以下図面に基づいて本発明の実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)不揮発性半導体記憶装置の全体構成
図18との対応部分に同一符号を付して示す図1において、1は本発明による不揮発性半導体記憶装置を示し、同一構成でなる複数のユニット列2が行方向(左右方向)に並んで配置された構成を有する。ここで、複数のユニット列2は全て同一構成でなることから、以下、第1列目のユニット列2に着目して説明する。この場合、ユニット列2には、N型ウェルNW1、P型ウェルPW1及びP型メモリウェルPW2が順に配置されており、N型ウェルNW1及びP型ウェルPW1に電源ユニット4が形成され、メモリウェルとしてのP型メモリウェルPW2に複数のメモリセルCが行列状に形成されている。
この電源ユニット4には、列方向(上下方向)に延びた第1電源線5aがN型ウェルNW1に形成されており、列方向に所定間隔を空けて複数のPMOSスイッチ8a,8c,…が第1電源線5aに沿って設けられている。PMOSスイッチ8a,8c,…は、ソースが第1電源線5aに接続され、ドレインが後述するワード線15に接続されており、オン動作することにより、第1電源線5aからソースに印加された書き込みゲート電圧や書き込み禁止ゲート電圧等を、ドレインからワード線15に印加し得るようになされている。
また、この電源ユニット4には、同じく列方向に延びた第2電源線6aがP型ウェルPW1に形成されており、PMOSスイッチ8a,8c,…と対をなすNMOSスイッチ9a,9c,…が、列方向に所定間隔を空けて第2電源線6aに沿って設けられている。NMOSスイッチ9a,9c,…は、ソースが第2電源線6aに接続され、ドレインが後述するワード線15に接続されており、オン動作することにより、第2電源線6aからソースに印加された書き込み禁止ゲート電圧等を、ドレインからワード線15に印加し得るようになされている。
ユニット列2のP型メモリウェルPW2には、PMOSスイッチ8a,8c,…及びNMOSスイッチ9a,9c,…の対に対応させて複数のワード線15が設けられており、各ワード線15に沿ってそれぞれ複数(この場合、2つ)のメモリセルCが形成されている。実際上、このP型メモリウェルPW2には、行方向(左右方向)に延びる複数のワード線15が、列方向に所定間隔を空けて配置されている。ワード線15には、電源ユニット4に設けられた同一行のPMOSスイッチ8a(8c,…)及びNMOSスイッチ9a(9c,…)のドレインと、このP型メモリウェルに配置された同一行のメモリセルCの制御ゲートとが接続されている。これにより、各ワード線15は、PMOSスイッチ8a,8c,…又はNMOSスイッチ9a,9c,…のいずれか一方から印加される所定のゲート電圧(書き込みゲート電圧又は書き込み禁止ゲート電圧)を、ユニット列2内にて同一行に並ぶ複数のメモリセルC全てに一律に印加し得るようになされている。
また、P型メモリウェルPW2には、列方向に延びる複数の第1ビット線L1と、同じく列方向に延びる複数の第2ビット線L2とが設けられている。実際上、P型メモリウェルPW2は、一の第1ビット線L1と、当該第1ビット線L1に隣接した第2ビット線L2とを一対とし、並走する第1ビット線L1及び第2ビット線L2間に複数のメモリセルCが並列に配置された構成を有している。各メモリセルCには、一端に第1ビット線L1が接続されているとともに、他端に第2ビット線L2が接続されており、これら第1ビット線L1及び第2ビット線L2から一端及び他端に、例えば書き込み電圧又は書き込み禁止電圧が印加され得るようになされている。
なお、各メモリセルCは、全て同一構成を有しており、半導体基板がP型メモリウェルPW2でなるNチャネル型であり、P型メモリウェルPW2(半導体基板)に所定の間隔を設けて形成された一端及び他端間のチャネル領域上に、トンネル絶縁層を介して電荷蓄積層、層間絶縁層及び制御ゲートが順次積層された構造を有している。かくして、メモリセルCは、一端及び他端間に印加される電圧と、制御ゲートに印加される電圧との電圧差により、電荷蓄積層内に電荷が注入されて、データが書き込まれたり、或いは電荷蓄積層に蓄積した電荷が引き抜かれて、データが消去されたりし得る。
これに加えて、この不揮発性半導体記憶装置1には、第1MOS電源線VL1及び第2MOS電源線VL2が列方向に向けて並走して設けられており、第1MOS電源線VL1に12[V]の第1制御電圧が印加されているとともに、第2MOS電源線VL2に0[V]の第2制御電圧が印加されている。ここで、これら第1MOS電源線VL1及び第2MOS電源線VL2には、列方向に所定間隔を空けて複数のインバータ回路11が設けられており、行方向に延びる共通PMOS制御線PGa(PGb,PGc,PGd)と、この共通PMOS制御線PGa(PGb,PGc,PGd)と対をなし、同じく行方向に延びる共通NMOS制御線NGa(NGb,NGc,NGd)とが各インバータ回路11の出力部に接続されている。
共通PMOS制御線PGa(PGb,PGc,PGd)は、全てのユニット列2と交差するように延設されており、各ユニット列2の同一行に配置されたPMOSスイッチ8a,8b(8c,8d,…)の各ゲートに接続され、インバータ回路11からの出力を同一行に配置された全てのPMOSスイッチ8a,8b(8c,8d,…)のゲートに一律に印加し得るようになされている。これにより、例えば、共通PMOS制御線PGaに接続された各PMOSスイッチ8a,8bは、共通PMOS制御線PGaと第1電源線5a,5bとの電圧差によりオンオフ動作し、オン動作時に第1電源線5a,5bとワード線15aとを電気的に接続し得るようになされている。
一方、共通NMOS制御線NGa(NGb,NGc,NGd)も、全てのユニット列2と交差するように延設されており、各ユニット列2の同一行に配置されたNMOSスイッチ9a,9b(9c,9d,…)の各ゲートに接続され、インバータ回路11からの出力を同一行に配置された全てのNMOSスイッチ9a,9b(9c,9d,…)のゲートに一律に印加し得るようになされている。これにより、例えば、共通NMOS制御線NGaに接続された各NMOSスイッチ9a,9bは、共通NMOS制御線NGaと第2電源線6a,6bとの電圧差によりオンオフ動作し、オン動作時に第2電源線6a,6bとワード線15とを電気的に接続し得るようになされている。
すなわち、不揮発性半導体記憶装置1では、PMOSスイッチ8a,8b,8c,8d及びNMOSスイッチ9a,9b,9c,9dをオンオフ動作させることで、第1電源線5a,5b及び第2電源線6a,6bの出力を所定のワード線15に印加してメモリセルCの電圧値を調整し得る。このような調整によって不揮発性半導体記憶装置1では、各P型メモリウェルPW2に行列状に配置された複数のメモリセルCのうち、例えば第1列目のP型メモリウェルPW2にある選択メモリセルC1の電荷蓄積層にだけ電荷を蓄積させてデータを書き込むことができる。
なお、本発明における実施の形態においては、選択メモリセルC1の電荷蓄積層に電荷が蓄積された状態を、データが書き込まれた状態とし、当該電荷蓄積層に電荷が蓄積されていない状態を、データが消去された状態とするが、本発明はこれに限らず、選択メモリセルC1の電荷蓄積層に電荷が蓄積されていない状態を、データが書き込まれた状態とし、当該電荷蓄積層に電荷が蓄積された状態を、データが消去された状態としてもよい。
(1−2)データの書き込み動作
ここで、図1は、不揮発性半導体記憶装置1において、複数のユニット列2のうち、第1列目のユニット列2の第1行1列目に配置したメモリセルCをデータが書き込まれる選択メモリセルC1とし、その他全てのユニット列2のメモリセルCを非選択メモリセルC2としたときの各箇所の電圧値を示している。なお、ここでは、説明の便宜上、選択メモリセルC1が配置されたユニット列2を選択ユニット列2aと呼び、非選択メモリセルC2だけが配置されたユニット列2を非選択ユニット列2bと呼ぶ。また、選択ユニット列2aの電源ユニット4を選択電源ユニット4aと呼び、非選択ユニット列2bの電源ユニット4を非選択電源ユニット4bと呼ぶ。
さらに、共通配線として一対の共通PMOS制御線PGa(PGb,PGc,PGd)及び共通NMOS制御線NGa(NGb,NGc,NGd)が配置された行について、行中に選択メモリセルC1が配置された行を選択行3aと呼び、一方、行中に非選択メモリセルC2だけが配置された行を非選択行3bと呼ぶ。また、以下、選択ユニット列2aと選択行3aとが交差する第1領域AR1に着目して説明した後、選択ユニット列2aと非選択行3bとが交差する第2領域AR2、非選択ユニット列2bと選択行3a及び非選択行3bとが交差する第3領域AR3の順に着目して説明する。
(1−2−1)第1領域について
この場合、選択行3aでは、インバータ回路11によって、共通PMOS制御線PGa及び共通NMOS制御線NGaに、共通電圧として第2MOS電源線VL2における0[V]の第2制御電圧が印加されている。また、選択電源ユニット4aには、第1電源線5aにユニット電圧として12[V]の書き込みゲート電圧(電荷蓄積ゲート電圧)が印加され、一方、第2電源線6aにユニット電圧として0[V]の書き込み禁止ゲート電圧(電荷蓄積禁止ゲート電圧)が印加されている。なお、この選択ユニット列2aでは、第1電源線5aが形成されたN型ウェルNW1に、第1電源線5aの電圧値と同じ12[V]が印加され、一方、第2電源線6aが形成されたP型ウェルPW1に第2電源線6aの電圧値と同じ0[V]が印加されている。
これにより、選択ユニット列2aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに0[V]の第2制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該12[V]の書き込みゲート電圧をドレインから選択ワード線(選択メモリセルC1が接続されたワード線15)15aに印加し得るようになされている。
これに対して、選択ユニット列2aの選択行3aにて、このPMOSスイッチ8aと対をなすNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第2制御電圧が印加され、第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、この第1領域AR1の選択ワード線15aには、PMOSスイッチ8aを介して12[V]の書き込みゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、選択ユニット列2aのP型メモリウェルPW2には、0[V]が印加され、また、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに0[V]の書き込み電圧が印加されている。これにより、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された選択メモリセルC1には、PMOSスイッチ8aから選択ワード線15aを介して制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加され、かつ選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加され得る。かくして、選択メモリセルC1は、制御ゲートの電圧値がチャネル領域の電圧値に比して極めて大きくなり、その結果、量子トンネル効果が発生して、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得るようになされている。
これに対して、第1領域AR1の非選択メモリセルC2は、PMOSスイッチ8aから選択ワード線15aを介して制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されるものの、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加されていることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。このように、第1領域AR1では、PMOSスイッチ8aをオン動作させて、高電圧の書き込みゲート電圧を選択ワード線15aに印加し、当該選択ワード線15aに接続された選択メモリセルC1にて電荷蓄積層に電荷を注入され得るようになされている。
(1−2−2)第2領域について
次に、選択ユニット列2aと非選択行3bとが交わる第2領域AR2に着目して以下説明する。ここで非選択メモリセルC2だけが配置された非選択行3bでは、インバータ回路11によって、共通電圧として第1MOS電源線VL1における12[V]の第1制御電圧が、共通PMOS制御線PGb(PGc,PGd)及び共通NMOS制御線NGb(NGc,NGd)に印加されている。これにより、例えば、選択ユニット列2aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに12[V]の第1制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該12[V]の書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
一方、選択ユニット列2aの非選択行3bにてPMOSスイッチ8cと対をなすNMOSスイッチ9cは、共通NMOS制御線NGbからゲートに12[V]の第1制御電圧が印加され、第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧を第2領域AR2の非選択ワード線(非選択メモリセルC2だけが接続されたワード線15)15cに印加し得るようになされている。かくして、この第2領域AR2の非選択ワード線15cには、NMOSスイッチ9cを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第2領域AR2において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された非選択メモリセルC2では、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加されるものの、NMOSスイッチ9cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生せずに、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
また、第2領域AR2において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2でも、NMOSスイッチ9cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せずに、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。このように、第2領域AR2では、NMOSスイッチ9cがオン動作することにより、低電圧の書き込み禁止ゲート電圧を非選択ワード線15cに印加し、当該非選択ワード線15cに接続された非選択メモリセルC2にて電荷蓄積層に電荷が注入されないようになされている。
(1−2−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列2bの第3領域AR3に着目して以下説明する。この場合、非選択電源ユニット4bには、第1電源線5b及び第2電源線6bに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧(電荷蓄積禁止ゲート電圧)が印加されている。また、この非選択ユニット列2bでは、第1電源線5bが形成されたN型ウェルNW1に12[V]が印加され、一方、第2電源線6bが形成されたP型ウェルPW1に0[V]が印加されている。ここで、非選択ユニット列2bの選択行3aでは、インバータ回路11によって、第2MOS電源線VL2における0[V]の第2制御電圧が、共通PMOS制御線PGaと共通NMOS制御線NGaとに印加されている。
これにより、非選択ユニット列2bの選択行3aのPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに0[V]の第2制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該6[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。
一方、非選択ユニット列2bの選択行3aにて、このPMOSスイッチ8bと対をなすNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲート線に0[V]の第2制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態なり、当該6[V]の書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、この第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択ワード線15bには、PMOSスイッチ8bを介して6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、この非選択ユニット列2bでは、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに6[V]の書き込み禁止電圧が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択メモリセルC2では、PMOSスイッチ8bを介して非選択ワード線15bから制御ゲートに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され、かつ非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端にも6[V]の書き込み禁止電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
次に、第3領域AR3の非選択行3bについて着目する。この場合、非選択行3bでは、インバータ回路11によって、第1MOS電源線VL1における12[V]の第1制御電圧が、共通PMOS制御線PGbと共通NMOS制御線NGbとに印加されている。これにより、非選択ユニット列2bの非選択行3bのPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGbからゲートに12[V]の第1制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該6[V]の書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
これに対して、非選択ユニット列2bの非選択行3bにて、このPMOSスイッチ8dと対をなすNMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲート線に12[V]の第1制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態なり、当該6[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、この第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択ワード線15dには、NMOSスイッチ9dを介して6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択メモリセルC2では、NMOSスイッチ9dから非選択ワード線15dを介して制御ゲートに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され、かつ非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなくチャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
このように、非選択電源ユニット4bには、選択電源ユニット4aに設けられた第1電源線5a及び第2電源線6aとは別に、独立した第1電源線5b及び第2電源線6bが設けられており、隣接する第1領域AR1に印加される12[V]の書き込みゲート電圧とは別に、第3領域AR3における選択行3a及び非選択行3bの各非選択ワード線15b,15dに対して6[V]の書き込み禁止ゲート電圧を印加し得る。かくして、第3領域AR3は、選択ユニット列2aに拘束されることなく、非選択ワード線15b,15dに印加される書き込み禁止ゲート電圧と、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに印加される書き込み禁止電圧と、P型メモリウェルPW2に印加される電圧とを全て6[V]の同電圧に設置し得る。
(1−3)動作及び効果
以上の構成において、不揮発性半導体記憶装置1では、行列状に形成された複数のワード線15と、各ワード線15に連結された複数のメモリセルCと、複数のメモリセルCに選択的な電圧を印加し得る第1ビット線L1及び第2ビット線L2と、各ワード線列にそれぞれ対応して設けられた複数の電源ユニット4とを備え、ワード線15毎に一対のPMOSスイッチ8a(8b,8c,8d,…)及びNMOSスイッチ9a(9b,9c,9d,…)がそれぞれ各電源ユニット4に設けられている。
また、この不揮発性半導体記憶装置1では、ワード線行単位で共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdが設けられており、共通PMOS制御線PGa(PGb)によって同一行のPMOSスイッチ8a,8b(8c,8d)に第1PMOS制御電圧又は第2PMOS制御電圧を印加し、共通NMOS制御線NGa(NGb)によって同一行のNMOSスイッチ9a,9b(9c,9d)に第1NMOS制御電圧又は第2NMOS制御電圧を印加する。
さらに、この不揮発性半導体記憶装置1では、書き込みゲート電圧又は書き込み禁止ゲート電圧が印加される第1電源線5a,5bと、書き込み禁止ゲート電圧が印加される第2電源線6a,6bとが各電源ユニット4毎に設けられており、第1電源線5a,5bが各PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)を介してワード線15に接続され、第2電源線6a,6bが各NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)を介してワード線15に接続されている。
そして、この不揮発性半導体記憶装置1では、データ書き込み時、各電源ユニット4毎に、共通PMOS制御線PGa〜PGd及び第1電源線5a(5b)の電圧差により各PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)をオンオフ動作させるとともに、共通NMOS制御線NGa〜NGd及び第2電源線6a(6b)の電圧差により各NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)もオンオフ動作させることにより、各P型メモリウェルPW2毎に書き込みゲート電圧又は書き込み禁止ゲート電圧を個別に印加する。かくして、不揮発性半導体記憶装置1では、一のワード線列に印加される電圧に拘束されることなく、他のワード線列にて、書き込み禁止ゲート電圧の電圧値や、そのときのP型メモリウェルPW2に印加される電圧値、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cの電圧値を、例えば非選択メモリセルC2にてディスターブの発生を抑制し得る電圧値にそれぞれ自由に設定できる。
この実施の形態の場合、非選択電源ユニット4bでは、例えば選択ユニット列2aの選択ワード線15aに印加される12[V]の書き込みゲート電圧に拘束されることなく、非選択ユニット列2bにおける各非選択ワード線15b,15dに印加する書き込み禁止ゲート電圧を6[V]の低電圧に設定し得、さらにP型メモリウェルPW2の電圧値や、非選択第1ビット線L1c、非選択第2ビット線L2cの電圧値を全て同電圧の6[V]に設定できるので、仮に選択ユニット列2aにて選択メモリセルC1に対するデータの書き込み動作が繰り返されたとしても、非選択ユニット列2bの各非選択メモリセルC2に影響がなくディスターブの発生を抑制し得る。
また、不揮発性半導体記憶装置1では、ユニット配線として第1電源線5a,5b及び第2電源線6a,6bが電源ユニット4毎にそれぞれ個別に設けられているものの、各電源ユニット4間が共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdにより接続されており、これら共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdに印加する電圧値を調整することで、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)及びNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)をオンオフ動作させ、全てのワード線15の中から選択ワード線15aを選択的に決定できる。かくして、この不揮発性半導体記憶装置1では、ワード線列毎(P型メモリウェルPW2毎)にそれぞれ独立した行方向アドレスデコーダを設ける必要がなく、従来同様に小型化を図ることができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)データの書き込み動作
図1との対応部分に同一符号を付して示す図2において、21は第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置を示し、図1に示した第1MOS電源線VL1及び第2MOS電源線VL2に替えて、第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4と、第1NMOS電源線VL5及び第2NMOS電源線VL6とを設けた点で、上述した第1の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置1とは相違している。実際上、この不揮発性半導体記憶装置21は、第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4が列方向に延設されており、これら第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4と並走するようにして第1NMOS電源線VL5及び第2NMOS電源線VL6も列方向に延設された構成を有する。
第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4には、複数の第1インバータ回路24が接続されており、各第1インバータ回路24の出力部にそれぞれ共通PMOS制御線PGa,PGb,PGc,PGdだけが接続されている。各第1インバータ回路24は、第1PMOS電源線VL3に印加されている第1PMOS制御電圧と、第2PMOS電源線VL4に印加されている第2PMOS制御電圧のいずれか一方を行毎に選択し、これを共通PMOS制御線PGa,PGb,PGc,PGdに印加し得るようになされている。
また、第1NMOS電源線VL5及び第2NMOS電源線VL6にも、複数の第2インバータ回路25が接続されており、各第2インバータ回路25の出力部に共通NMOS制御線NGa,NGb,NGc,NGdだけが接続されている。各第2インバータ回路25は、第1NMOS電源線VL5に印加されている第1NMOS制御電圧と、第2NMOS電源線VL6に印加されている第2NMOS制御電圧のいずれか一方を行毎に選択し、これを共通NMOS制御線NGa,NGb,NGc,NGdに印加し得るようになされている。
ここで図2は、上述した第1実施の形態と同様に、複数のメモリセルCのうち、第1列目のユニット列2における第1行1列目のメモリセルCを、データが書き込まれる選択メモリセルC1とし、その他全てのユニット列2のメモリセルCを非選択メモリセルC2としたときの各箇所の電圧値を示している。この場合、第1PMOS電源線VL3には12[V]の第1PMOS制御電圧が印加されているとともに、第2PMOS電源線VL4には4[V]の第2PMOS制御電圧が印加されている。また、第1NMOS電源線VL5には8[V]の第1NMOS制御電圧が印加されているとともに、第2NMOS電源線VL6には0[V]の第2NMOS制御電圧が印加されている。
(2−1−1)第1領域について
ここでは、先ず初めに第1領域AR1に着目して説明した後、第2領域AR2、第3領域AR3の順に説明する。この場合、選択ユニット列2aの選択電源ユニット4aには、第1電源線5aにユニット電圧として12[V]の書き込みゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6aにユニット電圧として0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。この際、選択メモリセルC1が配置された選択行3aでは、第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4に接続された第1インバータ回路24によって、共通電圧として第2PMOS電源線VL4における4[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。
これにより、選択ユニット列2aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに4[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオン状態となり、ドレインから選択ワード線15aへ当該12[V]の書き込みゲート電圧を印加し得るようになされている。
ここで、選択ユニット列2aでは、選択メモリセルC1に接続された選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに0[V]の書き込み電圧が印加され、非選択メモリセルC2が接続された非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに6[V]の書き込み禁止電圧が印加されている。これにより、第1領域AR1において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された選択メモリセルC1では、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加され、かつPMOSスイッチ8aを介して選択ワード線15aから制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が大きくなり、その結果、量子トンネル効果が発生して、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得る。
一方、第1領域AR1において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2では、PMOSスイッチ8aを介して選択ワード線15aから制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されるものの、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
因みに、この際、選択行3aでは、第1NMOS電源線VL5及び第2NMOS電源線VL6に接続された第2インバータ回路25によって、共通電圧として第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、選択ユニット列2aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aから一端に0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、上述したように第1領域AR1の選択ワード線15aには、PMOSスイッチ8aを介して12[V]の書き込みゲート電圧が印加され得るようになされている。
