JP2016046224A - 燃料電池発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池発電装置において、低コストで且つ簡単な構造でもって電力変換装置の冷却性能の向上と排熱回収によって生成された凝縮水の脱気の両立が可能なもの、等を提供することである。【解決手段】燃料電池発電装置1は、燃料電池発電部6と、この燃料電池発電部6にて発電された電力を変換する電力変換装置12と、燃料電池発電部6の発電に伴う排気を冷却する排熱回収熱交換器11aと、この排熱回収熱交換器11aで発生した凝縮水を回収する凝縮水回収通路21と、この凝縮水回収通路21を介して回収された凝縮水を貯留する貯留タンク23とを備え、凝縮水回収通路21の一部は、電力変換装置12と接触した状態で設けられ、電力変換装置12は、凝縮水と熱交換可能に構成されている。【選択図】図3
Description
本発明は燃料電池発電装置に関し、特に電力変換装置の冷却性能の向上と共に排熱回収で生成された凝縮水の脱気の促進を行うものに関する。
従来から、空気と改質燃料ガス(水素含有ガス)との酸化還元反応によって化学エネルギーを電気エネルギーに変換することで電力を発生させ、この発電の際に副次的に発生する排熱を湯水として回収する燃料電池発電装置(燃料電池コージェネレーションシステム)が実用に供されている。この燃料電池発電装置は、発電を行う燃料電池発電モジュールと、排熱回収による熱交換後の湯水を貯湯する貯湯タンクと、燃料電池発電モジュールと貯湯タンクとの間に湯水を循環させる排熱回収循環回路等を備えている。
上記の燃料電池発電モジュールは、空気と改質燃料ガスとで発電を行なう燃料電池セルスタックとこの燃料電池セルスタックに供給する改質燃料ガスを純水(水蒸気)と燃料ガスから生成する燃料改質器及び蒸発器とオフガスを燃焼処理するオフガス燃焼室等を有する燃料電池発電部、この燃料電池発電部に発電用空気、燃料ガス及び純水等を供給する種々の供給装置、燃料電池発電部にて発電された交流を直流に変換する電力変換装置(パワーコンディショナユニット)、種々の器具を制御する制御ユニット等を備えている。
上記の燃料電池発電モジュールでは、排熱回収熱交換器により排気を冷却することによって生成された凝縮水を再使用する、所謂水自立運転が行われている。通常は、排熱回収循環回路に貯湯タンクの湯水を循環し、排熱回収熱交換器にて湯水と排気との間で熱交換を行い、排気に含まれる水蒸気を冷却して凝縮水を回収し、この凝縮水を浄化してから発電に再使用する。
即ち、上記の燃料電池発電モジュールでは、一般的に、水自立運転に必要な純水供給装置を備えている。この純水供給装置は、凝縮水を回収する凝縮水回収通路、この凝縮水回収通路の途中部に設置され且つ凝縮水を浄化する処理タンク、この処理タンクで浄化された凝縮水(純水)を一時的に貯留する貯留タンク、貯留タンクと燃料電池発電部の蒸発器とを接続する純水供給通路、この純水供給通路に設置され且つ貯留タンクの純水を蒸発器に供給する純水ポンプ等を備えている。
ところで、燃料電池発電装置は、高温環境下で発電が行われる。しかし、上記の電力変換装置や制御ユニット等に組み込まれた種々の電子機器類は、高温状態になると性能が著しく低下してしまう虞があるので、一般的に、発電時には放熱器や冷却ファン等の冷却手段によって冷却されている。このような燃料電池発電装置に内蔵された電子機器類を冷却する技術は、種々の文献に開示されている。
例えば、特許文献1の燃料電池発電システムにおいては、排熱回収循環回路のうちの排熱回収熱交換器の上流側の通路部分に、上流から下流に向かって冷却ファン付きラジエータ及び電力変換装置を冷却する冷却器を設け、排熱回収循環回路を循環する貯湯タンクの水を利用した冷却器によって電力変換装置を冷却し、水の温度が高い場合、冷却ファン付きラジエータによって水の温度を下げて冷却する技術が開示されている。
しかし、従来のように、種々の電子機器類を冷却する為に冷却ファンを駆動する場合、発電電力の一部を外部に出力せずに、冷却ファンの消費電力として使用することになるので、燃料電池発電装置の発電効率が低下するという問題がある。また、冷却ファンの駆動時に発生する振動が、設置個所や設置環境によっては騒音となる虞があるので、冷却ファンの使用は極力抑制することが望ましい。
