JP7420465B2 - 長尺基板のしわ発生防止ロールを備えた連続成膜装置及びしわ発生防止方法 - Google Patents

長尺基板のしわ発生防止ロールを備えた連続成膜装置及びしわ発生防止方法 Download PDF

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本発明は、減圧雰囲気下においてロールツーロール方式で搬送される長尺基板のしわ発生防止ロール及びしわ発生防止方法並びに該ロールを備えた乾式めっき法による真空成膜用の連続成膜装置に関する。
樹脂フィルムはフレキシブル性に優れているうえ長尺にすることで取り扱いが容易になるので、その表面に金属膜や酸化物膜を成膜することで得られる積層樹脂フィルムは電子機器や光学機器の基板の材料として、更には包装材料などとして様々な産業界で広く用いられている。例えば電子機器の分野では、液晶ディスプレイのドライバ回路に使用するCOF(Chip on Film)のフレキシブルプリント配線基板の材料に、微細な配線パターンの加工が可能な樹脂フィルムと金属膜からなる二層の金属化樹脂フィルムが採用されている。また、金属化樹脂フィルムからなるフレキシブル配線基板は、極めて薄く且つ自在に曲げることが可能な特徴を活かして携帯電話などの小型電子機器においても使用されている。
上記フレキシブルプリント配線基板は、例えばポリイミドフィルムからなる樹脂フィルムの片面又は両面に金属膜を成膜することで製造される上記二層の金属化樹脂フィルムのうち、該金属膜部分をサブトラクティブ法等によりパターニング加工することで作製することができる。ところで、上記の金属化樹脂フィルムの製造方法としては、例えば特許文献1に、ロールツーロール方式の連続スパッタ装置を用いてポリイミドからなる長尺基板の表面にNi-Cr合金層及び銅層をこの順にスパッタリング成膜する技術が開示されている。
特開2018-002386号公報
上記した特許文献1に開示されているようなロールツーロール方式の装置を用いることによって、長尺基板の表面に蒸着法やスパッタリング法などの乾式めっき法で金属層を効率よく成膜することが可能になるが、比較的薄い長尺基板を処理する場合や比較的長い長尺基板を処理する場合は成膜後に巻取ロールで巻き取る際にしわが入ることがあった。このように巻き取り時にしわが入ると、二層構造の金属化ポリイミドフィルムの商品価値が著しく低下するので、巻き取りに際してしわが入りにくいことが求められている。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、ロールツーロール方式で搬送しながら成膜処理を施す際に生じやすいしわの発生を抑制できるしわ発生防止ロール及びしわ発生防止方法並びに該ロールを備えた連続成膜装置を提供することを目的にしている。
上記目的を達成するため、本発明に係る長尺基板のしわ発生防止ロールを備えた連続成膜装置は、真空チャンバー内において巻出ロールから巻取ロールまでロールツーロール方式で長尺基板を搬送する搬送機構と、該長尺基板の表面に連続的に成膜処理する成膜機構とを備えた連続成膜装置であって、前記巻取ロールは、そこに巻き取られる長尺基板を該巻取ロール側に押し付けるように移動自在に設けられたニアロールを有しており、該長尺基板に関して該ニアロールが接する成膜面側とは反対側の非成膜面側であって且つ該巻取ロールの直ぐ上流側にしわ発生防止ロールが設けられており、前記しわ発生防止ロールは、回転軸方向両端部の外径が回転軸方向中央部の外径より180μm以上600μm未満太くなるように前記長尺基板の幅方向両端部の巻き付く箇所が各々3段以上の均等な高さの段差により拡径しており、前記3段以上の段差は、各々が前記回転軸方向に対して垂直に拡径しており、且つ前記回転軸方向の段差間の距離が3~10mmの範囲内で均等であることを特徴としている。
