JP2007250447A - 燃料電池システムにおける水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回収水中のCO濃度を効果的に低下させて、イオン交換樹脂などの水処理部への負荷が下げる。
【解決手段】 燃料電池システムにおける回収水処理機構5が、上記処理ガスから回収したCO濃度の高い回収水が流入する第1の水タンク部6aと、上記処理ガスから回収したCO濃度の低い回収水が流入する第2の水タンク部6bと、回収水を処理する水処理部7とを備えている。第1の水タンク部6aにCOを脱気するための脱気機構8を設ける。第1の水タンク部6aにおいて脱気機構8で脱気することでCO濃度を低下させた回収水を、第2の水タンク6に導入して第2の水タンク6内のCO濃度の低い回収水と混合し、第2の水タンク6の上記混合水を水処理部7に送って処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムにおいて、処理ガス中の水分を回収して処理するための技術に関するものである。
従来から特許文献1に示されるような燃料電池システムが知られている。この特許文献1に示される従来例は、都市ガスに水蒸気を混合して燃料改質装置に送り、燃料改質装置に設けた燃料改質器で水蒸気改質反応により改質し、CO変成器でCO変成を行い、CO除去器でCO選択酸化を行って一酸化炭素を除去してCO濃度の低い水素リッチの改質ガスを製造し、この水素リッチの改質ガス、つまり水素を燃料電池部のアノード(燃料極)に供給し、燃料電池部のカソード(空気極)にブロアから空気を供給し、水素と酸素を反応させて発電するようになっている。
上記のような燃料電池システムにおいて所定の処理ガスから回収した回収水を水タンクに回収し、水タンクから回収水をイオン交換樹脂などを設けた水処理部に送って水処理(化学的処理)を行って純水化し、純水化した水を再び各種供給ラインに送って燃料電池発電システムにおいて使用する各種の水として供給するようになっている。
ところが、燃料電池発電システムにおいて所定の処理ガスから回収する回収水としては、例えば、CO変成器の排出口ドレインで回収される回収水、燃料電池部のアノード(燃料極)より排出されるアノードオフガスからアノードオフガスドレインで回収される回収水、アノード加湿タンクで回収される回収水であるブローダウン水、改質器に設けた改質器バーナの排気ガスからドレインで回収される回収水、燃料電池部のカソード(空気極)から排出されるカソードオフガスからカソードドレインで回収される回収水、カソード加湿タンクで回収される回収水であるブローダウン水等がある。
ここで、CO変成器の排出口ドレインで回収される回収水、アノードオフガスドレインで回収される回収水、アノード加湿タンクで回収される回収水であるブローダウン水、改質器バーナの排気ガスからドレインで回収される回収水はいずれも、CO濃度が高い(CO濃度>200ppm)。一方、カソードドレインで回収される回収水、カソード加湿タンクで回収される回収水であるブローダウン水はCO濃度が低い(CO濃度<1ppm)。
しかしながら従来にあっては、上記CO濃度が高い回収水とCO濃度が低い回収水のいずれも共通の水タンクに直接回収し、この共通の水タンク内で脱気機構により(脱気エアによりCOを脱気する)脱気し、脱気後の回収水を水処理部に送るようにしていた。
ここで、脱気エアによりCOを脱気する場合、現状の装置では脱気後のCO濃度は約8ppm程度までしか低下させることができないという制約がある。したがって、CO濃度が高い回収水とCO濃度が低い回収水を混入した状態の回収水を脱気エアにより脱気しても回収水はCO濃度が約8ppm程度以上であり、このため、水タンクから水処理部に送られる回収水はCO濃度は約8ppm程度以上のものとなる。この回収水中のCOは水処理部(イオン交換樹脂など)の負荷となり、水処理部の寿命が短くなるという問題があった。
