭63−93073号公報 特許第4724889号公報
圧着端子に使用される熱収縮チューブには、高い強度、安価であること等が望まれる。さらに、圧着工具による加締めは、圧着部(圧着スリーブ)を被覆する熱収縮チューブの外側から行われるので、内部の圧着端子の状態を確認しやすくして加締めの作業を容易にするために、熱収縮チューブは透明であることが望まれる。
従来、圧着端子を被覆する熱収縮チューブには、アイオノマーや12ナイロンを原料としたものが広く用いられてきた。しかし、アイオノマー、12ナイロンは、高価である。又、アイオノマー、12ナイロンは、いずれも極性のある分子構造を有するため吸湿性があるが、吸湿すると強度が低下する問題があった。
安価な原料であるポリエチレン系樹脂を用いた熱収縮チューブも知られている。しかし、一定の強度を有するポリエチレンは結晶性のために可視光が乱反射され透明性が低いので、ポリエチレン系樹脂を用いる場合は、透明性が問題であった。
本発明は、熱収縮チューブを形成できる樹脂材料であって、安価な原料から得られ、高い強度を有し、吸湿しても強度が低下せず、かつ優れた透明性を有する透明樹脂材料を提供することを課題とする。本発明は、又、当該透明樹脂材料により形成された透明熱収縮チューブ、及び当該透明熱収縮チューブの被覆を有する熱収縮チューブ付き圧着端子を提供することも課題とする。
本発明者は、以上の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを、それらの融点近傍の温度で放射線照射して架橋させた樹脂材料は、高い強度を有し、吸湿しても強度が低下しないとともに、透明性においても優れていることを見出し、本発明を完成した。
請求項1に記載の発明は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを含む樹脂材料に、その融点−5℃以上で融点+5℃以下の温度で、放射線を照射し、前記樹脂材料を架橋させたことを特徴とする透明樹脂材料である。
本発明の透明樹脂材料の原料である樹脂材料は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを主体として含むものである。主体として含むとは、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンの単独の樹脂のみからなる場合、及び高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分として含む樹脂組成物であるが、本発明の趣旨を損ねない範囲で他の樹脂や他の成分を含む場合のいずれをも意味する。好ましくは、樹脂材料中の高密度ポリエチレン又はポリプロピレンの質量比が80%以上の場合である。
高密度ポリエチレン及びポリプロピレンは、共に汎用の樹脂であり、安価な材料である。従って、本発明の透明樹脂材料、その材料からなる透明熱収縮チューブは安価に製造することができる。又、高密度ポリエチレン及びポリプロピレンは、高い引張強度を有する等機械的強度に優れ、又吸湿により強度が低下することもない。
ポリプロピレンとしては、ホモタイプ、ブロックタイプ、ランダムタイプのいずれも用いることができる。中でも、電線の接続部を補強、保護するために強度を重視すると、ホモタイプが好ましく、一方、透明性を重視するとランダムタイプが好ましい。ブロックタイプは強度、透明性ともホモタイプ、ランダムタイプの中間的な特性を有する。
本発明の透明樹脂材料は、熱収縮チューブとしての収縮特性を発現させるために高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを含む樹脂材料が、放射線の照射により架橋されて製造される。照射架橋に使用される放射線としては、電子線、X線、γ線、粒子線等が挙げられるが、電子線発生装置は比較的安価で、又大出力の電子線が得られ、制御も容易であるので、電子線が好ましい。
放射線照射量は、特に限定されないが、放射線照射量が多すぎるときは、架橋反応よりも分解反応が優勢になって逆に架橋度が低下し、また強度も低下する。一方、放射線照射量が少なすぎるときは、熱収縮チューブとしての収縮特性を発現させるために必要な架橋度が得られず、また、後述する結晶化(不透明化)防止効果が充分得られない。そこで、熱収縮特性としての収縮特性が十分に発現し、また、結晶化防止効果が充分得られる範囲で、なるべく小さい放射線照射量を選択することが好ましい。この放射線照射量は簡易な予備実験等により容易に求めることができる。
なお、架橋度はゲル分率によって測定することができる。ゲル分率は、120℃に加熱したキシレン中で放射線照射した樹脂材料を還流させながら24時間浸漬させ、不溶分を取出して乾燥させた重量の元の重量に対する残率と定義され、50%以上あることが目安である。
