JP5898945B2 - ガイドローラ - Google Patents

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Description

本発明は、供給ローラと巻取ローラの間に位置し、供給ローラから送り出される長尺の薄肉ウエブに対し回転接触する位置に設けることにより、該薄肉ウエブの搬送を案内するガイドローラに関する。
例えば、紙、樹脂、または金属もしくは鋼等の合金からなる長尺の薄肉ウエブ、特に1000μm以下の厚さを有するシート状またはフィルム状の長尺の薄肉ウエブに対し、種々の加工または処理等を行う従来の装置は、供給ローラに巻き取られた状態から、所定の張力付与条件下で送り出され、供給ローラと巻き取りローラの間に配置された種々のガイドローラで案内されながら搬送され、最後に、巻取ローラでコイル状に巻き取られるように構成されているのが一般的である。
この搬送に用いられるガイドローラとして、例えば、外径が一定である円筒状のガイドローラを用い、特に1000μm以下の厚さを有する薄肉ウエブを搬送する場合、張力が付与された状態で搬送される薄肉ウエブに、その幅方向内向きの力が作用しやすく、これに伴って、長手方向に延びるしわ、いわゆる縦しわや折れが発生する傾向がある。
薄肉ウエブの搬送の際に発生しがちな縦しわや折れを抑制するための従来の手段の一つとしては、例えば、特許文献1、2および非特許文献1に記載されているように、ガイドローラの外面輪郭形状を、長手方向中央部の外径よりも両端部の外径を大きくしてコンケイブ形状にした、いわゆる凹型ガイドローラを用いて搬送することが有用である。この凹型ガイドローラは、コンケイブローラや逆クラウンローラのような通称で呼ばれている。
従来の凹型ガイドローラとしては、例えば、図1(a)に示すように、ガイドローラ115の、長手方向中央位置119を最小外径とし、両端位置120a、120bを最大外径とし、この長手方向中央位置119から、それぞれ両端位置120a、120bに向かって、外径が連続的に一定割合で線形的に増加するテーパー形状を有するV字状ガイドローラ115や、図1(b)に示すように、長手方向中央位置219から、それぞれ両端位置220a、220bに向かって、外径が連続的に漸増する凹曲面形状(R曲率をもつ凹形状)を有するU字状ガイドローラ215(特許文献1及び2)や、さらには、図1(c)に示すように、ガイドローラの外面輪郭形状が、長手方向中央部319の外径は一定(同径)で、両端部321a、321bを、連続的に一定割合で線形的に増加する外径をもつテーパー部分323a、323bと、該テーパー部分323a、323bから延び、長手方向中央部319よりも大きな一定の外径(同径)をもつフラット部分325a、325bとで構成した、いわゆるBow Tie(蝶ネクタイ)形状を有するBow Tie状ガイドローラ315が知られている。
しかしながら、図1(a) に示すV字状ガイドローラ115や、図1(b)に示すU字状ガイドローラ215は、いずれも長手方向中央部位置119、219に対応する薄肉ウエブの部分が、ガイドローラと接触せずに浮き上がってしまう傾向があるため、ガイドローラの長手方向中央部に位置する薄肉ウエブの部分で発生しがちな縦しわや折れを十分に抑制することができず、加えて、薄肉ウエブの幅中心位置とガイドローラの長手方向中心位置とが不意にずれ始めて薄肉ウエブが蛇行などの好ましくない状態で搬送された場合、図1(a) および図1(b)に示すガイドローラ115、215は、いずれも搬送時の蛇行を助長する傾向があり、最悪の場合には、薄肉ウエブがガイドローラから脱落する恐れがあるという問題がある。また、図1(a) および図1(b)に示すガイドローラ115、215は、連続的に径差をつけるように外面加工して製造されるのが一般的であるため、加工精度が劣るという製造上の問題もあった。
