JP2006303180A - 基板の固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板の支持体への固定工程を簡略化するとともに、基板の割れや欠け等を低減することができる基板の固定方法を提供する。
【解決手段】 研磨対象となる基板10を、支持体40に固定する基板の固定方法であって、基板10とフィルム21の第1の主面211とを、粘着剤22により貼着する工程と、フィルム21の第2の主面212と支持体40とを、ワックス30により貼着する工程とを含む。粘着剤22としては、紫外線の照射によって粘着力が低下するもの、又は加熱によって粘着力が低下するものを用いることが好適である。また、フィルム21としては、例えば、ポリエチレン重合体又はポリエチレンテレフタレート等からなり、弾性率が4000MPa(at 20℃)以上であるものを用いることが好適である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、支持体に基板を固定する技術に関する。
半導体装置では、当該半導体装置に用いる基板を薄く加工すれば、それだけ装置の小型化や使用上の自由度向上をはかることができる。そのため、基板を所望の薄さまで研磨加工する技術に対する要請が高まっている。
基板を高精度に所望の薄さまで研磨するためには、表面が平坦で硬質材からなる支持体に平坦度を保ったまま強固に基板を固定する必要がある。
基板を支持体に固定する方法としては、基板と支持体とをワックスで貼着して固定する方法が知られている。この方法では、基板と支持体とがワックスによって強固に固定される。
しかし、この方法は、基板に付着したワックスを除去するために研磨後の基板洗浄に多大な労力を要するとともに、洗浄時に使用する特殊な溶剤によって作業環境が悪化するという問題を有している。
そこで、この問題を解決するための方法として、特許文献1には両面粘着フィルムを用いた方法が開示されている。この方法は、両面粘着フィルムによって基板と支持体とを貼着して固定するという方法である。この方法は、研磨後に両面接着フィルムを基板から剥離するのみであり、基板が汚染されにくいので、ワックスによって固定する際の上述した問題を解決することができる。また、この方法は、基板厚が120μm程度になるまで研磨した場合でも、基板の割れや欠け等が生じることを低減できることが確認されている。
特開2001―326206号公報
しかしながら、上述の両面粘着フィルムを用いた方法には、以下のような新たな2つの問題が発生することが判明した。
第1の問題は、両面粘着フィルムと支持体との貼着部に気泡が生じると、支持体が有する平坦度が保たれなくなり研磨精度が低下するので、当該気泡を生じさせないようにするために、基板を支持体に固定する際の工程が多くなるという点である。
詳述すると、基板を両面粘着フィルムの片方の面に貼着する際には、フィルムを湾曲させながら、基板の端から順にフィルムを貼着させることによって、基板とフィルムの粘着剤との間に気泡が入らないようにすることができる。ところが、フィルムに基板を貼着した後で、そのフィルムを支持体に貼着する場合は、フィルムは基板と貼着されていることによって湾曲しないため、フィルムと支持体との間に気泡が入らないようにフィルムと支持体とを貼着することは困難である。そのため、真空装置等を使って気泡を抜く工程が必要となり工程が増加するのである。
第2の問題は、粘着剤が有する弾性が基板の割れや欠けに大きく影響するという点である。すなわち、粘着剤は弾性を有しているので、研磨時に基板に圧力が加わるとその弾性によって基板がたわむ。両面粘着フィルムは、フィルムの両面に粘着剤が塗布されているため、粘着剤の弾性によって基板がたわむ量もかなり大きなものになる。さらに、研磨により基板厚が薄くなればなる程、基板がたわみ易くなり、当該基板がたわむ量も増大していく。したがって、両面接着フィルムを用いて基板を例えば100μmよりも薄く研磨する際には、基板の割れや欠けが高い頻度で発生し易くなるといった問題がある。
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、基板の支持体への固定工程を簡略化するとともに、基板の割れや欠け等を低減することができる基板の固定方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る基板の固定方法は、研磨対象となる基板を、支持体に固定する基板の固定方法であって、フィルムを準備する準備工程と、前記基板と準備したフィルムの第1の主面とを、粘着剤によって貼着する第1の貼着工程と、前記フィルムの第2の主面と前記支持体とを、ワックスによって貼着する第2の貼着工程とを含むことを特徴としている。なお、本明細書において、「粘着剤」とは、常温で粘着性を有する物質のことをいう。「ワックス」とは、常温において固体であり、加熱すると低粘度の液体となる有機物のことをいう。
