JP5905011B2 - 形質転換植物 - Google Patents

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Description

本発明は、形質転換植物の製造に用いることのできる遺伝的構築物に関する。該構築物は、植物、特に植物の葉の硝酸塩濃度を下げ、老化様表現型を誘導し得る能力を有している。本発明は、このような構築物で形質転換した植物細胞と、その形質転換植物自体に関する。本発明は、また、形質転換植物の製造方法、及び植物の硝酸塩含有量を下げる方法に関する。また、本発明は、収穫した植物の葉、例えば収穫したタバコの葉(これらは前記遺伝的構築物で形質転換されている)、及び様々なタバコ製品、例えば前記収穫した植物の葉を含む喫煙物品に関する。
窒素同化は、植物の成長にとって欠かせない重要なことである。植物に必要とされる全ての無機栄養素のうち、窒素は最も大量に必要とされる。畑で植物に吸収される窒素の主要な形態は、窒素肥料の主成分の硝酸塩及びアンモニアである。植物は、その利用可能性に依存し、硝酸塩又はアンモニウムイオンの形態のいずれかを土壌から吸収する。十分に酸化された非酸性土壌中では硝酸塩は豊富にあるが、酸性又は水を含んだ土壌ではアンモニウムが優勢である。タバコの成長パラメータに関する実験からは、硝酸塩の供給が増えるのに応じて、相対成長率、クロロフィル含量、葉の面積及び根の面積が著しく増大することが明確に証明された。
根は、硝酸塩及びアンモニアを、特定の硝酸塩輸送体(NTR)の作用によって吸収する。植物では、硝酸塩について種々の親和性を有する独特な輸送機構がある。その結果、硝酸塩は、細胞質性酵素である硝酸還元酵素(NR)により根の中で還元されて窒素同化経路に入るか、又は木部内の新芽に輸送される。硝酸塩は、根の表皮細胞及び皮膚細胞から維管束系に輸送され、新芽に輸送される。硝酸塩は、アポプラストを通って葉に入り、細胞膜を横切って葉肉細胞に輸送される。ここで、硝酸塩は液胞に貯蔵されるか、又は細胞質内で還元されて主要な窒素同化経路に入る。硝酸塩が過剰に存在する場合には液胞に貯蔵される。硝酸塩は、浸透圧調節物質(すなわち、浸透圧の補充)と、窒素の摂取が最小になった場合に用いられる無機窒素の供給源としての役目を果たす。細胞質内に存在する硝酸塩は、主要な窒素同化の出発点である。
硝酸塩は、細胞質ゾル内で細胞質性酵素である硝酸還元酵素(NR)により亜硝酸塩に還元され、それ自体、葉の葉緑体中で、又は非光合成器官のプラスチド中で、亜硝酸還元酵素(NiR)によりすぐにアンモニウムに還元される。次いで、葉緑体中で、アンモニウムはグルタミンシンテターゼ/グルタミンシンターゼサイクル(GS/GOGAT)に入り、ここで、アンモニウムはアミノ酸プールに組み込まれる。
硝酸塩輸送体、硝酸及び亜硝酸還元酵素の活性の調整は植物のあらゆる場所における主要な窒素同化の調整に重要であり、植物の成長と発生に重要な影響を及ぼしている。しかし、特定の条件下では、硝酸塩は、主に緑色の光合成に活性な組織に蓄積され、葉肉細胞の液胞に貯蔵され得る。貯蔵された硝酸塩を同化する光合成能力が低いか、土壌の硝酸が高濃度になる結果、高濃度の硝酸塩の蓄積が、低温及び/又は太陽が照射している間に発生する可能性がある(例えば、冬の期間の温室作物)。硝酸塩濃度の上昇は、植物の成長の観点からだけでなく、植物を消費する人間又は動物の健康の観点においてはもちろん、環境への影響においても多数の有害な結果を及ぼす可能性がある。硝酸塩蓄積の有害な結果の多くは、亜硝酸塩の生産によってもたらされる。
従って、植物が老化現象を示すようになった時に硝酸塩の蓄積を防止するための1つの戦略は、例えば、作物生産における重要な有用性を有する可能性のある植物中の窒素の再移動を増加させることである。第一に、葉から再移動する窒素は、若い葉だけでなく、成長中の種子に輸送される可能性がある。従って、老化した葉からの窒素の出口の効率を増大させると、種子と植物の若い部分への窒素の供給が潜在的に増大し、その結果、作物の収穫高と窒素利用効率を高めることができる。世界の人口が増加しているが、作物の収穫高が需要を満たすために十分に増加していない場合、これは明らかに価値のある目標である。一つの可能性のある標的作物は、栄養組織からの窒素の再移動が低下しているために窒素効率が低いセイヨウアブラナ(菜種)である。もう一つの標的作物は小麦である、というのも穀物タンパク質含有量が増大するという潜在的利点が大きいからである。穀物のタンパク質含有量は、小麦の栄養価に影響を及ぼすだけでなく、穀物の使用法、その結果、市場価格を決定する。例えば、穀物のタンパク質含有量が増大することにより、パン容積が増大することになる。
また、タバコの葉に残留する窒素は、図1に示すように、ニトロソアミンの形成に寄与することが知られているので、窒素の再移動を増大させる能力は、タバコ産業において非常に有用である。特に、硝酸塩及び亜硝酸塩は保存処理した葉の中で、タバコに特異的なニトロソアミン(TSNA)の形成のための前駆体としての役割を果たす。また、胃内でのニトロソアミンの形成は内因性ニトロソ化の結果である。口腔細菌は、食品及び飲料中で消費された硝酸塩を亜硝酸塩まで化学的に還元し、それは、胃の酸性環境下でニトロソ化剤を形成し得る。これらはアミンと反応してニトロソアミンを生成し、DNA鎖切断又はDNAの架橋を起こす。過剰の硝酸塩に関連する他の問題は、ブルーベビー症候群を起こすメトヘモグロビンの形成である(ヘモグロビンの酸素運搬能力は亜硝酸塩によって阻害され、その結果、幼児の化学的窒息を引き起こす。)。
これらの健康上の懸念の結果として、多くの規制当局は、収穫期による、ほうれん草及びレタス等の緑色葉野菜において許容される硝酸塩の量の限度を設定した(例えば、欧州委員会規則653/2003)。これらの限度は、商品にならないような高い硝酸塩含有量を有する任意の農産物をもたらした。その結果、窒素含有肥料、又は改良された作物管理のシステムの応用を管理することにより、植物の硝酸塩含有量を低下させようとする努力がなされてきた。当局の中には飲料水中の硝酸塩量に限度を設定しているところもある。
その結果、植物の硝酸塩蓄積に関連する悪影響を軽減する手段が必要とされている。この点を考慮し、本発明者らは、意外にも硝酸塩濃度の低下を示す形質転換植物の製造に使用することのできる、一連の遺伝的構築物を開発した。
従って、本発明の第一の側面によれば、硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドをコードするコード配列に動作可能に連結するプロモーターを含む遺伝的構築物であって、前記プロモーターがカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターでない遺伝的構築物が提供される。
実施例で説明するように、特に、葉で硝酸塩濃度の低下を示す植物を開発する目的で、本発明者らは植物における窒素の再移動を調査した。本発明者らは、硝酸塩輸送体タンパク質をコードする遺伝子がプロモーターの制御下に配置され、前記プロモーターが構成的プロモーター又は組織特異的プロモーター等のCAMV35Sプロモーターでない、多数の遺伝的構築物を調製した。その結果、本発明者らは、これらの構築物の態様で種々のタバコ種を形質転換し、温室で成長した硝酸塩輸送体を過剰発現する系において、植物が成長し、花芽形成を開始するにつれ、おそらく、葉がシンクからソース組織に変換するにつれ、開花期に近くなると主茎は茶/黒に着色することを観察した。本発明者らは、以前に、過剰の尿素を産生する植物でこの表現型を観察した。更に、本発明者らは植物の下部の葉は、後に低い硝酸塩含有量を有することを示す退緑斑点(すなわち、不十分なクロロフィルによる青いパッチ)の成長を開始したことも示した。
従って、本発明者らは、図10〜20に示すように、形質転換植物中のタバコに特異的なニトロソアミン(TSNAs);すなわち、4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)、N−ニトロソノルニコチン(NNN)及びN−ニトロソアナタビン(NAT)の濃度を測定し、前記遺伝的構築物による硝酸塩輸送体の過剰発現により、植物の葉の硝酸塩濃度、それ故、TSNA濃度がかなり低下することが観察されたことに驚いた。硝酸塩輸送体についての以前の研究は、その後に硝酸塩が貯蔵されている植物の液胞に輸送される根からの硝酸塩の吸収の増加を引き起こすことを示唆した。しかし、これらの実験の結果として、本発明者らは、意外にも、硝酸塩輸送体をコードする本発明の構築物が、液胞からの内部硝酸塩の遊離を引き起こし、その結果、以前考えたような葉に向かうのではなく、葉からの窒素の再移動の割合を増大さでる可能性があることを見いだした。本発明者らは、窒素が硝酸塩の形態で、葉から植物の若い部分、例えば植物の種子及び若い新芽に移動するという仮説をたてた。
前記プロモーターは、RNAポリメラーゼの硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドをコードするコード配列への結合を誘導し、転写を開始し得る。本発明の構築物中の前記プロモーターは、構成的、非構成的、組織特異的、発生学的に調節された、又は誘導性/抑制性プロモーターであってもよい。
遺伝子は全ての細胞型で同一レベルに発現されない場合があるが、構成的プロモーターは植物成長の際に連続的に植物の種々の器官を通して遺伝子の発現を指示する。公知の構成的プロモーターの例には、ライスアクチン1遺伝子(Zhangら、1991,Plant Cell,3,1155−65)及びトウモロコシユビキチン1遺伝子(Cornejoら、1993,Plant Molec.Biol.,23,567−581)と関連するものが含まれる。本発明においては、カーネーションエッチドリングウイルス(CERV)プロモーター(Hullら、1986,EMBO J.,5,3083−3090)等の構成的プロモーターが特に好ましい。
組織特異的プロモーターは、通常は植物器官の寿命を通じて、植物の1つ(又はいくつか)の器官での遺伝子発現を指示するものである。組織特異的プロモーターのカテゴリーには、その特異性が絶対的でないものも含まれる。すなわち、それらは好ましい組織以外の組織で低いレベルの発現をも指示する場合がある。当該技術分野で公知の組織特異的プロモーターの例には、ジャガイモ塊茎で発現するパタチン遺伝子に関連するもの、コムギ、オオムギ又はトウモロコシ胚乳で発現する高分子量グルテニン遺伝子が含まれる。
発生学的に調節されたプロモーターは、植物の成長の際の特定の時期、例えば老化の際に、植物の1以上の器官で遺伝子発現の変化を指示する。前記遺伝子は、他の時期に植物の器官で種々の(通常は低い)レベルで発現する場合があり、他の植物器官でも発現する場合がある。