一方、特許文献1の燃料電池発電システムのように、冷却ファン付きラジエータが電力変換装置の冷却ファンとは個別に設置されている場合、一般的に冷却ファン付きラジエータは複雑な構造で高価なものであり、製作コストの低減及び装置の小型化を図る上では不利となるので、冷却ファン付きラジエータは極力省略することが望ましい。
ところで、上記の水自立運転において、凝縮水回収通路で回収された凝縮水中には、排気に含まれていた二酸化炭素が溶け込んでいるので、純水供給装置の周囲温度が高い場合、凝縮水(純水)中に気泡(炭酸ガス)が発生する。凝縮水に気泡が発生すると、純水ポンプがエア噛みして空回りし、燃料電池発電部の蒸発器への純水の供給量が安定せず、燃料改質器の改質触媒に対して不具合が発生するという問題がある。
本発明の目的は、燃料電池発電装置において、低コストで且つ簡単な構造でもって電力変換装置の冷却性能の向上と排熱回収によって生成された凝縮水の脱気の両立が可能なもの、電力変換装置の冷却ファンを小型化すると共に消費電力を低減可能なもの、等を提供することである。
請求項1の燃料電池発電装置は、燃料電池発電部と、この燃料電池発電部にて発電された電力を変換する電力変換手段と、前記燃料電池発電部の発電に伴う排気を冷却する熱交換部と、この熱交換部で発生した凝縮水を回収する凝縮水回収通路と、この凝縮水回収通路を介して回収された凝縮水を貯留する貯留タンクとを備えた燃料電池発電装置において、前記電力変換手段は、前記凝縮水と熱交換可能に構成されていることを特徴としている。
請求項2の燃料電池発電装置は、請求項1の発明において、前記凝縮水回収通路の一部は、前記電力変換手段と接触した状態で設けられていることを特徴としている。
請求項3の燃料電池発電装置は、請求項2の発明において、前記凝縮水回収通路の一部は、前記電力変換手段の放熱板に取り付けられたことを特徴としている。
請求項4の燃料電池発電装置は、請求項1の発明において、前記貯留タンクの表面の一部は、前記電力変換手段と接触した状態で設けられていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、電力変換手段は、凝縮水と熱交換可能に構成されているので、電力変換手段の駆動によって発生する熱と排熱回収によって生成された凝縮水との間で熱交換されることで、電力変換手段は冷却されると共に凝縮水は加熱される。
従って、電力変換手段が凝縮水によって冷却されることで、冷却用の器具を追加的に設置せずとも、電力変換手段の冷却性能が向上し、凝縮水が電力変換手段によって加熱されることで、脱気促進の為の専用の器具(加熱ヒータ等)等を追加的に設置せずとも凝縮水の脱気が促進されるので、低コストで且つ簡単な構造でもって電力変換手段の冷却性能の向上及び凝縮水の脱気の両立を実現できる。
また、電力変換手段の冷却性能が向上することで、冷却ファンには性能を抑制した小型なものを設置可能となり、電力変換手段に高価で大型な冷却ファンを設ける必要がなくなるので、製作コスト及び消費電力を低減することができる。凝縮水の脱気を行うことで、純水ポンプのエア噛みを防止し、安定した発電運転を実行することができる。
請求項2の発明によれば、凝縮水回収通路の一部は、電力変換手段と接触した状態で設けられているので、電力変換手段で発生する熱を、凝縮水回収通路を流れる凝縮水に伝熱することで、電力変換手段を確実に冷却をすると共に凝縮水の脱気を確実に行うことができる。
請求項3の発明によれば、凝縮水回収通路の一部は、電力変換手段の放熱板に取り付けられたので、電力変換手段の放熱板の放熱を利用して凝縮水回収通路を流れる凝縮水を効率良く加熱することができる。
請求項4の発明によれば、貯留タンクの表面の一部は、電力変換手段と接触した状態で設けられているので、電力変換手段で発生する熱を、貯留タンク内に貯留された凝縮水に伝熱することで、電力変換手段を確実に冷却すると共に凝縮水の脱気を確実に行うことができる。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
