JP5901092B1 - ヒトジペプチジルペプチダーゼiv阻害剤の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い安全性を有する天然由来素材のジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、その製造方法、及びその含有物を提供する。【解決手段】本発明に係るジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤は、ジペプチジルペプチダーゼIVの阻害活性を有するジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤であって、ミミズを破砕して得られたミミズ乾燥粉末を抽出溶媒に接触させて得たミミズ抽出液のうち、分子量10kDa未満の低分子量画分であるミミズ低分子量画分を主成分とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒトジペプチジルペプチダーゼIVの阻害活性を有するヒトジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤の製造方法に関する。
糖尿病は、インスリン生産が十分でない、もしくはインスリンが効果的に働かなくなったときにおこる慢性的疾患である。インスリンは膵臓から産出されるホルモンであり、食物から摂取したグルコースを体細胞へ取り込むことで、筋肉や組織の機能発現のためのエネルギーに変換する働きを有する。糖尿病患者では、グルコースが十分に吸収されずに血液中を循環し続けることで、高血糖状態となり、体細胞に損傷を与え続ける。とくに、手足、網膜、腎臓、脳などにおける末梢血管に対する損傷が重篤な症状を引き起こし、このような損傷によって、命に係わる合併症に至る場合が多い。
国際糖尿病連合(IDF)が出版した「糖尿病アトラス 第6版」によると、2013年に世界中の糖尿病患者数は約3億8200万人と見積もられており、糖尿病が原因の死亡者数は510万人にのぼる。糖尿病患者はさらに増加傾向にあり、2035年には5億9200万人にまで増えると予想されている。
糖尿病には、I型糖尿病とII型糖尿病がある。I型糖尿病は、自己免疫反応によってインスリン生産性β細胞が攻撃されることによって、十分なインスリンを生産できなくなることによって起こる。従って、I型糖尿病の治療にはインスリンの投与が必要となる。一方、II型糖尿病は、インスリンを生産することはできるが、十分量が生産できない場合、あるいは、インスリン耐性ができておりインスリンが効果的に働かない場合に、血糖値が上がってしまうことにより引き起こされる糖尿病の症状である。II型糖尿病患者では、症状が重篤化するまで発症に気付かず、慢性的な高血糖による糖尿病合併症がすでに進展した時に診断されることが多い。多くの場合は、食事療法、運動療法、経口薬で血糖値を調節することができるが、血糖値の調節は困難である。「糖尿病アトラス 第6版」によると、糖尿病患者の85−95%をII型糖尿病患者が占めると見積もられている。
II型糖尿病治療薬のなかには、服用したあと低血糖を引き起こすものがあるが、低血糖が出にくい経口薬として近年開発されたものの一つにジペプチジルペプチダーゼIV(以下「DPPIV」と略称する。)阻害剤がある。
DPPIVは、ヒト、マウス、ラットなどの哺乳類において、広範な組織に分布する多機能のII型膜貫通糖タンパク質である。一般的にオリゴペプチドやポリペプチドのアミノ末端から、Xaa−ProまたはXaa−Alaのジペプチド(ここでXaaはどのようなアミノ酸でも良い)を好んで切り出すことができるセリン型エキソペプチダーゼである。ただし、Xaa−Proの切り出しはXaa−Alaの切り出しに比べて圧倒的に速い。本酵素は、最初にグリシルプロリル−ナフチルアミダーゼとして文献記載されたが(非特許文献1参照)、その後、ジペプチジルアミノペプチダーゼIVあるいはポストプロリンジペプチジルペプチダーゼIVと命名された(非特許文献2参照)。
