JP5906767B2 - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents
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Description
次に図11に示すように、第2導電型不純物拡散領域48に囲まれた領域(動作構造を形成する領域)に、第2導電型不純物を注入してから拡散して第2導電型半導体領域52を形成する。
特許文献1の技術では、リサーフ層の表面を厚い絶縁膜で覆うために、図12に示すように、第2導電型不純物拡散領域48の表面をエッチングしてリセス54を形成する。このとき、リセス54の底面の下に、リサーフ層として機能するのに必要な厚みの第2導電型不純物拡散領域48が残るようにエッチングする。
次に図13に示すように、リセス54に絶縁膜50を形成する。以上の工程を経て、厚い絶縁膜50で覆われた深さにリサーフ層48を形成する。リサーフ層48に囲まれた動作構造の形成領域に、第1導電型半導体基板46と第2導電型半導体領域52の積層構造が形成され、そのpn接合界面を利用してダイオード、MOS、あるいはIGBT等の動作構造を形成することができる。
厚いマスク54を半導体基板46の表面に形成する場合、フォトレジストの露光装置の焦点深度が浅いことから、細かな分解能でパターニングすることができない。たとえば開口Pが連続開口であるような粗いパターニングはできても、内部に細かな開口が分布しているような開口Mを形成することはできない。開口Mは図示されているものの、実際には製造することができない。
また、本明細書で提案する半導体装置によると、半導体装置の動作構造の形成領域の周辺部で生じやすい電界集中を緩和し、半導体基板の周辺領域にまで広く広がる空乏層をもたらすリサーフ層が得られる。耐圧性能が一層に改善される。
特徴1:第1導電型はn型であり、第2導電型はp型である。
特徴2:第1導電型半導体層と第2導電型半導体層のpn接合を利用して、ダイオード、トレンチゲート型MOSまたはトレンチゲート型IGBTが構成されている。
特徴3:第2導電型不純物拡散領域がリサーフ層として機能する。
特徴4:第2導電型不純物拡散領域が、ダイオード、MOSまたはIGBTの形成範囲を一巡している。
特徴5:ダイオード、MOSまたはIGBTの形成範囲を一巡している第2導電型不純物拡散領域の不純物濃度が、内側で濃く、外側で薄い。第2導電型不純物拡散領域の濃度が一様である場合に比して、第2導電型半導体層の不純物濃度と、第2導電型半導体層に接する範囲における第2導電型不純物拡散領域の不純物濃度の差が小さい。
特徴6:第1導電型半導体層と第2導電型半導体層のpn接合面が、第2導電型不純物拡散領域の上面よりも深い位置にある。
特徴7:第1導電型半導体層と第2導電型半導体層のpn接合面が、第2導電型不純物拡散領域の下面よりも浅い位置にある。pn接合面の外周部が第2導電型不純物拡散領域によって囲まれており、pn接合面の外周部近傍に生じやすい電界集中が、第2導電型不純物拡散領域によって緩和されている。
特徴8:特徴6と特徴7によって、pn接合面から伸びる空乏層が第2導電型不純物拡散領域の下方の領域まで、連続的(なめらか)に広がっている。
特徴9:第2導電型半導体層の表面から第1導電型半導体層に達しているトレンチゲート電極を備えている。トレンチゲート電極の下面は、第2導電型不純物拡散領域の下面よりも浅い位置にある。このため、トレンチゲート電極の下方にある等電位線は、トレンチゲート電極の下方から第2導電型不純物拡散領域の下方の領域まで、連続的(なめらか)につながっている。
実施例1では、濃度勾配を備えたリサーフ層を利用して耐圧性能を高めたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を説明する。
図2は、n型(実施例1では第1導電型がn型である)のシリコン基板5の表面に臨む位置にp型(実施例1の第2導電型)の不純物拡散領域を形成するための準備段階を示している。不純物拡散領域の形成範囲を規制するために、シリコン基板5の表面にマスク28を形成する。このとき、不純物を浅く注入すればよいことから、薄いマスク(実施例では2μm以下)で足りる。このために、マスクを細かな分解能でパターニングすることができる。例えば、不純物拡散領域を形成するための開口29をメッシュパターンで形成することができる。