先ず、燃料電池発電装置1の全体構成について説明する。
図1,図2に示すように、燃料電池発電装置1は、発電を行う燃料電池発電モジュール2、この燃料電池発電モジュール2から排出される排気との熱交換後の湯水を貯湯する貯湯タンク3、この貯湯タンク3と燃料電池発電モジュール2とに亙って湯水を循環させる排熱回収循環回路4、これらを収納した外装ケース5等を備え、燃料電池発電モジュール2と貯湯タンク3の一体型の燃料電池コージェネレーションシステムを構成している。
図1,図2に示すように、燃料電池発電装置1は、発電を行う燃料電池発電モジュール2、この燃料電池発電モジュール2から排出される排気との熱交換後の湯水を貯湯する貯湯タンク3、この貯湯タンク3と燃料電池発電モジュール2とに亙って湯水を循環させる排熱回収循環回路4、これらを収納した外装ケース5等を備え、燃料電池発電モジュール2と貯湯タンク3の一体型の燃料電池コージェネレーションシステムを構成している。
燃料電池発電モジュール2は、燃料電池発電部6、空気供給装置7、燃料ガス供給装置8、純水供給装置9、排熱回収装置11、電力変換装置12、制御ユニット13等を備え、燃料電池発電モジュール2にて発電された直流電力が電力変換装置12を介して交流電力に変換されて外部に出力される。尚、燃料電池発電装置1は、上記の器具以外にも給水通路、給湯通路等の種々の通路類や混合弁や開閉弁等の種々の弁類を備えているが、図示は省略する。
燃料電池発電装置1は、燃料電池発電モジュール2、貯湯タンク3、種々の器具及び種々の通路等が外装ケース5に収納されて構成されている。即ち、外装ケース5の内部は、燃料電池発電部6が収納された上側発電室15Aと、種々の供給装置7〜9や排熱回収装置11等の補機類の一部、電力変換装置12、制御ユニット13等が収納された下側補機室15Bと、貯湯タンク3や補機類の一部が収納されたタンク室15Cとに仕切られている。
燃料電池発電部6は、燃料電池セルスタック6a、燃料ガスに混合する為の水蒸気を生成する蒸発器6b、燃料ガスと水蒸気とを混合して反応(所謂、水蒸気改質)させて改質燃料ガスを生成する燃料改質器6c、燃料電池セルスタック6aによる発電に伴い生じるオフガスを燃焼処理するオフガス燃焼室6d等を備え、燃料改質器6cによって改質された改質燃料ガス及び酸化剤としての空気を燃料電池セルスタック6aで高温環境下で化学反応させることで発電を行う。
燃料電池セルスタック6aは、複数の燃料電池セルから構成されている。各燃料電池セルは、ジルコニア等の固体電解質と燃料極と酸素極から夫々形成されている。燃料電池セルスタック6aの燃料極(アノード)側には、改質燃料ガスが供給され、燃料電池セルスタック6aの酸素極(カソード)側には、発電用空気が供給される。
蒸発器6bは、純水供給装置9から供給される純水から燃料ガスに混合する為の水蒸気を生成して燃料改質器6cに供給する。燃料改質器6cは、ニッケルや白金等の改質触媒を有し、脱硫された燃料ガスと水蒸気とを混合して反応(所謂、水蒸気改質)させて改質燃料ガスを生成し、この改質燃料ガスを燃料電池セルスタック6aの燃料極側に供給する。
オフガス燃焼室6dは、燃料電池セルスタック6aの発電に伴い生じる残余燃料ガスを燃焼処理する為のものであり、燃料電池セルスタック6aの燃料極側及び酸素極側の各排出側と接続されている。このオフガス燃焼室6dでは、燃料極側から排出された残余燃料ガスを含む反応燃料ガスと、酸素極側から排出された酸素を含む空気とを燃焼させることによって高温の燃焼ガスを生成し、この燃焼ガスで燃料改質器6c等を加熱してから排気通路17に排出する。
燃料電池発電部6から排出される排気ガスは、排気通路17に設けられた排熱回収装置11の排熱回収熱交換器11aにて排熱回収循環回路4を循環する湯水との間で熱交換され温度が低下した後に外部に排出される。排気ガス中に含まれる水蒸気は、熱交換によって冷却され凝縮されて凝縮水となる。
空気供給装置7は、燃料電池発電部6へ発電用空気を供給するものであり、空気吸入部31、空気供給通路32、この空気供給通路32に設置され且つ発電用空気を送風する空気送風ブロワ33等を備え、空気吸入部31から発電用空気を空気送風ブロワ33に取り込み、この取り込まれた発電用空気を燃料電池セルスタック6aの酸素極側に供給する。
