JP5612982B2 - 高強度鉄筋およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は高強度鉄筋およびその製造方法に関するものである。
近年、土地の有効利用と建築費の低減を目的として、鉄筋コンクリート構造からなる高層住宅の建設が盛んに行われている。この様な高層住宅の建設に当たっては、居住空間を確保しつつ更に耐震性を得る為に、鉄筋の高強度化が不可欠である。ところが、鉄筋を高強度化すると、鉄筋の延性は一般に低下してしまい、曲げ加工性が低下する等の施工上の問題が生じる。
例えば、特許文献1〜3には、高強度鉄筋の製造方法が開示されている。特許文献1〜3はいずれも各種成分と圧延条件を調整することにより、降伏棚の伸びの大きい高強度鉄筋が製造できる旨を開示している。また特許文献4は、機械構造部品の素材として適用できる非調質に関するものであり、各種成分と、フェライトの結晶粒度、およびフェライトとパーライトのラメラ間隔を調整することによって、非調質鋼の耐疲労特性が向上できる旨を開示している。
しかし、特許文献1〜4はいずれも高強度鉄筋または非調質鋼の曲げ加工性について検討されたものではなく、これらの曲げ加工性は不十分なものであった。
特開平11−50147号公報 特開平05−209223号公報 特開平04−193908号公報 特開平09−53142号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、曲げ加工性に優れた高強度鉄筋およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成した本発明の高強度鉄筋は、C:0.25〜0.45%(質量%の意味。以下、化学組成について同じ。)、Si:0.25〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.05%以下、Cr:0.15%以下、Cu:0.25%以下、Ni:0.25%以下、Al:0.005〜0.1%、N:0.025%以下、V:0.30超〜0.50%であり、残部は鉄および不可避不純物からなる高強度鉄筋であって、下記式(1)および式(2)を満たすと共に、フェライトの面積率が30%以上であり、かつフェライトおよびパーライトの合計面積率が85%以上であることを特徴とする。
1.4<[C]+0.123[Si]+0.28[Mn]−1.03[S]+0.323[Cr]+1.69[V]<1.6 ・・・(1)
0.43[C]+0.49[Mn]+0.27[Cr]<1 ・・・(2)
(但し、式(1)、(2)中、[ ]は各成分の含有量(質量%)を示す。)
本発明の高強度鉄筋は、Cr、CuおよびNiの合計量が0.25%以下であることが好ましい。
本発明は高強度鉄筋の製造方法も包含し、該製造方法は上記記載の化学成分の鋼を、圧延前加熱温度900〜1000℃、圧延終了温度850〜950℃で圧延することを特徴とする。
本発明によれば、各種成分組成を適切に調整するとともに、強度に影響する元素の含有量および過冷組織(ベイナイトおよびマルテンサイト)の生成に影響する元素の含有量を相互に調整し、過冷組織の生成を抑制しているため、強度と曲げ加工性を両立した鉄筋を提供することが可能である。
本発明者らは、鉄筋の強度と曲げ加工性を両立するため検討を重ねた。その結果、各種成分の個々の含有量を適切に調整するとともに、強度に影響を与える元素(C、Si、Mn、S、Cr、V)の含有量の相互関係を調整し、さらに過冷組織(ベイナイトおよびマルテンサイト)の生成に影響を与える元素(C、Mn、Cr)の含有量の相互関係を調整すれば、鉄筋の強度と曲げ加工性を両立できることを見出し、本発明を完成した。以下、各成分の含有量について説明する。
C:0.25〜0.45%
Cは、鋼の強度を確保するために重要な元素である。そこでC量は0.25%以上と定めた。C量は好ましくは0.27%以上であり、より好ましくは0.30%以上である。一方、C量が過剰になると強度が高まりすぎることによって、曲げ加工性が劣化する。そこでC量は0.45%以下と定めた。C量は好ましくは0.43%以下であり、より好ましくは0.40%以下である。
Si:0.25〜2.0%