このように、第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置21は、選択ユニット列2aの選択行3aにて、PMOSスイッチ8aをオン動作させる際、当該PMOSスイッチ8aにおいて、ゲートに印加される第2PMOS制御電圧(4[V])と、ソースに印加される書き込みゲート電圧(12[V])との電圧差を、第1の実施の形態よりも低い8[V]以下に設定し得るようになされている。
(2−1−2)第2領域について
次に、選択ユニット列2aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非選択メモリセルC2だけが配置された非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、共通電圧として第1PMOS電源線VL3における12[V]の第1PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、選択ユニット列2aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、この書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、共通電圧として第1NMOS電源線VL5における8[V]の第1NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、選択ユニット列2aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9cでは、共通NMOS制御線NGbからゲートに8[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cへ印加し得るようになされている。
かくして、第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置21は、選択ユニット列2aの非選択行3bにて、NMOSスイッチ9cをオン動作させる際、当該NMOSスイッチ9cにおいて、ゲートに印加される第1NMOS制御電圧(8[V])と、ソースに印加される書き込み禁止ゲート電圧(0[V])との電圧差を、第1の実施の形態よりも低い8[V]以下に設定し得るようになされている。
ここで、第2領域AR2において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された非選択メモリセルC2は、これら選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加されるものの、NMOSスイッチ9cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに同じく0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
また、第2領域AR2において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2でも、これら非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつNMOSスイッチ9cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
(2−1−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列2bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列2bの非選択電源ユニット4bには、第1電源線5b及び第2電源線6bにそれぞれ6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。また、選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における4[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列2bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに4[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bへ印加し得るようになされている。
ここで、非選択ユニット列2bでは、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに6[V]の書き込み禁止電圧が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み電圧が印加され、かつPMOSスイッチ8bを介して非選択ワード線15bから制御ゲートに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生せずに、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
なお、非選択ユニット列2bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択ワード線15bには、PMOSスイッチ8bを介して6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
一方、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における12[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列2bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdからゲートに12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における8[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列2bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9dでは、共通NMOS制御線NGb(NGc,NGd)からゲートに8[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を非選択ワード線15dへ印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択ワード線15dには、NMOSスイッチ9dを介して6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつNMOSスイッチ9dを介して非選択ワード線15dから制御ゲートに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
このようにして、第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置21では、複数のメモリセルCのうち、第1列目の選択ユニット列2aの選択メモリセルC1だけにデータが書き込まれ、それ以外の非選択ユニット列2bの全ての非選択メモリセルC2にはデータが書き込まれない状態となり得る。
(2−2)データの消去動作
次に、この不揮発性半導体記憶装置21において、メモリセルCのデータを消去する際の電圧印加について以下説明する。図2との対応部分に同一符号を付して示す図3は、データの消去動作を行う第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置27を示し、複数のメモリセルCのうち、第1領域AR1にある全てのメモリセルCのデータを消去し、それ以外の全てのメモリセルCについてはデータを消去しないときの各箇所の電圧値を示している。この場合、第1PMOS電源線VL3には、データ書き込み時と異なる10[V]の第1PMOS制御電圧が印加されているとともに、第2PMOS電源線VL4には、データ書き込み時と同じ4[V]の第2PMOS制御電圧が印加されている。また、第1NMOS電源線VL5には、データ書き込み時と同じ8[V]の第1NMOS制御電圧が印加されているとともに、第2NMOS電源線VL6にも、データ書き込み時と同じ0[V]の第2NMOS制御電圧が印加されている。
(2−2−1)第1領域について
ここでは、先ず初めに第1領域AR1に着目して説明した後、第2領域AR2、第3領域AR3の順に説明する。この場合、データを消去するメモリセル(以下、これを消去メモリセルと呼ぶ)C3が配置された選択ユニット列2aの選択電源ユニット4aには、第1電源線5aに10[V]の非消去ゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6aに0[V]の消去ゲート電圧が印加されている。この際、選択行3aでは、第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4に接続された第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における10[V]の第1PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、選択ユニット列2aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに10[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに10[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、選択行3aでは、第1NMOS電源線VL5及び第2NM電源線VL6に接続された第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における8[V]の第1NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、選択ユニット列2aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに8[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該消去ゲート電圧をドレインから選択ワード線15aに印加し得るようになされている。かくして、データの消去時、第1領域AR1の選択ワード線15aには、NMOSスイッチ9aを介して0[V]の消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、選択ユニット列2aには、複数のメモリセルCが形成されたP型メモリウェルPW2に10[V]が印加されているとともに、選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dに10[V]の消去電圧が印加されている。これにより、第1領域AR1における各消去メモリセルC3には、選択ワード線15aから制御ゲートに0[V]の消去ゲート電圧が印加され、かつ選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dから一端及び他端に10[V]の消去電圧が印加され得る。かくして、各消去メモリセルC3は、チャネル領域側の電圧値が制御ゲート側の電圧値よりも極めて大きくなり、電荷蓄積層内に蓄積された電荷が電圧の高いチャネル領域に引き込まれて、当該電荷蓄積層から電荷が引き抜かれることで、データを消去し得るようになされている。
(2−2−2)第2領域について
次に、選択ユニット列2aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、データが消去されないメモリセル(以下、これを非消去メモリセルと呼ぶ)C4が配置された非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における4[V]の第2PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、選択ユニット列2aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに4[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに10[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、この非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cに印加し得るようになされている。
これにより、第2領域AR2に配置された非消去メモリセルC4では、選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dから10[V]の消去電圧が印加されているものの、PMOSスイッチ8cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに10[V]の非消去ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、電荷蓄積層内から電荷が引き抜かれることもなく、電荷蓄積層内の電荷状態を維持し得るようになされている。
因みに、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、選択ユニット列2aの非選択行3bに配置された各NMOSスイッチ9cは、共通NMOS制御線NGbからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該0[V]の消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、データの消去時、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、PMOSスイッチ8cを介して10[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(2−2−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列2bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列2bの非選択電源ユニット4bには、第1電源線5b及び第2電源線6bにそれぞれ6[V]の非消去ゲート電圧が印加されている。ここで、この選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における10[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列2bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに10[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに6[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
このとき、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における8[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NG1に印加されている。これにより、非選択ユニット列2bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに8[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに6[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。かくして、データの消去時、第3領域AR3のうち選択行3aに配置された非選択ワード線15bには、NMOSスイッチ9bを介して6[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、非選択ユニット列2bには、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eにそれぞれ6[V]の非消去電圧が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非消去メモリセルC4には、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eから6[V]の非消去電圧が一端及び他端に印加され、かつNMOSスイッチ9bを介して非選択ワード線15bから制御ゲートに6[V]の非消去ゲート電圧が印加され得る。かくして、第3領域AR3の選択行3aに配置された非消去メモリセルC4は、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、電荷蓄積層内から電荷が引き抜かれることもなく、電荷蓄積層内の電荷状態を維持し得る。
また、この際、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における4[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列2bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGbからゲートに4[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに6[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非消去メモリセルC4には、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eから一端及び他端に6[V]の非消去電圧が印加され、かつPMOSスイッチ8dを介して非選択ワード線15dから制御ゲートに6[V]の非消去ゲート電圧が印加され得る。かくして、第3領域AR3における非選択行3bの非消去メモリセルC4は、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、電荷蓄積層内から電荷が引き抜かれることもなく、電荷蓄積層内の電荷状態を維持し得る。
因みに、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列2bの非選択行3bに配置された各NMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに6[V]の消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、データの消去時、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択ワード線15dには、PMOSスイッチ8dを介して6[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。このようにして不揮発性半導体記憶装置27は、各箇所の電圧値を調整することにより、選択ユニット列2aの選択行3aに配置された消去メモリセルC3のデータだけを一括して消去し得るようになされている。
(2−3)動作及び効果
以上の構成において、この不揮発性半導体記憶装置21でも、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、不揮発性半導体記憶装置21でも、例えば選択ユニット列2aの選択ワード線15aに印加される12[V]の書き込みゲート電圧に拘束されることなく、非選択ユニット列2bの非選択ワード線15b,15dに印加される書き込み禁止ゲート電圧を6[V]に設定し得、さらにP型メモリウェルPW2の電圧値や、非選択第1ビット線L1c、非選択第2ビット線L2cの電圧値を全て同電圧に設定できることから、仮に選択ユニット列2aにて選択メモリセルC1に対するデータの書き込み動作が繰り返されたとしても、非選択ユニット列2bの各非選択メモリセルC2におけるディスターブの発生を抑制し得る。
また、不揮発性半導体記憶装置21では、第1電源線5a,5b及び第2電源線6a,6bが電源ユニット4毎にそれぞれ個別に設けられているものの、各電源ユニット4間が共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdにより接続されており、これら共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdに印加される電圧値を調整することで、各電源ユニット4のPMOSスイッチ8a,8b,8c,8d,…及びNMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…をオンオフ動作させ、複数のワード線15の中から選択ワード線15aを選択的に決定できる。かくして、この不揮発性半導体記憶装置21でも、ワード線列(P型メモリウェルPW2)毎にそれぞれ独立した行方向アドレスデコーダを設ける必要がなく、従来同様に小型化を図ることができる。
これに加えて、この第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置21では、第1PMOS電源線VL3又は第2PMOS電源線VL4のいずれか一方の制御電圧(第1PMOS制御電圧又は第2PMOS制御電圧)を、共通PMOS制御線PGa〜PGdを介して各PMOSスイッチ8a,8b,8c,8d,…に印加し、これとは別に、第1NMOS電源線VL5又は第2NMOS電源線VL6のいずれか一方の制御電圧(第1NMOS制御電圧又は第2NMOS制御電圧)を、共通NMOS制御線NGa〜NGdを介して各NMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…に印加している。
このように不揮発性半導体記憶装置21では、これらPMOSスイッチ8a,8b,8c,8d,…及びNMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…に印加する電源系を分離したことで、データ書き込み時、PMOSスイッチ8a,8b,8c,8d,…をオンオフ動作させるのに必要となる制御電圧に拘束されることなく、NMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…をオンオフ動作させる制御電圧を自由に設定できるようになり、これらPMOSスイッチ8a,8b,8c,8d,…とNMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…とをそれぞれオンオフ動作させるのに必要となる制御電圧の最大電圧差を、第1の実施の形態よりも低い8[V]以下に設定できる。
因みに、図1に示すような第1の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置1では、例えばデータ書き込み時やデータ消去時、共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdにフル振幅で12[V](12[V]/0[V])の電圧差があることから、PMOSスイッチ8a,8b,8c,8d,…やNMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…でも、この12[V]の電圧差に対する耐圧構造が必要となる。具体的には、例えばゲート絶縁膜の許容電界を7[MV/cm]とすると、ゲート絶縁膜の膜厚を18[nm]以上としたPMOSスイッチ8a,8b,8c,8d,…やNMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…をも用いる必要があった。
これに対して、図2に示す不揮発性半導体記憶装置21では、データ書き込み時やデータ消去時、PMOSスイッチ8a,8b,8c,8d,…及びNMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…がオンオフ動作する際の最大電圧差を8[V]以下に設定できることから、ゲート絶縁膜の膜厚を12[nm]まで薄膜化させたPMOSスイッチ8a,8b,8c,8d,…及びNMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…を用いることができる。
また、これと同時に、この不揮発性半導体記憶装置21では、第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4の駆動回路や、第1NMOS電源線VL5及び第2NMOS電源線VL6の駆動回路にかかる電圧の電圧差も8[V]以下となり、PMOSスイッチ8a,8b,8c,8d,…やNMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…と同様に、周辺回路についてもゲート絶縁膜の膜厚を薄くしたトランジスタ構造とすることができる。
なお、その一方で、NMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…において、制御ゲートとチャネル領域間の電界が抑えられるものの、最大電圧振幅が12[V](書き込みゲート電圧12[V] - 最小の書き込み禁止ゲート電圧0[V]=最大電圧振幅12[V])であるワード線15と接続されたドレインでは、12[V]の耐圧構造が必要となる。このため、NMOSスイッチ9a,9b,9c,9d,…では、薄膜のトランジスタを採用し得るものの、ワード線15が接続されるドレインに高耐圧構造を設けたトランジスタが用いられる(これについては、後段の「(11)NMOSスイッチの耐圧構造について」において説明する)。
また、この非選択電源ユニット4bでは、データ書き込み時、PMOSスイッチ8b,8d,…が形成されるN型ウェルNW1に12[V]が印加されているものの、このPMOSスイッチ8b,8d,…のドレインに接続される各非選択ワード線15b,15d,…に僅かに電圧値が高い6[V]の書き込み禁止ゲート電圧を印加して、これらPMOSスイッチ8b,8d,…のドレインと、N型ウェルNW1との間の電圧差を6[V]と比較的小さくするようにしたことから、その分、PMOSスイッチ8b,8d,…に対する電圧負担が軽減され、PMOSスイッチ8b,8d,…の信頼性を向上できる。
(3)第3の実施の形態
(3−1)データの書き込み動作
図2との対応部分に同一符号を付して示す図4において、31は第3の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置を示し、この不揮発性半導体記憶装置31は、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)及びNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)に加えて、各行毎に補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)を各電源ユニット34に設け、データの書き込み時、非選択ユニット列32bにて各非選択ワード線15b,15d,…に0[V]の書き込み禁止ゲート電圧を、補助NMOSスイッチ36b,36d,…により印加させるようにした点で、上述した第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置21と相違している。
そして、第3の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置31では、このような構成を有していることにより、これらPMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)とNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)とをそれぞれオンオフ動作させるのに必要となる制御電圧の最大電圧差を、第2の実施の形態よりも一段と低い6[V]以下に設定し得るようになされている。
ここで、図4は、上述した第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置21と同様に、複数のメモリセルCのうち、第1列目のユニット列32における第1行1列目のメモリセルCを、データが書き込まれる選択メモリセルC1とし、その他全てのユニット列32のメモリセルCを、非選択メモリセルC2としたときの各箇所の電圧値を示している。この場合、第1PMOS電源線VL3には、上述した第2の実施の形態と同じ、12[V]の第1PMOS制御電圧が印加されるものの、第2PMOS電源線VL4には、上述した第2の実施の形態よりも高い6[V]の第2PMOS制御電圧が印加されており、これら第1PMOS制御電圧と第2NMOS制御電圧との電圧差は、上述した第2の実施の形態よりも小さい6[V]となっている。
これにより、これら第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4に第1インバータ回路24を介して接続された共通PMOS制御線PGa〜PGdには、当該第1インバータ回路24によって、非選択行3bのとき12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、一方、選択行3aのとき6[V]の第2PMOS制御電圧が印加され得る。このように共通PMOS制御線PGa〜PGdは、選択行3aのときと、非選択行3bのときとの電圧振幅が6[V](すなわち、12[V]-6[V])に設定され、当該電圧振幅の小振幅化が図られている。これにより、共通PMOS制御線PGa〜PGdに接続されたPMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)では、選択行3a及び非選択行3bでのゲートにおける電圧振幅の小振幅化が図られ、その分、ゲート絶縁膜を薄膜化し得る。
これに対して、第2NMOS電源線VL6には、上述した第2の実施の形態と同様に0[V]の第2NMOS制御電圧が印加されているものの、第1NMOS電源線VL5には、上述した第2の実施の形態よりも低い6[V]の第1NMOS制御電圧が印加されており、これら第1NMOS制御電圧と第2NMOS制御電圧との電圧差は、上述した第2の実施の形態よりも小さい6[V]になっている。
これにより、これら第1NMOS電源線VL5及び第2NMOS電源線VL6に第2インバータ回路25を介して接続された共通NMOS制御線NGa〜NGdには、当該第2インバータ回路25によって、非選択行3bのとき6[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、一方、選択行3aのとき0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され得る。このように共通NMOS制御線NGa〜NGdは、選択行3aのときと、非選択行3bのときとの電圧振幅が6[V](すなわち、6[V]-0[V])に設定し得ることから、当該電圧振幅の小振幅化が図られている。これにより、共通NMOS制御線NGa〜NGdに接続されたNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)では、選択行3a及び非選択行3bでのゲートにおける電圧振幅の小振幅化が図られ、その分、ゲート絶縁膜を薄膜化し得る。
かかる構成に加えて、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)が形成されたP型ウェルPW1には、当該NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)と対応させてトランジスタ構成の補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)が形成されている。また、このP型ウェルPW1には、列方向に延びる第2電源線6a(6b)に加えて、当該第2電源線6a(6b)と並走するようにして同じく列方向に延びる補助MOS電源線7a(7b)が設けられている。補助MOS電源線7a(7b)は、電源ユニット34内に配置された各補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)の制御ゲートに接続され、これら電源ユニット34内の補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)に所定の補助制御電圧を一律に印加し得るようになされている。