これに対し、図1(c)で示されているBow Tie状ガイドローラ315は、長手方向中央部319の全体をフラット(同径)に形成することによって、薄肉ウエブがガイドローラ315の長手方向中央部319でも安定して接触することができ、また、ガイドローラ315は、端部321a、321bを構成するテーパー部分323a、323b以外の部分319、325a、325bはいずれもフラットな部分で構成されるため、搬送時の蛇行を助長することが比較的少ないという利点があり、加えて、かかる外面形状を有するガイドローラ315は、大部分がフラット部分(円筒状部分)であって、局所的にテーパー部分323a、323bの段差を設けるだけで済むため、加工精度が高いという製造上の利点も有していることから、近年研究が進んでいる。
しかしながら、Bow Tie状ガイドローラ315は、搬送できる薄肉ウエブの幅の許容範囲が狭く、ある限られた幅寸法を有する薄肉ウエブを搬送する場合に使用が限定されるという問題点があった。
特開平4−294813号公報 特開平4−172119号公報
T.J. Walker, etc.、「Proceeding of the Ninth International Conference on Web Handling」Web Handling Research Center (2007) p335-349
本発明の目的は、幅寸法が大きく異なる種々の薄肉ウエブを搬送する場合であっても、薄肉ウエブにおいて生じがちな縦しわや折れを有効に抑制することができるガイドローラを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(I)供給ローラと巻取ローラの間に位置し、供給ローラから送り出される長尺の薄肉ウエブに対し回転接触する位置に設けることにより、該薄肉ウエブの搬送を案内するガイドローラにおいて、該ガイドローラを、長手方向中央部と両端部に区分するとき、前記ガイドローラは、両端部に、長手方向中央部からそれぞれ両端側に向かって拡径するテーパー部分と、該テーパー部分から同径で延在するフラット部分とで構成される複数の段状部を連結してなる断続拡径部を有し、ガイドローラの長手方向中央部が、前記断続拡径部の複数の段状部を構成するいずれのフラット部分の外径よりも小さい外径を有し、かつ一定の外径で円筒状、または凸曲面状に形成され、前記薄肉ウエブの幅をWwebとし、薄肉ウエブを搬送するガイドローラの状態で見て、前記薄肉ウエブの端縁が、前記複数の段状部のいずれかの段状部を構成するフラット部分に位置する場合には、前記薄肉ウエブの端縁が位置する段状部を構成するテーパー部の拡径開始位置から、前記薄肉ウエブの端縁が接触する位置までのローラ長手方向距離をW(1)side/2とし、前記薄肉ウエブの端縁が、前記複数の段状部のいずれかの段状部を構成するテーパー部分に位置する場合には、前記薄肉ウエブの端縁が位置する段状部の、前記長手方向中央部側で隣接する段状部を構成するテーパー部の拡径開始位置から、前記薄肉ウエブの端縁が接触する位置までのローラ長手方向距離をW(2)side/2とするとき、前記ガイドローラの長手方向断面輪郭形状が、下記の(1)式または(2)式を満足し、これによって、前記薄肉ウエブに対し幅方向外側への引張り力を生じさせる、前記ガイドローラの断続拡径部に対する前記薄肉ウエブの両端部の接触面積を大きくすることを特徴とするガイドローラ。

0.2≦W(1)side/Wweb≦0.5・・・(1)
0.2≦W(2)side/Wweb≦0.5・・・(2)
(II)前記薄肉ウエブは、厚さ1000μm以下である上記(I)に記載のガイドローラ。
本発明によれば、幅寸法の異なる種々の薄肉ウエブを搬送する場合であっても、薄肉ウエブにおいて生じがちな縦しわや折れを有効に抑制することができるガイドローラを提供することが可能になった。
図1(a)〜(c)は、3種類の従来の凹型ガイドローラの外面輪郭形状を示す概略長手方向断面図であって、図1(a)がテーパー形状を有するV字状ガイドローラ、図1(b)が凹曲面形状(R曲率をもつ形状)を有するU字状ガイドローラ、そして、図1(c)がBow Tie(蝶ネクタイ)形状を有するBow Tie状ガイドローラである。 図2は、本発明に従う代表的なガイドローラを配置した塗工装置の概略側面図である。 図2の塗工装置からガイドローラを抜き出して示した長手方向断面拡大図である。 図4は、図3に示すガイドローラで薄肉ウエブ3を搬送している状態を示す平面透視図である。 