Siは、固溶強化により鋼の強度を向上させる元素である。そこでSi量は0.25%以上と定めた。Si量は好ましくは0.40%以上であり、より好ましくは0.50%以上である。一方、Si量が過剰になると加工性が著しく低下する。そこでSi量は2.0%以下と定めた。Si量は、好ましくは1.9%以下であり、より好ましくは1.8%以下である。
Mn:0.1〜2.0%
Mnは、固溶強化により強度および焼入れ性を向上させる元素である。そこでMn量を0.1%以上と定めた。Mn量は好ましくは0.15%以上であり、より好ましくは0.2%以上である。一方、Mn量が過剰になると加工性が著しく低下する。そこでMn量は2.0%以下と定めた。Mn量は好ましくは1.8%以下であり、より好ましくは1.6%以下である。
P:0.05%以下
Pは、不可避的な不純物として鋼に混入する元素であるが、粒界に偏析し、強度のばらつきを強めるため、極力低減すべき元素である。そこでP量は0.05%以下と定めた。P量は好ましくは0.04%以下であり、より好ましくは0.03%以下である。Pは、少なければ少ないほど好ましい元素であるが、極端な低減は製鋼コストの増加を招く。P量の下限は、例えば0.003%である。
S:0.05%以下
Sは、不可避的な不純物として鋼に混入する元素であるが、MnSとして析出し、曲げ加工性を低下させるため、極力低減すべき元素である。そこでS量は0.05%以下と定めた。S量は好ましくは0.04%以下であり、より好ましくは0.03%以下である。Sは、Pと同様に、少なければ少ないほど好ましい元素であるが、極端な低減は製鋼コストの増加を招く。S量の下限は、例えば0.003%である。
Cr:0.15%以下
Cu:0.25%以下
Ni:0.25%以下
Cr、CuおよびNiはいずれも焼入れ性の向上に寄与する元素であり、ベイナイトやマルテンサイトなどの過冷組織を発生させやすい元素である。また、鋳造時に偏析しやすく、局所的に過冷組織を発生させやすく、過冷組織は曲げ加工性に悪影響を与えるため、曲げ加工性のばらつきの大きな原因となる。そこで、過冷組織の生成を抑制するためCr量は0.15%以下、Cu量は0.25%以下、Ni量は0.25%以下と定めた。Cr量は好ましくは0.14%以下であり、より好ましくは0.13%以下である。Cu量およびNi量は、いずれも0.2%以下が好ましく、0.15%以下がより好ましい。Cr量、Cu量、Ni量の下限は、いずれも例えば0.01%である。
また、過冷組織の生成を抑制するため、焼入れ性向上元素であるCr、CuおよびNiの合計含有量は0.25%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.20%以下であり、さらに好ましくは0.15%以下である。
Al:0.005〜0.1%
Alは、脱酸と結晶粒微細化に有効な元素である。そこでAl量は0.005%以上と定めた。Al量は好ましくは0.008%以上であり、より好ましくは0.010%以上である。一方、Al量が過剰になっても効果が飽和する。そこでAl量は0.1%以下と定めた。Al量は好ましくは0.08%以下であり、より好ましくは0.05%以下である。
N:0.025%以下
Nは、AlNなどを形成して、結晶粒微細化および強度の向上に有効な元素である。そこで、N量は0.0025%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.0040%以上である。一方、N量が過剰になると加工性が著しく低下する。そこでN量は0.025%以下と定めた。N量は好ましくは0.02%以下であり、より好ましくは0.015%以下である。
V:0.30超〜0.50%
Vは、鋼の強度の向上に有効な元素である。そこでV量を0.30%超と定めた。V量は好ましくは0.302%以上であり、より好ましくは0.304%以上である。一方、V量は過剰になると強度が上昇しすぎたり、ベイナイトが生成して加工性が悪化する他、過剰になっても効果が飽和し、コストの上昇を招く。そこでV量は0.50%以下と定めた。V量は好ましくは0.40%以下であり、より好ましくは0.35%以下であり、特に0.32%以下としても良い。