開口29は、半導体基板5の周端Pの内側を、周端Pに沿って伸びている。開口29は、半導体基板5のうちの後記するIGBT構造を形成する領域5Aの周囲を囲んでいる。
開口29に代えて、開口29の形成範囲のマスク28の厚みを薄くしてもよい。マスク28を薄くすれば不純物がマスク28を通過することが可能となる。必ずしも貫通穴を設けなくても、マスク28に不純物通過領域を形成することができる。
マスク28を薄くして不純物通過領域を形成する場合、マスク28の厚みによって不純物通過率を調整することができる。マスク28に厚さの分布を持たせることによって不純物通過率の分布を持たせることができる。開孔29の形成範囲内において、半導体基板5の中央C側ではマスクを薄くし、半導体基板5の端部P側でマスクを厚くする(不純物が通過する範囲内で厚くする)と、中央C側では不純物通過率を高くし、端部P側では不純物通過率を低くすることができる。マスクが薄い中央C側では多量の不純物が注入され、マスクが厚い端部P側では少量の不純物が注入される。
なおマスク28の厚さ分布は、階段状に変化するものであってよいし、一様に変化するものであってもよい。
不純物拡散領域8内で、不純物濃度は変化している。半導体基板5の中央C側では、不純物濃度が濃く、半導体基板5の端部P側では、不純物濃度が薄い。なお、上記のように開口率または厚みが徐々に変化するマスクを用いることで、中央C側から端部P側に向かってなだらかに不純物濃度が薄くなっているp型不純物拡散領域8を形成することができる。
p型半導体層20の不純物濃度はn型の半導体基板6の不純物濃度よりも濃く、エピタキシャル成長する過程でp型半導体層20のp型不純物がn型の半導体基板6に拡散する。n型の半導体基板6の表面近傍はp型化し、p型半導体層20の一部となる。p型の半導体層20とn型の半導体基板6の積層構造を利用して、各種の半導体構造を構成することができる。p型の半導体層20とn型の半導体基板6の間に形成されるpn接合面20Bの深さは、不純物拡散領域8の上面8Aよりも深い位置にある。後記するように、不純物拡散領域8はリサーフ層として機能する。pn接合面20Bがリサーフ層8の上面8Aよりも深いために、動作構造形成領域5Aに生じる電界分布を連続的に(滑らかに)リサーフ層形成領域につなぐことができ、耐圧性能を向上することができる。
pn接合面20Bの深さは、不純物拡散領域8の下面8Bよりも浅い位置にある。pn接合面20Bがリサーフ層8の下面8Bよりも浅いために、pn接合面20Bの外周端がリサーフ層8で覆われる。pn接合面20Bの外周端近傍に生じやすい電界集中が、リサーフ層8によって緩和される。
絶縁膜10の厚みにほぼ等しい厚みのp型半導体層20が成長した段階で、エピタキシャル成長工程を終える。その場合、絶縁膜10とp型半導体層20の表面を平坦化する処理を省略することができる。
図5の段階では、n型半導体基板5の裏面にp型不純物を注入してから活性化処理して、n型半導体基板5の裏面にp型のコレクタ領域4を形成している。半導体基板5にコレクタ領域4とドリフト領域6が形成される。
なおエミッタ領域18と、トレンチゲート電極24は、紙面垂直方向に長く伸びており、平面視するとストライプ形状となっている。
図1の場合、リサーフ層8は、半導体基板5の側面には達していない。リサーフ層8の外側にドリフト領域6が広がっている。この結果、リサーフ層8とドリフト領域6の界面に生じる空乏層は半導体基板5の側面に向けて広がり、更なる耐圧向上効果が得られる。なお、リサーフ層8の外側のドリフト領域6の表面も絶縁膜10で覆われている。なお、リサーフ層8の外側にドリフト領域6を設ける技術を、実施例2のMOSに採用してもよいし、実施例3のダイオードに採用してもよい。
リサーフ層8は、下記の特徴を備えている。
