JP5907331B2 - 燃料電池発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池発電装置に関する。
燃料電池発電装置の一つとして、従来より、固体酸化物形燃料電池(以下「SOFC」という。)が知られている。このSOFCは、SOFC燃料電池セルにより主構成された発電モジュール(燃料電池本体)と、熱交換器や酸素含有ガス供給用ブロワなどの補機と、制御回路や電力変換ユニット(パワーコンディショナ)などの電子機器部との3つの機能ユニットによって主構成されている。
SOFC発電システムが運転状態になると、SOFC発電モジュールが発電に必要な反応温度となるように徐々に加熱され、発電開始時には発電モジュール内の温度は、700℃〜1000℃程度まで加熱される。
この温度上昇にしたがって装置の外装ケース内部の雰囲気温度も全体的に上昇する。すなわち、発電開始時には発電モジュールが設置されている空間の雰囲気温度は60℃前後まで上昇し、これに伴い、発電モジュールと電子機器部とが仕切板等で仕切られていても、電子機器部の雰囲気温度も上昇してしまうことになる。
電子機器部の雰囲気温度が上昇すると、電力変換ユニット内部の基板にはトランス等の発熱する部品が搭載されているため、電力変換ユニット内部の温度は電子機器部の雰囲気温度よりも更に高くなる。しかし、電力変換ユニット内部には、高温に弱い機器や部品が搭載されているため、何らかの冷却措置をすることが必要となる。
電力変換ユニットを内蔵する燃料電池発電装置において、電力変換ユニットを外気によって冷却するとともに、外気に含まれる埃や雨等が電力変換ユニットの内部に入り込むことを防止するための冷却装置を設けたものが、例えば、下記の特許文献1及び2に開示されている。
特開2011−29117号公報 特開2005ー85642号公報
特許文献1に記載の燃料電池装置は、外装ケース内に、燃料電池セルの発電により生じる直流電力を交流電力に変換するとともに、変換された交流電力の外部負荷への供給量を調整するための電力変換ユニット(供給電力調整部)とを備え、外装ケースは外気吸気口を備えるとともに、供給電力調整部は吸気口および吸気ファンを備え、供給電力調整部の吸気口が、外気吸気口よりも高い位置に配置されていることから、外気に含まれる埃や雨等が供給電力調整部に入り込むことを抑制でき、寿命低下を抑制することができるというものである。また、特許文献2に記載の燃料電池発電システムは、電気制御部吸気口を本体筺体の底面に設けることで、電気制御部内部に雨が侵入することを防止している。
しかし、特許文献1に開示された外装ケースの外気吸気口は外装ケースの側板の下部に斜め下方に向けて開口形成されているとともに、この外気吸気口及び供給電力調整部の吸気口が共に大きな開口部によって形成されているため、地面で跳ね返った雨水が泥などとともに外気吸気口から入り込み、供給電力調整部の吸気口に設けた吸気ファンに付着して、該吸気ファンからさらに内部に飛散されてしまうおそれがある。これは特許文献2に記載の装置についても同様であり、特許文献2にも、地面で跳ね返った雨水に対する確実な防止策については課題の提示もなされていない。
そこで、電力変換ユニットを内蔵する燃料電池発電装置において、省スペースかつ簡易な構造で、電力変換ユニットの冷却用給気に雨水が浸入することをより確実に防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、次の技術的手段を講じた。
底板を有する外装ケース内に、燃料電池本体と、該燃料電池本体によって発電された電力を変換するための電力変換ユニットとを内蔵した燃料電池発電装置において、外装ケースの底板には複数の小孔乃至スリットからなる吸気部が設けられ、該吸気部の上方に隙間を有して上下仕切板が設けられ、該上下仕切板に複数の小孔乃至スリットからなる給気部が設けられ、該給気部の上方に前記電力変換ユニットが配置され、前記吸気部及び給気部を介して前記電力変換ユニットの内部に取り込まれた外気によって電力変換ユニットの冷却を行うように構成され、底板の外部には、吸気部を下方から覆う防雨板が底板と隙間を有して設けられており、該防雨板と底板との間の空間に防雨板の側縁部の開口から水平方向に外気を吸気部に向けて導入するようにするとともに、前記開口を、底板の下面に設けた脚部材によって外方から覆うように構成したことを特徴とするものである(請求項1)。