ヒト、ウシ、ブタ、マウス、ラットなどの酵素では比較的相同性が高いヒトDPPIVは、766アミノ酸残基から成り、糖鎖修飾を受けた分子量は約120,000である。アミノ末端(N末端)の6残基が細胞質側に出て、細胞質尾部を構成し、それに続く24残基は膜貫通ドメインを形成している。さらに、これに続いて736残基からなる細胞外ドメインがある。この細胞外ドメインには糖修飾を受ける部位、システインに富む部位、およびペプチド結合の加水分解反応に関与する触媒活性部位が存在する(非特許文献3参照)。一方、血清や他の体液(精液、だ液、胆汁など)に可溶性DPPIVが見出されている。これは、細胞外ドメインに存在するSer39残基の位置で、プロテアーゼによる加水分解的な切断を受けて、細胞質尾部と膜貫通ドメインが切り離され、可溶化型になったものである(非特許文献4参照)。
ヒトDPPIVでは、酵素活性の発現に必須の活性残基はSer630、Asp708、His740(マウスのDPPIVではSer624、Asp702、His734)であり、これらが触媒性トライアッドを構成しており、本酵素はセリン型エキソペプチダーゼ(クランSC)に分類される(非特許文献5参照)。DPPIVは、細胞表面で2分子が非共有結合で会合したホモダイマーを取っている。また、DPPIVは、T細胞活性化抗原CD26(非特許文献6参照)およびアデノシンデアミナーゼ(ADA)結合タンパク質(非特許文献7参照)と同一物質であり、典型的な多機能性タンパク質である。
DPPIVの最も研究された機能は、インクレチンホルモン分解を通したグルコース恒常性への関与である。インクレチンは、栄養素の摂取に伴って消化管から分泌され、すい臓β細胞に作用してインスリン分泌を促進する一群のインスリン分泌性ホルモンの総称である。グルコースを経口投与すると、経静脈投与の場合よりも効果的なインスリン分泌作用が見られ、このような作用のことをインクレチン効果とよんでいる。インクレチンの主要な構成メンバーはグルカゴン様ペプチド(GLP−1)とグルコース依存性インスリン分泌ポリペプチド(GIP)である。GLP−1とGIPは、食物の摂取に応答して腸から分泌される(非特許文献8参照)。GLP−1は、小腸下部のL細胞から分泌される。まず前駆型のプログルカゴンとして生産されたのち活性化を受けて、活性型GLP−1(7−36残基から構成される)として血液循環内に産出される。しかし、活性型GLP−1のN末端ジペプチド(His−Ala)はDPPIVによって切り離されて、すみやかに不活性型GLP−1(9−36残基から構成される)に変換される。同様に、活性型GIP(1−42残基)は、DPPIVによりN末端ジペプチド(Tyr−Ala)が切り離されて、不活性型GIP(3−43残基)に変換される(非特許文献9参照)。活性型のGLP−1およびGIPの血中半減期は数分程度と考えられている。一方、II型糖尿病においてはインクレチン反応が低下し、その結果、インスリン分泌が減少する。そのため、血液中のDPPIV活性を阻害することができると、インクレチンの分解を遅延させることができ、インスリン産生を高めることが期待出来る(非特許文献10参照)。
現在までに使用が認められた合成DPPIV阻害剤としては、シタグリプチン、サクサグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、リナグリプチン、アナグリプチン、テネグリプチンなどが存在する(非特許文献11−15参照)。これらの合成DPPIV阻害剤には、頭痛、感染、吐き気、肝機能不全、過敏性反応(アナフィラキシーショック、血管性浮腫、剥離性皮膚疾患)などの副作用が認められている(非特許文献11,13参照)。このような理由から、副作用を示さない天然由来素材のDPPIV阻害剤に大きな期待が寄せられている。近年、チーズ、カボチャ、魚、卵黄、海藻、米ぬかを含む様々な食品を原料としたDPPIV阻害剤が報告されてきた(特許文献1,非特許文献16−20参照)。
ミミズは古くから漢方薬として解熱、利尿、血流改善などに用いられてきた。また、ミミズを原料としたミミズ乾燥粉末を用いた健康食品も存在する(特許文献2−4参照)。このように、ミミズには十分な食経験があるため、安全な食品であると考えられる。また、ミミズは条件を満たせば一年中繁殖が可能であり、生産性にも優れている。近年は、生ごみ処理とそれに伴う肥料の製造に、コンポストの形でミミズが利用されている。一方、ミミズは、古くから世界各地で、魚釣りのエサとして、あるいはニワトリなどの家禽のエサとしても用いられてきた。
