JP5899443B2 - シリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤、それを用いたシリコンインゴット固定方法およびシリコンウエハの製造方法 - Google Patents
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Description
磁性体フィラーとしては、比透磁率が200以上のものが使用できる。このような磁性体フィラーとしては、例えば、コバルト、ニッケル、軟鉄、鉄、硅素鋼、純鉄、パーマロイやスーパーマロイなどの鉄−ニッケル合金、ソフトフェライトなどのフェライト(鉄酸化物)などが例示できる。ソフトフェライトとしては、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、銅亜鉛フェライトなどのスピネルフェライトなどが例示できる。これらの磁性体フィラーは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
磁性体フィラーの粒径は、磁性体フィラーの比透磁率や印加する磁場の大きさなどに応じて、適宜選択できる。熱硬化性接着剤を絶縁性の状態に保ち易くするため、熱硬化性樹脂に対する磁性体フィラーの質量比に加え、磁性体フィラーの粒径を調整してもよい。
熱硬化性樹脂は、特に制限されず、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型などのビスフェノール型エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂など)、フェノール樹脂(ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂など)、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂の主材を含む。これらの熱硬化性樹脂は、一種を単独で用いてもよく、同種または異種の二種以上を組み合わせて使用できる。
硬化剤および硬化促進剤は、それぞれ、熱硬化性樹脂の主材の種類に応じて、公知のものから適宜選択できる。硬化剤としては、例えば、酸無水物、脂肪族または芳香族アミン、イミダゾールまたはその置換体(アルキル置換体など)、ポリメルカプタン化合物などが例示できる。硬化促進剤としては、ジシアンジアミドなどが例示できる。
熱硬化性接着剤は、例えば、厚み100μmの層を形成して、硬化させる条件で、磁場を印加したとき、1〜60分間で、層の最高到達温度が熱硬化性樹脂の硬化温度以上となるという特徴を有してもよい。
また、剥離する際の(つまり、加熱下や薬液で処理するときの)、硬化した熱硬化性接着剤とシリコンインゴットとの間の密着強度は、例えば、98N/cm2以下、好ましくは90N/cm2以下である。
密着強度測定用のサンプルは、図1に示すように、シリコンインゴットの板状のサンプル1aの一方の表面に、シリコングリス4を介して、ワッシャ5を貼り付け、ワッシャ5の中央の孔に熱硬化性接着剤3を流して硬化させることにより作製する。
本発明では、上記の熱硬化性接着剤を用いて、シリコンインゴットを、加工用保持具に固定する。具体的には、シリコンインゴットの固定方法は、シリコンインゴットと、加工用保持具との間に、熱硬化性接着剤を配する工程(a)、および磁場を印加して、磁性体フィラーを誘導加熱し、熱硬化性接着剤を硬化させることにより、シリコンインゴットを加工用保持具に接着する工程(b)を含む。
加工用保持具を形成する材料としては、公知のものが使用でき、例えば、ガラス、カーボンなどの他、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ベークライトなどのフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂などが例示できる。加工用保持具は、これらの材料のうち一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて含有してもよい。
シリコンウエハの製造方法は、前記固定方法における工程(a)および工程(b)に加え、さらに、加工用保持具に接着されたシリコンインゴットを、ウエハにスライスする工程(c)、および、スライスされたウエハを、加工用保持具から剥離し、一枚ずつに分離する工程(d)を含む。工程(a)および工程(b)については、固定方法と同様である。
スライス工程に要する時間を短縮する観点からは、固定砥粒方式のワイヤーソーを用いるのが有利である。
なお、ウエハの厚みは、用途に応じて、適宜設定できる。
洗浄後、スライスされたウエハを乾燥してもよい。
工程(d)では、スライスされたウエハを、加工用保持具から剥離した後、さらに、ウエハを一枚ずつに分離する。
このようにして製造されるシリコンウエハは、太陽電池用途や半導体用途において有用である。
(1)熱硬化性接着剤の調製
熱硬化性樹脂と、磁性体フィラーとしてのニッケル粉末とを、表1に示す質量比で、プラネタリーミキサーを用いて、30分間混合することにより、熱硬化性接着剤を調製した。
上記(1)で得られた熱硬化性接着剤を用いて、図2および図3に示すように、加工用保持具としてのビーム材にシリコンインゴットを固定した。固定は、具体的には、下記の手順で行った。
熱硬化性接着剤の層の硬化後の厚みは、いずれの実施例においても、70μmであった。
熱硬化性接着剤、またはビーム材に固定されたシリコンインゴットを用いて、下記の評価を行った。
