以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置をコピー機に適用した場合の実施形態を説明する。
図1を参照して、本実施形態におけるコピー機1の全体構造を説明する。図1は、コピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
図1に示すように、画像形成装置としてのコピー機1は、コピー機1における上下方向Zの上方側に配置される画像読取装置300と、コピー機1における上下方向Zの下方側に配置され画像読取装置300により読み取られた画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
なお、コピー機1の説明において、副走査方向Xをコピー機1の「左右方向」ともいい、主走査方向Y(図1を貫く方向)をコピー機1の「前後方向」ともいう。コピー機1の上下方向Zは、副走査方向X及び主走査方向Yと直交する。
まず、画像読取装置300について説明する。
図1に示すように、画像読取装置300は、蓋部材70と、原稿Gの画像を読み取る読取部301と、を備える。
蓋部材70は、読取部301に対して不図示の連結部により開閉可能に連結されている。蓋部材70は、後述する読取面302Aを保護する機能を有する。
読取部301は、筐体306と、筐体306の上方側に配置される読取面302Aと、を備える。また、読取部301は、筐体306の内部空間304に、光源を含む照明部340と、複数のミラー321、322及び323と、副走査方向Xに移動する第1枠体311及び第2枠体312と、結像レンズ357と、読取装置としてのCCD358と、CCD358により読み取られた画像情報に対して所定の処理をすると共に該画像情報を装置本体M側に出力させるCCD基板361と、を備える。照明部340及び第1ミラー321は、第1枠体311に収容される。第2ミラー322及び第3ミラー323は、第2枠体312に収容される。
読取面302Aは、副走査方向X及び主走査方向Yと直交する方向に拡がり、読取部301における副走査方向Xの大部分に亘っている。原稿Gは、読取面302Aに載置される。第1枠体311及び第2枠体312それぞれは、後述する光路Hの長さ(光路長)を一定に保持しながら副走査方向Xに移動する。これにより、読取面302Aに載置された原稿Gの画像が読み取られる。
筐体306の内部空間304において、複数のミラー321、322及び323は、原稿Gからの光を結像レンズ357に入射させるための光路Hを形成する。また、第1枠体311が副走査方向Xに一定速度Aで移動すると共に、第2枠体312が副走査方向Xに一定速度A/2で移動するため、画像読み取り動作時においても、光路Hの長さは一定に維持される。読取部301の詳細については後述する。
次に、装置本体Mについて説明する。
装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、光源としてのレーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dと、現像装置16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラー8と、対抗ローラー18と、定着部9と、を備える。
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラー対80と、第1排紙部50aと、第2排紙部50bとを備える。なお、搬送路Lは、後述するように、第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、手差し搬送路Laと、戻り搬送路Lbと、後処理搬送路Lcとの集合体である。
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像装置16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラー37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラー8及び対抗ローラー18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、後述する現像ローラー150及び後述するレーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dに対向して配置される。そして、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dから出射された光によって表面に静電潜像が形成される。更に、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、現像ローラー150から移動したトナーによって静電潜像が現像されることにより表面にトナー画像が形成される。
すなわち、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザー光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モーター等を有して構成される。
レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dは、光(レーザー光)を出射する。すなわち、レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部301により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラー、トナー攪拌用の攪拌ローラー等を有して構成される。現像装置16a、16b、16c、16dの詳細については後述する。
