JP5906929B2 - ガラス管およびその製造方法、ガラス管を用いた流体分離材料 - Google Patents

ガラス管およびその製造方法、ガラス管を用いた流体分離材料 Download PDF

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Description

本発明は、水素等の流体分離材料の支持体として使用できる多孔質シリカガラスからなるガラス管およびその製造方法、ガラス管を用いた流体分離材料に関する。
水素エネルギー社会実現のために、水素製造技術や水素利用インフラ整備についての研究開発が進められている。自動車用燃料電池、家庭用定置型燃料電池、水素ステーション、大型の化学プラントなどで使用される高純度水素は、今後大きな需要が見込まれ、その製造には更なる高効率化が求められている。現在、水素の製造は、炭化水素燃料を700℃程度の温度で水蒸気改質(CH+HO→CO+3H)した後、さらに数百度程度でCO変成(CO+HO→CO+H)する方法が価格競争力の点から広く利用されている。これらの反応を経て得られたガスの成分には、水素の他に二酸化炭素や一酸化炭素、さらには未反応の炭化水素や水が含まれる。
水素を含む混合ガスから高純度水素を取り出す方法としては、吸収法、深冷分離法、吸着法、膜分離法などが挙げられるが、膜分離法は高効率で小型化が容易であるという特徴を有している。また、水素分離膜を通過した水素ガスの純度は水素分離膜の性能に依存するが、用途に応じてさらにCO除去や高純度化が必要な場合でも、これらの工程にかかる負荷を軽減することが可能となる。
水素分離膜の一例として、シリカ系多孔質体を支持体とする水素分離材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。この水素分離材料はシリカガラス膜を水素分離膜として機能させ、当該シリカガラス膜と熱膨張率が近いシリカ系多孔質体をその支持体としている。これにより、熱衝撃に強く、水素分離特性に優れた水素分離膜を実現している。また、特許文献1では、ロッドの周囲にCVD法によりガラス微粒子を堆積させ、これをガス透過性能に優れる程度に(即ち高い気孔率を有するように)焼結させ、その後ロッドを引抜くことによってシリカ系多孔質支持体を円筒状のガラス管として製造することが記載されている。
国際公開第2011/071138号
ところで、水素等の流体分離膜であるシリカガラス膜を支持する支持体は、その多層構造のなかで何れかの層の気孔率が小さくなりすぎても、水素等の流体透過性が大きく低下する。また、何れかの層の気孔率が大きくなりすぎても、その層の強度が低下して層の剥離等の損傷が生じやすくなる。
そこで本発明の目的は、流体透過性が良好であり、損傷が生じにくい多孔質シリカガラスからなるガラス管およびその製造方法、ガラス管を用いた流体分離材料を提供することにある。
上記課題を解決することができるガラス管は、多孔質シリカガラス層が径方向に複数積層されたガラス管であって、
当該ガラス管全体の平均気孔率が40%以上70%以下であり、前記多孔質シリカガラス層における平均気孔率である単層気孔率が、何れの層でも30%以上85%以下であることを特徴とする。
上記ガラス管において、前記多孔質シリカガラス層における局所的な気孔率である局所気孔率が、何れの層でも当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で25%以上90%以下であることが好ましい。
上記ガラス管において、前記多孔質シリカガラス層の厚さが、何れの層でも当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で25μm以上120μm以下であることが好ましい。
また、上記課題を解決することができる流体分離材料は、上記何れかのガラス管の外周に、シリカガラス膜が形成されたものである。
上記課題を解決することができるガラス管の製造方法は、ロッドの周囲にCVD法によりガラス微粒子を複数層堆積させ、ガラス微粒子堆積後にロッドを引き抜くことにより複数の多孔質シリカガラス層を有するガラス管を製造する方法であって、
