JP6958827B1 - 光電陰極及び光電陰極の製造方法 - Google Patents

光電陰極及び光電陰極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透光性基板と光電変換層との間に光透過性導電層を下地として設けた場合であっても、所望の特性を容易に得ることができる。【解決手段】光電陰極は、透光性基板と光電変換層との間に設けられる光透過性導電層を備え、光透過性導電層は、炭素を含む構成材料によって形成され、当該構成材料のラマンスペクトルは、D1バンドのピークP1と、GバンドのピークP2と、2D1バンドのピークP3と、(D1+G)バンドのピークP4と、を有している。【選択図】図4

Description

本開示は、光電陰極及び光電陰極の製造方法に関する。
光電陰極は、例えば透光性基板の一面側に光電変換層を備えて構成されている。光電陰極においては、微小光量から大光量までの広い範囲において、直線性のある検出を行うこと、すなわち、カソードリニアリティ特性の向上が望まれている。カソードリニアリティ特性とは、入射光の光量の増減に比例してカソード出力電流が増減する際の直線性を意味するものである。このカソードリニアリティ特性の向上には、光電変換層への適切な電荷供給が必要となっている。
このような技術的課題に対しては、例えば透光性基板と光電変換層との間に光透過性導電層とを下地として設け、光電変換層の面抵抗を下げる手法が検討されている。例えば特許文献1に記載の光電陰極では、透光性基板と光電変換層との間に、グラファイトやカーボンナノチューブ等からなる中間層を設けた構成が開示されている。
特開2001−202873号公報
上述のような光電陰極は、光電子増倍管のほか、光電管、イメージ増幅器、ストリーク管など、様々な用途を有している。光電陰極に求められる特性は、適用先の用途に応じて広く異なる。そのため、透光性基板と光電変換層との間に光透過性導電層を下地として設けた場合であっても、所望の特性を有する光電陰極を容易に得ることができる技術が望まれていた。
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、透光性基板と光電変換層との間に光透過性導電層を下地として設けた場合であっても、所望の特性を容易に得ることができる光電陰極を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る光電陰極は、光が入射する一面と、一面側から入射した光を出射する他面とを有する透光性基板と、透光性基板の他面側に設けられ、他面から出射する光を光電子に変換する光電変換層と、透光性基板と光電変換層との間に設けられる光透過性導電層と、を備え、光透過性導電層は、炭素を含む構成材料によって形成され、構成材料のラマンスペクトルは、D1バンドのピークと、Gバンドのピークと、2D1バンドのピークと、(D1+G)バンドのピークと、を有している。
この光電陰極では、透光性基板と光電変換層との間に設けられる光透過性導電層が構成材料として炭素を含み、当該構成材料のラマンスペクトルが、D1バンド、Gバンド、2D1バンド、(D1+G)バンドにおいて4つのピークを有している。このようなラマンスペクトルを有する構成材料で形成された光透過性導電層では、微視的には、炭素原子の結合状態が異なる領域が混在し、各領域の配置状態によって、光透過性や電気抵抗値が変化するものと考えられる。したがって、この光電陰極では、光透過性導電層の厚さを調整することで、光透過性導電層の光透過性及び導電性を調整することができ、透光性基板と光電変換層との間に光透過性導電層を下地として設けた場合であっても、所望の特性を容易に得ることができる。
D1バンドのピークとGバンドのピークとの間のラマン強度の最小値は、Gバンドのピークと2D1バンドのピークとの間のラマン強度のベース値よりも大きくなっていてもよい。このようなラマンスペクトルを有する光透過性導電層を備える光電陰極では、上述した炭素原子の結合状態が異なる領域が混在する構成をより容易に得ることができ、光透過性及び導電性の調整が一層容易なものとなる。
