JP5905337B2 - ルーフ部材の固定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、オープンカー等の車両前後方向に引き出し・引き戻し可能に構成されたルーフ部材を車両本体上部を覆った状態で車両本体側に固定する固定装置に関する。
従来より、一般的なオープンカーのルーフ部材は、車両前後方向に引き出し・引き戻し可能に構成され、車両前方に引き出した状態で車両本体上部を覆う一方、車両後方に引き戻した状態で車両本体上部を開放するようになっている。上記ルーフ部材は、車両本体上部を覆った状態で固定装置により車両本体側に固定され、例えば、特許文献1の固定装置は、ルーフ部材の引き出し側裏面にベース部材が固定され、乗員が操作する操作レバーの一端近傍が上記ベース部材に第1水平支軸により車両前後方向に回動可能に軸支されている。上記操作レバーの一端には、第2水平支軸によりリンクプレートの後端が回動可能に軸支され、該リンクプレートは、略水平方向の姿勢で上記ルーフ部材に沿って車両前後方向に移動可能となっている。リンクプレートの前端には、一端にフック部を有する係合アームの他端が第3水平支軸により車両前後方向に回動可能に軸支されている。上記係合アームには、左右に突出するガイドピンが設けられ、上記ベース部材の側面に形成された略L字状のガイド溝に移動可能に係合している。一方、車両本体側には、上記フック部が係脱可能に係合するストライカが設けられている。
上記係合アームは、上記操作レバーを車両前方へ回動させると、上記ガイドピンが上記ガイド溝に案内されて車両後方に移動することにより、車両前方に回動しつつ車両後方に移動して略水平な姿勢となる一方、上記操作レバーを車両後方へ回動させると、上記ガイドピンが上記ガイド溝に案内されて車両前方に移動することにより、車両前方に移動しつつ車両後方に回動して略垂直な姿勢となる。
そして、上記操作レバーを車両後方側に回動させた状態で、上記ルーフ部材を車両前方に引き出して上記係合アームをストライカに対応させ、その状態で上記操作レバーを車両前方に回動させることにより、上記係合アームを車両前方に回動させてフック部をストライカに係合させてロック姿勢とし、その後、さらに、操作レバーを車両前方に回動させ、その回動により生ずる上記係合アームの車両後方への引き込み力により、上記ルーフ部材が車両前方に移動して車両本体上部を覆った状態で車両本体に固定されるようになっている。
また、上記ルーフ部材が上記固定装置により車両本体上部を覆って車両本体に固定された状態で、上記操作レバーを車両後方に回動させると、上記係合アームが車両前方に移動しつつ車両後方に回動してストライカからフック部が外れてアンロック姿勢になる。
特開2006−233568号公報(段落0054〜0058欄、図13)
ところで、一般的なオープンカーのルーフ部材は、頑丈で比較的伸びにくい樹脂材で形成され、しかも、車両前後方向に少し張った状態で車両本体側に固定されるようになっている。したがって、ルーフ部材を車両本体側に固定する際、特許文献1の如き固定装置では、乗員が、ルーフ部材を車両後方に加わる力に抗して車両前方に引き出して少し張った状態にして、その状態を維持させつつ操作レバーを操作して係合アームのフック部を車両本体側のストライカに係合させなければならず、操作に慣れないと上記フック部をストライカに係合させ難く、操作レバーの操作を繰り返し行うことになってしまう。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ルーフ部材を車両本体に容易に固定することができる操作性のよいルーフ部材の固定装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、ルーフ部材を車両後方に引き戻す動作により、係合アームがアンロック姿勢からロック姿勢に自動で切り替わる工夫を凝らしたことを特徴とする。
