JP5907063B2 - 鉄筋用鋼材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄筋の製造に供する鉄筋用鋼材、特に製造コストが低く、非調質にて降伏強さ:785MPa以上、引張強さ:930MPa以上、伸び:8%以上および溶接継手伸び:5%以上を有し、さらに抵抗溶接性に優れる、鉄筋用鋼材とその製造方法に関するものである。
鉄筋の1種であるせん断補強筋は、主筋に巻き付けて使用され、鉄筋コンクリート構造物が地震等の外部からの力を受けてせん断変形をする際、せん断補強筋が伸びて塑性変形することにより、コンクリート構造物の崩壊を防ぐ役割を果たす。このせん断補強筋は、主筋に比べ高い強度が求められ、主筋が降伏強度で295〜685MPa程度であるのに対し、せん断補強筋には785MPa以上の強度が要求される。
近年、棒線材を曲げ加工により円形や角形等に成形後、端部同士を溶接して製造される溶接閉鎖型のせん断補強筋は、施工性の良さから、その需要が高まっている。通常、せん断補強筋を製造する際の溶接は、フラッシュバット溶接やアプセットバット溶接とよばれる、能力および生産性の高い抵抗溶接が利用される。
ここで、フラッシュバット溶接とは、2本の棒線材の端面同士を接触させ、2つの端面間に大電圧をかけ、アークの接触と短絡を繰り返して端部に溶融部を形成し、最後にこの溶融部をアプセット(据え込み変形)により排出し、2本の棒線材の端部に接合部を形成する溶接法である。また、アプセットバット溶接とは、完全に突き合わせられた2本の棒線材の端面間に大電圧をかけ、抵抗発熱により端部をアプセットし、2本の棒線材の端部に接合部を形成する溶接法である。
従って、この溶接閉鎖型のせん断補強筋に供する鋼材においては、溶接性、とりわけ抵抗溶接性に優れることが求められている。ここに、抵抗溶接性とは、主に溶接継手伸びを指し、この値が5%未満となった場合、鉄筋コンクリート構造物の耐震性が著しく低下するため、この溶接継手伸びの確保が重要である。
また、この種の鉄筋用鋼材の製造コストを低減するには、熱間圧延前の素材であるビレットを転炉あるいは電気炉で製造した溶鋼から直接連続的に鋳造する、いわゆる「ビレット連続鋳造」を行うことが、ブルーム等の中間素材を圧延してからビレットを製造する、従前の場合に比べて有利である。しかしながら、ビレットはブルーム等と比較して断面が小さいため、ビレットの連続鋳造において、鋳造ノズルに詰まりが発生すること、そしてビレットに表面割れが発生すること、が問題となる。
すなわち、連続鋳造にて溶鋼を連続的に凝固させるためには、溶鋼を鋳型に注入するスピードを落とす必要がある。このためビレット連続鋳造では、ブルーム等の断面の大きな素材を鋳造する場合に比べ、鋳型に溶鋼を注入するノズル(鋳造ノズル)の直径が小さなものを用いることになる。このため、ビレットを連続鋳造する際には、溶鋼中の酸化物によるノズル詰まりが発生しやすくなる。
また、ビレットの連続鋳造においては、ビレットがブルーム等に比べ断面が小さいため、連続鋳造における冷却速度が大きくなり、鋳片の表面が硬化しやすく、鋳造されたビレットに表面割れが発生し易い。さらに、非調質で圧延後強度を確保するために、特に析出強化元素の添加を行う場合には、析出強化によりビレット表面部がさらに硬化することになり、ビレット表面割れがより発生し易くなる。
従って、製造コストを低減可能である鉄筋用鋼材を提供するには、ビレット連続鋳造における上記問題を解消しておくこと、すなわちビレット連続鋳造性に優れることが求められている。
ここで、上記の剪断補強筋に用いる鉄筋用鋼材として、例えば、特許文献1には、圧延後に焼入れや焼き戻し等の熱処理を施さなくとも強度と延性に優れ、溶接しても母材と同等レベルの引張強さや延性を有する非調質の鉄筋用鋼材が開示されている。
また、特許文献2には、圧延後に焼入れや焼き戻し等の熱処理を施さなくとも強度と曲げ加工性に優れる高強度鉄筋用非調質鋼が開示されている。さらに、特許文献3には、高い強度と延性を優れたバランスの下に有し、しかも溶接した際に母材と同等レベルの引張強さや延性を有する高強度の鉄筋用鋼材を、高価な合金元素を添加することなく製造するための方法が開示されている。特許文献4には、曲げ加工性に優れた高強度鉄筋およびその製造方法が開示されている。
特許3930064号公報 特許2973909号公報 特開2011−174137号公報 特開2012−67363号公報