D1バンドのピークにおけるラマン強度は、Gバンドのピークにおけるラマン強度よりも大きくなっていてもよい。このようなラマンスペクトルを有する光透過性導電層を備える光電陰極では、光透過性導電層の厚さが小さくなるため、光透過性に優れた光電陰極を得ることができる。
D1バンドのピークにおけるラマン強度は、Gバンドのピークにおけるラマン強度よりも小さくなっていてもよい。このようなラマンスペクトルを有する光透過性導電層を備える光電陰極では、光透過性導電層の厚さが大きくなるため、光透過性及び導電性の調整が一層容易なものとなる。
本開示の一側面に係る光電陰極の製造方法は、上記光電陰極を製造する光電陰極の製造方法であって、透光性基板を蒸着装置内に配置するステップと、蒸着装置内に炭素を含むガスを導入し、透光性基板上に炭素を含む構成材料を蒸着して光透過性導電層を形成するステップと、光透過性導電層上に光電変換層を形成するステップと、を備える。
この光電陰極の製造方法では、炭素を含むガスを用いることにより、透光性基板上に光透過性導電層を蒸着によって形成している。このような手法によれば、別途形成した光透過性導電層を透光性基板上に転写するような手法に対し、蒸着装置で蒸着を行うだけの工程で容易に光透過性導電層を形成することができる。また、蒸着装置での蒸着時間を調整することで、光透過性導電層の厚さを容易に調整することができ、透光性基板と光電変換層との間に光透過性導電層を下地として設けた場合であっても、所望の特性を容易に得ることができる。
構成材料の蒸着時間は、60分以下であってもよい。この場合、上述した各ピークを有する光透過性導電層を好適に得ることができる。
本開示によれば、透光性基板と光電変換層との間に光透過性導電層を下地として設けた場合であっても、所望の特性を容易に得ることができる。
本開示の一実施形態に係る光電陰極を用いた光電子増倍管の一例を示す断面図である。 図1に示した光電子増倍管の要部拡大断面図である。 (a)は、光透過性導電層の構成材料の一例を示す図であり、(b)は、(a)の要部拡大図である。 (a)〜(d)は、光透過性導電層を構成するグラッシーカーボンのラマンスペクトルの一例を示す図である。 (a)及び(b)は、本開示の一実施形態に係る光電陰極の製造方法を示す断面図である。 (a)及び(b)は、図5の後続の工程を示す断面図である。 光電陰極の分光感度特性に関する評価試験結果を示す図である。 光電陰極のカソードリニアリティ特性に関する評価試験結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係る光電陰極及び光電陰極の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
[光電子増倍管の構成]
図1は、本開示の一実施形態に係る光電陰極4を用いた光電子増倍管1を示す断面図である。図1に示す光電子増倍管1は、光電効果により生じた光電子を増幅することにより、高感度で入射光Lの検出を行う検出器である。同図に示すように、光電子増倍管1は、真空容器である略円筒形状の筐体2内に電子増倍部3を収容して構成されている。筐体2は、入射光Lを光電変換する光電陰極4と、光電陰極4を一端側に保持する金属製の側管部5と、側管部5の他端側を封止する絶縁部材製のステム6とを含んで構成されている。側管部5の他端側からは、ステム6に挿着された複数のステムピン7が突出している。
光電陰極4は、光電効果により入射光Lを光電変換し、光電子を電子増倍部3に向けて放出する部分である。光電陰極4は、透光性基板21と、光電変換層24と、これらの間に光透過性導電層22とを含んで構成されている。光電陰極4は、例えば接合部材23によって側管部5に接合されるが、光電変換層24に関しては、側管部5の内壁面の一部にも形成されている。光電陰極4の詳細については、後述する。