前記ガラス微粒子を堆積させる堆積面最高温度を900℃以上1400℃以下として、前記ガラス管全体の平均気孔率を40%以上70%以下とし、前記複数の多孔質シリカガラス層における平均気孔率である単層気孔率を何れの層でも30%以上85%以下とするように、前記複数の多孔質シリカガラス層の全てを形成することを特徴とする。
本発明のガラス管は、当該ガラス管全体の平均気孔率が40%以上70%以下であり、径方向に複数積層された多孔質シリカガラス層のうち何れの層でも、単層気孔率が、30%以上85%以下であるので、水素等の流体透過性が良好であり、かつ層の剥離等の損傷が生じない程度の強度を持たせることができる。したがって、本発明のガラス管の外周にシリカガラス膜が形成された流体分離材料は、熱衝撃に強く、ガラス管との密着性が良い、水素などを分離する流体分離特性に優れたものである。
また、本発明のガラス管の製造方法は、ガラス微粒子を堆積させる堆積面最高温度を900℃以上1400℃以下として、複数の多孔質シリカガラス層の全てを形成するので、全ての多孔質シリカガラス層の単層気孔率が、30%以上85%以下である上記のガラス管を製造することができる。
本発明に係るガラス管の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係るガラス管の製造方法の一実施形態である堆積工程(a)および(b)、引抜き工程(c)を説明する図である。
以下、本発明に係るガラス管およびその製造方法、ガラス管を用いた流体分離材料の一例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るガラス管の一例を示す模式図である。ガラス管11は略円柱形状であり、その中心には長手方向に延びる略円形断面の中心孔12を有する。
ガラス管11の外径Tは2mm〜50mm、内径(中心孔12の径)Pは1.6mm〜48mm、長さLは200mm〜400mm程度である。中心孔12の一方の端部12aは塞がれていることが望ましい。また、管の表面積を大きくするため、外径Tおよび内径Pを長手方向に周期的に変化させても良く、機械的強度を補強するため厚さを部分的に変化させることもできる。ガラス管11の肉厚は例えば0.2〜5mmであり、0.5〜3mmであることがより好ましい。
ガラス管11は、多孔質シリカガラス層が径方向に複数積層された構造を有する多孔質シリカガラス体13であり、その全体の平均気孔率が40%以上70%以下である。そして、多孔質シリカガラス層の気孔率はその厚さ方向に変化する傾向があるが、その層内で平均した気孔率(単層気孔率)は、30%以上85%以下である。ここでいう多孔質シリカガラス層の1層とは、ガラス微粒子の堆積に際して、図2に示すようにガラス微粒子を生成するバーナー21をロッド20の軸方向にトラバースした場合、またはガラス微粒子を生成するバーナー21を固定してロッド20を軸方向にトラバースした場合の何れかにおける「一回のトラバースで堆積された堆積層」である。多孔質シリカガラス層の厚さは、断面SEM像から確認することができる。
「気孔率」は、単位体積当たりの空気容積が占める割合として算出でき、堆積させる条件によって一堆積層内の長手方向でもその分布は変化する。「平均気孔率」は製造したガラス管全体の体積に空気容積が占める割合、「単層気孔率」は、一堆積層の体積に空気容積が占める割合として算出できる。なお、層の気孔率は、ガラス管の断面X線CT像を撮影することにより、相対的に大小を比較することができる。より詳しくは、樹脂で空孔部を充填したガラス管の断面に対して適切な倍率でSEM像を撮影し、その画像を二値化することにより求めることができる。適切な倍率とは、半径方向のすべての断面を複数個所に分割し、各部位における局所的な気孔率を上記方法で求めた場合に、それらの気孔率の平均値と平均気孔率が2%以内となる倍率である。なお、精度良く局所的な気孔率を評価するためには、クロスセクションポリッシャーなどを用い、断面の平坦度をできるだけ高くすることが好ましい。