ミミズの体液や破砕液や自己消化液、およびこれらから調製されたミミズ乾燥粉末には、血栓溶解作用(非特許文献21,22参照)やタンパク質分解作用(非特許文献23,24参照)、アミラーゼ活性やセルラーゼ活性(非特許文献25、26参照)、キュウリモザイクウイルスなどの植物ウイルスに対する抗ウイルス活性(非特許文献27参照)、抗エラスターゼ、抗チロシナーゼ、抗マトリクスメタロプロテイナーゼ1(非特許文献28参照)などの生理作用が報告されている。しかしながら、現在までに、ミミズやその乾燥粉末において、DPPIV阻害活性は報告されていない。
特開2007―39424号公報 特開2015―048342号公報 特開2012―219070号公報 特開2015―048353号公報
V.K.Hopsu−Havuら、A new dipeptide naphthylamidase hydrolyzing glycyl−prolyl−β −naphthylamide、Histochemie,7、197−201、1966 T.Yoshimotoら、Post−proline cleaving enzyme and post−proline dipeptidyl aminopeptidase、J.Biol.Chem.,253、3708−3016、1978 R.Mentlein、Dipeptidyl−peptidase IV (CD26)−−role in the inactivation of regulatory peptides、Regul.Pept.,85、9−24、1999 S.Iwaki−Egawaら、Dipeptidyl peptidase IV from human serum: purification, characterization, and N−terminal amino acid sequence、J.Biochem.,124、428−433、1998 F.Davidら、Identification of serine 624, aspartic acid 702, and histidine 734 as the catalytic triad residues of mouse dipeptidyl−peptidase IV (CD26)、J.Biol.Chem.,268、17247−17252、1993 B.Fleischer、CD26: a surface protease involved in T−cell activation、Immunol.Today,15、180−184、1994 E.Richardら、Clustered Charged Amino Acids of Human Adenosine Deaminase Comprise a Functional Epitope for Binding the Adenosine Deaminase Complexing Protein CD26/Dipeptidyl Peptidase IV、J.Biol.Chem.,277、19720−19726、2002 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この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、高い安全性を有する天然由来素材のヒトDPPIV阻害剤の製造方法を提供する点にある。
発明の第特徴構成は、ヒトDPPIVの阻害活性を有するヒトDPPIV阻害剤の製造方法であって、
ミミズを破砕して得られたミミズ乾燥粉末をに接触させてミミズ抽出液を得る抽出工程と、
前記抽出工程で得たミミズ抽出液を限外濾過して、分子量10kDa未満の低分子量画分をミミズ低分子量画分として回収する分子量分画工程とを実行し、
前記分子質量分画工程前の前記ミミズ抽出液を加熱処理又は冷アセトン沈殿処理により濃縮する濃縮工程を実行し、
