JP5906707B2 - 車両用シートのシートフレーム構造 - Google Patents
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また、車両用シートのシートフレーム構造において、例えば、特許文献1に開示されている。
これにおいては、シートバックの骨格を成すサイドフレームの間に長尺の補強部材が設けられる。
補強部材は、リクライニング装置の中心部に挿通される操作ピンよりも太径に形成されたロッド及びその両端部に接合されたブッシュと、一方のブッシュの端部とシートバックのサイドフレームとの間に形成される隙間に露呈する操作ピンを外周側から覆うようにサイドフレームに一体的に接合されて設けられたガイド部材との組み合わせによって構成されている。
そこで、重量増加を抑制しながら、シートフレームの強度を高めるために、ロッド部材を焼き入れ処理して強度を高めることが考えられる。
しかしながら、ロッド部材の外周面に対し、他部品を溶接によって固着すると、溶接熱でロッド部材が焼き鈍しされ、ロッド部材の強度が低減することが想定される。
前記ロッド部材は、焼き入れ処理部を全体に有しており、
前記ロッド部材の外周には、焼き入れ処理部を有さない外筒部材が嵌込まれ、
前記外筒部材の外周と他部品との間には、溶接部が設けられており、
該他部品は、一端部と前記外筒部材の前記外周との間に溶接部が設けられ、他端部が前記サイドフレームの側面に向けて延出されその延出端部がボルトによって前記サイドフレームに締結される補強部材であることを特徴とする。
また、ロッド部材の外周に対し短尺の外筒部材を嵌込んだ後、短尺の外筒部材の外周面に他部品を溶接によって固着することもできる。
この場合、他部品の溶接熱を短尺の外筒部材で吸収することができるため、焼き入れ処理されたロッド部材の強度低下を抑制することができる。
また、ロッド部材とサイドフレームとが短尺の外筒部材及び補強部材によって連結されるため、シートフレームの強度が向上する。
他部品としての補強部材は、上下のサイドフレームを締結するボルトによって共締めされていることを特徴とする。
この実施例1においては、車室後部に配設されたリヤシートに使用され、車幅方向に6対4の割合で分割された車両用シートのうち、6の割合をもつ車両用シートである場合を例示する。
図1に示すように、車両用シートのシートクッションの骨格部をなすクッションフレーム(この発明のシートフレームに相当する)11は、車幅方向に所定間隔を隔ててそれぞれ対向しかつ後側上部に後側立上り部12a、13a、14aを有する第1〜3のサイドフレーム12、13、14と、こられ第1〜3のサイドフレーム12、13、14の前部を連結するフロントフレーム15と、第1〜3のサイドフレーム12、13、14の後側立上り部12a、13a、14aを連結する長尺のロッド部材16とを備えて一体状をなしている。
なお、この実施例1において、第1〜3のサイドフレーム12、13、14は、サイドフレーム本体と、これらのサイドフレーム本体の後側上部に立ち上がる後側立上り部12a、13a、14aとがそれぞれ別体に形成された後、ボルト12b、13b、14bによって一体状に締結されることによって構成されている。
そして、ロッド部材16は、第1〜3のサイドフレーム12、13、14の後側立上り部12a、13a、14aを貫通し、その両端部が第1のサイドフレーム12の後側立上り部12aと、第3のサイドフレーム14の後側立上り部14aとの外側面から若干突出し、その突出部において溶接等によって固着されている。この際、溶接熱によるロッド部材16の焼き鈍しは端部(突出部)に留まり、焼き入れ処理されたロッド部材16の強度低下が抑制される。
外筒部材20の外周には、外筒部材20と同材質の他部品21が溶接によって固着されている。
そして、ロッド部材16が第1、第3の両サイドフレーム12、14の後側立上り部12a、14aの間に固着される前に、ロッド部材16の外周面に外筒部材20が嵌込まれる。
さらに、外筒部材20は、第2のサイドフレーム13の後側立上り部13aの貫通孔13cに挿通された後、貫通孔13cの孔回りに沿って第2のサイドフレーム13の後側立上り部13aに溶接によって固着される。この際の溶接熱を外筒部材20で吸収することができるため、焼き入れ処理されたロッド部材16の強度低下が抑制される。
また、外筒部材20の第3のサイドフレーム14側に位置する他方の突出部20bの外周面には、第2のサイドフレーム13の後側立上り部13aの根元部(基部)を補強するための他部品21としての補強部材23がその一端部において溶接によって固着されている。
また、補強部材23の他端部は、第2のサイドフレーム13の後側立上り部13aの側面に向けて延出されている。そして、補強部材23の延出端部がボルト13bによって後側立上り部13aに締結されている。