本実施形態のガラス管11は、何れの多孔質シリカガラス層でも、単層気孔率が30%以上であるので、水素等の流体透過性が良好であり、なおかつ単層気孔率が85%以下であるので、層の剥離等の損傷が生じない程度の強度を有するものである。より好ましい単層気孔率は、32%以上79%以下である。
水素分離材料は高温加圧環境下での使用が想定されている。ガラス管11を水素分離材料の支持体として用いる場合の工業的な観点から考えると、水素分離材料に要求される500℃における水素(H)透過係数は1.0×10−6mol/Pa・s・mであり、また、水素分離材料に要求される破壊応力値は1MPaである。これを満たすために、水素分離材料の支持体としてガラス管11に要求される500℃における水素(H)透過係数は1.0×10−5mol/Pa・s・mであり、ガラス管11に要求される破壊応力値は10MPaである。ガラス管11を構成する全ての多孔質シリカガラス層の単層気孔率が30%以上85%以下であれば、この要求を満たすことができる。
また、ガラス管11において、何れかの層における局所的な気孔率が大きすぎるとその箇所から損傷しやすくなるので、層内の局所気孔率が、長手方向の全ての箇所で25%以上90%以下であるとよく、27%以上84%以下であることがより好ましい。「局所気孔率」は、例えば任意の多孔質シリカガラス層における厚さ方向の1/3の層における局所的な体積に空気容積が占める割合として測定することができる。
また、ガラス管11において、何れの多孔質シリカガラス層でも、一層の厚さが、長手方向の全ての箇所で25μm以上120μm以下であることが好ましく、29μm以上114μm以下であることがより好ましい。一層の厚さが25μm未満であると、強度が小さくなり損傷しやすい。一層の厚さが120μmを超えると、隣接する外側の層との境界部分で気孔率の差が大きくなり、層同士の強度が小さくなり、層の剥離などの損傷が生じやすくなる。
以下、ガラス管11の製造方法の実施形態の一例について説明する。
図2はガラス管11の製造方法の実施形態の一例を示す模式図であり、(a)および(b)は、ガラス管11の製造方法に係る堆積工程を説明する図であり、(c)は、ロッドの引抜き工程を説明する図である。なお、図2(a)と(b)は何れも堆積工程を示したもので堆積経過((a)→(b))を説明する模式図である。
図2の(a)および(b)において、ロッド20は、先端部が下になるようにして鉛直に配置される。また、軸方向を水平に配置する形としても良い。ロッド20の素材としては、アルミナ、ガラス、耐火性セラミクス、カーボンなどを用いることができる。ロッド20は固定された後、中心軸を中心として回転される。そして、外付けCVD法(OVD法)により、ロッド20の側方に配置されたバーナー21により、ロッド20の外周にガラス微粒子が堆積される。ガラス微粒子には、所望する機械特性や耐水蒸気性に応じて、希土類元素、4B族元素、Al、Ga、又はこれらの2種以上の元素を組合せて添加することができる。例えばガラス管11を水素分離材料の支持体として炭化水素燃料の水蒸気改質に用いる場合、500℃以上の水蒸気に必然的に接触するため、上記のような他成分を導入することにより耐水蒸気性能を向上させることができる。
このガラス微粒子堆積に際して、バーナー21をロッド20の軸方向にトラバースする。なお、図2ではバーナー21をロッド20の軸方向にトラバースした形態を示しているが、バーナー21を固定してロッド20を軸方向にトラバースする方法であってもよい。このトラバースの回数毎に供給原料の種類やガスの供給量を異ならせることによって、ロッド20の外周に堆積されるガラス微粒子は、径方向に所定の気孔率や組成の分布を有することが可能となる。また、ロッド20の先端部にもガラス微粒子を堆積させることで、先端が閉じたガラス管とすることができる。
ガラス管11は、シリカガラス微粒子を堆積させた後にその平均気孔率が40%以上70%以下の範囲になるようにシリカガラス微粒子を加熱焼結し緻密化させてもよいが、かかる方法では気孔率分布の制御が困難である。従って、本実施形態に係る製造方法では、シリカガラス微粒子を堆積させる温度を調整しながらその気孔率を制御する方法を採用する。かかる方法により、シリカガラス微粒子の堆積温度を適切な範囲内に調整することで、多孔質シリカガラス層の単層気孔率を高精度で制御することが可能となる。