側管部5は、主として電子増倍部3を覆う第1の側管部8と、主としてステム6を覆う第2の側管部9とを備えている。第1の側管部8の基端には、外向きのフランジ部8aが設けられ、第1の側管部8の先端には、内向きのフランジ部13が設けられている。第2の側管部9には、フランジ部8aと同径の外向きのフランジ部9aが設けられている。これらのフランジ部8a,9a同士を気密に接合することで、第1の側管部8と第2の側管部9とが互いに強固に結合されている。
電子増倍部3は、収束電極10と、ダイノード11と、アノード12とを有している。収束電極10は、光電陰極4とダイノード11との間に配置され、光電陰極4から放出された光電子をダイノード11に収束させて導く平板状の電極である。ダイノード11は、多数の電子増倍孔を有する薄板状の電極であり、光電陰極4側からステム6側にかけて複数段に配置されている。アノード12は、電子増倍部3によって増倍された電子を出力信号として取り出す平板状の電極である。アノード12は、例えば最終段のダイノード11の一つ手前の段に配置されている。
ステムピン7を介して電子増倍部3及びアノード12に所定の電圧が印加されると、光電変換層24と収束電極10とは、同電位となり、ダイノード11の各段は、光電陰極4側からステム6側に向かって徐々に高電位となる。この状態で透光性基板21から光電変換層24に入射光Lが入射すると、入射光Lが光電変換され、筐体2内に光電子が放出される。放出された光電子は、収束電極10によって一段目のダイノード11に収束された後、各段のダイノード11にて順次二次電子増倍される。最終段のダイノード11からは、二次電子群が放出される。二次電子群は、アノード12に導かれ、アノード12と接続されたステムピン7(アノードピン)を介して外部に出力される。
なお、当該実施形態では、光電陰極4を適用した光電子増倍管1を例示したが、本開示に係る光電陰極は、光電子増倍管に限られず、光電管、イメージ増幅器、ストリーク管などの他の電子管に置き換えてもよい。
[光電陰極の構成]
図2は、図1に示した光電子増倍管1の要部拡大断面図である。図2に示すように、光電陰極4は、透光性基板21と、光透過性導電層22と、接合部材23と、光電変換層24とを含んで構成されている。
透光性基板21は、例えば石英ガラス等のガラス材料或いはMgFなどの結晶材料によって円板状に形成され、入射光Lを筐体2内に入射させる。透光性基板21は、入射光Lが入射する一面21aと、一面21aと対向して入射光Lを電子増倍部3に向けて出射する他面21bとを有している。透光性基板21は、筐体2の外面側において、側管部5の先端に設けられた内向きのフランジ部13に接合部材23によって気密に固定されている。
光透過性導電層22は、透光性基板21に対する光電変換層24の下地層であり、炭素を含む構成材料C(図3参照)によって円形状に形成されている。この光透過性導電層22は、入射光Lを光電変換層24に向けて透過させると共に、光電変換層24の面抵抗を低減させる。光透過性導電層22は、透光性基板21と接する一面22aと、光電変換層24と接する他面22bとを有している。光透過性導電層22は、炭素を含む構成材料Cを透光性基板21の他面21bに蒸着させることで、内向きのフランジ部13の内径よりも大径の円形状となるように(すなわち、フランジ部13による開口部を覆うような大きさで)形成されている。
接合部材23は、例えばアルミニウムといった導電性材料からなる。接合部材23は、透光性基板21の周縁部及び光透過性導電層22の周縁部とフランジ部13との隙間を埋めるように配置され、光電陰極4の側管部5に対する実質的な固定部材となると共に、光透過性導電層22を側管部5に対して電気的に接続している。
光電変換層24は、例えば赤外域まで感度のあるマルチアルカリ光電面であり、例えばアンチモン(Sb)、カリウム(K)、及びセシウム(Cs)等を含有して構成されている。光電変換層24は、透光性基板21及び光透過性導電層22を通って入射する入射光Lを光電子に変換し、変換後の光電子を電子増倍部3に向けて出射する。光電変換層24は、フランジ部13の内面13aと、光透過性導電層22の他面22bのうちフランジ部13から露出する領域とを覆い、接合部材23及びフランジ部13の内周縁部と接触するように設けられている。