上記の構成とすることにより、基板とフィルムとの貼着に粘着剤を用いているので、基板を汚染することなく容易に貼着することができる。また、フィルムと支持体とをワックスによって貼着するため、フィルムと支持体との間に存在する気泡を容易に抜くことができるので、真空装置等を使った気泡を抜くための工程が不要であり、基板の支持体への固定するための工程を簡略化することができる。また、粘着剤はフィルムの片面のみに塗布されており、粘着剤がフィルムの両面に塗布されている場合よりも、粘着剤が有する弾性によって基板がたわむ量を低減することができるので、基板を薄く研磨した際にも、基板の割れや欠け等の発生を抑制することができる。
上記構成において、前記第2の貼着工程の後に、前記ワックスを、前記フィルムの第1の主面の周縁部まで回り込ませて塗布する塗布工程をさらに含むことが望ましい。フィルムとワックスとの間に研削液及び研磨剤が入りこむと、研磨時における基板の平坦度が保たれなくなり、基板の割れや欠けが発生しやすくなる。このようにワックスをフィルムの第1の主面の周縁部まで回り込ませて塗布することにより、フィルムとワックスとの間に研削液及び研磨剤が入り込むのを防止することができるので、基板の割れや欠けの発生を抑制することができる。
さらに、前記粘着剤は、紫外線の照射によって粘着力が低下することが望ましい。これにより、基板からフィルムを剥離する際に、粘着剤に紫外線を照射するという簡易な工程を経ることによって、基板からフィルムを容易に剥がすことができる。
あるいは、前記粘着剤は、加熱によって粘着力が低下することとしてもよい。これにより、基板からフィルムを剥離する際に、粘着剤を加熱するという簡易な工程を経ることによって、基板からフィルムを容易に剥離することができる。
このとき、前記粘着剤の剥離温度は、前記ワックスの融点よりも高いことが望ましい。 これにより、研磨した支持体から支持体をはずす際に、加熱によりワックスを溶融させて、支持体からフィルムを剥離した後に、さらに加熱することにより、基板からフィルムを剥離することができる。したがって、基板からフィルムを剥離する際に、基板を保持してフィルムを端から順に基板から剥がすことできる。これにより、基板に割れや欠けが生じるのを抑制することができる。
また、前記フィルムは、弾性率が4000MPa(at 20℃)以上であることが望ましい。このようなフィルムを用いることによって、圧力によってフィルム自体がたわむ量が少なくなるので、例えば、基板厚を100μmよりも薄く研磨する際に、基板の割れや欠けが発生するのを抑えることができる。
例えば、前記フィルムは、ポリエチレン重合体又はポリエチレンテレフタレートからなることが望ましい。これらのフィルムは耐熱性が高いために、高温用ワックスをフィルムと支持体との接着に用いることができるとともに、高弾性率であるので、基板厚を100μmよりも薄くする際に、基板の割れや欠けが発生するのを低減することができる。
上記構成において、前記粘着剤の厚みは、15μm以上40μm以下であることが望ましい。粘着剤の厚みが15μm未満であると、十分な粘着力が得られないからであり、40μmより大きいと基板を研磨した際に、粘着剤自体の弾性が影響して、割れや欠けが生じやすくなるからである。
例えば、前記基板は、ベース基板と化合物半導体層とを有し、前記ベース基板上に前記化合物半導体層が形成されていることが好ましい。本発明に係る基板の固定方法によれば、ベース基板上に化合物半導体層が形成された基板を研磨する際に、基板の割れや欠け等を低減することができる。
また、前記化合物半導体層は、窒化物半導体からなることが好ましい。本発明に係る基板の固定方法によれば、化合物半導体層が窒化物半導体からなる基板を研磨する際、基板の割れや欠け等を低減することができる。
ここで、前記ベース基板は、GaN、サファイア又はSiCのうちのいずれか1つからなることが好ましい。本発明に係る基板の固定方法によれば、ベース基板が、窒化ガリウム(GaN)、サファイア、又は炭化珪素(SiC)からなる基板を研磨する際に、基板の割れや欠け等を低減することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る基板の研磨方法について説明する。