実際上、選択ユニット列32aに配置された補助NMOSスイッチ36a,36c,…には、0[V]の補助制御電圧が補助MOS電源線7aからゲートに印加され、一方、非選択ユニット列32bに配置された補助NMOSスイッチ36b,36d,…には、6[V]の補助制御電圧が補助MOS電源線7bからゲートに印加され得る。また、各補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)には、ソースに第2電源線6a(6b)が接続されているとともに、ドレインにワード線15が接続されており、第2電源線6a(6b)からソースに書き込み電圧又は書き込み禁止電圧が印加され得る。
(3−1−1)第1領域について
ここで、先ず初めに第1領域AR1に着目すると、選択ユニット列32aの選択電源ユニット34aには、第1電源線5aに12[V]の書き込みゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6aに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。この際、選択行3aでは、1インバータ回路24によって、共通電圧として第2PMOS電源線VL4における6[V]の第2PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGaに印加されている。
これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに6[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該12[V]の書き込みゲート電圧をドレインから選択ワード線15aに印加し得るようになされている。かくして、第1領域AR1において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された選択メモリセルC1では、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加され、選択ワード線15aから制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が大きくなり、その結果、量子トンネル効果が発生し、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得る。
このように、第3の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置31は、選択ユニット列32aの選択行3aにてPMOSスイッチ8aをオン動作させる際、当該PMOSスイッチ8aにおいて、ゲートに印加される第2PMOS制御電圧(6[V])と、ソースに印加される書き込みゲート電圧(12[V])との電圧差を、第2の実施の形態よりも一段と低い6[V]以下に設定し得るようになされている。
なお、第1領域AR1における他の非選択メモリセルC2では、上述した第1の実施の形態と同様に、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから6[V]の書き込み禁止電圧が一端及び他端に印加されることから、選択ワード線15aから制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されても、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さく、その結果、量子トンネル効果が発生せずに、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
因みに、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、選択ユニット列32aでは、補助MOS電源線7aに0[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36aは、補助MOS電源線7aからゲートに0[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第1領域AR1の選択ワード線15aには、PMOSスイッチ8aを介して12[V]の書き込みゲート電圧が印加され得るようになされている。
(3−1−2)第2領域について
次に、選択ユニット列32aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非選択行3bでは、第1PMOS電源線VL3に印加されている12[V]の第1PMOS制御電圧を第1インバータ回路24によって選択し、当該第1PMOS制御電圧を共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加している。これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における6[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9cは、共通NMOS制御線NGbからゲートに6[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cへ印加し得る。
これにより、第2領域AR2において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された非選択メモリセルC2は、これら選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加されるものの、非選択ワード線15cから制御ゲートに同じく0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
また、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2では、これら非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ非選択ワード線15cから制御ゲートに同じく0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入されず、データが書き込まれない状態となり得る。
そして、この第3の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置31は、選択ユニット列32aの非選択行3bにてNMOSスイッチ9cをオン動作させる際、当該NMOSスイッチ9cにおいて、ゲートに印加される第1NMOS制御電圧(6[V])と、ソースに印加される書き込み禁止ゲート電圧(0[V])との電圧差を、第2の実施の形態よりも一段と低い6[V]に設定し得るようになされている。
なお、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36cは、補助MOS電源線7aからゲートに0[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、この書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、NMOSスイッチ9cを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(3−1−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列32bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列32bの非選択電源ユニット34bには、第1電源線5bに6[V]のオフ電圧が印加され、他方の第2電源線6bに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。この際、選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における6[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに6[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに6[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
ここで、非選択ユニット列32bでは、補助MOS電源線7bに6[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36bは、補助MOS電源線7bからゲートに6[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aにおける非選択ワード線15bには、補助NMOSスイッチ36bを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
この際、この実施の形態の場合、非選択ユニット列32bには、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに0[V]の書き込み禁止電圧が印加されており、これに合わせてP型メモリウェルPW2にも0[V]が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に0[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ非選択ワード線15bから制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
一方、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における12[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGbからゲートに12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに6[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における6[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲートに6[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。
さらに、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36dは、補助MOS電源線7bからゲートに6[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3における非選択行3bの非選択ワード線15dには、NMOSスイッチ9dと補助NMOSスイッチ36dとを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に0[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつNMOSスイッチ9d及び補助NMOSスイッチ36dを介して非選択ワード線15dから制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
このように、第3の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置31は、非選択ユニット列32bの非選択行3bにてNMOSスイッチ9d,…をオン動作させる際、当該NMOSスイッチ9d,…において、ゲートに印加される第1NMOS制御電圧(6[V])と、ソースに印加される書き込み禁止ゲート電圧(0[V])との電圧差を、第2の実施の形態よりも一段と低い6[V]に設定し得るようになされている。また、この不揮発性半導体記憶装置31は、非選択ユニット列32bにて、補助NMOSスイッチ36b,36d,…をオン動作させる際、当該補助NMOSスイッチ36b,36d,…において、ゲートに印加される補助制御電圧(6[V])と、ソースに印加される書き込み禁止ゲート電圧(0[V])との電圧差を6[V]に設定し得るようになされている。
(3−2)データの消去動作
次に、この不揮発性半導体記憶装置31において、メモリセルCのデータを消去する場合について以下説明する。図4との対応部分に同一符号を付して示す図5は、データの消去動作を行うときの第3の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置38を示し、複数のメモリセルCのうち、第1領域AR1にある全てのメモリセルCのデータを消去し、それ以外の全てのメモリセルCについてはデータを消去しないときの各箇所の電圧値を示している。この場合、第1PMOS電源線VL3には10[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、第2PMOS電源線VL4には8[V]の第2PMOS制御電圧が印加されている。また、第1NMOS電源線VL5には4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、第2NMOS電源線VL6には0[V]の第2NMOS制御電圧が印加されている。
(3−2−1)第1領域について
ここでは、先ず初めに第1領域AR1に着目して説明した後、第2領域AR2、第3領域AR3の順に説明する。この場合、消去メモリセルC3が配置された選択ユニット列32aの選択電源ユニット34aには、第1電源線5aに10[V]の非消去ゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6aに0[V]の消去ゲート電圧が印加されている。この際、選択行3aでは、第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4に接続された第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における10[V]の第1PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGaに印加されている。
これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに10[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに10[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における4[V]の第1NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、ドレインから選択ワード線15aに当該0[V]の消去ゲート電圧を印加し得る。
ここで、選択ユニット列32aには、複数のメモリセルCが形成されたP型メモリウェルPW2に10[V]が印加されているとともに、選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dに消去電圧として10[V]が印加されている。これにより、第1領域AR1における各消去メモリセルC3には、選択ワード線15aから制御ゲートに0[V]の消去ゲート電圧が印加され、かつ選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dから一端及び他端に10[V]の消去電圧が印加され得る。かくして、各消去メモリセルC3は、チャネル領域側の電圧値が制御ゲート側の電圧値よりも高くなり、電荷蓄積層内に蓄積された電荷が電圧の高いチャネル領域に引き込まれて、当該電荷蓄積層から電荷が引き抜かれることで、データを消去し得るようになされている。
因みに、この際、選択ユニット列32aでは、補助MOS電源線7aに0[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36aは、補助MOS電源線7aからゲートに0[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第1領域AR1の選択ワード線15aには、NMOSスイッチ9aを介して0[V]の消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(3−2−2)第2領域について
次に、選択ユニット列32aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における8[V]の第2PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに8[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに10[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、この非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cに印加し得るようになされている。
これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置された非消去メモリセルC4は、選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dから10[V]の消去電圧が印加されているものの、10[V]の非消去ゲート電圧が、PMOSスイッチ8cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、電荷蓄積層内から電荷が引き抜かれることもなく、電荷蓄積層内の電荷状態を維持し得るようになされている。
因みに、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9cは、共通NMOS制御線NGbからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36cは、上述したように補助MOS電源線7aからゲートに0[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、PMOSスイッチ8cを介して10[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(3−2−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列32bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列32bの非選択電源ユニット34bには、第1電源線5bに8[V]のオフ電圧が印加され、第2電源線6bに4[V]の非消去ゲート電圧が印加されている。ここで、選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における10[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに10[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに8[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における4[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに4[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
これに加えて、この際、非選択ユニット列32bでは、補助MOS電源線7bに6[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36bは、補助MOS電源線7bからゲートに6[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに4[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、ドレインから非選択ワード線15bに当該非消去ゲート電圧を印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択ワード線15bには、補助NMOSスイッチ36bを介して4[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、非選択ユニット列32bには、P型メモリウェルPW2に4[V]が印加されているとともに、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eに6[V]の非消去電圧が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非消去メモリセルC4には、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eから一端及び他端に6[V]の非消去電圧が印加され、かつ補助NMOSスイッチ36bを介して非選択ワード線15bから制御ゲートに4[V]の非消去ゲート電圧が印加され得る。かくして、第3領域AR3の選択行3aに配置された非消去メモリセルC4は、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さいことから、電荷蓄積層内から電荷が引き抜かれることもなく、電荷蓄積層内の電荷状態を維持し得る。
一方、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における8[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGbからゲートに8[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに8[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択ユニット列32bにおける非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに4[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
これに対して、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36dは、補助MOS電源線7bからゲートに6[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに4[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択ワード線15dには、補助NMOSスイッチ36dを介して4[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非消去メモリセルC4には、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eから一端及び他端に6[V]の非消去電圧が印加され、かつ補助NMOSスイッチ36dを介して非選択ワード線15dから制御ゲートに4[V]の非消去ゲート電圧が印加され得る。かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非消去メモリセルC4は、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さいことから、電荷蓄積層内から電荷が引き抜かれることもなく、電荷蓄積層内の電荷状態を維持し得る。
このようにして不揮発性半導体記憶装置38は、第1PMOS電源線VL3や、第2PMOS電源線VL4、第1NMOS電源線VL5、第2NMOS電源線VL6、第1電源線5a,5b、第2電源線6a,6b、補助MOS電源線7a,7b、第1ビット線L1、第2ビット線L2等の各箇所の電圧値を調整することにより、例えば選択ユニット列32aの選択行3aに配置した消去メモリセルC3だけデータの消去を行えるようになされている。
(3−3)他の実施の形態によるデータの消去動作
図5との対応部分に同一符号を付して示す図6は、上述した「(3−2)データの消去動作」とは異なり、負電圧を併用して消去メモリセルC3のデータを消去する不揮発性半導体記憶装置40を示し、複数のメモリセルCのうち、第1領域AR1にある全てのメモリセルCのデータを消去し、それ以外の全てのメモリセルCについてはデータを消去しないときの各箇所の電圧値を示している。この場合、第1PMOS電源線VL3には6[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、他方の第2PMOS電源線VL4には4[V]の第2PMOS制御電圧が印加されている。また、第1NMOS電源線VL5には0[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、他方の第2NMOS電源線VL6には-4[V]の第2NMOS制御電圧が印加されている。
(3−3−1)第1領域について
ここでは、先ず初めに第1領域AR1に着目して説明した後、第2領域AR2、第3領域AR3の順に説明する。この場合、消去メモリセルC3が配置された選択ユニット列32aの選択電源ユニット34aには、第1電源線5aに6[V]の非消去ゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6aに-4[V]の消去ゲート電圧が印加されている。また、第1電源線5aが形成されたN型ウェルNW1には6[V]が印加され、第2電源線6aが形成されたP型ウェルPW1には-4[V]が印加されている。さらに、この選択ユニット列32aには、消去メモリセルC3が接続された選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dに6[V]の消去電圧が印加されているとともに、P型メモリウェルPW2に同じく6[V]が印加されている。
選択行3aでは、第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4に接続された第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における6[V]の第1PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに6[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに6[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、選択行3aでは、第1NMOS電源線VL5及び第2NMOS電源線VL6に接続された第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における0[V]の第1NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-4[V]の消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、ドレインから選択ワード線15aに当該消去ゲート電圧を印加し得るようになされている。
これにより、第1領域AR1の各消去メモリセルC3には、NMOSスイッチ9aを介して選択ワード線15aから制御ゲートに-4[V]の消去ゲート電圧が印加され、かつ選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dから一端及び他端に6[V]の消去電圧が印加され得る。かくして、各消去メモリセルC3は、チャネル領域側の電圧値が制御ゲート側の電圧値よりも高くなり、電荷蓄積層内に蓄積された電荷が電圧の高いチャネル領域に引き込まれて、当該電荷蓄積層から電荷が引き抜かれることで、データを消去し得るようになされている。
なお、この際、選択ユニット列32aでは、補助MOS電源線7aに-4[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36aは、補助MOS電源線7aからゲートに-4[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-4[V]の消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第1領域AR1の選択行3aに配置された選択ワード線15aには、NMOSスイッチ9aを介して-4[V]の消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(3−3−2)第2領域について
次に、選択ユニット列32aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における4[V]の第2PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに4[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに6[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、この非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cへ印加し得るようになされている。
これにより、選択ユニット列32aの第2領域AR2に配置された非消去メモリセルC4は、選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dから6[V]の消去電圧が印加されているものの、PMOSスイッチ8cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに6[V]の非消去ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、電荷蓄積層内から電荷が引き抜かれることもなく、電荷蓄積層内の電荷状態を維持し得るようになされている。
因みに、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における-4[V]の第2NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9cは、共通NMOS制御線NGbからゲートに-4[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-4[V]の消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36cは、上述したように補助MOS電源線7aからゲートに-4[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-4[V]の消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となっていることから、当該消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、PMOSスイッチ8cを介して6[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(3−3−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列32bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列32bの非選択電源ユニット34bには、第1電源線5bに4[V]のオフ電圧が印加され、第2電源線6bに0[V]の非消去ゲート電圧が印加されている。また、非選択ユニット列32bでは、第1電源線5bが形成されたN型ウェルNW1に6[V]が印加され、第2電源線6bが形成されたP型ウェルPW1に0[V]が印加されている。ここで、選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における6[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに6[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに4[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における0[V]の第1NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択ユニット列32bでは、補助MOS電源線7bに2[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36bは、補助MOS電源線7bからゲートに2[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択ワード線15bには、補助NMOSスイッチ36bを介して0[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、非選択ユニット列32bには、P型メモリウェルPW2に0[V]が印加されているとともに、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eにそれぞれ2[V]の非消去電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置された非消去メモリセルC4には、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eから一端及び他端に2[V]の非消去電圧が印加され、かつ補助NMOSスイッチ36bを介して非選択ワード線15bから制御ゲートに0[V]の非消去ゲート電圧が印加され得る。かくして、第3領域AR3の選択行3aに配置された非消去メモリセルC4は、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さいことから、電荷蓄積層内から電荷が引き抜かれることもなく、電荷蓄積層内の電荷状態を維持し得る。