特開平8−22833号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、回収水中のCO濃度を効果的に低下させて、イオン交換樹脂などの水処理部への負荷が下がり、イオン交換樹脂の寿命が長くなり、交換頻度が下がる燃料電池システムの水処理装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池システムの水処理装置は、アノード1側の水素とカソード2側の酸素とを電解質3を介して反応させて発電する燃料電池部4と、所定の処理ガスから回収した回収水を処理する回収水処理機構5とを備えた燃料電池システムにおいて、上記回収水処理機構5が、上記処理ガスから回収したCO濃度の高い回収水が流入する第1の水タンク部6aと、上記処理ガスから回収したCO濃度の低い回収水が流入する第2の水タンク部6bと、回収水を処理する水処理部7とを備え、第1の水タンク部6aにCOを脱気するための脱気機構8を設け、第1の水タンク部6aにおいて脱気機構8で脱気することでCO濃度を低下させた回収水を、第2の水タンク6に導入して第2の水タンク6内のCO濃度の低い回収水と混入させ、第2の水タンク6の上記混合水を水処理部7に送って処理することを特徴とするものである。
このような構成とすることで、CO変成器10の排出口ドレイン11で回収される回収水や、燃料電池部4のアノード1(燃料極)から排出されるアノードオフガスからアノードオフガスドレイン12で回収される回収水や、アノード加湿タンク13で回収される回収水であるブローダウン水、改質器14に設けた改質器バーナ30の排気ガスからドレイン29で回収される回収水等のCO濃度が高い(例えば、CO濃度>200ppm)回収水は第1の水タンク部6aに流入し、燃料電池部4のカソード2から排出されるカソードオフガスからカソードドレイン15で回収される回収水や、カソード加湿タンク16で回収される回収水であるブローダウン水等のCO濃度が低い(例えば、CO濃度<1ppm)回収水は第2の水タンク部6bに流入する。上記第1の水タンク部6aに流入したCO濃度が高い回収水は、第1の水タンク部6aにおいて脱気機構8により脱気する(脱気エアによりCOを脱気する)。このように脱気機構8により脱気してCO濃度を低下させ(脱気機構8により最大約8ppm程度まで低下させことができる)た第1の水タンク部6aの回収水を、CO濃度<1ppmと低い濃度の回収水が直接流入している第2の水タンク6に導入することで、CO濃度<1ppmと低い濃度の回収水が薄め水となって第2の水タンク部6b内の混合水のCO濃度を8ppm程度以下に低下させることが可能となり、このようにCO濃度を8ppm程度以下に低下させた回収水を水処理部7に送り、水処理部7でイオン交換樹脂などにより水処理して純水化する。この場合、水処理部7に送る回収水のCO濃度を効果的に低下できるのでイオン交換樹脂などの水処理部7への負荷が下がり、イオン交換樹脂の寿命が長くなる。
また、第1の水タンク部6aにオバーフロー部9を設けることが好ましい。
このような構成とすることで、余剰水をオバーフロー部9から排出するに当たり、第2の水タンク部6b内よりもCO濃度が高い第1の水タンク部6a内の回収水を余剰水としてオバーフローするので、CO濃度がより低い第2の水タンク部6b内の回収水を無駄に捨てることなく、より効果的に水処理部7に送る回収水のCO濃度を低下することができる。
本発明は、上記のように処理ガスから回収したCO濃度の高い回収水が流入する第1の水タンク部と、上記処理ガスから回収したCO濃度の低い回収水が流入する第2の水タンク部とを設け、第1の水タンク部にCOを脱気するための脱気機構を設け、第1の水タンク部において脱気機構で脱気することでCO濃度を低下させた回収水を、第2の水タンクに導入して第2の水タンク内のCO濃度の低い回収水に混入させ、第2の水タンクの上記混合水を水処理部に送って処理するので、回収水中のCO濃度を効果的に低下させて、イオン交換樹脂などの水処理部への負荷を下げることができて、イオン交換樹脂の寿命が長くなり、交換頻度が下がり、コストが低下するという利点がある。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
図1には燃料電池システムの一実施形態を示す概略構成図が示してある。
図1において、符号31は都市ガスを脱硫するための脱硫器であり、脱硫器31で脱硫した燃料ガスに改質用スチーム発生器18で発生させた水蒸気を混合して改質器14に送り、改質器14で水蒸気改質反応により改質し、次に、CO変成器10でCO変成を行い、次に、CO除去器19でCO選択酸化を行って一酸化炭素を除去してCO濃度の低い水素リッチの改質ガスを製造し、次に、アノード加湿タンク13に送り、アノード加湿タンク13で加湿した水素リッチの改質ガスを燃料電池部4のアノード1(燃料極)に送るようになっている。
