JP5905777B2 - コンデンサ - Google Patents

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本発明は、小型、高容量のコンデンサに関する。
近年、コンピュータ機能を向上させたモバイル電子機器の普及が急速に進展しつつある。このようなモバイル電子機器は、通信機能に加えて画像出力機能や情報記憶機能など多様な機能を備えるものになっていることから、各種機能に対応した半導体素子が数多く搭載されており、また、これらの半導体素子の動作特性を安定化させるための整流素子である電子部品の数も多くなってきており、更なる小型化が要求されてきている。
このような電子機器に用いられる主要な電子部品として、例えば、コンデンサがある。コンデンサは、一般に誘電体層とその両主面の略全面を覆うように形成された導体層とが交互に積層された構成となっており、小型化と高容量化とを両立させるために、誘電体層および導体層のさらなる薄層化が進められている(例えば、特許文献1を参照)。
この場合、コンデンサを小型化しようとして誘電体層を薄層化すると、誘電体層に導体層が埋設しにくくなり、誘電体層との間の接着力が弱くなることから誘電体層と導体層との間が剥離しやすくなる。
このような課題に対して、例えば、導体層を形成するための導体ペースト中に共材としてセラミック粉末を含ませるか、またはバインダ量を調整することにより、図7に示すように、導体層103の面内に金属膜の欠損した部分(以下、欠損部100という。)を形成し、この欠損部100内に誘電体層101を構成する材料の一部を侵入させて誘電体層101と導体層103とを一体化させることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
ところが、特許文献1に開示された方法は、金属粉末同士又はセラミック粉末同士がそれぞれ焼結して導体層103の金属部分を自然に部分的に切れさせて欠損部100を形成するものであることから、このような方法によって得られた導体層103中の欠損部100には、通常、大きな寸法のばらつきがあり、このため欠損部100を設けた分だけコンデンサの静電容量が低くなるという問題があった。
特開平5−90064号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、誘電体層と導体層との間の層間剥離を防止できるとともに、高い静電容量を得ることのできるコンデンサを提供することを目的とする。
本発明のコンデンサは、該誘電体層の両主面を覆うように形成された導体層とを有するコンデンサであって、前記導体層はその面内に前記誘電体層を被覆しない欠損部を複数有しており、各欠損部の面積から求められる円相当径Dの平均値Dxが前記誘電体層の平均厚みの25〜85%であるとともに、前記欠損部の円相当径Dの標準偏差σを前記平均値Dxで除した値(σ/Dx)で表わされる前記欠損部の円相当径Dのばらつき(CV)が0.6%以下であり、かつ前記導体層の一部が前記欠損部の内側に延びた凸部を有しているものである。
本発明によれば、誘電体層と導体層との間の層間剥離を防止できるとともに、高い静電容量を得ることのできるコンデンサを得ることができる。
本発明のコンデンサの一実施形態を示す断面模式図である。 (a)、(b)、(c)は、誘電体層の上面および下面に、欠損部を有する導体層を配置して形成したコンデンサにおける導体層間の電気力線の分布を示す断面模式図であり、(b)は、(a)と欠損部のサイズは同等であるが誘電体層の厚みが薄い場合、(c)は(b)と誘電体層の厚みは同等であるが、欠損部のサイズが小さい場合である。 本実施形態の他の態様を示すもので、積層型のコンデンサの一例を示す断面模式図である。 (a)、(b)は、誘電体層の上面に異なるサイズの欠損部を有する導体層を配置して形成したコンデンサの断面模式図である。 図4(a)、(b)の構造についてのシミュレーション結果であり、誘電体層1に強誘電体を適用したコンデンサの比誘電率の交流(AC)電圧依存性を示すものである。 本実施形態のコンデンサに適用する他の導体層の一例を示すものであり、欠損部の内縁に凸部を設けたものである。 従来のコンデンサにおける導体層に形成された欠損部の形状を表す模式図である。
図1は、本実施形態のコンデンサを示す断面模式図である。
本実施形態のコンデンサは、誘電体層1と、この誘電体層1の両主面を覆うように形成された導体層3とを有するものであり、この導体層3は、その面内に誘電体層1を被覆しない欠損部5を複数有している。