一方、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における4[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGbからゲートに4[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに4[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における-4[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置された各NMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲートに-4[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
これに対して、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36dは、補助MOS電源線7bからゲートに2[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択ワード線15dも、補助NMOSスイッチ36dを介して0[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非消去メモリセルC4には、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eから一端及び他端に2[V]の非消去電圧が印加され、かつ補助NMOSスイッチ36dを介して非選択ワード線15dから制御ゲートに0[V]の非消去ゲート電圧が印加され得る。かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非消去メモリセルC4は、制御ゲート及びチャネル領域間の電位差が小さいことから、電荷蓄積層内から電荷が引き抜かれることもなく、電荷蓄積層内の電荷状態を維持し得る。
このようにして不揮発性半導体記憶装置40は、第1PMOS電源線VL3や、第2PMOS電源線VL4、第1NMOS電源線VL5、第2NMOS電源線VL6、第1電源線5a,5b、第2電源線6a,6b、補助MOS電源線7a,7b、第1ビット線L1、第2ビット線L2等の各電圧値を、負電圧を用いて選定しても、例えば第1領域AR1にある全ての消去メモリセルC3のデータを消去し得るようになされている。
(3−4)動作及び効果
以上の構成において、不揮発性半導体記憶装置31でも、上述した第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、この第3の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置31では、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)及びNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)をオンオフ動作させるのに必要となる制御電圧に拘束されることなく、電源ユニット34毎に設けた補助MOS電源線7a(7b)からの補助制御電圧に応じてオンオフ動作する補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)を設けるようにした。
これにより、不揮発性半導体記憶装置31では、データ書き込み時、例えば非選択電源ユニット34bにて補助NMOSスイッチ36b,36d,…をオン動作させて非選択ワード線15b,15d,…に書き込み禁止ゲート電圧を印加することで、PMOSスイッチ8b,8d,…及びNMOSスイッチ9b,9d,…を非選択電源ユニット34bにてオン動作させることを不要にできる。
従って、不揮発性半導体記憶装置31では、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)及びNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)をオンオフ動作させるため、共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdに印加される制御電圧の電圧差を、選択電源ユニット34aにてPMOSスイッチ8a,8c,…及びNMOSスイッチ9a,9c,…が適宜オン動作し得る範囲で自由に設定できる。
この実施の形態の場合、この不揮発性半導体記憶装置31では、選択行3a及び非選択行3bのときPMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)のゲートに印加される制御電圧の電圧差が6[V]に選定され、選択行3a及び非選択行3bのときNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)のゲートに印加される制御電圧の電圧差も6[V]に選定されており、PMOSスイッチ8a,8c,…及びNMOSスイッチ9a,9c,…をオンオフ動作させる際にゲートにおける電圧差を、第2の実施の形態よりも一段と低い6[V]に設定でき、さらには補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)のオンオフ動作させる際にゲートにかかる制御電圧の最大電圧値をも6[V]以下に設定できる。
このように、この不揮発性半導体記憶装置31では、データ書き込み時やデータ消去時、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)や、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)、補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)がそれぞれオンオフ動作する際のゲートにおける最大電圧差を6[V]以下に設定できることから、その分、ゲート絶縁膜の膜厚を12[nm]以下にまで薄膜化させたPMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)、さらには補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)を用いることができる。
(4)第4の実施の形態
(4−1)データの書き込み動作
図4との対応部分に同一符号を付して示す図7において、41は第4の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置を示し、この不揮発性半導体記憶装置41は、上述した補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)(図4)に替えて補助PMOSスイッチ46a,46c,…(46b,46d,…)を設け、データの書き込み時、非選択ユニット列42bにて、この補助PMOSスイッチ46b,46d,…により各非選択ワード線15b,15d,…に12[V]の書き込み禁止ゲート電圧を印加するようにした点で、上述した第3の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置31と相違している。ここで、図7は、上述した実施の形態と同様に、複数のメモリセルCのうち、第1列目のユニット列42における第1行1列目のメモリセルC、をデータが書き込まれる選択メモリセルC1とし、それ以外の全てのメモリセルCを非選択メモリセルC2としたときの各箇所の電圧値を示している。
この場合、電源ユニット44のN型ウェルNW1には、当該PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)と対応させて、トランジスタ構成の補助PMOSスイッチ46a,46c,…(46b,46d,…)が形成されている。また、このN型ウェルNW1には、列方向に延びる第1電源線5a(5b)に加えて、当該第1電源線5a(5b)と並走するようにして同じく列方向に延びる補助MOS電源線45a(45b)が設けられている。各補助MOS電源線45a(45b)には、電源ユニット44内における複数の補助PMOSスイッチ46a,46c,…(46b,46d,…)の各ゲートが接続されており、選択ユニット列42aのとき、12[V]の補助制御電圧が印加され、一方、非選択ユニット列42bのとき、6[V]の補助制御電圧が印加され得る。
各補助PMOSスイッチ46a,46c,…(46b,46d,…)は、ソースが第1電源線5a(5b)に接続され、ドレインがワード線15に接続されており、補助MOS電源線45a(45b)からゲートに印加された補助制御電圧と、第1電源線5a(5b)からソースに印加された書き込み電圧又は書き込み禁止電圧との電圧差によりオンオフ動作し得るようになされている。
(4−1−1)第1領域について
ここで、先ず初めに第1領域AR1に着目すると、選択ユニット列42aの選択電源ユニット44aには、第1電源線5aに12[V]の書き込みゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6aに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。この際、選択メモリセルC1が配置された選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における6[V]の第2PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGaに印加されている。
これにより、選択ユニット列42aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに6[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該12[V]の書き込みゲート電圧をドレインから選択ワード線15aへ印加し得るようになされている。かくして、第1領域AR1において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された選択メモリセルC1では、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加され、PMOSスイッチ8aを介して選択ワード線15aから制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が大きくなり、その結果、量子トンネル効果が発生して、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得る。
ここで、第4の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置41でも、選択ユニット列42aの選択行3aにてPMOSスイッチ8aをオン動作させる際、当該PMOSスイッチ8aにおいて、ゲートに印加される第2PMOS制御電圧(6[V])と、ソースに印加される書き込みゲート電圧(12[V])との電圧差を、第2の実施の形態よりも一段と低い6[V]以下に設定し得るようになされている。
なお、第1領域AR1において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2では、上述した第1の実施の形態と同様に、選択ワード線15aから制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されるものの、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
因みに、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、選択ユニット列42aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
さらに、この際、選択ユニット列42aでは、補助MOS電源線45aに12[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、選択ユニット列42aの選択行3aに配置された補助PMOSスイッチ46aは、補助MOS電源線45aからゲートに12[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第1領域AR1の選択ワード線15aには、PMOSスイッチ8aを介して12[V]の書き込みゲート電圧が印加され得るようになされている。
(4−1−2)第2領域について
次に、選択ユニット列42aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非選択メモリセルC2だけが配置された非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における12[V]の第1PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、選択ユニット列42aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、この書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における6[V]の第1NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、選択ユニット列42aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9cは、共通NMOS制御線NGbからゲートに6[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cへ印加し得るようになされている。
この場合、この第4の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置41も、選択ユニット列42aの非選択行3bにてNMOSスイッチ9cをオン動作させる際、当該NMOSスイッチ9cにおいて、ゲートに印加される第1NMOS制御電圧(6[V])と、ソースに印加される書き込み禁止ゲート電圧(0[V])との電圧差を、第2の実施の形態よりも一段と低い6[V]に設定し得るようになされている。
かくして、第2領域AR2において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された非選択メモリセルC2は、これら選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加されるものの、NMOSスイッチ9cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに同じく0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
また、第2領域AR2において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2でも、これら非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつNMOSスイッチ9cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
なお、選択ユニット列42aの非選択行3bに配置された補助PMOSスイッチ46cは、補助MOS電源線45aからゲートに12[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、この書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、NMOSスイッチ9cを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(4−1−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列42bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列42bの非選択電源ユニット44bには、第1電源線5bに12[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6bに6[V]のオフ電圧が印加されている。この際、選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における6[V]の第2PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列42bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに6[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに12[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該12[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。
ここで、この際、非選択ユニット列42bでは、補助MOS電源線45bに6[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列42bの選択行3aに配置された補助PMOSスイッチ46bは、補助MOS電源線45bからゲートに6[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに12[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該12[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。
なお、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列42bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに6[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aにおける非選択ワード線15bには、補助PMOSスイッチ46bとPMOSスイッチ8bを介して12[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、この実施の形態の場合、非選択ユニット列42bには、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに12[V]の書き込み禁止電圧が印加されており、P型メモリウェルPW2に12[V]が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に12[V]の書き込み禁止電圧が印加され、非選択ワード線15bから制御ゲートに12[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され、さらにはP型メモリウェルPW2が12[V]の高電圧に設定されていることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
一方、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における12[V]の第1PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列42bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGbからゲートに12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに12[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における6[V]の第1NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列42bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲートに6[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに6[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
これに対して、非選択ユニット列42bの非選択行3bに配置された補助PMOSスイッチ46dは、補助MOS電源線45bからゲートに6[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに12[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されていることからオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択ワード線15dには、補助PMOSスイッチ46dを介して12[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択メモリセルC2も、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に12[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ補助PMOSスイッチ46dを介して非選択ワード線15dから制御ゲートに12[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され、さらにはP型メモリウェルPW2が12[V]と高電圧に設定されていることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
(4−2)動作及び効果
以上の構成において、不揮発性半導体記憶装置41でも、上述した第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、この第4の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置41では、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)及びNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)をオンオフ動作させるのに必要となる制御電圧に拘束されることなく、電源ユニット44毎に設けた補助MOS電源線45a(45b)からの補助制御電圧に応じてオンオフ動作する補助PMOSスイッチ46a,46c,…(46b,46d,…)を設けるようにした。
これにより、不揮発性半導体記憶装置41では、データ書き込み時、例えば非選択電源ユニット44bにて補助PMOSスイッチ46b,46d,…をオン動作させて非選択ワード線15b,15d,…に書き込み禁止ゲート電圧を印加することで、PMOSスイッチ8b,8d,…及びNMOSスイッチ9b,9d,…を非選択電源ユニット44bにてオン動作させることを不要にできる。不揮発性半導体記憶装置41では、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)及びNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)がオンオフ動作する制御電圧の最大電圧差を、選択電源ユニット44aにてPMOSスイッチ8a,8c,…及びNMOSスイッチ9a,9c,…が適宜オン動作し得る範囲で自由に設定できる。
かくして、この不揮発性半導体記憶装置41では、PMOSスイッチ8a,8c,…及びNMOSスイッチ9a,9c,…をオンオフ動作させる制御電圧の最大電圧差を例えば第2の実施の形態よりも一段と低い6[V]以下に設定でき、さらに補助PMOSスイッチ46a,46c,…(46b,46d,…)のオンオフ動作させる制御電圧の最大電圧値も6[V]以下に設定できる。
このように、この不揮発性半導体記憶装置41では、データ書き込み時やデータ消去時、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)や、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)、補助PMOSスイッチ46a,46c,…(46b,46d,…)がそれぞれオンオフ動作する際の最大電圧差を6[V]以下に設定できることから、その分、ゲート絶縁膜の膜厚を一段と薄膜化させたPMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)、さらには補助PMOSスイッチ46a,46c,…(46b,46d,…)を用いることができる。
(5)第5の実施の形態
(5−1)データの書き込み動作
図4との対応部分に同一符号を付して示す図8において、51は第5の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置を示し、この不揮発性半導体記憶装置51は、補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)を設けた構成を有している点で上述した第3の実施の形態と同じであるが、データの書き込み時、非選択ユニット列32bにおいて、P型メモリウェルPW2に4[V]を印加し、さらに各非選択ワード線15b,15dに補助NMOSスイッチ36b,36d,…を介して4[V]の書き込み禁止ゲート電圧を印加するようにした点で、上述した第3の実施の形態とは相違している。
ここで、図8は、上述した第3の実施の形態と同様に、複数のメモリセルCのうち、第1列目のユニット列32における第1行1列目のメモリセルCを、データが書き込まれる選択メモリセルC1とし、それ以外の全てのメモリセルCを非選択メモリセルC2としたときの各箇所の電圧値を示している。なお、選択ユニット列32aでは、各電圧値や、PMOSスイッチ8a,8c,…やNMOSスイッチ9a,9c,…、補助NMOSスイッチ36a,36c,…のオンオフ動作等が、上述した第3の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置31と同様であるためその説明は省略し、以下、非選択ユニット列32bにだけ着目して説明する。
この場合、非選択ユニット列32bの選択行3aのPMOSスイッチ8bは、上述した第3の実施の形態と同様に、共通PMOS制御線PGaからゲートに6[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに6[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。その一方、この第5の実施の形態による非選択ユニット列32bでは、第2電源線6bに共通電圧として4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
これに対して、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36bは、補助MOS電源線7bからゲートに6[V]の補助制御電圧が印加され、第2電源線6bからソースに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されていることからオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bへ印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aにおける非選択ワード線15bには、補助NMOSスイッチ36bを介して4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、この第5の実施の形態の場合、非選択ユニット列32bには、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、P型メモリウェルPW2に4[V]が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ補助NMOSスイッチ36bを介して非選択ワード線15bから制御ゲートに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
一方、非選択ユニット列32bの下段にある非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、上述した第3の実施の形態と同様に、共通PMOS制御線PGbからゲートに12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに6[V]のオフ電圧が印加されていることからオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。これに対して、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲートに6[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、第2電源線6bからソースに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。
また、この際、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36dは、補助MOS電源線7bからゲートに6[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択ワード線15dには、NMOSスイッチ9dと補助NMOSスイッチ36dとを介して4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択メモリセルC2でも、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、NMOSスイッチ9d及び補助NMOSスイッチ36dを介して非選択ワード線15dから制御ゲートに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
(5−2)動作及び効果