また、本発明に係る長尺基板のしわ発生防止方法は、真空チャンバー内において巻出ロールから巻取ロールまでロールツーロール方式で長尺基板を搬送する搬送機構と、該長尺基板の表面に連続的に成膜処理する成膜機構とを備えた連続成膜装置において、該長尺基板の巻取ロールでの巻き取り時のしわ発生防止方法であって、前記巻取ロールは、そこに巻き取られる長尺基板を該巻取ロール側に押し付けるように移動自在に設けられたニアロールを有しており、該長尺基板に関して該ニアロールが接する成膜面側とは反対側の非成膜面側であって且つ該巻取ロールの直ぐ上流側にしわ発生防止ロールが設けられており、前記巻取ロールで巻き取る直前に、回転軸方向中央部の外径よりも回転軸方向両端部の外径が180μm以上600μm未満太くなるように前記長尺基板の幅方向両端部の巻き付く箇所が各々3段以上の均等な高さの段差により拡径しており、前記3段以上の段差は、各々が前記回転軸方向に対して垂直に拡径しており、且つ前記回転軸方向の段差間の距離が3~10mmの範囲内で均等であるしわ発生防止ロールに長尺基板を経由させることを特徴としている。
本発明によれば、ロールツーロール方式で搬送される長尺基板の巻き取りの際に生じやすい該長尺基板のしわ発生を防止することが可能になる。
本発明のしわ発生防止ロールが対象とする二層構造の金属化樹脂フィルムの部分断面図である。 本発明のしわ発生防止ロールを備えた真空成膜装置の一具体例を示す概略の正面図である。 本発明のしわ発生防止ロールの一具体例の斜視図である。 図3のしわ発生防止ロールに長尺基板が巻き付いている様子を示す部分断面図及びその一部分の拡大図である。 本発明の実施例及び比較例で採用した種々のしわ発生防止ロールの片端部の断面図である。
先ず、本発明の実施形態の長尺基板のしわ発生防止ロール及びこれを備えた連続成膜装置が対象とする金属化樹脂フィルムの一具体例について、図1に示す模式的な部分断面図を参照しながら説明する。この図1に示す金属化樹脂フィルムは、ポリイミドからなる基材としての長尺基板1と、その表面に直接成膜された金属層2とからなる接着剤層のない二層構造の金属化ポリイミドフィルム(以降、二層金属化ポリイミドフィルムとも称する)である。
上記の金属層2は積層構造になっており、蒸着法やスパッタリング法等の乾式めっき法で成膜されたニッケル若しくはクロム又はそれらの少なくとも一方の合金からなる下地金属層3と、この下地金属層3の上に同様に蒸着法やスパッタリング法等の乾式めっき法で成膜された銅薄膜層4と、この銅薄膜層4の上に電気めっき法若しくは無電解めっき法又はこれら両湿式めっき法を用いて厚付け成膜された銅層5とからなる。なお、本発明のしわ発生防止ロール及びこれを備えた連続成膜装置が対象とする金属化樹脂フィルムは、図1のようにポリイミドフィルムなどの長尺基板1の片面のみにこれら下地金属層3、銅薄膜層4、及び銅層5が成膜されるものでもよいし、長尺基板1の両面にこれら下地金属層3、銅薄膜層4、及び銅層5が成膜されるものでもよい。
一般的に、下地金属層3の厚みは5~50nm程度であり、銅薄膜層4の厚みは50~1000nm程度であり、銅層5の厚みは1~20μm程度である。銅薄膜層4の厚みについては生産性の観点から50~500nm程度がより好ましい。一方、長尺基板1はポリイミドの場合は厚み35μm程度のものが一般的に用いられるが、近年はこれよりも薄い厚み25μm、12.5μm、7.5μm程度のものが用いられることがある。