(a)粘度
コーン型の回転式粘度計(E型粘度計)を使用し、25℃、100rpmで測定を行った。
上記工程(2)において、シリコンインゴット1とビーム材2との間の熱硬化性接着剤の層を、誘導コイルにより誘導加熱する際に、熱硬化性接着剤の層の温度を、熱電対(KEYENCE社製、NR−250)で測定し、到達した最高温度を記録した。
また、磁場の印加開始から、最高温度に到達するまでに要した時間を測定した。
既述の方法により、硬化した熱硬化性接着剤を、シリコンインゴットの板状のサンプルから剥離させる際に要したシェア強度を測定し、熱硬化性接着剤の単位面積当たりの強度(密着強度)を求めた。
熱硬化性接着剤に代えて、二液性の接着剤を用いた。二液性の接着剤は、磁性体フィラーを添加することなく、エポキシ樹脂と、硬化剤としてのアミン系硬化剤とを混合することにより調製した。混合後、得られた接着剤を、速やかにビーム材2に塗布し、接着剤の層を、これを挟持するシリコンインゴットおよびビーム材とともに、室温(25℃)まで放置する以外は、実施例1と同様にして、シリコンインゴットとビーム材とを接着させた。
実施例1で用いた熱硬化性樹脂を、磁性体フィラーを添加することなく、そのまま接着剤として用いた。この接着剤を用いる以外は、比較例1と同様にして、シリコンインゴットとビーム材とを接着させた。
比較例1および2についても、実施例1と同様の評価を行った。
表1に熱硬化性樹脂と磁性体フィラーとの質量比とともに、上記の評価結果を示す。
2 加工用保持具(ビーム材)
3 熱硬化性接着剤
4 シリコングリス
5 ワッシャ
6 誘導コイル
7 シリコンウエハ
8 従来の接着剤
9 ベースプレート
Claims (12)
- 比透磁率が200以上である磁性体フィラーと、
熱硬化性樹脂とを含み、
シリコンインゴットを、加工用保持具に接着するために使用される、シリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤。 - 前記磁性体フィラーの平均粒径が5〜80μmである、請求項1に記載のシリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤。
- 前記磁性体フィラーが、ニッケル、コバルト、およびソフトフェライトからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載のシリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤。
- 前記磁性体フィラーと前記熱硬化性樹脂との質量比が、25/75〜55/45であり、
絶縁性である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤。 - 粘度が4〜30Pa・sである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤。
- 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、およびウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤。
- 前記熱硬化性樹脂の重量平均分子量が300以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤。
- シリコンインゴットと、加工用保持具との間に、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤を配する工程、および
磁場を印加して、前記磁性体フィラーを誘導加熱し、前記シリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤を硬化させることにより、前記シリコンインゴットを前記加工用保持具に接着する工程、を含むシリコンインゴットの固定方法。 - 前記磁性体フィラーの誘導加熱により、前記シリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤を65〜100℃の温度で加熱して硬化させる、請求項8に記載のシリコンインゴットの固定方法。
- シリコンインゴットと、加工用保持具との間に、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤を配する工程、
磁場を印加して、前記磁性体フィラーを誘導加熱し、前記シリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤を硬化させることにより、前記シリコンインゴットを前記加工用保持具に接着する工程、
前記加工用保持具に接着された前記シリコンインゴットを、ワイヤーソーでウエハにスライスする工程、および
前記スライスされたウエハを、前記加工用保持具から剥離し、一枚ずつに分離する工程を含む、シリコンウエハの製造方法。 - 前記シリコンインゴットと前記加工用保持具との間に配された前記シリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤の層の厚みが、前記ワイヤーソーのワイヤー径以下である、請求項10記載のシリコンウエハの製造方法。
- 前記磁性体フィラーの粒径が、前記シリコンインゴット固定用熱硬化性接着剤の層の厚み以下である、請求項10または11に記載のシリコンウエハの製造方法。
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