誘導性プロモーターは、インデューサーと反応して遺伝子の発現を指示し得る。インデューサーが存在しない場合、前記遺伝子は発現しない。インデューサーは、プロモーター配列に直接作用する場合があり、又はリプレッサー分子の影響に拮抗することにより作用する場合がある。代謝産物、タンパク質、成長調整物質若しくは有害物質等の化学物質、熱、損傷、又は浸透圧等の生理的ストレス、又は病原体若しくは疾病の作用の間接的結果であってもよい。発生学的に調節されたプロモーターは、植物によって生産された内因性インデューサー、又は植物のライフサイクルの特定の時点での環境刺激に反応する特定のタイプの誘導性プロモーターとしても説明することができる。公知の誘導性プロモーターの例には、障害反応、温度応答、及び化学的誘発に関連するものが含まれる。
前記プロモーターは、動物、植物、菌類、細菌及びウイルスを含む種々の供給源から得ることができ、種々のプロモーターは、種々の組織で種々の性能をもって機能し得る。プロモーターは、合成的に構築してもよい。従って、適切なプロモーターの例には、カーネーションエッチドリングウイルス(CERV)プロモーター、エンドウ豆プラストシアニンプロモーター、ルビスコプロモーター、ノパリンシンターゼプロモーター、クロロフィルa/b結合プロモーター、高分子量グルテニンプロモーター、α,β−グリアジンプロモーター、ホルデインプロモーター、パタチンプロモーター、又は配列特異的プロモーターが含まれる。例えば、適切な配列特異的プロモーターは老化関連遺伝子(SAG)に由来するものであってもよく、SAG12、SAG13、SAG101、SAG21及びSAG18からなる群から選択することができる。
好ましくは、前記プロモーターは、CERVプロモーター又はエンドウ豆プラストシアニンプロモーターのいずれかである。
従って、本発明の第二の側面によれば、硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドをコードするコード配列と動作可能に連結するカーネーションエッチドリングウイルス(CERV)プロモーター又はエンドウ豆プラストシアニンプロモーターのいずれかを含む遺伝的構築物が提供される。
一態様においては、前記プロモーターは、当業者に公知である、カーネーションエッチドリングウイルス(CERV)プロモーター、又はその機能的変異体若しくは断片であってもよい(Hullら、EMBO J.,5,3083−3090)。CERVプロモーターをコードするDNA配列は232塩基対の長さであり、本明細書では、以下の通り配列番号1と呼ぶ:
(配列番号1)
AGCTTGCATGCCTGCAGGTCGAGCTTTTAGGATTCCATAGTGATAAGATATGTTCTTATCTAAACAAAAAAGCAGCGTCGGCAAACCATACAGCTGTCCACAAAAAGGAAAGGCTGTAATAACAAGCGGACCCAGCTTCTCAGTGGAAGATACTTTATCAGACACTGAATAATGGATGGACCCTACCACGATTAAAGAGGAGCGTCTGTCTAAAGTAAAGTAGAGCGTCTTT
従って、本発明の構築物における前記プロモーターは、実質的に配列番号1で示されるヌクレオチド配列、又はその機能的変異体若しくは機能的断片を含んでいてもよい。CERVプロモーターは、カリオウイルス(cauliovirus)、又はカリオウイルスの形跡を示すDianthus caryophyllus(すなわち、カーネーション)等の植物種から得ることができる。前記プロモーターがCERVプロモーターである態様においては、当然のことながらこのプロモーターは、配列番号1の塩基1〜232のそれぞれを含む。しかし、前記プロモーターの機能的変異体又は機能的断片も、本発明の遺伝的構築物において用いることができる。
「プロモーターの機能的変異体又は機能的断片」は、そこに動作可能に連結した任意のコード領域の発現を開始するのに十分機能的である、プロモーターの誘導体又は一部であってもよい。例えば、前記プロモーターがCERVプロモーターをベースとする態様においては、当業者は、なお構築物中で遺伝子発現を開始するように、配列番号1を修飾することができ、又はCERVプロモーターの一部のみを必要とする場合があることを認識するであろう。
前記プロモーターの機能的変異体及び機能的断片は、転写酵素が推定上のプロモーター領域と結合し、硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチド内のコード領域の転写をもたらすか否かを評価することにより、容易に特定することができる。また、このような機能的変異体及び断片がコード領域と関連づけられている場合、プロモーターに突然変異生成を実施し、遺伝子発現が起こるか否かを評価することによって調べることができる。
他の態様においては、前記プロモーターは当業者に公知であるエンドウ豆プラストシアニンプロモーター、又はその機能的変異体若しくは断片であってもよい(Helliwell and Gray,1995,Plant Mol.Biol.29(3):621−626)。エンドウ豆プラストシアニンプロモーターをコードするDNA配列は783塩基対の長さであり、本明細書では、以下の通り配列番号2と呼ぶ:
(配列番号2)
TATGCAACTTACAACGTGCACTCGCGGAGGATTGGACGTGTGCAACTTACAACGTACGCATTGTTCGTTCATACAATAGTGTAGAATTGGACATGTGCAACTTACAACATGTGCAACTTACAACGTGCGCTCGCGGAGGAATGTGAAGTTGAACACGTACAACTTACGTCATTTGTGCATGCAGAAGCATAGAGCTGAGCACACAATTCATAATTTGAAGGACACATGATTTGCTATAAAGAACTCTTTAGAAGTACCACAACTTTGACTGAGTTTGATATAGCTAATAAAGATGGAGCTCATTATAATTTGAATGGCATAATCAAGCTAAACGAACAAGCTTAGTTAATCATGTTAAACAACAATTCTTTGTAATAATAAATTGTCTTTCAACTAGTCCAAGTTTATGAGTTGATTCTTCGGAATAAATTAGAAAATATCTTAGATTTTATACTTCATTGATTATTTCATAGAGCAAGTAGGAGAAATAAAAATATACTAGTATTATTTACTAAAAAAAATCTAAGCCACGTCGGAGGATAACATCCAACCCAGCCAATCACAGCAATGTTCATCAGATAACCCACTTTAAGCCCACGCACTCTGTGGCACATCTACATTATCTAAATCACATATTCTTCCACACATCTTAGCCACACAAAAACCCAATCCACATCTTTATCATCCATTCTATAAAAAATCACCTTCTGTGTGTCTCTCTTTCGATTCCCTTCAAACACATACAAATTCAGTAGAGAAGAAACTCATTACTCTTGAGAAAAA
従って、本発明の構築物における前記プロモーターは、実質的に配列番号2で示されるヌクレオチド配列、又はその機能的変異体若しくは機能的断片を含んでいてもよい。エンドウ豆プラストシアニンプロモーターは、Pisum sativum(すなわち、エンドウ豆)等のエンドウ属から得ることができる。
本発明の第1又は第2の側面の構築物における硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドは、植物等の適切な任意の供給源から得ることができる。硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドをコードするコード配列は、例えばシロイヌナズナ属種、イネ属種、ポプラ属種又はタバコ属種等の適切な植物原料から得ることができる。前記コード配列は、シロイヌナズナ、コメ、ヨーロッパヤマナラシ又はタバコから得ることができる。
構築体中のコード配列は、シロイヌナズナの硝酸塩輸送体、AtNRT 2.7(Orselら、Plant Physiology,2002,129,886−896に開示されている)をコードし得る。AtNRT 2.7のゲノムDNAは、エクソン1(298ヌクレオチド長)とエクソン2(1184塩基長)の間に位置する1個のイントロン(78ヌクレオチド長)を含んでいる。シロイヌナズナの硝酸塩輸送体の一態様をコードするゲノムDNA配列(イントロンとエクソンを含む)は本明細書において、以下の通り配列番号3として提供される:
(配列番号3)
ATGGAGCCATCTCAACGCAACACCAAACCGCCGTCGTTTTCAGATTCCACTATCCCGGTTGATTCCGATGGTCGAGCCACCGTCTTCCGACCATTCTCTCTCTCCTCGCCACACTCACGAGCCTTTCACCTAGCTTGGCTCTCACTCTTCTCATGCTTCTTCTCCACCTTCTCCATCCCTCCTCTGGTCCCCGTCATCTCCTCCGACCTCAACCTCTCTGCCTCCACCGTATCCGCCGCCGGAATCGCTTCCTTCGCTGGCTCCATCTTCTCTCGCCTCGCTATGGGACCACTCTGTGATCTCATCGGACCACGTACTTCCTCAGCGATTCTCTCTTTTCTCACCGCTCCTGTAATCCTCTCCGCCTCACTCGTCTCCTCTCCGACGTCCTTCATCCTCGTCCGTTTCTTCGTCGGCTTCTCGCTCGCTAATTTCGTAGCCAATCAATACTGGATGTCCTCCATGTTCTCCGGTAACGTCATTGGTCTCGCTAACGGTGTCTCAGCCGGTTGGGCTAACGTCGGCGCCGGTATCTCTCAGCTCCTTATGCCTCTCATATACTCCACCATAGCCGAATTCCTTCCACGCGCCGTCGCCTGGCGCGTGTCCTTCGTATTTCCCGCCATTTTTCAGGTTACAACGGCCGTCCTCGTTCTCCTCTACGGCCAAGATACTCCCCACGGTAACAGAAAAAACTCGAACCAGAACAAACTCACAATTCCTGAAGAAGAAGAAGTACTAGTAGTTGAAGAAGACGAACGTTCCAGTTTCGTCGAGATCCTAATCGGCGGACTTGGAAATTACAGAGCGTGGATCTTAGCGCTGCTCTACGGATACTCGTACGGCGTCGAGCTAACGACGGACAACGTGATCGCCGGATATTTCTACGAGAGATTTGGAGTGAATCTGGAGGCGGCGGGGACGATCGCGGCGAGTTTCGGGATATCGAACATTGCGTCGCGACCGGCGGGAGGGATGATATCGGATGCGCTGGGGAAGAGATTCGGTATGAGAGGGAGGCTGTGGGGGCTATGGATCGTGCAATCGGTGGCTGGGTTGTTGTGCGTGTTACTCGGACGAGTCAACTCGCTCTGGGGATCAATCCTCGTCATGTGGGTCTTCTCTGTTTTCGTTCAAGCTGCTTCTGGCCTTGTATTTGGCGTGGTCCCTTTCGTCTCCACGCGGTTAGTTTAAAGTCTACCAATCCGGTTTTTGCTAATAATTTCGGTTTGGTTTTAATTTGGTTTTGTTTATAATGACAGATCGTTAGGAGTGGTGGCGGGAATTACGGGAAGCGGCGGTACGGTTGGTGCGGTGGTGACGCAGTTTCTGTTGTTTTCCGGTGATGATGTTCGAAAACAGAGAAGCATTTCACTTATGGGTTTGATGACTTTTGTGTTTGCTCTTTCTGTTACATCAATTTACTTTCCACAATGGGGTGGAATGTGTTGTGGGCCTTCGTCATCTTCCGAAGAAGAAGATATTTCTCGGGGACTCCTTGTAGAAGACGAAGATGAAGAAGGTAAAGTGGTTAGTGGTAGTCTACGTCCCGTTTGTTGA