[光透過性導電層の構成]
次に、上述した光透過性導電層22について更に詳細に説明する。
図3(a)は、光透過性導電層の構成材料の一例を示す図であり、図3(b)は、図3(a)の要部拡大図である。図3(a)及び図3(b)は、いずれも走査型電子顕微鏡での光透過性導電層22の観察結果であり、図3(a)は、倍率を10,000倍とした場合の画像であり、図3(b)は、倍率を50,000倍とした場合の画像である。光透過性導電層22では、図3(b)に示すように、微視的には、炭素を含む構成材料Cによりグラファイト様の二次元層状膜が境界をもって形成されている。この二次元層状膜が光透過性及び導電性を備えるため、隣り合う二次元層状膜が互いに電気的に接続され、光透過性導電層22としての光透過性及び導電性が確保されている。以下の説明では、そのような基本構造領域を領域Gと称する。
光透過性導電層22には、領域Gのほか、変形領域31として、グラフェン構造が残存する塊状部分31a、層状膜構造フレーク境界31b、及び構成材料Cにより被覆されずに透光性基板21が覗いている開口部分31cなどがランダムに存在している。塊状部分31aでは、例えばグラフェン構造が一定の塊として存在している。不連続部分である層状膜構造フレーク境界31bでは、例えば炭素結合のねじれや分断により、欠陥が形成され、これらのねじれや分断により開口部分31cが形成されている。入射光Lは、主に領域G及び開口部分31cから透過する。本実施形態では、特に、従来のグラフェン構造には存在しなかった開口部分31cを備えることにより、光透過性を格段に向上させることが可能となる。以下の説明では、上記のような状態の物質を、便宜上「グラッシーカーボン」と称す。
本実施形態では、炭素供給材料を用いて透光性基板21にグラッシーカーボンを蒸着することにより、透光性基板21に光透過性導電層22が形成されている。グラッシーカーボンの蒸着時間は、例えば60分以下である。グラッシーカーボンの蒸着時間は、30分以下であってもよく、10分以下であってもよい。一般的に、蒸着時間が短いほど開口部分31cが数多く見られ、開口部分31cの存在面積も大きくなる傾向がある。この場合、光透過性が向上し、導電性が低下する。一方、蒸着時間が長くなるに従って二次元層状膜の成長が進行すると、開口部分31cの数が減り、開口部分31cの存在面積が小さくなる傾向がある。この場合、光透過性が低下し、導電性が向上する。図3(a)及び図3(b)で示した光透過性導電層22の状態は、あくまで一例であり、蒸着時間を適宜調整することで、所望の光透過性及び導電性を備える光透過性導電層22を得ることができる。
また、光透過性導電層22を厚さ方向(一面22a及び他面22bを結ぶ方向)から見た場合の面内における領域Gの存在面積は、光透過性導電層22の厚さが大きい程大きくなり、光透過性導電層22の厚さが小さい程小さくなる。このことは、光透過性導電層22を厚さ方向から見た場合の面内における開口部分31cの存在面積は、光透過性導電層22の厚さが小さい程大きくなり、光透過性導電層22の厚さが大きい程小さくなることを意味する。したがって、光透過性導電層22の厚さに対し、導電性と光透過性とは、トレードオフの関係となることが分かる。光透過性導電層22の厚さが大きい程、光透過性導電層22の導電性が高く且つ光透過性が低くなり、光透過性導電層22の厚さが小さい程、光透過性導電層22の導電性が低く且つ光透過性が高くなる。
図4は、光透過性導電層22を構成するグラッシーカーボンのラマンスペクトルの一例を示す図である。図4では、横軸にラマンシフト(cm−1)を示し、縦軸にラマン強度(a.u.)を示している。図4(a)〜図4(c)は、蒸着時間がそれぞれ異なるグラッシーカーボンのラマンスペクトルであり、図4(d)は、比較例としての高配向性熱分解グラファイト(HOPG Highly oriented pyrolytic graphite)のラマンスペクトルである。図4(a)〜図4(c)の場合の蒸着時間は、それぞれ、10分、30分、60分である。