また、このコンデンサは、各欠損部5の面積から求められる円相当径Dの平均値Dが誘電体層1の平均厚みの25〜85%であり、また、欠損部5の円相当径Dの標準偏差σを平均値Dで除した値(σ/D)で表わされる欠損部5の円相当径Dのばらつき(CV)が0.6%以下である。
これによりコンデンサを構成する導体層3に欠損部5が数多く形成されていたとしても導体層3の有効面積に比して、より高い静電容量を出力するコンデンサを得ることができる。
本発明は製造されるコンデンサの静電容量にばらつきが発生するという課題に着目したものであり、コンデンサを構成する導体層3に欠損部5が形成されている場合でも、誘電体層1の厚みと導体層3の欠損部5のサイズとの関係および欠損部5のサイズのばらつきを所定の範囲にすることにより、導体層3に欠損部5を有する場合でも高い静電容量を得ることのできる構造を見出したものである。この場合、コンデンサの誘電体層1と導体層3との間の剥離(デラミネーション)を抑制するという理由から欠損部5には誘電体層1を構成する材料が充填されているのがよい。
図2(a)、(b)、(c)は、誘電体層1の上面および下面に、欠損部5を有する導体層3を配置して形成したコンデンサにおける導体層3間の電気力線7の分布を示す断面模式図であり、(b)は、(a)と欠損部5のサイズは同等(a5=b5)であるが誘電体層1の厚みが薄い場合(t1>t2)、(c)は(b)と誘電体層1の厚みは同等(t2=t3)であるが、欠損部5のサイズが小さい場合(b5>c5)である。図2(a)、(b)、(c)では、対向して配置された2つの導体層3(正極、負極)間に発生する電気力線7の状態を表すために、便宜上、誘電体層1を描いていないが、2つの導体層3間には比誘電率が空気よりも高い誘電体が配置されているものとする。
図 2(a)に示すように、誘電体層1の両面に配置された2枚の導体層3に電圧が印
加されると、正極の導体層3と負極の導体層3との間には直線的な電気力線7が生じるが、この電気力線7は導体層3の欠損部5においては欠損部5の中央9側に広がるような分布を取るようになる。便宜上、図2(a)、(b)、(c)では、欠損部5を対向する導体層3同士の同じ箇所に設けているが、欠損部5の位置が異なる場合でも、一方の導体層3に欠損部5が形成されている場合には欠損部5付近の電気力線7は図2(a)における欠損部5付近の電気力線7と同様、広がりをみせる分布となることから、ここでは欠損部5を対向する導体層3同士の同じ箇所に設けた構成を示した。
導体層3に欠損部5が形成されている場合、電気力線7の欠損部5における電界の回り込みによって、図2(a)において符号a5で示される欠損部5のうち、電気力線7の密度の低い範囲(符号a1)を除く部分(電気力線の密度が所定の値よりも高い範囲)は電気的に接続された状態となっている。このため見かけ上、静電容量の発生に有効に作用する部分となる。
ところが、導体層3に形成された欠損部5における電気力線7の回り込みは対向した位置にある2枚の導体層3の間隔が狭くなるに従い小さくなる。このため誘電体層1の厚みが薄くなってくると、図2(b)に示すように、欠損部5において電気力線7の回り込みによって電気的に接続される部分の割合が小さくなり、電気力線7の密度の低い範囲(符号b1)が大きくなる。このため誘電体層1の厚みを薄くした場合、欠損部5のサイズが図2(a)と同等である場合には、欠損部5に静電容量の発生に寄与しない領域が増えてくる。
そこで、図2(c)に示すように、対向する2枚の導体層3の間隔を狭くしたとき(誘電体層1の厚みを薄くした)ときには、それに応じて、導体層3に形成される欠損部5のサイズを小さくするのがよい。これにより導体層3に形成された欠損部5内において、静電容量の発生に寄与しない領域(図2(c)の符号c1の領域)を小さくすることができ、これにより静電容量の発生に有効な部分の割合を増やすことができる。
なお、導体層3の欠損部5の存在による静電容量の低下への対策として欠損部5の数を少なくする方法も考えられるが、この場合、欠損部5の減少により、この欠損部5を誘電体層1の材料が貫通して形成される架橋部分の数も減少するため、誘電体層1と導体層3との間の接着強度が低下し層間の剥離(デラミネーション)が起こりやすくなる。
これに対し、本実施形態のコンデンサは、導体層3に形成された欠損部5の合計面積、つまり誘電体層1の材料によって架橋された部分の総面積を変えることなく、誘電体層1と導体層3との間の剥離を防止しつつ静電容量を向上させることができる。
なお、各欠損部5の面積から求められる円相当径Dの平均値Dが誘電体層1の平均厚みの25%より小さい場合には、誘電体層1と導体層3との間が剥離しやすくなり、また、各欠損部5の面積から求められる円相当径Dの平均値Dが誘電体層1の平均厚みの8