以上の構成において、不揮発性半導体記憶装置51でも、上述した第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、この不揮発性半導体記憶装置51では、データ書き込み時、非選択ユニット列32bのP型メモリウェルPW1に0[V]を印加し、補助NMOSスイッチ36b,36d,…をオン動作させて、非選択ユニット列32bの各非選択ワード線15b,15d,…に4[V]の書き込み禁止ゲート電圧を印加するようにした。
そして、この非選択ユニット列32bでは、データ書き込み時、PMOSスイッチ8b,8d,…が形成されるN型ウェルNW1に12[V]が印加されているものの、このPMOSスイッチ8b,8d,…のドレインに接続される各非選択ワード線15b,15d,…に僅かに電圧値が高い4[V]の書き込み禁止ゲート電圧を印加して、これらPMOSスイッチ8b,8d,…のドレインと、N型ウェルNW1との間の電圧差を8[V]と比較的小さくするようにしたことから、その分、PMOSスイッチ8b,8d,…に対する電圧負担が軽減され、PMOSスイッチ8b,8d,…の信頼性を向上できる。
(6)第6の実施の形態
(6−1)データの書き込み動作
図8との対応部分に同一符号を付して示す図9において、55は第6の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置を示し、この不揮発性半導体記憶装置55は、上述した第5の実施の形態と同じ回路構成を有しているが、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)及びNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)の各ゲートにおける電圧値と、データ書き込み時における非選択ユニット列32bにおける各電圧値とが、上述した第5の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置51とは相違している。
ここで、図9は、上述した第5の実施の形態と同様に、複数のメモリセルCのうち、第1列目のユニット列32における第1行1列目のメモリセルCを、データが書き込まれる選択メモリセルC1とし、それ以外の全てのメモリセルCを非選択メモリセルC2としたときの各箇所の電圧値を示している。この場合、第1PMOS電源線VL3には、上述した第5の実施の形態と同じ、12[V]の第1PMOS制御電圧が印加されるものの、第2PMOS電源線VL4には、上述した第5の実施の形態よりも高い8[V]の第2PMOS制御電圧が印加されており、これら第1PMOS制御電圧と第2PMOS制御電圧との電圧差が、上述した第5の実施の形態よりも小さい4[V]に設定されている。
これにより、これら第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4に第1インバータ回路24を介して接続された共通PMOS制御線PGa〜PGdには、当該第1インバータ回路24によって、非選択行3bのとき12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、選択行3aのとき8[V]の第2PMOS制御電圧が印加され得る。このように共通PMOS制御線PGa〜PGdは、選択行3aのときの電圧値と、非選択行3bのときの電圧値との電圧振幅を4[V](すなわち、12[V]-8[V])とし、当該電圧振幅の小振幅化が図られている。これにより、共通PMOS制御線PGa〜PGdに接続されたPMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)では、選択行3a及び非選択行3bでのゲートにおける電圧振幅の小振幅化が図られ、その分、ゲート絶縁膜を一段と薄膜化し得るようになされている。
一方、第2NMOS電源線VL6には、上述した第5の実施の形態と同様に、0[V]の第2NMOS制御電圧が印加されているものの、第1NMOS電源線VL5には、上述した第5の実施の形態よりも低い4[V]の第1NMOS制御電圧が印加されており、これら第1NMOS制御電圧と第2NMOS制御電圧との電圧差が、上述した第5の実施の形態よりも小さい4[V]に設定されている。
これにより、これら第1NMOS電源線VL5及び第2NMOS電源線VL6に第2インバータ回路25を介して接続された共通NMOS制御線NGa〜NGdには、当該第2インバータ回路25によって、非選択行3bのとき4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、選択行3aのとき0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され得る。このように共通NMOS制御線NGa〜NGdは、選択行3aのときの電圧値と、非選択行3bのときの電圧値との電圧振幅を4[V](すなわち、4[V]-0[V])とし、当該電圧振幅の小振幅化が図られている。これにより、共通NMOS制御線NGa〜NGdに接続されたNMOSスイッチ9a,9c(9b,9d)では、選択行3a及び非選択行3bでのゲートにおける電圧振幅の小振幅化が図られ、その分、ゲート絶縁膜を一段と薄膜化し得るようになされている。
(6−1−1)第1領域について
ここで、先ず初めに第1領域AR1に着目すると、選択ユニット列32aの選択電源ユニット34aには、上述した第5の実施の形態と同様に、第1電源線5aに12[V]の書き込みゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6aに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。この際、選択メモリセルC1が配置された選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における8[V]の第2PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGaに印加されている。
これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに8[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該12[V]の書き込みゲート電圧をドレインから選択ワード線15aへ印加し得るようになされている。かくして、第1領域AR1において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された選択メモリセルC1は、これら選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加され、かつPMOSスイッチ8aを介して選択ワード線15aから制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が大きくなり、その結果、量子トンネル効果が発生し、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得る。
このように、第6の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置55では、選択ユニット列32aの選択行3aにてPMOSスイッチ8aをオン動作させる際、当該PMOSスイッチ8aにおいて、ゲートに印加される第2PMOS制御電圧(8[V])と、ソースに印加される書き込みゲート電圧(12[V])との電圧差を、第5の実施の形態よりも一段と低い4[V]に設定し得るようになされている。
なお、第1領域AR1において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2では、上述した第5の実施の形態と同様に、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加されることから、選択ワード線15aから制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されても、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
なお、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、選択ユニット列32aの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36aは、上述した第5の実施の形態と同様に、補助MOS電源線7aからゲートに0[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることからオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第1領域AR1の選択ワード線15aには、PMOSスイッチ8aを介して12[V]の書き込みゲート電圧が印加され得るようになされている。
(6−1−2)第2領域について
次に、選択ユニット列32aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非選択メモリセルC2だけが配置された非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における12[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、この書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における4[V]の第1NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9cは、共通NMOS制御線NGbからゲートに4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cへ印加し得るようになされている。
このように、第6の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置55は、選択ユニット列32aの非選択行3bにてNMOSスイッチ9cをオン動作させる際、当該NMOSスイッチ9cにおいて、ゲートに印加される第1NMOS制御電圧(4[V])と、ソースに印加される書き込み禁止ゲート電圧(0[V])との電圧差を、第5の実施の形態より一段と低い4[V]に設定し得るようになされている。
かくして、第2領域AR2において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された非選択メモリセルC2は、これら選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加されるものの、NMOSスイッチ9cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに同じく0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
また、この第2領域AR2において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2も、これら非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L1bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ非選択ワード線15cから制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
因みに、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36cは、補助MOS電源線7aからゲートに0[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに0[V]の書き込みゲート電圧が印加されていることからオフ状態となり、この書き込み電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、NMOSスイッチ9cを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(6−1−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列32bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列32bの非選択電源ユニット34bには、第1電源線5bに8[V]のオフ電圧が印加され、他方の第2電源線6bに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。この際、選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における8[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに8[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに8[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における0[V]の第2NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
ここで、このような非選択ユニット列32bでは、P型ウェルPW1に4[V]が印加され、補助MOS電源線7bに6[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36bは、補助MOS電源線7bからゲートに6[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択ワード線15bには、補助NMOSスイッチ36bを介して4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、この実施の形態の場合、非選択ユニット列32bには、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、P型メモリウェルPW2に4[V]が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ補助NMOSスイッチ36bから非選択ワード線15bを介して制御ゲートに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
一方、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における12[V]の第1PMOS制御電圧が、共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGbからゲートに12[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに8[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における4[V]の第1NMOS制御電圧が、共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲートに4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
これに対して、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36dは、補助MOS電源線7bからゲートに6[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されていることからオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択ワード線15dには、補助NMOSスイッチ36dを介して4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bにおいて、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに接続された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、補助NMOSスイッチ36dから非選択ワード線15dを介して制御ゲートに4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
そして、このように、第6の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置55は、非選択ユニット列32bの選択行3a及び非選択行3bにて補助NMOSスイッチ36b,36dをオン動作させる際、当該補助NMOSスイッチ36b,36dにおいて、ゲートに印加される補助制御電圧(6[V])と、ソースに印加される書き込み禁止ゲート電圧(4[V])との電圧差を、第5の実施の形態より一段と低い4[V]以下に設定し得るようになされている。
(6−2)動作及び効果
以上の構成において、この不揮発性半導体記憶装置55でも、上述した第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、この第6の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置55では、非選択ユニット列32bにて、PMOSスイッチ8b,8d,…及びNMOSスイッチ9b,9d,…を必ずしもオン動作させる必要がないため、選択ユニット列32aにて、PMOSスイッチ8a,8c,…及びNMOSスイッチ9a,9c,…をオンオフ動作させる制御電圧値を自由に設定することができ、かくして、PMOSスイッチ8a,8c,…や、NMOSスイッチ9a,9c,…、さらには補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)をオンオフ動作させる最大電圧差を、例えば第3の実施の形態よりも一段と低い4[V]以下に設定できる。
このように、不揮発性半導体記憶装置55では、データ書き込み時、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)や、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)、補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)がオンオフ動作する際の電圧差を4[V]以下に設定できることから、その分、ゲート絶縁膜の膜厚を8[nm]に薄膜化させたPMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)や、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)、補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)を用いることができる。
また、この非選択ユニット列32bでも、データ書き込み時、PMOSスイッチ8b,8d,…が形成されるN型ウェルNW1に12[V]が印加されているものの、このPMOSスイッチ8b,8d,…のドレインに接続される各非選択ワード線15b,15d,…に僅かに電圧値が高い4[V]の書き込み禁止ゲート電圧を印加して、これらPMOSスイッチ8b,8d,…のドレインと、N型ウェルNW1との間の電圧差を8[V]と比較的小さくするようにしたことから、その分、PMOSスイッチ8b,8d,…に対する電圧負担が軽減され、PMOSスイッチ8b,8d,…の信頼性を向上できる。
(7)第7の実施の形態
(7−1)データの書き込み動作
図4との対応部分に同一符号を付して示す図10において、61は第7の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置を示し、この不揮発性半導体記憶装置61は、PMOSスイッチ69a,69c,…(69b,69d,…)及びNMOSスイッチ70a,70c,…(70b,70d,…)に加えて、補助NMOSスイッチ71,71c,…(71b,71d,…)が設けられている他、列方向に延びるPMOS電源線VPa(VPb)及びNMOS電源線VNa(VNb)がユニット配線としてユニット列62毎に設けられている点と、行方向に延びる複数の共通電源線67a,67b,67c,67dが共通配線として設けられ、各電源ユニット64間が共通電源線67a〜67dにより接続されている点とに特徴がある。ここで、図10は、上述した第3の実施の形態と同様に、複数のメモリセルCのうち、第1列目のユニット列62における第1行1列目のメモリセルCを、データが書き込まれる選択メモリセルC1とし、それ以外の全てのメモリセルCを非選択メモリセルC2としたときの各箇所の電圧値を示している。
この不揮発性半導体記憶装置61は、第1電源線65及び第2電源線66が列方向に並走するように配置されており、第1電源線65及び第2電源線66を複数の電源ユニット64にて共通するように構成されている。実際上、これら第1電源線65及び第2電源線66には、複数のインバータ回路63が共通接続されており、各インバータ回路63の出力部にそれぞれ共通電源線67a〜67dが接続されている。各インバータ回路63は、第1電源線65に印加されている12[V]の書き込みゲート電圧と、第2電源線66に印加されている0[V]の書き込み禁止ゲート電圧のうちいずれか一方を各行毎に選択し、これを共通電源線67a〜67dにそれぞれ印加し得るようになされている。
電源ユニット64のN型ウェルNW1には、列方向に延びるPMOS電源線VPa(VPb)が形成されており、当該PMOS電源線VPa(VPb)に沿って複数のPMOSスイッチ69a,69c,…(69b,69d,…)が形成されている。実際上、PMOSスイッチ69aは、ゲートがPMOS電源線VPaに接続され、ソースが共通電源線67aに接続されている。また、例えばPMOSスイッチ69aは、ドレインがワード線15に接続されており、オン動作することにより、共通電源線67aに印加された書き込みゲート電圧をドレインからワード線15に印加し得るようになされている。
一方、電源ユニット64のP型ウェルPW1には、列方向に延びるNMOS電源線VNa(VNb)が形成されており、当該NMOS電源線VNa(VNb)に沿って複数のNMOSスイッチ70a,70c,…(70b,70d,…)が形成されている。実際上、NMOSスイッチ70aは、ゲートがNMOS電源線VNaに接続されているとともに、ソースが共通電源線67aに接続されている。また、例えばNMOSスイッチ70cは、ドレインがワード線15に接続されており、オン動作することにより、共通電源線67bに印加された書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cに印加し得るようになされている。なお、データ書き込み時には、選択ユニット列62a及び非選択ユニット列62bともに、このN型ウェルNW1に12[V]が印加され得る。
また、電源ユニット64のP型ウェルPW1には、NMOS電源線VNa(VNb)と並走するように第3電源線68a(68b)及び補助MOS電源線7a(7b)が形成されており、これら第3電源線68a(68b)及び補助MOS電源線7a(7b)に沿って複数の補助NMOSスイッチ71a,71c,…(71b,71d,…)が形成されている。ここで、補助NMOSスイッチ71a,71c,…(71b,71d,…)は、ゲートが補助MOS電源線7a(7b)に接続され、ソースが第3電源線68a(68b)に接続されている。また、各補助NMOSスイッチ71a,71c,…(71b,71d,…)は、ドレインがワード線15に接続されており、例えば、補助NMOSスイッチ71b,71dは、オン動作することにより、第3電源線68bに印加された書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15b,15dに印加し得るようになされている。なお、データ書き込み時には、選択ユニット列62a及び非選択ユニット列62bともに、このP型ウェルPW1に0[V]が印加され得る。
因みに、P型メモリウェルPW2には、上述したように、行方向に延設された複数のワード線15が列方向に所定間隔を空けて配置され、同一行のメモリセルCの制御ゲートが、各ワード線15に接続されている。また、P型メモリウェルPW2は、列方向に延びる第1ビット線L1と第2ビット線L2とを備えており、一の第1ビット線L1と、当該第1ビット線L1に隣接した第2ビット線L2とを一対とし、並走するこれら第1ビット線L1及び第2ビット線L2間に複数のメモリセルCが並列に配置された構成を有している。各メモリセルCには、一端に第1ビット線L1が接続されているとともに、他端に第2ビット線L2が接続されており、これら第1ビット線L1及び第2ビット線L2から一端及び他端に、例えば書き込み電圧又は書き込み禁止電圧が印加され得るようになされている。
(7−1−1)第1領域について
ここでは、先ず初めに第1領域AR1に着目して説明した後、第2領域AR2、第3領域AR3の順に説明する。この場合、選択メモリセルC1が配置された選択行3aでは、第1電源線65及び第2電源線66に接続されたインバータ回路63によって、第1電源線65における12[V]の書き込みゲート電圧が、共通電圧として共通電源線67aに印加されている。この際、選択ユニット列62aでは、PMOS電源線VPaに6[V]の第1PMOS制御電圧がユニット電圧として印加されており、各PMOSスイッチ69a,69c,…のゲートに、当該第1PMOS制御電圧をそれぞれ印加し得るようになされている。
これにより、選択ユニット列62aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ69aは、PMOS電源線VPaからゲートに6[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ共通電源線67aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該12[V]の書き込みゲート電圧をドレインから選択ワード線15aへ印加し得るようになされている。
ここで、選択ユニット列62aでは、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに0[V]の書き込み電圧が印加されている。これにより、第1領域AR1において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された選択メモリセルC1では、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加され、かつPMOSスイッチ69aから選択ワード線15aを介して制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が大きくなり、その結果、量子トンネル効果が発生し、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得る。
なお、第1領域AR1において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから6[V]の書き込み禁止電圧が印加されることから、選択ワード線15aから制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されても、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生するとなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
因みに、この際、選択ユニット列62aでは、NMOS電源線VNaに6[V]の第1NMOS制御電圧がユニット電圧として印加されている。これにより選択ユニット列62aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ70aは、NMOS電源線VNaからゲートに6[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ共通電源線67aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、選択ユニット列62aでは、補助電源線7aに0[V]の補助制御電圧がユニット電圧として印加されている。これにより、選択ユニット列62aの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ71aは、補助MOS電源線7aからゲートに0[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第3電源線68aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第1領域AR1の選択ワード線15aには、PMOSスイッチ69aを介して12[V]の書き込みゲート電圧が印加され得るようになされている。
(7−1−2)第2領域について
次に、選択ユニット列62aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非選択メモリセルC2だけが配置された非選択行3bでは、インバータ回路63によって、第2電源線66における0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が、共通電圧として共通電源線67b,67c,67dに印加されている。これにより、選択ユニット列62aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ69cは、PMOS電源線VPaからゲートに6[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ共通電源線67bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、この書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
一方、選択ユニット列62aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ70cは、NMOS電源線VNaからゲートに6[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ共通電源線67bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cへ印加し得る。
これにより、第2領域AR2において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された非選択メモリセルC2は、これら選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加されるものの、NMOSスイッチ70cから非選択ワード線15cを介して制御ゲートに同じく0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
また、同じく第2領域AR2において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2は、これら非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつNMOSスイッチ70cから非選択ワード線15cを介して制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されていることから、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
