JP5906930B2 - ガラス管およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素等の流体分離材料の支持体として使用できる多孔質シリカからなるガラス管およびその製造方法に関する。
水素エネルギー社会実現のために、水素製造技術や水素利用インフラ整備についての研究開発が進められている。自動車用燃料電池、家庭用定置型燃料電池、水素ステーション、大型の化学プラントなどで使用される高純度水素は、今後大きな需要が見込まれ、その製造には更なる高効率化が求められている。現在、水素の製造は、炭化水素燃料を700℃程度の温度で水蒸気改質(CH+HO→CO+3H)した後、さらに数百度程度でCO変成(CO+HO→CO+H)する方法が価格競争力の点から広く利用されている。これらの反応を経て得られたガスの成分には、水素の他に二酸化炭素や一酸化炭素、さらには未反応の炭化水素や水が含まれる。
水素を含む混合ガスから高純度水素を取り出す方法としては、吸収法、深冷分離法、吸着法、膜分離法などが挙げられるが、膜分離法は高効率で小型化が容易であるという特徴を有している。また、水素分離膜を通過した水素ガスの純度は水素分離膜の性能に依存するが、用途に応じてさらにCO除去や高純度化が必要な場合でも、これらの工程にかかる負荷を軽減することが可能となる。
水素分離膜の一例として、シリカ系多孔質体を支持体とする水素分離材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。この水素分離材料はシリカガラス膜を水素分離膜として機能させ、当該シリカガラス膜と熱膨張率が近いシリカ系多孔質体をその支持体としている。これにより、熱衝撃に強く、水素分離特性に優れた水素分離膜を実現している。また、特許文献1では、ロッドの周囲にCVD法によりガラス微粒子を堆積させ、これをガス透過性能に優れる程度に(即ち高い気孔率を有するように)焼結させ、その後ロッドを引抜くことによってシリカ系多孔質支持体を円筒状のガラス管として製造することが記載されている。
国際公開第2011/071138号
ところで、特許文献1に記載されたように、ダミー棒のようなロッドの周囲に多孔質シリカガラスを堆積させ、その後、ロッドを引き抜いて多孔質シリカガラスからなるガラス管を形成する方法では、ロッドを引き抜くことが困難になる場合や、ロッドを引き抜くことでロッド近傍の多孔質シリカガラスの堆積体を損傷させてしまう場合がある。
そこで本発明の目的は、その製造過程でロッドを引き抜きやすく、且つ損傷が生じにくい多孔質シリカガラスからなるガラス管およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することができるガラス管は、多孔質シリカガラス層が径方向に複数積層されたガラス管であって、
当該ガラス管全体の平均気孔率が40%以上70%以下であり、最も内側の前記多孔質シリカガラス層における平均気孔率である最内層気孔率が50%以上85%以下であることを特徴とする。
上記ガラス管において、長手方向における最も内側の前記多孔質シリカガラス層の気孔率の変動幅が、±10%以内であることが好ましい。
また、上記ガラス管において、最も内側の前記多孔質シリカガラス層における局所的な気孔率である最内層局所気孔率が、当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で90%以下であることが好ましい。
また、上記ガラス管において、最も内側の前記多孔質シリカガラス層の厚さが、当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で25μm以上120μm以下であることが好ましい。
上記課題を解決することができるガラス管の製造方法は、ロッドの周囲にCVD法によりガラス微粒子を複数層堆積させ、ガラス微粒子堆積後にロッドを引き抜くことにより複数の多孔質シリカガラス層を有するガラス管を製造する方法であって、
最も内側の前記多孔質シリカガラス層を形成する際に、前記ガラス微粒子を堆積させる堆積面最高温度を、当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で1000℃以上1400℃以下とすることで、最も内側の前記多孔質シリカガラス層における平均気孔率である最内層気孔率を50%以上85%以下とし、
前記ガラス管全体の平均気孔率を40%以上70%以下とすることを特徴とする。