具体的には、車両前後方向に引き出し・引き戻し可能に構成されたルーフ部材を車両前方に引き出して車両本体上部を覆った状態で車両本体側に固定するルーフ部材の固定装置において次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明では、一端近傍が上記ルーフ部材の引き出し端部側裏面に第1水平支軸により車両前後方向に回動可能に軸支された操作レバーと、一端にフック部を有し、他端が上記操作レバーの一端に第2水平支軸により車両前後方向に回動可能に軸支された係合アームと、上記車両本体前側に設けられ、上記フック部が係脱可能に係合する被係合部と、上記係合アームを車両前方に回動付勢する係合アーム付勢手段と、上記係合アームの車両前方への回動を上記操作レバーに対して所定の角度で停止させるアーム停止手段と、上記係合アームの姿勢を上記フック部が上記被係合部に係合するロック姿勢と、上記係合アームが上記ロック姿勢より車両後方に回動して上記フック部が被係合部から外れるアンロック姿勢とに切り替える姿勢切替手段とを備え、上記係合アームは、上記ロック姿勢で上記ルーフ部材を車両前方に引き出した際、上記フック部を上記被係合部側の車両本体端縁に摺接させながら上記係合アーム付勢手段の付勢力に抗して車両後方に回動し、上記フック部が上記被係合部側の車両本体端縁を外れることで上記係合アーム付勢手段の復元力により車両前方に回動して上記フック部が上記被係合部に係合する一方、上記ルーフ部材を車両後方に引き戻す際、上記操作レバーを車両後方に回動させることにより車両後方に回動して上記姿勢切替手段でロック姿勢からアンロック姿勢に切り替わるように構成され、上記車両本体後側には、上記ルーフ部材を車両後方に引き戻す動作により、上記アンロック姿勢の係合アームが上方から押し付けられ、その反動で上記係合アームを車両前方に回動させて上記姿勢切替手段でアンロック姿勢からロック姿勢に切り替える押付部が設けられていることを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明において、上記姿勢切替手段は、一端に突起を有し、他端側が上記ルーフ部材の引き出し端部側裏面に車両前後方向に第3水平支軸により回動可能に軸支された引掛アームと、該引掛アームを車両後方に回動付勢する引掛アーム付勢手段と、上記操作レバーの長手方向一端側に設けられ、当該操作レバーが回動する際、上記突起先端が車両前方側から摺接する摺接部とを備え、該摺接部には、上記係合アームが上記ロック姿勢となる際に上記突起が嵌合する第1嵌合部と、上記係合アームが上記アンロック姿勢となる際に上記突起が嵌合する第2嵌合部とが形成されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、係合アームをロック姿勢にして乗員がルーフ部材を車両前方に引き出すだけで、自動的に係合アームのフック部が車両本体側の被係合部に係合するようになる。したがって、ルーフ部材を車両前方に引き出した状態を維持しながら被係合部に係合アームのフック部を係合させるという特許文献1の如き困難な作業を行う必要がなく、ルーフ部材を車両本体に容易に固定することができる。また、係合アームをアンロック姿勢にしてフック部を被係合部から外した状態で乗員がルーフ部材を車両後方へ引き戻すと、当該引き戻す操作だけで、係合アームがアンロック姿勢から車両前方に回動してロック姿勢に切り替わる。したがって、乗員がルーフ部材を車両後方へ引き戻した後に、手動で操作レバーを車両前方に回動させてアンロック姿勢の係合アームをロック姿勢に切り替えるといった操作をする必要がなく、固定装置の操作性がよい。
第2の発明によれば、ロック姿勢の際、突起が第1嵌合部に嵌合することによりロック姿勢が正確な位置で維持されるので、ルーフ部材を車両前方に引き出した際、フック部を確実に被係合部に摺接させることができる。また、アンロック姿勢の際、突起が第2嵌合部に嵌合することによりアンロック姿勢が正確な位置で維持されるので、ルーフ部材を車両後方に引き戻した際、アンロック姿勢のフック部を確実に押付部に押し付けることができる。