なお、選択ユニット列62aの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ71cは、補助MOS電源線7aからゲートに0[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第3電源線68aからソースに0[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、NMOSスイッチ70cを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(7−1−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列62bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列62bの非選択電源ユニット64bには、PMOS電源線VPbに12[V]の第2PMOS制御電圧が印加されている。また、この際、選択行3aでは、インバータ回路63によって、第1電源線65における12[V]の書き込みゲート電圧が共通電源線67aに印加されている。これにより、非選択ユニット列62bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ69bは、共通電源線67aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されるものの、PMOS電源線VPbからゲートに12[V]の第2PMOS制御電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択ユニット列62bでは、NMOS電源線VNbに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列62bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ70bは、共通電源線67aから一端に12[V]の書き込みゲート電圧が印加されるものの、NMOS電源線VNbからゲートに0[V]の第2PMOS制御電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
ここで、非選択ユニット列62bでは、補助MOS電源線7bに8[V]の補助制御電圧が印加され、第3電源線68bに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。これにより非選択ユニット列62bの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ71bは、補助MOS電源線7bからゲートに8[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第3電源線68bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択ワード線15bには、補助NMOSスイッチ71bを介して6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、この実施の形態の場合、非選択ユニット列62bには、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、これに合わせてP型メモリウェルPW2にも6[V]が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ補助NMOSスイッチ71bから非選択ワード線15bを介して制御ゲートに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
一方、非選択ユニット列62bの下段にある非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ69dでは、PMOS電源線VPbからゲートに12[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ共通電源線67bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることからオフ状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択ユニット列62bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ70dでは、NMOS電源線VNbからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ共通電源線67bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることからオフ状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
これに対して、非選択ユニット列62bの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ71dは、補助MOS電源線7bからゲートに8[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第3電源線68bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることからオン状態となり、当該6[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択ワード線15dにも、補助NMOSスイッチ71dを介して6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ補助NMOSスイッチ71dから非選択ワード線15dを介して制御ゲートに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
(7−2)動作及び効果
以上の構成において、この不揮発性半導体記憶装置61では、行列状に形成された複数のワード線15と、各ワード線15に連結された複数のメモリセルCと、複数のメモリセルCに選択的な電圧を印加し得る第1ビット線L1及び第2ビット線L2と、ワード線列にそれぞれ対応して設けられた複数の電源ユニット64とを備え、各ワード線15に対応させてPMOSスイッチ69a,69c,…(69b,69d,…)とNMOSスイッチ70a,70c,…(70b,70d,…)と補助NMOSスイッチ71a,71c,…(71b,71d,…)とを各電源ユニット64に設け、電源ユニット64の同一行のPMOSスイッチ69a,69c,…(69b,69d,…)及びNMOSスイッチ70a,70c,…(70b,70d,…)の各ソース間を共通電源線67a〜67dにて接続するようにした。
また、電源ユニット64では、同一列のPMOSスイッチ69a,69c,…(69b,69d,…)の各ゲートに接続させたPMOS電源線VPa(VPb)と、同一列のNMOSスイッチ70a,70c,…(70b,70d,…)の各ゲートに接続させたNMOS電源線VNa(VNb)とを備え、PMOSスイッチ69a,69c,…(69b,69d,…)とNMOSスイッチ70a,70c,…(70b,70d,…)の各ドレインをワード線15に接続させるようにした。さらに、各電源ユニット64は、列方向に延びた補助MOS電源線7a(7b)及び第3電源線68a(68b)を備えており、第3電源線68a(68b)が補助NMOSスイッチ71a,71c,…(71b,71d,…)を介してワード線15に接続されている。
そして、データ書き込み時、選択電源ユニット64aでは、選択行3aにてPMOS電源線VPa及び共通電源線67aの電圧差によりPMOSスイッチ69aをオン動作させることにより、選択ワード線15aに書き込みゲート電圧を印加し、一方、非選択行3bにてNMOS電源線VNa及び共通電源線67aの電圧差によりNMOSスイッチ70cをオン動作せることにより、非選択ワード線15cに書き込み禁止ゲート電圧を印加する。これに対して、データ書き込み時、非選択電源ユニット64bでは、選択行3a及び非選択行3bにて、補助MOS電源線7b及び第3電源線68bの電圧差により各補助NMOSスイッチ71b,71d,…をオン動作せることにより、全ての非選択ワード線15b,15d,…に書き込み禁止ゲート電圧を印加する。
これにより、非選択電源ユニット64bでは、選択電源ユニット64aに拘束されることなく、独立して補助NMOSスイッチ71b,71d,…をオン動作させ、選択電源ユニット64aとは別に、第3電源線68bの書き込み禁止ゲート電圧を非選択ワード線15b,15d,…全てに印加できる。かくして、不揮発性半導体記憶装置61では、一のワード線列の選択電源ユニット64aに拘束されることなく、他のワード線列の非選択電源ユニット64bにて、書き込み禁止ゲート電圧の電圧値や、そのときのP型メモリウェルPW2に印加される電圧値、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cの電圧値を、例えば非選択メモリセルC2にてディスターブの発生を抑制し得る電圧値にそれぞれ自由に設定できる。
この実施の形態の場合、非選択電源ユニット64bでは、非選択ワード線15b,15d,…に印加する書き込み禁止ゲート電圧を6[V]の低電圧に設定し得、さらにP型メモリウェルPW2の電圧値や、非選択第1ビット線L1c、非選択第2ビット線L2cの電圧値を全て同電圧の6[V]に設定できるので、仮に選択ユニット列62aにて選択メモリセルC1に対するデータの書き込み動作が繰り返されたとしても、非選択ユニット列62bの各非選択メモリセルC2に影響がなくディスターブの発生を抑制し得る。
また、この不揮発性半導体記憶装置61では、PMOS電源線VPa(VPb)及びNMOS電源線VNa(VNb)に印加する制御電圧を、選択電源ユニット64aにてPMOSスイッチ69a,69c,…及びNMOSスイッチ70a,70c,…が適宜オン動作し得る範囲で自由に設定できる。かくして、この不揮発性半導体記憶装置61では、選択電源ユニット64a及び非選択電源ユニット64bのときにPMOS電源線VPa(VPb)及びNMOS電源線VNa(VNb)に印加する制御電圧の電圧差を、比較的低い6[V]に設定できることから、PMOSスイッチ69a,69c,…及びNMOSスイッチ70a,70c,…の各ゲートに加わる電圧負担を軽減し、その分、ゲート酸化膜の薄膜化を図ることができる。
また、不揮発性半導体記憶装置61では、PMOS電源線VPa(VPb)及びNMOS電源線VNa(VNb)が電源ユニット64毎にそれぞれ個別に設けられているものの、各電源ユニット64間が複数の共通電源線67a〜67dにより接続されており、行毎に共通電源線67a〜67dに印加する電圧値を調整することで、PMOSスイッチ69a,69c,…(69b,69d,…)、NMOSスイッチ70a,70c,…(70b,70d,…)及び補助NMOSスイッチ71a,71c,…(71b,71d,…)を適宜オンオフ動作させ、全てのワード線15の中から選択ワード線15aを選択的に決定できる。かくして、この不揮発性半導体記憶装置61でも、ワード線列(P型メモリウェルPW2)毎にそれぞれ独立した行方向アドレスデコーダを設ける必要がなく、従来同様に小型化を図ることができる。
(8)第8の実施の形態
(8−1)データの書き込み動作
図10との対応部分に同一符号を付して示す図11において、75は第8の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置を示し、上述した第7の実施の形態の補助NMOSスイッチ71a,71c,…(71b,71d,…)(図10)に替えて補助PMOSスイッチ81a,81c,…(81b,81d,…)を設けた点で相違している。ここで、図11は、上述した第7の実施の形態と同様に、複数のメモリセルCのうち、第1列目のユニット列76における第1行1列目のメモリセルCを、データが書き込まれる選択メモリセルC1とし、それ以外の全てのメモリセルCを非選択メモリセルC2としたときの各箇所の電圧値を示している。
この場合、PMOSスイッチ69a,69c,…(69b,69d,…)が形成されたN型ウェルNW1には、当該PMOSスイッチ69a,69c,…(69b,69d,…)と対応させてトランジスタ構成の補助PMOSスイッチ81a,81c,…(81b,81d,…)が各行に形成されている。実際上、このN型ウェルNW1には、列方向に延びるPMOS電源線VPa(VPb)に加え、同じく列方向に延びる補助MOS電源線83a(83b)と、当該補助MOS電源線83a(83b)と並走して列方向に延びる第3電源線84a(84b)とが形成されており、これら補助MOS電源線83a(83b)及び第3電源線84a(84b)に沿って複数の補助PMOSスイッチ81a,81c,…(81b,81d,…)が形成されている。なお、データ書き込み時には、選択ユニット列76a及び非選択ユニット列76bともに、このN型ウェルNW1に12[V]が印加され得る。
実際上、補助PMOSスイッチ81a,81c,…(81b,81d,…)は、ゲートが補助MOS電源線83a(83b)に接続され、ソースが第3電源線84a(84b)に接続されている。また、各補助PMOSスイッチ81a,81c,…(81b,81d,…)は、ドレインがワード線15に接続されており、非選択ユニット列76bのとき、ゲート及びソース間の電圧差によりオン動作し、第3電源線84bに印加された書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15b,15d,…に印加し得るようになされている。
なお、この第8の実施の形態では、補助PMOSスイッチ81a,81c,…(81b,81d,…)がN型ウェルNW1に形成されていることから、隣接するP型ウェルPW1にNMOSスイッチ70a,70c,…(70b,70d,…)のみが形成されている。このNMOSスイッチ70a,70c,…(70b,70d,…)は、上述した第7の実施の形態と同様に、列方向に延びるNMOS電源線VNa(VNb)にゲートが接続され、行方向に延びる共通電源線67a〜67dにソースが接続されている。また、各NMOSスイッチ70a,70c,…(70b,70d,…)は、ドレインがワード線15に接続され、ゲート及びソース間の電圧差によりオン動作し、共通電源線67a〜67dにおける書き込みゲート電圧又は書き込み禁止ゲート電圧をドレインからワード線15に印加し得るようになされている。なお、データ書き込み時には、選択ユニット列76a及び非選択ユニット列76bともに、このP型ウェルPW1に0[V]が印加され得る。
(8−1−1)第1領域について
ここで、先ず初めに第1領域AR1に着目すると、選択メモリセルC1が配置された選択行3aでは、第1電源線65及び第2電源線66に接続されたインバータ回路63によって、第1電源線65における12[V]の書き込みゲート電圧が共通電源線67aに印加されている。これにより、選択ユニット列76aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ69aは、PMOS電源線VPaからゲートに6[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ共通電源線67aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該12[V]の書き込みゲート電圧をドレインから選択ワード線15aへ印加し得るようになされている。
ここで、選択ユニット列76aでは、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに0[V]の書き込み電圧が印加され、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに6[V]の書き込み禁止電圧が印加されている。これにより、第1領域AR1において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された選択メモリセルC1では、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加され、かつPMOSスイッチ69aから選択ワード線15aを介して制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が大きくなり、その結果、量子トンネル効果が発生し、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得る。
なお、第1領域AR1において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2では、PMOSスイッチ69aから選択ワード線15aを介して制御ゲートに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されるものの、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加されていることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
因みに、この際、選択ユニット列76aでは、NMOS電源線VNaに6[V]の第1NMOS制御電圧が印加されている。これにより、選択ユニット列76aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ70aは、NMOS電源線VNaからゲートに6[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ共通電源線67aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、選択ユニット列76aでは、補助MOS電源線83aに12[V]の補助MOS電圧が印加され、第3電源線84aに6[V]のオフ電圧が印加されている。これにより、選択ユニット列76aの選択行3aに配置された補助PMOSスイッチ81aは、補助MOS電源線83aからゲートに12[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第3電源線84aからソースに6[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第1領域AR1の選択ワード線15aには、PMOSスイッチ69aを介して12[V]の書き込みゲート電圧が印加され得るようになされている。
(8−1−2)第2領域について
次に、選択ユニット列76aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非選択メモリセルC2だけが配置された非選択行3bでは、インバータ回路63によって、第2電源線66における0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が共通電源線67b,67c,67dに印加されている。これにより、選択ユニット列76aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ69cは、PMOS電源線VPaからゲートに6[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ共通電源線67bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。また、この際、選択ユニット列76aの非選択行3bに配置された補助PMOSスイッチ81cも、補助MOS電源線83aからゲートに12[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第3電源線84aからソースに6[V]のオフ電圧が印加されることからオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
これに対して、選択ユニット列76aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ70cは、NMOS電源線VNaからゲートに6[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ共通電源線67bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cに印加し得るようになされている。かくして、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、NMOSスイッチ70cを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第2領域AR2において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された非選択メモリセルC2は、これら選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加されるものの、非選択ワード線15cから制御ゲートに同じく0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
また、第2領域AR2において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2も、これら非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ非選択ワード線15cから制御ゲートに同じく0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
(8−1−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列76bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列76bの非選択電源ユニット78bには、PMOS電源線VPbに12[V]の第2PMOS制御電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列76bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ69bは、共通電源線67aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されるものの、PMOS電源線VPbからゲートに12[V]の第2PMOS制御電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択ユニット列76bでは、NMOS電源線VNbに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列76bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ70bは、同じく共通電源線67aからソースに12[V]の書き込みゲート電圧が印加されるものの、NMOS電源線VNbからゲートに0[V]の第2PMOS制御電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
ここで、非選択ユニット列76bでは、補助MOS電源線83bに4[V]の補助MOS電源が印加され、第3電源線84bに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列76bの選択行3aに配置された補助PMOSスイッチ81bは、補助MOS電源線83bからゲートに4[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第3電源線84bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該6[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択ワード線15bには、補助PMOSスイッチ81bを介して6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、この実施の形態の場合、非選択ユニット列76bには、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに6[V]の書き込み禁止電圧が印加されており、これに合わせてP型メモリウェルPW2にも6[V]が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ非選択ワード線15bから制御ゲートに同じく6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
一方、非選択ユニット列76bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ69dは、PMOS電源線VPbからゲートに12[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ非選択行3bの共通電源線67bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。また、この際、非選択ユニット列76bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ70dも、NMOS電源線VNbからゲートに0[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ非選択行3bの共通電源線67bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
これに対して、非選択ユニット列76bの非選択行3bに配置された補助PMOSスイッチ81dは、補助MOS電源線83bからゲートに4[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第3電源線84bからソースに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることからオン状態となり、当該6[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3における非選択行3bの非選択ワード線15dでも、補助PMOSスイッチ81dを介して6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択メモリセルC2は、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ補助PMOSスイッチ81dから非選択ワード線15dを介して制御ゲートに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
(8−2)動作及び効果
以上の構成において、この不揮発性半導体記憶装置75では、データ書き込み時、選択電源ユニット78aの選択行3aにて、PMOS電源線VPa及び共通電源線67aの電圧差によりPMOSスイッチ69aをオン動作させることにより、選択ワード線15aに書き込みゲート電圧を印加し、一方、選択電源ユニット78aの非選択行3bにて、NMOS電源線VNa及び共通電源線67bの電圧差により各NMOSスイッチ70cをオン動作せることにより、非選択ワード線15cに書き込み禁止ゲート電圧を印加する。また、データ書き込み時、非選択電源ユニット78bでは、選択行3a及び非選択行3bともに、補助MOS電源線83b及び第3電源線84bの電圧差により補助PMOSスイッチ81b,81d,…をオン動作せることにより、非選択ワード線15b,15d,…に書き込み禁止ゲート電圧を印加する。
これにより、非選択電源ユニット78bでは、選択電源ユニット78aに拘束されることなく、独立して補助PMOSスイッチ81b,81d,…をオン動作させて非選択ワード線15b,15d,…全てに6[V]の書き込み禁止ゲート電圧を印加でき、さらに、これに合わせてP型メモリウェルPW2の電圧値や、非選択第1ビット線L1c、非選択第2ビット線L2cの電圧値全てを同電圧に設定できるので、仮に選択ユニット列76aにて選択メモリセルC1に対するデータの書き込み動作が繰り返されたとしても、非選択ユニット列76bの各非選択メモリセルC2におけるディスターブの発生を抑制し得る。さらに、この不揮発性半導体記憶装置75では、上述した実施の形態と同様に、ワード線列(P型メモリウェルPW2)毎にそれぞれ独立した行方向アドレスデコーダを設ける必要もなく、従来同様に小型化を図ることができる。
(9)第9の実施の形態
(9−1)データの書き込み動作
図4との対応部分に同一符号を付して示す図12において、86は第9の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置を示し、上述した第3の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置31と回路構成が同一であるものの、データ書き込み時に負電圧を用いる点で相違している。ここで、図12は、上述した第3の実施の形態と同様に、複数のメモリセルCのうち、第1列目のユニット列32における第1行1列目のメモリセルCを、データが書き込まれる選択メモリセルC1とし、それ以外の全てのメモリセルCを非選択メモリセルC2としたときの各箇所の電圧値を示している。
この場合、第1PMOS電源線VL3には8[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、一方、第2PMOS電源線VL4には4[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、これら第1PMOS制御電圧と第2PMOS制御電圧との電圧差が4[V]に設定されている。これにより、これら第1PMOS電源線VL3及び第2PMOS電源線VL4に第1インバータ回路24を介して接続された共通PMOS制御線PGa〜PGdには、当該第1インバータ回路24によって、非選択行3bのとき、8[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、選択行3aのとき、4[V]の第2PMOS制御電圧が印加され得る。
このように共通PMOS制御線PGa〜PGdでは、選択行3aのときの電圧値と、非選択行3bのときの電圧との電圧振幅が4[V](すなわち、8[V]-4[V])に選定し得ることから、当該電圧振幅の小振幅化が図られている。これにより、共通PMOS制御線PGa〜PGdに接続されたPMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)では、選択行3a及び非選択行3dでのゲートにおける電圧振幅の小振幅化が図られている分、ゲート絶縁膜を薄膜化し得る。
一方、第1NMOS電源線VL5には0[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、第2NMOS電源線VL6には-4[V]の第2NMOS制御電圧が印加されており、これら第1NMOS制御電圧と第2NMOS制御電圧との電圧差も4[V]に設定されている。これにより、これら第1NMOS電源線VL5及び第2NMOS電源線VL6に第2インバータ回路25を介して接続された共通NMOS制御線NGa〜NGdには、当該第2インバータ回路25によって、非選択行3bのとき、0[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、選択行3aのとき、-4[V]の第2NMOS制御電圧が印加され得る。
このように共通NMOS制御線NGa〜NGdは、選択行3aのときの電圧値と、非選択行3bのときの電圧値との電圧振幅が4[V](すなわち、0[V]-4[V])以下に設定し得ることから、当該電圧振幅の小振幅化が図られている。これにより、共通NMOS制御線NGa〜NGdに接続されたNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)では、選択行3a及び非選択行3bでのゲートにおける電圧振幅の小振幅化が図られている分、ゲート絶縁膜を薄膜化し得る。これに加えて、ユニット列32毎に設けられた各補助MOS電源線7a(7b)には、選択ユニット列32aのとき、-4[V]の補助制御電圧が印加され、一方、非選択ユニット列32bのとき、2[V]の補助制御電圧が印加され得る。
(9−1−1)第1領域について