かかる本発明の燃料電池発電装置によれば、吸気部を底板に設けているため、外装ケースの周囲の地面で跳ね返った雨水が吸気部の下面に直接当たることが低減される。さらに、底板の吸気部から外気を吸い込む際に、吸気部が複数の小孔乃至スリットにより構成されているため、雨水や砂埃等が吸気部を通過することをある程度阻止する。さらに、雨水や砂埃が吸気部を通過したとしても、吸気部の上方に隙間を有して上下仕切板を設けているため、この上下仕切板と底板との間の隙間に雨水や砂埃を滞留させることができる。そして、上下仕切板の給気部から外気を電力変換ユニットの内部に取り込むことにより、雨水や砂埃等が含まれていない外気を冷却用給気として電力変換ユニット内に供給することができる。また、底板の上方に上下仕切板を隙間を有して配設するという省スペース且つ簡易な構造で確実に雨水等が冷却用給気に入り込むことを防止でき、コスト低減や装置の小型化等を図ることができる。さらに、豪雨時などにおいても、外装ケース近傍の地面で跳ね返った雨水が直接、底板の吸気部に当たることを防雨板により阻止して、雨水等が吸気部を通過することをより確実に防止しつつ、外気を吸気部に導入することができる。
上記本発明の燃料電池発電装置において、外装ケースの底板の下面の前後縁部に、左右幅方向全長にわたる前後2本の前記脚部材が取り付けられており、前記防雨板の左右縁部が上方に折曲げられた状態の取付け部となされて該取付け部が底板に固定されており、これにより防雨板と底板との間の空間を防雨板の前後縁部のみにおいて開口させ、この開口を防雨板の前後外方に配置した脚部材によって前後方向外方から覆うように構成したものとすることができる(請求項2)。これによれば、吸気部への前後左右からの雨水の浸入を効果的に防止しつつ、外気を導入することが可能になる。
また、吸気部及び給気部のそれぞれの小孔乃至スリットが、垂直方向に重複しないように配設することが好ましい(請求項3)。このように、吸気部及び給気部のそれぞれの小孔乃至スリットをずらして配置することにより、地面で跳ね返った雨水の勢いが強い場合であっても、吸気部及び給気部の小孔乃至スリットを一気に通過してしまうことを防止できる。
さらに、前記電力変換ユニットは、下方開口函状のユニットケースを備え、該ユニットケースを前記上下仕切板上に取付固定することができる(請求項4)。これによれば、電力変換ユニットの機能を提供する構成部品をユニットケース内に組み付けた状態で、該ユニットケースを上下仕切板上に取付固定することにより、雨水等が侵入しない冷却用給気を行うことができ、構造の簡素化、組み立て作業性の向上が図られる。
また、外装ケースの側面には排気ダクトが設けられており、該排気ダクトの排気導入口は前記電力変換ユニットの内部空間上部に連通され、排気ダクトの排気口は外装ケースの底部近傍に開口されており、該排気ダクトの排気口と、前記底板の吸気部とが、前記脚部材によって遮断されている構成とすることができる(請求項5)。これによれば、冷却後の比較的熱くなった排気を地面に向けて排出することにより、燃料電池発電装置が設置される建物の壁面や、同装置の周囲の通路にいる人などに熱い排気が直接当たることを防止しつつも、この排気が底板の吸気部から直接吸い込まれることを脚部材により防止して、冷却効率を確保することができる。
以上説明したように、本発明の請求項1に係る燃料電池発電装置によれば、吸気部を底板に設けているため、外装ケースの周囲の地面で跳ね返った雨水が吸気部の下面に直接当たることが低減される。さらに、底板の吸気部から外気を吸い込む際に、吸気部が複数の小孔乃至スリットにより構成されているため、雨水や砂埃等が吸気部を通過することをある程度阻止する。さらに、雨水や砂埃が吸気部を通過したとしても、吸気部の上方に隙間を有して上下仕切板を設けているため、この上下仕切板と底板との間の隙間に雨水や砂埃を滞留させることができる。そして、上下仕切板の給気部から外気を電力変換ユニットの内部に取り込むことにより、雨水や砂埃等が含まれていない外気を冷却用給気として電力変換ユニット内に供給することができる。また、底板の上方に上下仕切板を隙間を有して配設するという省スペース且つ簡易な構造で確実に雨水等が冷却用給気に入り込むことを防止でき、コスト低減や装置の小型化等を図ることができる。さらに、豪雨時などにおいても、外装ケース近傍の地面で跳ね返った雨水が直接、底板の吸気部に当たることを防雨板により阻止して、雨水等が吸気部を通過することをより確実に防止しつつ、外気を吸気部に導入することができる。