<基板の研磨方法の概要>
はじめに、本実施の形態に係る基板の研磨(固定)方法の概要について説明する。
まず、研磨対象となる基板と、表面が平坦な支持体と、片面のみに粘着剤が塗布されている片面粘着フィルムシート(以下、「フィルムシート」と表記する。)と、ワックスとを準備する。
はじめに、(1)研磨する基板とフィルムシートの粘着剤塗布面とを貼着して、つぎに(2)フィルムシートの粘着剤非塗布面と支持体とをワックスにより貼着する。これにより、基板が支持体に強固に固定されることになる。そして、(3)支持体を固定して基板を所望の厚さになるまで研磨する。研磨が終了したら、(4)ワックスを溶融させることによって、支持体からフィルムシートを剥離させた後、(5)粘着剤の粘着性を低下させて、基板からフィルムシートを剥離する。そして、(6)基板を純水により洗浄し、乾燥させることにより研磨状態が良好な基板を得ることができる。
このように、本実施の形態では、簡易な工程のみを経ることによって、割れや欠け等の発生を抑制して、基板を高精度に研磨することができる。以下、基板の研磨方法の詳細について説明する。
<第1の実施の形態>
図1から図3を参照しながら、第1の実施の形態に係る基板の研磨方法について説明する。図1は、本実施の形態に係る基板の研磨方法の各工程を示すフローチャートであり、図2は、第1の実施の形態に係る基板の固定方法の工程を示す模式図であり、図3は、第1の実施の形態に係る基板の研磨方法の工程を示す模式図である。なお、図2及び図3は模式図であって、図示されている物体の比率は実物のものとは相異している場合もある。
はじめに、研磨対象となる基板、表面が高い平坦度で加工された支持体、基板と支持体とを固定するためのフィルムシート及びワックスを用意する。
図2(a)に示すように、基板10は、ベース基板11、窒化物半導体層12及び電極層13を有する。ベース基板11は、窒化ガリウム(GaN)からなり、その大きさは直径50mm、厚さ400μmである。基板10は、ベース基板11の上に、厚さ2μmの窒化物半導体層12、厚さ0.5μmの電極層13を順に積層させることにより形成される。なお、基板10のうち、後の工程で研磨されるのは、ベース基板11側の面である。
フィルムシート20は、フィルム21と粘着剤22とからなり、フィルム21の片面(第1の主面211)に粘着剤22が塗布されている。フィルム21は例えば、ポリエチレンテレフタレートからなり、その厚みは例えば50μmである。粘着剤22は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂等を主成分とするものであり、常温で高い粘着性を有しているとともに、紫外線の照射によって粘着力が低下する性質を有している。
フィルムシート20は、基板10との接触面積よりも一回り大きいサイズに切断する。そして、図2(b)に示すように、フィルムシート20に塗布されている粘着剤22と、基板10のうち被研磨面とは反対側の面、すなわち電極層13側の面とを貼着する(図1:ステップS101)。これにより、基板10と、フィルム21の第1の主面211とを、粘着剤22によって貼着したことになる。なお、粘着剤22と基板10の電極層13とを貼り合わせる際には、研磨精度を高めるために、フィルムシート20を湾曲させながら基板10の端から順に貼り合わせることによって、基板10とフィルムシート20との間に気泡が生じないようにする必要がある。
つぎに、フィルムシート20の主面212と支持体40とをワックス30によって接着する(ステップS102)。ワックス30としては、ロジンを主成分とし、パラフィンワックスや、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等が混合されたものであって、融点が70℃前後のものを用いる。
まず、ホットプレート上に表面平坦度の高い直径100mmのセラミック製の支持体40を載せ、支持体40の表面温度がワックス30の融点よりも高い温度、例えば80℃になるまで加熱する。ここで、支持体40の平坦面にフィルムシート20を接着する領域よりも広い範囲にワックス30を塗布する。
そして、ワックス30が溶融して十分に延びた状態で、図2(c)に示すように、基板10と接着しているフィルム21を、ワックス30に載せる。