ラマンスペクトルは、ラマン分光法或いは電子エネルギー損失分光法などにより得られるスペクトルであり、物質の状態分析に用いられる。ラマンスペクトルのピーク強度は、分極率及び配向の状態を表す指標であり、波数情報は、組成を表す指標である。また、ピーク比は、各物質の相対比を表す指標であり、ピークの半値全幅は、結晶性や欠陥・ドープを表す指標であり、ピークシフトは、歪み、応力、温度などを表す指標である。
図4には、D1バンド、Gバンド、2D1バンド、(D1+G)バンドの4つのバンドを示す。D1バンドは、構造の乱れや欠陥を示すバンドである。D1バンドのピークP1は、ブリュアン域(Brillouin Zone)の中心から離れる向きの格子運動に起因する。D1バンドのピークP1が存在する場合、物質中に欠陥やエッジ部分などが含まれることを示す。Gバンドは、原子の平面内運動に由来するバンドである。GバンドのピークP2は、構造の歪みの影響により変化し、層数を示す指標としても用いられる。GバンドのピークP2は、単層では非常に鋭く強くなる傾向があり、層数の増加に伴ってブロード化する傾向がある。
2D1バンドは、六員環の二重散乱に由来するバンドである。2D1バンドのピークP3は、D1バンドの2倍音に相当し、フォノンの波数ベクトルと電子バンド構造とを関連付ける二重共鳴過程に起因して、励起光に対する強い周波数依存性を有している。2D1バンドのピークP3は、GバンドのピークP2と同様、層数の増加に伴ってブロード化する傾向がある。(D1+G)バンドは、D1バンド及びGバンドの二重散乱に由来するバンドである。(D1+G)バンドのピークP4は、2D1バンドのピークP3よりも高波数側に位置し、層数の増加に伴ってブロード化する傾向がある。
各バンドのピークの存在範囲は、ラマンスペクトルの励起波長に依存する。D1バンドは、例えば1580〜1600cm−1の範囲に位置し、Gバンドは、1580〜1600cm−1の範囲に位置する。2D1バンドは、例えば2700〜2750cm−1の範囲に位置し、(D1+G)バンドは、2930〜3000cm−1の範囲に位置する。図4の例では、ラマンスペクトルの励起波長は、457nmであり、D1バンドのピークP1の波数は、約1360cm−1である。また、GバンドのピークP2の波数は、約1580cm−1であり、D2バンドのピークP3の波数は、約2700cm−1であり、(D1+G)バンドのピークP4の波数は、約2930cm−1である。
図4(a)〜(c)に示すように、グラッシーカーボンのラマンスペクトルは、いずれもD1バンドのピークP1、GバンドのピークP2、2D1バンドのピークP3及び(D1+G)バンドのピークP4の4つのピークを有している。一方で、図4(d)に示すように、高配向性熱分解グラファイトのラマンスペクトルは、D1バンドのピークP1及び(D1+G)バンドのピークP4を有しておらず、GバンドのピークP2及び2D1バンドのピークP3の2つのピークのみを有している。
グラッシーカーボンのラマンスペクトルにおいて、D1バンドのピークP1及びGバンドのピークP2は、2D1バンドのピークP3及び(D1+G)バンドのピークP4に比べて顕著に現れている。グラッシーカーボンを形成する際の蒸着時間が長くなる(光透過性導電層22の厚さが大きくなる)につれて、D1バンドのピークP1のピーク強度と、GバンドのピークP2のピーク強度との大小関係は、徐々に変化する。
図4の例では、蒸着時間が10分の場合では、D1バンドのピークP1のピーク強度がGバンドのピークP2のピーク強度よりも大きくなっているのに対し、蒸着時間が30分及び60分の場合では、GバンドのピークP2のピーク強度がD1バンドのピークP1のピーク強度よりも大きくなっている。このことから、蒸着時間が短い場合、グラッシーカーボンは、多数の欠陥を有する比較的小さな結晶を多く含んで構成され、蒸着時間が長くなると、グラッシーカーボンの構造が多結晶化し、グラフェン構造に徐々に近づいていくことが分かる。