シロイヌナズナの硝酸塩輸送体をコードするcDNA(エクソンのみ)は本明細書において、以下の通り配列番号4として提供される:
(配列番号4)
ATGGAGCCATCTCAACGCAACACCAAACCGCCGTCGTTTTCAGATTCCACTATCCCGGTTGATTCCGATGGTCGAGCCACCGTCTTCCGACCATTCTCTCTCTCCTCGCCACACTCACGAGCCTTTCACCTAGCTTGGCTCTCACTCTTCTCATGCTTCTTCTCCACCTTCTCCATCCCTCCTCTGGTCCCCGTCATCTCCTCCGACCTCAACCTCTCTGCCTCCACCGTATCCGCCGCCGGAATCGCTTCCTTCGCTGGCTCCATCTTCTCTCGCCTCGCTATGGGACCACTCTGTGATCTCATCGGACCACGTACTTCCTCAGCGATTCTCTCTTTTCTCACCGCTCCTGTAATCCTCTCCGCCTCACTCGTCTCCTCTCCGACGTCCTTCATCCTCGTCCGTTTCTTCGTCGGCTTCTCGCTCGCTAATTTCGTAGCCAATCAATACTGGATGTCCTCCATGTTCTCCGGTAACGTCATTGGTCTCGCTAACGGTGTCTCAGCCGGTTGGGCTAACGTCGGCGCCGGTATCTCTCAGCTCCTTATGCCTCTCATATACTCCACCATAGCCGAATTCCTTCCACGCGCCGTCGCCTGGCGCGTGTCCTTCGTATTTCCCGCCATTTTTCAGGTTACAACGGCCGTCCTCGTTCTCCTCTACGGCCAAGATACTCCCCACGGTAACAGAAAAAACTCGAACCAGAACAAACTCACAATTCCTGAAGAAGAAGAAGTACTAGTAGTTGAAGAAGACGAACGTTCCAGTTTCGTCGAGATCCTAATCGGCGGACTTGGAAATTACAGAGCGTGGATCTTAGCGCTGCTCTACGGATACTCGTACGGCGTCGAGCTAACGACGGACAACGTGATCGCCGGATATTTCTACGAGAGATTTGGAGTGAATCTGGAGGCGGCGGGGACGATCGCGGCGAGTTTCGGGATATCGAACATTGCGTCGCGACCGGCGGGAGGGATGATATCGGATGCGCTGGGGAAGAGATTCGGTATGAGAGGGAGGCTGTGGGGGCTATGGATCGTGCAATCGGTGGCTGGGTTGTTGTGCGTGTTACTCGGACGAGTCAACTCGCTCTGGGGATCAATCCTCGTCATGTGGGTCTTCTCTGTTTTCGTTCAAGCTGCTTCTGGCCTTGTATTTGGCGTGGTCCCTTTCGTCTCCACGCGGTCGTTAGGAGTGGTGGCGGGAATTACGGGAAGCGGCGGTACGGTTGGTGCGGTGGTGACGCAGTTTCTGTTGTTTTCCGGTGATGATGTTCGAAAACAGAGAAGCATTTCACTTATGGGTTTGATGACTTTTGTGTTTGCTCTTTCTGTTACATCAATTTACTTTCCACAATGGGGTGGAATGTGTTGTGGGCCTTCGTCATCTTCCGAAGAAGAAGATATTTCTCGGGGACTCCTTGTAGAAGACGAAGATGAAGAAGGTAAAGTGGTTAGTGGTAGTCTACGTCCCGTTTGTTGA
従って、硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドをコードするコード配列は、実質的に配列番号3若しくは配列番号4で示される核酸配列、又はその機能的変異体若しくは断片を含んでいてもよい。本発明者らは、前記イントロンが前記構築物のインビボでの安定性を上昇させ得ると考えている。それ故、前記構築物は、配列番号4、すなわちシロイヌナズナの硝酸塩輸送体をコードするcDNAを含んでいてもよい。
シロイヌナズナの硝酸塩輸送体のポリペプチド配列は本明細書において、以下の通り配列番号5として提供される:
(配列番号5)
MEPSQRNTKPPSFSDSTIPVDSDGRATVFRPFSLSSPHSRAFHLAWLSLFSCFFSTFSIPPLVPVISSDLNLSASTVSAAGIASFAGSIFSRLAMGPLCDLIGPRTSSAILSFLTAPVILSASLVSSPTSFILVRFFVGFSLANFVANQYWMSSMFSGNVIGLANGVSAGWANVGAGISQLLMPLIYSTIAEFLPRAVAWRVSFVFPAIFQVTTAVLVLLYGQDTPHGNRKNSNQNKLTIPEEEEVLVVEEDERSSFVEILIGGLGNYRAWILALLYGYSYGVELTTDNVIAGYFYERFGVNLEAAGTIAASFGISNIASRPAGGMISDALGKRFGMRGRLWGLWIVQSVAGLLCVLLGRVNSLWGSILVMWVFSVFVQAASGLVFGVVPFVSTRSLGVVAGITGSGGTVGAVVTQFLLFSGDDVRKQRSISLMGLMTFVFALSVTSIYFPQWGGMCCGPSSSSEEEDISRGLLVEDEDEEGKVVSGSLRPVC
従って、硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドは、実質的に配列番号5で示されるアミノ酸配列、又はその機能的変異体若しくは断片を含んでいてもよい。
本発明者らは、CERVプロモーター又はエンドウ豆プラストシアニンプロモーターを用いてシロイヌナズナ由来の硝酸塩輸送体タンパク質(NRT2.7)を発現させる構築物を開発した。このタンパク質は、硝酸塩を液胞に輸送させることに関与していることが示唆されており、以前は潜在的に硝酸塩の捕捉に関与すると考えられていた。しかし、決定的な証拠はなかった。シロイヌナズナのATNRT2.7遺伝子を過剰発現させると、形質転換植物において、特に開花の開始の際に強い表現型を示す。本発明者らは、本発明の構築物を用いたATNRT2.7の過剰発現により、葉の硝酸塩含有量を相当に下げることができ、従って、本発明の構築物で形質転換した植物中のTSNA濃度を都合よく下げることができることを見いだした。
前記構築物は、本発明の構築物で形質転換された植物中の硝酸塩濃度を、野生型植物(すなわち、本発明の構築物で形質転換されていない植物)の硝酸塩の濃度と比較し、少なくとも5%、10%、15%、18%、20%、32%、35%、38%、40%、50%、60%又は63%(図2、6及び8に示すように)下げることができる。
前記構築物は、前記構築物で形質転換された植物中の4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)の濃度を、野生型植物のNNK濃度と比較し、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、61%、62%、65%、69%、71%又は75%(図10〜15に示すように)下げることができる。
前記構築物は、前記構築物で形質転換された植物中のN−ニトロソノルニコチン(NNN)の濃度を、野生型植物のNNN濃度と比較し、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、71%、75%、78%、80%、82%、84%、85%、88%、90%又は94%(図10〜15に示すように)下げることができる。
前記構築物は、前記構築物で形質転換された植物中のN−ニトロソアナタビン(NAT)の濃度を、野生型植物のNAT濃度と比較し、少なくとも5%、6%、10%、20%、23%、24%、30%、40%、46%、45%、48%、50%、60%、70%、80%又は85%(図10〜15に示すように)下げることができる。
前記構築物は、前記構築物で形質転換された植物中のタバコに特異的なニトロソアミン(TSNA)の総濃度を、野生型植物のTSNA総濃度と比較し、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、56%、60%、64%、65%、70%又は75%(図18〜20に示すように)下げることができる。
好ましくは、前記構築物は、T0、T1及び/又はT2植物群の植物由来の葉又は茎中の硝酸塩、NNK、NNN、NAT及び総TSNAを含む化合物の群から選択される化合物のいずれかの濃度を下げることができる。前記構築物は、植物の下部、中間部又は上部に位置する葉の中の前記化合物のいずれかの濃度を下げることができる。「下部」は、植物の下3分の1を意味し、「上部」は植物の上3分の1を意味し、「中間部」は、前記下部及び上部の間の植物の中央の3分の1を意味する。
図24に示すように、PPC−AtNrt2.7を有している植物の葉の中央部のNNK濃度は検出限界未満であった。従って、前記構築物は、植物の中間部に位置する葉の中のNNKの濃度を下げることができる。
本発明の遺伝的構築物は、宿主細胞内で硝酸塩輸送体をコードするコード配列の発現に適している発現カセットの形態であってもよい。本発明の遺伝的構築物は、ベクターに組み込むことなく宿主細胞内に取り込むことができる。例えば、核酸分子であってもよい前記遺伝的構築物を、リポソーム又はウイルス粒子内に取り込んでもよい。また、精製した核酸分子(例えば、ヒストンを含まないDNA又は裸のDNA)を、適切な手段、例えばエンドサイトーシスによる取り込みにより、宿主細胞に直接挿入することができる。前記遺伝的構築物は、形質移入、感染、マイクロインジェクション、細胞融合、原形質融合又は遺伝子銃照射によって、宿主被験者(例えば、植物)の細胞に直接導入することができる。また、本発明の遺伝的構築物は、パーティクルガン法を用いて宿主細胞に直接導入することができる。また、前記遺伝的構築物は、例えば適切な宿主細胞内での発現のためにベクター内に保持される場合がある。
従って、第3の側面では、第1又は第2の側面の遺伝的構築物を含む組換えベクターが提供される。
前記組換えベクターは、プラスミド、コスミド又はファージファージであってもよい。このような組換えベクターは、宿主細胞を本発明の遺伝的構築物で形質転換するのに、また宿主細胞中で発現カセットを複製するのに非常に有用である。当業者であれば、本発明の遺伝的構築物を、発現させるための多くのタイプのバックボーンベクターと結合することができることを理解しているであろう。前記バックボーンベクターは、例えば、大腸菌及びアグロバクテリウムツメファシエンスの両方で複製することのできるバイナリーベクターであってもよい。例えば、適切なベクターは、pBIN19 (Bevan M.,1984,Nucleic Acids Research 12:8711−21)等のpBINベクターであってもよい。