(1)動作構造の形成領域5Aに接している部分の不純物濃度が高い。それによって、動作構造の形成領域5A内に形成されている第2導電型半導体層20の不純物濃度と、それに接するリサーフ層8の不純物濃度が急激に変化することを防止している。第2導電型半導体層20とリサーフ層8の不純物濃度が急激に変化すると、両者の接触部近傍に電界集中が生じやすい。本実施例では、第2導電型半導体層20とそれに接するリサーフ層8の不純物濃度の差を抑制することで、電界集中の発生を抑制している。リサーフ層8は、動作構造形成領域5Aに形成されているpn接合面20Bの深さよりも深い位置にまで伸びており、動作構造形成領域5Aの周辺部で生じやすい電界集中を緩和する。
(2)リサーフ層8の動作構造の形成領域5Aに近い側の不純物濃度が濃く、周辺Pに近い側の不純物濃度が薄い。このために、リサーフ層8によって形成される空乏層が周辺に向けて広く広がり、耐圧性能を向上させる。
(3)IGBTのpn接合面20Bが、リサーフ層8の上面8Aよりも深い。このために、IGBTの形成領域5Aに生じる電界分布を連続的に(滑らかに)リサーフ層8の形成領域につなぐことができ、耐圧性能を向上することができる。
(4)IGBTのpn接合面20Bが、リサーフ層8の下面8Bよりも浅い。このために、pn接合面の外周近傍が、リサーフ層8によって囲まれる。pn接合面20Bの外周近傍の電界分布を連続的に(滑らかに)リサーフ層8の形成領域につなぐことができ、電界集中の発生を抑制する。耐圧性能を向上することができる。
(5)リサーフ層8は厚い絶縁膜10で覆われている。そのために、リサーフ層8は素子表面に付着した可動イオン等の外来電荷の影響を受けにくい。安定的な耐圧向上性能を得ることができる。
(6)トレンチゲート電極24の下面24Bは、リサーフ層8の下面8Bよりも浅い。このため、トレンチゲート電極26の下方の等電位線は、トレンチゲート電極26の下方からリサーフ層8の下方の領域まで、連続的(なめらか)につながる。電界集中の発生を抑制する。
(1)周辺耐圧領域の半導体基板の表面をエッチングしてリセスを作る。
(2)リセスの底面に不純物を注入してから拡散して不純物拡散領域を作る。
(3)リセスに絶縁物を充填する。
(4)不純物拡散領域と絶縁膜で囲まれた領域内に、半導体素子として動作するのに必要な半導体構造を製造する。
上記の製造技術によると、不純物を浅く注入することで、厚い絶縁膜の下方に不純物拡散領域を作成することができる。しかしながら、この場合、リセスの底面に不純物を注入する。すなわち、周辺耐圧領域と動作構造形成領域の間に、段差(リセスを構成する段差)がある状態で不純物を注入する。この場合、段差に接する領域では、フォトレジストを露光する光のパターンが乱れ、細かな分解能でパターニングすることが難しい。段差に接する領域の不純物濃度を制御することができない。特許文献1の技術では、動作構造形成領域5Aに接している部分の不純物濃度が高く調整されているリサーフ層を形成することができない。本実施例の技術によると、前段落の(1)に記載したように、動作構造形成領域5A内に形成されている第2導電型半導体層20に接している部分の不純物濃度が高いリサーフ層を形成することができる。
図8は、実施例2を示している。実施例2では、MOSを形成している。図中、2aはドレイン電極、32はn+型ドレイン領域、6aはn―型ドリフト領域、8aはp型不純物拡散領域で形成されているリサーフ層、10aは絶縁膜、12aは層間絶縁膜、14aはソース電極、16aは絶縁膜、18aはソース領域、20aはボディ領域、22aは層間絶縁膜、24aはトレンチゲート電極、26aはトレンチゲート絶縁膜である。
図中34は、n型不純物拡散領域で形成されているn+型のリング領域を示している。これによって、空乏層の横方向への広がりを緩和でき、耐圧をさらに向上させる。なお、n+型のリング領域を、実施例1のIGBTに採用してもよいし、実施例3のダイオードに採用してもよい。
この場合も、
(1)ボディ領域20aに接している領域におけるリサーフ層8aの不純物濃度が高い。この部分が、ボディ領域20aの底面のpn接合面20Bよりも深い位置にまで伸びており、ボディ領域20aの周辺部で生じやすい電界集中を緩和する。
(2)動作構造形成領域5Aに近い側ではリサーフ層8aの不純物濃度が濃く、周辺に近い側ではリサーフ層8aの不純物濃度が薄い。このために、リサーフ層8aによって形成される空乏層が周辺に向けて広く広がり、耐圧性能を向上させる。