図5は、本発明に従う2つの段状部で構成した断続拡径部を有するガイドローラを試作したときの寸法を示した図である。 図6は、図5に示すガイドローラを用い、厚さが25μm、幅が650mmのPETからなる樹脂フィルムを、130℃下のヤング率にて張力120N/mで搬送したときの、樹脂フィルムの幅方向位置に対し、樹脂フィルムに作用するひずみの大きさを計算した結果を示したグラフである。 図7(a)〜(c)は、それぞれ比較例1〜3のガイドローラの寸法を示した長手方向断面図である。 図8は、比較例4のガイドローラの寸法を示した長手方向断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら以下で説明する。
図2は、本発明に従う代表的なガイドローラを配置した塗工装置を示したものである。図2に示す塗工装置1は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)のような樹脂材料からなり、膜厚が、好適には1000μm以下の長尺の薄肉ウエブである樹脂フィルム3を送り出す供給ローラ5と、供給ローラ5から送り出された樹脂フィルム3の表面3aに粘着剤組成物を塗布するコーター7と、塗布した粘着剤組成物を乾燥・固化させて粘着剤層9とする乾燥機11と、粘着剤層9を形成した樹脂フィルムである粘着シート13に対し、所定の抱角で接触回転して搬送を案内するガイドローラ15と、このガイドローラ15を通って搬送された粘着シート13をロール状に巻き取る巻取ローラ17とによって、主として構成されている。
なお、本発明でいう「ガイドローラ」は、搬送の向きを変えるローラや、長距離搬送の際にテンション(張力)を維持するためのローラなどのような全てのローラが含まれ、例えば、ニップローラ、張力調整のためのテンションピックアップローラ、サクションローラなどが含まれる。
図3は、本発明に従う代表的なガイドローラ15の長手方向断面の一例を示すものである。図3に示すガイドローラ15は、供給ローラ5と巻取ローラ17の間に位置し、供給ローラ5から送り出される長尺の樹脂フィルム3に対し回転接触する位置に設けることにより、樹脂フィルム3の搬送を案内するガイドローラである。
そして、本発明の構成上の主な特徴は、ガイドローラ15の長手方向断面輪郭形状の適正化を図ることにあり、具体的には、ガイドローラ15を、長手方向中央部19と両端部21a、21bに区分するとき、前記ガイドローラ15は、両端部21a、21bに、長手方向中央部19からそれぞれ両端20a、20b側に向かって拡径するテーパー部分23a、23bと、該テーパー部分23a、23bから、一定の外径で円筒状に延在するフラット部分25a、25bとで構成される複数の段状部、図3では、両端部21a、21bで、それぞれ3個の段状部27a1、27a2、27a3と27b1、27b2、27b3とをそれぞれ一体的に連結してなる断続拡径部29a、29bを有し、ガイドローラの長手方向中央部19が、断続拡径部29a、29bの複数の段状部を構成するいずれのフラット部分25a、25bの外径よりも小さい外径を有し、かつ一定の外径で円筒状、または凸曲面状に形成され、薄肉ウエブ(樹脂フィルム)3の幅をWwebとし、図4に示すように、薄肉ウエブ3を搬送するガイドローラ15の状態で見て、前記薄肉ウエブ3の端縁3a、3bが、前記複数の段状部27a1、27a2、27a3と27b1、27b2、27b3のいずれかの段状部を構成するフラット部分25a1、25a2、25a3と25b1、25b2、25b3に位置する場合には、前記薄肉ウエブ3の端縁3a、3bが位置する段状部を構成するテーパー部23a1と23b1、23a2と23b2または23a3と23b3の拡径開始位置から、前記薄肉ウエブ33a、3bが接触する位置までのローラ長手方向距離をW(1)side/2とし、前記薄肉ウエブ3の端縁3a、3bが、前記複数の段状部27a1、27a2、27a3と27b1、27b2、27b3のいずれかの段状部を構成するテーパー部分23a1と23b1、23a2と23b2または23a3と23b3に位置する場合には、前記薄肉ウエブ3の端縁3a、3bが位置する段状部の、前記長手方向中央部19側で隣接する段状部を構成するテーパー部23a1と23b1、または23a2と23b2の拡径開始位置から、前記薄肉ウエブ33a、3bが接触する位置までのローラ長手方向距離をW(2)side/2とするとき、前記ガイドローラ15の長手方向断面輪郭形状が、下記の(1)式または(2)式を満足し、これによって、前記薄肉ウエブ3に対し幅方向外側への引張り力を生じさせる、前記ガイドローラの断続拡径部29a、29bに対する薄肉ウエブ3の両端部の接触面積を大きくすることにある。