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像装置16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
中間転写ベルト7(本発明の「中間転写体」に対応する)には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラー35、駆動ローラーである対抗ローラー18、テンションローラー36等に掛け渡される。テンションローラー36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色トナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラー8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
中間転写ベルト7における2次転写ローラー8とは反対側には、対抗ローラー18が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラー8と対抗ローラー18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。2次転写ローラー8と対抗ローラー18との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tに2次転写される。
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色トナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧されることで用紙Tに定着される。
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する2個の給紙カセット52が上下に積み重ねた状態で配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの筐体から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において左側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラー対63からなる重送防止機構を備える。
装置本体Mの右側面(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの右側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
装置本体Mにおける上方側には、第1排紙部50a及び第2排紙部50bが設けられる。第1排紙部50a及び第2排紙部50bは、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。第1排紙部50a及び第2排紙部50bの詳細については後述する。
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から第1排紙部50aまでの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を第2排紙部50bに接続された後処理装置(図示せず)に搬送する後処理搬送路Lcとを備える。
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、後処理搬送路Lcが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出された用紙Tの搬送方向を、第1排紙部50aに向かう第3搬送路L3又は第2排紙部50bに向かう後処理搬送路Lcに整流させる(切り換える)。
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラー8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサーと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラー対80が配置される。センサーは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラー対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラー対80は、センサーからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(非印刷面)にもトナー画像を形成させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラー8の上流側に配置されたレジストローラー対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
第3搬送路L3における端部には、第1排紙部50aが形成される。第1排紙部50aは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第1排紙部50aは、装置本体Mの右側面側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。第1排紙部50aは、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