燃料ガス供給装置8は、燃料電池発電部6へ燃料ガスを供給するものであり、ガス吸入部35、燃料ガス供給通路36、この燃料ガス供給通路36に設置され且つ燃料ガスを送給する燃料ガス送給ブロワ37及び燃料ガスを脱硫する脱硫器38等を備えている。図示外のガス供給源からガス吸入部35に供給された燃料ガスを、燃料ガス送給ブロワ37に取り込み、この昇圧された燃料ガスを、脱硫器38を通して脱硫し、燃料電池発電部6の蒸発器6b及び燃料改質器6cに供給する。
排熱回収装置11は、貯湯タンク3の湯水と燃料電池発電部6からの排気とを熱交換する排熱回収熱交換器11a(熱交換部に相当する)を備えている。即ち、この排熱回収熱交換器11aは、排気通路17の途中部に設けられ、貯湯タンク3から排熱回収循環回路4を流れる湯水を利用して、排気通路17を流れる排気を冷却して凝縮水を生成することで排熱を回収する。
純水供給装置9は、凝縮水回収通路21、処理タンク22、貯留タンク23、純水供給通路24、純水ポンプ25等を備えている。純水供給装置9は、排熱回収装置11の排熱回収熱交換器11aにて凝縮された凝縮水を回収して処理タンク22で不純物を取り除き、浄化された凝縮水を貯留タンク23で貯留した後に、燃料電池発電部6の蒸発器6b及び燃料改質器6cに供給する。
凝縮水回収通路21は、排気通路17の排熱回収熱交換器11aの近傍と処理タンク22とを接続する回収通路21a、処理タンク22と貯留タンク23とを接続する接続通路21bを有し、燃料電池発電部6の排気を排熱回収熱交換器11aによって生成された凝縮水を排気通路17から回収し、浄化した後に貯留タンク23に送る。
処理タンク22は、回収通路21aで回収された凝縮水の不純物を除去する為のものであり、凝縮水を浄化する為のイオン交換樹脂が収納されている。処理タンク22の上部に、回収通路21aの下流端が接続され、処理タンク22の下部に、接続通路21bの上流端が接続されている。
貯留タンク23は、処理タンク22により処理された純水(浄化された凝縮水)を貯留する為のものである。貯留タンク23の上部に、接続通路21bの下流端とオーバーフロー用の排水通路26の上流端が接続され、貯留タンク23の下部に、純水供給通路24の上流端が接続されている。貯留タンク23は、オーバーフロー用の排水通路26を介して大気開放状態である。
純水供給通路24は、貯留タンク23に貯留された純水を燃料電池発電部6の蒸発器6bに供給する為のものである。純水供給通路24には、純水ポンプ25が設置されている。純水ポンプ25は、プランジャの進退駆動に伴いチャンバ内の純水を蒸発器6bに圧送するものである。
電力変換装置12は、燃料電池発電部6にて発電された電力を変換する為のものであり、例えば、燃料電池発電部6にて発電された直流電力を、通常の住宅で利用可能な100Vの交流電力に変換して、配線を介して分電盤に出力する。電力変換装置12の具体的な構造については後述する。制御ユニット13は、マイコン等から構成され、種々の器具の動作制御を実行するものである。
次に、貯湯タンク3について説明する。
図1,図2に示すように、貯湯タンク3は、高温の湯水(例えば、65〜90℃)を貯留するものであり、耐腐食性に優れたステンレス板製の胴部材とその上下両端を塞ぐ1対の鏡板とで構成されている。貯湯タンク3の周囲は断熱材で覆われている。
図1,図2に示すように、貯湯タンク3は、高温の湯水(例えば、65〜90℃)を貯留するものであり、耐腐食性に優れたステンレス板製の胴部材とその上下両端を塞ぐ1対の鏡板とで構成されている。貯湯タンク3の周囲は断熱材で覆われている。
貯湯タンク3には、給水通路、給湯通路、排熱回収循環回路4等が夫々接続され、給水通路を介して上水源からの上水を貯湯タンク3内に補充可能となっており、排熱回収循環回路4を介して湯水が加熱され、給湯通路を介して貯湯タンク3内に貯留された高温の湯水を所望の給湯先に供給することができる。
次に、排熱回収循環回路4について説明する。