本発明の実施形態のしわ発生防止ロール及びこれを備えた連続成膜装置は、長尺基板1の厚みが25μm以下の場合に顕著に効果が奏される。その理由は、ロールツーロール方式の搬送機構では一般的に長尺基板の幅方向中央部に搬送方向の張力が強くかかるため、長尺基板の幅方向両端部は該中央部に引き寄せられる方向に動く傾向にある。この場合、厚み35μm程度のポリイミドフィルムであれば十分な硬さとコシ(靱性)があるため、幅方向両端部にも搬送方向の十分な張力がかかるので幅方向中央部に引っ張られ難く、しわは発生しにくい。
しかしながら、厚み25μm以下のポリイミドフィルムは上記の厚み35μm以上のものに比べて柔らかくコシが弱いため、幅方向両端部の搬送方向の張力が弱くなり、その結果、幅方向中央部側に引っ張られやすくなってしわが発生しやすくなる。そこでロールツーロール方式で長尺基板を搬送するに際して幅方向両端部の搬送方向の張力が大きくなるように、巻取ロールの上流側に後述するように両端部が段階的に拡径されたフリーロールを設けて上記幅方向中央部に引っ張られる力を緩和したところ、しわの発生を抑えることが可能になった。
次に、本発明の実施形態のしわ発生防止ロールを備えた連続成膜装置の一具体例として、図2に示すロールツーロール方式の真空成膜装置10について説明する。なお、この図2のロールツーロール方式の真空成膜装置によって上記の下地金属層3と銅薄膜層4とからなる金属薄膜層6が連続的に成膜され、銅層5は例えばロールツーロール方式の連続電気めっき装置などの一般的な湿式めっき装置によって成膜される。本発明の実施形態のしわ発生防止ロールは、図2のようなロールツーロール方式の真空成膜装置において顕著な効果が奏されるので、湿式めっき装置の具体的な説明は省略する。
この図2に示すロールツーロール方式の真空成膜装置10は、図中の円で描かれている円筒状の各種ロール群からなる搬送機構と、この搬送機構によってロールツーロール方式で搬送される長尺基板Fの表面に連続的に成膜処理を施す成膜機構と、これら搬送機構及び成膜機構を収容する真空チャンバー12とから主に構成されている。これにより、減圧雰囲気下においてロールツーロールで搬送される長尺基板Fに対して連続的に成膜処理することが可能になる。
具体的に説明すると、真空チャンバー12は図示しない真空ポンプなどの真空装置を具備しており、これによってスパッタリング成膜に際して内部を10-4~10-3Pa程度まで減圧した後(この減圧により達成する最小の圧力を到達圧力という)、アルゴンガスなどのスパッタリングガスの導入により10-1~1Pa程度の減圧雰囲気に維持される。この状態でスパッタリング成膜が行われる。なお、図2では真空チャンバー12は直方体状で示されているが、真空チャンバー12内を上記の10-4~1Pa程度の減圧状態に保持できるのであればこの形状に限定されるものではなく、円筒状などの他の形状でも良い。
この真空チャンバー12内に収容されている搬送機構は、ロール状に巻かれた長尺基板Fが巻き出される巻出ロール13と、長尺基板Fを巻き付けて冷却する外周面を有するキャンロール14と、該キャンロール14の直ぐ上流側及び下流側にそれぞれ設けられた前フィードロール16a及び後フィードロール16bと、キャンロール14の上流側を走行する長尺基板Fの張力及びキャンロール14の下流側を走行する長尺基板Fの張力をそれぞれ測定するテンションロール17a及び17bと、成膜された長尺基板Fを巻き取る巻取ロール18と、該巻取ロール18に巻き取られる長尺基板Fにしわが発生するのを防止するしわ発生防止ロール19と、該巻取ロール18に巻き取られた長尺基板Fを該巻取ロール18側に押し付けるように移動自在に設けられたニアロール20とから主に構成される。
これらロール群のうち、巻出ロール13、キャンロール14、前フィードロール16a、後フィードロール16b及び巻取ロール18は、各々サーボモータなどの回転駆動手段によって回転駆動力が与えられるようになっている。巻出ロール13及び巻取ロール18には更にパウダークラッチ等のトルク制御手段が設けられており、これにより搬送中の長尺基板Fの張力バランスを維持することが可能になる。テンションロール17a、17bは、外周面が硬質クロムめっき仕上げになっており、軸部に設けられたピエゾ素子などの張力センサーにより搬送中の長尺基板Fの張力を測定できるようになっている。