ここで、先ず初めに第1領域AR1に着目すると、選択ユニット列32aの選択電源ユニット34aには、第1電源線5aに8[V]の書き込みゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6aに-4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。この際、選択メモリセルC1が配置された選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における4[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。
これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに4[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに8[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該8[V]の書き込みゲート電圧をドレインから選択ワード線15aへ印加し得るようになされている。 このように、この不揮発性半導体記憶装置86は、選択ユニット列32aの選択行3aにてPMOSスイッチ8aをオン動作させる際、当該PMOSスイッチ8aにおいて、ゲートに印加される第2PMOS制御電圧(4[V])と、ソースに印加される書き込みゲート電圧(8[V])との電圧差を、第3の実施の形態よりも一段と低い4[V]に設定し得るようになされている。
ここで、選択ユニット列32aでは、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに-4[V]の書き込み電圧が印加され、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに2[V]の書き込み禁止電圧が印加されている。これにより、第1領域AR1において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された選択メモリセルC1は、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に-4[V]の書き込み電圧が印加され、かつ選択ワード線15aから制御ゲートに8[V]の書き込みゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が大きくなり、その結果、量子トンネル効果が発生し、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得る。
なお、第1領域AR1において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルでC2は、選択ワード線15aから制御ゲートに8[V]の書き込みゲート電圧が印加されるものの、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に2[V]の書き込み禁止電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
因みに、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における-4[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに-4[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることからオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、選択ユニット列32aでは、補助MOS電源線7aに-4[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、選択ユニット列32aの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36aは、補助MOS電源線7aからゲートに-4[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第1領域AR1の選択ワード線15aには、PMOSスイッチ8aを介して8[V]の書き込みゲート電圧が印加され得るようになされている。
(9−1−2)第2領域について
次に、選択ユニット列32aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非選択メモリセルC2だけが配置された非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における8[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに8[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに8[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、この書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、選択ユニット列32aの非選択行3bでは、第2インバータ回路25は、第1NMOS電源線VL5における0[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9cは、共通NMOS制御線NGbからゲートに0[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該-4[V]の書き込み禁止ゲート電圧を非選択ワード線15cへ印加し得るようになされている。
このように、この不揮発性半導体記憶装置86は、選択ユニット列32aの非選択行3bにてNMOSスイッチ9cをオン動作させる際、当該NMOSスイッチ9cにおいて、ゲートに印加される第1NMOS制御電圧(0[V])と、ソースに印加される書き込み禁止ゲート電圧(-4[V])との電圧差を、第3の実施の形態より一段と低い4[V]に設定し得るようになされている。
そして、この第2領域AR2において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された非選択メモリセルC2は、これら選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に-4[V]の書き込み電圧が印加されるものの、NMOSスイッチ9cから非選択ワード線15cを介して制御ゲートに-4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電位となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
また、第2領域AR2において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2は、これら非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に2[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつNMOSスイッチ9cから非選択ワード線15cを介して制御ゲートに-4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
なお、選択ユニット列32aの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36cは、補助MOS電源線7aからゲートに-4[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、この書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、NMOSスイッチ9cを介して-4[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(9−1−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列32bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列32bの非選択電源ユニット34bには、第1電源線5bに4[V]のオフ電圧が印加されているとともに、他方の第2電源線6bに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。この際、選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における4[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに4[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに4[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における-4[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに-4[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
ここで、この際、非選択ユニット列32bには、補助MOS電源線7bに2[V]の補助制御電圧が印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの選択行3aに配置された補助NMOSスイッチ36bは、補助MOS電源線7bからゲートに2[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aにおける非選択ワード線15bには、補助NMOSスイッチ36bを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、この実施の形態の場合、非選択ユニット列32bには、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに2[V]の書き込み禁止電圧が印加されており、これに合わせてP型メモリウェルPW2にも0[V]が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に0[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ補助NMOSスイッチ36bを介して非選択ワード線15bから制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
一方、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における8[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGbからゲートに8[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに4[V]のオフ電圧が印加されてオフ状態となり、当該オフ電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における0[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGbに印加されている。これにより、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲートに0[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
これに対して、非選択ユニット列32bの非選択行3bに配置された補助NMOSスイッチ36dは、補助MOS電源線7bからゲートに2[V]の補助制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることからオン状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3における非選択行3bの非選択ワード線15dには、補助NMOSスイッチ36dを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に2[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ補助NMOSスイッチ36dを介して非選択ワード線15dから制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されていることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から電荷蓄積層に電荷が注入され得ない。
(9−2)動作及び効果
以上の構成において、この不揮発性半導体記憶装置86では、データ書き込み時に、負電圧を用いても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、この不揮発性半導体記憶装置86では、データ書き込み時、負電圧を用いることにより、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)及び補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)をそれぞれオンオフ動作させる制御電圧の最大電圧差を、例えば第3の実施の形態よりも一段と低い4[V]以下に設定できることから、その分、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)及び補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)の耐圧性を弱めることができ、ゲート絶縁膜の膜厚を8[nm]にまで薄膜化させたトランジスタ構成のPMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)及び補助NMOSスイッチ36a,36c,…(36b,36d,…)を用いることができる。
(10)第10の実施の形態
因みに、上述した第1〜第9の実施の形態においては、不揮発性半導体記憶装置1,21,27,31,38,40,41,51,55,61,75,86に用いるメモリセルCとして、P型メモリウェルPW2に形成したNチャネル型のメモリセルCを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、N型メモリウェルに形成したPチャネル型のメモリセルを適用してもよい。ここでは、その一例として、図2に示した第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置21の回路構成をそのままに、Pチャネル型のメモリセルを適用した場合について以下説明する。
図2との対応部分に同一符号を付して示す図13は、上述した第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置21のNチャネル型のメモリセルCに替えて、Pチャネル型のメモリセルCPに替えた第10の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置91を示す。この場合、不揮発性半導体記憶装置91は、ユニット列92にそれぞれN型メモリウェルNW2を備え、各N型メモリウェルNW2にPチャネル型のメモリセルCPが行列状に形成された構成を有している。なお、その他の回路構成については、上述した第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置21と同じであるため、その説明は省略する。そして、このようなPチャネル型のメモリセルCPを用いた不揮発性半導体記憶装置91は以下のようにして所定のメモリセルCPにデータを書き込むことができる。
(10−1)データの書き込み動作
ここで、図13は、複数のメモリセルCPのうち、第1列目のユニット列92における第1行1列目のメモリセルCPを、データが書き込まれる選択メモリセルC1とし、それ以外の全てのメモリセルCPを非選択メモリセルC2としたときの各箇所の電圧値を示している。この場合、第1PMOS電源線VL3には0[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、第2PMOS電源線VL4には-8[V]の第2PMOS制御電圧が印加されている。また、第1NMOS電源線VP5には-4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、第2NMOS電源線VL6には-12[V]の第2NMOS制御電圧が印加されている。
(10−1−1)第1領域について
ここで、先ず初めに第1領域AR1に着目すると、選択ユニット列92aの選択電源ユニット4aには、第1電源線5aに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6aに-12[V]の書き込みゲート電圧が印加されている。この際、選択メモリセルC1が配置された選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における0[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、選択ユニット列92aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに0[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該0[V]の書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、この選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における-4[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、選択ユニット列92aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに-4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該-12[V]の書き込みゲート電圧をドレインから選択ワード線15aに印加し得るようになされている。かくして、第1領域AR1の選択ワード線15aには、NMOSスイッチ9aを介して-12[V]の書き込みゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、選択ユニット列92aでは、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに0[V]の書き込み電圧が印加され、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに-6[V]の書き込み禁止電圧が印加されている。これにより、第1領域AR1において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された選択メモリセルC1は、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加され、かつNMOSスイッチ9aを介して選択ワード線15aから制御ゲートに-12[V]の書き込みゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が大きくなり、その結果、量子トンネル効果が発生し、チャネル領域から正孔蓄積層に正孔が注入され得る。
一方、第1領域AR1において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2では、選択ワード線15aから制御ゲートに-12[V]の書き込みゲート電圧が印加されるものの、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に-6[V]の書き込み禁止電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から正孔蓄積層に正孔が注入され得ない。
(10−1−2)第2領域について
次に、選択ユニット列92aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非選択メモリセルC2だけが配置された非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における-8[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、選択ユニット列92aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに-8[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、この0[V]の書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cに印加し得るようになされている。
因みに、この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における-12[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、選択ユニット列92aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9cは、共通NMOS制御線NGbからゲートに-12[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-12[V]の書き込みゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該-12[V]の書き込みゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、PMOSスイッチ8cを介して0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第2領域AR2において、選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aに接続された非選択メモリセルC2は、これら選択第1ビット線L1a及び選択第2ビット線L2aから一端及び他端に0[V]の書き込み電圧が印加されるものの、非選択ワード線15cから制御ゲートに同じく0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から正孔蓄積層に正孔が注入され得ない。
また、この第2領域AR2において、非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bに接続された非選択メモリセルC2は、これら非選択第1ビット線L1b及び非選択第2ビット線L2bから一端及び他端に-6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ非選択ワード線15cから制御ゲートに0[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間の電圧差が小さくなり、その結果、量子トンネル効果が発生することなく、チャネル領域から正孔蓄積層に正孔が注入され得ない。
(10−1−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列92bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列92bの非選択電源ユニット4bには、第1電源線5bに-6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6bにも-6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されている。この際、選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における0[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列92bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに0[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに-6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
また、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における-4[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列92bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに-4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに-6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択ワード線15bには、NMOSスイッチ9bを介して-6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、この実施の形態の場合、非選択ユニット列92bには、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cに-6[V]の書き込み禁止電圧が印加されており、これに合わせてN型メモリウェルNW2にも-6[V]が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非選択メモリセルC2では、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に-6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、かつ非選択ワード線15bから制御ゲートに-6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から正孔蓄積層に正孔が注入され得ない。
一方、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における-8[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列92bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGbからゲートに-8[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに-6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択メモリセルC2でも、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cから一端及び他端に-6[V]の書き込み禁止電圧が印加され、PMOSスイッチ8dを介して非選択ワード線15dから制御ゲートに-6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、その結果、量子トンネル効果が発生せず、チャネル領域から正孔蓄積層に正孔が注入され得ない。
因みに、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における-12[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列92bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲートに-12[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに-6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該書き込み禁止ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非選択ワード線15dには、PMOSスイッチ8dを介して-6[V]の書き込み禁止ゲート電圧が印加され得るようになされている。
(10−2)データの消去動作
次に、この第10の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置91における所定のメモリセルCPのデータを消去する際の電圧印加について以下説明する。図13との対応部分に同一符号を付して示す図14は、複数のメモリセルCPのうち、第1領域AR1にある全てのメモリセルCPのデータを消去し、それ以外の全てのメモリセルCPについてはデータを消去しないときの各箇所の電圧値を付した第10の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置95を示している。
この場合、第1PMOS電源線VL3には、データ書き込み時と同じ0[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、第2PMOS電源線VL4には、データ書き込み時と同じ-8[V]の第2PMOS制御電圧が印加されている。一方、第1NMOS電源線VL5には、データ書き込み時と同じ-4[V]の第1NMOS制御電圧が印加されているものの、第2NMOS電源線VL6には、データ書き込み時と異なる-10[V]の第2NMOS制御電圧が印加されている。
(10−2−1)第1領域について
ここでは、先ず初めに第1領域AR1に着目して説明した後、第2領域AR2、第3領域AR3の順に説明する。この場合、消去メモリセルC3が配置された選択ユニット列92aの選択電源ユニット4aには、第1電源線5aに0[V]の消去ゲート電圧が印加され、他方の第2電源線6aに-10[V]の非消去ゲート電圧が印加されている。この際、消去メモリセルC3が配置された選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における-8[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、選択ユニット列92aの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8aは、共通PMOS制御線PGaからゲートに-8[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに0[V]の消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該0[V]の消去ゲート電圧をドレインから選択ワード線15aに印加し得るようになされている。
因みに、この際、選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における-10[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、選択ユニット列92aの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9aは、共通NMOS制御線NGaからゲートに-10[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-10[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第1領域AR1の選択ワード線15aには、PMOSスイッチ8aを介して0[V]の消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
ここで、選択ユニット列92aには、N型メモリウェルNW2に-10[V]が印加され、選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dに-10[V]の消去電圧が印加されている。これにより、第1領域AR1において、選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dに接続された消去メモリセルC3では、選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dから一端及び他端に-10[V]の消去電圧が印加され、かつPMOSスイッチ8aを介して選択ワード線15aから制御ゲートに0[V]の消去ゲート電圧が印加されることから、チャネル領域側の電圧値が制御ゲート側の電圧値よりも低くなり、正孔蓄積層内に蓄積された正孔が電圧の低いチャネル領域に引き込まれて、当該正孔蓄積層から正孔が引き抜かれ、データを消去し得るようになされている。