特に本実施形態の場合、全ての多孔質シリカガラス層を形成するときの堆積面最高温度を、ガラス管11の長手方向に沿う何れの箇所においても900℃以上1400℃以下の範囲内、より好ましくは1070℃以上1230℃以下の範囲内とする。なお、ここでいう「堆積面最高温度」とは、バーナー21でシリカガラス微粒子を堆積させている面の最高温度である。多孔質シリカガラス層を形成するときの堆積面最高温度を900℃以上とすることにより単層気孔率を85%以下とすることができ、多孔質シリカガラス層を形成するときの堆積面最高温度を1400℃以下とすることにより単層気孔率を30%以上とすることができる。
次に堆積工程の後の引抜き工程を図2の(c)で説明する。図2の(c)では、複数の多孔質シリカガラス層からなる多孔質シリカガラス体13からロッド20が引き抜かれる。引抜きにより形成される中心孔12は、貫通しておらず、下端側(先端側)12aが塞がれていて、上端側のみが開口している(図1参照)。
上記の方法により得られるガラス管11は、全体の平均気孔率が40%以上70%以下であり、多孔質シリカガラス層における平均気孔率である単層気孔率が、何れの層でも30%以上85%以下である。このような構成により、ガラス管11は水素等の流体透過性が良好であり、層の剥離等の損傷が生じない程度の強度を有するものとなる。
上記のガラス管11は、流体分離材料における多孔質ガラス支持体として用いることができる。ガラス管11の外周上にシリカガラス分離膜層(図示略)を形成することで、熱衝撃に強く、ガラス管11との密着性が良い、水素などを分離する流体分離特性に優れた流体分離材料として使用できる。シリカガラス分離膜層は、分離する流体以外の流体の透過速度が十分に小さくなる気孔率(例えば5%以下)となっていればよい。なお、その気孔率は、要求する流体の純度により変わるものである。
シリカガラス分離膜層は、例えば水素透過膜として使用される。シリカガラス分離膜層の厚さは、0.01μm〜50μmであることが好ましく、0.02μm〜10μmであることがより好ましく、0.03μm〜5μmであることがさらに好ましい。厚さが0.01μm未満では、透過ガスの水素純度が低くなりすぎ、また、50μmを超えると水素透過速度が小さくなりすぎ、実用上十分な水素分離性能が得られにくくなる場合がある。
シリカガラス分離膜層の支持体を上記のガラス管11とすることで、シリカガラス分離膜層における流体の透過を干渉することなく該薄膜を支持することができる。
上記のように、シリカガラス分離膜層を有する水素分離材料に要求される500℃における水素(H)透過係数は1.0×10−6mol/Pa・s・mであり、また、要求される破壊応力値は1MPaである。上記のガラス管11を支持体としてその外周にシリカガラス分離膜層を形成することで、この要求を満たすことができる。
シリカガラス分離膜層の形成法は特に限定されないが、ゾルゲル法やCVD法の他、ガラス管11を構成する多孔質シリカガラスを表面改質することにより形成する手段を用いることができる。なお、「表面改質」とは、流体透過膜部分を作製するために、表面の膜となる部分、例えば、ガラス管11を構成する多孔質シリカガラスの表面近傍をある程度緻密化することによって、緻密質のシリカガラスの層にすることをいう。その一つの方法として、加熱によるものが挙げられる。具体的には、例えば、COレーザー、プラズマアーク、酸水素バーナーなどを単独で、又は複数組合せて照射する方法である。
さらに、シリカガラス分離膜層の外周に多孔質保護膜(図示略)を設けてもよい。多孔質保護層を設けることで、シリカガラス分離膜層における流体の透過を干渉することなく該薄膜を保護することができる。多孔質保護層の気孔率は、特に限定されるものではないが、機械的強度とガス透過性のバランスから20〜70%であることが好ましい。
以下、本発明に係る実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