2D1バンドのピークP3及び(D1+G)バンドのピークP4は、グラッシーカーボンを形成する際の蒸着時間が長くなるにつれて、徐々にブロード化し、ピーク強度も徐々に低下する。2D1バンドのピークP3のピーク強度と、(D1+G)バンドのピークP4のピーク強度の大小関係は、蒸着時間に関わらず変化しない。図4の例では、蒸着時間が10分、30分、60分のいずれの場合においても、2D1バンドのピークP3のピーク強度は、(D1+G)バンドのピークP4のピーク強度よりも大きいままとなっている。
また、図4(a)〜(c)に示すように、グラッシーカーボンのラマンスペクトルにおいて、D1バンドのピークP1の裾部分と、GバンドのピークP2の裾部分とは、互いに重なり合った状態となっている。これにより、D1バンドのピークP1とGバンドのピークP2との間のラマン強度の最小値R1は、GバンドのピークP2と2D1バンドのピークP3との間のラマン強度のベース値R2よりも大きくなっている。ベース値R2としては、GバンドのピークP2と2D1バンドのピークP3との間でスペクトルが平坦となっている区間のラマン強度の平均値を用いてもよく、同区間のラマン強度の最大値を用いてもよい。
[光電陰極の製造方法]
上述した構成を有する光電陰極4を製造する場合、まず、透光性基板21を用意する。透光性基板21は、例えばアセトン及びエタノールを用いて洗浄した後、水にて濯いでおく。次に、図5(a)に示すように、透光性基板21の他面21bが上を向くようにして透光性基板21を蒸着装置51内のステージ52上に載置する。透光性基板21を載置した後、蒸着装置51内を0.01Torr程度まで減圧する。炭素供給原料としては、例えばエタノール蒸気を用いることができ、キャリアガスとしては、例えばアルゴンガスを用いることができる。
続いて、キャリアガスを180sccm程度の流量で蒸着装置51内に導入し、圧力を10Torr程度、温度を1000℃程度まで上昇させる。蒸着装置51内の圧力及び温度が安定した後、シャワーヘッド53を通して構成材料Cの素となる炭素供給原料を1sccm程度の流量で蒸着装置51内に導入する。その後、炭素供給原料の供給を10分〜60分程度保持し、透光性基板21の他面21b上にグラッシーカーボンを所望の厚さで成長させる。所望の厚さのグラッシーカーボンを成長させた後、炭素供給原料の供給を停止し、グラッシーカーボンを自然冷却にて室温まで冷却する。これにより、透光性基板21の他面21b上に光透過性導電層22が形成される。
次に、光透過性導電層22が形成された透光性基板21を蒸着装置51から取り出し、透光性基板21の他面21bの周縁部の光透過性導電層22を選択的に除去する。光透過性導電層22の除去にあたっては、例えば光透過性導電層22の中央部分に、透光性基板21よりも小径の円形状のマスクを配置した状態で光透過性導電層22にプラズマ照射を行う。これにより、光透過性導電層22のうち、マスクから露出した部分が除去され、図5(b)に示すように、透光性基板21の他面21bに透光性基板21よりも小径の光透過性導電層22が同軸に形成される。
続いて、図6(a)に示すように、フランジ部13が光透過性導電層22の周縁部と重なるように配置し、接合部材23によって透光性基板21の他面21bとフランジ部13とを気密に接合する。
また、フランジ部13の内面13a、光透過性導電層22の他面22bのうち、フランジ部13から露出する領域、接合部材23、及びフランジ部13の内周縁部に対してそれぞれアンチモンを蒸着する。その後、トランスファー装置を用いてアンチモンにカリウム及びセシウムを反応させることで、図6(b)に示すように、下地層としての光透過性導電層22の他面22b上にバイアルカリ光電面(光電変換層24)を形成する。以上の工程により、図1及び図2に示した上記光電陰極4が得られる。なお、透光性基板21の他面21bをフランジ部13に対して予め気密に固定し、その後に透光性基板21の他面21bに光透過性導電層22を形成してもよい。