(10−2−2)第2領域について
次に、選択ユニット列92aにおける非選択行3bの第2領域AR2について着目する。この場合、非消去メモリセルC4だけが配置された非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における0[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、選択ユニット列92aの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8cは、共通PMOS制御線PGbからゲートに0[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5aからソースに0[V]の消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、この消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における-4[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、選択ユニット列92aの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9cは、共通NMOS制御線NGbからゲートに-4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6aからソースに-10[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該-10[V]の非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15cに印加し得るようになされている。かくして、第2領域AR2の非選択ワード線15cには、NMOSスイッチ9cを介して-10[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第2領域AR2において、選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dに接続された非消去メモリセルC4は、選択第1ビット線L1d及び選択第2ビット線L2dから-10[V]の消去電圧が印加されているものの、NMOSスイッチ9cを介して非選択ワード線15cから制御ゲートに-10[V]の非消去ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、正孔蓄積層内から正孔が引き抜かれることもなく、正孔蓄積層内の正孔状態を維持し得る。
(10−2−3)第3領域について
次に、非選択ユニット列92bにおける第3領域AR3について着目する。この場合、非選択ユニット列92bの非選択電源ユニット4bには、第1電源線5b及び第2電源線6bに-6[V]の非消去ゲート電圧が印加されている。この際、選択行3aでは、第1インバータ回路24によって、第2PMOS電源線VL4における-8[V]の第2PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列92bの選択行3aに配置されたPMOSスイッチ8bは、共通PMOS制御線PGaからゲートに-8[V]の第2PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに-6[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15bに印加し得るようになされている。
ここで、非選択ユニット列92bでは、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eにそれぞれ-6[V]の非消去電圧が印加されている。これにより、第3領域AR3の選択行3aに配置された非消去メモリセルC4には、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eから一端及び他端に-6[V]の非消去電圧が印加され、かつPMOSスイッチ8bを介して非選択ワード線15bから制御ゲートに-6[V]の非消去ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、正孔蓄積層内から正孔が引き抜かれることもなく、正孔蓄積層内の正孔状態を維持し得る。
因みに、この選択行3aでは、第2インバータ回路25によって、第2NMOS電源線VL6における-10[V]の第2NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGaに印加されている。これにより、非選択ユニット列92bの選択行3aに配置されたNMOSスイッチ9bは、共通NMOS制御線NGaからゲートに-10[V]の第2NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに-6[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。かくして、第3領域AR3における選択行3aの非選択ワード線15bには、PMOSスイッチ8bを介して-6[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
一方、非選択行3bでは、第1インバータ回路24によって、第1PMOS電源線VL3における0[V]の第1PMOS制御電圧が共通PMOS制御線PGb,PGc,PGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列92bの非選択行3bに配置されたPMOSスイッチ8dは、共通PMOS制御線PGbからゲートに0[V]の第1PMOS制御電圧が印加され、かつ第1電源線5bからソースに-6[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオフ状態となり、当該非消去ゲート電圧を遮断し得るようになされている。
この際、非選択行3bでは、第2インバータ回路25によって、第1NMOS電源線VL5における-4[V]の第1NMOS制御電圧が共通NMOS制御線NGb,NGc,NGdに印加されている。これにより、非選択ユニット列92bの非選択行3bに配置されたNMOSスイッチ9dは、共通NMOS制御線NGbからゲートに-4[V]の第1NMOS制御電圧が印加され、かつ第2電源線6bからソースに-6[V]の非消去ゲート電圧が印加されてオン状態となり、当該非消去ゲート電圧をドレインから非選択ワード線15dに印加し得るようになされている。かくして、この第3領域AR3における非選択行3bの非選択ワード線15dには、NMOSスイッチ9dを介して-6[V]の非消去ゲート電圧が印加され得るようになされている。
これにより、第3領域AR3の非選択行3bに配置された非消去メモリセルC4には、非選択第1ビット線L1e及び非選択第2ビット線L2eから一端及び他端に-6[V]の非消去電圧が印加され、かつNMOSスイッチ9dを介して非選択ワード線15dから制御ゲートに-6[V]の非消去ゲート電圧が印加されることから、制御ゲート及びチャネル領域間が同電圧となり、正孔蓄積層内から正孔が引き抜かれることもなく、正孔蓄積層内の正孔状態を維持し得る。
(10−3)動作及び効果
以上の構成において、この不揮発性半導体記憶装置91では、N型メモリウェルNW2に形成したPチャネル型のメモリセルCPを適用した場合であっても、上述した実施の形態と同様に、一のワード線列の選択電源ユニット4aに拘束されることなく、他のワード線列の非選択電源ユニット4bにて、書き込み禁止ゲート電圧の電圧値や、そのときのP型メモリウェルに印加される電圧値、第1ビット線及び第2ビット線の電圧値を、例えばディスターブの発生を抑制し得る電圧値にそれぞれ自由に設定できる。
従って、非選択電源ユニット4bでは、例えば選択ワード線15aに印加している-12[V]の書き込みゲート電圧に拘束されることなく、非選択ワード線15b,15d,…に印加される書き込み禁止ゲート電圧を-6[V]に設定し得、さらに、これに合わせてN型メモリウェルNW2の電圧値や、非選択第1ビット線L1c、非選択第2ビット線L2cの電圧値全てを同電圧に設定できるので、仮に選択ユニット列92aにて選択メモリセルC1に対するデータの書き込み動作が繰り返されたとしても、非選択ユニット列92bの各非選択メモリセルC2に影響がなくディスターブの発生を抑制し得る。
また、この不揮発性半導体記憶装置95でも、各電源ユニット4間が共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdにより接続されており、これら共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdに印加される電圧値を調整することで、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)及びNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)をオンオフ動作させ、複数のワード線15の中から選択ワード線15aを選択的に決定できる。かくして、この不揮発性半導体記憶装置95でも、ワード線列(N型メモリウェルNW2)毎にそれぞれ独立した行方向アドレスデコーダを設ける必要がなく、従来同様に小型化を図ることができる。
(11)NMOSスイッチの耐圧構造について
ここでは、一例として、上述した第1〜第10の実施の形態のうち、図2に示す第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置21に着目し、この不揮発性半導体記憶装置21のNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)の耐圧構造について説明する。この場合、各電源ユニット4のNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)には、一端に第2電源線6a(6b)が接続され、他端にワード線15が接続され、さらにゲートに共通NMOS制御線NGa〜NGdが接続されている。
このようなNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)は、データ書き込み時及びデータの消去時、0[V]又は8[V]のいずれか一方の制御電圧が、共通NMOS制御線NGa〜NGdを介してゲートに印加され、かつ0[V]がP型ウェルPW1に印加されていることから、ゲートでのP型ウェルPW1との最大電圧差を、比較的低い8[V]に設定できる。また、このNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)では、データ書き込み時及びデータの消去時、0[V]又は6[V]のいずれか一方の電圧が、第2電源線6a(6b)を介してソースに印加され、かつ0[V]がP型ウェルPW1に印加されていることから、ソース側でのP型ウェルPW1との最大電圧差を比較的低い6[V]に設定できる。
以上より、このNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)では、ゲートにおけるP型ウェルPW1との最大電圧差が8[V]となり、ソース側におけるP型ウェルPW1との最大電圧差が6[V]となることから、8[V]の耐圧構造を備えればよく、その分、ゲート絶縁膜を薄膜化し得る。また、不揮発性半導体記憶装置21では、これと同時に、共通NMOS制御線NGa〜NGdや共通PMOS制御線PGa〜PGdにかかる最大電圧差も8[V]であることから、それら周辺回路に用いる周辺NMOSトランジスタについても、同じく8[V]の最大電圧差に合わせてゲート絶縁膜を薄膜化したトランジスタ構成とすることができる。
しかしながら、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)は、ゲート及びP型ウェルPW1間の最大電圧差と、ソース及びP型ウェルPW1間の最大電圧差とが8[V]であるものの、ドレイン側でのP型ウェルPW1との最大電圧差が12[V]となってしまう。すなわち、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)は、選択ユニット列2aにて選択行3aとなったとき、ドレインに接続された選択ワード線15aに、12[V]の書き込みゲート電圧が印加されることから、この12[V]の高電圧の書き込みゲート電圧に合わせて、ドレイン側を高耐圧構造にする必要がある。そこで、本発明による不揮発性半導体記憶装置21では、図15及び図16に示すような耐圧構造を備えたNMOSスイッチ100,115,117,120,123,131,135を用いることが望ましい。
ここで、図15及び図16は、周辺回路を構成する周辺NMOSトランジスタ101と、不揮発性半導体記憶装置21に設けるNMOSスイッチ100,115,117,120,123,131,135(図2に示すNMOSスイッチ9a,9c(9b,9d)に相当)との側断面構成を示す断面図である。ここでは、左右非対称の耐圧構造を備えたNMOSスイッチ100,115,117,120,123と、ウェル濃度を低濃度にしたNMOSスイッチ131と、ゲート絶縁膜全体を厚くしたNMOSスイッチ135を示している。この場合、図15及び図16に示すように、周辺NMOSトランジスタ101は、不揮発性半導体記憶装置21の共通NMOS制御線NGa〜NGdにおける電圧差が8[V]以下に設定されていることから、これに合わせて印加される電圧の電圧差が8[V]になり、電圧負担が軽減されている分、ゲート絶縁膜105aを薄膜化し得るようになされている。
実際上、この周辺NMOSトランジスタ101には、例えば半導体基板としてのP型ウェル102に、所定間隔を空けてソース103a及びドレイン103bが形成されており、これらソース103a及びドレイン103b間のP型ウェル102上にゲート絶縁膜105aが設けらている。P型ウェル102には、ソース103aの端部にソース側イクステンション部104aが形成されているとともに、ドレイン103bの端部にドレイン側イクステンション部104bが形成されており、これらソース側イクステンション部104a及びドレイン側イクステンション部104b間にチャネル領域が形成されている。また、周辺NMOSトランジスタ101は、P型ウェル102のチャネル領域上に、ゲート絶縁膜105aを介してゲート106aが形成された構成を有し、共通NMOS制御線NGa,NGb,NGc,NGdにおける8[V]以下の最大電圧差に合わせて、P型ウェル102及びゲート106a間のゲート絶縁膜105aの膜厚を12[nm]に形成し得、ゲート絶縁膜105aを薄膜化し得るようになされている。
一方、図15(1)に示すように、NMOSスイッチ100は、左右非対称の耐圧構造を備えており、ドレイン103dの端部に形成されたドレイン側イクステンション部110の不純物濃度を、ソース側イクステンション部104cの不純物濃度に比べて低くした点で、周辺NMOSトランジスタ101とは相違している。実際上、NMOSスイッチ100には、P型ウェル102に所定間隔を空けてソース103c及びドレイン103dが形成されており、これらソース103c及びドレイン103d間のP型ウェル102上にゲート絶縁膜105bが設けらている。また、このP型ウェル102には、ソース103cの端部にソース側イクステンション部104cが形成されているとともに、ドレイン103dの端部にドレイン側イクステンション部110が形成されており、これらソース側イクステンション部104c及びドレイン側イクステンション部110間にチャネル領域が形成され、チャネル領域上にゲート絶縁膜105bを介して制御ゲート106bが設けられている。
ここで、NMOSスイッチ100は、図2のNMOSスイッチ9a,(9b,9c,9d,…)に相当することから、データ書き込み時、例えばゲート106bに0[V]又は8[V]が印加され、ソースに0[V]又は6[V]が印加され、さらにP型ウェル102に0[V]が印加され得る。これにより、NMOSスイッチ100は、ゲート及びP型ウェル102間での最大電圧差と、ソース及びP型ウェル102間での最大電圧差とが8[V]以下に抑えられていることから、ゲート及びP型ウェル102間のゲート絶縁膜105bの膜厚を12[nm]に形成し得、ゲート絶縁膜105bを薄膜化し得るようになされている。
一方、このNMOSスイッチ100には、上述したように、ドレインにワード線15が接続されることになるため、データ書き込み時、12[V]の書き込みゲート電圧と0[V]の書き込み禁止ゲート電圧とが印加されることがあり、その結果、ドレイン側にてこの12[V]の最大電圧差に対する耐圧構造を備えている必要がある。そこで、NMOSスイッチ100では、不純物濃度が低濃度のドレイン側イクステンション部110を設けることにより、当該ドレイン側イクステンション部110にて電圧を降下し得るようにした。これにより、NMOSスイッチ100では、ドレイン側に12[V]の電圧差に対する耐圧構造を備えつつ、周辺NMOSトランジスタ101と同様に、ゲート絶縁膜105bの膜厚を12[nm]に形成してゲート絶縁膜105bを薄膜化し得るようになされている。
次に、図15(2)に示すNMOSスイッチ115について説明する。図15(2)に示すように、このNMOSスイッチ115は、左右非対称の耐圧構造を備えており、ドレイン103dを制御ゲート106bから遠ざけて形成したオフセット構造を有する。実際上、このNMOSスイッチ115は、上述したNMOSスイッチ100よりも、ソース103c及びドレイン103d間の間隔が広く形成されており、ドレイン側イクステンション部104dが、ソース側イクステンション部104cに比して2〜3倍広域に亘って形成され、その分、ドレイン103dからゲート106bが遠ざけられている。なお、このNMOSスイッチ115では、ゲート絶縁膜105bの両側部にあるサイドウォールが左右対称に形成されており、ソース側イクステンション部104c全てをサイドウォールにて覆われているものの、広域に広がるドレイン側イクステンション部104dについては一部のみをサイドウォールにて覆う構成を有している。
このような構成を有するNMOSスイッチ115でも、ドレイン103dがゲート106bから遠ざけられている分、ドレイン103d側に生じる12[V]の最大電圧差による影響を緩和させつつ、周辺NMOSトランジスタ101と同様に、ゲート絶縁膜105bの膜厚を12[nm]に形成して薄膜化し得るようになされている。
次に、図15(3)に示すNMOSスイッチ117について説明する。図15(3)に示すように、このNMOSスイッチ117は、上述と同様に左右非対称の耐圧構造を備えており、ドレイン103dを制御ゲート106bから遠ざけて形成したオフセット構造を有するとともに、ゲート絶縁膜105b側部のサイドウォールが、広域に広がるドレイン側イクステンション部104d全てを覆うように形成されている点で、上述したNMOSスイッチ115と相違している。このような構成を有するNMOSスイッチ117も、ドレイン103dが制御ゲート106bから遠ざけられている分、ドレイン103d側に生じる12[V]の最大電圧差による影響を緩和させつつ、周辺NMOSトランジスタ101と同様に、ゲート絶縁膜105bの膜厚を12[nm]に形成して薄膜化し得るようになされている。
次に、図16(1)に示すNMOSスイッチ120について説明する。図16(1)に示すように、このNMOSスイッチ120は、上述と同様に左右非対称の耐圧構造を備えており、例えば膜厚が12[nm]のゲート絶縁膜105bを備えるとともに、当該ゲート絶縁膜105bよりも膜厚の厚いゲート絶縁膜(以下、厚膜ゲート酸化膜と呼ぶ)105fが形成された構成を有している。実際上、このNMOSスイッチ120は、制御ゲート106cのうちドレイン103d側に位置する底端部に上部側へ凹んだ段差部が形成されており、当該段差部によってゲート106cの底端部がP型ウェル102から遠ざけられている。この場合、ゲート106cの段差部を有しないソース103c側では、周辺NMOSトランジスタ101と同様に、P型ウェル102とゲート106cとの間のゲート絶縁膜105dの膜厚が12[nm]に形成されており、当該ゲート絶縁膜105bを薄膜化した構成を備えている。
一方、ゲート106Cの段差部を有したドレイン103d側では、ゲート106cの底部がP型ウェル102から遠ざかるように凹んでいる分、当該制御ゲート106c及びP型ウェル102間が離れ、その分だけ膜厚が厚くなった厚膜ゲート絶縁膜105fが形成され得る。このような構成を有するNMOSスイッチ120は、ドレイン103dとゲート106cとの間の厚膜ゲート絶縁膜105fの厚い膜厚の分、ドレイン103d側に生じる12[V]の最大電圧差による影響を緩和させることができ、一方のソース103c側のゲート絶縁膜105bの膜厚を12[nm]に形成して薄膜化し得るようになされている。
次に、図16(2)に示すNMOSスイッチ123について説明する。図16(2)に示すように、このNMOSスイッチ123には、ウェル濃度が周辺NMOSトランジスタ101のP型ウェル102のウェル濃度に比して低濃度のP型ウェル124にソース103c及びドレイン103eが所定間隔を空けて形成されている。P型ウェル124内部には、ソースの端部にソース側イクステンション部104cが形成され、これらソース103c及びソース側イクステンション部104cを覆うように不純物濃度が異なる他のイクステンション部125が形成されている。
また、P型ウェル124内部には、ドレイン103eの端部に埋め込み酸化膜105gが形成されており、これらドレイン103e及び埋め込み酸化膜105gの底部にドレイン側イクステンション部126が形成され、ソース側のイクステンション部125と、埋め込み酸化物105gとの間にチャネル領域が形成されている。また、P型ウェル124には、チャネル領域上にゲート絶縁膜105bを介してゲート106dが設けられている。ここで、P型ウェル124は、ゲート106dのドレイン103e側に位置する低端部と対向する位置に、埋め込み酸化膜105gが形成されており、当該埋め込み酸化物105gを設けた分だけ、ゲート106dがドレイン103e及びドレイン側イクステンション部126から遠ざかるように形成されている。
このようにNMOSスイッチ123では、ゲート106dのドレイン103e側に位置する低端部が埋め込み酸化膜105gに乗り上げるように配置し、ドレイン103eとゲート106dとを埋め込み酸化膜105gによって遠ざけるようにしたことで、ドレイン103e側に生じる12[V]の最大電圧差による影響を緩和させつつ、ゲート絶縁膜105bの膜厚を12[nm]に形成して薄膜化し得るようになされている。
次に、図16(3)に示すNMOSスイッチ131について説明する。図16(3)に示すように、このNMOSスイッチ131は、周辺NMOSトランジスタ101と同様に左右対称の耐圧構造を備えており、ゲート106b及びP型ウェル132間のゲート絶縁膜105bの膜厚を12[nm]に形成して薄膜化が図られている一方、P型ウェル132のウェル濃度が、例えば周辺NMOSトランジスタ101のP型ウェル102のウェル濃度に比して低濃度に選定されている。これにより、NMOSスイッチ131では、ソース103c及びドレイン103d間の降伏電圧そのものを上げて、ドレイン103d側に生じる12[V]の最大電圧差に対する耐圧構造を備えつつ、周辺NMOSトランジスタ101と同様に、ゲート絶縁膜105bの膜厚を12[nm]に形成して薄膜化し得るようになされている。
次に、図16(4)に示すNMOSスイッチ135について説明する。図16(4)に示すように、このNMOSスイッチ135は、左右対称の耐圧構造を備えているものの、周辺NMOSトランジスタ101よりも、ゲート106b及びP型ウェル102間のゲート絶縁膜105hの膜厚が厚く選定され、当該ゲート絶縁膜105hの膜厚によってドレイン103d側に生じる12[V]の最大電圧差に対する耐圧構造を備えているものである。このようにNMOSスイッチ135では、ゲート絶縁膜105hの膜厚を厚く形成した分だけ、周辺NMOSトランジスタ101と比して全体の厚さが厚くなるものの、ドレイン103d側に生じる12[V]の電圧差に対する耐圧構造を備えるものとなり得る。
(12)不揮発性半導体記憶装置を用いた混載チップ
ここで、図17は、従来の不揮発性半導体記憶装置212(EEPROM又はFlashであり、図中、「EEPROM/Flash」と表記)を用いた混載チップ201と、本発明による不揮発性半導体記憶装置255(上述した不揮発性半導体記憶装置1,21,27,31,38,40,41,51,55,61,75,86,91,95に相当し、図中、「EEPROM/Flash」と表記)を用いた混載チップ251とを示している。この場合、従来の混載チップに201は、基板202の周縁に多数のボンディングパッド等の外部接続電極203が配置され、それら外部接続電極203で囲まれた内側領域に、ロジック回路電源207と、CPU208と、アナログ回路209と、不揮発性半導体記憶装置212と、RAM210とが設けられている。
実際上、従来の混載チップ201では、ロジック回路電源207と、CPU208と、RAM210と、不揮発性半導体記憶装置212の周辺回路211とが、ロジック回路電源207により印加される例えば1.2[V]のロジック回路電圧に対する耐圧を持つ薄膜トランジスタで構成される領域AR10となり得る。また、この従来の混載チップ201では、アナログ回路209が、例えば5.0[V]や3.3[V]のインターフェース電圧に対する耐圧を持つトランジスタで構成される領域AR11となり得る。さらに、この従来の混載チップ201では、不揮発性半導体記憶装置212が、例えば12[V]や10[V]の書き換えゲート電圧に対する耐圧を持つ厚膜トランジスタで構成される領域AR12となり得る。
このように、従来の混載チップ201では、一般的に、1.2[V]のロジック回路電圧に対する耐圧構造として、例えばゲート絶縁膜が3[nm]の低圧トランジスタで構成される領域AR10と、5.0[V]や3.3[V]のインターフェース電圧に対する耐圧構造として、例えばゲート絶縁膜が12[nm]の5[V]トランジスタで構成される領域AR11とを備えている。この場合、従来の混載チップ201では、領域AR10や領域AR11にて、低電圧のトランジスタ構成によりゲート絶縁膜を12[nm]程度に薄膜化できるにもかかわらず、不揮発性半導体記憶装置212を内蔵させることで、この不揮発性半導体記憶装置212の耐圧構造に合わせて、例えば18[nm]の高耐圧トランジスタを新たに追加することが必要となり、これに応じて製造マスク数も増加し、その分、プロセスコストも高くなるという問題があった。
一方、本発明による不揮発性半導体記憶装置255は、データ書き込み時、例えば12[V]や10[V]の書き込みゲート電圧がワード線15に印加されるものの、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)やNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)での電圧振幅を8[V]以下に設定し得ることから、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)や、NMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)、第1及び第2PMOS制御電圧発生回路、第1及び第2NMOS制御電圧発生回路にかかる電界を小さくすることができる。
その結果、本発明の不揮発性半導体記憶装置255を用いた混載チップ251では、書き込みゲート電圧や書き込み禁止ゲート電圧はそのままに、この書き換えゲート電圧等を扱う回路に標準的な5[V]トランジスタを使用することができ、専用の高耐圧トランジスタを付加することなく、FlashメモリやEEPROMとなる不揮発性半導体記憶装置255を搭載できる。
(13)他の実施の形態
なお、上述した実施の形態では、図1〜図14において、データ書き込み時や、データ消去時における電圧値をそれぞれ明記しているが、本発明はこれに限らず、種々の電圧値を適用してもよく、例えば10[V]の書き込みゲート電圧等、必要に応じて電圧値を適宜変更してもよい。また、例えば、第2の実施の形態や第3の実施の形態等では、切替機構として、PMOSスイッチ8a,8c,…(8b,8d,…)とNMOSスイッチ9a,9c,…(9b,9d,…)の2種類のMOSスイッチで切替機構を構成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、PMOSスイッチだけで切替機構を構成したり、NMOSスイッチだけで切替機構を構成するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、電荷蓄積層に電荷を蓄積可能なメモリセルとして、シリコンチッ化膜層に電荷を蓄積可能なSONOS型のメモリセルCを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、トンネル酸化膜上に導電性のポリシリコンを形成し、その浮遊ゲートに電荷を蓄積するスタック型のメモリセル等その他種々のメモリセルを適用してもよい。
さらに、例えば第1の実施の形態等においては、非選択ユニット列2bにて、非選択ワード線15b,15d,…や、P型メモリウェルPW2、非選択第1ビット線L1c、非選択第2ビット線L2cの各電圧値を全て同一電圧とし、一方、第5の実施の形態においては、非選択ユニット列32bにて、非選択ワード線15b,15d,…及びP型メモリウェルPW2の電圧値と、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cの電圧値と電圧差を2[V]に設定した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、非選択ユニット列2b,32b,…にて、非選択ワード線15b,15d,…及びP型メモリウェルPW2の電圧値の電圧差を1[V]以下に設定したり、或いは、非選択ワード線15b,15d,…及びP型メモリウェルPW2の電圧値と、非選択第1ビット線L1c及び非選択第2ビット線L2cの電圧値と電圧差を1[V]以下に設定する等、要は、非選択ユニット列2b,32b,…にて非選択メモリセルC2に電荷が蓄積されなければ、その他種々の電圧差に設定してもよい。
さらに、上述した第2の実施の形態においては、共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdに印加される制御電圧の電圧振幅を8[V]以下とし、第3の実施の形態においては、共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdに印加される制御電圧の電圧振幅を6[V]以下とし、第5の実施の形態においては、共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdに印加される制御電圧の電圧振幅を6[V]以下とし、第6の実施の形態においては、共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdに印加される制御電圧の電圧振幅を4[V]以下にそれぞれ設定してもよく、その他、選択メモリセルC1に印加される書き込みゲート電圧(例えば12[V])と、非選択メモリセルC2に印加される最小の書き込み禁止ゲート電圧(例えば0[V])との間に、共通PMOS制御線PGa〜PGd及び共通NMOS制御線NGa〜NGdに印加される制御電圧の電圧振幅が選定していれば、種々に電圧振幅を選定してもよい。
さらに、上述した第1〜第10の実施の形態において、各実施の形態毎にそれぞれ発明の動作及び効果を記載したが、一の実施の形態と同一の構成を備える他の実施の形態では、仮に、他の実施の形態に記載されていない動作及び効果であったとしても、当然に一の実施の形態に記載した動作及び効果を奏するものである。