OVD法により、外径6.0mmの窒化珪素ロッドの表面にガラス微粒子を複数層堆積させて、複数の多孔質シリカガラス層を有するガラス管を作製し、ガラス微粒子堆積後にロッドを引き抜くことにより、複数の多孔質シリカガラス層を有する一端封止のガラス管を作製した。また、堆積面最高温度を変更した複数の条件で、5本ずつのガラス管を作製した。作製したガラス管は、何れも外径8.6mm、内径6.0mm、長さ300mm、平均気孔率40〜70%である。それぞれのガラス管に対して500℃におけるH透過係数と破壊応力値を測定し、支持体に要求される基準(500℃でのH透過係数≧1.0×10−5mol/Pa・s・m、破壊応力値≧10MPa)を満たすか否かを判定した。この結果を、表1に示す。
Figure 0005906929
表1に示すように、堆積面最高温度を1500℃〜1600℃とした比較例1,2では、H透過係数が要求基準値を満たせず、支持体として不適であることが確認された。また、比較例1,2では単層気孔率が30%より小さい層があった。
また、堆積面最高温度を700℃〜800℃とした比較例3,4では、破壊応力値が要求基準値を満たせず、支持体として不適であることが確認された。また、比較例3,4では単層気孔率が85%より大きい層があった。
これに対して、堆積面最高温度を900℃〜1400℃とした実施例1から4では、H透過係数と破壊応力値が共に要求基準値を満たし、支持体として適していることが確認された。また、実施例1から4では単層気孔率が30%以上85%以下であった。
特に、堆積面最高温度を1070℃〜1230℃とした実施例2,3では、H透過係数と破壊応力値が共に要求基準値を充分に満たしていることが確認された。また、実施例2,3では、単層気孔率が32%以上79%以下であった。
このように、単層気孔率が30%未満では流体透過性が不十分であり、単層気孔率が85%を超えると強度が不十分であることを確認した。流体分離材料の支持体として必要な特性である流体透過性と強度を満たす実施例1から4のガラス管は、単層気孔率が30%以上85%以下であり、局所気孔率が25%以上90%以下であり、層の厚さが25μm以上120μm以下であった。
11:ガラス管、20:ロッド、21:バーナー、12:中心孔

Claims (5)

  1. 多孔質シリカガラス層が径方向に複数積層されたガラス管であって、
    当該ガラス管全体の平均気孔率が40%以上70%以下であり、前記多孔質シリカガラス層における平均気孔率である単層気孔率が、何れの層でも30%以上85%以下であることを特徴とするガラス管。
  2. 請求項1に記載のガラス管であって、
    前記多孔質シリカガラス層における局所的な気孔率である局所気孔率が、何れの層でも当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で25%以上90%以下であることを特徴とするガラス管。
  3. 請求項1または2に記載のガラス管であって、
    前記多孔質シリカガラス層の厚さが、何れの層でも当該ガラス管の長手方向の全ての箇所で25μm以上120μm以下であることを特徴とするガラス管。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載のガラス管の外周に、シリカガラス膜が形成された流体分離材料。
  5. ロッドの周囲にCVD法によりガラス微粒子を複数層堆積させ、ガラス微粒子堆積後にロッドを引き抜くことにより複数の多孔質シリカガラス層を有するガラス管を製造する方法であって、
    前記ガラス微粒子を堆積させる堆積面最高温度を900℃以上1400℃以下として、前記ガラス管全体の平均気孔率を40%以上70%以下とし、前記複数の多孔質シリカガラス層における平均気孔率である単層気孔率を何れの層でも30%以上85%以下とするように、前記複数の多孔質シリカガラス層の全てを形成することを特徴とするガラス管の製造方法。
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