キャンロール14は、外周面が硬質クロムめっき仕上げになっており、内側には真空チャンバー12の外部から供給される冷媒や温媒が循環する流路が設けられている。これにより、キャンロール14の外周面の温度を略一定に調節することが可能になる。このキャンロール14の外周面に対向するように、4個のスパッタリングカソード15a~15dがこの順に該外周面の周方向に沿って配置されており、キャンロール14の外周面に巻き付けられた長尺基板Fに連続的に乾式めっきによる成膜処理を施せるようになっている。
なお、スパッタリングカソードの個数は上記の4個に限定されるものではなく、積層させる金属層の種類やその厚みによって適宜定められる。一般的にはキャンロール14の外径を400mm以上にすることにより、上記のように複数のスパッタリングカソードを配置することが可能になる。各スパッタリングカソードは、例えばマグネトロンカソード式の場合は、キャンロール14の外周面に対向して配置したとき、長尺基板Fの幅方向におけるカソードの寸法は、当該長尺基板Fの幅よりも大きいのが望ましい。例えば幅500mmの長尺基板Fに成膜処理を施すのであれば、これに対向するスパッタリングカソードの長尺基板Fの幅方向における寸法は600mm程度であるのが好ましい。
上記構成の真空成膜装置10を用いて長尺基板Fの両面(表裏面)の各々に下地金属層と銅薄膜層とからなる金属薄膜層を成膜する場合は、ロール状に巻かれた長尺基板Fを巻出ロール13に取り付けてから真空チャンバー12内をスパッタリングガスを含んだ減圧雰囲気にした後、キャンロール14に冷却水を供給すると共に長尺基板Fの搬送機構及び成膜機構を起動させる。これにより、巻出ロール13から巻き出された長尺基板Fは、テンションロール17aで測定した張力が一定になるように制御されながら前フィードロール16aを経てキャンロール14に導かれる。
キャンロール14の外周面に沿って搬送される長尺基板Fは、一方の面を該外周面に巻き付けられることで冷却されながら、もう一方の面にスパッタリングカソード15a~15dによって熱負荷のかかるスパッタリング処理が施される。これにより、長尺基板Fの片面に下地金属層と銅薄膜層とからなる金属薄膜層が積層される。この積層後は長尺基板Fは後フィードロール16b及びテンションロール17bによって緩まないように搬送され、更にしわ発生防止ロール19を経て巻取ロール18で巻き取られる。このようにして片面側の成膜が全て完了した後は、巻取ロール18に巻き取られたロール状の長尺基板Fを巻取ロール18から外し、前回とは中心軸方向を逆にして再度巻出ロール13に取り付ける。そして、白矢印で示す反時計回りに巻出ロール13を回転させて点線の経路で引出すこと以外は前回と同様にしてもう片方の面に成膜する。これにより長尺基板Fの両面に金属薄膜層を成膜することができる。
上記したように巻取ロール18の直ぐ上流側に設けられているしわ発生防止ロール19は、図3に示すように回転軸方向両端部の外径が回転軸方向中央部の直径よりも90~240μm太くなるように長尺基板Fの幅方向両端部が巻き付く箇所が少なくとも2段の段差によって段階的に拡径している。これにより、ロールツーロールで搬送される長尺基板Fの幅方向両端部の見かけ上の搬送速度(すなわち、該両端部の単位時間当たりの移動距離)を速くすることができる。その結果、該両端部の搬送方向の張力を高めることが可能になり、長尺基板Fの幅方向両端部が幅方向中央部に引き寄せられるのを抑えることができるので、しわの発生を効果的に抑制することが可能になる。