5%より大きい場合にはコンデンサの静電容量が低下することになる。
また、欠損部5の円相当径Dの標準偏差σを平均値Dで除した値(σ/D)で表わされる欠損部5の円相当径Dのばらつき(CV)が0.6%よりも大きい場合には、導体層3に形成された複数の欠損部5のうち一部の欠損部5において、静電容量の発現に寄与しない部分が増えるため、この場合にも静電容量が低くなってしまう。
このため誘電体層1と導体層3との間の剥離を防止できるとともに高い静電容量を得るための構造として、各欠損部5の面積から求められる円相当径Dの平均値Dが誘電体層1の平均厚みの25〜85%であるとともに、欠損部5の円相当径Dの標準偏差σを平均値Dで除した値(σ/D)で表わされる欠損部5の円相当径Dのばらつき(CV)が0.6%以下であるのがよい。
本実施形態のコンデンサは、図1に示した単層のコンデンサに限らず、誘電体層1と導体層3とがそれぞれ複数層積層されて構成された積層型のコンデンサにも適用できる。図3は、本実施形態の他の態様を示すもので、積層型のコンデンサの一例を示す断面模式図である。この実施形態のコンデンサは誘電体層1と導体層3とがそれぞれ複数層積層された積層体4と、この積層体4の対向する端面に外部電極7が設けられた構成となっており、特に、誘電体層1が強誘電体によって構成されている。
図4(a)、(b)は、誘電体層1の上面に異なるサイズの欠損部5を有する導体層5を配置して形成したコンデンサの断面模式図である。図5は、図4(a)、(b)の構造についてのシミュレーション結果であり、誘電体層1に強誘電体を適用したコンデンサの比誘電率の交流(AC)電圧依存性を示すものである。この場合、図4の(b)は(a)よりも導体層3の欠損部5のサイズが小さくなっている。誘電体層1の厚みdは(a)(b)ともに同じである。また、(a)のコンデンサの導体層3の総面積Sと(b)のコンデンサの導体層3の総面積S’とは同じである。
コンデンサの誘電体層1に導体層3を介して交流(AC)電圧VACを印加すると、(a)のコンデンサの全体にはEAC、(b)のコンデンサの全体にはE’ACの電界強度がそれぞれ発生する。
この場合、(a)のコンデンサにおいて欠損していない導体層3(図4(a)のS3の領域)の部分的な電界強度E1(=V1/d)と、(b)のコンデンサにおいて欠損していない導体層3(図4(b)のS3’の領域)の部分的な電界強度E1’は同等(E1=E1’)である。誘電体層1の比誘電率も同等である(ε1=ε1’)。
しかしながら、(b)のコンデンサにおける導体層3(S3)に隣接する欠損部5は、(a)のコンデンサよりも欠損部5のサイズが小さいために電気力線7の密度が高くなっている。このため(b)のコンデンサのS3’の導体層3に隣接する欠損部5の電界強度E2’は、(a)のコンデンサのS3の導体層3に隣接する欠損部5の電界強度E2よりも高くなる。この場合、誘電体層1の比誘電率は、S3’の導体層3に隣接する欠損部5の電界強度E2’の比誘電率(ε2’)の方がS3の導体層3に隣接する欠損部5の電界強度E2の比誘電率(ε2)よりも高くなる。
上述した本実施形態のコンデンサによれば、導体層3の面積(欠損部5を除いた面積)は同じであっても、欠損部5のサイズが小さい場合には部分的な電界強度の低下が小さいために欠損部5においても比誘電率の低下を抑えることができるが、これに加えて、誘電体層1に強誘電体を適用した場合には、欠損部5の面積から求められる円相当径Dの平均値Dが誘電体層1の平均厚みの25〜85%であるとともに、欠損部5の円相当径Dの
標準偏差σを平均値Dで除した値(σ/D)で表わされる欠損部5の円相当径Dのばらつき(CV)が0.6%以下という条件にすると、この条件を満たさない場合に比較して印加する交流電圧を変化させたときの静電容量の変化率を大きくすることができる。
図6は、本実施形態のコンデンサに適用する他の導体層3の一例を示すものであり、欠損部5の内縁に凸部を設けたものである。本実施形態のコンデンサでは、導体層3として、欠損部5の内縁に中心方向に向いた尖り部9を有しているものを適用させることが望ましい。コンデンサに電圧が印加されると、導体層3には電荷が導入された状態となるが、この場合、同じ符号の電荷同士は相互に強い反発力が作用することから、電荷が自由に移動できる導体層3の内部では、電荷は、通常、反発力を緩和するために、導体層3の角部や縁端部に分布するようになる。このため導体層3の角部や縁端部は電気力線の密度(面積密度)が大きくなり、これにより部分的に電界強度を高めることができる。そこで、導体層3に形成した欠損部5として、図6に示すように、欠損部5の内縁に中心方向に向いた尖り部9を有する形状のパターンを適用することによって、尖り部9に電荷が集中するため、欠損部5付近に形成される電気力線の密度が高くなり、これにより誘電体層1の比誘電率が高まり、コンデンサの静電容量を向上させることができる。