本発明の鉄筋の基本成分は以上の通りであり、残部は実質的に鉄である。但し、原材料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる不可避不純物が鋼中に含まれることは当然に許容される。
さらに上記元素は下記式(1)および式(2)を満たす。但し、式(1)、(2)中、[ ]は各成分の含有量(質量%)を示す。
1.4<[C]+0.123[Si]+0.28[Mn]−1.03[S]+0.323[Cr]+1.69[V]<1.6 ・・・(1)
上記式(1)における式:[C]+0.123[Si]+0.28[Mn]−1.03[S]+0.323[Cr]+1.69[V](以下、該式で得られる値を「式(1)の値」と呼ぶ。)は、C、Si、Mn、S、Cr、Vの各元素の含有量(質量%)を説明変数とし、鉄筋の強度を目的変数として重回帰分析を行った結果得られた式である。式(1)の値が1.4以下であると鉄筋の強度が不十分となる。式(1)の値が大きくなるほど、鉄筋の強度は向上するため、式(1)の値は、1.42以上が好ましく、より好ましくは1.45以上であり、さらに好ましくは1.48以上である。一方、式(1)の値が大きくなりすぎると、強度が向上しすぎることによって曲げ加工性が劣化する。そこで式(1)の値の上限は1.6未満とする。式(1)の値は1.58以下とすることが好ましく、より好ましくは1.57以下であり、さらに好ましくは1.55以下である。
0.43[C]+0.49[Mn]+0.27[Cr]<1 ・・・(2)
上記式(2)における式:0.43[C]+0.49[Mn]+0.27[Cr](以下、該式で得られる値を「式(2)の値」と呼ぶ。)は、「D.V.Doane,J.S.Kirkaldy、 Hardenability Concept with Applications to Steel,(1978)」に記載された、ベイナイトの生成しやすさを表す式である。式(2)の値が1以上であると、ベイナイトおよびマルテンサイトが多く生成し、曲げ加工性が劣化する。式(2)の値は、好ましくは0.98以下であり、より好ましくは0.97以下、さらに好ましくは0.96以下である。
本発明の鉄筋の組織は、フェライトの面積率が30%以上であり、かつフェライトおよびパーライトが占める合計面積率が85%以上である。本発明のフェライトおよびパーライト以外の残部組織は、ベイナイトおよびマルテンサイトであり、ベイナイトやマルテンサイトが多く生成すると、これらの組織を起点にして曲げ加工時に割れが発生する。そこでベイナイトおよびマルテンサイトの生成は極力抑制し、フェライトおよびパーライトの面積率を確保することが必要である。そこでフェライトおよびパーライトの面積率の合計は、全組織に対する割合で85面積%以上とする。フェライトおよびパーライトの合計面積率は、好ましくは87面積%以上であり、より好ましくは90面積%以上(特に92面積%以上)である。
さらに、フェライトの面積率は、全組織に対する割合で30面積%以上とする。このようにすることで、良好な曲げ加工性を確保することができる。フェライトの面積率は、好ましくは33面積%以上であり、より好ましくは36面積%以上であり、さらに好ましくは40面積%以上である。フェライトの面積率の上限は、通常65面積%程度である。
本発明において、フェライトの結晶粒度番号は、通常9.5〜10.5番程度である。
また、本発明の鉄筋の降伏強度(降伏点が現れない場合は0.2%耐力)は、例えば685MPa以上である。
本発明の鉄筋の形状は特に限定されず、鉄筋の直径は通常19.1〜50.8mm程度である。
本発明の高強度鉄筋を製造するに際しては、上記の化学組成を満たす鋼を溶製し、鋳造し、熱間圧延するという一連の製造工程の中で、特に圧延前加熱温度および圧延終了温度を適切に制御することが重要である。以下、圧延前加熱温度および圧延終了温度についてそれぞれ詳細に説明する。
圧延前の加熱温度は、Vの固溶量と旧オーステナイト結晶粒度に影響を与えるものであり、その結果、強度と過冷組織の出やすさに影響する。圧延前加熱温度が900℃未満であると、Vの固溶量が不足するため、Vの析出強化による強度向上の作用が得られず、鉄筋の強度が不足する。一方、圧延前加熱温度が1000℃を超えると、結晶粒が大きくなることによって延性が低下し、曲げ加工性が劣化する。また結晶粒が大きくなると焼入れ性が増し、過冷組織(ベイナイト、マルテンサイト)が生成しやすくなる。そこで、圧延前加熱温度は900℃以上1000℃以下とする。圧延前加熱温度は、好ましくは910℃以上、990℃以下であり、より好ましくは920℃以上、980℃以下である。