本発明は、原料の高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを含む樹脂材料の融点をmpとした場合、樹脂材料の温度がmp−5℃以上、mp+5℃以下の範囲内で、前記の放射線の照射を行うことを特徴とする。その結果、透明性に優れた樹脂材料を得ることができる。すなわち、この温度範囲内では原料の樹脂材料は結晶化していないが、放射線照射による架橋をこの温度範囲で行うと、樹脂材料を冷却した後も、樹脂の結晶化が抑制され優れた透明性を保つことができる。
放射線の照射が、融点より5℃以上低い温度で行われた場合は、優れた透明性は得られない。一方、放射線の照射が、融点より5℃以上高い温度で行われた場合は、樹脂材料が溶融流動し、チューブ形状を保持できなくなってしまう。
本発明の透明樹脂材料には、透明性を損なわない範囲で、炭酸カルシウム、タルク等の充填材、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、着色顔料、架橋助剤等を添加しても良い。
請求項2に記載の発明は、前記樹脂材料に結晶核剤を加えたことを特徴とする請求項1に記載の透明樹脂材料である。
高密度ポリエチレン又はポリプロピレンに、さらに結晶核剤を加えると樹脂の結晶サイズを微小化でき透明性をさらに高めることができるので好ましい。結晶核剤としては、特に限定されないが、ソルビトール系のものが透明性向上効果が高く好ましい。結晶核剤の添加量は、特に限定されないが、通常0.1〜5重量部の範囲で添加される。多すぎるとブリードアウトを生じ、また強度の低下を生じるため好ましくなく、また、少なすぎると透明性が向上しないので好ましくない。
請求項3に記載の発明は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを含む樹脂材料を、チューブ状に押出成形し、得られたチューブ状の成形体に、その融点−5℃以上で融点+5℃以下の温度で放射線を照射して前記樹脂材料を架橋して得られたことを特徴とする透明樹脂チューブである。高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを含む樹脂材料や放射線照射の意味は、前記と同様である。従って、前記樹脂材料中には、他の樹脂や前記の結晶核剤等の他の成分を含有させることができる。
押出成形は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンの樹脂チューブを作製する際に通常使用される公知の方法と同様にして行うことができる。放射線の照射により樹脂材料を架橋した後は成形が困難になる。そこで、放射線の照射を押出成形後に行うことにより、成形が容易であり、かつ放射線の照射による効果を充分に得ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の透明樹脂チューブを拡径することより得られることを特徴とする透明熱収縮チューブである。透明樹脂チューブの拡径の方法としては、熱収縮チューブの作製に通常使用されている公知の拡径方法を用いることができる。中でも、前記透明樹脂チューブを融点以上の温度に加熱した後、内圧(チューブ内の圧力)を加えてチューブを拡径し、その後冷却する方法を挙げることができる。
このようにして得られた透明熱収縮チューブは、透明であるので、圧着端子の被覆に用いた場合圧着端子の内部の確認が容易になる。すなわち、この熱収縮チューブの内側に圧着端子を内包させれば圧着部(圧着スリーブ)を目視で確認しやすいので、圧着の作業を容易にすることができる。又、本発明の透明熱収縮チューブは、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを主体としてなる材料を用いているので、安価で、高強度であり、吸湿しても強度が低下しないものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の透明熱収縮チューブ、その内面を被覆する接着剤層、及び前記透明熱収縮チューブ内に含まれる圧着スリーブを有し、圧着スリーブの外周の少なくとも一部が熱収縮された前記透明熱収縮チューブ及び接着剤層により被覆されていることを特徴とする熱収縮チューブ付き圧着端子である。
前記のように、請求項4に記載の透明熱収縮チューブは、圧着端子の被覆用として好適であり、本発明の熱収縮チューブ付き圧着端子は、請求項4に記載の透明熱収縮チューブを使用することを特徴とする。又本発明の熱収縮チューブ付き圧着端子は、防水効果をより確実にするため、熱収縮チューブの内面が接着剤層で被覆されていることも特徴とする。接着剤層を形成する接着剤としては、従来の熱収縮チューブ付き圧着端子を構成する接着剤層に使用されているホットメルト接着剤と同様なものを用いることができる。例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、水添テルペン樹脂などが用いられる。
