JP5907045B2 - シリコン単結晶の引き上げ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チョクラルスキー(CZ)法によるシリコン単結晶の引き上げ方法に関する。
CZ法によるシリコン単結晶の製造では、石英ルツボ内に収容した多結晶シリコンを加熱溶融してシリコン融液とし、シリコン融液に種結晶を浸漬して、石英ルツボと種結晶を互いに反対方向に回転させながら、種結晶を徐々に引き上げて、シリコン単結晶を拡径部、直胴部、縮径部の順に成長させる。この際、シリコン融液(融点1420℃)に接触する石英ルツボの表面は溶融し、融液に溶け出した石英ルツボ中の酸素は大半が融液表面から蒸発するが、一部がシリコン単結晶中に取り込まれる。
石英ルツボ(以下、ルツボ)の回転数を一定として単結晶を成長させた場合は、単結晶の成長軸方向の酸素濃度分布は、成長初期に固化した部分の酸素濃度が最も高く、その後、固化した割合(固化率)が増えるに従って、固化した部分の酸素濃度が低くなっていく。また、単結晶の断面内の半径方向の酸素濃度分布は、引き上げ中の単結晶周辺において融液からの酸素の蒸発が特に進行するため、中心部分が高く、周辺部分ほど低くなる傾向がある。
この為、シリコン単結晶の成長軸方向と断面内の半径方向との酸素濃度分布について、所望する一定の範囲に制御する方法が種々提案されてきた。例えば、特許文献1では、単結晶を引き上げる際にルツボの基準回転数を単結晶の引き上げに応じて徐々に増大させ、その回転数にさらにパルス状の増減を付与し、その増減幅とサイクルを所定のプログラムで制御する方法を開示している。また、特許文献2では、引き上げる単結晶の直胴部(直径一定部分)における半径方向の酸素含有量が実質的に一定となるように、ルツボの回転速度変調によって制御する方法を開示している。
特公平6−99225号公報 特許第4764007号
しかし、上述の方法では、ルツボの回転数のパルス状の増減(またはルツボ回転速度変調)をシリコン単結晶の縮径部の形成終了時まで継続すると、縮径部が変形しやすくなり、変形により縮径部が有転位化し、さらに、有転位化した部分が既に固化した部分へ拡がっていく現象(スリップバック現象)により、直胴部も有転位化してしまい、製品収率が悪くなってしまう問題があった。
また、縮径部の有転位化を防止するため、直胴部の終端を形成した時点でパルス状の増減を停止すると、直胴部の終端付近で断面内の半径方向の酸素濃度分布が急に悪化し、直胴部の終端付近で製品不良が発生する問題が生じた。
本発明は、上記問題を鑑みなされたものであって、ルツボを基準回転数にパルス状の増減を付与して回転させ、パルス状の増減の増減幅とサイクルとを制御しつつシリコン単結晶を引き上げる方法において、シリコン単結晶の直胴部全体の成長軸方向及び断面内の半径方向の酸素濃度分布を制御し、縮径部の有転位化及びそれによるスリップバック現象を防ぐことのできるシリコン単結晶の引き上げ方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
チョクラルスキー法により拡径部、直胴部、及び縮径部を有するシリコン単結晶を成長する際、前記直胴部の引き上げ中にルツボを基準回転数にパルス状の増減を付与して回転させ、前記パルス状の増減の増減幅とサイクルとを制御しつつシリコン単結晶を引き上げる方法であって、
前記直胴部の引き上げの終了後に前記縮径部を形成する際、該縮径部の長さが前記直胴部の終端より20mm以上60mm以下となるまで直胴部の終端時の前記パルス状の増減を付与したルツボの回転条件を維持し、その後、前記パルス状の増減を停止させることを特徴とするシリコン単結晶の引き上げ方法を提供する。
このようなシリコン単結晶の引き上げ方法であれば、シリコン単結晶の直胴部全体の成長軸方向及び断面内の半径方向の酸素濃度分布を均一にすることができ、縮径部の有転位化及びそれによるスリップバック現象を防ぐことができる。
このとき、前記パルス状の増減を、前記縮径部の長さが20mm以上60mm以下となるまで維持した後、前記増減幅を徐々に減少させて、前記縮径部がさらに50mm形成されるまでに停止させることが好ましい。
このような条件でパルス状の増減を停止させることにより、シリコン単結晶の縮径部の有転位化を効果的に防ぐことができる。
また、前記パルス状の増減を停止させる際に、前記基準回転数を前記増減幅の上限値まで増加させることが好ましい。