本発明のガラス管は、径方向に複数積層された多孔質シリカガラス層のうち、最も内側の多孔質シリカガラス層(最内層)における平均気孔率である最内層気孔率が50%以上85%以下であるので、ロッドと最内層との接着強度が大きくなりすぎず、しかもロッド引き抜き時に最内層が損傷しない程度の強度を持たせることができる。したがって、本発明のガラス管は、その製造過程でロッドを引き抜きやすく、ロッドを引き抜いても損傷が生じにくいものである。
また、本発明のガラス管の製造方法は、最内層を形成する際に、ガラス微粒子を堆積させる堆積面最高温度を、当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で1000℃以上1400℃以下とするので、最内層気孔率が50%以上85%以下である上記のガラス管を製造することができる。
本発明に係るガラス管の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係るガラス管の製造方法の一実施形態である堆積工程(a)および(b)、引抜き工程(c)を説明する図である。 本発明に係るガラス管の横断面における気孔率分布の一例を示す図である。
以下、本発明に係るガラス管及びその製造方法の一例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明のガラス管の一例を示す模式図である。ガラス管10は略円柱形状であり、その中心には長手方向に延びる略円形断面の中心孔11を有する。
ガラス管10の外径Tは2mm〜50mm、内径(中心孔11の径)Pは1.6mm〜48mm、長さLは200mm〜400mm程度である。中心孔11の一方の端部11aは塞がれていることが望ましい。また、管の表面積を大きくするため、外径Tおよび内径Pを長手方向に周期的に変化させても良く、機械的強度を補強するため厚さを部分的に変化させることもできる。ガラス管10の肉厚は例えば0.2〜5mmであり、0.5〜3mmであることがより好ましい。
ガラス管10は、多孔質シリカガラス層が径方向に複数積層された構造を有し、その全体の平均気孔率が40%以上70%以下である。ここでいう多孔質シリカガラス層の1層とは、ガラス微粒子の堆積に際して、図2に示すようにガラス微粒子を生成するバーナー21をロッド20の軸方向にトラバースした場合、またはガラス微粒子を生成するバーナー21を固定してロッド20を軸方向にトラバースした場合の何れかにおける「一回のトラバースで堆積された堆積層」である。多孔質シリカガラス層の厚さは、断面SEM像から確認することができる。
図1では、最も内側の多孔質シリカガラス層を最内層Lとして示し、最も外側の多孔質シリカガラス層を最外層Lとして示している。ロッド20の最近傍の堆積層が最内層Lであり、ロッド20から最も離れた位置の堆積層が最外層Lである。最内層Lと最外層Lとの間には、任意の層数の多孔質シリカガラス層が形成されている。
ガラス管10は、最も内側の多孔質シリカガラス層(最内層L)における平均の気孔率である最内層気孔率が50%以上85%以下である。最内層気孔率がこのような範囲内であると、ロッド20と最内層Lとの接着強度が大きくなりすぎず、しかもロッド20を引き抜く時に最内層Lが損傷しない程度の強度を持たせることができる。したがって、ガラス管10は、その製造過程でロッド20を引き抜きやすく、ロッド20を引き抜いても層の剥離などの損傷が生じにくいものである。なお、最内層気孔率が75%以上85%以下であることがより好ましい。
「気孔率」は、単位体積当たりの空気容積が占める割合として算出でき、堆積させる条件によって一堆積層内の長手方向でもその分布は変化する。「平均気孔率」は製造したガラス管全体の体積に空気容積が占める割合、「最内層気孔率」は、最内層Lの体積に空気容積が占める割合として算出できる。なお、層の気孔率は、ガラス管の断面X線CT像を撮影することにより、相対的に大小を比較することができる。より詳しくは、樹脂で空孔部を充填したガラス管の断面に対して適切な倍率でSEM像を撮影し、その画像を二値化することにより求めることができる。適切な倍率とは、半径方向のすべての断面を複数個所に分割し、各部位における局所的な気孔率を上記方法で求めた場合に、それらの気孔率の平均値と平均気孔率が2%以内となる倍率である。なお、精度良く局所的な気孔率を評価するためには、クロスセクションポリッシャーなどを用い、断面の平坦度をできるだけ高くすることが好ましい。