組換えベクターは、プロモーター(例えば、CERV又はエンドウ豆プラストシアニンプロモーター)及び硝酸塩輸送体をコードするコード配列に加え、別の種々の機能要素を含んでいてもよい。例えば、前記組換えベクターは、宿主細胞の細胞質ゾル中で自発的に複製するように設計することができる。このケースにおいては、前記組換えベクター中にDNA複製を誘導又は調節する要素が必要な場合がある。また、前記組換えベクターは、宿主細胞のゲノム中で一体化するように設計することができる。このケースにおいては、標的組み込み(例えば、相同的組換え)に好都合なDNA配列が想定される。
前記組換えベクターは、クローニング過程で選択的マーカーとして用いることのできる遺伝子、すなわち、形質移入又は形質転換された細胞の選択を可能にし、異種DNAが組み込まれたベクターを有している細胞の選択を可能にする遺伝子をコードするDNAを含んでいてもよい。前記ベクターは、更にコード配列の発現の制御、又は宿主細胞の特定の器官、例えば葉緑体に発現されたポリペプチドを標的とするために関与するDNAを含んでいてもよい。従って、第3の側面のベクターは、選択的マーカー遺伝子(例えば、抗生物質耐性遺伝子);ポリペプチド終始コドン;及びタンパク質標的配列(例えば、葉緑体輸送ペプチド)からなる群から選択される少なくとも1つの追加の要素を含んでいてもよい。
適切なマーカー遺伝子には、抗生物質耐性遺伝子、例えば、カナマイシン、ジェネティシン(G418)及びハイグロマイシン(npt−II、hyg−B)に対する耐性を付与するもの等;除草剤耐性遺伝子、例えば、除草剤に基づくホスフィノトリシン及びスルホンアミドに対する耐性を付与するもの(bar及びsuI、それぞれ、欧州特許出願公開第242246号A、欧州特許出願公開第0249637号A);並びにスクリーニング可能なマーカー、例えば、ベータ−グルクロニダーゼ(英国特許第2197653号)、ルシフェラーゼ及び緑色蛍光タンパク質(GFP)が含まれる。前記マーカー遺伝子は、細胞(種であってもなくてもよい)内での発現を可能にし、その結果、植物の成長のいずれの段階であっても、マーカーを含む細胞又は組織の選択を可能にする第2のプロモーターにより制御されてもよい。適切な第2のプロモーターは、アグロバクテリウムのノパリンシンターゼ遺伝子のプロモーター、及び35Sカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)転写産物をコードする遺伝子に由来するプロモーターである。しかし、適切な別の第2のプロモーターを使用してもよい。
本発明の遺伝的構築物の種々の態様は、以下に要約する実施例に説明するクローニング手順を用いて調製することができる。硝酸塩輸送体をコードする遺伝子のゲノム又はcDNAバージョンは、例えば配列番号6及び7等の適切なプライマーを用いるPCRによりゲノム又はcDNA鋳型から増幅することができる。その後、PCR産物はアガロースゲル電気泳動を用いて調べることができる。次いで、前記PCR産物をクローニングに適したベクター、例えばpCR4 Blunt−TOPOベクター(Invitrogen)に結合することができる。前記PCR産物を保持するベクターを適切な宿主、例えば大腸菌内で成長させることができる。次いで、大腸菌のコロニーを、適切なプライマーを用いるPCRによりスクリーニングすることができ、正しい制限酵素消化パターンを示すプラスミド内の挿入物は、適切なプライマーを用いて配列決定することができる。
TOPO−cDNA(AtNRT2.7)又はTOPOゲノムDNA(AtNRT2.7)を保持している大腸菌のコロニーを培養して適当量の各プラスミドを産生することができ、その後、これを精製してもよい。次いで、プラスミドを消化し、AtNRT2.7をコードするDNA断片を放出した後、適切なプロモーターを保持しているベクター、例えばCERV又はエンドウ豆プラストシアニン(PPC)プロモーター、pBNPプラスミド(van Engelenら、1995,Transgenic Research,4:288−290)にクローニングすることができる。
得られたAtNRT2.7構築物を、BNP−036AtNRT2.7001(エンドウ豆プラストシアニンプロモーターを含む)及びCRVAtNRT2.7(CERVプロモーターを含む)と命名した。第3の側面のベクターの態様は、実質的に図5a及び5bに示すことができる。
これらの意外な結果を考慮し、本発明者らは、形質転換植物内での外来硝酸塩輸送体の発現を用いて植物の葉の中の硝酸塩濃度を下げる方法を最初に開発したと考えている。
従って、第4の側面においては、試験植物の葉の硝酸塩濃度を、同一条件で栽培した野生型植物の葉の対応する硝酸塩の濃度よりも低濃度に下げる方法であって、試験植物の植物代謝を変化させ、植物の葉の硝酸塩輸送体の濃度を上昇させることを含む方法が提供される。
本発明の第5の側面においては、下記工程を含む、同一条件で栽培した、対応する野生型植物よりも高い割合で硝酸塩を葉の外に輸送する形質転換植物を製造する方法が提供される:
(i)第1又は第2の側面の遺伝的構築物、又は第3の側面のベクターで植物細胞を形質転換する工程;及び
(ii)該形質転換細胞から植物を再生する工程。
第6の側面においては、修飾されていない植物に、硝酸塩輸送体をコードする外来遺伝子を導入することを含む、形質転換植物を製造する方法であって、該外来遺伝子によりコードされる硝酸塩輸送体の発現により、修飾されていない植物の葉の硝酸塩濃度と比較して、形質転換植物の葉の硝酸塩濃度を下げる方法が提供される。
第7の側面においては、第1又は第2の側面の遺伝的構築物、又は第3の側面のベクターを含有する形質転換植物が提供される。
第8の側面においては、硝酸塩輸送体をコードする外来遺伝子を含有する形質転換植物であって、該形質転換植物の葉の硝酸塩濃度が、修飾されていない植物の葉の硝酸塩濃度と比較して低い、形質転換植物が提供される。
第9の側面においては、外来核酸配列を用いた植物の形質転換により、植物の葉の硝酸塩濃度を下げるための、硝酸塩輸送体をコードする外来核酸配列の使用が提供される。
実施例6で説明するように、本発明者らは、本発明の構築物で形質転換した、硝酸塩輸送体過剰発現系において、硝酸塩濃度が下がることを示すのと同様に、植物が退緑斑点も成長させることを観察した。これらの斑点は、単に硝酸塩濃度が下がることによって起こる単なる「黄変」よりもはるかに多いように思われ、実際には葉の老化に類似している。従って、本発明者らは、タバコ中のAtNRT2.7の形質転換発現(構成的プロモーターを用いる)がタバコの葉の中の老化表現型を誘導し得ることを証明した。意外にも、老化誘導は、硝酸塩(すなわち、10mM NO)に特異的であり、アンモニウム(10mM NH)又はより低濃度では観察されなかった。従って、これらの結果は、AtNRT2.7が葉の硝酸塩濃度を下げることができるだけでなく、老化様表現型を引き起こすか早めることができることを示している。仮説に拘束されることを望まないが、本発明者らは硝酸塩濃度が下がったことの結果として、老化の開始に液胞が重要な役割を果たし得る(例えば、タバコにおいて)と考えている。従って、本発明者らは、本発明の構築物を、時期を早めて植物の老化又は老化様表現型を誘導するために用いることができると考えている。明らかに、タバコ等の特定の植物種においては、老化の誘導又は加速は、例えば喫煙したタバコの葉の香りを向上させるのに好都合である。
従って、第10の側面においては、外来核酸配列を用いた植物の形質転換により、試験植物の老化又は老化様表現型を誘導するための、硝酸塩輸送体をコードする外来核酸配列の使用が提供される。
葉の老化は、細胞死の前に細胞が明確な代謝及び構造変化を受ける期間の植物生長の段階である。生理学的及び遺伝的研究では、老化が高度に調節された過程であることが示されている。葉の老化の進行は、葉緑体の分解に起因するクロロフィルの損失と、その後に起こる黄変により明瞭に示される。この成長段階の特徴である葉のクロロフィルの減少は、例えば溶媒抽出及び分光光度測定、又はクロロフィル成分計により測定することができる。好ましくは一定条件下で成長した同じ植物について記録しておいた以前の葉のクロロフィルレベルと比較し、葉のクロロフィル濃度が下がっていることは、老化又は老化様表現型であることを示す。
分子的研究では、老化が遺伝子発現の変化と関連することが示されている。光合成に関与するタンパク質をコードするmRNAのレベルは老化の際に減少するが、老化に関与すると思われるタンパク質をコードする遺伝子のmRNAレベルは上昇することを示している。老化は、老化関連遺伝子(SAGs)として知られている遺伝子により調節される非常に系統だった過程である。葉の老化は、タンパク質、核酸及び膜の分解、それに続く、この分解に由来する栄養素の植物の他の器官(例えば、成長中の種子、葉又は貯蔵器官)への輸送を必要とする。従って、これらの特徴のいずれかを所定の方法を用いて測定し、老化又は老化様表現型が時期尚早に誘導されたかを判定することができる。
「修飾されていない植物」という用語は、外来遺伝子又は本発明の構築物で形質転換する前の植物を意味する。従って、修飾されていない植物は野生型植物であってもよい。
「外来遺伝子」という用語は、修飾されていない植物に形質転換される遺伝子が外部に由来する遺伝子、すなわち異なる種から1つの種に形質転換される遺伝子を意味する。前記外来遺伝子は、修飾されていない植物の硝酸塩輸送体をコードする内在性遺伝子と実質的に同一又は異なる核酸配列を有していてもよい。前記外来遺伝子は、シロイヌナズナNRT2.7遺伝子等の任意の種に由来する硝酸塩輸送体をコードするゲノム又はcDNA配列に由来してもよい。外来遺伝子は、それ自体で第1又は第2の側面による遺伝的構築物を構成することのできるキメラ遺伝子に由来してもよい。前記外来遺伝子は、実質的に配列番号5で示されるアミノ酸配列、又はその機能的変異体若しくは機能的断片を有する硝酸塩輸送体をコードし得る。前記外来遺伝子は、実質的に配列番号3若しくは4のいずれかで示されるヌクレオチド配列、又はその機能的変異体若しくは断片を含んでいてもよい。
植物の葉の硝酸塩のレベルを測定する方法を実施例で説明する。本発明の方法及び使用は、試験植物細胞又は修飾されていない植物細胞を、第1若しくは第2の側面の遺伝的構築物、第3の側面のベクター、又は本明細書に記載された外来遺伝子で形質転換することを含む。
従って、第11の側面においては、第1若しくは第2の側面の遺伝的構築物、又は第3の側面の組換えベクターを含む宿主細胞が提供される。