このように、基準回転数を増加させることで、シリコン単結晶の縮径部の変形を抑制することができ、有転位化をより効果的に防ぐことができる。
さらに、前記縮径部の長さを20mm以上形成した後の種結晶の回転速度を、前記直胴部の終端時の種結晶の回転速度に対して10%以上遅くすることが好ましい。
このように、種結晶の回転速度を遅くすることで、シリコン単結晶の縮径部の変形をより抑制することができ、有転位化をより確実に防ぐことができる。
本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法であれば、ルツボを基準回転数にパルス状の増減を付与して回転させ、前記パルス状の増減の増減幅とサイクルとを制御しつつシリコン単結晶を引き上げる方法において、シリコン単結晶の直胴部全体の成長軸方向及び断面内の半径方向の酸素濃度分布を均一にすることができ、また、縮径部の有転位化及びそれによるスリップバック現象を防ぐことができる。従って、シリコン単結晶を高歩留り、高生産性で製造することができる。
本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法における縮径部の長さとルツボの回転数の関係性の一例(実施例1、2)を示すグラフである。 本発明及び従来法のシリコン単結晶の引き上げ方法におけるシリコン単結晶の直胴部の長さとルツボの回転数の関係性の一例を示すグラフである。 比較例1における縮径部の長さとルツボの回転数の関係性を示すグラフである。 比較例2における縮径部の長さとルツボの回転数の関係性を示すグラフである。 実施例3における縮径部の長さとルツボの回転数の関係性を示すグラフである。 実施例4における縮径部の長さとルツボの回転数の関係性を示すグラフである。 実施例5、6における縮径部の長さとルツボの回転数の関係性を示すグラフである。 実施例1と比較例1との直胴部のROGの比較の結果を示すグラフである。 実施例におけるシリコン単結晶の変形量の評価基準を示す概略図である。
上述のように、特許文献1、2にはCZ法によるシリコン単結晶の引き上げにおいて、シリコン単結晶を引き上げる際のルツボの基準回転数にパルス状の増減を付与することにより、シリコン単結晶の成長軸方向及び断面内の半径方向の酸素濃度を均一にし、所望する一定の範囲に制御することが開示されている。しかし、基準回転数にパルス状の増減を付与することで、引き上げるシリコン単結晶が変形しやすい状態となり、パルス状の増減の増減幅が大きいほど、引き上げるシリコン単結晶が変形しやすい状態となる。
特に、シリコン単結晶の縮径部の形成は、シリコン単結晶の直径を縮径させるためにヒーター温度を上昇させている。これにより、変形しやすい状態となっており、この状態にパルス状の増減を加えると、縮径部の形状が大きく変形し、変形した縮径部が近傍の融液を撹拌し、それにより起こる融液の波打ちにより、シリコン単結晶の縮径部が有転位化してしまう。その結果、前述のように、スリップバック現象によってシリコン単結晶の製品収率が悪くなってしまう。
縮径部の有転位化を防止するため、シリコン単結晶の直胴部の終端を形成した時点でパルス状の増減を急に停止してみたところ、直胴部の終端付近で断面内の半径方向の酸素濃度分布が急に悪化し、断面内の半径方向の酸素濃度勾配(略称:ROG(Radial Oxygen Gradient)、ROG(%)=(中心の酸素濃度−周辺の酸素濃度)/中心の酸素濃度×100)が製品規格より大きく外れてしまい、直胴部の終端付近で製品不良が発生した。
本発明者は、上記の問題を鑑み鋭意検討したところ、縮径部がある程度の長さとなるまでパルス状の増減を付与した回転条件を維持し、その後停止させることにより、縮径部の有転位化、それによるスリップバック現象、及び直胴部の終端のROGの悪化を防止できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
チョクラルスキー法により拡径部、直胴部、及び縮径部を有するシリコン単結晶を成長する際、前記直胴部の引き上げ中にルツボを基準回転数にパルス状の増減を付与して回転させ、前記パルス状の増減の増減幅とサイクルとを制御しつつシリコン単結晶を引き上げる方法であって、