この熱収縮チューブ付き圧着端子では、内面を被覆する接着剤層が設けられた熱収縮チューブ内に圧着スリーブが設けられるが、少なくとも圧着スリーブがある部分では、その外周を被覆するように、熱収縮チューブは熱収縮されている。ただし、電線の接続に用いる際に、電線の圧着端子への挿入を容易にするため、圧着スリーブの両端より外側は、収縮させず径が大きいまま(の未収縮部)とすることが好ましい。この部分は、電線の接続後加熱されることにより収縮され、電線の外周を被覆して防水、防油、防塵、短絡防止を確実にする。特許文献2に記載の態様のように、手探りでの圧着部の位置の確認を容易にする等のために、圧着スリーブの端部が未収縮部に突出してもよい。
圧着スリーブは、電線間を電気的に接続するための金属等の導電材からなる管である。圧着スリーブとしては、従来の圧着端子に使用されている圧着スリーブと同様なものを使用することができるが、圧着工具により変形されたとき、電線を高い信頼性で固着できるような強度や剛性を有するものが望まれる。
本発明の透明樹脂材料は、安価で、高強度であり、吸湿しても強度の低下がなく、さらに透明性に優れるものである。従って、この透明樹脂材料より得られる本発明の透明熱収縮チューブも、安価で、高強度であり、吸湿しても強度の低下がなく、さらに透明性に優れるものである。
本発明の透明熱収縮チューブを、圧着スリーブの被覆として用いる本発明の熱収縮チューブ付き圧着端子は、熱収縮チューブの透明性が高いので接続部を目視で確認しやすく、この圧着端子を用いることにより圧着作業を容易に行うことができる。又、高強度であり、吸湿しても強度の低下がない熱収縮チューブにより被覆されるので、接続部の防水、防油、防塵、短絡防止に優れ、この圧着端子を用いることにより優れた接続強度や耐振動性を得ることができる。
熱収縮チューブ付き圧着端子による電線の接続の1工程を示す斜視図である。 熱収縮チューブ付き圧着端子による電線の接続の1工程を示す断面図である。 熱収縮チューブ付き圧着端子による電線の接続の1工程を示す断面図である。 熱収縮チューブ付き圧着端子による電線の接続の1工程を示す断面図である。 熱収縮チューブ付き圧着端子を製造する1工程を示す斜視図である。 熱収縮チューブ付き圧着端子を製造する1工程を示す断面図である。
以下、本発明をその実施の形態及び実施例に基づいて説明するが、本発明は、以下の実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明と同一および均等の範囲内において種々の変更を加えることが可能である。
先ず、本発明の熱収縮チューブ付き圧着端子の製造方法について説明する。図5は、熱収縮チューブ付き圧着端子の製造方法の一例の1工程を示す斜視図である。図中、1は、圧着スリーブを表わし、2は、本発明の透明熱収縮チューブを表わす。透明熱収縮チューブ2は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを含む樹脂材料を、チューブ状に押出成形し、得られたチューブ状の成形体に放射線を照射して前記樹脂材料を架橋して得られた透明樹脂チューブ(請求項3の発明)である。
図中、3は、透明熱収縮チューブ2の内面を被覆する接着剤層である。このように内面が接着剤層3で被覆された透明熱収縮チューブ2の中に、図5中の矢印で示すように、圧着スリーブ1を挿入する。図6(a)は、圧着スリーブ1が挿入された後の状態を表わす断面図である。
圧着スリーブ1を透明熱収縮チューブ2の中に挿入した後、圧着スリーブ1がある部分が図6(a)に示すように加熱される。加熱により透明熱収縮チューブ2は収縮し、圧着スリーブ1の外周と透明熱収縮チューブ2の内周が、接着剤層3により接着される。図6(b)は、このようにして透明熱収縮チューブ2が熱収縮して熱収縮部2aを形成し、圧着スリーブ1の外周が透明熱収縮チューブ2により被覆された様子を示す断面図である。このようにして、熱収縮チューブ付き圧着端子4が作製される。
なお、透明熱収縮チューブ2の圧着スリーブ1がある部分以外は、加熱による熱収縮は行われていない。図中の2bはこの未収縮部を表わす。この部分が未収縮で大径のまま残されることにより、後述の接続工程での電線の挿入が容易になるので好ましい。
次に、本発明の熱収縮チューブ付き圧着端子を用いて電線を接続する形態について説明するが、この接続は、前記の従来の熱収縮チューブ付き圧着端子を用いて電線を接続する場合と同じである。すなわち、図1〜4で表される工程により電線の接続が行われる。
図1は、熱収縮チューブ付き圧着端子に電線を挿入する様子を示す斜視図である。図中Kは接続される絶縁被覆電線であり、その先端は絶縁被覆が剥離されており、電線kaが露出している。又、図中、4は、前記のようにして製造された熱収縮チューブ付き圧着端子である。すなわち、図6(b)に示す熱収縮チューブ付き圧着端子4に相当する。図中の、1、2、2a、2b、3も、図6(b)と同様に、それぞれ、圧着スリーブ、熱収縮チューブ、熱収縮部、未収縮部、接着剤層を表わす。
図2は、熱収縮チューブ付き圧着端子4にその両端から絶縁被覆電線Kが挿入され、さらに、圧着スリーブ1にその両端から電線kaが挿入された様子を示す断面図である。このように圧着スリーブ1にその両端から電線kaが挿入された後、圧着工具により接続部(圧着部:圧着スリーブ1がある箇所)が圧着される。図3は、接続部が圧着された後の様子を示す断面図である。