第1排紙部50aにおける開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され第1排紙部50aから排紙された用紙Tが積層して集積される。
後処理搬送路Lcにおける端部には、第2排紙部50bが形成される。第2排紙部50bは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第2排紙部50bは、装置本体Mの左側面側(図1において左側、後処理装置が連結される側)に向けて開口している。第2排紙部50bは、後処理搬送路Lcを搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
第2排紙部50bにおける開口側には、後処理装置(図示せず)が連結される。後処理装置は、画像形成装置(コピー機1)から排出される用紙の後処理(ステープル、パンチ等)を行うものである。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサーが配置される。
次に、主搬送路L1〜L3(第1搬送路L1、第2搬送路L2及び第3搬送路L3を合わせて以下「主搬送路」ともいう)及び戻り搬送路Lbにおける紙詰まり(JAM)を解消するための構造について簡単に説明する。
図1に示すように、装置本体Mの左側面側(図1において左側)には、主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbが主に上下方向に延びるように並列している。装置本体Mの左側面側(図1において左側)には、装置本体Mの側面の一部を形成するように、カバー体40が設けられている。カバー体40は、その下端部において、支点軸43を介して装置本体Mに連結されている。支点軸43は、その軸方向が主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbを横断する方向に沿って配設されている。カバー体40は、支点軸43を中心として閉位置(図1に示す位置)と開位置(図示せず)との間を回動自在に構成されている。
カバー体40は、支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第1のカバー部41と、同じ支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第2のカバー部42とから構成されている。第1のカバー部41は、第2のカバー部42よりも装置本体Mの外側(側面側)に位置する。なお、図1において、左下がりの破線でハッチングされた部分が第1のカバー部41であり、右下がりの破線でハッチングされた部分が第2のカバー部42である。
カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41は、その外面側が装置本体Mの外面(側面)の一部を形成している。
また、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第2のカバー部42は、その内面側(装置本体M側)が主搬送路L1〜L3の一部を形成している。
更に、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41の内面側と第2のカバー部42の外面側とが、戻り搬送路Lbの少なくとも一部を形成している。つまり、戻り搬送路Lbは、第1のカバー部41と第2のカバー部42との間に形成されている。
本実施形態のコピー機1は、このような構成のカバー体40を備えることにより、主搬送路L1〜L3で紙詰まり(JAM)が発生した際には、カバー体40を図1に示す閉位置から、開位置(図示せず)に回動して主搬送路L1〜L3を開放することにより、主搬送路L1〜L3に詰まった用紙を処理することができる。一方、戻り搬送路Lbで紙詰まりが発生した際には、カバー体40を開位置に回動した後、支点軸43を中心に第2のカバー部42を装置本体M側(図1において右側)に回動させて戻り搬送路Lbを開放することにより、戻り搬送路Lbに詰まった用紙を処理することができる。
次に、図2及び図3により、本実施形態の現像装置について詳細に説明する。前述の通り、コピー機1は、4個の現像装置16a、16b、16c、16dを備えているが、それぞれ同様の構成を有しているため、以下では現像装置16aを代表して説明する。
図2は、現像装置16a及び感光体ドラム2aを示す図である。図3は、現像ローラー150の表面に所定厚さのトナー層193が形成される様子を示す図である。
図2及び図3に示すように、本実施形態の現像装置16aは、トナー192及び磁性キャリア191を含む二成分現像剤190を収容する現像容器110と、現像容器110の内部に配置される攪拌ローラー120a,120bと、攪拌ローラー120aの垂直方向における上方に配置される現像剤担持体としての磁気ローラー130と、磁気ローラー130の側方(図2において左側)に磁気ローラー130に近接して配置される層厚規制ブレード140と、層厚規制ブレード140の垂直方向における上方に配置されるカバー部材141と、磁気ローラー130に対向して配置されるトナー担持体としての現像ローラー150と、を備える。また、本実施形態の現像装置16aは、操作表示部250と、第1電圧印加部261と、第2電圧印加部262と、制御部270と、記憶部280と、を備える。