フィルム21をワックス30に載せる際には、基板10の中心部から外縁方向へ向けて圧力を印加することによって、フィルム21とワックス30との間に存在する気泡を抜く。これにより、フィルムと支持体との接着において、従来の両面粘着フィルムを用いたときのように、気泡を抜くための真空引き工程が必要なくなるので、基板の支持体への固定工程を簡略化することができる。
つぎに、基板10及びフィルム20が載せられた支持体40を20℃に温度設定したチラー上に配置して溶融しているワックス30を固化させる。これにより、フィルム21の第2の主面212と支持体40とが、ワックス40によって貼着される。このとき、基板10のベース基板11側より300g/cmの圧力を基板10全体に均等に印加する(ステップS103)。このとき、圧力を印加するのは、ワックスを均一な厚さに整えて、余分なワックスをフィルムの下から押し出すためである。
なお、支持体40上に押し出された余分なワックス30は十分に拭き取る必要がある。基板10にワックス30が付着すると、有機溶剤によって基板10を洗浄する必要があり、手間がかかるとともに、作業環境が悪化するからである。以上に示した本実施の形態に係る基板の固定方法の各工程を経ることによって、基板10を表面が平坦な支持体40に強固に固定することができる。
そして、基板10を固定した支持体40を研削機にセットする。支持体40は、真空吸着によって研削機に保持して、ベース基板11を研削して基板10を150μm厚にする。つぎに、支持体40をラッピング装置にセットして、研削済みの基板10のベース基板11を鏡面研磨を行い、ポリッシュにより仕上げる(ステップS104)。
ここで、フィルムシート20の粘着剤22としては特に粘性の高いものが使用されているため、粘着剤22の厚みが厚くなると、その分だけフィルムシート20の厚み方向の弾性が増すことになり、研磨時に基板に圧力が加わるとその弾性によって基板がたわみ易くなる。従来のように両面粘着フィルムシートを用いた場合には、フィルムシートの両面に粘着剤が塗布されているため、粘着剤の弾性によって基板がたわむ量もかなり大きなものになる。さらに、研磨により基板厚が薄くなればなる程、基板のたわむ量も増大していく。したがって、両面粘着フィルムを用いて基板を100μmよりも薄く研磨する際には、基板の割れや欠けが高い頻度で発生し易くなるという問題がある。
本実施の形態においても、粘性の高い粘着剤22を用いているため、実際研磨時の圧力によって基板がたわむ。しかしながら、粘着剤22はフィルムシート20の片面のみに塗布されているので、従来の両面粘着フィルムシートを用いた場合よりも、基板10がたわむ量を低減することができる。なお、フィルムシート20と支持体40との接着に用いられているワックス30は、冷却により固化しているので、ワックス30の影響によって基板10がたわむ量はほとんどないと考えられる。
したがって、上述した方法にしたがって基板を研磨することにより、従来よりも研磨時に基板がたわむ量を抑えることができるので、基板の割れや欠けを低減することができる。
研磨後は、図3(a)に示される研磨が終了した基板10が固定された支持体40をホットプレートに載置する。支持体40を表面が80℃になるまで加熱して、ワックス30を溶融させた状態で、支持体40からフィルム20を剥離する(ステップS105)。
そして、図3(b)に示すように、紫外線を放射する1kWのメタルハライドランプによって積算光量300mJ/cm2の条件で、フィルム21の第2の主面212側から紫外線を5秒間照射する。これにより、粘着剤22は硬化して、粘着力が低下する。基板10の研磨面側を真空吸着で固定した状態で、フィルムシート20を端から順にゆっくりと剥がす(ステップS106)。これにより、図3(c)に示すように、割れや欠けなしの基板10を得ることができる。
最後に、得られた基板10を純水で流水洗浄を10分間行い(ステップS107)、赤外線ランプによる加熱で乾燥させる(ステップS108)。これにより、表面および裏面が良好な状態の厚さの薄い基板10を得ることができる。
以上より、上述の基板の固定方法によれば、基板10にワックスが付着しないので、有機溶剤による洗浄を必要としない。また、フィルム21と支持体40とをワックス30を用いて貼着させており、フィルム21と支持体40との貼着面に存在する気泡を抜くための真空引き工程を必要としないので、工程を簡略化することができる。また、フィルム21の片面のみに粘着剤が用いられており、研磨する際に基板10がたわむ量を抑えることができるので、基板10を割れや欠けを生じることなく研磨することが可能となる。これにより、上述の基板の固定方法によれば、高精度に基板を薄く研磨することができる。