前記直胴部の引き上げの終了後に前記縮径部を形成する際、該縮径部の長さが前記直胴部の終端より20mm以上60mm以下となるまで直胴部の終端時の前記パルス状の増減を付与したルツボの回転条件を維持し、その後、前記パルス状の増減を停止させるシリコン単結晶の引き上げ方法である。
以下、本発明について詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法において、シリコン単結晶を引き上げる際のルツボの基準回転数は、一定であってもよいし、シリコン単結晶の引き上げに応じて徐々に増大させてもよい。このような基準回転数の値としては、特に限定されないが、例えば0.1〜50rpmの範囲とすることができる。
本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法では、上記の基準回転数にパルス状の増減を付与する。このような増減幅の値としては、0.1〜50rpmを例示できる。この増減幅は、直胴部の引き上げ中は一定であってもよいし、引き上げに応じて徐々に増加又は減少させてもよい。
また、このようなパルス状の増減のサイクルとしては、特に限定されないが、例えば、シリコン単結晶の直胴部の引き上げ時間における基準回転数保持時間とパルス状の増減を付与した回転時間との比を2:8〜8:2の範囲とし、パルス状の増減を付与した回転時間の割合が一定、又は引き上げに応じて徐々に増大するようなサイクルとすることができる。
上記のようなルツボの回転条件でシリコン単結晶の直胴部を引き上げることで、成長軸方向と断面内の半径方向との酸素濃度分布を均一化し、さらに酸素濃度レベルの増減にも寄与することができ、シリコン単結晶の直胴部全体の酸素濃度を制御することができる。
本発明では、シリコン単結晶の直胴部の引き上げの終了後に直径を縮径して縮径部を形成する際、この縮径部の長さが直胴部の終端より20mm以上60mm以下となるまで直胴部の終端時のパルス状の増減を付与したルツボの回転条件を維持し、その後、パルス状の増減を停止させる。
パルス状の増減を付与した回転条件の維持を縮径部の長さが20mm未満で止めてしまうと、基準回転数にパルス状の増減を付与した効果が直胴部終端まで持続せず、直胴部の終端付近の酸素濃度分布が急に変化し、直胴部の終端付近でのROGが悪化する。これは、結晶成長界面の形状はフラットではなく上凸形状であることに基づくものと思われる。縮径部に入っても、成長結晶の中心部ではまだ直胴部に相当する結晶が成長しているため、急にパルス状の増減を停止すると、直胴部の終端部分のROGに影響する。一方、パルス状の増減を付与した回転条件を縮径部の長さが60mmを超えた位置においても維持すると、縮径部が変形して有転位化し、スリップバック現象が起こる。そこで、本発明のように、直胴部の終端のルツボの回転条件をしばらく維持し、その後パルス状の増減を停止することで、直胴部の終端のROG及び縮径部の変形のいずれも解決できるようにした。
また、縮径部長さが20mm以上60mm以下となった後、パルス状の増減の増減幅を徐々に減少させて、増減幅の収束開始から縮径部をさらに50mm以内形成するまでに停止させることで、増減幅がゆっくり時間をかけて収束するため、縮径部の形状をいっそう変形しにくくできる。尚、縮径部長さを20mm以上60mm以下となるまで形成した後であれば、パルス状の増減を一気に停止させてもROGの問題はなく、結晶変形による有転位化を防止することができる。
さらに、パルス状の増減を徐々に減少させて停止させる際に、基準回転数を徐々に増加させてパルス状の増減を付与していた際の増減幅の上限値にする。または、パルス状の増減を一気に停止させる際に、基準回転数を一気に増加させてパルス状の増減を付与していた際の増減幅の上限値にする。このように、ルツボの基準回転数を増加させることで、縮径部形状の変形を一層防止できる。
これは、CZ法では一般的にルツボの回転数を増加させていくことにより、ルツボ内のシリコン融液の自然対流が抑制されて、ルツボの回転による強制対流が支配的になる。これにより、ルツボ内の融液温度がより均一となり、そして、シリコン単結晶の成長界面での温度差も小さくなるため、変形を生じにくくすることができるからである。
さらに、縮径部の長さが20mm以上となった後の種結晶の回転速度(以下、種回転)を、直胴部の終端時点から10%以上遅くすることで、縮径部の変形を防止する効果をさらに高めることができる。種回転が遅いことにより自然な温度勾配によって生じる結晶成長界面の形状を保持しやすく、無理なく自然に固化が進行できるため、結晶の形状を安定させることができる。