現像容器110には、トナーカートリッジ5a(図1参照)からトナー供給部6a(図1参照)を介してトナー192が供給される。
攪拌ローラー120a,120bは、現像容器110に収容された二成分現像剤190を攪拌する。攪拌された二成分現像剤190には、摩擦により静電気が発生し、磁性キャリア191はマイナスに帯電し、本実施形態において、トナー192はプラスに帯電する。また、静電気力により、トナー192は、磁性キャリア191に付着する。
磁気ローラー130は、磁性キャリア191及びトナー192を含む二成分現像剤190を磁力により担持する。これにより、磁気ローラー130の表面には、現像剤層194が形成される。
すなわち、磁気ローラー130は、所定方向に回転可能であって磁気ローラー130の表面を構成する磁気スリーブ131と、磁気スリーブ131の内部に配置された6極の磁気ローラー磁極部材132〜137と、を備える。
磁気スリーブ131は、円筒形状であり、非磁性部材により構成される。磁気スリーブ131は、図2に示す矢印Bの方向に回転駆動される。磁気スリーブ131には、後述の第2バイアス印加部262から第2バイアス電圧V2が印加される。
図2及び図3に示すように、複数の磁気ローラー磁極部材132〜137は、磁気スリーブ131の内部において、周方向に並んで所定間隔あけて固定される。
第1磁気ローラー磁極部材132は、磁気ローラー130における後述の現像スリーブ151に最も近接する部分に対応して配置される。第1磁気ローラー磁極部材132は、外側(磁気スリーブ131の周面側)にN極が位置するように配置される。
図3に示すように、磁気ローラー磁極部材132〜137の磁力によって、現像容器110に収容された二成分現像剤190の一部は、磁気スリーブ131の表面に保持される。また、磁気ローラー130の表面に保持された一部の二成分現像剤190は、現像剤層(磁気ブラシ)194を形成する。
層厚規制ブレード140は、磁気ローラー130の表面に形成される現像剤層194の層厚を規制する。つまり、層厚規制ブレード140は、磁気ローラー130に保持された二成分現像剤190により形成された現像剤層194の層厚(高さ)を規制して、この層厚規制ブレード140を通過した現像剤層194の層厚を一定に保つ。層厚規制ブレード140は、板状の部材からなり、先端部側が磁気スリーブ131の表面に対向し且つ近接するよう配置される。層厚規制ブレード140の先端部と磁気スリーブ131の表面との間には所定の隙間(ギャップ)が形成される。
カバー部材141は、現像装置16aのケース体の一部を構成する部材である。カバー部材141は、層厚規制ブレード140の垂直方向における上方であって磁気ローラー130の側方(図2における左側)に配置される。カバー部材141は、トナー192が現像装置16aの外部へ飛散することを抑制する。
現像ローラー150は、磁気ローラー130に対向して配置される。現像ローラー150には、磁気ローラー130から移動したトナー192により表面にトナー層193が形成される。具体的には、現像ローラー150には、層厚規制ブレード140により層厚が規制された現像剤層194からトナー192が移動されて表面にトナー層193が形成される。現像ローラー150は、現像ローラー150の表面を構成する現像スリーブ151と、現像スリーブ151の内部に配置された現像ローラー磁極部材152と、を備える。
現像スリーブ151は、円筒形状であり、非磁性部材により構成される。現像スリーブ151は、その移動方向が、現像スリーブ151とは磁気スリーブ131の対向する位置において、磁気スリーブ131の移動方向とは反対方向(図2に示す矢印Cの方向)となるように回転駆動される。ここで、現像スリーブ151には、後述の第1電圧印加部261から第1バイアス電圧V1が印加される。
現像ローラー磁極部材152は、現像スリーブ151の内部において、第1磁気ローラー磁極部材132と対向して固定配置される。現像ローラー磁極部材152は、現像ローラー150における磁気スリーブ131に最も近接する部分に対応して配置される。
言い換えると、現像ローラー磁極部材152と第1磁気ローラー磁極部材132とは、現像スリーブ151と磁気スリーブ131とが最も近接する領域を挟んで、互いに対向して配置される。
現像ローラー磁極部材152は、第1磁気ローラー磁極部材132と向かい合う側の端部が第1磁気ローラー磁極部材132における外側の極性とは異なる極性を有する。つまり、現像ローラー磁極部材152は、外側(現像スリーブ151の周面側)にS極が位置するように配置される。そして、磁気ローラー130の内部に配置された第1磁気ローラー磁極部材132と、現像ローラー150の内部に配置された現像ローラー磁極部材152との間には、磁界171が形成される。磁気ローラー130と現像ローラー150との間における磁界171が形成された領域においては、現像剤層194は、磁界171の影響を受けて磁気ローラー130の表面から立ち上がり、磁気ブラシを形成して現像ローラー150に接触する。
図2において、操作表示部250は、操作キー及び表示画面(いずれも不図示)を有する。コピー機1の使用者は、操作表示部250の操作キーを操作することにより、使用する用紙T(被転写材)として、普通紙、厚紙、フィルムシート等を指定することができる。操作表示部250は、使用者により指定された用紙Tに関する識別信号を、感光体ドラム2aの線速度を調整する線速度調整部(不図示)及び後述の制御部270(電圧制御部271)に出力する。なお、本実施形態において、感光体ドラム2aの線速度(以下、ドラム線速度)ともいう)は、120〜420mm/secの間で変化する。