上記のしわ発生防止の原理によれば、回転軸方向中央部から両端部に向って徐々に拡径する形状のいわゆる逆クラウン型ロールでも同様の効果が得られるように考えられるが、原因はよく分からないが、かかる逆クラウン型ロールではしわ発生防止の効果が得られない。すなわち、しわ発生防止のためには回転軸方向両端部が複数の段差により拡径している必要がある。なお、しわ発生防止ロール19は最も外径が大きい部分の外径が60~130mmであるのが好ましい。また、しわ発生防止ロール19はその外周面における長尺基板Fの抱き角が60~120°であるのが好ましく、95~105°であるのがより好ましい。
上記しわ発生防止ロール19において上記段差が設けられている箇所は、図4に示すように長尺基板Fの幅方向の両縁部から各々幅2~3mmの領域Aを除いた各々幅5mm~40mmの両端部Bが巻き付く箇所であるのが好ましい。また、しわ発生防止ロール19の拡径部の複数の段差は各々高さHが30~50μmの範囲内で均等であるのが好ましい。更に隣接する段差間の回転軸方向の距離Lは3~10mmの範囲内で均等であるのが好ましい。このしわ発生防止ロール19の表面仕上げは特に制約がないが、硬質クロムメッキ仕上げが好ましい。
以上、本発明の実施形態のしわ発生防止ロールについてスパッタリング成膜が行われるロールツーロール方式の真空成膜装置に設けられている場合を例に挙げて説明したが、本発明のしわ発生防止ロールは上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、図2に示す真空成膜装置10では、しわ発生防止ロール19は、長尺基板Fの表裏面のうち、巻取ロール18での巻き取り時にその回転軸に対向する側の面に接するように設けられているが、これとは逆の面に接するように設けられていてもよい。また、図2に示すようなスパッタリング成膜のほか、蒸着などを公知の真空成膜が行われる真空成膜装置でも同様の効果が得られる。いずれの場合においても、長尺の樹脂フィルムの両面にロールツーロール方式で金属膜を成膜する際に本発明のしわ発生防止ロールを使用することにより、金属化樹脂フィルムのしわ発生を顕著に抑制することができる。
図2に示すようなロールツーロール方式の真空成膜装置10を使用して長尺基板Fの両面に成膜処理を行い、しわ発生の有無を調べた。具体的には、しわ発生防止ロール19に下記表1に示す試料1~6のステンレス製ロールを採用して各々成膜処理後に目視にてしわの有無を調べた。なお、いずれの試料のしわ発生防止ロールにおいても、外径が最大となる部分で8cmのものを用いた。長尺基板Fには試料6の場合を除いて東レ・デュポン株式会社製の長さ1600m、幅50cm、厚み12.5μmの長尺状のポリイミドフィルム(カプトン(登録商標)K50EN-C)を用いた。試料6の場合は厚み12.5μmに代えて35μmにした以外は上記と同等のポリイミドフィルムを用いた。スパッタリングカソード15aにはニッケル-クロムからなる合金ターゲットを下地金属層用として配置し、スパッタリングカソード15b~dには銅ターゲットを銅薄膜層用として配置した。また、前フィードロール16aには、駆動ロールを使用した。
そして、真空チャンバー12内をアルゴンガスを含んだ1Paの減圧雰囲気にすると共に、キャンロール14の内部に冷却水を循環させ上記ポリイミドフィルムを3m/分で搬送することで厚み250Å(25nm)の下地金属層と厚み1000Å(100nm)の銅薄膜層とからなる金属薄膜層をポリイミドフィルムの片面にスパッタリング成膜した。この片面側のスパッタリング成膜が完了した後、ロール状に巻き取られたポリイミドフィルムを巻取ロール18から取り外し、回転軸方向を逆にして再度巻出ロール13にセットすることで裏面側にも同様にスパッタリング成膜を行った。その結果を下記表1に示す。