前記細胞は植物細胞であってもよい。前記細胞は、公知の方法を用い、本発明の遺伝的構築物、ベクター又は外来遺伝子で形質転換されていてもよい。前記遺伝的構築物を宿主細胞に導入するための適切な手段には、例えば、欧州特許出願公開第0116718号A及び第0270822号Aに開示されたような、当該技術分野で公知の方法により、アグロバクテリウムにより輸送される無力化されたTi−プラスミドベクターの使用が含まれる。更なる方法は、最初に細胞壁を除去して核酸を取り込んだ後、細胞壁を再形成することを含む、植物プロトプラストの形質転換であってもよい。次いで、形質転換細胞を植物に成長させる。
好ましくは、また好都合には、本発明の方法及び使用は、生成された試験又は形質転換植物の健康又は適応度に支障をきたさない。本発明者らは、植物宿主細胞内での硝酸塩輸送体(例えば、AtNRT2.7)の過剰発現が、植物の葉からの硝酸塩輸送体を、好ましくは植物細胞の液胞の外に誘導するのに効果的であることに気づいた。従って、本発明の方法及び使用は、硝酸輸送体が過剰発現するように、前記試験植物を本発明の1以上の構築体で形質転換することを含む。
本発明の形質転換植物又は試験植物には、アブラナ属等のアブラナ科の植物を含まれる。前記植物はセイヨウアブラナ(菜種)であってもよい。形質転換植物又は試験植物の更なる例には、コムギ連等のイネ目の植物が含まれる。前記植物はコムギ属(コムギ)であってもよい。コムギ中の種子タンパク質含有量が増大すると、コムギを含む食品、例えばパンの容積が増大する。
本発明の適切な形質転換植物又は試験植物の更なる例には、ナス科の植物、例えば、チョウセン朝顔、ナスビ、マンドレイク、セイヨウハシリドコロ(ベラドンナ)、唐辛子(パプリカ、チリペッパー)、ジャガイモ又はタバコが含まれる。適切なナス属の植物の一例はタバコである。タバコの適切な種は、タバコ植物、又は単にタバコと呼ばれる。
タバコは、以下のように、本発明の構築物、ベクター及び外来遺伝子で形質転換することができる。
タバコは、本質的にHorschら(Science 227:1229−1231,1985)に開示されている通り、リーフディスク共栽培法を用いて形質転換する。最も若い伸長する2枚の葉は、発芽7週間のタバコ植物から得ることができ、Domestos(商標)の8%溶液で10分間表面殺菌し、滅菌蒸留水で6回洗浄してもよい。リーフディスクを、6番のコルクボーラーを用いて切断し、(本発明の)適切なバイナリーベクターを含むアグロバクテリウム懸濁液内に約2分間置く。前記ディスクは、滅菌ろ紙の2枚のシートの間にそっとブロットする。10枚のディスクを、LS+3%ショ糖+2μM BAP+0.2μM NAAを含むプレートに載せ、培養室内で2日間インキュベートする。ディスクを、500g/Lのクラフォランと100g/Lのカナマイシンを添加した、LS+3%ショ糖+2μM BAP+0.2μM NAAを含むプレートに移す。前記ディスクを、2週間後に前記培地の新しいプレートに移す。更に2週間後、前記リーフディスクを、500mg/Lのクラフォランと100mg/Lのカナマイシンを追加した、LS+3%ショ糖+0.5μM BAPを含むプレートに移す。前記リーフディスクを、2週間毎に新鮮な培地に移す。新芽が現れたら、それらを切除し、500mg/Lのクラフォランを追加した、LS+3%ショ糖を含む瓶に移す。約4週間後、瓶の中の新芽を、LS+3%ショ糖+250mg/Lのクラフォランに移す。更に3〜4週間後、植物を、LS+3%ショ糖(抗生物質を含まない)に移し、植え付ける。植物がいったん根付いたら、温室内の土壌に移してもよい。
第12の側面においては、第7又は第8の側面の形質転換植物から得られる植物繁殖産物が提供される。
「植物繁殖産物」は、更に植物を生産することができる植物から得られるあらゆる植物であってもよい。好適には、前記植物繁殖産物は種子であってもよい。前記植物繁殖産物は、好ましくは本発明の構築物若しくはベクター、又は外来遺伝子を含んでいてもよい。
本発明者らは、本発明の構築物で形質転換した試験植物(すなわち、形質転換植物)が、硝酸塩の濃度、従ってNNK、NNN及び/又はNAT等のTSNAsを葉の中で減少させるように、硝酸塩の葉の外への再移動を増大させることを観察した。従って、明らかにこのような葉は特に好都合である。
従って、本発明の第13の側面においては、同一条件で栽培した、野生型植物から得られた収穫された葉の対応する硝酸塩濃度よりも低濃度の硝酸塩を含む、収穫された葉であって、該葉が、第7若しくは第8の側面のいずれかの形質転換植物、又は第5若しくは第6の側面のいずれかの方法により生産されている、収穫された葉が提供される。
本発明の第14の側面においては、変異体タバコ植物から得られた、硝酸塩が少ないタバコを含むタバコ製品であって、変異体がその葉の硝酸塩濃度を下げることができる、タバコ製品が提供される。
タバコ製品のタバコが由来する変異体タバコ植物は、本発明の構築物、ベクター又は外来遺伝子を含むことが好ましい。
前記タバコ製品は、嗅ぎタバコ等の無煙タバコ製品であってもよい。前記タバコ製品は、口で供給可能な口腔タバコ製品であってもよい。前記タバコ製品は湿潤していてもよく、スヌースであってもよい。しかし、前記タバコ製品は喫煙物品であってもよい。
従って、第15の側面においては、変異体タバコ植物から得られる、硝酸塩が減少したタバコを含む喫煙物品であって、変異体が、その葉の硝酸塩濃度を下げることができるものである喫煙物品が提供される。
硝酸塩が減少したタバコには、硝酸塩濃度が、同一条件で栽培した野生型植物の対応する濃度よりも低いタバコが含まれる。上記喫煙物品には、本発明の第1若しくは第2の側面の遺伝的構築物、第3の側面のベクター、又は外来遺伝子で形質転換されていてもよい変異体タバコ植物から得られるタバコが含まれる。好ましくは、前記変異体タバコ植物は、硝酸塩輸送体、AtNRT2.7を含む。
「喫煙物品」という用語には、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再構成タバコ、またはタバコ代替え品に基づく巻きタバコ、シガレット、葉巻、及びシガリロ等の喫煙製品や非燃焼性加熱製品が含まれる。
当然のことながら、本発明は、実質的に本明細書で言及されたいずれかのアミノ酸又は核酸配列を含む(その機能的変異体又は機能的断片を含む)、任意の核酸若しくはペプチド、又はその変異体、誘導体若しくは類似体まで及ぶ。「実質的にアミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列」、「機能的変異体」及び「機能的断片」という用語は、本明細書に言及された配列のいずれか1つのアミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列と少なくとも40%の配列同一性を有する配列であってもよく、例えば、配列番号3(硝酸塩輸送体の一態様をコードする)で特定される遺伝子と40%の同一性を有する配列であってもよく、又は配列番号5(すなわち、硝酸塩輸送体の一態様)で特定されるポリペプチドと40%の同一性を有する配列であってもよい。
言及される配列のいずれかと、65%を超え、更に好ましくは70%を超え、更に好ましくは75%を超え、更に好ましくは80%を超える配列同一性を有するアミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列も想定される。好ましくは、アミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列は、本明細書で言及される配列のいずれかと少なくとも85%の同一性を有し、本明細書で言及される配列のいずれかと、更に好ましくは少なくとも90%の同一性、更に好ましくは少なくとも92%の同一性、更に好ましくは少なくとも95%の同一性、更に好ましくは少なくとも97%の同一性、更に好ましくは少なくとも98%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有する。
当業者であれば、2つのアミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列間の同一性の割合を計算する方法を理解しているであろう。2つのアミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列間の同一性の割合を計算するために、最初に2つの配列のアラインメントを作成した後、配列同一性の値を計算する必要がある。2つの配列についての同一性の割合は、(i)配列を整列させるのに用いる方法、例えば、ClustalW,FASTA,Smith-Waterman(異なるプログラムにより実行される)、又は3D比較による構造アラインメント、及び(ii)アラインメント法、例えば全体アラインメントに対する局所アラインメントに使用されるパラメータ、使用される対スコア行列(例えば、BLOSUM62、PAM250、Gonnet等)、及びギャップペナルティ、例えば関数及び定数によって異なる値をとる可能性がある。
アラインメントを作成すると、2つの配列間の同一性の割合の計算方法は多数ある。例えば、(i)最も短い配列の長さ;(ii)アラインメントの長さ、(iii)配列の平均長;(iv)ギャップのない位置の数;又は(iv)突出部を除く等価位置の数によって同一部分の数を割ってもよい。更に、当然のことながら、同一性の割合は長さにも強く依存する。従って、対の長さが短いと、偶然に生じることを予測することのできる配列の同一性が高くなる。
従って、当然のことながら、タンパク質又はDNA配列の正確なアラインメントは複雑な工程である。一般的な多重アラインメントプログラムであるClustalW(Thompsonら、1994,Nucleic Acids Research,22,4673−4680; Thompsonら、1997,Nucleic Acids Research,24,4876−4882)は、本発明に従い、タンパク質又はDNAの多重アラインメントを生成するための好ましい方法である。ClustalWの適切なパラメータは、以下の通りであってもよい:DNAアラインメントについては:ギャップ開始ペナルティー=15.0、ギャップ伸長ペナルティー=6.66及び行列=同一性。タンパク質アラインメントについては:ギャップ開始ペナルティー=10.0、ギャップ伸長ペナルティー=0.2、及び行列=Gonnet。DNA及びタンパク質アラインメントについては:ENDGAP=−1、及びGAPDIST=4。当業者であれば、最適な配列アラインメントのために、これら及び他のパラメータを変える必要があり得ることに気づいているであろう。
好ましくは、次に、2つのアミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列間の同一性の割合の計算は、(N/T)100(式中、Nは同一残基を共有する配列の位置の数であり、Tはギャップを含むがオーバーハングを除いて比較される位置の総数である)として、そのようなアラインメントから計算される。従って、2つの配列間の同一性の割合の最も好ましい計算法は、(i)一式の適切なパラメータ(例えば、前述したようなパラメータ)を用いるClustalWプログラムを用いる配列アラインメントを作成すること、及び(ii)N及びTの値を以下の式:−配列同一性=(N/T)100に挿入することを含む。