前記分子量分画工程で回収したミミズ低分子量画分を主成分としてヒトDPPIV阻害剤を得る点にある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ミミズ乾燥粉末から得たミミズ抽出液のうち、分子量10kDa未満の低分子量画分であるミミズ低分子量画分が、ヒトDPPIVに対して阻害活性を有することを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、ミミズ乾燥粉末は、食経験も豊富であり、天然由来素材で安全性が高いことから、本構成のごとく、ミミズ低分子量画分を主成分としてヒトDPPIV阻害剤を得ることで、抗糖尿病効果を有する医薬品や、機能性食品、特定保健用食品としての応用が期待できる。また、原料となるミミズは繁殖が容易であり、一年中入手することが出来るため、生産性にも優れている。
本構成によれば、上記濃縮工程を実行することで、ミミズ乾燥粉末の抽出成分のうちの分子量10kDa未満のミミズ低分子質量画分を高濃度で得ることができるので、高いヒトDPPIV阻害活性を発現するヒトDPPIV阻害剤を得ることができる。
本構成によれば、上記濃縮工程において、前記分子量分画工程前の前記ミミズ抽出液を、加熱処理又は冷アセトン沈殿処理により分画することができる。そして、このように加熱処理又は冷アセトン沈殿処理を濃縮工程における濃縮法として選択すれば、一層高いヒトDPPIV阻害活性を発現するヒトDPPIV阻害剤を得ることができる。
実施例1のミミズ低分子量画分について各濃度におけるヒトDPPIV阻害率を示すグラフ図
本発明の実施形態について以下に説明する。
本発明に係るヒトDPPIV阻害剤は、ヒトDPPIVの阻害活性を有するヒトDPPIV阻害剤であって、ミミズを破砕して得られたミミズ乾燥粉末を抽出溶媒に接触させて得たミミズ抽出液のうち、分子量10kDa未満の低分子量画分であるミミズ低分子量画分を主成分とする。
このヒトDPPIV阻害剤の主成分であるミミズ低分子量画分は、ミミズを破砕して得られたミミズ乾燥粉末を抽出溶媒に接触させてミミズ抽出液を得る抽出工程と、この抽出工程で得たミミズ抽出液を限外濾過して、分子量10kDa未満の低分子量画分をミミズ低分子量画分として回収する分子量分画工程とを実行することで得られる。
そして、詳細については後述する実施例にて説明するが、このようにして得られたミミズ低分子量画分を主成分とするヒトDPPIV阻害剤は、ヒトDPPIVに対して阻害活性を有することが確認できた。
本発明に係るヒトDPPIV阻害剤の製造方法では、上記分子量分画工程前のミミズ抽出液又は上記分子量分画工程後のミミズ低分子量画分を濃縮する濃縮工程を実行しても構わない。このことで、ミミズ乾燥粉末の抽出成分のうちの分子量10kDa未満のミミズ低分子質量画分を高濃度で得ることができるので、高いヒトDPPIV阻害活性を発現するヒトDPPIV阻害剤を得ることができる。
更に、この濃縮工程としては、冷エタノール沈殿処理、冷アセトン沈殿処理、加熱処理などの公知の濃縮処理法を採用することができるが、特に加熱処理又は冷アセトン沈殿処理を濃縮工程における濃縮処理法として選択すれば、一層高いDPPIV阻害活性を発現するDPPIV阻害剤を得ることができる。
また、上記抽出工程を、ミミズ乾燥粉末をイオン交換水に懸濁させた懸濁液を遠心分離して、上清又は当該上清のフィルターによる濾過液を前記ミミズ抽出液として得る工程とすることで、ミミズ乾燥粉末の抽出成分を比較的高濃度且つ高純度で分離することができる。
以下に本発明の実施例及びその効果の実証するための試験例を説明する。
<ミミズ乾燥粉末の調製方法>
本実施例におけるミミズ乾燥粉末の調整方法について以下に説明する。
水道水で洗浄したLumbricidae科に属するミミズ(具体的にはEisenia fetida)1.5kgを3L(リットル)の5%NaHCO溶液に30分間浸漬し、体腔液を除去した(特許文献4参照)。次に、そのミミズを水道水で洗浄後、フードプロセッサーで破砕した。次に、そのミミズの破砕物をプラスチックバックに入れ、高圧装置(シナダ製、SHP100−50A)を用いて60℃、100MPa、16時間の高静水圧処理を行うことで、自己消化させた。得られたミミズ自己消化物を5,000×gで10分間遠心分離し、上清650gを回収した。上清は凍結乾燥することで、ミミズ乾燥粉末150gを回収した。
[実施例1]
先ず、抽出工程において、ミミズ乾燥粉末2.00gを200mLのイオン交換水に懸濁して10%(w/v)のミミズ乾燥粉末溶液を得て、そのミミズ乾燥粉末溶液を10,000×gで10分間遠心分離を行い、更に、上清を孔径5μmのフィルター、続いて孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過して、その濾過液をミミズ抽出液として得た。