[実施例1]
CZ法による単結晶引き上げ装置内に収容した18インチ(450mm)の石英ルツボにおいて、60kgの多結晶シリコンを充填し、ヒーターで加熱溶融後、種結晶を融液面に浸し、直胴部の直径が153mm、長さが100cmのシリコン単結晶を次の条件で引き上げた。図2のように、ルツボの基準回転数を直胴部の始端時の6.0rpmから直胴部の終端時の12.0rpmまで徐々に増大させ、そこにパルス状の増減幅を徐々に大きくしながら0rpm〜4.0rpmを付与し、変速周期は60秒(基準回転時間/増加回転時間=1/1)の一定とした。
そして、直胴部を引き上げ終了後、図1のように、直胴部の終端でのパルス状の増減を付与したルツボの回転条件をそのまま維持し、縮径部を長さ30mmまで形成し、直胴部の終端でのルツボの回転数の上限値になるように基準回転数を徐々に増加させなから、パルス状の増減の増減幅を徐々に小さくし、収束開始より縮径部長さが30mmでその幅が0となるように収束していった。
同条件で4回単結晶を製造したところ、4回共に縮径部の変形があまり無く、また、縮径部が有転位化することも無く、引き上げを終了することができた。また、4本のシリコン単結晶は、図8のように、直胴部の終端までROG(%)が良好なレベルとなり、4本すべて直胴部の終端まで製品となった。尚、ここではROG(%)の規格は5%以下であれば良好とする。
[実施例2]
縮径部の長さを20mm形成した後の種結晶の回転速度を直胴部の終端時の種結晶の回転速度に対して10%低下させた以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、縮径部の変形が全く無く、また、ROG(%)も実施例1と同じレベルのシリコン単結晶を製造することができた。
[比較例1]
CZ法による単結晶引き上げ装置内に収容した18インチ(450mm)の石英ルツボにおいて、60kgの多結晶シリコンを充填し、ヒーターで加熱溶融後、種結晶を融液面に浸し、直胴部の直径が153mm、長さが100cmのシリコン単結晶を次の条件で引き上げた。図2のように、ルツボの基準回転数を直胴部の始端時の6.0rpmから直胴部の終端時の12.0rpmまで徐々に増大させ、そこにパルス状の増減幅を徐々に大きくしながら0rpm〜4.0rpmを付与し、変速周期は60秒(基準回転時間/増加回転時間=1/1)の一定とした。
そして、直胴部を引き上げ終了後、図3のように、直胴部の終端でのルツボの回転数の上限値(基準回転数12rpm+増減幅4rpm=上限値16rpm)になるようにパルス状の増減幅を0とし、基準回転数を16rpmとして縮径部を形成したところ、縮径部の変形が無く、また、縮径部が有転位化することも無く、引き上げを終了することができた。しかし、図8のように、直胴部の終端付近でROG(%)が悪くなり、終端付近3cm程度が製品不良となった。
[比較例2]
CZ法による単結晶引き上げ装置内に収容した18インチ(450mm)の石英ルツボにおいて、60kgの多結晶シリコンを充填し、ヒーターで加熱溶融後、種結晶を融液面に浸し、直胴部の直径が153mm、長さが100cmのシリコン単結晶を次の条件で引き上げた。図2のように、ルツボの基準回転数を直胴部の始端時の6.0rpmから直胴部の終端時の12.0rpmまで徐々に増大させ、そこにパルス状の増減幅を徐々に大きくしながら0rpm〜4.0rpmを付与し、変速周期は60秒(基準回転時間/増加回転時間=1/1)の一定とした。
そして、直胴部を引き上げ終了後、図4のように、直胴部の終端でのパルス状の増減を付与したルツボ回転の条件をそのまま維持して、縮径部を形成した。同条件で4回単結晶を製造したところ、4回共に縮径部が大きく変形し、この内2回で縮径部が有転位化してしまい、スリップバックにより直胴部も各々12cm程が有転位化してしまった。
[比較例3]
パルス状の増減を直胴部の終端より縮径部の長さ10mmまでの維持とし、増減幅の収束開始より増減幅0となるまでの縮径部長さ30mmとした以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、縮径部の変形はあまり無かったが、直胴部終端でのROG(%)のレベルが規格より悪くなってしまった。
[比較例4]