また、本発明の請求項2に係る燃料電池発電装置によれば、吸気部への前後左右からの雨水の浸入を効果的に防止しつつ、外気を導入することが可能になる。
また、本発明の請求項3に係る燃料電池発電装置によれば、吸気部及び給気部のそれぞれの小孔乃至スリットをずらして配置することにより、地面で跳ね返った雨水の勢いが強い場合であっても、吸気部及び給気部の小孔乃至スリットを一気に通過してしまうことを防止できる。
また、本発明の請求項4に係る燃料電池発電装置によれば、電力変換ユニットの機能を提供する構成部品をユニットケース内に組み付けた状態で、該ユニットケースを上下仕切板上に取付固定することにより、雨水等が侵入しない冷却用給気を行うことができ、構造の簡素化、組み立て作業性の向上が図られる。
また、本発明の請求項5に係る燃料電池発電装置によれば、冷却後の比較的熱くなった排気を地面に向けて排出することにより、燃料電池発電装置が設置される建物の壁面や、同装置の周囲の通路にいる人などに熱い排気が直接当たることを防止しつつも、この排気が底板の吸気部から直接吸い込まれることを脚部材により防止して、冷却効率を確保することができる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池発電装置の全体縦断面図である。 図1のA−A線矢視断面拡大図である。 同燃料電池発電装置の構成をより具体的に示す要部分解斜視図である。 同燃料電池発電装置の燃料電池本体及び補機の一例を示す回路構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池発電装置の図2相当の断面拡大図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池発電装置1の概略構成図であり、図3は同装置1の要部をより具体的に示す要部分解斜視図であり、図4は同装置1の回路構成図の一例である。
図1〜図3に示すように、燃料電池発電装置1は、前後左右の側板2a,2b,2c,2d、天板2e及び底板2fとにより中空函状に構成された外装ケース2内に、SOFCセルスタックや改質器などを内蔵する燃料電池本体3と、熱交換器や酸素含有ガス供給用ブロワなどの補機4と、制御装置5及び電力変換ユニット6(パワーコンディショナ)を有する電子機器部7とを内蔵したものである。この電力変換ユニット6は、燃料電池本体3で発電された直流電力を交流電力に変換するとともに系統電力への送電のための電力調整等を行う。なお、図3においては、前側側板と天板は示しておらず、左右側板は上下分割式とされ、その左右側板の上部も示されておらず、補機4や配管・配線等の図示も省略してある。
外装ケース2は、その上下のほぼ中間に設定固定された燃料電池本体取付板8によって内部空間が上下に仕切られており、この取付板8上に燃料電池本体3が載置固定されている。取付板8の下部空間はさらに左右中間位置で左右仕切板9によって左右に仕切られており、この左右仕切板9の右側空間内に補機4が配設され、左側空間内に電子機器部7が配設され、電力変換ユニット6が左右仕切板9に隣接配置されており、その左右外方に制御装置5が配設されている。なお、左右仕切板9の組付け作業性を確保するため、左右仕切板9の上下幅は底板2fと取付板8との間隔よりも小さくなされ、左右仕切板9と底板2fとの間の隙間は下部遮風板10により遮蔽され、左右仕切板9と取付板8との間の隙間は上部遮風板11により遮蔽されている。外装ケース2の底板2fの下面の前後縁部には、左右幅方向全長にわたる前後2本の脚部材12が取付けられており、該脚部材12は、地面に左右に離間して設置された下駄基礎13,13上に架設されている。
外装ケース2の底板2fには、電力変換ユニット6の下方に位置して、複数の小孔からなる吸気部20が設けられている。なお、吸気部20は複数のスリットによって構成してもよく、また、スリットと小孔を混在させて構成してもよい。
この吸気部20の上方に隙間を有して、電力変換ユニット6の平面視形状よりも若干大きな長方形板状の上下仕切板21が底板2fとほぼ平行に配設されている。上記隙間を形成する方法はどのようなものでもよいが、本実施形態では、上下仕切板21の下面の前後縁部に左右方向に延びる細長いスペーサ22を取り付け、このスペーサ22を吸気部20の前後方向外方で底板2fに取付固定することによって上記隙間を形成している。