次に、分子量分画工程において、ミミズ抽出液を、VIVA SPIN 20(GEヘルスケア製、MWCO:10,000)を用いて限外濾過し、分子量10kDa未満の低分子量画分である限外濾過液をミミズ低分子量画分(実施例1)として得た。更に、これを凍結乾燥して、乾燥粉末とした。2回の実験でそれぞれ、1.01g、1.04gのミミズ低分子量画分の乾燥粉末を得た。
<DPPIV阻害活性測定試験>
DPPIVの活性測定は、発光基質法に基づいたDPPIV drug discovery kit(Enzo Life Sciences製)を用いて行った。Glycyl−L−proline p−nitroanilide(Gly−Pro−pNA)を基質として用いて、DPPIVを作用させると、加水分解作用によりp−nitroaniline(pNA)が生成する。DPPIV活性は、このpNAの405nmにおける吸光度変化(ΔA405)を測定することにより測定することが出来る(非特許文献29−31参照)。
37℃でプレインキュベートした50mM Tris−HCl(pH7.5)35μLに17mU/mL ヒトDPPIV(Enzo Life Sciences製、Lot:12111311B)15μLを加え、この混合物に37℃でプレインキュベートした0.2mM Gly−Pro−pNAを50μL加えることにより反応を開始した。マイクロプレートリーダー(コロナ電気製、MTP−310Lab)、で生成したpNAによるΔA405を1分ごとに20分間測定した。50mM Tris−HCl(pH7.5)と0.2mM Gly−Pro−pNAを混合したものをブランク(対照)とした。DPPIVを添加した時に観測された測定値からブランク値を差し引いた値を、酵素活性に基づいて生成したpNAのΔA405とした。20分間にわたりΔA405を測定し、直線的な増加が観測されることを確認したうえで、1分間あたりのΔA405を算出した。pNAの405nmにおける分子吸光係数(ε405)は、9,620M−1cm−1(非特許文献32参照)であり、この値と1分間当たりのΔA405とから、1分間あたりに生成するpNA量(μM/min)を算出した。
そして、ミミズ低分子量画分のDPPIV阻害活性は、以下の要領で測定した。
実施例1のミミズ低分子量画分の乾燥粉末を50mM Tris−HCl(pH7.5)に溶解し、100、50、25、12.5mg/mLの溶液を作製した。各濃度のサンプルと37℃でプレインキュベートした50mM Tris−HCl(pH7.5)を合わせて35μLとし、これに17mU/mLのヒトDPPIV(Enzo Life Sciences製、ロット番号:12111311B)を15μL加えた。さらに、この混合物に37℃でプレインキュベートした0.2mM Gly−Pro−pNAを50μL加えることにより反応を開始した。そして、[1−(サンプルの活性値/コントロールの活性値)]×100をDPPIV阻害率(%)とした。そして、サンプルの終濃度と各濃度での阻害率を片対数プロットして、ImageJのカーブフィッティングソフトを用いた近似曲線から50%阻害濃度(IC50)を算出した。
図1(a)(b)には、実施例1の2種のミミズ低分子量画分について、各濃度におけるDPPIV阻害率を示した。どちらのミミズ低分子量画分でも2.5mg/mL以下ではDPPIV阻害を確認することが出来なかったが、5mg/mL以上では濃度依存的に阻害率の上昇が確認された。阻害曲線から求めたIC50は、作製した2種のミミズ低分子量画分ともに11mg/mLと算出された。この結果から、実施例1のミミズ低分子量画分には、ヒトDPPIVに対して阻害活性を有することが示された。
[比較例1]
上記実施例1において限外濾過膜を通過しなかった分子量10kDa以上の高分子量画分をミミズ高分子量画分(比較例1)とし、凍結乾燥して、乾燥粉末とした。
このように得られた比較例1のミミズ高分子量画分の凍結乾燥粉末は2回の実験でそれぞれ0.57g、0.56gであった。これらの粉末を50mM Tris−HCl(pH7.5)に溶解し、10mg/mL 溶液として、上述したDPPIV阻害活性測定試験と同条件でDPPIV阻害活性を測定した。