パルス状の増減を直胴部の終端より縮径部の長さ70mmまで維持し、増減幅の収束開始より増減幅0となるまでの縮径部長さ30mmとした以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、ROG(%)レベルは規格内だが、増減幅を一定で維持している間に縮径部が大きく変形し、縮径部が有転位化した。
[実施例3]
図5のように、パルス状の増減を直胴部の終端より縮径部の長さ30mmまで維持し、その後、パルス状の増減を一気に増減幅の上限値に収束した以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、縮径部の変形量が実施例1より若干多いものの有転位化しない程度であり、問題ない変形量だった。
[実施例4]
図6のように、直胴部形成中のパルス状の増減の増減幅を6rpmまで拡大し、直胴部の終端よりパルス状の増減を維持する長さを60mmと長くし、縮径部中の増減の収束開始より増減幅0までの縮径部長さを50mmまで長くし、さらに縮径部の長さを20mm形成した後の種結晶の回転速度を直胴部の終端時の種結晶の回転速度に対して10%低下させた以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、直胴部の終端のROG(%)レベルが良好となり、縮径部での結晶変形が少なかった。
[実施例5]
図7のように、直胴部中のパルス状の増減の増減幅を8rpmまで拡大し、直胴部終端よりパルス状の増減を維持する長さを20mmまで短くし、さらに縮径部の長さを20mm形成した後の種結晶の回転速度を直胴部の終端時の種結晶の回転速度に対して10%低下させた以外は実施例4と同様の操作を行ったところ、直胴部の終端のROGレベルが良好となり、実施例4と同程度の結晶変形となった。
[実施例6]
縮径部の長さを20mm形成した後の種結晶の回転速度を直胴部の終端時の種結晶の回転速度に対して20%低下させた以外は実施例5と同様の操作を行ったところ、結晶変形がさらに小さくなり、実施例5に比べて無転位化しやすくなった。
表1に比較例1〜4及び実施例1〜6の縮径部形成の各条件、直胴部の終端のROGレベル、縮径部の有転位化の有無、結晶の変形量をまとめた。
尚、結晶の変形量とは、図9に示すように結晶の断面内において円形状より外れた部分のことを表す。また、断面内において円形状から外れた部分を有していても有転位化が起こらなければ良好とした。
Figure 0005907045
上記の結果から、本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法であれば、シリコン単結晶の直胴部全体の成長軸方向及び断面内の半径方向の酸素濃度分布を均一にすることができ、縮径部の有転位化及びそれによるスリップバック現象を防止できることが明らかになった。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法により拡径部、直胴部、及び縮径部を有するシリコン単結晶を成長する際、前記直胴部の引き上げ中にルツボを基準回転数にパルス状の増減を付与して回転させ、前記パルス状の増減の増減幅とサイクルとを制御しつつシリコン単結晶を引き上げる方法であって、
    前記直胴部の引き上げの終了後に前記縮径部を形成する際、該縮径部の長さが前記直胴部の終端より20mm以上60mm以下となるまで直胴部の終端時の前記パルス状の増減を付与したルツボの回転条件を維持し、その後、前記パルス状の増減を停止させ
    前記パルス状の増減を、前記縮径部の長さが20mm以上60mm以下となるまで維持した後、前記増減幅を徐々に減少させて、前記縮径部がさらに50mm形成されるまでに停止させることを特徴とするシリコン単結晶の引き上げ方法。
  2. 前記パルス状の増減を停止させる際に、前記基準回転数を前記増減幅の上限値まで増加させることを特徴とする請求項に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
  3. 前記縮径部の長さを20mm以上形成した後の種結晶の回転速度を、前記直胴部の終端時の種結晶の回転速度に対して10%以上遅くすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
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