本実施形態のコンデンサを構成する誘電体層1は、セラミックスや有機材料などの誘電性あるいは強誘電性を示す各種材料を適用することができる。誘電体層1の平均厚みは、静電容量の向上および耐電圧の両特性を向上させるという理由から、例えば、0.5〜10μmであることが望ましい。
導体層9の材料は、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などの貴金属材料またはこれらの合金、あるいはニッケル(Ni)、銅(Cu)などの卑金属材料またはこれらの合金を主成分とするものが望ましい。この場合、コンデンサを例えば高積層化して導体層3数を増やしても製造コストを抑制できるという点で、ニッケル(Ni)や銅(Cu)などの卑金属が望ましい。
次に、本実施形態のコンデンサを製造する方法について説明するが、以下に記載する製造方法は一例であり、この方法のみに限定されるものではない。
まず、誘電体層1としてセラミックシート、有機樹脂シートなどの誘電体シートを準備する。次に、この誘電体シートの表面に導体層3を形成し、この両表面にさらに導体層3を付与していない誘電体シートを積層することによって本実施形態のコンデンサを得ることができる。導体層3としてはメッキ膜または蒸着膜を適用するのが望ましいが、金属粉末を含む導体ペーストをパターン印刷して形成する方法でも可能でなる。なお、誘電体シートとして粒子状のセラミックスを用いた場合には、誘電体シートと導体層とを積層した後に所定の温度条件にて加熱して焼結させる。
以下、誘電体層にセラミックスまたは有機樹脂を適用した実施例を挙げて本発明のコンデンサを詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、チタン酸バリウム粉末を主成分として含むセラミックグリーンシートを作製した。次に、このセラミックグリーンシートの一方の主面にNiを主成分とする導体パターンを形成した。導体パターンとしては、Niを主成分とし、主面上に円形状の欠損部を複数個均等な配置になるように形成したメッキ膜を用いた。また、円形状の欠損部の内縁に中心方向に向いた尖り部を有する図6に示したパターン形状のものも用いた。欠損部のサイズおよび配置はメッキ膜を形成する際にマスクを用いてパターン加工して調整した。導体層はいずれもコンデンサの導体層としたときに、欠損部を除いた金属部分の面積が同じに
なるようにした。
次に、導体パターンを形成したセラミックグリーンシートを10層積層し、容量発生部となる積層体を形成した後、この仮積層体の両面に導体パターンを付与していないセラミックグリーンシートを各5層ほど積層して積層体を作製した。
次に、この積層体を水素−窒素中にて焼成してコンデンサ素体を作製した。焼成時の最高温度は1100℃とし、5000℃/hの昇温速度(最高温度を通過する時間は5分)にて焼成した。このようにして得られたコンデンサ素体の端面に銅を主成分とする導体ペーストを塗布し、窒素雰囲気中、800℃の条件にて加熱して外部電極を形成した。得られたコンデンサのサイズは長さが0.95mm、幅が0.45mmであり、導体層の有効面積は0.70mm×0.3mmであった。
また、セラミックグリーンシートの表面に、Ni粉末を主成分とする導体ペーストを印刷して導体パターンを形成し、焼結させたコンデンサもメッキ膜を用いた場合と同様の層構成および焼成条件にて作製した。このときの導体パターンは印刷エリアの全面に導体ペーストを塗布して形成した(試料No.19)。
また、誘電体層にポリブタジエン樹脂を適用したコンデンサの試料を作製した。この場合、ポリブタジエンを主成分とする有機樹脂シートの表面にAgを蒸着して導体層とし、これをセラミックコンデンサと同様、5層積層し、さらに、この両面に導体層を形成していない有機樹脂シートを各々5層積層して、250℃の温度で加圧加熱を行って積層体を形成した。積層体の端面には外部電極として銅を主成分とするメタリコン電極を形成した。得られたコンデンサのサイズおよび導体層のパターン(欠損部のパターン(サイズ、分布))はセラミックスの場合と同様とした。
次に、得られたコンデンサに対して以下の測定を行なった。誘電体層の厚みは、コンデンサを樹脂中に埋めこみ、コンデンサの中央付近まで研磨し、得られた断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察して写真を撮り、誘電体層の厚みをほぼ等間隔に25点測長した平均値から求めた。