しかしながら、特許文献1に記載の非調質鉄筋用鋼材は、Mo添加を必須とするため、コストが高いという問題がある。また、特許文献2に記載の高強度鉄筋用非調質鋼材は、抵抗溶接性ならびにビレット連続鋳造性については一切考慮されていない。また、特許文献3に記載の鉄筋用鋼材の製造方法は、ビレット連続鋳造性については考慮されていない。また、特許文献4に記載の高強度鉄筋は、抵抗溶接性ならびにビレット連続鋳造性については考慮されていない。
そこで、本発明は、高い強度と延性を優れたバランスの下に有し、しかも溶接継手の延性が高く、また安価である高強度の鉄筋用鋼材を提供することを目的とする。
発明者らは、まず、非調質であっても強度と延性に優れ、しかも、溶接継手の延性にも優れる、非調質の鉄筋用鋼材とするための方途について、種々の実験による究明を行った。すなわち、焼入れ焼戻しを行わない圧延のままにて、降伏強さが785MPa以上、引張強さが930MPa以上、母材伸びが8%以上および溶接継手伸びが5%以上という、強度と延性を兼ね備えた機械的性質を与えるための条件について、鋭意究明した。
その結果、非調質鉄筋用鋼材において、溶接後の延性の低下を防止するには、接合部付近の溶接熱影響部の軟化抑制が効果的であること、そして溶接熱影響部の軟化抑制には、Si、VおよびCrの添加が有効であり、これら成分の添加を適正に行うことによって、溶接熱影響部からの破断が抑制されること、を知見した。
また、製造コスト低減の観点から、上記強度と延性バランスを有する非調質鋼材を、ビレット連続鋳造にて製造するための方途についても検討を行った。その結果、析出強化元素の中で、Vの活用により強度および延性を確保し、V以外の析出強化元素であるTi、Nb、Alについては非添加とし、更に非添加元素については不可避的不純物としての含有量についても規制を行うことにより、非調質での強度確保とビレット連続鋳造における課題(ノズル詰まりとビレット表面割れ)を解決できるという知見を得た。
ここに、ビレット連続鋳造における課題の解決手法の詳細は、次の通りである。
まず、溶鋼中に脱酸生成物が存在すると、ノズル詰まりの原因となる。このノズル詰まりの原因につき種々の検討を行った結果、析出強化に有効な元素の中で、特にTiおよびAlを溶鋼中に含む場合にノズル詰まりが顕著となること、従って、これら元素の不純物量の上限を規制することによってノズル詰まりの解消が可能であること、を見出すに到った。これは、Ti及びAlは特に酸化物の生成能が強いため、溶鋼注入時に空気中の酸素と触れた際に、これらが酸化物となり、ビレット連続鋳造ではノズル直径が小さいことと相まって、これら酸化物がノズル詰まりを促進するものと考えられる。
さらに、ビレット表面割れに関しては、特にNbがビレット連続鋳造時のビレット表面割れを助長し、僅かに添加した場合においても悪影響を強く及ぼすため、Nbの不純物としての含有量を規制することにより、表面割れが低減することを見出した。
本発明は、上記した知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
1.質量%で、
C:0.25%以上0.40%以下、
Si:0.15%以上0.50%以下、
Mn:1.2%以上1.8%以下、
P:0.03%以下、
S:0.02%以下、
Al:0.005%未満、
Cr:0.15%超0.5%以下、
V:0.2%以上0.4%以下、
Ti:0.003%以下、
Nb:0.003%以下および
N:0.01%超0.025%以下
を、下記式(1)および(2)の下に含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成を有し、フェライト、パーライトおよびベイナイトを含む混合組織を有し、非調質にて降伏強さ:785MPa以上、引張強さ:930MPa以上、伸び:8%以上および溶接継手伸び:5%以上を有する抵抗溶接性に優れ非調質鉄筋用鋼材。

([C]+[Si]/5+[Mn]/4+[Cr]/5+[V]×2.5)≧1.45% …(1)
[Si]/5+([V]+[Cr])/3≧0.18% …(2)
但し、[]は該括弧内の元素の含有量(質量%)
2.前記1に記載の成分組成を有する鋼素材を、1100℃以上の温度に加熱して熱間圧延した後、850〜400℃の温度範囲を4〜0.4℃/sの速度で冷却する、フェライト、パーライトおよびベイナイトを含む混合組織を有し、非調質にて降伏強さ:785MPa以上、引張強さ:930MPa以上、伸び:8%以上および溶接継手伸び:5%以上を有する抵抗溶接性に優れる非調質鉄筋用鋼材の製造方法。
