JP5803796B2 - 長尺樹脂フィルムの処理方法 - Google Patents

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本発明は、減圧雰囲気下においてロールツーロール方式で搬送される長尺樹脂フィルムに対して熱負荷のかかる処理を施す方法及び装置に関し、特に乾式めっき法による成膜処理によって二層構造の金属化樹脂フィルムを製造する方法及び装置に関する。
樹脂フィルムはフレキシブル性に優れており取り扱いが容易であるので、その表面に成膜処理を施して得られる金属膜や酸化物膜を備えた積層樹脂フィルムが、電子機器や光学機器の基板、更には包装材料などとして広く産業界で用いられている。例えば電子機器の分野では、フレキシブル性を有し且つ配線の微細化に対応可能な金属化樹脂フィルムが、液晶ディスプレイのドライバ回路に使用するCOF(Chip on Film)のフレキシブルプリント配線基板に採用されている。また、携帯電話などの小型電子機器においても、金属化樹脂フィルムからなるフレキシブル配線基板が使用されている。
上記金属化樹脂フィルムは、ポリイミドフィルムと銅箔とをこれらの間に接着剤を介在させて張り合わせた三層金属化ポリイミドフィルムが主流であり、その金属膜部分をサブトラクティブ法等によりパターンニングすることで上記したフレキシブルプリント配線基板が製造される。
近年は、電子機器に対する軽薄短小化の要求がますます高まっており、金属化樹脂フィルムにおいても配線の狭ピッチ化が可能な基材が要求されつつある。このような状況の下、接着剤層の無い二層構造の金属化ポリイミドフィルムが微細配線を描ける基材として注目されている。二層構造の金属化ポリイミドフィルムは接着剤層の特性の影響を受けないので、ポリイミド本来の化学的に安定な特性を備えた材料が得られるからである。
かかる二層構造の金属化ポリイミドフィルムの製造方法としては、例えば特許文献1に、ロールツーロール方式の連続スパッタ装置を用いてポリイミドからなる長尺樹脂フィルムの表面にNi−Cr合金層及び銅層を順に積層させる技術が開示されている。また、特許文献2には、二層構造の金属化ポリイミドフィルムの製造に好適に使用されるロールツーロール方式の真空処理装置の具体例が示されている。
特開平06−120630号公報 特開昭62−247073号公報
ロールツーロール方式で搬送される長尺樹脂フィルムの表面に蒸着法やスパッタリング法などの乾式めっき法で金属層を成膜すると、該長尺樹脂フィルムの表面に微小なキズが発生することがあった。これは、ロールツーロール方式では搬送の際に長尺樹脂フィルムの張力を制御する必要があるため、例えば温度調整された外周面を備えたキャンロールの上流側及び下流側でそれぞれ長尺樹脂フィルムの張力を制御することがある。この場合、張力制御に供するロールの外周面に長尺樹脂フィルムが接触する時にその表面に微小なキズが発生することがあった。
挟ピッチ化した配線パターンを有するCOFでは、微細なキズであっても商品価値が著しく低下するため、前述したようなフィルム搬送中に発生するキズが問題になっていた。その対策として、保護フィルムを長尺樹脂フィルムに貼り付けて搬送させる方法が提案されているが、保護フィルムの貼り付けには接着剤を必要とするため、二層構造の金属化ポリイミドフィルムの製造には適していなかった。
本発明はかかる従来の問題に鑑みてなされたものであり、長尺樹脂フィルムに連続的に処理を施すべくロールツーロール方式で搬送する際に起こり易いフィルム表面の微小なキズの発生を抑制できる方法及び装置を提供する事を課題にしている。
本発明者らは上記課題を解決するため、フィルム表面の微小なキズの発生を抑えながらロールツーロール方式で長尺樹脂フィルムを搬送する方法について鋭意研究を行った。その結果、フィルムの搬送の役割を担うロールの材質が微小なキズの発生に影響を及ぼすことを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の長尺樹脂フィルムの処理方法は、減圧雰囲気の下、ロールツーロールで搬送される長尺樹脂フィルムの一方の面を温度調節されたキャンロールの外周面に巻き付けながら他方の面に熱負荷のかかる処理を施す長尺樹脂フィルムの処理方法であって、表面硬度50°〜90°のゴムからなるグリップ手段によって長尺樹脂フィルムをグリップすることが可能な外周面を有し、且つ駆動手段により前記キャンロールの周速度の99〜100%の周速度で回転する前フィードロールを介して長尺樹脂フィルムを前記キャンロールに送り込むことを特徴としている。
本発明によれば、フィルム表面の微小なキズの発生を抑えながらロールツーロールで長尺樹脂フィルムを搬送することが可能となる。これにより、表面に微小なキズがほとんどない金属化樹脂フィルムを得ることができるので、挟ピッチ化された配線を有するCOFに適した金属化ポリイミドフィルムを得ることが可能となる。
本発明の長尺樹脂フィルムの処理方法及びその後段の電気めっき法で作製可能な二層構造の金属化樹脂フィルムの部分断面図である。 本発明の長尺樹脂フィルムの処理装置の一具体例を示す概略の正面図である。 本発明の長尺樹脂フィルムの処理装置の他の具体例を示す概略の正面図である。 実施例1で作製した金属薄膜付長尺樹脂フィルムの表面の実体顕微鏡写真である。 比較例で作製した金属薄膜付長尺樹脂フィルムの表面の実体顕微鏡写真である。