実施形態に係るルーフ部材の固定装置を備えた車両の斜視図である。 実施形態に係るルーフ部材の固定装置であり、車両本体にルーフ部材を固定している状態を示す斜視図である。 車両本体のストライカにルーフ部材の係合アームを係合させる手順を示し、(a)は、フック部がストライカの車両後方側端縁に接触した直後の状態を、(b)は、フック部がストライカに係合して係合アームがロック姿勢となった状態をそれぞれ示す車両左側から見た概略側面図である。 ルーフ部材が車両本体に固定される手順を示し、(a)は、操作レバーを操作する直前の状態を、(b)は、操作レバーを車両前方に回動させてルーフ部材が車両本体に固定された直後の状態をそれぞれ示す車両右側から見た概略側面図である。 車両本体のストライカから係合アームのフック部を外す手順を示し、(a)は、フック部をストライカから外す直前の状態を、(b)は、フック部をストライカから外して係合アームがアンロック姿勢となった状態をそれぞれ示す車両右側から見た概略側面図である。 図1のA−A線における概略断面図であり、ルーフ部材を車両後方に引き戻した際に、係合アームがアンロック姿勢からロック姿勢に切り替わった直後の状態を示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
図1は、本発明の実施形態に係る固定装置1を備えた車両10を示す。該車両10は、所謂オープンカーであり、車両本体10aの上部に車両前後方向に引き出し・引き戻し可能に構成された樹脂製ルーフ部材10bを有している。上記車両本体10aのフロントガラス10c上方には、上記固定装置1の一部を構成する平面視で略コ字状をなすストライカ10e(被係合部)が設けられ(図3乃至図6参照)、上記ルーフ部材10bは、車両10の前方に引き出して車両本体10a上部を覆った状態で、上記固定装置1で車両本体10aに固定されるようになっている。
上記固定装置1は、図2に示すように、金属板を折り曲げて形成したブラケット2を備え、該ブラケット2は、車幅方向に互いに離間して配置された右側ベース材2a及び左側ベース材2bで構成されている。
上記右側ベース材2aは、車幅方向右側(図2紙面左側)に位置し、上記ルーフ部材10bの引き出し端部側裏面に沿う板状の右側取付部21と、該右側取付部21の車幅方向左側端縁から下方に垂設された右側側壁部22とを備え、上記右側取付部21には、一対のボルト挿通用の右側挿通孔21aが車両前後方向に並んで貫通形成されている。
上記右側取付部21の後端縁には、車幅方向左側に突出する突出部26を備え、該突出部26には、貫通孔26aが形成されている。
また、上記右側側壁部22の前端縁には、車幅方向左側に延びる角棒状の延出部23が設けられ、該延出部23の先端側には、上方に開放する切欠凹部23aが形成されている。
一方、上記左側ベース材2bは、車幅方向左側(図2紙面右側)に位置し、上記ルーフ部材10bの引き出し端部側裏面に沿う板状の左側取付部24と、該左側取付部24の車幅方向右側端縁から下方に垂設された左側側壁部25とを備えている。
上記左側取付部24には、一対のボルト挿通用の左側挿通孔24aが車両前後方向に並んで貫通形成され、上記左側側壁部25の下端縁前側には、車幅方向右側に向かって板状部25bが延出している。
そして、上記ルーフ部材10bの引き出し端部側裏面には、車幅方向に延びるルーフレインフォースメント10dが設けられ、図示しないボルトを上記各右側挿通孔21a及び左側挿通孔24aに挿通させて上記ブラケット2を上記ルーフレインフォースメント10dに締結するようになっている。
上記固定装置1は、緩やかに湾曲する板状の操作レバー3を備えている。該操作レバー3は、当該操作レバー3の骨格をなす鉄製レバー本体3aと、該レバー本体3aの外側方を覆う樹脂製カバー部材3bと、上記操作レバー3をルーフ部材10bの下面に沿った状態で固定するロック機構3cとを備えている。
上記レバー本体3aの長手方向一端側両側端縁には、上記操作レバー3裏面側に向かって平行に延出する左右一対の側面部31が形成され、該各側面部31の略中央の位置(操作レバー3の一端近傍)は、上記右側側壁部22及び左側側壁部25の各後端側に左右一対の第1水平支軸11により回動可能に軸支されている。
上記カバー部材3bの中央部分には、長手方向に延びる長孔32が形成され(図3乃至図6参照)、上記カバー部材3bの長手方向一端中央には、当該カバー部材3bの裏面側及び長手方向一端側が開放する底の浅い凹状部33が凹設されている。
上記ロック機構3cは、上記レバー本体3aと上記カバー部材3bとの間に位置し、上記操作レバー3の長手方向にスライド可能に上記レバー本体3aに取り付けられ、図示しない付勢部材により上記操作レバー3の長手方向一方側に付勢されている。
上記ロック機構3cには、上記レバー本体3aの車幅方向左側を通って上記操作レバー3の裏面側に延出する板状の係合部34が設けられ、該係合部34の延出端には略L時状の鈎部34aが形成されている。