<フィルムについて>
つぎに、フィルムシート20に用いられるフィルム21として好適な材質について説明する。本発明者らは、フィルム21が、軟質ポリオリフィン(PO)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン重合体(OPP)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)からなる4種類の片面粘着フィルムシートを用意して、各フィルムシートを用いて基板10を研磨したときの研磨状態を調査する実験を行った。なお、フィルムシートに塗布する粘着剤はどのシートについても同じものを使用した。
図2(c)に示す被研磨体を研削機にセットして、基板10を150μm厚まで研削した。このとき、どのフィルムシートを用いた場合についても基板10は割れや欠けのない状態であった。
つづいて、基板10をラッピング装置にセットして鏡面研磨を行った。
図4は、4種類の各フィルムシートの弾性率と、各フィルムシートを用いた場合に、基板10を100μmから80μmの厚みまで順次にラッピングしたときの基板の状態を示す表である。
弾性率が300MPaである軟質ポリオリフィンを用いたフィルムシートでは、基板10を100μm厚まで研磨すると割れが発生した。
弾性率が600MPaである塩化ビニールを用いたフィルムシートでは、基板10を100μm厚まで研磨すると欠け及びクラックが発生した。
それに対して、弾性率が4000MPaであるポリエチレン重合体を用いたフィルムシートでは、90μm厚まで研磨しても割れ及び欠けは発生しなかった。さらに80μm厚まで研磨した場合でも、基板の面積に対して約10%の欠けが生じたに留まっている。
また、弾性率が7000MPaであるポリエチレンテレフタレートを用いたフィルムシートでは、90μm厚まで研磨しても割れ及び欠けは発生しなかった。さらに80μm厚まで研磨した場合でも、基板の面積に対して約5%の欠けが生じたに留まっている。
上述の実験結果より、基板厚を薄く研磨する際には、より高い弾性率を有するフィルムを用いることが好適であるといえる。すなわち、20℃における弾性率が4000MPa以上のポリエチレン重合体や、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを選択することが好適であるといえる。
また、ポリエチレン重合体やポリエチレンテレフタレートからなるフィルムは、100℃以上の耐熱性を有しているので、基板の支持体への接着工程において、多種のワックスが使用可能となる利点も有している。
<粘着剤の厚みについて>
つぎに、フィルムシート20における粘着剤22の厚みについて検討する。
本発明者らは、フィルムシート20における粘着剤22の厚みを、それぞれ10μm、15μm、35μm、40μm、45μm、50μmとした場合、基板10を80μmまで研磨したときの基板状態を調査する実験を行った。なお、フィルム21としては、ポリエチレンテレフタレートからなり、厚みが50μmのものを用いた。
以下に実験結果を示す。粘着剤22の厚みが10μmのときは、十分な接着力を得ることができず、基板10の研削時に、フィルムシート20から基板10が剥離した。
粘着剤22の厚みが15μmのときには、基板10を80μmまで研磨した際に、基板の面積に対して欠けが3%程度におさまり良好な結果を得ることができた。
粘着剤22の厚みが35μmのときには、基板10を80μmまで研磨した際に、基板の面積に対して欠けが3〜5%程度におさまり良好であった。
粘着剤22の厚みが40μmのときには、基板10を80μmまで研磨した際に、基板の面積に対して欠けが4〜6%程度におさまり良好であった。
また、粘着剤の厚みが45μmのときには、基板10を80μmまで研磨した際に、基板の中央付近から周辺部にかけてクラックが発生すると共に、基板の外周部も基板の面積に対して10%程度の欠けが発生し、不良となった。
粘着剤22の厚みが50μmのときには、基板10を80μmまで研磨した際に、研削時に基板全体に割れが発生した。
以上の実験結果より、粘着剤22の厚みを15μm以上40μm以下とすることにより、基板の厚みを80μmまで研磨しても良好な状態の基板を得られることが判明した。
<第2の実施の形態>