類似の配列の他の同定法が当該技術分野で公知である。例えば、実質的に類似のヌクレオチド配列は、ストリンジェントな条件下で配列番号1、2若しくは3に示される配列、又はそれらの相補体とハイブリダイズする配列によってコードされるであろう。ストリンジェントな条件とは、ヌクレオチドが、約45℃で3倍の塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でフィルター結合DNA又はRNAとハイブリダイズした後、約20〜65℃で0.2倍のSSC/0.1%SDS中で少なくとも1回洗浄されることを意味する。また、実質的に類似のポリペプチドは、配列番号5に示す配列とは、少なくとも1個のアミノ酸が異なっていてもよいが、5、10、20、50又は100個未満のアミノ酸が異なっていてもよい。
遺伝子コドンの縮重のため、任意の核酸配列を、それによってコードされるタンパク質の配列に実質的に影響を及ぼすことなく、変化又は変更して、それらの機能的変異体を得ることができることは明らかである。適切なヌクレオチド変異体は、配列内の同じアミノ酸をコードする異なるコドンの置換によって配列が変化し、その結果静的な変化をもたらす変異体である。他の適切な変異体は、相同ヌクレオチド配列を有するが、置換されたアミノ酸と類似の生物物理学的特性の側鎖を有するアミノ酸をコードする異なるコドンの置換によって保存的変化をもたらすことにより、変化した配列の全て若しくは一部を含む変異体である。例えば、小さい非極性の疎水性アミノ酸には、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン及びメチオニンが含まれる。大きい非極性の疎水性アミノ酸には、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンが含まれる。中性の極性アミノ酸には、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン及びグルタミンが含まれる。正電荷を持つ(塩基性)アミノ酸には、リジン、アルギニン及びヒスチジンが含まれる。負の電荷を持つ(酸性)アミノ酸には、アスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれる。従って、当然のことながら、アミノ酸は類似の生物物理学的特性を有するアミノ酸で置換してもよく、当業者であれば、これらのアミノ酸をコードするヌクレオチド配列を知っているであろう。
本明細書(添付の請求の範囲、要約書及び図面のいずれをも含む)に記載されている全ての特徴、及び/又はそのように開示されているいずれの方法又は過程の全ての全ての工程は、そのような特徴及び/又は工程の少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除く任意の組み合わせで、前記側面のいずれかと組み合わせてもよい。
本発明の更なる理解のため、また本発明の態様の実施方法を示すため、例として、添付図面を参照する:
タバコの煙中の種々のニトロソアミン、4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)、N−ニトロソノルニコチン(NNN)、N−ニトロソアナバシン(NAB)及びN−ニトロソアナタビン(NAT)の化学構造を示す。 種々のTタバコ植物、及び作成したPPC−Nrt2.7構築物、すなわち、エンドウ豆プラストシアニンプロモーターの制御下に硝酸塩輸送体2.7遺伝子を含む構築物で形質転換したものを温室で育てた個体群の緑葉中の硝酸塩含有量を示すグラフである。各個体群の個々の植物についての値を図3及び4に示す。 葉特異的プロモーターPPC::NRT2.7構築物を保持するタバコ栽培品種バーレー種の個体群(T)の緑葉中の硝酸塩濃度を示す(野生型バーレー種は対照群としての役目を果たす)。 PPCプロモーター:NRT2.7構築物を含むタバコ栽培品種、バージニア種の個体群(T)の緑葉中の硝酸塩濃度を示すグラフである。 BNP036AtNRT2.7001として知られる、本発明の構築物の一態様のプラスミドマップである。この構築物は、エンドウ豆プラストシアニン(PPC)プロモーターの制御下にAtNRT2.7硝酸塩輸送体遺伝子を含む。 CRVAtNRT2.7として知られる、本発明の構築物の他の態様のプラスミドマップである。この構築物は、CERVプロモーターの制御下にAtNRT2.7硝酸塩輸送体遺伝子を含む。 CRV::NRT2.7構築物、すなわち構成的CRVプロモーターの制御下に硝酸塩輸送体2.7遺伝子を含む構築物を保持する、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T)の葉の中の硝酸塩の平均濃度を示す。野生型バーレー種系列は対照群としての役目を果たす。各個体群の個々の植物についての値を図7に示す。 構成的プロモーターCRV::NRT2.7構築物を有する、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T)の葉の中の硝酸塩の濃度を示す(野生型バーレー種は対照群としての役目を果たす)。 構成的プロモーターCRV::NRT2.7構築物を有する、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T)の葉の中の硝酸塩の濃度を示す(野生型バーレー種は対照群としての役目を果たす)。各個体群の個々の植物についての値を図9に示す。 構成的CRVプロモーター:Nrt2.7構築物を含む、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T)の緑葉中の硝酸塩の濃度を示す。野生型植物は対照群としての役目を果たす。 構成的プロモーターCERV::AtNrt2.7構築物を含む、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T)の上部の葉の中のTSNAs混合物の濃度を示す。これらの個体群は低濃度硝酸塩の処方で栽培した。野生型植物は対照群としての役目を果たす。符号「NAT、NNK、NNN」は個々のニトロソアミンのレベルを意味する。 構成的プロモーターCERV::AtNrt2.7構築物を含む、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T)の上部の葉の中のTSNAsの混合物の濃度を示す。個体群を高濃度硝酸塩の処方で栽培した。野生型植物は対照群としての役目を果たす。 構成的プロモーターCERV::AtNrt2.7構築物を含む、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T)の中間部の葉の中のTSNAsの混合物の濃度を示す。これらの個体群は低濃度硝酸塩の処方で栽培した。野生型植物は対照群としての役目を果たす。 構成的プロモーターCERV::AtNrt2.7構築物を含む、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T)の中間部の葉の中のTSNAs混合物の濃度を示す。これらの個体群を高濃度の硝酸塩の処方で栽培した。野生型植物は対照群としての役目を果たす。 構成的プロモーターCERV::AtNrt2.7構築物を含む、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T)の中間部の葉の中のTSNAs混合物の濃度を示す。これらの個体群を低濃度の硝酸塩の処方で栽培した。野生型植物は対照群としての役目を果たす。 構成的プロモーターCERV::AtNrt2.7構築物を含む、タバコ栽培品種バーレー種の個体群(T)の下部の葉の中のTSNAs混合物の濃度を示す。これらの個体群を高濃度の硝酸塩の処方で栽培した。野生型植物は対照群としての役目を果たす。 畑で栽培した、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群中の乾燥した葉のN−ニトロソノルニコチン(NNN)の濃度を示す。収穫した葉を植物の3つの部分、すなわち、符号に示されるように、上部の葉、中間部の葉及び下部の葉から取り出した。 畑で栽培した、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群の乾燥した葉の中のN−ニトロソノルニコチン(NNN)の濃度を示す。収穫した葉を植物の3つの部分、すなわち、葉の上部、葉の中間部及び葉の下部から取り出した。 符号に示すように、10g/L硝酸塩の「高濃度硝酸塩」、及び4g/Lの「低濃度硝酸塩」で栽培した、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T、CRV−AtNrt2.7)の乾燥した下部の葉のTSNAs混合物の総濃度を示す。野生型は対照群としての役目を果たす。 10g/L硝酸塩の「高濃度硝酸塩」、及び4g/Lの「低濃度硝酸塩」で栽培した、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T、CRV−AtNrt2.7)の乾燥した中間部の葉のTSNAs混合物の総濃度を示す。野生型は対照群としての役目を果たす。 10g/L硝酸塩の「高濃度硝酸塩」、及び4g/Lの「低濃度硝酸塩」で栽培した、タバコ栽培品種、バーレー種の個体群(T、CRV−AtNrt2.7)の乾燥した上部の葉のTSNAs混合物の総濃度を示す。野生型は対照群としての役目を果たす。 PPC−AtNrt2.7とCRV−AtNrt2.7を有するバーレー種の個体群から得られたRTPCRのゲル画像を示す。試料は、各形質転換体の同種交配個体群に対して実施されたスクリーンの一部である。RTPCR段階完了後に(スーパークリプトIIIを使用)試料についてPCRを行い、全てのRNAをcDNAに変換した場合の結果である。従って、レーン中のバンドの存在は、これらの試料中のAtNrt2.7の発現を示した。 PPC−AtNrt2.7とCRV−AtNrt2.7を有するバーレー種の個体群から得られたRTPCRのゲル画像を示す。試料は、各形質転換体の同種交配個体群に対して実施されたスクリーンの一部である。RTPCR段階なしで総RNAについてPCRを実施した場合の結果を示す。これにより、試料の偽陽性をもたらすDNAの混入があることが確認される。 CRVプロモーターのヌクレオチド配列のアラインメントを、CamV35sプロモーターと共に示す。 PPC−AtNrt2.7構築物を保持する、畑で栽培したバージニア種タバコに由来する煙中のN−ニトロソノルニコチン(NNN)の濃度を示す。 PPC−AtNrt2.7構築物を保持する、畑で栽培したバージニア種タバコに由来する煙中の4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)の濃度を示す。中間部の葉のNNKのレベルは検出できないので、上部及び下部の葉のみ示した。 CRV−AtNrt2.7構築物を保持し、10mM硝酸塩で栽培した、バーレー種タバコ植物由来のNNNの濃度を示す。 CRV−AtNrt2.7構築物を保持し、10mMアンモニアで栽培した、バーレー種タバコ植物由来のNNNの濃度を示す。