また、上記ロック機構3cのカバー部材3b側には、図3乃至図6に示すように、上記長孔32を通過して上記カバー部材3b表面側に突出するスライドボタン35が取り付けられ、該スライドボタン35により、図示しない付勢部材に抗して上記ロック機構3cの上記操作レバー3における長手方向他方側へのスライド操作を上記カバー部材3bの表面側から可能となっている。
上記操作レバー3の裏面側には、第1コイルバネ4が配設され、該第1コイルバネ4の一端が上記切欠凹部23aに、他端が上記レバー本体3aの長手方向一端側にそれぞれ固定されている。そして、上記第1コイルバネ4は、上記操作レバー3を回動させる際、該操作レバー3が略垂直の姿勢より前下がりに傾斜する場合には、上記操作レバー3を車両前方に回動付勢する一方、上記操作レバー3が略垂直の姿勢より後下がりに傾斜する場合には、上記操作レバー3を車両後方に回動付勢するようになっている。
上記操作レバー3の裏面側には、一端にフック部51を有する係合アーム5が配設されている。
該係合アーム5の他端は、上記操作レバー3の長手方向一端に第2水平支軸12により車両前後方向に回動可能に軸支され、上記フック部51は、上記ストライカ10eに係脱可能に係合するようになっている。
上記フック部51は、上方に向かって緩やかに湾曲する鈎状をなし、その表面は、車両前方側から車両後方側にかけて硬質ゴムのシート材51aで覆われている。
一方、上記係合アーム5の他端上方には、車幅方向に延びる先細の突条部52が突設され、該突条部52と上記凹状部33とでアーム停止手段16を構成し、上記係合アーム5は、車両前方に回動すると上記突条部52が上記凹状部33の内面に接触することにより、操作レバー3に対して所定の角度で停止するようになっている。
上記第2水平支軸12の上記係合アーム5から車幅方向右側に突出する部分には、捩りバネ6(係合アーム付勢手段)が巻装されている。
該捩りバネ6は、一端が係合アーム5の下端縁に、他端がレバー本体3aの長手方向一端側裏面に当接し、上記係合アーム5を車両前方に回動付勢している。
上記右側ベース材2aの車幅方向左側には、一端に突起7aを有する略三角形状の引掛アーム7が配設され、該引掛アーム7の他端側は、上記右側側壁部22の車両前方側に第3水平支軸13により車両前後方向に回動可能に軸支されている(図3乃至図6参照)。
また、上記引掛アーム7の他端には、上記右側ベース材2aの下方を車幅方向左側に延出する細板状部7bが設けられ、該細板状部7bの延出端側には、上方に開放する切欠凹部7cが形成されている。
上記右側ベース材2aの下方には、第2コイルバネ8(引掛アーム付勢手段)が配設され、該第2コイルバネ8は、一端が上記切欠凹部7cに、他端が上記右側ベース材2aの貫通孔26aに通されて突出部26に固定され、上記引掛アーム7を車両後方に回動付勢している。
上記車幅方向左側に位置する側面部31の外側面には、上記係合アーム5の姿勢を切り替えるための切替板9(摺接部)が固定されている。
該切替板9の反カバー部材3b側は、略円弧状をなし、上記操作レバー3が回動する際、上記引掛アーム7の突起7a先端が車両前方から摺接するようになっていて、上記引掛アーム7、第2コイルバネ8及び切替板9で姿勢切替手段14を構成している。
上記切替板9における円弧状部分の一端側には、上記操作レバー3が車両後方に回動した際、上記引掛アーム7の突起7aが順番に嵌合する第1嵌合部9a及び第2嵌合部9bが形成され、上記突起7aが上記第1嵌合部9aに嵌合すると、上記係合アーム5の姿勢が上記フック部51が上記ストライカ10eに係合するロック姿勢となり、上記突起7aが上記第2嵌合部9bに嵌合すると、上記係合アーム5がロック姿勢より車両後方に回動して上記フック部51がストライカ10eから外れるアンロック姿勢になる。
すなわち、上記姿勢切替手段14は、上記操作レバー3を回動させることにより、上記係合アーム5の姿勢を、ロック姿勢とアンロック姿勢とに切替可能となっている。
そして、上記係合アーム5は、ロック姿勢で上記ルーフ部材10bを車両前方に引き出した際、図3(a)に示すように、上記フック部51が上記ストライカ10eの車両後方側端縁を下方に摺動して上記捩りバネ6の付勢力に抗して車両後方に回動するようになっている。