上記の上下仕切板21にも、底板2fの吸気部20と同様に、複数の小孔からなる給気部23が設けられている。なお、この給気部23も、複数のスリットによって構成してもよいし、小孔とスリットとを混在させて構成することもできる。この給気部23を構成する複数の小孔乃至スリットは、底板2fの吸気部20を構成する小孔乃至スリットに対して、垂直方向に重複しないように前後及び/又は左右に位置ずれして形成されている。
上記電力変換ユニット6は、上下仕切板21の上方に配置されるとともに、上下仕切板21上に載置固定されており、上下仕切板21が電力変換ユニット支持板として用いられている。電力変換ユニット6は、下方開口函状のユニットケース61内に、直流電力を交流電力に変換するDC変換回路や電力出力を調整する出力制御回路などを構成する回路基板を内蔵したものであり、ユニットケース61が上下仕切板21上に取付固定され、これによりユニットケース61の下部開口が上下仕切板21によりカバーされるとともに、底板2fの吸気部20及び上下仕切板21の給気部23を介して電力変換ユニット6のユニットケース61の内部に取り込まれた外気によって電力変換ユニット6内部の回路基板上の電子部品等の冷却を行うように構成されている。
さらに、底板2fの外部には、吸気部20を下方から覆う防雨板24が底板2fと隙間を有してほぼ平行に配設されている。この防雨板24の左右縁部は上方に折曲げ加工されて底板2fへの取付け部24aとなされており、この取付け部24aが底板2fにネジ等により固定されている。また、防雨板24の前後縁部は上記の脚部材12から離間されており、この防雨板24の前後側縁部から水平方向に外気を吸気部20に向けて導入するように構成されている。このように、防雨板24と底板2fとの間の空間を、防雨板24の前後縁部のみにおいて開口させ、この開口を防雨板24の前後外方に配置した脚部材12によって前後方向外方から覆うように構成することにより、吸気部20への前後左右からの雨水の浸入を効果的に防止しつつ、外気を導入することが可能になる。
吸気部20及び給気部23を介して電力変換ユニット6内に冷却用給気として導入された外気は、電力変換ユニット6内の構成部品の冷却を行った後、外装ケース2の背面(後側側面)に設けた排気ダクト25から排気される。排気ダクト25の排気導入口25aは、外装ケース2の後側板2bに設けられた複数のスリット状開口により構成されており、この排気導入口25aに、電力変換ユニット6の上部背面に設けた排気口26が接続され、これにより電力変換ユニット6の内部空間上部が排気ダクト25の排気導入口25aに連通されている。排気口26には排気ファン27が設けられている。なお、排気ファンは、吸気部23側に設けることもできる。
また、排気ダクト25は排気導入口25aから下方に延設され、排気ダクト25の排気口25bは外装ケース2の底部近傍で、且つ、上記の脚部材12の前後方向外方に開口されている。このように、排気ダクト25の排気口25bと、底板2fの吸気部20とを脚部材12によって遮断させることにより、熱い排気が直接吸気部20から導入されてしまうことを防止し、冷却効率が低下することを防止している。
次に、燃料電池本体3や補機4の具体例について例示しておくが、本発明は以下の実施例に示す構成に限定されるものではない。図4は燃料電池発電装置1として固体酸化物型燃料電池(SOFC)による発電システムの例を示し、熱電併給が可能な構成となされている。燃料電池本体3は、SOFCセルスタック31と、改質器32と、空気用熱交換器33とを備えている。また、補機4として、予熱・蒸発器14、燃料ガス回路15、改質用空気供給回路16、カソード空気供給回路17及び水供給処理回路18を有している。
この燃料電池本体3に対する燃料ガス・空気・水蒸気等の供給及び排ガスの排出は、いずれも予熱・蒸発器14を通して行われるようになっている。この予熱・蒸発器14に対し燃料ガス回路15、改質用空気供給回路16及びカソード空気供給回路17が通される一方、予熱用の熱源として燃料電池本体3の側から排ガスが導入されて水供給処理回路18に導出され、排ガス中の水分回収により得た純水が予熱・蒸発器14内の燃料ガス回路15に戻されて水蒸気改質用の水蒸気に変換されるようになっている。