本発明者らは、(a)構成的プロモーター、カーネーションエッチドリングウイルス(CERV)プロモーター(Hullら、1986,EMBO J.,5,3083−3090);又は(b)葉特異的プロモーター、エンドウ豆プラストシアニン(PPC)のいずれかの制御下で、硝酸塩輸送体遺伝子(シロイヌナズナのNRT2.7)を発現させることにより、硝酸塩及び種々のTSNAsの濃度を著しく減少させる構築物及び形質転換植物を開発した。
実施例1−シロイヌナズナの硝酸塩輸送体遺伝子の単離
この実験で用いられたシロイヌナズナの硝酸塩輸送体遺伝子はAtNRT2.7であった。
プライマーの設計
シロイヌナズナ由来の硝酸塩輸送体2.7をコードする全長ゲノム配列を特定した(この配列の受入番号は:T15N1−60であった)。ゲノム配列を単離するためにPCRで用いられるプライマーを設計し、それは、4bpのスペーサーと適切な制限酵素認識部位を5’末端に有している。断片の5’末端にSacI及びBamHI制限酵素認識部位を生成し、3’末端にKpnI及びSacI制限酵素認識部位を生成し、前記断片を適切なベクターにクローニングすることができるようにした。これらのプライマーの配列を以下に示す。
AtNRT2.7(T15F) ATC GAG CTC GGA TCC ATG GAG CCA TCT CAA CGC AAC ACC[配列番号6]
AtNRT2.7(T15R) ATC GAG CTC GGT ACC ACA AAC GGG ACG TAG ACT ACC[配列番号7]
当然のことだが、当業者はプライマーと他の制限酵素認識部位の必要な特徴を組み込んで、他のPCRプライマーを設計することができるであろう。
NRT2.7をコードするシロイヌナズナのゲノムDNAの単離
シロイヌナズナコロンビア変異種(var.Columbia)のゲノムDNAを、Qiagen DNA Easyミニプレップ抽出キットを用いて、発芽3ヶ月の植物のロゼット葉から抽出した。手短に言えば、製造業者の使用説明書に従い、QIAGEN DNeasy Plant DNA抽出キット(カタログ番号69106)(QIAGEN Ltd.,クローリー、イギリス)を用い、葉試料からゲノムDNAを抽出した。この方法により、遺伝子単離及びクローニング戦略に適した非常にきれいな遺伝子が大量に得られる。前記キットの原理は、高塩濃度条件下でDNAはシリカゲルをベースとする膜に特異的に吸収されるが、タンパク質、炭水化物、ポリフェノール及び他の植物代謝産物等の混入物は洗い流されることを利用する。
硝酸塩輸送体DNA断片の単離
シロイヌナズナNRT2.7のゲノム配列は1893塩基対の長さである(受入番号T15N1−60)。シロイヌナズナNRT2.7のゲノムを、T15F (配列番号6)とT15R(配列番号7)のプライマー対を用いて増幅し、断片の5’末端にSacI及びBamHI制限酵素認識部位を、3’末端にKpnI及びSacI制限酵素認識部位を生成した。
PCRの条件:
25μLの反応容量に、0.5μLのプルーフリーディングTAQポリメラーゼ;0.5μLのTAQエクステンダー;0.5μLのシロイヌナズナゲノムDNA;0.25μLのフォワードプライマー;0.25μLのリバースプライマー;2.5μのTAQエクテンダー緩衝液;2.5μLのdNTPs;18μLの水を加え、55℃でアニーリングし、72℃で2分間伸長し、これを30サイクル繰り返した。
次いで、一定量のPCR反応物をアガロースゲル電気泳動で分析した。反応物を沈殿させた後、保存した。次いで、後述するように、硝酸塩輸送体DNA断片をpTOPOベクター(Invitrogenから市販されている。)にクローニングした。
連結反応:
1μLのTOPOを、1μLの塩溶液と4μLのPCR反応液と一緒にした。混合物を室温に30分静置した。2μLの連結反応混合物をTOP10大腸菌細胞と一緒にした後、30分間氷上で静置した。前記細胞に42℃で30秒間熱ショックを与えた後、氷上に5分間静置した。次いで、前記細胞を250μLのSOC培地中、37℃で30分間インキュベートした。次いで、前記細胞を、カナマイシンを含む寒天プレートに載せ、37℃で一晩静置した。プラスミドを含む細胞がコロニーに成長し、約50個のコロニーについて各遺伝子配列を観察した。ゲノムDNA断片がうまく挿入されているpTOPOベクターを含む個々のクローンを選択するためにコロニーPCRを用いた。
コロニーを選択してカナマイシンを含む50μLの2YTに入れ、37℃で1時間増殖させた。10μLのPCR反応物に、1μLのdNTPs、1μLの緩衝液、0.1μLのフォワードプライマー(M13F)、0.1μLのリバースプライマー(M13R)、0.3μLのTAQ、及び7.5μLの水を加えた。
予想される大きさのPCR断片を含む各配列について3つのコロニーを選択した。次いで、個々のコロニーを増殖し、配列分析のためにプラスミドDNAを抽出した。
配列分析
いくつかの独立したpTOPOクローン中に存在する硝酸塩輸送体DNA断片の配列決定をした。この配列の分析から、前記クローンが硝酸塩輸送体2.7遺伝子を含んでいることが判明した。
実施例2−タバコの形質転換のためのベクターの構築
AtNRT 2.7をコードするゲノムDNAの、NRT 2.7遺伝子を含むバイナリーベクターpTOPOプラスミドへのクローニングは、Kpn1とBamHIで消化してNRT2.7遺伝子断片を単離した後、Kpn1とBamHIでも消化してあるpBNPバイナリーベクター(pBNP−PPC−nosT)にクローニングし、その後大腸菌エレクトロコンピテントセルに形質転換した。pBNPベクターは、pBNPバイナリーベクター(van Engelenら、1995,Transgenic Research,4:288−290)から作成した自家製ベクターで、PPCプロモーターとノパリンシンターゼターミネーターを含む。プラスミドを含む細胞をカナマイシンプレートで選択した。次いで、次いで、クローンを単離し、DNAを抽出し、制限消化により分析し、配列決定した。
CERVは、植物ウイルスのカリモウイルス群の構成的プロモーターである。
1986年にHullらにより単離及び特徴付けされ、CaMVの特徴であるが(Hullら、1986)、CaMV 35Sプロモーターとわずかな配列類似性を有している(図23を参照されたい)。
エンドウ豆プラストシアニンプロモーターは、HelliwellとGrayにより単離され(1995,Plant Molecular Biology 29(3):621−626)、発現の研究により、それが葉に特異的であることが示されている。
以下のバイナリーベクターが製造された:
(i)pBNP036AtNRT2.7001(図5aを参照されたい):エンドウ豆プラストシアニンプロモーター:Nrt2.7 cDNA:Nosターミネーター;及び
(ii)pBNPCRVAtNRT2.7(図5bを参照されたい):カーネーションエッチドリングウイルス(CERV)プロモーター:Nrt2.7 cDNA:Nosターミネーター。
次いで、これら2つのバイナリーベクターを、エレクトロポレーションによってアグロバクテリウムツメファシエンスLBA 4404に形質転換した。形質転換は、40μLのアグロバクテリウムツメファシエンスエレクトロコンピテントセルと0.5μgのプラスミドDNAを混合し、予め冷却しておいたキュベットに入れることにより実施した。次いで、細胞を、1.5ボルト、600オーム及び25μFDでエレクトロポレートした。キュベットに、1mLの2YT培地を加え、混合物を30mLのユニバーサル容器に静かに移し、振盪インキュベーター中、28℃で2時間インキュベートした。次いで、100μLの細胞を、カナマイシン(50μg/mL)とストレプトマイシン(100μg/mL)を含むLB寒天プレートに蒔いた。このプレートを28℃で2日間インキュベートした。
実施例3−タバコの形質転換
タバコ栽培品種Vir40とタバコ栽培品種バーレー52を、Horschら(Science 227:1229−1231,1985)に開示されている通り、リーフディスク共栽培法を用いて、pBNP036AtNRT2.7001又はpBNPCRVAtNRT2.7で形質転換した。最も若い伸長する2枚の葉を、発芽7週間のタバコ植物から得、Domestosの8%溶液で10分間表面殺菌し、滅菌蒸留水で6回洗浄した。次いで、リーフディスクを、6番のコルクボーラーを用いて切断し、アグロバクテリウム懸濁液内に約2分間置いた。次いで、前記ディスクを、滅菌ろ紙の2枚のシートの間にそっとブロットした。10枚のディスクを、LS3%ショ糖+2μM BAP+0.2μM NAAを含むプレートに載せた後、培養室内で2日間インキュベートした。次いで、ディスクを、500g/Lのクラフォランと100g/Lのカナマイシンを添加した、LS+3%ショ糖+2μM BAP+0.2μM NAAを含むプレートに移した。
2週間後に、前記ディスクを前記培地の新しいプレートに移した。更に2週間後、前記リーフディスクを、500mg/Lのクラフォランと100mg/Lのカナマイシンを追加した、LS+3%ショ糖+0.5μM BAPを含むプレートに移した。前記リーフディスクを、2週間毎に新鮮な培地に移した。新芽が現れたら、それらを切除し、500mg/Lのクラフォランを追加した、LS+3%ショ糖を含む瓶に移した。約4週間後、瓶の中の新芽を、LS+3%ショ糖+250mg/Lのクラフォランに移した。更に3〜4週間後、植物を最終的にLS+3%ショ糖(抗生物質を含まない)に移し、植え付けた。植物がいったん根付いたら、温室内の土壌に移した。
実施例4−AtNRT2.7構築物の存在についての形質転換植物の分析
再生タバコ形質転換体の分析
再生タバコ植物から葉材料を得、ゲノムDNAを単離した。1枚の大きいタバコの葉(約30mg)を、インビトロで栽培した植物から切除し、1.5mLのエッペンドルフチューブに入れた。小さい乳棒を用いて前記組織を均質化し、400μLの抽出緩衝液(200mM Tris HCL pH 8.0;250mM NaCl;25mM EDTA;0.5% SDS;40μg/ml Rnase A)を加え、再度注意深く粉末にし、完全に混合した。試料をボルテックスで約5秒間混合した後、10,000rpmで5分間遠心分離した。得られた上清の一定量、350μLを新しいエペンドルフチューブに入れ、350μLのクロロホルムを加えた。混合した後、試料を5分間静置した。次いで、これを10,000rpmで5分間遠心分離した。上清の一定量、300μLを新しいエッペンドルフチューブに移した。これに300μLのプロパン−2−オールを加え、エッペンドルフを数回転倒することによって混合した。試料を10分間整地した。沈殿したDNAを、10,000rpmで10分間遠心分離することによって集めた。上清を捨て、沈殿を空気乾燥した。DNAの沈殿物を50μLの蒸留水に再懸濁し、定量PCRの鋳型として用いた。各構築物/変異型の30個の植物を定量PCRにより分析し、形質転換事象を確認した。
結果(T):
pBNP036AtNRT2.7001:バージニア種 9個の単一コピー
pBNP036AtNRT2.7001:バーレー種 7個の単一コピー
pBNPCRVAtNRT2.7:バーレー種 10個の単一コピー