[作用効果]
以上説明したように、光電陰極4では、透光性基板21と光電変換層24との間に設けられる光透過性導電層22が構成材料Cとして炭素を含み、当該構成材料Cのラマンスペクトルが、D1バンド、Gバンド、2D1バンド、(D1+G)バンドにおいて4つのピークを有している。このようなラマンスペクトルを有する構成材料Cで形成された光透過性導電層22では、微視的には、例えば炭素原子の格子構造が保たれた塊状部分31a、炭素原子の格子構造にねじれや分断といった欠陥を持つ層状膜構造フレーク境界31bなどが混在し、各変形領域31が配置される状態によって、光透過性や電気抵抗値が変化するものと考えられる。したがって、この光電陰極4では、光透過性導電層22の厚さを調整することで、光透過性導電層22の光透過性及び導電性を調整することができ、透光性基板21と光電変換層24との間に光透過性導電層22を下地として設けた場合であっても、所望の特性を容易に得ることができる。
本実施形態では、D1バンドのピークP1とGバンドのピークP2との間のラマン強度の最小値R1がGバンドのピークP2と2D1バンドのピークP3との間のラマン強度のベース値R2よりも大きくなっている。このようなラマンスペクトルを有する光透過性導電層22では、上述した変形領域31が混在する構成をより容易に得ることができ、光透過性及び導電性の調整が一層容易なものとなる。
本実施形態では、構成材料Cの蒸着時間が比較的短い場合には、D1バンドのピークP1におけるラマン強度は、GバンドのピークP2におけるラマン強度よりも大きくなっている。このようなラマンスペクトルを有する光透過性導電層22を備える光電陰極4では、光透過性導電層22の厚さが小さくなるため、光透過性に優れた光電陰極4を得ることができる。一方、構成材料Cの蒸着時間が比較的長い場合には、D1バンドのピークP1におけるラマン強度がGバンドのピークP2におけるラマン強度よりも小さくなっている。このようなラマンスペクトルを有する光透過性導電層22を備える光電陰極4では、光透過性導電層22の厚さが大きくなるため、光透過性及び導電性の調整が一層容易なものとなる。
本実施形態に係る光電陰極4の製造方法では、炭素を含むガスを用いることにより、透光性基板21上に光透過性導電層22を蒸着によって形成している。このような手法によれば、別途形成した光透過性導電層22を透光性基板21上に転写するような手法に対し、蒸着装置51で構成材料Cの蒸着を行うだけの工程で容易に光透過性導電層22を形成することができる。また、透光性基板21に多少の凹凸がある場合においても均一に光透過性導電層22を形成することが可能であり、大面積化した場合においても安定した光透過性導電層22を形成することが可能である。また、蒸着装置51での蒸着時間を調整することで、光透過性導電層22の厚さや透過率を容易に調整することができ、透光性基板21と光電変換層24との間に光透過性導電層22を下地として設けた場合であっても、所望の特性を容易に得ることができる。
本実施形態では、構成材料Cの蒸着時間は、60分以下となっている。この場合、上述した各ピークを有する光透過性導電層22を好適に得ることができる。
[光電陰極の評価試験結果]
図7は、光電陰極の分光感度特性に関する評価試験結果を示す図である。図7では、横軸に入射光の波長(nm)を示し、縦軸に透過率(%)を示している。図中に示すグラフEは、単層のグラフェンを用いて光透過性導電層を構成した光電陰極(比較例)の透過率を示し、図中に示すグラフG7及びG8は、グラッシーカーボンを用いて光透過性導電層を構成した光電陰極(実施例)の透過率を示している。グラフG7は、炭素供給原料の供給を7分程度保持して形成したものを示し、グラフG8は、炭素供給原料の供給を8分程度保持して形成したものを示している。図7に示す結果から、グラフェンを用いて光透過性導電層を構成した光電陰極と比較して、グラッシーカーボンを用いて光透過性導電層を構成した光電陰極の方が、波長230nm〜330nmの紫外波長領域で高い透過率を示すことが確認できた。