第1電圧印加部261は、後述の電圧制御部271から出力される制御信号により、現像ローラー150に後述する直流成分及び交流成分からなる第1バイアス電圧V1を印加する。
第2電圧印加部262は、後述の電圧制御部271から出力される制御信号により、磁気ローラー130に後述する直流成分及び交流成分からなる第2バイアス電圧V2を印加する。
光制御部272は、感光体ドラム2a(及び2b、2c、2d)に出射される光の量を調整するようにレーザースキャナーユニット4a(及び4b、4c、4d)を制御する。光制御部272は、レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4d毎に光量を調整する。
記憶部280は、ハードディスクや半導体メモリー等から構成される。記憶部280は、プリンター1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
記憶部280は、バイアス条件記憶部281を有する。バイアス条件記憶部281には、後述のバイアス条件に関するデータ(図4参照)が記憶されている。後述の電圧制御部271は、バイアス条件記憶部281を参照することにより、感光体ドラム2a(及び2b、2c、2d)のドラム線速度に対応するバイアス条件を取得する。
制御部270は、CPU、RAM及びROMにより構成される。RAMは、各種データを一時的に記憶する機能や演算時の作業領域となる機能を有する記憶装置である。ROMは、各種プログラムを記憶するフラッシュメモリーとしての機能を有する記憶装置である。CPUは、ROMからプログラムを読み出して実行する演算装置である。CPU、RAM及びROMとは、データバス(不図示)を介してデータの送受信を行う。CPUは、ROM等の記憶部から読み出したプログラムを実行することにより、そのプログラムの内容に応じた処理を実行する。
図2に示すように、制御部270は、電圧制御部271と、光制御部272と、を有する。
電圧制御部271は、操作表示部250から出力された識別信号(指定された用紙Tに関する識別信号)に基づいて、感光体ドラム2aのドラム線速度を特定する。そして、電圧制御部271は、特定したドラム線速度が予め設定された線速度より遅い場合には、現像ローラー150に印加する第1バイアス電圧V1の交流成分のデューティ比を予め設定されたデューティ比より減少させるように第1電圧印加部261を制御すると共に、磁気ローラー130に印加される第2バイアス電圧V2の交流成分のデューティ比を予め設定されたデューティ比より増加させるように第2電圧印加部262を制御する。
なお、本実施形態の電圧制御部271において、特定される感光体ドラム2aのドラム線速度は、後述の図4に示すように、400mm/sec、300mm/sec、及び200mm/secの3段階である。
現像ローラー150及び磁気ローラー130におけるバイアス条件は、図4に示すように予め設定されている。図4は、現像ローラー150及び磁気ローラー130におけるバイアス条件を説明するための図である。
図4において、Vmag_dcは、第2バイアス電圧V2の直流成分におけるトナー層形成バイアス電圧を示す。Vslv_dcは、第1バイアス電圧V1の直流成分における現像バイアス電圧を示す。Vslv_dutyは、第1バイアス電圧V1の交流成分のデューティ比を示す。Vmag_dutyは、第2バイアス電圧V2の交流成分のデューティ比を示す。Vslv_acは、第1バイアス電圧V1のピーク・トゥ・ピーク電圧(Vpp)を示す。Vslv_ac(max)は、第1バイアス電圧V1の許容最大値(Vmax)を示す。f_biasは、第1バイアス電圧V1及び第2バイアス電圧V2の交流成分における周波数を示す。
図4に示すように、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1及び第2バイアス電圧V2のVslv_dc及びVslv_dutyについては、感光体ドラム2aのドラム線速度の変更に係わらず一定となるように制御する。
また、図4に示すように、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyについては、感光体ドラム2aのドラム線速度が予め設定されたドラム線速度である400mm/secより遅い場合には、予め設定されたVslv_dutyである43%より減少させる。すなわち、電圧制御部271は、感光体ドラム2aのドラム線速度が400mm/secから300mm/secに変更された場合には、Vslv_dutyを37%に減少させるように第1電圧印加部261を制御する。また、電圧制御部271は、感光体ドラム2aのドラム線速度が300mm/secから200mm/secに変更された場合に、Vslv_dutyを31%に減少させるように第1電圧印加部261を制御する。
なお、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyは、20%〜50%の範囲で変化させることが好ましい。
また、図4に示すように、電圧制御部271は、第2バイアス電圧V2のVmag_dutyについては、感光体ドラム2aのドラム線速度が予め設定された線速度である400mm/secより遅い場合には、予め設定されたデューティ比である60%より増加させる。すなわち、電圧制御部271は、感光体ドラム2aのドラム線速度が400mm/secから300mm/secに変更された場合には、Vmag_dutyを70%に増加させるように第2電圧印加部262を制御する。また、電圧制御部271は、感光体ドラム2aのドラム線速度が300mm/secから200mm/secに変更された場合には、Vmag_dutyを80%に増加させるように第2電圧印加部262を制御する。
