JP5899187B2 - 透過型光電陰極 - Google Patents

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Description

本発明は、透過型の光電陰極に関する。
透過型光電陰極においては、微小な光量から大光量までの広い範囲において直線性のある検出を行うこと、つまり、カソードリニアリティ特性の向上が望まれている。ここで、カソードリニアリティ特性とは、入射光量に対するカソード出力電流の直線性を意味する。カソードリニアリティ特性の向上には、光電変換層への適切な電荷供給が必要となるところ、例えば光透過性基板と光電変換層との間に導電性を備えた層(下地層)を設け、光電変換層の面抵抗を下げることで対応することが考えられる。
一方、反射型光電陰極においては、基板と光電面との間にグラファイトやカーボンナノチューブなどからなる層(中間層)を設けた構成が知られている(下記特許文献1参照)。
特開2001−202873号公報
しかしながら、このような中間層は、入射光を大きく吸収してしまう場合があるため、透過型光電面に用いると、光電変換層に十分な光量の入射光が至らず、十分な感度を得ることができない場合があった。一方、光電変換層に添加物を加えて光電変換層自体の面抵抗を低減させることで、光電変換層への適切な電荷供給を行うこともできるが、添加物を加えたことにより光電変換層の光電変換効率が低下してしまう場合があり、やはり十分な感度を得ることができない場合があった。このように、透過型光電面においては、光電変換層の面抵抗を下げることでカソードリニアリティ特性を向上させようとすると、その一方で感度が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、十分な感度を保持しつつ、カソードリニアリティ特性を向上させることができる透過型光電陰極を提供することを目的とする。
本発明に係る透過型光電陰極は、光が入射する一面、及び一面側から入射した光を出射する他面を有する光透過性基板と、光透過性基板の他面側に設けられ、他面から出射される光を光電子に変換する光電変換層と、光透過性基板と光電変換層との間に設けられるグラフェンからなる光透過性導電層と、を備える。
本発明に係る透過型光電陰極によれば、光透過性基板と光電変換層との間に、高い光透過性と高い導電性とを併せ持つグラフェンからなる光透過性導電層を設けることで、光電変換層への光の入射を妨げることなく、光電変換層の面抵抗を低減させることができる。これにより、十分な感度を保持しつつ、カソードリニアリティ特性を向上させることができる。
上記透過型光電陰極では、光透過性導電層は、単層のグラフェンからなっていてもよい。このように、光透過性導電層を単層のグラフェンで形成すれば、光透過性導電層を多層のグラフェンで形成する場合と比較して、光透過性導電層の光透過率を高くすることができる。これにより、光透過性基板の他面から出射される光をより確実に光電変換層に導くことができ、感度をより高めることができる。
上記透過型光電陰極では、光透過性導電層は、多層のグラフェンからなっていてもよい。このように、高い導電性を有するグラフェンを複数重ねて光透過性導電層を形成することで、より確実に光電変換層の面抵抗を低減させることができ、カソードリニアリティ特性をより向上させることができる。
本発明によれば、十分な感度を保持しつつ、カソードリニアリティ特性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管を示す平面図である。 図1に示した光電子増倍管の底面図である。 図1のIII−III線に沿った断面図である。 透過型光電陰極を模式的に示した図であり、(a)は透過型光電陰極の概略側断面図であり、(b)は透過型光電陰極の概略平面図である。 本実施形態に係る透過型光電陰極の製造方法を説明するための模式図である。 グラフェン及びその他の導電性材料の光透過率の測定結果を示すグラフである。 実施例1に係る透過型光電陰極及び従来の光電陰極のカソードリニアリティ測定結果を示すグラフである。 実施例1に係る透過型光電陰極において光透過性導電層のグラフェン層数を変化させた場合の量子効率の見積を示すグラフである。 