また、上記係合アーム5は、図3(b)に示すように、上記フック部51が上記ストライカ10eの車両後方側端縁を外れることで捩りバネ6の付勢力により車両前方に回動して上記フック部51がストライカ10eに係合してロック姿勢に戻るようになっている。
さらに、上記係合アーム5は、図4(a),(b)に示すように、上記フック部51が上記ストライカ10eに係合した状態で、上記操作レバー3を車両前方に回動させると、それによって生ずる車両後方への引き込み力で上記ルーフ部材10bが車両前方に移動して車両本体10a上部を覆うようになっている。
そして、上記操作レバー3は、車両前方に回動させて略水平の姿勢になる際、上記係合部34の鈎部34a先端が上記板状部25bの前端縁に摺接して図示しない付勢部材の付勢力に抗してロック機構3cが車両前側に移動し、上記鈎部34aが上記板状部25bから外れることで図示しない付勢部材の付勢力でロック機構3cが車両後側に移動して上記係合部34が上記板状部25bに係合することにより、上記ブラケット2に固定されるようになっている。
一方、上記ルーフ部材10bを車両後方に引き戻して車両本体10a上部を開放する際、上記操作レバー3がブラケット2に固定された状態で、上記スライドボタン35を車両前側(操作レバー3の長手方向他方側)に移動させて上記係合部34を上記板状部25bから外し、上記操作レバー3を車両後方に回動させると、図5(a)に示すように、上記捩りバネ6により係合アーム5は車両前方に回動付勢され、上記突条部52が上記凹状部33の内面に接触することにより、上記操作レバー3に対して所定の角度で停止するようになっている。
また、上記操作レバー3をさらに車両後方に回動させると、上記切替板9の第1嵌合部9aに突起7aが嵌合し、上記フック部51がストライカ10eに係合した状態で上記係合アーム5をロック姿勢で維持するようになっている。
さらに、上記操作レバー3を車両後方に回動させると、図5(b)に示すように、上記係合アーム5の車両後方への回動により、上記フック部51が上記ストライカ10eから外れるとともに、上記突起7aが上記第1及び第2嵌合部9a、9b間を摺接するように上記第2コイルバネ8の付勢力に抗して引掛アーム7が車両前方に回動し、上記突起7aが上記第1及び第2嵌合部9a、9bの間を乗り越えることで第2コイルバネ8の付勢力により引掛アーム7が車両後方に回動して上記第2嵌合部に嵌合し、アンロック姿勢に切り替わるようになっている。
すなわち、上記ルーフ部材10bを車両後方に引き戻す際、上記操作レバー3を車両後方に回動させることにより、上記姿勢切替手段14によって係合アーム5の姿勢がロック姿勢からアンロック姿勢に切り替わるように構成されている。
また、車両本体10aの開口部後端縁内方には、図6に示すように、車幅方向に延びる断面凸状の後部フレーム15が設けられ、該後部フレーム15の下半部分は、車両後方に膨出して押付部15aを構成している。
該押付部15aは、上記ルーフ部材10bを車両後方に引き戻す動作により、アンロック姿勢の係合アーム5のフック部51が上方から押し付けられ、その反動で上記係合アーム5を車両前方に回動させるようになっている。
そして、押付部15aにより上記係合アーム5が車両前方に回動すると、アーム停止手段16により操作レバー3も連動して車両前方に回動して上記突起7aが上記第1及び第2嵌合部9a、9b間を摺接しながら上記第2コイルバネ8の付勢力に抗して引掛アーム7が車両前方に回動し、上記突起7aが上記第1及び第2嵌合部9a、9bの間を乗り越えることで第2コイルバネ8の付勢力により引掛アーム7が車両後方に回動して上記第1嵌合部に嵌合し、ロック姿勢に切り替わるようになっている。
尚、便宜上、図3は、ブラケット2、第1コイルバネ4及び第2コイルバネ8を記載しておらず、図4乃至図6は、捩りバネ6及び第1コイルバネ4を記載していない。さらに、図3乃至図6では、本発明の固定装置1の作動を理解し易くするために、回転軸周りの構造を簡素化して描いている。
次に、上記ルーフ部材10bを引き出して上記車両本体10a上部を覆う際について説明する。
上記ルーフ部材10bで車両本体10a上部を覆う場合、まず、図3(a)に示すように、上記係合アーム5がロック姿勢の状態で上記ルーフ部材10bを車両前方に引き出して上記係合アーム5のフック部51を上記ストライカ10eの車両後方側端縁に接触させる。