Figure 0007420465000001
上記表1から分かるように、本発明の要件を満たす試料1及び2のしわ発生防止ロールを用いた場合は、いずれも表面の成膜時及び裏面の成膜時においてしわが生ずることなく良好に成膜することができた。一方、比較例である試料3~4の場合は、いずれも表面の成膜時はしわが生ずることなく良好な結果が得られたが、裏面の成膜時にしわが発生した。試料5の段差やテーパ部のない円筒形状の場合は表面の成膜時の段階において既にしわが発生したので裏面側の成膜は行わなかった。なお参考例である試料6の結果から、厚み35μm程度のぶ厚いポリイミドフィルムの場合は、その幅方向中間部と両端部の搬送方向の張力の差によるしわ発生の問題が顕在化しないことが分かる。
1 長尺基板
2 金属層
3 下地金属層
4 銅薄膜層
5 銅層
6 金属薄膜層
10 真空成膜装置
12 真空チャンバー
13 巻出ロール
14 キャンロール
15a~d スパッタリングカソード
16a 前フィードロール
16b 後フィードロール
17a、17b テンションロール
18 巻取ロール
19 しわ発生防止ロール
20 ニアロール
F 長尺基板
H 各段差の高さ
L 段差間の距離

Claims (4)

  1. 真空チャンバー内において巻出ロールから巻取ロールまでロールツーロール方式で長尺基板を搬送する搬送機構と、該長尺基板の表面に連続的に成膜処理する成膜機構とを備えた連続成膜装置であって、
    前記巻取ロールは、そこに巻き取られる長尺基板を該巻取ロール側に押し付けるように移動自在に設けられたニアロールを有しており、該長尺基板に関して該ニアロールが接する成膜面側とは反対側の非成膜面側であって且つ該巻取ロールの直ぐ上流側にしわ発生防止ロールが設けられており、
    前記しわ発生防止ロールは、回転軸方向両端部の外径が回転軸方向中央部の外径より180μm以上600μm未満太くなるように前記長尺基板の幅方向両端部の巻き付く箇所が各々3段以上の均等な高さの段差により拡径しており、前記3段以上の段差は、各々が前記回転軸方向に対して垂直に拡径しており、且つ前記回転軸方向の段差間の距離が3~10mmの範囲内で均等であることを特徴とする連続成膜装置
  2. 前記成膜機構がスパッタリングカソードであることを特徴とする、請求項に記載の連続成膜装置。
  3. 真空チャンバー内において巻出ロールから巻取ロールまでロールツーロール方式で長尺基板を搬送する搬送機構と、該長尺基板の表面に連続的に成膜処理する成膜機構とを備えた連続成膜装置において、該長尺基板の巻取ロールでの巻き取り時のしわ発生防止方法であって、
    前記巻取ロールは、そこに巻き取られる長尺基板を該巻取ロール側に押し付けるように移動自在に設けられたニアロールを有しており、該長尺基板に関して該ニアロールが接する成膜面側とは反対側の非成膜面側であって且つ該巻取ロールの直ぐ上流側にしわ発生防止ロールが設けられており、
    前記巻取ロールで巻き取る直前に、回転軸方向中央部の外径よりも回転軸方向両端部の外径が180μm以上600μm未満太くなるように前記長尺基板の幅方向両端部の巻き付く箇所が各々3段以上の均等な高さの段差により拡径しており、前記3段以上の段差は、各々が前記回転軸方向に対して垂直に拡径しており、且つ前記回転軸方向の段差間の距離が3~10mmの範囲内で均等であるしわ発生防止ロールに長尺基板を経由させることを特徴とする長尺基板のしわ発生防止方法。
  4. 前記長尺基板の厚みが25μm以下であることを特徴とする、請求項に記載の長尺基板のしわ発生防止方法。
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