図2に示すように、排熱回収循環回路4は、貯湯タンク3と燃料電池発電モジュール2との間に湯水を循環させて燃料電池発電モジュール2の排熱を回収する閉回路であり、低温側湯水通路4a、高温側湯水通路4b等を有し、低温側湯水通路4aの上流端が貯湯タンク3の下部に接続され、高温側湯水通路4bの下流端が貯湯タンク3の上部に接続されている。低温側湯水通路4aと高温側湯水通路4bとの間には、排熱回収装置11の排熱回収熱交換器11aが接続されている。
図2に示すように、排熱回収循環回路4は、貯湯タンク3と燃料電池発電モジュール2との間に湯水を循環させて燃料電池発電モジュール2の排熱を回収する閉回路であり、低温側湯水通路4a、高温側湯水通路4b等を有し、低温側湯水通路4aの上流端が貯湯タンク3の下部に接続され、高温側湯水通路4bの下流端が貯湯タンク3の上部に接続されている。低温側湯水通路4aと高温側湯水通路4bとの間には、排熱回収装置11の排熱回収熱交換器11aが接続されている。
次に、本発明に関連する電力変換装置12と凝縮水回収通路21の設置構造について説明する。
図3,図4に示すように、電力変換装置12は、箱形のケース部材41、このケース部材41内に収納された内部装置(図示略)、この内部装置で発生した熱を外部に放熱する為の放熱板42(ヒートシンク)、ケース部材41内に冷却用の空気を取り込む為の冷却ファン43等を備えている。尚、図3の上下左右を上下左右として説明する。
図3,図4に示すように、電力変換装置12は、箱形のケース部材41、このケース部材41内に収納された内部装置(図示略)、この内部装置で発生した熱を外部に放熱する為の放熱板42(ヒートシンク)、ケース部材41内に冷却用の空気を取り込む為の冷却ファン43等を備えている。尚、図3の上下左右を上下左右として説明する。
ケース部材41は、前側板41a、左右1対の側板41b,41c、後側板41d、天板41e、底板41fを備え、各板41a〜41fは金属製薄板又は合成樹脂製薄板からなり、直方体状の箱状に構成されている。前側板41aの上部左側には、冷却ファン43が設けられ、右側板41cには、縦方向に延びる複数のスリット状の給気用開口44が設けられている。冷却ファン43の駆動によって、給気用開口44から空気を取り込み、この取り込まれた空気はケース部材41内の内部装置等を冷却した後に、冷却ファン43から排出される。
内部装置は、集積回路、コンデンサ、トランジスタ、抵抗器等の種々の電子部品を基板上に実装したものであり、燃料電池発電部6から入力された直流電力を交流電力に変換して外部に出力可能に構成されている。内部装置には、放熱板42が伝熱可能に設けられ、この放熱板42は、伝熱性に優れたアルミニウム製のものであり、ケース部材41の後側板41dの開口部に装着された本体板部42aと、この本体板部42aの裏面側から外方へ突出した複数の冷却フィン42b等を備えている。
図4に示すように、電力変換装置12は、凝縮水回収通路21を流れる凝縮水と熱交換可能に構成されている。即ち、凝縮水回収通路21の一部(接続通路21b)は、電力変換装置12の裏面側の放熱板42に一体的に取り付けられ、電力変換装置12と接触した状態で設けられている。
具体的に、凝縮水回収通路21は、ステンレス製管等からなり、凝縮水回収通路21の接続通路21bの大部分は、放熱板42の冷却フィン42b間を縫うように蛇行状に構成されている。接続通路21bは、放熱板42の本体板部42aに取付部材(図示略)を介して密着状又は略密着状に固定され、放熱板42の放熱によって凝縮水回収通路21を流れる凝縮水を加熱可能に構成されている。
尚、接続通路21bの大部分の形状は、特に蛇行状に限定する必要はなく、放熱板42と熱交換可能であれば、種々の形状を採用可能であり、また、接続通路21bに代えて回収通路21aであっても良く、凝縮水回収通路21と電力変換装置12とが接触して凝縮水回収通路12を流れる凝縮水と電力変換装置12とが熱交換可能であれば、適宜変更可能である。
次に、本発明の燃料電池発電装置1の作用及び効果について説明する。
燃料電池発電装置1の起動に伴い、排熱回収熱交換器11aで発生した凝縮水は、凝縮水回収通路21の回収通路21aによって回収されて処理タンク22に送られ、処理タンク22で浄化された後に、接続通路21bを通って貯留タンク23に送られて一時的に貯留される。