圧延終了温度は、転位密度と旧オーステナイト結晶粒度に影響を与えるものであり、その結果曲げ加工性に影響する。圧延終了温度が850℃未満であると、圧延中にフェライトが生成してしまい、加工を受けた、すなわち転位密度の高いフェライトが生成してしまう。このような転位密度の高いフェライトは、変形能が低いため、加工時に割れの起点となって曲げ加工性を劣化させる。一方、圧延終了温度が950℃を超えると、結晶粒が大きくなることによって延性が低下し、曲げ加工性が劣化する。また結晶粒が大きくなると、焼入れ性が増し、フェライト分率は減少し、過冷組織が生成しやすくなる。そこで圧延終了温度は850℃以上950℃以下とする。圧延終了温度は、860℃以上、940℃以下が好ましく、より好ましくは870℃以上、930℃以下である。
また、過冷組織の生成を抑制するため、圧延終了後の冷却速度は、1℃/秒以下とすることが好ましく、より好ましくは0.8℃/秒以下である。
本発明の鉄筋は、高層住宅、高層橋脚などの建築物、構造物に用いられる鉄筋コンクリートに好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
表1、2に示す化学組成の鋼を、通常の溶製法に従って溶製し、鋳造し、155mm×155mmのインゴットを得、該インゴットを表3、4に示す圧延前加熱温度および圧延終了温度で熱間圧延し、呼び名D51の異形棒鋼(神戸製鋼所製のネジコン(登録商標))を得た。なお、圧延終了温度の調整は、圧延速度を調整することによって行い、また圧延終了後は放冷した(冷却速度は0.35〜0.75℃/秒)。
Figure 0005612982
Figure 0005612982
得られた異形棒鋼を、以下の要領で評価した。
(1)組織の同定および面積率の測定
異形棒鋼の横断面(軸心に垂直な断面)におけるD/4位置(Dは、棒鋼の直径)の90μm×70μmの領域を、光学顕微鏡で観察(倍率100倍)および撮影し、画像解析して面積率を測定した。測定は3視野行い、これらの平均値をフェライトの面積率および、フェライトおよびパーライトの合計面積率とした。
(2)降伏強度の測定
上記異形棒鋼から、JIS Z2201に規定される3号試験片を採取し(断面積20.27cm2)、JIS Z2241にしたがって引張試験を行い、降伏点または0.2%耐力を測定した。
(3)曲げ加工性の評価
上記異形棒鋼からJIS Z2204に規定される2号試験片を採取し、JIS Z2248に従って曲げ試験を行った。曲げ角度は90°、内側半径は101.6mmである。各実験No.についてそれぞれ3本試験を行い、3本とも試験片の外側に亀裂を生じなかった場合を「○(合格)」、一本でも亀裂が生じた場合を「×(不合格)」と判断した。
(4)フェライト結晶粒度の測定
上記異形棒鋼の横断面(軸心に垂直な断面)におけるD/4位置(Dは、棒鋼の直径)の、23μm×18μmの領域を、光学顕微鏡で観察(倍率400倍)および撮影し、JIS Z0551に従って、フェライト結晶粒度を測定した。測定は3視野行い、これらの平均値をフェライト結晶粒度とした。
結果を表3、4に示す。
Figure 0005612982
Figure 0005612982
実験No.1〜6、11〜24は、化学成分および製造方法が全て本発明の要件を満たすものであり、強度と曲げ加工性を両立できる結果となった。
一方、実験No.7〜10、25〜47は、化学成分および製造方法の少なくともいずれかが本発明要件を外れたため、強度と曲げ加工性の少なくともいずれかが不十分な結果となった。
実験No.7〜10は、圧延前加熱温度または圧延終了温度が不適切であった例である。実験No.7は圧延前加熱温度が高かったために、過冷組織が過剰に生成、すなわちフェライトおよびパーライトの合計量が不足したため、曲げ加工性が劣化した。実験No.8は、圧延前加熱温度および圧延終了温度が低く、強度が低下した。実験No.9は圧延終了温度が高く、フェライト分率が不足し、曲げ加工性が劣化した。実験No.10は圧延終了温度が低く、転位密度の高いフェライトが生成したため、曲げ加工性が劣化した。