本発明によれば、高い強度と延性を優れたバランスの下に有し、しかも溶接継手の延性にも優れる鉄筋用鋼材を、低い製造コストで安定して提供することが可能である。
本発明の鉄筋用鋼材は、製造コストが低く、抵抗溶接性に優れ、降伏強さが785MPa以上、引張強さが930MPa以上、母材伸びが8%以上および溶接継手伸びが5%以上の機械的特性を有する鋼材である。
このような特性を有する鋼材を得るために、まず化学成分組成を適正範囲に限定する必要がある。その化学成分組成の限定理由について、以下に説明する。なお、成分組成に関する「%」表示は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
C:0.25%以上0.40%以下
Cは、上記した目標とする強度を確保するために0.25%以上は必要である。しかし、0.40%を超えて添加すると、溶接性や延性が著しく劣化する。このため、Cは0.25%以上0.40%以下の範囲に限定した。より好ましくは0.25〜0.35%である。
Si:0.15%以上0.50%以下
Siは、鋼の脱酸および強化のために0.15%以上で添加する。一方、0.50%を超えて添加すると、最終的に形成された母相組織の延性を低下させるとともに、溶接継手の延性を低下させる。このため、Siの含有量は0.15%以上0.50%以下の範囲に限定した。より好ましくは0.15〜0.35%である。
Mn:1.2%以上1.8%以下
Mnは、焼入性を確保し目標強度を得るために1.2%以上の添加が必要である。しかし、1.8%を超えて添加すると、焼入性が過剰となって母材の延性が低下するとともに、溶接継手の延性が低下する。このため、Mn量は1.2%以上1.8%以下の範囲に限定した。より好ましくは1.4〜1.6%である。
Al:0.005%未満
Alは、ビレット連続鋳造時の溶鋼注入の際に、酸化物を形成し、ノズル詰まりを引き起こす。このために、Alの含有は極力抑制する必要がある。Alは不可避的不純物と混入する機会が多い成分であることから、この不可避的不純物として許容しうる含有量を0.005%未満とする必要がある。
P:0.03%以下
Pは、鋼材を脆化し、母材と溶接後の延性を劣化させるため、基本的に含有させないことが望ましい。ただし、不可避不純物として0.03%までは許容できる。
S:0.02%以下
Sは、鋼中でMnなどの金属と結合して粗大な硫化物を形成し、母材と溶接後の延性を劣化させるため、基本的に含有しないことが望ましい。ただし、不可避不純物として0.02%までは許容できる。
Cr:0.15%超0.5%以下
Crは、焼入性を向上させることにより強度を確保するのに有効な元素である。その添加効果は0.15%以下では不十分であり、一方、0.5%を超えると焼入性が過剰となり、母材の延性が低下するとともに、溶接部が硬化し、溶接継手の延性が低下するため0.15%超0.5%以下の範囲とする。より好ましくは0.15〜0.3%である。
V:0.2%以上0.4%以下
Vは、析出強化により、強度向上に有効な元素である。このため0.2%以上で添加する。一方、0.4%を超えると連続鋳造時に表面割れが発生し、鋳片品質が低下するため0.4%以下に制限する。より好ましくは0.25%以上である。
Nb:0.003%以下
Nbは、ビレット連続鋳造時に、Nb炭窒化物を形成するため結晶粒界の強度が低下し、これによりビレット表面に割れを発生させる原因となるため、極力低下させる必要がある。不可避的不純物として許容しうる含有量の上限は、0.003%である。
Ti:0.003%以下
Tiは、ビレット連続鋳造時の溶鋼注入の際に酸化物を形成し、ノズル詰まりを引き起こす。このため極力低下させる必要がある。不可避的不純物として許容しうる含有量の上限は、0.003%である。
N:0.01%超0.025%以下
NはVとともに析出物を生成し、析出強化ならびに加熱時のオーステナイト粒ピン止めによる微細化による強度および延性改善に有効な元素である。このため0.01%超えで含有させる。一方、0.025%を超えるとビレットの表面割れを引き起こすため、0.025%以下に制限する。より好ましくは0.011〜0.022%である。
([C]+[Si]/5+[Mn]/4+[Cr]/5+[V]×2.5)≧1.45%
上記式は、強度向上に有効な各元素の強度上昇に対する効果の度合を考慮した、必要強度を得るための条件式を表わすものであり、この式が満足されない場合は、降伏強さ:785MPa以上および引張強さ:930MPa以上が得られない。