すなわち、この実施例1において、補強部材23は、上下のサイドフレームとしての第2のサイドフレーム13と、後側立上り部13aとを締結するボルト13bによって共締めされている。
そして、バックフレーム41の第1、第2の両サイドフレーム42、43の下部には、クッションフレーム11の第1、第2の両サイドフレーム12、13の後側立上り部12a、13aにリクライニング機構31を介して傾き調整可能に装着されている。
そして、ロッド部材46は、第1及び第2のサイドフレーム42、43を貫通し、その一端が第1のサイドフレーム42の外側面から若干突出し、その突出部において溶接によって固着されている。
また、ロッド部材46の他端部は、第3のサイドフレーム44の下部に突き合わされて溶接によって固着されている。
この際、溶接熱によるロッド部材46の焼き鈍しは端部に留まり、焼き入れ処理されたロッド部材46の強度低下が抑制される。
外筒部材50の外周には、外筒部材50と同材質の他部品51が溶接によって固着されている。
この実施例1において、ロッド部材46が第1のサイドフレーム42及び第3のサイドフレーム44の間に固着される前に、ロッド部材46の外周面に短尺の外筒部材50が嵌込まれる。
そして、取付部材52を固着した外筒部材50は、ロッド部材46に嵌込まれ、同外筒部材50の一端面が第2のサイドフレーム43の側面に当接した状態において、第2のサイドフレーム43の側面に溶接によって固着されている。この際の溶接熱を外筒部材50で吸収することができるため、焼き入れ処理されたロッド部材46の強度低下が抑制される。
また、第3のサイドフレーム44の下部外周面には、取付部材52と協働してアームレストを使用位置と格納位置との間で回動可能に支持するための取付部材53が溶接によって固着されている。
したがって、シートフレームとしてのクッションフレーム11において、図2と図3に示すように、長尺のロッド部材16の外周面に対し短尺の外筒部材20を嵌込んだ後、外筒部材20の一方の突出部20aの外周面に他部品21としての取付部材22を溶接によって固着すると共に、外筒部材20の他方の突出部20bの外周面に他部品21としての補強部材23を溶接によって固着する。
この際、他部品としての取付部材22及び補強部材23の溶接熱を短尺の外筒部材20で吸収することができるため、焼き入れ処理されたロッド部材16の強度低下を良好に抑制することができる。
また、この実施例1において、補強部材23は、上下のサイドフレームとしての第2のサイドフレーム13と、後側立上り部13aとを締結するボルト13bによって共締めされることで、ボルトの本数を削減することができる。
例えば、前記実施例1においては、クッションフレーム11とバックフレーム41との双方に、この発明の車両用シートのシートフレーム構造が採用された場合を例示したが、クッションフレーム11とバックフレーム41とのうち、一方のシートフレームに対してのみ、この発明の車両用シートのシートフレーム構造を採用することもできる。
また、この発明の車両用シートのシートフレーム構造は、リヤシート以外の運転席や助手席に対しても実施可能である。
11 クッションフレーム(シートフレーム)
12 第1のサイドフレーム
13 第2のサイドフレーム
14 第3のサイドフレーム
16 ロッド部材
20 外筒部材
21 他部品
22 取付部材(他部品)
23 補強部材(他部品)
40 シートバック
41 バックフレーム(シートフレーム)
42 第1のサイドフレーム
43 第2のサイドフレーム
44 第3のサイドフレーム
46 ロッド部材
50 外筒部材
51 他部品
52 取付部材(他部品)
Claims (2)
- 車幅方向に所定間隔を隔てて対向状に配設されたサイドフレームと、これらサイドフレームの間にわたって取り付けられた長尺のロッド部材とを備えた車両用シートのシートフレーム構造であって、
前記ロッド部材は、焼き入れ処理部を全体に有しており、
前記ロッド部材の外周には、焼き入れ処理部を有さない外筒部材が嵌込まれ、
前記外筒部材の外周と他部品との間には、溶接部が設けられており、
該他部品は、一端部と前記外筒部材の前記外周との間に溶接部が設けられ、他端部が前記サイドフレームの側面に向けて延出されその延出端部がボルトによって前記サイドフレームに締結される補強部材であることを特徴とする車両用シートのシートフレーム構造。 - 請求項1に記載の車両用シートのシートフレーム構造であって、
他部品としての補強部材は、上下のサイドフレームを締結するボルトによって共締めされていることを特徴とする車両用シートのシートフレーム構造。
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