0.2≦W(1)side/Wweb≦0.5・・・(1)
0.2≦W(2)side/Wweb≦0.5・・・(2)
なお、図3および図4では、ガイドローラ15の長手方向中央部19を一定の外径で円筒状に形成し、この長手方向中央部19と端部21との径差や、断続拡径部29aを構成する段状部27a1と27a2、27a2と27a3同士の径差のイメージを明確にするため、説明の便宜上、それぞれの径差を誇張して示しており、実際の寸法比とは大きく異なっている。
そして、本発明は、幅寸法が大きく異なる種々の薄肉ウエブ3を搬送する場合であっても、前記ガイドローラ15の長手方向断面輪郭形状が、薄肉ウエブ3の幅Wwebとの関係で、上記(1)式または(2)式を満足するように設定することによって、薄肉ウエブ3において生じがちな縦しわや折れを有効に抑制することができる。
特に、本発明は、ガイドローラ15の端部21aを構成する全ての段状部27a1、27a2、27a3(、より厳密には、各段状部を構成するフラット部分25a1、25a2、25a3)を、長手方向中央部19に対し、外径が大きくなるような径差で形成し、しかも、両端部21a、21bを、複数の段状部相互間では、ガイドローラ15の軸方向外側に位置する段状部(例えば段状部27a3)の方が、軸方向内側に位置する段状部(例えば段状部27a1および27a2)よりも外径が大きくなる、より具体的には、φ27a3>φ27a2>φ27a1となるような断続拡径部29aとして形成することによって、かかるガイドローラ15の外周面に接触する薄肉ウエブ3をその幅方向で見ると、本発明のガイドローラが1回転するとき、ガイドローラ15の径差から、ガイドローラ15の長手方向中央部19に位置する薄肉ウエブ3の部分に比べて、ガイドローラ15の両端部21a、21bに位置する薄肉ウエブ3の部分の方がより前方に搬送されることになり、これに伴って、薄肉ウエブ3には、薄肉ウエブ3の搬送方向に見て、前方斜め幅方向外側に向かってベクトルが作用することになって、薄肉ウエブ3に対し、幅方向外側への引張り力が作用する結果、縦しわや折れが有効に防止されるものと考えられる。
ここで、(1)式のW(1)side/Wwebの比が0.2未満、または、(2)式のW(2)side/Wwebの比が0.2未満だと、段状部を構成するテーパー部分23aやフラット部分25aと接触する薄肉ウエブ3の両端部の面積が不足し、薄肉ウエブ3の両端部に対し、幅方向外側への引張り力を作用させることができず、縦しわや折れを十分に抑制することができなくなるからである。また、(1)式のW(1)side/Wwebの比が0.5超え、または、(2)式のW(2)side/Wwebの比が0.5超えだと、薄肉ウェブ3の中央部がガイドローラ15と接触しにくくなり、拡幅効果が損なわれるという不具合があるからである。
図5は、本発明に従う2つの段状部で構成した断続拡径部29を有するガイドローラ15を試作したときの寸法図(ただし、図中に示されている寸法の単位はいずれもミリメートルである。)を示したものである。
また、図6は、図5に示す寸法をもつガイドローラを用いて、厚さが25μm、幅が650mmのPETからなる樹脂フィルムを、130℃下のヤング率にて張力120N/mで搬送したときの、樹脂フィルムの幅方向位置に対する樹脂フィルムに作用するひずみの大きさを計算したときの結果を示したものである。なお、図6中に示される許容ひずみは、降伏ひずみの1/3の値で設定したものであり、また、ガイドローラに設けられる径差の設定は、例えば、樹脂フィルムの全幅でひずみの値が降伏ひずみを超えないこと、ガイドローラの端部と長手方向中央部とのひずみ差が大きいこと、樹脂フィルムの幅方向でひずみの値が負にならないこと等などの条件を満足させることによって行うことができる。