その結果、DPPIVのみでの活性が、1.2μM/minであったのに対し、比較例1のミミズ高分子量画分を加えると、それぞれ2.6、2.9μM/minとなりDPPIVのみの場合と比較して2倍以上の値となった。従って、比較例1のミミズ高分子量画分にはDPPIV阻害活性が認められないことが示された。比較例1のミミズ高分子量画分の添加により、DPPIV活性が逆に増大したことから、当該ミミズ高分子量画分画分には、DPPIV基質(Gly−Pro−pNA)を分解するDPPIV様の活性ないしは活性測定に用いたヒトDPPIVの活性を増強させる活性が含まれることが示された。
次に、各種濃縮工程を実行した実施例について説明する。
[実施例2]
先ず、抽出工程において、ミミズ乾燥粉末2.00gを200mLのイオン交換水に懸濁して10%(w/v)のミミズ乾燥粉末溶液を得て、そのミミズ乾燥粉末溶液を10,000×gで10分間遠心分離を行い、更に、上清を孔径5μmのフィルター、続いて孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過して、その濾過液をミミズ抽出液として得た。
次に、分子量分画工程において、ミミズ抽出液を、VIVA SPIN 20(GEヘルスケア製、MWCO:10,000)を用いて限外濾過し、分子量10kDa未満の低分子量画分である限外濾過液を得た。
次に、この限外濾過液10mLを、70℃のウォーターバスで30分間加熱する加熱処理により分画する濃縮工程を実行した。加熱処理後の限外濾過液を室温25℃に30分間冷却後、15,000×gで10分間遠心分離して、上清を凍結乾燥した。この画分を後加熱処理ミミズ低分子量画分(実施例2)と呼ぶ。
[実施例3]
先ず、抽出工程において、ミミズ乾燥粉末2.00gを200mLのイオン交換水に懸濁して10%(w/v)のミミズ乾燥粉末溶液を得て、そのミミズ乾燥粉末溶液を10,000×gで10分間遠心分離を行い、更に、上清を孔径5μmのフィルター、続いて孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過して、その濾過液をミミズ抽出液として得た。
次に、このミミズ抽出液10mLを、70℃、30分間の加熱処理により分画する濃縮工程を実行した。
次に、分子量分画工程において、加熱処理後のミミズ抽出液を室温25℃に30分間冷却後、15,000×gで10分間遠心分離して得られた上清を、VIVA SPIN 20(GEヘルスケア製、MWCO:10,000)を用いて限外濾過し、分子量10kDa未満の低分子量画分である限外濾過液をミミズ低分子量画分として得た。この画分を前加熱処理ミミズ低分子量画分(実施例3)と呼ぶ。
[実施例4]
先ず、抽出工程において、ミミズ乾燥粉末2.00gを200mLのイオン交換水に懸濁して10%(w/v)のミミズ乾燥粉末溶液を得て、そのミミズ乾燥粉末溶液を10,000×gで10分間遠心分離を行い、更に、上清を孔径5μmのフィルター、続いて孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過して、その濾過液をミミズ抽出液として得た。
次に、分子量分画工程において、ミミズ抽出液を、VIVA SPIN 20(GEヘルスケア製、MWCO:10,000)を用いて限外濾過し、分子量10kDa未満の低分子量画分である限外濾過液を得た。
次に、この限外濾過液を冷アセトン沈殿処理により分画する濃縮工程を実行した。具体的には、限外濾過液10mLに−20℃の冷却100%アセトンを40mL加え懸濁した。その後、4℃、15,000×gで10分間遠心分離して得られた沈殿物を10mLのイオン交換水で懸濁した。懸濁液はさらに遠心分離し、上清を凍結乾燥した。この画分を後冷アセトン沈殿処理ミミズ低分子量画分(実施例4)と呼ぶ。
[実施例5]
先ず、抽出工程において、ミミズ乾燥粉末2.00gを200mLのイオン交換水に懸濁して10%(w/v)のミミズ乾燥粉末溶液を得て、そのミミズ乾燥粉末溶液を10,000×gで10分間遠心分離を行い、更に、上清を孔径5μmのフィルター、続いて孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過して、その濾過液をミミズ抽出液として得た。