[Si]/5+([V]+[Cr])/3≧0.18%
上記式は、溶接熱影響部の軟化抑制に有効な各元素の軟化抑制に対する効果の度合を考慮した、必要延性を得るための条件式を表わすものであり、この式が満足されないと、溶接継手伸び:5%以上が得られない。
本発明の鋼材は、上記した化学成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
次に、本発明の鋼材の組織について説明する。この組織は、フェライト、パーライトおよびベイナイトからなる混合組織である。このフェライト、パーライトおよびベイナイトからなる混合組織とするのは、フェライトおよびパーライトからなる組織では強度が不足し、所望の強度が得られなくなるためである。すなわち、フェライトおよびパーライト組織のままで強度を上昇させるためには、V、Nb、TiおよびAlといった析出強化元素の添加、増量あるいは、パーライト分率を増加させるCの添加等が考えられる。しかしながら、析出強化元素の添加、増量は製造コストの増加に繋がり好ましくない。また、ビレット連続鋳造性の低下ならびに連続鋳造ビレットの表面割れを招くことになる。さらに、Cの増加は母材延性の低下を招くとともに、溶接性を低下させることになる。
一方、マルテンサイトが生成すると、他の組織に比べて硬くて変形しづらいために、引張試験時に他の組織への応力集中が起こり、降伏強さが低下して、所望の強度が得られなくなると同時に延性が低下する。また、フェライトおよびパーライトの組織が消失して、ベイナイト組織のみとなると、延性が低下してしまう。
以上のことから、組織はフェライト、パーライトおよびベイナイトからなることとする。特に、本発明で所期する強度および延性を得るためには、ベイナイト組織の面積率を10%以上60%未満とし、残部がフェライト組織およびパーライト組織とし、フェライト組織およびパーライト組織はそれぞれの面積率を10%以上とすることが好ましい。なぜなら、ベイナイト組織の面積率が60%以上になると、強度が過大となって延性が低下してしまう。一方、フェライト組織およびパーライト組織がそれぞれ10%未満では、十分な延性が得られない。ベイナイト組織が10%未満では、十分な強度が得られない。
つぎに、本発明の鉄筋用鋼材の製造方法について説明する。
上記した化学組成を有する鋼を転炉や電気炉等による、公知の溶製方法で溶製し、この溶鋼をビレット連続鋳造法によりビレット(鋼素材)とする。このビレットを、所定温度に加熱した後、熱間圧延を施して所定形状の鋼材とする。ここで、熱間圧延の加熱温度は、1100℃以上とする。なぜなら、加熱温度が1100℃未満では、鋳造時に生成したVの炭化物、窒化物の固溶が不十分となり、その後の圧延および冷却中でのV析出物量が減少するため、十分な析出強化が得られず、強度確保が困難となる。なお、1300℃を超えると、燃料原単位の上昇により不経済となる。このため、1100℃以上1300℃以下とすることが好ましい。
さらに、熱間圧延後に、850℃以下400℃以上の温度範囲を0.4℃/s以上4℃/s以下にて冷却を行う。この冷却速度が0.4℃/sを下回る場合には、フェライトの分率が上昇し10%以上のベイナイト組織が得られなくなり、強度確保が困難となる。一方、冷却速度が4℃/sを超える場合には、マルテンサイト組織が生成して延性が低下することになる。また、上記の冷却速度を規定する、温度範囲を850℃以下400℃以上とするのは、フェライト変態、パーライト変態およびベイナイト変態のいずれもがこの温度領域にて進行するからでる。
表1に示す化学組成(各元素の値はいずれも質量%)を有し残部がFeおよび不可避的不純物である、鋼を電気炉で溶製し、この溶鋼を連続鋳造法にて150mm角のビレット(鋼素材)とした。これらビレットを、表2に示す加熱温度に加熱した後に熱間圧延を行い、ついで表2に示す冷却速度で冷却し、公称径13mmの鉄筋用異形鋼材とした。
かくして得られた鋼材について、引張試験を行って、降伏強さ、引張強さおよび伸びを測定した。また、同一条件で製造した鋼材の端面同士をアプセットバット溶接にて接合した。この溶接後に、継手引張試験を行って抵抗溶接継手の伸びを測定した。これらの測定結果を、表2に示す。
Figure 0005907063
Figure 0005907063
同表に示すように、本発明例では所望の母材機械的性質(降伏強さ785MPa以上、引張強さ930MPa以上、伸び8%以上)および溶接継手伸び(5%以上)を有している。
これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、母材の機械的特性が所望の値を外れるか、あるいは、抵抗溶接継手の延性が所望値より低下している。
すなわち、No.3は加熱温度が本発明の範囲より低く外れているため、鋳造時に生成したVの炭化物、窒化物の固溶が不十分となり、その後の圧延および冷却中でのV析出量が減少するため、降伏強さが目標の値に未達である。
No.4は冷却速度が本発明の下限以下であるため、ベイナイト組織が得られず、降伏強さおよび引張強さが所望の値に未達である。No.5は冷却速度が本発明の上限以上であるため、マルテンサイト組織が生成したため、延性が低下し、伸びが所望の値に未達である。
No.9は、Alが本発明の上限を超えているため、ビレット連続鋳造時にノズル詰まりが発生し、鋳込を中止した。No.10は、Tiが本発明の上限を超えているため、ビレット連続鋳造時にノズル詰まりが発生し、鋳込を中止した。No.11は、Nbが本発明の上限を超えているため、ビレット表面割れが多発したため、健全なビレットが得られず、圧延を中止した。
No.12は、CおよびVが本発明の範囲から低く外れ、上記した式(1)も満足していないために、ベイナイト組織が得られておらず、またVによる析出強化量も減少したため、降伏強さおよび引張強さが低下し、所望の強度に達していない。No.13は、Cが本発明の範囲から高く外れているために、延性が低下し、伸びが低下するとともに、溶接性が低下し、溶接継手の引張試験において溶接部破断が起こり、継手伸びが目標の値に届かなかった。No.14は、SiおよびCrが本発明の範囲から高く外れているために、母材伸び並びに溶接継手の延性が低下し、母材伸びおよび溶接継手伸びの値が目標に達していない。
No.15は、MnおよびCrが本発明の範囲から低く外れ、式(1)も満足していないため、ベイナイト組織が得られておらず、強度が低下し、所望の降伏強さが得られていない。No.16は、Mnが本発明の範囲から高く外れているために、母材伸びおよび溶接継手伸びが目標に未達である。No.17は、Vが本発明の上限を超えているため、ビレット表面割れが発生し、健全なビレットが得られなかったため、圧延を中止した。
No.18は、上記した式(2)が満足されないため、溶接継手の引張試験において溶接熱影響部からの破断が発生した結果、溶接継手伸びが目標に達していない。
No.19は、Nが本発明の下限未満であるため,降伏強さ、引張強さおよび伸びが、N以外の成分含有量がほぼ同じ発明例No.2と比較して、低下している。No.20は、Nが本発明の上限を超えているため,ビレット表面割れが発生し、健全なビレットが得られなかったため、圧延を中止した。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.25%以上0.40%以下、
    Si:0.15%以上0.50%以下、
    Mn:1.2%以上1.8%以下、
    P:0.03%以下、
    S:0.02%以下、
    Al:0.005%未満、
    Cr:0.15%超0.5%以下、
    V:0.2%以上0.4%以下、
    Ti:0.003%以下、
    Nb:0.003%以下および
    N:0.01%超0.025%以下
    を、下記式(1)および(2)の下に含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成を有し、フェライト、パーライトおよびベイナイトを含む混合組織を有し、非調質にて降伏強さ:785MPa以上、引張強さ:930MPa以上、伸び:8%以上および溶接継手伸び:5%以上を有する抵抗溶接性に優れる非調質鉄筋用鋼材。

    ([C]+[Si]/5+[Mn]/4+[Cr]/5+[V]×2.5)≧1.45% …(1)
    [Si]/5+([V]+[Cr])/3≧0.18% …(2)
    但し、[]は該括弧内の元素の含有量(質量%)
  2. 請求項1に記載の成分組成を有する鋼素材を、1100℃以上の温度に加熱して熱間圧延した後、850〜400℃の温度範囲を4〜0.4℃/sの速度で冷却する、フェライト、パーライトおよびベイナイトを含む混合組織を有し、非調質にて降伏強さ:785MPa以上、引張強さ:930MPa以上、伸び:8%以上および溶接継手伸び:5%以上を有する抵抗溶接性に優れる非調質鉄筋用鋼材の製造方法。
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