(3)MOSのpn接合面20Bが、リサーフ層8aの上面8Aよりも深く、下面8Bよりも浅い。このために、MOSの形成領域に生じる電界分布を連続的に(滑らかに)リサーフ層8aの形成領域につなぐことができ、耐圧性能を向上することができる。
(4)リサーフ層8aは厚い絶縁膜10aで覆われている。そのために、リサーフ層8aは素子表面に付着した可動イオン等の外来電荷の影響を受けにくい。安定的な耐圧向上性能を得ることができる。
(5)トレンチゲート電極24の下面24Bは、リサーフ層8aの下面8Bよりも浅い。このため、トレンチゲート電極24の下方の等電位線は、トレンチゲート電極24の下方からリサーフ層8aの下方の領域まで、連続的(なめらか)につながる。電界集中の発生を抑制する。
図9は、実施例3を示している。実施例3では、ダイオードを形成している。図中、2bはカソード電極、36はn+型コンタクト領域、6bはn―型カソード領域、8bはp型不純物拡散領域で形成されているリサーフ層、10bは絶縁膜、12bは層間絶縁膜、20bはアノード領域、14bはアノード電極、16bは絶縁膜である。
この場合も、
(1)アノード領域20bに接している領域におけるリサーフ層8aの不純物濃度が高く、アノード領域20bの底面のpn接合面20Bよりも深い位置にまで伸びており、アノード領域20bの周辺部で生じやすい電界集中を緩和する。
(2)動作構造形成領域に近い側ではリサーフ層8bの不純物濃度が濃く、周辺に近い側ではリサーフ層8bの不純物濃度が薄い。このために、リサーフ層8bによって形成される空乏層が周辺に向けて広く広がり、耐圧性能を向上させる。
(3)ダイオードのpn接合面20Bが、リサーフ層8bの上面8Aより深く、下面8Bより浅い。このために、ダイオードの形成領域に生じる電界分布を連続的に(滑らかに)リサーフ層8bの形成領域につなぐことができ、耐圧性能を向上することができる。
(4)リサーフ層8bは厚い絶縁膜10bで覆われている。そのために、リサーフ層8bは素子表面に付着した可動イオン等の外来電荷の影響を受けにくい。安定的な耐圧向上性能を得ることができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
4:コレクタ領域
6:ドリフト領域
8:p型不純物拡散領域(リサーフ層)
10:絶縁膜
12:層間絶縁膜
14:エミッタ電極
16:絶縁膜
18:エミッタ領域
20:ボディ領域
22:層間絶縁膜
24:トレンチゲート電極
26:トレンチゲート絶縁膜
8A:リサーフ層上面
8B:リサーフ層下面
20B:pn接合界面
24B:トレンチゲート電極下面
5A:動作構造形成領域
C:中心
P:周辺
Claims (3)
- 第1導電型半導体基板の表面を覆うとともに周辺領域に不純物通過領域が形成されているマスク越しに第2導電型不純物を注入してマスクを除去する工程と、
マスクを除去した第1導電型半導体基板の表面をエッチングすることなく、第1導電型半導体基板の周辺領域における表面上に絶縁膜を形成する工程と、
絶縁膜に囲まれている領域における第1導電型半導体基板の表面上に第2導電型半導体層を結晶成長する工程と、
絶縁膜に囲まれている第2導電型半導体層と第1導電型半導体基板の積層構造を利用して動作構造を形成する工程と、
を備えており、
周辺領域に形成されている不純物通過領域の通過率が、第1導電型半導体基板の中心側で高く、第1導電型半導体基板の外側で低いことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 絶縁膜に囲まれている第2導電型半導体層と第1導電型半導体基板の積層構造に、ダイオード、MOSまたはIGBTを形成することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 周辺領域に形成されている不純物通過領域が、メッシュパターンで形成されており、
メッシュパターンの開口率が、第1導電型半導体基板の中心側で高く、第1導電型半導体基板の外側で低いことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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