一方、カソード加湿タンク16を通して加湿した空気を燃料電池部4のカソード2(空気極)に送るようになっている。
燃料電池部4は、アノード1、電解質3、カソード2が層となったセルを一単位とし、このセルをセパレータ(図示せず)を介して多数積層して構成してある。ここで、アノード1、カソード2は気体を通す構造をしており、上記のように水素リッチの改質ガス、つまり水素をアノード1に供給し、カソード2に空気を供給することで、水素はアノード1中の触媒の働きで電子を切り離して水素イオンになり、電解質3はイオンしか通さないという性質を持っているため、切り離された電子は外に出て行き、電解質の中を移動した水素イオンは、反対側のカソード2に送られた酸素と、外部から電線(外部回路)を通して戻ってきた電子と反応して水となる。このようにして発電した電気は直流なので、直流交流変換装置(図示せず)により交流に変換するようになっている。
燃料電池部4のアノード1から排気されるアノードオフガスは残水素を含んでいるため、改質器14に送られて燃料ガスとして利用されるようになっているが、アノード1から改質器14に送る途中でアノードオフガスの熱をアノードオフガス用熱交換器17で回収すると共に、アノードオフガスドレイン12によりアノードオフガス中の水を回収するようになっている。熱及び水が回収されたアノードオフガスは改質器14の燃焼部である改質器バーナ30に送られるが、改質器バーナ30には前記の都市ガス、空気も供給され、残水素を含むアノードオフガスと都市ガスと空気とを混合して改質器バーナ30で燃焼させることで、改質触媒を加熱しながら前述のように都市ガスに水蒸気を混合した燃料ガスを改質するようになっており、改質器14で発生した改質器バーナ30の燃焼排ガスは排気ガス用熱交換器20で熱を回収すると共にドレイン29で燃焼排ガス中の水を回収し、その後、外部に排気するようになっている。
また、CO変成器10とCO除去器19との間には熱交換器21、排出口ドレイン11が設けてあり、CO変成器10でCO変成を行った高温の改質ガスの熱を熱交換器21で回収すると共に排出口ドレイン11で水を回収するようになっている。
一方、燃料電池部4のカソード2から排気される排ガスは高温で且つカソード2で生成される水を含んでいるためカソードオフガス用熱交換器32で熱を回収すると共にカソードドレイン15で水が回収される。
また、カソード加湿タンク16の水をポンプ22により配管23を介して燃料電池部4に供給して燃料電池部4を冷却するようになっており、燃料電池部4を冷却した水は再びカソード加湿タンク16に戻されるようになっている。
上記のような図1に示す燃料電池システムにおいて、本発明においては、システムにおける各段階で発生する処理ガスから回収した回収水を回収水処理機構5で処理して純水化することで、再び上記システムで使用する水として供給するようになっている。
本発明における回収水処理機構5は、上記処理ガスから回収したCO濃度の高い回収水が流入する第1の水タンク部6aと、上記処理ガスから回収したCO濃度の低い回収水が流入する第2の水タンク部6bと、回収水を処理する水処理部7とで構成してあり、上記第1の水タンク部6aにはCOを脱気するための脱気機構8と、余剰水をオーバーフローするためのオバーフロー部9が設けてある。
燃料電池システムにおける各段階で発生する処理ガスから回収する回収水としては、前述のように、CO変成器10の排出口ドレイン11で回収されるCO変成を行った高温の改質ガス中の水、アノード加湿タンク13で回収される水(アノード加湿ブローダウン水)、アノードオフガスドレイン12で回収されるアノードオフガス中の水、ドレイン29で回収される改質器バーナ30の燃焼排ガス中の水、カソード加湿タンク16で回収されるカソード加湿ブローダウン水、カソードドレイン15で回収される水等がある。
ここで、上記回収水のうちCO変成器10の排出口ドレイン11で回収されるCO変成を行った高温の改質ガス中の水、アノード加湿タンク13で回収される水(アノード加湿ブローダウン水)、アノードオフガスドレイン12で回収されるアノードオフガス中の水、ドレイン29で回収される改質器バーナ30の燃焼排ガス中の水はいずれもCO濃度の高い回収水で、CO濃度>200ppmであり、これらのCO濃度の高い回収水は第1の水タンク部6aに流入させるようになっている。