図8は、光電陰極のカソードリニアリティ特性に関する評価試験結果を示す図である。図8では、横軸にカソード出力電流値(A)を示し、縦軸に理想的な直線性を示す場合の電流値(理想値)からのカソード出力電流値の変化率(%)を示している。図中に破線で示すグラフHは、グラフェンを用いて光透過性導電層を構成した光電陰極(比較例)のカソードリニアリティ特性を示し、図中に実線で示すグラフIは、グラッシーカーボンを用いて光透過性導電層を構成した光電陰極(実施例)のカソードリニアリティ特性を示している。図8に示す結果から、グラッシーカーボンを用いて光透過性導電層を構成した光電陰極においても、電流値が増大(入射光の光量が増大)した場合の変化率が測定限界に至るまで0%近傍で安定しており、グラフェンを用いて光透過性導電層を構成した光電陰極の場合と同程度のカソードリニアリティ特性が得られることが確認できた。
本開示は、上記実施形態に限られるものではない。例えば光電陰極の製造方法における諸々の製造条件は、形成したいグラッシーカーボンの厚さや炭素供給原料の種類や濃度等に応じて、流量や時間等を任意に変更してもよい。また、炭素供給原料としては、炭素を含有するガスであればよく、エタノール以外の材料であってもよい。他の炭素供給原料としては、例えばアルコール類(例えばメタノール、プロパノール、ブタノール等)、炭化水素類(メタン、エタン、プロパン、ブタン等)、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類が挙げられる。またこれら気化させたガス(蒸発、昇華、溶媒に溶解させて気体化させたものを含む)を用いてもよい。
1…光電子増倍管、4…光電陰極、21…透光性基板、21a…一面、21b…他面、22…光透過性導電層、24…光電変換層、51…蒸着装置、C…構成材料、L…入射光(光)、P1…D1バンドのピーク、P2…Gバンドのピーク、P3…2D1バンドのピーク、P4…(D1+G)バンドのピーク、R1…最小値、R2…ベース値。

Claims (6)

  1. 光が入射する一面と、前記一面側から入射した前記光を出射する他面とを有する透光性基板と、
    前記透光性基板の前記他面側に設けられ、前記他面から出射する前記光を光電子に変換する光電変換層と、
    前記透光性基板と前記光電変換層との間に設けられる光透過性導電層と、を備え、
    前記光透過性導電層は、炭素を含む構成材料によって形成され、
    前記構成材料のラマンスペクトルは、
    D1バンドのピークと、
    Gバンドのピークと、
    2D1バンドのピークと、
    (D1+G)バンドのピークと、を有している光電陰極。
  2. 前記D1バンドのピークと前記Gバンドのピークとの間のラマン強度の最小値は、前記Gバンドのピークと前記2D1バンドのピークとの間のラマン強度のベース値よりも大きくなっている請求項1記載の光電陰極。
  3. 前記D1バンドのピークにおけるラマン強度は、前記Gバンドのピークにおけるラマン強度よりも大きくなっている請求項1又は2記載の光電陰極。
  4. 前記D1バンドのピークにおけるラマン強度は、前記Gバンドのピークにおけるラマン強度よりも小さくなっている請求項1又は2記載の光電陰極。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光電陰極を製造する光電陰極の製造方法であって、
    透光性基板を蒸着装置内に配置するステップと、
    前記蒸着装置内に炭素を含むガスを導入し、前記透光性基板上に炭素を含む構成材料を蒸着して光透過性導電層を形成するステップと、
    前記光透過性導電層上に光電変換層を形成するステップと、を備える光電陰極の製造方法。
  6. 前記構成材料の蒸着時間は、60分以下である請求項5記載の光電陰極の製造方法。
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