次いで、さらにルーフ部材10bを車両前方に引き出すと、図3(a)の二点鎖線で示すように、上記係合アーム5は、上記フック部51を上記ストライカ10eの車両後方側端縁に下方に摺接させながら捩りバネ6の付勢力に抗して車両後方に回動する。
そして、さらにルーフ部材10bを車両前方に引き出すと、図3(b)に示すように、係合アーム5は、上記フック部51が上記ストライカ10eの車両後方側端縁から外れることで上記捩りバネ6の復元力により車両前方に回動して上記フック部51がストライカ10eに係合する。
その後、上記フック部51がストライカ10eに係合した状態で、図4(a)、(b)に示すように、上記操作レバー3を把持して車両前方に回動させると、それにより生ずる係合アーム5の車両後方への引き込み力で上記ルーフ部材10bが車両前方に移動して車両本体10a上部を覆う。
そして、上記操作レバー3を略水平な姿勢となるまで車両前方に回動させると、ロック機構3cは、係合部34の鈎部34aを板状部25bの前端縁に摺接させてながら図示しない付勢部材の付勢力に抗して車両前方に移動し、その後、上記鈎部34aが板状部25bから外れることで図示しない付勢部材の復元力により車両後方に移動して係合部34が板状部25bに係合して上記操作レバー3がブラケット2に固定される。
したがって、係合アーム5をロック姿勢にして乗員がルーフ部材10bを車両前方に引き出すだけで、自動的に係合アーム5のフック部51がストライカ10eに係合するので、ルーフ部材10bを車両前方に引き出した状態を維持しながらストライカ10eに係合アーム5のフック部51を係合させるという特許文献1の如き困難な作業を行う必要がなく、ルーフ部材10bを車両本体10aに容易に固定することができる。
次に、上記ルーフ部材10bを引き戻して上記車両本体10a上部を開放する際について説明する。
上記操作レバー3がブラケット2に固定された状態で、上記スライドボタン35を車両前方(操作レバー3の長手方向他方側)に移動させて上記係合部34を板状部25bから外し、上記操作レバー3を車両後方に回動させる。すると、上記係合アーム5は、捩りバネ6により車両前方に回動付勢され、上記突条部52が上記凹状部33の内面に接触することにより、上記操作レバー3に対して所定の角度で停止する。
また、上記操作レバー3をさらに車両後方に回動させると、図5(a)に示すように、上記切替板9の第1嵌合部9aに突起7aが嵌合し、上記フック部51がストライカ10eに係合した状態で上記係合アーム5がロック姿勢となる。
しかる後、上記操作レバー3をさらに車両後方に回動させると、図5(b)に示すように、上記引掛アーム7は、上記突起7aを上記第1及び第2嵌合部9a、9b間を摺接させながら第2コイルバネ8の付勢力に抗して車両前方に回動し、上記突起7aが上記第1及び第2嵌合部9a、9bの間を乗り越えることで第2コイルバネ8の付勢力により車両後方に回動して上記第2嵌合部9bに嵌合し、係合アーム5がアンロック姿勢に切り替わって上記フック部51がストライカ10eから外れる。
その後、上記ルーフ部材10bを車両後方に引き戻す。すると、図6に示すように、アンロック姿勢の係合アーム5のフック部51が上記押付部15aに上方から押し付けられる。
そして、その反動で上記係合アーム5が車両前方に回動し、上記引掛アーム7は、上記突起7aを上記第1及び第2嵌合部9a、9b間を摺接させながら第2コイルバネ8の付勢力に抗して車両前方に回動し、上記突起7aが上記第1及び第2嵌合部9a、9bの間を乗り越えることで第2コイルバネ8の付勢力により車両後方に回動して上記第1嵌合部9aに嵌合し、係合アーム5がロック姿勢に切り替わる。
したがって、係合アーム5をアンロック姿勢にしてフック部51をストライカ10eから外した状態で乗員がルーフ部材10bを車両後方に引き戻すと、当該引き戻す操作だけで、係合アーム5がアンロック姿勢から車両後方に回動してロック姿勢に切り替わるので、乗員がルーフ部材10bを車両後方へ引き戻した後に、手動で操作レバー3を車両前方に回動させてアンロック姿勢の係合アーム5をロック姿勢に切り替えるといった操作をする必要がなく、固定装置1の操作性がよい。