実施例2に係る透過型光電陰極と従来の光電陰極との量子効率測定結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る透過型光電陰極の実施形態を説明する。なお、以下の説明における「上」、「下」等の語は図面に示す状態に基づく便宜的なものである。また、各図において同一又は相当の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面においては、一部、本発明に係る特徴部分をわかり易く説明するために誇張している部分があり、実際の寸法とは異なっている。本実施形態では、光電子増倍管1における透過型の光電陰極として用いられる透過型光電陰極2を例に挙げて説明する。
図1〜図3に示すように、電子管である光電子増倍管1は略円筒形状をなす金属製の側管3を有している。図3に示すように、円筒状の側管3の上側端部には、内側に延びるフランジ部3aが形成されている。このフランジ部3aに当接して、光透過性を有する光透過性基板4が気密に固定されている。光透過性基板4の内側面(他面)4b側には、光透過性を有する光透過性導電層6と導電性材料からなるコンタクト部7とを介して、光電変換層5が形成されている。光電変換層5は、光透過性基板4を通して入射した光を光電子に変換する。コンタクト部7と側管3とは、ボンディングワイヤ8により電気的に接続されている。本実施形態に係る透過型光電陰極2は、光透過性基板4、光透過性導電層6、コンタクト部7、及びボンディングワイヤ8によって構成されている。透過型光電陰極2の構成の詳細については、光電子増倍管1の全体構成を説明した後に述べる。
図2及び図3に示すように、側管3の下側の開口端には、円板状のステム9が配置されている。このステム9には、略円状の位置に周方向に互いに離間して配置された複数(15本)の導電性のステムピン10が、気密に挿着されている。また、このステム9を側方から包囲するように、金属製のリング状側管11が、気密に固定されている。そして、図3に示すように、上側の側管3の下端部に形成されたフランジ部3bと下側のリング状側管11の上端部に形成された同径のフランジ部11aとが溶接され、側管3とリング状側管11とが気密に固定されることで、側管3、光透過性基板4及びステム9から構成され、内部が真空状態に保たれた密封容器12が形成されている。
このように形成された密封容器12内には、光電変換層5から放出された光電子を増倍するための電子増倍部13が収容されている。この電子増倍部13は、二次電子面を有する電子増倍孔を多数有する薄板状のダイノード板14が複数段(本実施形態では10段)に積層されてブロック状に形成され、ステム9の上面に設置されている。各ダイノード板14の所定の縁部には、図1に示すように、外側に突出するダイノード板接続片14cが、それぞれ形成されている。各ダイノード板接続片14cの下面側には、ステム9に挿着された所定のステムピン10の先端部分が、溶接固定されている。これにより、各ダイノード板14と各ステムピン10との電気的な接続がなされている。
さらに、図3に示すように、密封容器12内において、電子増倍部13と光電変換層5との間には、光電変換層5から放出された光電子を電子増倍部13に収束させて導くための平板状の収束電極15が設置されている。最終段のダイノード板14bの一段上の段には、電子増倍部13により増倍され最終段のダイノード板14bから放出された二次電子を出力信号として取り出すための平板状のアノード(陽極)16が積層されている。図1に示すように、収束電極15の四隅には、外側に突出する突出片15aがそれぞれ形成され、この各突出片15aに所定のステムピン10が溶接固定されることで、ステムピン10と収束電極15との電気的な接続がなされている。また、アノード16の所定の縁部にも、外側に突出するアノード接続片16aが形成され、このアノード接続片16aにステムピン10の一つであるアノードピン17が溶接固定されることで、アノードピン17とアノード16との電気的な接続がなされている。そして、図示しない電源回路に接続したステムピン10によって電子増倍部13及びアノード16に所定の電圧が印加されると、光電変換層5と収束電極15とは、同電位に設定され、各ダイノード板14は、積層順に上段から下段に行くにつれて高電位となるように設定される。また、アノード16は、最終段のダイノード板14bよりも高電位に設定される。