ガラス管10における長手方向に垂直な横断面における気孔率分布の例を図3に示す。なお、図3のグラフにおいて、横軸がゼロの箇所が中心孔11との境界位置である。
この分布に示す気孔率の全体の平均が平均気孔率となり、本実施形態では40%以上70%以下である。そして、最内層Lの気孔率はその厚さ方向に傾斜する傾向があるが、その層内で平均した気孔率(最内層気孔率)は、50%以上85%以下である。
また、ガラス管10の長手方向における最も内側の多孔質シリカガラス層の気孔率の変動が小さいほうが、ロッド20が引き抜きやすくなり、引き抜き時に損傷しにくくなる。そのため、長手方向における最も内側の多孔質シリカガラス層の気孔率の変動幅が、±10%以内であるとよく、±5%以内であることがより好ましい。
また、ガラス管10において、最内層Lにおける局所的な気孔率が大きすぎるとその箇所から損傷しやすくなるので、最内層局所気孔率が、長手方向に沿う全ての箇所で90%以下であるとよく、さらに70%以上であることが好ましい。「最内層局所気孔率」は、例えば最内層Lにおける厚さ方向の1/3の層(図3に示すLIA,LIB,LIC)における局所的な体積に空気容積が占める割合として測定することができる。
また、ガラス管10において、最内層Lの厚さが、長手方向の全ての箇所で25μm以上120μm以下であることが好ましく、93μm以上120μm以下であることがより好ましい。最内層Lの厚さが25μm未満であると、強度が小さくなり損傷しやすい。最内層Lの厚さが120μmを超えると、隣接する外側の層との境界部分で気孔率の差が大きくなり、層同士の強度が小さくなり、層の剥離などの損傷が生じやすくなる。
以下、ガラス管10の製造方法の実施形態の一例について説明する。
図2はガラス管10の製造方法の実施形態の一例を示す模式図であり、(a)および(b)は、ガラス管10の製造方法に係る堆積工程を説明する図であり、(c)は、ロッドの引抜き工程を説明する図である。なお、図2(a)と(b)は何れも堆積工程を示したもので堆積経過((a)→(b))を説明する模式図である。
図2の(a)および(b)において、ロッド20は、先端部が下になるようにして鉛直に配置される。また、軸方向を水平に配置する形としても良い。ロッド20の素材としては、アルミナ、ガラス、耐火性セラミクス、カーボンなどを用いることができる。ロッド20は固定された後、中心軸を中心として回転される。そして、外付けCVD法(OVD法)により、ロッド20の側方に配置されたバーナー21により、ロッド20の外周にガラス微粒子が堆積される。ガラス微粒子には、所望する機械特性や耐水蒸気性に応じて、希土類元素、4B族元素、Al、Ga、又はこれらの2種以上の元素を組合せて添加することができる。例えばガラス管10を水素分離材料の支持体として炭化水素燃料の水蒸気改質に用いる場合、500℃以上の水蒸気に必然的に接触するため、上記のような他成分を導入することにより耐水蒸気性能を向上させることができる。
このガラス微粒子堆積に際して、バーナー21をロッド20の軸方向にトラバースする。なお、図2ではバーナー21をロッド20の軸方向にトラバースした形態を示しているが、バーナー21を固定してロッド20を軸方向にトラバースする方法であってもよい。このトラバースの回数毎に供給原料の種類やガスの供給量を異ならせることによって、ロッド20の外周に堆積されるガラス微粒子は、径方向に所定の気孔率や組成の分布を有することが可能となる。また、ロッド20の先端部にもガラス微粒子を堆積させることで、先端が閉じたガラス管とすることができる。
ガラス管10は、シリカガラス微粒子を堆積させた後にその平均気孔率が40%以上70%以下の範囲になるようにシリカガラス微粒子を加熱焼結し緻密化させてもよいが、かかる方法では気孔率分布の制御が困難である。従って、本実施形態に係る製造方法では、シリカガラス微粒子を堆積させる温度を調整しながらその気孔率を制御する方法を採用する。かかる方法により、シリカガラス微粒子の堆積温度を適切な範囲内に調整することで、多孔質シリカガラス層の気孔率を高精度で制御することが可能となる。
特に本実施形態の場合、最内層Lを形成するときの堆積面最高温度を、ガラス管10の長手方向に沿う何れの箇所においても1000℃以上1400℃以下の範囲内、より好ましくは1000℃以上1100℃以下の範囲内とする。なお、ここでいう「堆積面最高温度」とは、バーナー21でシリカガラス微粒子を堆積させている面の最高温度である。最内層Lを形成するときの堆積面最高温度を1000℃以上とすることにより最内層気孔率を85%以下とすることができ、最内層Lを形成するときの堆積面最高温度を1400℃以下とすることにより最内層気孔率を50%以上とすることができる。