比較のため、図6には、ガイドローラの外径が長手方向で一定な円筒状のガイドローラの結果も併せて示してある。
図6の結果から、本発明のガイドローラは、特にガイドローラの端側に位置する段状部を構成するテーパー部分およびフラット部分にわたる範囲に位置する樹脂フィルムの部分に対し、大きなひずみが作用しているのがわかり、このことは、樹脂フィルムを幅方向外側に引っ張っていることを裏付けている。これに対し、円筒状の従来のガイドローラは、樹脂フィルムの幅方向全体に均一のひずみが作用しており、樹脂フィルムを特定の方向に引っ張るような力は作用していないことが理解できる。
本発明のガイドローラは、搬送時に縦しわや折れが生じやすい薄肉ウエブに適用した場合に顕著な効果を奏するものであって、薄肉ウエブの厚さとしては、例えば、1000μm以下とするのが好ましい。
また、ガイドローラの長手方向中央部19と、この長手方向中央部19に隣接する段状部27a1を構成するフラット部分25a1との径差φd1-φcは、ガイドローラの長手方向中央部の外径φcに対し、0.01〜5%の範囲であることが好ましい。
さらに、隣接する段状部のフラット部分同士の径差φd2-φd1、φd3-φd2は、ガイドローラの長手方向中央部の外径φcに対し、いずれも0.01〜5%の範囲であることが好ましい。
なお、本発明のガイドローラ15は、ガイドローラ15における長手方向中央部の軸方向寸法Lcの120%以上の範囲の幅を有する種々の薄肉ウエブ3を搬送するのに使用可能である。
また、これまで説明した実施形態では、長尺の薄肉ウエブ3が、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような樹脂材料からなる樹脂フィルムである場合についてだけ説明してきたが、例えば、紙、金属もしくは鋼等の合金からなる薄肉ウエブの場合であっても、本発明のガイドローラを用いて搬送すれば、上述した樹脂フィルムと同様の効果が得られることは言うまでもない。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、断続拡径部29を構成する段状部27を、図5に示すガイドローラのように2段で構成したり、図3に示すガイドローラのように3段で構成するだけではなく、必要に応じて4段以上で構成することも可能である。また、ガイドローラ15の長手方向中央部19は、上述した実施形態では、外径が一定なフラット部で構成した場合についてだけ説明してきたが、断続拡径部29の段状部27を構成するいずれのフラット部分25の外径よりも小さい外径である限り、凸曲面状(クラウン形状)に形成することも可能である。
次に、この発明に従うガイドローラを試作し、性能評価を行ったので、以下で説明する。
実施例は、断続拡径部29a、29bがそれぞれ2つの段状部27a1と27a2、27b1と27b2で構成されていること以外は図3に示す外面輪郭形状を有し、表1に示す諸元に基づき作製した、全長が750mmのニトリルブタジエンゴム(NBR)製のガイドローラを図2の塗工装置に用い、厚さが25μm、幅が390mm、500mm、550mm、620mmおよび650mmの5種類の異なる幅をもつ長尺のPET樹脂フィルム3を、それぞれ、供給ローラ5から送り出し、コーター7で樹脂フィルム3の表面3aに粘着剤組成物を塗布し、乾燥機11で粘着剤組成物を乾燥・固化させて粘着剤層9とし、その後、この粘着剤層9を有する樹脂フィルムである粘着シート13に対し所定の抱角で接触回転するガイドローラ15によって搬送を案内した後、巻取ローラ17で粘着シート13をロール状に巻き取った。その後、巻き取った粘着シート13の表面を観察し、縦しわや折りなどの欠陥の有無を目視にて観察し、性能を評価した。なお、搬送時における張力は100N/mとし、搬送速度は10m/minとした。表2にその評価結果を示す。表2中の記号は、上記欠陥が生じていない場合を「○」とし、欠陥が生じている場合を「×」として表す。
比較のため、凹曲面形状を有するガイドローラとして、図7(a)に示すガイドローラ(比較例1)、図7(b)に示すガイドローラ(比較例2)および図7(c)に示すガイドローラ(比較例3)の3種類のU字状ガイドローラと、図8に示すBow Tie状ガイドローラ(比較例4)についても試作したので、併せて性能評価を行った。