接続部が圧着された後、未収縮部2bが加熱され、図4に示すように熱収縮する。未収縮部2bの熱収縮により、絶縁被覆電線Kの外周と透明熱収縮チューブ2の内周が、接着剤層3により強固に接着される。このように、接着層3により、絶縁被覆電線Kや圧着スリーブ1の外周が強固に接着されるので、短絡防止効果に加えて、優れた防水性、防塵性、防油性が得られ、高い接続信頼性が達成される。
<実施例及び比較例>
下記の使用材料を、表1に示す配合(質量比)で、オープンロールにて180℃で混練した後、ペレタイザによってペレット状にした。その後、50mmφ押出機にて、内径3mmφ、外径4mmφのチューブ形状に押出した。得られたチューブを、表1に示す温度雰囲気に置き同温度に加熱した後、200kGyの電子線照射を行って架橋体を作製した。その架橋体について、引張強度、引張伸び、透明性の評価を行った。評価方法は下記の通りである。
(使用材料)
・高密度ポリエチレン:ハイゼックス5000s(プライムポリマー社製、融点:131℃、表中では「HDPE」と表わす)
・ポリプロピレン:ノバテックPP FY6(日本ポリプロ社製、融点:171℃、表中では「PP」と表わす)
・結晶核剤:アデカスタブNA−21(表中では「NA−21」と表わす)
・酸化防止剤:イルガノックス1010
(引張強度、引張伸び)
120mmのチューブを切り取り、引張速度500mm/分で引張強度(破断時の強度)と引張伸び(破断時の伸び)を測定した。合否の基準としては、引張強度が10.4MPa以上、引張伸びが100%以上のものを合格と判定した。
(透明性)
外径2.8mmφで表面に文字を印刷した金属棒をチューブに入れ、文字の読みやすさを目視判定した。文字を判読できない場合を×、判読できる場合を○、鮮明に判読できる場合を◎とした。
Figure 0005909106
表1に示されるように、使用した樹脂HDPE、PPの融点(それぞれ、131℃、171℃)の±5℃範囲内の温度で電子線照射が行われた実施例1〜4では優れた透明性が得られている。中でも、結晶核剤を添加した実施例3、4では、特に優れた透明性が得られている。又、引張強度及び引張伸びについても、実施例1〜4では、合格基準の引張強度が10.4MPa以上、引張伸びが100%以上をはるかに上回っており、強度的にも優れていることが明らかである。一方、電子線照射が行われた温度が、使用した樹脂の融点より大きく低い比較例1、2では、透明性が低く、熱収縮チューブ付き圧着端子用としては適当でないことが表1の結果より明らかである。又、比較例2では、引張強度及び引張伸びについても、合格基準を満たしていない。
1 圧着スリーブ
2 熱収縮チューブ
2a 熱収縮部
2b 未収縮部
3 接着剤層
4 熱収縮チューブ付き圧着端子
K 絶縁被覆電線
ka (露出している)電線

Claims (5)

  1. 高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを含む樹脂材料に、その融点−5℃以上で融点+5℃以下の温度で、放射線を照射し、前記樹脂材料を架橋させる工程を含むことを特徴とする透明樹脂材料の製造方法
  2. 前記高密度ポリエチレン又はポリプロピレンに結晶核剤が加えられていることを特徴とする請求項1に記載の透明樹脂材料の製造方法
  3. 高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを含む樹脂材料を、チューブ状に押出成形する工程、及び
    得られたチューブ状の成形体に、前記樹脂材料の融点−5℃以上で融点+5℃以下の温度で放射線を照射して前記樹脂材料を架橋する工程を含む
    ことを特徴とする透明樹脂チューブの製造方法。
  4. 高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを含む樹脂材料を、チューブ状に押出成形する工程、
    得られたチューブ状の成形体に、前記樹脂材料の融点−5℃以上で融点+5℃以下の温度で放射線を照射して前記樹脂材料を架橋する工程、及び
    前記樹脂材料を架橋する工程後、得られた透明樹脂チューブを拡径する工程を含むことを特徴とする透明熱収縮チューブの製造方法。
  5. 高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを含む樹脂材料を、チューブ状に押出成形する工程、
    得られたチューブ状の成形体に、前記樹脂材料の融点−5℃以上で融点+5℃以下の温度で放射線を照射して前記樹脂材料を架橋する工程、
    前記樹脂材料を架橋した後、得られた透明樹脂チューブを拡径して透明熱収縮チューブを作製する工程、
    作製された前記透明熱収縮チューブ内に、圧着スリーブを挿入する工程、及び
    前記圧着スリーブの外周を被覆するように、前記透明熱収縮チューブの少なくとも一部を熱収縮する工程、
    を含むことを特徴とする熱収縮チューブ付き圧着端子の製造方法。

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