なお、第2バイアス電圧V2のVmag_dutyは、60%〜80%の範囲で変化させることが好ましい。
また、図4に示すように、電圧制御部271は、感光体ドラム2aのドラム線速度が低速になり、第1バイアス電圧V1及び第2バイアス電圧V2の交流成分のデューティ比(Vslv_duty、Vmag_duty)をそれぞれ上述のように変化させた場合には、第1バイアス電圧V1のVslv_ac(ピーク・トゥ・ピーク電圧)を、予め設定されたVslv_acである1650Vより減少させる。すなわち、電圧制御部271は、感光体ドラム2aのドラム線速度が400mm/secから300mm/secに変化した場合には、Vslv_acを1495Vに減少させるように第1電圧印加部261を制御する。また、電圧制御部271は、感光体ドラム2aのドラム線速度が300mm/secから200mm/secに変化した場合には、Vslv_acを1365Vに減少させるように第1電圧印加部261を制御する。
また、図4に示すように、電圧制御部271は、感光体ドラム2aのドラム線速度の変更に応じて第1バイアス電圧V1のVslv_acを減少させた場合でも、第1バイアス電圧V1の許容最大値Vmaxが一定(例えば、1650V)となるように第1電圧印加部261を制御する。
次に、電圧制御部271(制御部270)において、感光体ドラム2aのドラム線速度に応じてバイアス条件を変更する場合の処理手順を、図5のフローチャートを参照しながら説明する。図5に示すフローチャートの処理は、コピー機1の運転中において、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
図5に示すステップST101において、電圧制御部271は、操作表示部250から、使用者により指定された用紙Tに関する識別信号を取得する。
ステップST102において、電圧制御部271は、取得した識別信号に基づいて、感光体ドラム2aのドラム線速度を特定する。
ステップST103において、電圧制御部271は、ステップST102において特定した感光体ドラム2aのドラム線速度が400mm/secであるか否かを判定する。このステップST103において、電圧制御部271により、感光体ドラム2aのドラム線速度が400mm/secである(YES)と判定された場合に、処理はステップST104へ移行する。また、ステップST103において、電圧制御部271により、感光体ドラム2aのドラム線速度が400mm/secでない(NO)と判定された場合に、処理はステップST107へ移行する。
ステップST104(ステップST103:YES)において、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyを43%に設定する。
ステップST105において、電圧制御部271は、第2バイアス電圧V2のVmag_dutyを60%に設定する。
ステップST106において、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1のVslv_acを1650Vに設定する。これにより、本フローチャートの処理は終了する。
一方、ステップST107(ステップST103:NO)において、電圧制御部271は、ステップST102において特定した感光体ドラム2aのドラム線速度が300mm/secであるか否かを判定する。このステップST107において、電圧制御部271により、感光体ドラム2aのドラム線速度が300mm/secである(YES)と判定された場合に、処理はステップST108へ移行する。また、ステップST107において、電圧制御部271により、感光体ドラム2aのドラム線速度が300mm/secでない(NO)と判定された場合、すなわち、感光体ドラム2aのドラム線速度が200mm/secである場合に、処理はステップST110へ移行する。
ステップST108(ステップST107:YES)において、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyを37%に設定する。
ステップST109において、電圧制御部271は、第2バイアス電圧V2のVmag_dutyを70%に設定する。
ステップST110において、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1のVslv_acを1495Vに設定する。これにより、本フローチャートの処理は終了する。
また、ステップST111(ステップST107:NO)において、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyを31%に設定する。
ステップST112において、電圧制御部271は、第2バイアス電圧V2のVmag_dutyを80%に設定する。
ステップST113において、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1のVslv_acを1365Vに設定する。これにより、本フローチャートの処理は終了する。
上述した本実施形態のコピー機1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。なお、本実施形態における現像装置16aの効果は、コピー機1の他の現像装置16b、16c、16d(図1参照)にも共通する。