実施例5−硝酸塩輸送体発現についての形質転換植物の分析
RTPCRによりアッセイしたmRNAレベル
Ambion RNAqueousキット(Ambion Inc.,カナダ)を用いて、タバコリーフディスクから総RNAを単離した。全ての凍結試料を液体窒素で粉砕し、tissuelyserを用いて微粉とした。4℃、13,000rpmで5分間遠心分離することにより、細胞外膜、多糖類、及び高分子量DNAを沈殿させた。上清を、キットに付属のフィルターカートリッジに移し、RNAを洗浄及び精製するために遠心分離した後、溶出緩衝液で溶出した。更に使用するまでにRNA試料を−80℃に保存した。
総RNAについて、Invitrogenの1ステップRTPCRスーパースクリプトIIIを用いてRTPCRを実施した(図21aを参照されたい)。次いで、AtNrt2.7(配列番号8及び9)に特異的なプライマーを用いて、得られたcDNAを増幅し、遺伝子発現を達成した。
GCGCCGGTATCTCTCAGCTCCTTA=RTPCRプライマー配列RTP0068F2(配列番号8)。
ATATCATCCCTCCCGCCGGT=RTPCRプライマー配列RTP0068R2(配列番号9)
図21bに示すように、RT反応なしでRNAを用いて対照実験を実施し、DNAの混入がないことを確認した。形質転換系と、正しいバンドサイズを与えるためのプラスミド対照群と同時に、野生型対照群を実施した。
実施例6−タバコ表現型
AtNRT2.7のT表現型(pBNP036AtNRT2.7001:バーレー種)は、その植物が発芽約12週間の時に、最も古い葉に退緑斑点を示した。これらの退緑斑点は、葉の老化と同時に、植物の上部の葉で徐々に増加した。植物の主茎に沿って、褐色の染みも観察された。表現型は形質転換体の70%で観察された。この表現型は、T個体群とT個体群でも観察された。
実施例7−硝酸塩含有量についてのタバコの分析
植物組織中の硝酸塩の検出
植物組織中の硝酸塩濃度を測定する方法は、Masclauxの論文(Planta(2000)211,pp510−518)を含む、いくつかの論文に開示されている。この方法は、高度な酸性条件下における植物抽出物中での硝酸塩によるサリチル酸のニトロ化、及び410nmで最大吸収を形成する複合体に依存する。生成した発色団は5−ニトロサリチル酸である。この方法は高感度であり、塩化物、亜硝酸塩及びアンモニウムイオンからわずかな干渉を受ける(Cataldo D.A.,Community Soil Science and Plant Analysis,6(1),pp71−80,1975)。
材料は:
抽出緩衝液:50mMリン酸緩衝液 pH7.5;アッセイ溶液:サリチル酸の濃硫酸溶液(5%濃度)であり;2N水酸化ナトリウムも必要である。
方法:最初に100mgの組織を液体窒素中で粉砕した後、300μLの抽出緩衝液を加え、均質化した。4℃で、このホモジネートを30gで15分間遠心分離した後、分析のために上清を取り除いた。1mLのアッセイプレート中で、10μLの上清を40μLのアッセイ溶液と混合した(空の対照群を同時に開始した)。反応物を室温で20分間インキュベートし、950μLの2N水酸化ナトリウムをゆっくりと加え、12より大きいpHに上昇させた。試料を室温まで冷却し、410nmの吸光度を測定した(読み取りのために、タイターテックプレートに250μLを静かに移した)。100、50、40、30、20、10、5及び1mMの硝酸カリウムの標準品も測定した。
抽出物の着色のため、新鮮な組織試料(すなわち、凍結乾燥又はオーブン乾燥していないもの)及び分離したブランクが必要である。このブランクは、抽出物、40μLの硫酸(サリチル酸ではない)及び1950μLの2N水酸化ナトリウムからなる。硝酸塩の標準品は4℃に保存した。
図2〜9に説明する硝酸塩の結果は、本発明のCRV−AtNrt2.7構築物とPPC−AtNrt2.7構築物の両方を有する形質転換植物中の葉の硝酸塩濃度が下がっていることを示す。理論に拘束されることを望まないが、本発明者らは、AtNrt2.7タンパク質が窒素再移動剤としての役割を果たし、種子の発生等で、植物の液胞の外からシンク領域への硝酸塩を運搬する役割を果たしていると仮説をたてている。これは、硝酸塩が枯渇している葉をもたらし、表現型によって示されるような萎黄病をもたらす。
実施例8−TSNA含有量についての乾燥した葉の分析
図10〜27に示すTSNAの結果は、AtNrt2.7構築物の結果として、総TSNA濃度(すなわち、NAT、NNK及びNNN)の相当な減少を示す。これは、収穫期にそれほど残っていない葉の硝酸塩と関連すると仮定される。硝酸塩は、乾燥されたタバコの葉の中のTSNA生産のための主な前駆体の1つである(Staafら、2005,Contributions to Tobacco Research,21:321−330;de Rotonら、2005,Contributions to Tobacco Research,21:305−320)。従って、T及びT個体群に見られるように、葉の中の硝酸塩のレベルの低下は、乾燥された葉の中のTSNAのレベルの低下をもたらすであろう。特に、バーレー種は、畑で栽培された時に高レベルのNNNを含み、NNNのレベルが下がっていることが示された。
図23及び24は、NNNとNNKのレベルが、それぞれ、PPC−AtNrt2.7構築物を保持する、畑で栽培した植物の葉の上部、中間部及び下部で下がっていることを示す。更に、図24に示すように、PPC−AtNrt2.7細胞系についての葉の中間部のNNK濃度は、全て検出レベルより低く、従って、このグラフには示されていない。
図25及び図26は、10mM硝酸塩(図25)又は10mMアンモニア(図26)のいずれかで栽培した時の、CRV−AtNrt2.7構築物を保持する、温室栽培したバーレー種植物からのNNN混合物のレベルを示す。これらのデータは、NNN濃度の低下が、硝酸塩輸送体、AtNrt2.7の過剰発現により起こる、硝酸塩の輸送に特異的であることを示す。これは、図25に示すように、両方の試験植物(「43」及び「45」と示す)が、硝酸塩により栽培することによる濃度の低下を示すが、図26に示すように、硝酸塩輸送体遺伝子AtNrt2.7の過剰発現に影響を受けないアンモニアにより栽培した時に、いずれの植物もNNNの減少を示さないからである。

Claims (14)

  1. プロモーターの制御下に配置された、以下の(a)〜(d)のいずれかのポリヌクレオチドを含む、タバコ属由来植物の葉における硝酸塩濃度の低減剤
    (a)配列番号3又は配列番号4に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
    (b)配列番号3又は配列番号4に示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
    (c)配列番号5に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
    (d)配列番号5に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
  2. プロモーターの制御下に配置された、以下の(a)〜(d)のいずれかのポリヌクレオチドを含む、タバコ属由来試験植物の老化又は老化表現型誘導
    (a)配列番号3又は配列番号4に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
    (b)配列番号3又は配列番号4に示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
    (c)配列番号5に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
    (d)配列番号5に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、硝酸塩輸送体活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
  3. プロモーターが、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターでなく、カーネーションエッチドリングウイルス(CERV)プロモーター、エンドウ豆プラストシアニンプロモーター、ルビスコプロモーター、ノパリンシンターゼプロモーター、クロロフィルa/b結合プロモーター、高分子量グルテニンプロモーター、α,β−グリアジンプロモーター、ホルデインプロモーター、パタチンプロモーター、又は老化特異的プロモーターである、請求項1又は2記載の剤。
  4. 植物がタバコである、請求項1〜3のいずれか1項記載の剤。
  5. タバコ属由来試験植物の葉の硝酸塩濃度を、同一条件で栽培したタバコ属由来野生型植物の葉の対応する硝酸塩の濃度よりも低濃度に下げる方法であって、請求項1〜4のいずれか1項記載の剤で前記試験植物細胞を形質転換することにより、前記試験植物の植物代謝を変化させ、植物の葉の硝酸塩輸送体の濃度を上昇させることを含む、前記方法。
  6. 以下の工程(i)及び(ii)を含む、同一条件で栽培した対応するタバコ属由来野生型植物よりも高い割合で硝酸塩を葉の外に輸送するタバコ属由来形質転換植物を製造する方法。
    (i)請求項1〜4のいずれか1項記載の剤でタバコ属由来植物細胞を形質転換する工程;
    (ii)前記形質転換細胞からタバコ属由来植物を再生する工程;
  7. 植物がタバコである、請求項5又は6記載の方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項記載の剤で形質転換されているタバコ属由来形質転換植物。
  9. 請求項記載のタバコ属由来形質転換植物由来のタバコ属由来植物繁殖産物。
  10. 同一条件で栽培したタバコ属由来野生型植物から得られた収穫された葉の対応する硝酸塩濃度よりも低濃度の硝酸塩を含む、収穫された、タバコ属由来の葉であって、該葉が、請求項記載のタバコ属由来形質転換植物から収穫されている、収穫された、タバコ属由来の葉。
  11. 変異体タバコ植物から得られた、硝酸塩が少ないタバコを含むタバコ製品であって、変異体がその葉の硝酸塩濃度を同一条件で栽培した野生型植物の葉の対応する硝酸塩の濃度と比較して下げることができ、前記タバコ製品のタバコが由来する変異体タバコ植物が、請求項1〜のいずれか1項記載の剤で形質転換されている、タバコ製品。
  12. バコ製品が、無煙タバコ製品口で供給可能な口腔タバコ製品、又は喫煙物品である、請求項11記載のタバコ製品。
  13. 嗅ぎタバコ又はスヌースである、請求項12記載のタバコ製品。
  14. 変異体タバコ植物から得られる、硝酸塩が減少したタバコを含む喫煙物品であって、変異体が、その葉の硝酸塩濃度を下げることができるものであり、タバコ製品のタバコが由来する変異体タバコ植物が、請求項1〜のいずれか1項記載の剤で形質転換されている、喫煙物品。
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