つぎに、図5及び図6を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る基板の研磨方法について説明する。図5は、複数の基板を一つの支持体に固定して研磨するバッチ式の場合を示す図であって、ここでは3枚の基板10を一つの支持体40に固定した状態を示す平面図である。図6は、図5のA−A矢視断面図である。
図5及び図6に示すように、基板10は、第1の実施の形態に示した方法と同様な方法によって支持体40の3箇所に固定されている。
基板10は、厚さ400μm、直径50mmのサファイアからなるベース基板11、窒化物半導体層12、電極層13が順に積層されてなる。
フィルムシート20は、50μm厚のポリエチレンテレフタレートからなるフィルム21に30μmの厚さで粘着剤22が塗布されている。粘着剤22としては、加熱によって接着力が低下する熱剥離型のものを用いる。なお、粘着剤22としては、剥離温度がワックス30の融点よりも高いもの、例えば120℃で加熱することによって、粘着剤22の中に含まれる発泡剤が、粘着剤22の表面に浮き上がって接着力が低下するものを用いる。
基板10とフィルムシート20とは、フィルムシート20の粘着剤22によって貼着されている(図1:ステップS101)。
つぎに、直径140mmのセラミック製の支持体40を80℃まで加熱し、支持体40上にフィルム21の面積よりも広い領域にワックス30を塗布する。そして、ワックス30が十分に延びた状態で、基板10を接着したフィルム21の粘着剤非塗布面をワックス30上に接着する(ステップS102)。
このとき、図6(a)に示すように、ワックス30をフィルム21の第1の主面211の周縁部21Eまで回り込ませて塗布して、ワックス延設部31を形成する。ワックス延設部31は、支持体40上に塗布されたワックス30と一体となっている。
つぎに、基板10を固定した支持体40の基板10側より300g/cmの圧力を印加し、20℃に温度設定したチラー41により支持体40を十分に冷却する(ステップS103)。
そして、これらの基板はラッピング装置にて80μm厚までラッピングを行い、鏡面研磨する(ステップS104)。
例えば図5に示すように、基板複数枚を同一の支持体40上に固定して研削・研磨する場合には、研削液や研磨剤等が、他の基板を固定するフィルムとワックスとの隙間に入り込む現象が頻繁に発生する。これにより、フィルム21の縁が剥離して、さらに当該箇所から研削液や研磨剤が入り込むので、研磨時における基板10の平坦度が保たれなくなり、基板10に欠けや割れが発生しうる。
第2の実施の形態では、上述のように、ワックス30をフィルム21の第1の主面211の周縁部まで延設させてワックス延設部31を形成することによって、フィルム21とワックス30との隙間に研削液や研磨剤等が入り込むことを防止することができるので、基板の割れや欠けの発生を抑えるとともに、平坦度を保った状態で高精度に研磨することができる。
研磨終了後は、支持体40を80℃に加熱することにより、ワックス30およびワックス延設部31が溶融し、基板10はフィルムシート20と一体となって支持体40から容易に取りはずすことができる(ステップS105)。
そして、粘着剤の剥離温度よりも高温で、フィルム21の第2の主面212側から加熱を行う。基板13の研磨側を真空吸着で固定して、フィルム16を端から順にゆっくりとめくることによって、割れや欠けなしで基板を得ることができる(ステップS106)。
最後に、得られた基板33を純水にて流水洗浄を10分間行い(ステップS107)、赤外線ランプ加熱により乾燥する(ステップS108)。
なお、上記においては、図6(a)のようにワックス延設部31をフィルム21の第1の主面と接触させた構成としたが、図6(b)のように、ワックス延設部31をフィルムシート20の粘着剤22と接触させて、ワックス延設部31がフィルムシート20の周縁部20Eを覆う構成としてもよい。
また、複数枚の基板を一の支持体に固定して研磨する場合と同様に、径が比較的大きい一枚の基板を支持体に固定した場合についても、フィルム21とワックス30との間に研削液や研磨剤が入り込む現象が起き易いことが判明した。したがって、例えば直径が比較的大口径の基板を研磨する際にも、図6(a)又は(b)に示すようなワックス延設部31を形成して基板を研磨することが好適である。
以上のように、本実施の形態に係る基板の固定方法によれば、基板の支持体への接着工程を簡略化するとともに、基板厚を100μmよりも薄くする際の基板の割れや欠け等を極力低減することができる。
<変形例>