図3に示すように、ステム9は、ベース材18と、ベース材18の上側(内側)に接合された上側押え材19と、ベース材18の下側(外側)に接合された下側押え材20とによる3層構造とされ、その側面には上述したリング状側管11が固定されている。本実施形態においては、ステム9を構成するベース材18の側面とリング状側管11の内壁面とを接合することにより、リング状側管11に対してステム9を固定している。
図4を用いて、透過型光電陰極2について説明する。図4(a)は、透過型光電陰極2の概略側断面図である。図4(b)は、透過型光電陰極2を光透過性基板4が設けられている側から見た概略平面図である。ただし、図4(b)においては、光透過性基板4の図示を省略している。
上述したように、側管3の上側のフランジ部3aの上面には、光電変換層5で検出する波長の光、例えば紫外光に対して良好な光透過性を有する光透過性基板4が円板状に設けられている。光透過性基板4は、例えば石英等のガラスからなる面板である。光透過性基板4は、光が入射する外側面(一面)4aと、基板本体に対して外側面4aとは反対側に設けられる内側面4bとを有する。外側面4a側から入射した光は、基板本体の中を通って内側面4bから出射する。
光透過性基板4の内側面4bにおいてフランジ部3aに当接されない円領域の表面上には、フランジ部3aの端部から離間して、グラフェンからなる光透過性導電層6が形成されている。さらに、導電性材料(例えばAl)からなるコンタクト部7が、光透過性導電層6とフランジ部3a(金属製の側管3)とを電気的に接続するため、光透過性導電層6とフランジ部3aの端部との間に入り込むようにフランジ部3aと当接すると共に光透過性導電層6の縁部6aを覆うようにして、円環状に形成されている。このようなコンタクト部7が形成されていることで、側管3と、光透過性導電層6及び光電変換層5とを、コンタクト部7を介して確実に電気的に接続することができる。なお、コンタクト部7はフランジ部3aの下側の面上にまで延びて形成されていてもよい。
さらに、本実施形態では、一端がコンタクト部7の下面7aに接続され、他端がフランジ部3aの下面に接続されるボンディングワイヤ8を設けることで、側管3と、光透過性導電層6及び光電変換層5とが、より確実に電気的に接続されている。
フランジ部3aの下面、コンタクト部7、及び光透過性導電層6の下面を覆うようにして、光電変換層5が形成されている。光電変換層5は、光透過性基板4の内側面4bから出射される光を光電子に変換する。光電変換層5は、例えばアンチモン(Sb)、カリウム(K)、及びセシウム(Cs)等を含有してなる。
次に、上述の透過型光電陰極2を製造する方法の一例について説明する。まず、光透過性基板4を用意し、この光透過性基板4の表面上にグラフェンからなる光透過性導電層6を成膜する。以下、この成膜方法について詳しく説明する。まず、熱CVD法によって、銅箔31の表面上にグラフェンの層を形成する。例えば、銅箔を1000Pa,約1000℃の高圧高温下に置き、そこにメタン(CH)及び水素(H)を9:1の割合(例えば、CH=450sccm,H=50sccm)で供給することで、銅箔31の表面上にグラフェン層(光透過性導電層6)を形成する(図5(a)参照)。続いて、光透過性導電層6の表面にPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)を塗付し、樹脂層32を形成する(図5(b)参照)。その後、銅箔31をエッチングにより除去する(図5(c)参照)。続いて、このようにして得られた光透過性導電層6及び樹脂層32からなる膜33を水に浮かせた後、光透過性基板4でこの膜33を掬う(図5(d)参照)。その後、膜33と光透過性基板4との間に入り込んだ水34を乾燥させて蒸発させる(図5(e)参照)。最後に、樹脂層32をアセトンによって除去することで、表面(内側面4b)上の所望の領域(中心領域)に光透過性導電層6が形成された光透過性基板4を得ることができる。