燃料電池発電装置1の起動に伴い、排熱回収熱交換器11aで発生した凝縮水は、凝縮水回収通路21の回収通路21aによって回収されて処理タンク22に送られ、処理タンク22で浄化された後に、接続通路21bを通って貯留タンク23に送られて一時的に貯留される。
凝縮水回収通路21の接続通路21bを流れる凝縮水は、電力変換装置12の放熱板42の放熱によって加熱されて温度が上昇する。この凝縮水には、排気に含まれる二酸化炭素が溶け込んでいるので、凝縮水中には、炭酸、炭酸イオン、炭酸水素イオン等が存在している。このため、接続通路21bを流れる凝縮水が加熱されると、凝縮水中の溶存二酸化炭素が気泡となって発生する。接続通路21b内に気泡が発生すると、気泡は貯留タンク23へ向かって流れ、貯留タンク23からオーバーフロー用の排水通路26を介して外部に排出される。
一方、電力変換装置12の電力変換時に発生する熱は、放熱板42と接触している凝縮水回収通路21の接続通路21bを流れる凝縮水に伝熱されるので、凝縮水を利用して電力変換装置12の冷却を促進することができる。
以上説明したように、電力変換装置12は、凝縮水回収通路21を流れる凝縮水と熱交換可能に構成されているので、電力変換装置12の駆動によって発生する熱と排熱回収によって生成された凝縮水との間で熱交換されることで、電力変換装置12は冷却されると共に凝縮水は加熱される。
従って、電力変換装置12が凝縮水によって冷却されることで、冷却用の器具を追加的に設置せずとも、電力変換装置12の冷却性能が向上し、凝縮水が電力変換装置12によって加熱されることで、脱気促進の為の専用の器具(加熱ヒータ等)等を追加的に設置せずとも凝縮水の脱気が促進されるので、低コストで且つ簡単な構造でもって電力変換装置12の冷却性能の向上及び凝縮水の脱気の両立を実現できる。
また、電力変換装置12の冷却性能が向上することで、冷却ファン43には性能を抑制した小型なものを設置可能となり、電力変換装置12に高価で大型な冷却ファン43を設ける必要がなくなるので、製作コスト及び消費電力を低減することができる。凝縮水の脱気を行うことで、純水ポンプ25のエア噛みを防止し、安定した発電運転を実行することができる。
さらに、凝縮水回収通路21の一部は、電力変換装置12と接触した状態で設けられているので、電力変換装置12で発生する熱を、凝縮水回収通路21を流れる凝縮水に伝熱することで、電力変換装置12を確実に冷却すると共に凝縮水の脱気を確実に行うことができる。凝縮水回収通路21の一部は、電力変換装置12の放熱板42に取り付けられたので、電力変換装置12の放熱板42の放熱を利用して凝縮水回収通路21を流れる凝縮水を効率良く加熱することができる。
次に、実施例1の燃料電池発電装置1を部分的に変更した実施例2について説明する。尚、実施例1では、凝縮水回収通路21の一部が、電力変換装置12と接触した状態で設けられているが、この実施例2では、貯留タンク23の表面の一部が、電力変換装置12と接触した状態で設けられている。
図5に示すように、電力変換装置12は、貯留タンク23内の凝縮水と熱交換可能に構成されている。即ち、貯留タンク23の表面の一部は、電力変換装置12の裏面側と接触した状態で設けられている。具体的に、貯留タンク23は、合成樹脂製のものであり、貯留タンク23の前面部23aが、電力変換装置12の裏面側の放熱板42に密着状又は略密着状になるように固定され、放熱板42が発生する熱によって貯留タンク23内の凝縮水を加熱可能に構成されている。
尚、貯留タンク23の表面のうちの電力変換装置12に接触する部分は、前面部23aに限定する必要はなく、表面のうちの他の面部を電力変換装置12に接触させても良く、また、逆に貯留タンク23の前面部23aを電力変換装置12の裏面側以外の部分に接触させても良く、貯留タンク23と電力変換装置12とが接触して貯留タンク23内の凝縮水と電力変換装置12とが熱交換可能であれば、適宜変更可能である。