次に、このミミズ抽出液を冷アセトン沈殿処理により分画する濃縮工程を実行した。具体的には、ミミズ抽出液10mLに−20℃の冷却100%アセトンを40mL加え懸濁した。その後、4℃、15,000×gで10分間遠心分離して得られた沈殿物を10mLのイオン交換水で懸濁した。
次に、分子量分画工程において、その懸濁液を15,000×gで10分間遠心分離して得られた上清を、VIVA SPIN 20(GEヘルスケア製、MWCO:10,000)を用いて限外濾過し、分子量10kDa未満の低分子量画分である限外濾過液をミミズ低分子量画分として得た。この画分を前冷アセトン沈殿処理ミミズ低分子量画分(実施例5)と呼ぶ。
[実施例6]
先ず、抽出工程において、ミミズ乾燥粉末2.00gを200mLのイオン交換水に懸濁して10%(w/v)のミミズ乾燥粉末溶液を得て、そのミミズ乾燥粉末溶液を10,000×gで10分間遠心分離を行い、更に、上清を孔径5μmのフィルター、続いて孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過して、その濾過液をミミズ抽出液として得た。
次に、分子量分画工程において、ミミズ抽出液を、VIVA SPIN 20(GEヘルスケア製、MWCO:10,000)を用いて限外濾過し、分子量10kDa未満の低分子量画分である限外濾過液を得た。
次に、この限外濾過液を冷エタノール沈殿処理により分画する濃縮工程を実行した。具体的には、限外濾過液10mLに−20℃に冷却した99.5%エタノールを40mL加え懸濁した。その後、4℃、15,000×gで10分間遠心分離して得られた沈殿物を10mLのイオン交換水で懸濁した。懸濁液はさらに遠心分離し、上清を凍結乾燥した。
この画分を後冷エタノール沈殿処理ミミズ低分子量画分(実施例6)と呼ぶ。
[実施例7]
先ず、抽出工程において、ミミズ乾燥粉末2.00gを200mLのイオン交換水に懸濁して10%(w/v)のミミズ乾燥粉末溶液を得て、そのミミズ乾燥粉末溶液を10,000×gで10分間遠心分離を行い、更に、上清を孔径5μmのフィルター、続いて孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過して、その濾過液をミミズ抽出液として得た。
次に、このミミズ抽出液を冷エタノール沈殿処理により分画する濃縮工程を実行した。
具体的には、ミミズ抽出液10mLに−20℃の冷却100%エタノールを40mL加え懸濁した。その後、4℃、15,000×gで10分間遠心分離して得られた沈殿物を10mLのイオン交換水で懸濁した。
次に、分子量分画工程において、その懸濁液を15,000×gで10分間遠心分離して得られた上清を、VIVA SPIN 20(GEヘルスケア製、MWCO:10,000)を用いて限外濾過し、分子量10kDa未満の低分子量画分である限外濾過液をミミズ低分子量画分として得た。この画分を前冷エタノール沈殿処理ミミズ低分子量画分(実施例7)と呼ぶ。
上記実施例1−7で得られた各サンプルのDPPIV阻害活性を、DPPIV drug discovery kit(Enzo Life Sciences)を用いて測定した。各サンプルの100mg/mL溶液を10μL、50mM Tris−HCl(pH7.5)を25μL、17mU/mLのヒトDPPIV(Enzo Life Sciences、ロット番号:12111311B)を15μL、0.2mM Gly−Pro−pNAを50μL加えることで反応を開始した。その後、上述したDPPIV阻害活性測定試験と同様の方法で各サンプルのDPPIV阻害率を算出した。
上記実施例1−7で得られた各サンプルの回収量(重量)と終濃度10mg/mLでのDPPIV阻害率とを表1に示す。
Figure 0005901092
結果、回収量に関しては、分子量分画工程の前後に冷エタノール沈殿処理による濃縮工程を実行した実施例6,7のサンプルでは、何れも冷エタノール沈殿処理において沈殿物があまり回収できなかったため、回収量が少なかった。一方で、分子量分画工程の前後に冷アセトン沈殿処理や加熱処理による濃縮工程を実行した実施例2−5のサンプルでは、何れも回収量が多く、特に、実施例2の後加熱処理ミミズ低分子量画分や、実施例5の前冷アセトン沈殿処理ミミズ低分子量画分では、実施例1の濃縮工程を実行していない未処理のミミズ低分子量画分とほとんど同じ回収量であった。更に、実施例3の前加熱処理ミミズ低分子量画分では、実施例1の未処理のミミズ低分子量画分よりも回収量が多くなった。