なお、最内層Lより外周側の層は、1200℃以上1700℃以下の堆積面温度範囲内となるように調整することが望ましい。堆積面温度が1700℃を超えると気孔率が小さくなりすぎ、流体分離材料として適用できる程度のガス透過性が得られない場合がある。
次に堆積工程の後の引抜き工程を図2の(c)で説明する。図2の(c)では、複数の多孔質シリカガラス層からなるガラス管10からロッド20が引き抜かれる。引抜きにより形成される中心孔11は、貫通しておらず、下端側(先端側)11aが塞がれていて、上端側のみが開口している(図1参照)。
上記の方法により得られるガラス管10は、最も内側の多孔質シリカガラス層(最内層L)における平均の気孔率である最内層気孔率が50%以上85%以下である。このような構成により、ロッド20と最内層Lとの接着強度が大きくなりすぎず、しかもロッド20を引き抜く時に最内層Lが損傷しない程度の強度を持たせることができる。したがって、ガラス管10は、その製造過程でロッド20を引き抜きやすく、ロッド20を引き抜いても損傷が生じにくいものである。
上記堆積工程において、特に、熱膨張係数の高いロッド20を使用する場合には、最内層Lのシリカガラス微粒子の堆積温度を1200℃以下とすることが好ましい。この温度とすることで、ロッド20と最内層Lとの融着が殆ど生じることはなくなるため、堆積工程後のロッド20の引抜きを顕著に容易なものとすることができる。また、ロッド20は、例えばガラスとの親和性が低い窒化珪素等の非酸化物を材質とするロッドであることが好ましい。また、予めロッド20の表面にカーボンや窒化物等を塗布しておくことにより、引抜きは容易となる。
また、上記した堆積温度に調整することができれば必要ではないが、より引抜き工程を容易にするという観点から考えると、ロッド20はテーパ状であればさらに好ましい。例えば、その外径傾斜率を0.2〜2.0mm/1000mmとすることが好ましく、0.5〜1.5mm/1000mmとすることがより好ましい。
上記のガラス管10は、流体分離材料における多孔質ガラス支持体として用いることができる。ガラス管10の外周上にシリカガラス分離膜層(図示略)を形成することで、熱衝撃に強く、ガラス管10との密着性が良い、水素などを分離する流体分離特性に優れた流体分離材料として使用できる。シリカガラス分離膜層は、分離する流体以外の流体の透過速度が十分に小さくなる気孔率(例えば5%以下)となっていればよい。なお、その気孔率は、要求する流体の純度により変わるものである。
シリカガラス分離膜層は、例えば水素透過膜として使用される。シリカガラス分離膜層の厚さは、0.01μm〜50μmであることが好ましく、0.02μm〜10μmであることがより好ましく、0.03μm〜5μmであることがさらに好ましい。厚さが0.01μm未満では、透過ガスの水素純度が低くなりすぎ、また、50μmを超えると水素透過速度が小さくなりすぎ、実用上十分な水素分離性能が得られにくくなる場合がある。
シリカガラス分離膜層の支持体を上記のガラス管10とすることで、シリカガラス分離膜層における流体の透過を干渉することなく該薄膜を支持することができる。
シリカガラス分離膜層の形成法は特に限定されないが、ゾルゲル法やCVD法の他、ガラス管10を構成する多孔質シリカガラスを表面改質することにより形成する手段を用いることができる。なお、「表面改質」とは、流体透過膜部分を作製するために、表面の膜となる部分、例えば、ガラス管10を構成する多孔質シリカガラスの表面近傍をある程度緻密化することによって、緻密質のシリカガラスの層にすることをいう。その一つの方法として、加熱によるものが挙げられる。具体的には、例えば、COレーザー、プラズマアーク、酸水素バーナーなどを単独で、又は複数組合せて照射する方法である。
さらに、シリカガラス分離膜層の外周に多孔質保護膜(図示省略)を設けてもよい。多孔質保護層を設けることで、シリカガラス分離膜層における流体の透過を干渉することなく該薄膜を保護することができる。多孔質保護層の気孔率は、特に限定されるものではないが、機械的強度とガス透過性のバランスから20〜70%であることが好ましい。