上記セルスタック31は、複数のセルが所定間隔ずつ隔てた状態で立設されて構成されており、各セルは小径円筒形状のアノード(燃料極)と、この外周側を覆う大径円筒形状のカソード(空気極)とが間に電解質を挟んだ状態で同心円状に一体化されたものである。アノードやカソードはいずれもNi等の金属酸化物を含有するセラミックスにより形成されたものであり、電解質は例えばYSZ(イットリウム安定化ジルコニア)等の固体酸化物により形成されたものである。
セルのアノードの内孔に対し改質器32から供給された燃料ガスが下端から上端に向けて流され、又、アノードの外周面に空気用熱交換器33からカソード空気が供給されるようになっている。カソードではカソード空気の酸素が酸素イオンとなって電解質を通り、アノードでは燃料ガスの水素と反応して水(水蒸気)を生成する一方、その際に生じた電子が回路を通してカソード側に移動して酸素を再びイオン化するということを繰り返して発電される。アノードの内孔に供給された燃料ガスは上記反応に利用された後、オフガスとして改質器バーナに導かれて燃焼用の燃料として利用されるようになっている。又、カソード空気は上方に排気され、改質器バーナからの燃焼排ガスと共に、排ガスとして予熱・蒸発器14に送られるようになっている。その際、上記排ガスは空気を加熱するための熱源として空気用熱交換器33を通過するようになっている。
燃料ガス回路15には、元ガス電磁弁やガバナ等からなる調整弁151と、バッファータンク152、ガス流量センサ153、脱硫器154及び逆止弁155等とが介装され、予熱・蒸発器14に入る前に改質用空気供給回路16が合流するようになっている。改質用空気供給回路16には、図示省略のフィルタを通した大気を吸い込んで送給する改質用空気ブロワ161と、バッファータンク162と、改質用空気流量センサ163及び逆止弁164等とが介装されている。そして、改質用空気供給回路16が合流された燃料ガス回路15には、予熱・蒸発器14内において、水供給処理回路18からの純水が送給され、この純水が予熱・蒸発器14において水蒸気に蒸発した状態で改質器33に送られるようになっている。カソード空気供給回路17には、改質用空気供給回路16と同様に、図示省略のフィルタを通した大気を吸い込んで送給するカソード空気ブロワ171と、バッファータンク172及びカソード空気流量センサ173等とが介装されている。
水供給処理回路18は、予熱・蒸発器14を通過した後の排ガスに含まれる水分の水回収、回収した凝縮水の精製及び精製後の純水の貯留、並びに、貯留した純水を水蒸気として再利用すべく上記予熱・蒸発器14への供給をそれぞれ行う回路である。水供給処理回路18には、排熱回収用熱交換器181と、この熱交換器181で集水された凝縮水を一時貯留するドレンタンク182と、給水ポンプ183と、純水に精製するための逆浸透膜(RO膜)やイオン交換膜等からなる水精製部184と、純水流量を検出する純水流量センサ185と、逆止弁186とが上流側から順に介装されている。この水供給処理回路18から予熱・蒸発器14に供給された純水は予熱・蒸発器14で蒸発されて水蒸気になって改質器32及び電池本体3のアノード側に供給される。上記排熱回収用熱交換器181では、予熱・蒸発器14で顕熱回収された後の排ガスの潜熱回収を行うことにより、燃料電池装置1に並設される貯湯ユニット(図示せず)側の循環回路19から排熱回収用熱交換器181に循環供給される水を熱交換加熱するようになっている。
以上説明した本実施形態に係る燃料電池発電装置1によれば、電力変換ユニット6への冷却用給気として、外装ケース2の底板2fの下面側から取り込まれる外気を利用しているが、底板2fの下面の前後縁部に取付けた脚部材12によって外装ケース2の前後側方からの雨水を遮断するとともに、防雨板24によって外装ケース2の真下の地面から跳ね返る雨水を遮断し、さらに、防雨板24の取付け部24aによって左右側方からの雨水を遮断することにより、地面で跳ね返った雨水が底板2fの吸気部20に直接当たることが殆どない。そして、防雨板24と脚部材12との間の隙間から外気を吸気部20に向けて水平方向に導入した後、吸気部20から外気を取り込む際に、外気の進路方向が水平方向から垂直上方へ変わるため、殆どの雨水を吸気部20においてシャットダウンすることができる。さらに、たとえ吸気部20から雨水等が侵入したとしても、さらにその上方に隙間を有して設けた上下仕切板21には雨水等は到達できず、上下仕切板21と底板2fとの間の隙間に雨水等を確実に滞留させ、外気のみを上下仕切板21の給気部23を介して電力変換ユニット6内に供給することができる。