また、アンロック姿勢の際、突起7aが第2嵌合部9bに嵌合することによりアンロック姿勢が正確な位置で維持されるので、ルーフ部材10bを車両後方引き戻した際、アンロック姿勢のフック部51を確実に押付部15aに押し付けることができる。
さらに、ロック姿勢の際、突起7aが第1嵌合部9aに嵌合することによりロック姿勢が正確な位置で維持されるので、ルーフ部材10bを車両前方に引き出した際、フック部51を確実にストライカ10eの車両後方側端縁に接触させることができる。
尚、本発明の実施形態では、ルーフ部材10bが樹脂材からなる所謂ソフトトップの車両10への適用について説明したが、所謂ハードトップのルーフ部材にも適用することができる。
また、ルーフ部材10bがサンルーフのような場合であっても適用できる。
本発明は、オープンカー等の車両前後方向に引き出し・引き戻し可能に構成されたルーフ部材を車両本体上部を覆った状態で車両本体側に固定する固定装置に適している。
1 固定装置
3 操作レバー
5 係合アーム
6 捩りバネ(係合アーム付勢手段)
7 引掛アーム
7a 突起
8 第2コイルバネ(引掛アーム付勢手段)
9 切替板(摺接部)
9a 第1嵌合部
9b 第2嵌合部
10 車両
10a 車両本体
10b ルーフ部材
10e ストライカ(被係合部)
11 第1水平支軸
12 第2水平支軸
13 第3水平支軸
14 姿勢切替手段
15a 押付部
16 アーム停止手段
51 フック部

Claims (2)

  1. 車両前後方向に引き出し・引き戻し可能に構成されたルーフ部材を車両前方に引き出して車両本体上部を覆った状態で車両本体側に固定するルーフ部材の固定装置であって、
    一端近傍が上記ルーフ部材の引き出し端部側裏面に第1水平支軸により車両前後方向に回動可能に軸支された操作レバーと、
    一端にフック部を有し、他端が上記操作レバーの一端に第2水平支軸により車両前後方向に回動可能に軸支された係合アームと、
    上記車両本体前側に設けられ、上記フック部が係脱可能に係合する被係合部と、
    上記係合アームを車両前方に回動付勢する係合アーム付勢手段と、
    上記係合アームの車両前方への回動を上記操作レバーに対して所定の角度で停止させるアーム停止手段と、
    上記係合アームの姿勢を上記フック部が上記被係合部に係合するロック姿勢と、上記係合アームが上記ロック姿勢より車両後方に回動して上記フック部が被係合部から外れるアンロック姿勢とに切り替える姿勢切替手段とを備え、
    上記係合アームは、上記ロック姿勢で上記ルーフ部材を車両前方に引き出した際、上記フック部を上記被係合部側の車両本体端縁に摺接させながら上記係合アーム付勢手段の付勢力に抗して車両後方に回動し、上記フック部が上記被係合部側の車両本体端縁を外れることで上記係合アーム付勢手段の復元力により車両前方に回動して上記フック部が上記被係合部に係合する一方、上記ルーフ部材を車両後方に引き戻す際、上記操作レバーを車両後方に回動させることにより車両後方に回動して上記姿勢切替手段でロック姿勢からアンロック姿勢に切り替わるように構成され、
    上記車両本体後側には、上記ルーフ部材を車両後方に引き戻す動作により、上記アンロック姿勢の係合アームが上方から押し付けられ、その反動で上記係合アームを車両前方に回動させて上記姿勢切替手段でアンロック姿勢からロック姿勢に切り替える押付部が設けられていることを特徴とするルーフ部材の固定装置。
  2. 請求項1に記載のルーフ部材の固定装置において、
    上記姿勢切替手段は、一端に突起を有し、他端側が上記ルーフ部材の引き出し端部側裏面に車両前後方向に第3水平支軸により回動可能に軸支された引掛アームと、
    該引掛アームを車両後方に回動付勢する引掛アーム付勢手段と、
    上記操作レバーの長手方向一端側に設けられ、当該操作レバーが回動する際、上記突起先端が車両前方側から摺接する摺接部とを備え、
    該摺接部には、上記係合アームが上記ロック姿勢となる際に上記突起が嵌合する第1嵌合部と、上記係合アームが上記アンロック姿勢となる際に上記突起が嵌合する第2嵌合部とが形成されていることを特徴とするルーフ部材の固定装置。
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