続いて、側管3のフランジ部3aが光透過性導電層6に対して離間しつつ包囲するように、光透過性基板4の内側面4bを、側管3のフランジ部3aに対して気密に固定させる。続いて、側管3の内側から、光透過性導電層6とフランジ部3aとの隙間、及び光透過性導電層6の縁部6aを覆うようにAlを円環状に蒸着することで、コンタクト部7を形成する。続いて、コンタクト部7の下面7aと側管3のフランジ部3aの下面とを、ボンディングワイヤ8により電気的に接続する。続いて、側管3の内側から、フランジ部3aの下面、コンタクト部7、及び光透過性導電層6の下面に対して、アンチモン(Sb)を蒸着する。さらに、トランスファー装置を用いてアンチモン(Sb)にカリウム(K)及びセシウム(Cs)を反応させることで、バイアルカリ光電面(光電変換層5)を形成する。その後、電子増倍部13が設置されたステム9を気密に固定したリング状側管11のフランジ部11aを、側管3のフランジ部3bに溶接することで、密封容器12を形成する。なお、予め、光透過性基板4の内側面4bを、側管3のフランジ部3aに対して気密に固定させておいてから、光透過性基板4の内側面4bに光透過性導電層6を形成してもよい。
続いて、図6及び図7を用いて、光電変換層5の下地としてグラフェンからなる光透過性導電層6を用いることの優位性について説明する。図6のグラフは、光電変換層5の下地として、グラフェンを用いた場合及びグラファイトを混入したカーボンナノチューブ(CNT)を用いた場合のそれぞれの分光透過率の測定結果を示している。また、図6のグラフには、電子管で使用される透明導電膜材料の光透過率についても参考までに示している。ここで、透明導電膜材料とは、酸化インジウムスズ(ITO)、Al添加ZnO(Al−ZnO)、及びニッケル(Ni)である。
ここで、グラファイトを混入したCNTのサンプルは、以下の1〜6に示す手順によって作成したものである。
1.CNTとグラファイトの混合粉末をアルコールに溶かして攪拌する。
2.グラファイト片が沈殿するまで放置する。
3.上澄み液を採取する。
4.サンプル基板(Φ1インチコルツ板)をヒーターで200℃に加熱する。
5.コルツ板上に3で採取した上澄み液をスポイトで1滴垂らす。
6.アルコールが蒸発したことを確認した後に5を再度実行する。
図6に示すように、従来下地として用いられているグラファイトを混入したCNTは、グラフェンと比較して広い波長範囲にわたって全体的に透過率が低くなっており、特に紫外光から可視光においてグラフェンとの差が顕著となっている。このため、特に紫外光から可視光において感度を有する光電変換層5の下地としては、従来のグラファイトを混入したCNTよりも高い光透過性を有するグラフェンの方が適しているといえる。また、ITO及びAl−ZnOは、グラフェンと比較して紫外光領域の透過率が低く、Niは、グラフェンと比較して全体的に透過率が低くなっている。このように、グラフェンは、従来下地層として用いられているグラファイトを混入したCNTだけでなく、他の導電性材料と比較しても、広い波長範囲にわたって、特に紫外光から可視光において、高い光透過性を有している。したがって、グラフェンからなる光透過性導電層6は、透過型光電陰極2における光電変換層5の下地としてより適しているといえる。
図7は、本実施形態に係る光電子増倍管1(実施例1)の透過型光電陰極2と、光電変換層の下地(光透過性導電層6に相当する部分)を設けない光電子増倍管(比較例)の透過型光電陰極とのカソードリニアリティ測定結果を示す図である。図7のグラフの横軸は、カソード出力電流値を示しており、縦軸は、理想的な直線性を示す場合の電流値(理想値)に対するカソード出力電流値のずれの程度を示す変化率を示している。つまり、変化率が0%に近いほど、直線性が良いことを示している。図7に示すように、比較例は、0.1μA程度でカソードリニアリティの規格(±5%以内)から外れる一方で、実施例1は、10μAを超えても当該規格から外れないという結果が得られた。したがって、グラフェンからなる光透過性導電層6は、カソードリニアリティ特性の観点からも、透過型光電陰極2における光電変換層5の下地として適しているといえる。