DPPIV阻害率に関しては、分子量分画工程の前後に冷エタノール沈殿処理による濃縮工程を実行した実施例6,7のサンプルでは、何れもDPPIV阻害率が25%程度となり、実施例1の未処理のミミズ低分子量画分よりも低くなった。従って、強いDPPIV阻害剤はエタノールでは、十分沈殿しないものと考えられる。
一方、分子量分画工程の前後に冷アセトン沈殿処理による濃縮工程を実行した実施例4,5のサンプルでは、何れも実施例1の未処理のミミズ低分子量画分よりも高いDPPIV阻害率を示した。特に、実施例5の後冷アセトン沈殿処理ミミズ低分子量画分では、本実験で最も高いDPPIV阻害率(51%)が確認された。
分子量分画工程の前後に加熱処理による濃縮工程を実行した実施例2,3のサンプルでも、何れも実施例1の未処理のミミズ低分子量画分よりも高いDPPIV阻害率が確認された。この結果から、ミミズ乾燥粉末由来のDPPIV阻害剤は熱安定であると考えられる。
以上の結果より、分子量分画工程の前後に加熱処理又は冷アセトン沈殿処理による濃縮工程を実行した実施例2−5のサンプルでは、回収量も多く、DPPIV阻害活性も高いため、加熱処理又は冷アセトン沈殿処理が優れた初期分画であると考えられる。さらに、これらの分画は分子量分画工程の前に行うことでより効果的であった。
このようにして得られたミミズ乾燥粉末由来のDPPIV阻害剤は、食品や飲料に配合して機能性食品などへ用いることも可能であるが、さらに凍結乾燥やスプレードライなど公知の方法で粉末化したものを用いることも可能である。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、分子量分画工程前のミミズ抽出液又は分子量分画工程後のミミズ低分子量画分を濃縮する濃縮工程において、冷エタノール沈殿処理、冷アセトン沈殿処理、又は、加熱処理の濃縮処理法を採用した例を示したが、別の濃縮処理法を採用しても構わない。
(2)上記実施形態では、Lumbricidae科に属するミミズを用いたが、健康食品用・薬剤用で用いられる別の科に属するミミズを原料として用いてもよい。
(3)本実施形態におけるDPPIV阻害剤の製造方法に含まれる各工程の処理条件については適宜変更可能である。
(4)本実施形態では、ミミズの破砕物に高静水圧処理を行った後に、遠心分離後の上清を凍結乾燥して調整されたミミズ乾燥粉末を原料として用いたが、別の方法で調整されたものや市販のミミズ乾燥粉末を原料として用いても構わない。

Claims (2)

  1. ヒトジペプチジルペプチダーゼIVの阻害活性を有するヒトジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤の製造方法であって、
    ミミズを破砕して得られたミミズ乾燥粉末をに接触させてミミズ抽出液を得る抽出工程と、
    前記抽出工程で得たミミズ抽出液を限外濾過して、分子量10kDa未満の低分子量画分をミミズ低分子量画分として回収する分子量分画工程とを実行し、
    前記分子質量分画工程前の前記ミミズ抽出液を加熱処理又は冷アセトン沈殿処理により濃縮する濃縮工程を実行し、
    前記分子量分画工程で回収したミミズ低分子量画分を主成分としてジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤を得るヒトジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤の製造方法。
  2. 前記分子質量分画工程で回収したミミズ低分子質量画分を2.5mg/mL超の濃度でTris−HClに溶解してジペプチジルペプチダーゼ阻害剤を得る請求項1に記載のヒトジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤の製造方法。
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