以下、本発明に係る実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
OVD法により、外径6.0mmの窒化珪素ロッドの表面にガラス微粒子を複数層堆積させて、複数の多孔質シリカガラス層を有するガラス管を作製し、ガラス微粒子堆積後にロッドを引き抜くことにより、複数の多孔質シリカガラス層を有する一端封止のガラス管を作製した。また、最内層の堆積面最高温度を変更した複数の条件で、5本ずつのガラス管を作製した。作製したガラス管は、何れも外径8.6mm、内径6.0mm、長さ300mm、気孔率40〜70%である。それぞれのガラス管からロッドを引き抜き、問題なく引き抜くことができたか否かを判定した。この結果を、表1に示す。
Figure 0005906930
表1に示すように、堆積面最高温度を1471℃〜1542℃とした比較例1,2では、ガラス管からロッドを引き抜くことができないものがあった。
また、堆積面最高温度を900℃〜950℃とした比較例3,4では、ガラス管からロッドを引き抜いたところ、ガラス管内面にクラックが入る、最内層が剥離するなど、ガラス管の構造が維持できないことを確認した。なお、最内層にクラックが生じ、剥離が起こったため、表1に示した最内層局所気孔率、最内層気孔率変動、最内層厚さの項目は、評価できなかった。
これに対して、堆積面最高温度を1000℃〜1400℃とした実施例1から8では、ガラス管にクラックは入らず、内面に損傷はなく、ロッドを引き抜く前のガラス管の構造を維持できていることを確認した。
このように、最内層気孔率が50%未満では、ロッドからガラス管を引抜けないこと、また、最内層気孔率が85%を超えた90%以上ではガラス管内面にクラックが入る、最内層が剥離するなど、構造が維持できないなどの問題が生じることを確認した。そして、ガラス管の構造を維持したまま引き抜くためには、最内層気孔率を50%以上85%以下に調整する必要があることを確認した。また、ガラス管の構造を維持できた実施例1から8では、最内層局所気孔率が45%以上90%以下であり、最も内側の多孔質シリカガラス層の気孔率の変動幅が±10%以内であり、最内層厚さが25μm以上120μm以下であった。
10:ガラス管、20:ロッド、21:バーナー、11:中心孔、11a:中心孔11の下端側、L:最内層

Claims (5)

  1. 多孔質シリカガラス層が径方向に複数積層されたガラス管であって、
    当該ガラス管全体の平均気孔率が40%以上70%以下であり、最も内側の前記多孔質シリカガラス層における平均気孔率である最内層気孔率が50%以上85%以下であることを特徴とするガラス管。
  2. 請求項1に記載のガラス管であって、
    当該ガラス管の長手方向における最も内側の前記多孔質シリカガラス層の気孔率の変動幅が、±10%以内であることを特徴とするガラス管。
  3. 請求項1または2に記載のガラス管であって、
    最も内側の前記多孔質シリカガラス層における局所的な気孔率である最内層局所気孔率が、当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で90%以下であることを特徴とするガラス管。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載のガラス管であって、
    最も内側の前記多孔質シリカガラス層の厚さが、当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で25μm以上120μm以下であることを特徴とするガラス管。
  5. ロッドの周囲にCVD法によりガラス微粒子を複数層堆積させ、ガラス微粒子堆積後にロッドを引き抜くことにより複数の多孔質シリカガラス層を有するガラス管を製造する方法であって、
    最も内側の前記多孔質シリカガラス層を形成する際に、前記ガラス微粒子を堆積させる堆積面最高温度を、当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で1000℃以上1400℃以下とすることで、最も内側の前記多孔質シリカガラス層における平均気孔率である最内層気孔率を50%以上85%以下とし、
    前記ガラス管全体の平均気孔率を40%以上70%以下とすることを特徴とするガラス管の製造方法。
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