表2に示す評価結果から、実施例は、幅の異なる5種類のPET樹脂フィルムのすべてについて、縦しわや折れ等の欠陥の発生がなく、安定して搬送を行うことができた。一方、U字状ガイドローラである比較例1〜3は、PET樹脂フィルムの幅によっては縦しわ等の欠陥の発生が抑制されているものもあるが、5種類のPET樹脂フィルムの全てにおいて、縦しわ発生が抑制されているガイドローラはなかった。また、Bow Tie形状を有するガイドローラである比較例4は、幅が550mm、620mmおよび650mmであるPET樹脂フィルムについては、縦しわ等の欠陥の発生がなく搬送できたが、幅が390mmと500mmであるPET樹脂フィルムについては、縦しわが発生しているのが観察された。
上記の実施例の結果から、本発明のガイドローラは、例えば全長が750mmである場合、薄肉ウエブ幅が390〜650mmである薄肉ウエブの搬送に適用でき、これは、搬送できる薄肉ウエブの幅として、最小幅(例えば390mm)を1としたとき、最大幅(例えば650mm)が約1.7倍までの幅の範囲の薄肉ウエブを搬送できることが分かる。
本発明によれば、幅寸法の異なる種々の薄肉ウエブを搬送する場合であっても、薄肉ウエブにおいて生じがちな縦しわや折れを有効に抑制することができるガイドローラを提供することが可能になった。
1 塗工装置
3 薄肉ウエブまたは樹脂フィルム
5 供給ローラ
7 コーター
9 粘着剤層
11 乾燥機
13 粘着シート
15 ガイドローラ
17 巻取ローラ
19 ガイドローラの長手方向中央部
21、21a,21b ガイドローラの両端部
23、23a、23b テーパー部分
25、25a、25b フラット部分
27、27a1、27a2、27a3、27b1、27b2、27b3 段状部
29、29a、29b 断続拡径部
31、31a、31b テーパー部の拡径開始位置

Claims (2)

  1. 供給ローラと巻取ローラの間に位置し、供給ローラから送り出される長尺の薄肉ウエブに対し回転接触する位置に設けることにより、該薄肉ウエブの搬送を案内するガイドローラにおいて、
    該ガイドローラを、長手方向中央部と両端部に区分するとき、
    前記ガイドローラは、両端部に、長手方向中央部からそれぞれ両端側に向かって拡径するテーパー部分と、該テーパー部分から同径で延在するフラット部分とで構成される複数の段状部を連結してなる断続拡径部を有し、
    ガイドローラの長手方向中央部が、前記断続拡径部の複数の段状部を構成するいずれのフラット部分の外径よりも小さい外径を有し、かつ一定の外径で円筒状、または凸曲面状に形成され、
    前記薄肉ウエブの幅をWwebとし、薄肉ウエブを搬送するガイドローラの状態で見て、
    前記薄肉ウエブの端縁が、前記複数の段状部のいずれかの段状部を構成するフラット部分に位置する場合には、前記薄肉ウエブの端縁が位置する段状部を構成するテーパー部の拡径開始位置から、前記薄肉ウエブの端縁が接触する位置までのローラ長手方向距離をW(1)side/2とし、前記薄肉ウエブの端縁が、前記複数の段状部のいずれかの段状部を構成するテーパー部分に位置する場合には、前記薄肉ウエブの端縁が位置する段状部の、前記長手方向中央部側で隣接する段状部を構成するテーパー部の拡径開始位置から、前記薄肉ウエブの端縁が接触する位置までのローラ長手方向距離をW(2)side/2とするとき、
    前記ガイドローラの長手方向断面輪郭形状が、下記の(1)式または(2)式を満足し、これによって、前記薄肉ウエブに対し幅方向外側への引張り力を生じさせる、前記ガイドローラの断続拡径部に対する前記薄肉ウエブの両端部の接触面積を大きくすることを特徴とするガイドローラ。

    0.2≦W(1)side/Wweb≦0.5・・・(1)
    0.2≦W(2)side/Wweb≦0.5・・・(2)
  2. 前記薄肉ウエブは、厚さ1000μm以下である請求項1に記載のガイドローラ。
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