図8は、透過型光電陰極2において光透過性導電層6を構成するグラフェンの層数を変化させた場合の量子効率の見積を示すグラフである。図8に示すように、光透過性導電層6を構成するグラフェンの層数が増加するにつれて光透過率が低下するため、量子効率が低下することが想定される。すなわち、光透過性導電層6を単層(1層)のグラフェンで形成すれば、光透過性導電層6を複数層のグラフェンで形成する場合と比較して、光透過性導電層6の光透過率を高くすることができる。これにより、光透過性基板4の内側面4bから出射される光をより確実に光電変換層5に導くことができ、量子効率を高めると共に、分光感度をより高めることができる。
一方、図8に示したように、光透過性導電層6を形成するグラフェンを数層程度重ねただけであれば、量子効率の低下、すなわち分光感度の低下をある程度抑えられ、透過型光電陰極2として十分な感度を得ることが期待できる。したがって、光量が十分であって、光電子増倍管1の出力電流を大きくしたい場合等には、光透過性導電層6を構成するグラフェンを多層に形成してもよい。この場合には、より確実に光電変換層5の面抵抗を低減させることができ、カソードリニアリティ特性をより向上させることができる。また、グラフェンの層数をある程度の数(例えば6層以上)とすることで、インク状の材料を光透過性基板4の内側面4bに塗付することで、光透過性導電層6を形成した光透過性基板4を容易に製造できる可能性もある。
以上述べた透過型光電陰極2によれば、光透過性基板4と光電変換層5との間に、高い光透過性と高い導電性とを併せ持つグラフェンの光透過性導電層6を設けることで、光電変換層5への光の入射を妨げることなく、光電変換層5の面抵抗を低減させることができる。これにより、十分な感度を保持しつつ、カソードリニアリティ特性を向上させることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係る透過型光電陰極は、光電子増倍管の他にも、例えば光電管、イメージインテンシファイア、ストリーク管、及びX線イメージインテンシファイア等の電子管における透過型光電陰極として用いることができる。
本発明に係る透過型光電陰極がイメージインテンシファイアの透過型光電陰極としても好適であることについて、図9を用いて説明する。図9は、CeTe光電面(光電変換層)を有するイメージインテンシファイアにおいて光透過性基板とCeTe光電面との間に単層グラフェンからなる光透過性導電層を下地として形成したもの(実施例2)と、従来の金属(Ni)下地を用いたイメージインテンシファイア(従来例)との量子効率の測定結果を示す図である。波長280nmにおける量子効率を比較すると、実施例2では17.41%であり、従来例では12.76%であり、約1.36倍の感度向上が確認できている。
なお、光電変換層5はアルカリ金属を主成分とするものに限らず、ガリウム等を含む半導体結晶からなるものでもよい。また、光透過性基板4も石英に限らず、検出する波長域等の条件に合わせて、各種光透過性材料を選択することができる。さらに、側管3も金属といった導電性材料にかぎらず、ガラスやセラミック等の絶縁性材料によって構成しても良い。
1…光電子増倍管、2…透過型光電陰極、3…側管、4…光透過性基板、4a…外側面(一面)、4b…内側面(他面)、5…光電変換層、6…光透過性導電層、6a…縁部、7…コンタクト部。

Claims (3)

  1. 光が入射する一面、及び前記一面側から入射した前記光を出射する他面を有する光透過性基板と、
    前記光透過性基板の前記他面側に設けられ、前記他面から出射される前記光を光電子に変換する光電変換層と、
    前記光透過性基板と前記光電変換層との間に設けられるグラフェンからなる光透過性導電層と、
    を備える透過型光電陰極。
  2. 前記光透過性導電層は、単層のグラフェンからなることを特徴とする請求項1記載の透過型光電陰極。
  3. 前記光透過性導電層は、多層のグラフェンからなることを特徴とする請求項1記載の透過型光電陰極。
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