また、カソード加湿タンク16で回収されるカソード加湿ブローダウン水、カソードドレイン15で回収される水はいずれもCO濃度の低い回収水で、CO濃度<1ppmであり、これらのCO濃度の低い回収水は第2の水タンク部6bに直接流入させるようになっている。
第1の水タンク部6aに流入したCO濃度の高い回収水は、第1の水タンク部6aで脱気機構8により脱気処理されることで、CO濃度を低下させる(例えばCO濃度を8ppm程度まで低下させることが可能である)。このようにCO濃度を低下させた回収水は第2の水タンク部6bに送られ、上記第2の水タンク部6bに直接流入して溜まっているCO濃度の低い回収水と混じり合う。ここで、第2の水タンク部6bに直接流入して溜まっているCO濃度の低い回収水は前述のようにCO濃度<1ppmであるため、この第2の水タンク部6bに直接流入して溜まっているCO濃度<1ppmの回収水を薄め液として、第1の水タンク部6aで脱気機構8によりCO濃度が例えば8ppm程度まで低下させられて第2の水タンク部6bに送られた回収水が薄められて、CO濃度が8ppm程度以下の混合水となる。
このように、CO濃度が低濃度となった混合水をポンプ25により第2の水タンク部6bから配管24を通してイオン交換樹脂などを備えた水処理部7に送って水処理(化学的処理)を行って純水化する。この場合、本発明においては、上記のようにCO濃度を8ppm程度以下に低下させた回収水を水処理部7に送ることがでるので、イオン交換樹脂などの水処理部7への負荷が下がり、イオン交換樹脂の寿命が長くなる。
上記のように水処理部7で純水化した水は再び各種供給ラインに送って燃料電池発電システムにおいて使用する各種の水(例えば、改質用スチーム発生器18に供給する水等)として供給するようになっている。また、上記水処理部7で処理した水は一部が第2の水タンク部6bに返送されるようになっている。
また、第1の水タンク部6aには前述のようにオバーフロー部9が設けてあるので、オバーフローにより余剰水を上記システムの系外に排出するに当たって、第2の水タンク部6b内よりもCO濃度が高い第1の水タンク部6a内の回収水を余剰水としてオバーフローすることになり、CO濃度がより低い第2の水タンク部6b内の回収水を無駄に捨てることがない。したがって、より効果的に水処理部7に送る回収水のCO濃度を低下させることができる。
図1に示す実施形態においては、処理ガスから回収したCO濃度の高い回収水が流入する第1の水タンク部6aと、上記処理ガスから回収したCO濃度の低い回収水が流入する第2の水タンク部6bとを別体として第1の水タンク部6aと第2の水タンク部6bとを連通管26により連通した例を示しているが、図2のように一つの水タンク部6を仕切り部27により仕切って一方側を第1の水タンク部6a、他方側を第2の水タンク部6bとしてもよい。この場合は仕切り部27に連通孔28を設けて第1の水タンク部6aと第2の水タンク部6bとを連通させる。
本発明の燃料電池発電装置の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明の他の実施形態の概略構成図である。
符号の説明
1 アノード
2 カソード
3 電解質
4 燃料電池部
5 回収水処理機構
6a 第1の水タンク部
6b 第2の水タンク部
7 水処理部
8 脱気機構
9 オバーフロー部

Claims (2)

  1. アノード側の水素とカソード側の酸素とを電解質を介して反応させて発電する燃料電池部と、所定の処理ガスから回収した回収水を処理する回収水処理機構とを備えた燃料電池システムにおいて、上記回収水処理機構が、上記処理ガスから回収したCO濃度の高い回収水が流入する第1の水タンク部と、上記処理ガスから回収したCO濃度の低い回収水が流入する第2の水タンク部と、回収水を処理する水処理部とを備え、第1の水タンク部にCOを脱気するための脱気機構を設け、第1の水タンク部において脱気機構で脱気することでCO濃度を低下させた回収水を、第2の水タンクに導入して第2の水タンク内のCO濃度の低い回収水に混入させ、第2の水タンクの上記混合水を水処理部に送って処理することを特徴とする燃料電池システムにおける水処理装置。
  2. 第1の水タンク部にオバーフロー部を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムにおける水処理装置。
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