導体層の欠損部の平均径については、コンデンサを積層面に沿って中央付近で剥離し、露出した導体層面の中央部をSEMを用いて観察した。この観察像から欠損部の面積を測定し、それぞれを円形に置き換えたときの直径を欠損部の円相当径とした。測定に供した欠損部の個数は視野内に50〜100個ほど入る面積とした。この測定によって求めた欠損部の円相当径から標準偏差(σ)と平均値(x)を求めた。また、欠損部を除いた導体層の被覆率は欠損部の合計面積を視野面積で除して百分率として求めた。
静電容量の測定はLCRメータ(ヒューレットパッカード社製)を用いて、温度25℃、周波数1.0kHz、AC電圧は電界強度が0.1V/μm、1.0V/μmとなるように電圧を適宜調整し、20個のチップを測定しその平均値を算出した。
コンデンサの積層面の剥離の状態(デラミネーションの有無)は焼成後のコンデンサ素体を樹脂埋めし、研磨によって露出した断面を光学顕微鏡にて観察することにより確認した。
Figure 0005905777
表1の結果から明らかなように、欠損部の面積から求められる円相当径Dの平均値Dが誘電体層の平均厚みの25〜85%であるとともに、欠損部の円相当径Dの標準偏差σを平均値Dで除した値(σ/D)で表わされる欠損部の円相当径Dのばらつき(CV)が0.6%以下である試料No.1〜4、9、10〜13および18では、デラミネーションが無く、誘電体層に有機樹脂を適用したコンデンサの静電容量が0.156nF以上、誘電体層に強誘電体を適用したコンデンサの静電容量が62.90nF以上であった。
誘電体層に強誘電体を適用した試料No.10〜13および18のコンデンサは、測定時の交流(AC)電圧を0.1V/μmから1V/μmに変化させたときに、欠損部の面積から求められる円相当径Dの平均値Dが誘電体層の平均厚みの25〜85%であるとともに、欠損部の円相当径Dの標準偏差σを前記平均値Dで除した値(σ/D)で表わされる欠損部の円相当径Dのばらつき(CV)が0.6%以下という条件を満たさない試料に比較して静電容量の増加率が大きかった。
また、導体層として、欠損部のパターンを図6に示すような円形状の欠損部の内縁に中心方向に向いた尖り部を有する形状を適用した試料No.9および18は、同じDx/tおよびCVを示す試料(試料No.3、12)に比較して高い静電容量を示した。
これに対し、導体層が、欠損部の面積から求められる円相当径Dの平均値Dが誘電体層の平均厚みの25〜85%であるとともに、欠損部の円相当径Dの標準偏差σを平均値Dで除した値(σ/D)で表わされる欠損部の円相当径Dのばらつき(CV)が0.6%以下という条件を満たさない試料(試料No.5〜8、14〜17)は、上述のコンデンサの試料に比較して、それぞれ静電容量が低いか、デラミネーションの発生が認められた。
また、導体層を導体ペーストを用いて作製した試料(試料No.19)は、デラミネーションは認められなかったが、静電容量が0.1V/μmの交流電圧下で55.01nF、1V/μmの交流電圧下で68.76nFとなり、いずれも試料No.1〜4、9、10〜13および18の試料よりも低かった。
1、101・・・・・・・・・・・誘電体層
3、103・・・・・・・・・・・導体層
4・・・・・・・・・・・・・・・積層体
5、100・・・・・・・・・・・欠損部
7・・・・・・・・・・・・・・・電気力線
9・・・・・・・・・・・・・・・尖り部

Claims (3)

  1. 誘電体層と、該誘電体層の両主面を覆うように形成された導体層とを有するコンデンサであって、前記導体層はその面内に前記誘電体層を被覆しない欠損部を複数有しており、各欠損部の面積から求められる円相当径Dの平均値Dxが前記誘電体層の平均厚みの25〜85%であるとともに、前記欠損部の円相当径Dの標準偏差σを前記平均値Dxで除した値(σ/Dx)で表わされる前記欠損部の円相当径Dのばらつき(CV)が0.6%以下であり、かつ前記導体層の一部が前記欠損部の内側に延びた凸部を有していることを特徴とするコンデンサ。
  2. 前記誘電体層が強誘電体により構成されており、前記導体層と交互に複数積層されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記は尖り部であることを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサ。
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