実験No.25〜27は、式(1)の値が小さい鋼材(鋼材No.21〜23)を用いた例であり、強度が低下した。実験No.28〜30は、式(1)の値が大きい鋼材(鋼材No.24〜26)を用いた例であり、強度が向上しすぎることによって曲げ加工性が劣化した。
実験No.31〜35は、式(2)の値が大きい鋼材(鋼材No.27〜31)を用いた例であり、フェライトおよびパーライトの合計量が不足し、曲げ加工性が劣化した。実験No.36〜37は、式(1)および(2)の値が大きい鋼材(鋼材No.32〜33)を用いた例であり、フェライトおよびパーライトの合計量が不足するとともに、強度が高くなりすぎたことによって、曲げ加工性が劣化した。
実験No.38は、C量が多く、式(1)の値が大きかった鋼材(鋼材No.34)を用いた例であり、フェライト分率が不足し、曲げ加工性が劣化した。実験No.39は、V量が少なく、式(1)の値が小さかった鋼材(鋼材No.35)を用いた例であり、強度が不足した。実験No.40は、V量が少ない鋼材(鋼材No.36)を用いた例であり、フェライト分率が不足し、曲げ加工性が劣化した。実験No.41は、V量が多く、式(1)の値が大きかった鋼材(鋼材No.37)を用いた例であり、フェライトおよびパーライトの合計量が不足するとともに、強度が高くなりすぎたことによって、曲げ加工性が劣化した。実験No.42は、CuおよびNi量が多く、Al量が少なかった鋼材(鋼材No.38)を用いた例であり、フェライトおよびパーライトの合計量が不足し、曲げ加工性が劣化した。実験No.43は、Si量が多く、式(1)の値が大きかった鋼材(鋼材No.39)を用いた例であり、強度が上昇しすぎたことによって、曲げ加工性が劣化した。実験No.44は、Cr量が多く、式(1)および(2)の値がいずれも高い鋼材(鋼材No.40)を用いた例であり、フェライトおよびパーライトの合計量が不足し、曲げ加工性が劣化した。
実験No.45は、Cr量が多く式(2)の値が大きい鋼材(鋼材No.41)を用いた例であり、フェライトおよびパーライトの合計量が不足し、曲げ加工性が劣化した。実験No.46は、Mn量が多く、式(2)の値が大きい鋼材(鋼材No.42)を用いた例であり、フェライトおよびパーライトの合計量が不足し、曲げ加工性が劣化した。実験No.47は、Al量が少なく、N量が多く、式(1)の値が小さかった鋼材(鋼材No.43)を用いた例であり、強度が不足した。

Claims (3)

  1. C:0.25〜0.45%(質量%の意味。以下、化学組成について同じ。)、
    Si:0.25〜2.0%、
    Mn:0.1〜2.0%、
    P:0.05%以下、
    S:0.05%以下、
    Cr:0.15%以下、
    Cu:0.25%以下、
    Ni:0.25%以下、
    Al:0.005〜0.1%、
    N:0.025%以下、
    V:0.30超〜0.50%であり、残部は鉄および不可避不純物からなる高強度鉄筋であって、
    下記式(1)および式(2)を満たすと共に、
    フェライトの面積率が30%以上であり、かつフェライトおよびパーライトの合計面積率が85%以上であることを特徴とする高強度鉄筋。
    1.4<[C]+0.123[Si]+0.28[Mn]−1.03[S]+0.323[Cr]+1.69[V]<1.6 ・・・(1)
    0.43[C]+0.49[Mn]+0.27[Cr]<1 ・・・(2)
    (但し、式(1)、(2)中、[ ]は各成分の含有量(質量%)を示す。)
  2. Cr、CuおよびNiの合計含有量が0.25%以下である請求項1に記載の高強度鉄筋。
  3. 請求項1または2に記載の化学成分の鋼を、圧延前加熱温度900〜1000℃、圧延終了温度850〜950℃で圧延することを特徴とする高強度鉄筋の製造方法。
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