コピー機1の電圧制御部271は、感光体ドラム2aのドラム線速度が予め設定された線速度より遅い場合には、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyを予め設定されたVslv_dutyより減少させるように第1電圧印加部261を制御する。そのため、被転写材として厚紙が指定され、感光体ドラム2aのドラム線速度が低速になった場合でも、現像ローラー150から感光体ドラム2aへトナーが過剰に移動することがないため、ベタ画像における後端溜まりの発生を抑制することができる。
なお、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyを減少させる場合に、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyを20%〜50%の範囲で変化させるように第1電圧印加部261を制御する。第1バイアス電圧V1のVslv_dutyの減少が20%未満の場合には、現像性が低下する。一方、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyの減少が50%超過の場合には、マイナス側における電流のリークにより、実際に印加できる交流電圧が低くなるため、現像性が低下する。従って、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyを20%〜50%の範囲で変化させることにより、現像性を低下させることなく後端溜まりの発生を抑制することができる。
また、コピー機1の電圧制御部271は、感光体ドラム2aのドラム線速度が予め設定された線速度より遅い場合には、第2バイアス電圧V2のVmag_dutyを予め設定されたVmag_dutyより増加させるように第2電圧印加部262を制御する。感光体ドラム2aのドラム線速度が低速になった場合に、第1バイアス電圧V1のVslv_dutyのみを減少させると、感光体ドラム2aと現像ローラー150との間の現像性が低下して、現像ローラー150上に未現像トナーが残りやすくなる。しかし、第2バイアス電圧V2のVmag_dutyを増加させることにより、現像ローラー150上に残ったトナーを除去しやすくなる。
なお、電圧制御部271は、第2バイアス電圧V2のVmag_dutyを増加させる場合に、第2バイアス電圧のVmag_dutyを60%〜80%の範囲で変化させるように第2電圧印加部262を制御する。第2バイアス電圧のVmag_dutyの増加が60%未満の場合には、現像ローラー150と磁気ローラー130との間の電位差が少なくなるため、現像ローラー150上からの未現像トナーの回収(引き剥がし)が不十分となる。一方、第2バイアス電圧のVmag_dutyの増加が80%超過の場合には、現像ローラー150と磁気ローラー130との間の電位差が大きくなるため、磁気ローラー130から現像ローラー150へのトナーの移動が不十分となる。従って、第2バイアス電圧のVmag_dutyを60%〜80%の範囲で変化させることにより、後端溜まりの発生を抑制することができる。
上述のように、本実施形態のコピー機1によれば、感光体ドラムのドラム線速度が変化した場合でも、後端溜まりの発生を抑制することができる。
また、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1のVslv_duty及び第2バイアス電圧V2のVmag_dutyをそれぞれ上述のように変化させた場合には、第1バイアス電圧V1のVslv_ac(ピーク・トゥ・ピーク電圧)を予め設定されたVslv_acより減少させるように第1電圧印加部261を制御する。これにより、エッジ効果の影響が低減されるので、後端溜まりの発生をより効果的に抑制することができる。
また、電圧制御部271は、第1バイアス電圧V1のVslv_acを予め設定されたVslv_acより減少させる場合には、第1バイアス電圧V1の許容最大値が一定となるように制御する。このように、第1バイアス電圧V1の許容最大値を一定とすることにより、感光体ドラム2aと現像ローラー150との間で電流がリークしない範囲において、現像ローラー150に印加する第1バイアス電圧V1のVslv_acを最大にすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、本実施形態のコピー機1は、カラーコピー機であるが、これに限定されることなく、モノクロコピー機であってもよい。
また、本実施形態のコピー機1は、中間転写ベルト7を介して用紙Tにトナー画像を転写する間接転写方式であるが、これに限定されることなく、感光体ドラム2aに形成されたトナー画像を直接に用紙Tに転写する直接転写方式であってもよい。
また、本発明に係る画像形成装置は、上述したコピー機1に限定されることはない。すなわち、本発明に係る画像形成装置は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンター機能及びスキャナー機能を備えた複合機であってもよいし、ファクシミリやプリンターであってもよい。
更に本発明に係る画像形成装置によりトナー画像が定着される被転写材は、用紙Tに限定されることなく、例えば、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)シート等のフィルムシートであってもよい。