電力変換ユニット6を冷却した後の排気は、排気ダクト25を介して外装ケース2の底部近傍であって脚部材12の前後方向外方に排気することにより、熱い排気が直接吸気部20から取り込まれることを回避して、冷却効率の向上をも図られる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池発電装置1を示し、上記第1実施形態と異なるところは排気ダクト25の設置位置であり、その他の構成は同様であるので同符号を付して詳細説明を省略する。本実施形態の排気ダクト25は、外装ケース2の前側板2aの内面に設けられており、電力変換ユニット6の排気口26はユニットケース61の前側板の上部に設けられている。また、排気ダクト25を通過する排気熱によって電力変換ユニット6が加熱されてしまうことを防止するために、排気ダクト25とユニットケース61との間の隙間には断熱材28が埋め込まれている。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。例えば、上記実施形態では電力変換ユニットの冷却の必要性が高い例としてSOFCに適用しているが、電力変換ユニットの冷却の必要性があるのであればSOFC以外の他の形式の燃料電池発電装置に本発明を適用することも可能である。
1 燃料電池発電装置
2 外装ケース
2f 底板
3 燃料電池本体
4 補機
6 電力変換ユニット
61 ユニットケース
12 脚部材
20 吸気部
21 上下仕切板
23 給気部
24 防雨板
25 排気ダクト
25a 排気導入口
25b 排気口

Claims (5)

  1. 底板を有する外装ケース内に、燃料電池本体と、該燃料電池本体によって発電された電力を変換するための電力変換ユニットとを内蔵した燃料電池発電装置において、
    外装ケースの底板には複数の小孔乃至スリットからなる吸気部が設けられ、該吸気部の上方に隙間を有して上下仕切板が設けられ、該上下仕切板に複数の小孔乃至スリットからなる給気部が設けられ、該給気部の上方に前記電力変換ユニットが配置され、前記吸気部及び給気部を介して前記電力変換ユニットの内部に取り込まれた外気によって電力変換ユニットの冷却を行うように構成され、
    底板の外部には、吸気部を下方から覆う防雨板が底板と隙間を有して設けられており、該防雨板と底板との間の空間に防雨板の側縁部の開口から水平方向に外気を吸気部に向けて導入するようにするとともに、前記開口を、底板の下面に設けた脚部材によって外方から覆うように構成したことを特徴とする燃料電池発電装置。
  2. 請求項1に記載の燃料電池発電装置において、外装ケースの底板の下面の前後縁部に、左右幅方向全長にわたる前後2本の前記脚部材が取り付けられており、前記防雨板の左右縁部が上方に折曲げられた状態の取付け部となされて該取付け部が底板に固定されており、これにより防雨板と底板との間の空間を防雨板の前後縁部のみにおいて開口させ、この開口を防雨板の前後外方に配置した脚部材によって前後方向外方から覆うように構成したことを特徴とする燃料電池発電装置。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置において、吸気部及び給気部のそれぞれの小孔乃至スリットが、垂直方向に重複しないように配設されていることを特徴とする燃料電池発電装置。
  4. 請求項1,2又は3に記載の燃料電池発電装置において、前記電力変換ユニットは、下方開口函状のユニットケースを備え、該ユニットケースが前記上下仕切板上に取付固定されていることを特徴とする燃料電池発電装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池発電装置において、外装ケースの側面には排気ダクトが設けられており、該排気ダクトの排気導入口は前記電力変換ユニットの内部空間上部に連通され、排気ダクトの排気口は外装ケースの底部近傍に開口されており、該排気ダクトの排気口と、前記底板の吸気部とが、前記脚部材によって遮断されていることを特徴とする燃料電池発電装置。
JP2011113077A 2011-05-20 2011-05-20 燃料電池発電装置 Expired - Fee Related JP5907331B2 (ja)

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