以上、本発明を種々の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記においては、ベース基板11として、GaN基板、サファイア基板を用いたものについて説明したが、ベース基板11はこれらに限定されず、例えば、ベース基板としてSiC基板を用いたものについても、本実施の形態に係る基板の固定方法を適用することができる。
(2)上記実施の形態においては、基板10は、ベース基板11上に、化合物半導体層12、電極層13が順に積層された構成であったが、例えば、ベース基板単体、或いはベース基板上にベース基板とは異なる材料の基板を形成した基板等のように、基板は他の構成をしたものであってもよい。
(3)第1の実施の形態では、紫外線照射型の粘着剤を、第2の実施の形態では、熱剥離型の粘着剤を用いたが、第1の実施の形態で熱剥離型の粘着剤を、第2実施の形態で紫外線照射型の粘着剤をそれぞれ用いてもよい。
本発明は、半導体ウエハ等の基板を研磨する際に広く適用することができる。また、本発明は、基板を研磨する際に割れや欠け等が生じるのを低減することができるので、その産業的利用価値は極めて高い。
第1の実施の形態に係る基板の研磨方法の各工程を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る基板の固定方法の工程を示す模式図である。 第1の実施の形態に係る基板の研磨方法の工程を示す模式図である。 4種類の各フィルムシートの弾性率と、各フィルムシートを用いた場合に基板を100μmから80μmの厚みまで順次にラッピングしたときの基板の状態を示す表である。 3枚の基板10を一つの支持体40に固定した状態を示す平面図である。 図5のA−A矢視断面図である。
符号の説明
10 基板
11 ベース基板
12 III―V族化合物半導体層
13 電極
20 片面粘着フィルムシート
21 フィルム
22 粘着剤
30 ワックス
31 ワックス延設部
40 支持体

Claims (11)

  1. 研磨対象となる基板を、支持体に固定する基板の固定方法であって、
    フィルムを準備する準備工程と、
    前記基板と準備したフィルムの第1の主面とを、粘着剤によって貼着する第1の貼着工程と、
    前記フィルムの第2の主面と前記支持体とを、ワックスによって貼着する第2の貼着工程と
    を含むことを特徴とする基板の固定方法。
  2. 前記第2の貼着工程の後に、
    前記ワックスを、前記フィルムの第1の主面の周縁部まで回り込ませて塗布する塗布工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の基板の固定方法。
  3. 前記粘着剤は、紫外線の照射によって粘着力が低下することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の基板の固定方法。
  4. 前記粘着剤は、加熱によって粘着力が低下することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の基板の固定方法。
  5. 前記粘着剤の剥離温度は、前記ワックスの融点よりも高いことを特徴とする請求項4記載の基板の固定方法。
  6. 前記フィルムは、弾性率が4000MPa(at 20℃)以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の基板の固定方法。
  7. 前記フィルムは、ポリエチレン重合体又はポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の基板の固定方法。
  8. 前記粘着剤の厚みは、15μm以上40μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の基板の固定方法。
  9. 前記基板は、ベース基板と化合物半導体層とを有し、
    前記ベース基板上に前記化合物半導体層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の基板の固定方法。
  10. 前記化合物半導体層は、窒化物半導体からなることを特徴とする請求項9に記載の基板の固定方法。
  11. 前記ベース基板は、GaN、サファイア又はSiCのうちのいずれか1つからなることを特徴とする請求項9又は請求項10記載の基板の固定方法。
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