この貯留タンク23内の凝縮水は、電力変換装置12の放熱板42の放熱によって加熱されて温度が上昇する。貯留タンク23内の凝縮水が加熱されると、凝縮水中の溶存二酸化炭素が気泡となって発生する。この気泡は、貯留タンク23を上方に流れ、オーバーフロー用の排水通路26を介して外部に排出される。
一方、電力変換装置12の電力変換時に発生する熱は、放熱板42と接触している貯留タンク内23の凝縮水に伝熱されるので、凝縮水を利用して電力変換装置12の冷却を促進することができる。
以上説明したように、貯留タンク23の表面の一部は、電力変換装置12と接触した状態で設けられているので、電力変換装置12で発生する熱を、貯留タンク23内に貯留された凝縮水に伝熱することで、電力変換装置12を確実に冷却すると共に凝縮水の脱気を確実に行うことができる。その他の構成、作用及び効果については前記実施例1と同様であるので説明は省略する。
次に、前記実施例1,2を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記実施例1、2において、凝縮水回収通路21を流れる凝縮水と貯留タンク23内の凝縮水の少なくとも一方が、電力変換装置12と熱交換可能に構成されていれば、その構造は適宜変更可能である。
[1]前記実施例1、2において、凝縮水回収通路21を流れる凝縮水と貯留タンク23内の凝縮水の少なくとも一方が、電力変換装置12と熱交換可能に構成されていれば、その構造は適宜変更可能である。
[2]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
1 燃料電池発電装置
2 燃料電池発電モジュール
6 燃料電池発電部
11a 排熱回収熱交換器(熱交換部)
12 電力変換装置(電力変換手段)
21 凝縮水回収通路
23 貯留タンク
42 放熱板
2 燃料電池発電モジュール
6 燃料電池発電部
11a 排熱回収熱交換器(熱交換部)
12 電力変換装置(電力変換手段)
21 凝縮水回収通路
23 貯留タンク
42 放熱板
Claims (4)
- 燃料電池発電部と、この燃料電池発電部にて発電された電力を変換する電力変換手段と、前記燃料電池発電部の発電に伴う排気を冷却する熱交換部と、この熱交換部で発生した凝縮水を回収する凝縮水回収通路と、この凝縮水回収通路を介して回収された凝縮水を貯留する貯留タンクとを備えた燃料電池発電装置において、
前記電力変換手段は、前記凝縮水と熱交換可能に構成されていることを特徴とする燃料電池発電装置。 - 前記凝縮水回収通路の一部は、前記電力変換手段と接触した状態で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電装置。
- 前記凝縮水回収通路の一部は、前記電力変換手段の放熱板に取り付けられたことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池発電装置。
- 前記貯留タンクの表面の一部は、前記電力変換手段と接触した状態で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電装置。
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JP2014172033A JP2016046224A (ja) | 2014-08-26 | 2014-08-26 | 燃料電池発電装置 |
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Cited By (3)
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2014
- 2014-08-26 JP JP2014172033A patent/JP2016046224A/ja active Pending
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JPWO2018025881A1 (ja) * | 2016-08-02 | 2018-08-02 | ダイニチ工業株式会社 | 燃料電池装置 |
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