先ず、本発明に係る長尺樹脂フィルムの処理装置を説明する前に、図1の部分断面図を参照しながら本発明に係る長尺樹脂フィルムの処理装置及びその後段に設けた一般的な湿式めっき装置を用いて作製され得る金属化樹脂フィルムの一具体例について説明する。
この図1に示す金属化ポリイミドフィルム1は、接着剤層の無い二層構造の金属化ポリイミドフィルム(以降、二層金属化ポリイミドフィルムと称する)であって、ポリイミドからなる基材としての長尺樹脂フィルム2と、その表面に接着剤を介することなく蒸着法やスパッタリング法等の乾式めっき法で成膜されたニッケル若しくはクロム又はそれらの少なくとも一方の合金からなる下地金属層3と、この下地金属層3の上に同様に蒸着法やスパッタリング法等の乾式めっき法で成膜された銅薄膜層4と、この銅薄膜層4の上に電気めっき法若しくは無電解めっき法又はこれら両者を組み合わせた方法を用いて厚付け成膜された銅層5とからなる。
一般に、下地金属層3の厚みは5〜50nm程度であり、銅薄膜層4の厚みは50〜1000nm程度であるが、生産性の観点から銅薄膜層4の厚みについては50〜500nm程度がより好ましい。一方、銅層5の厚みは1〜20μm程度が一般的である。これら下地金属層3と銅薄膜層4とからなる金属薄膜層6が、後述するロールツーロール方式の真空成膜装置によって連続的に成膜される。尚、銅層5は例えばロールツーロール式の連続電気めっき装置などの一般的な湿式めっき装置によって成膜することができるので、その具体的な説明は省略する。
次に、図2を参照しながら、本発明に係る長尺樹脂フィルムの処理装置の一具体例であるロールツーロール方式の真空成膜装置10について説明する。尚、図2にはロールツーロール方式の真空成膜装置10の概略正面図が示されており、図中の円で描かれているものは、長尺樹脂フィルムのロールツーロールによる搬送に供する円筒状の各種ロールである。
このロールツーロール方式の真空成膜装置10は、ロール状に巻かれた長尺樹脂フィルムFが巻き出される巻出しロール13と、長尺樹脂フィルムFを巻き付けて冷却する外周面を有するキャンロール14と、キャンロール14の外周面に巻き付けられた長尺樹脂フィルムFに乾式めっきを施す複数のスパッタリングカソード15a〜15dと、長尺樹脂フィルムFの搬送経路に関してキャンロール14の直前及び直後にそれぞれ設けられた前フィードロール16a及び後フィードロール16bと、キャンロール14の上流側を走行する長尺樹脂フィルムFの張力及びキャンロール14の下流側を走行する長尺樹脂フィルムFの張力をそれぞれ測定するテンションロール17a及び17bと、成膜された長尺樹脂フィルムFを巻き取る巻取りロール18とから構成される。
上記した真空成膜装置10の各構成要素は筐体12に収納されており、これにより長尺樹脂フィルムFを減圧雰囲気下において搬送しながら連続的に処理することが可能になる。スパッタリング法で成膜する場合は、筐体12内は10−4Pa〜10−3Paの範囲内の圧力まで減圧される(この減圧により達成する最小の圧力を到達圧力という)。到達圧力まで減圧された後、筐体12内にはスパッタリングガス(アルゴン)が導入されて10−1Pa〜約1Paの範囲内の圧力に維持される。この状態でスパッタリングが行われる。尚、図2では筐体12は直方体状で示されているが、筐体12内を10−4Pa〜1Pa程度の減圧状態に保持できるのであればこの形状に限定されるものではなく、円筒状などの他の形状でも良い。
巻出しロール13、キャンロール14、前フィードロール16a、及び巻取りロール18は、各々サーボモータなどの回転駆動手段によって回転駆動力が与えられる。巻出しロール13及び巻取りロール18には、更にパウダークラッチ等のトルク制御手段が設けられており、これにより搬送中の長尺樹脂フィルムFの張力バランスが保たれる。テンションロール17a、17bは、外周面が硬質クロムめっきで仕上げられており、軸部にはピエゾ素子などの張力センサーが備わっている。
キャンロール14は、その外周面が硬質クロムめっきで仕上げられている。また、キャンロール14の内部には、筐体12の外部から供給される冷媒や温媒が循環するようになっている。これにより、キャンロール14の外周面の温度が略一定に調節される。このキャンロール14の外周面の周方向に沿って外周面に対向するように4個のスパッタリングカソード15a〜15dが配置されている。
スパッタリングカソードの個数は積層させる金属層の種類やその厚みによって適宜定められるが、キャンロール14の直径を400mm以上にすることにより、上記のように複数のスパッタリングカソードを配置することが可能となる。各スパッタリングカソードは、マグネトロンカソード式で構成され、キャンロール14の外周面に対向して配置したとき、長尺樹脂フィルムFの巾方向におけるカソードの寸法は、当該長尺樹脂フィルムFの巾よりも広いのが望ましい。例えば巾500mmの長尺樹脂フィルムFに成膜処理を施すのであれば、これに対向するスパッタリングカソードの長尺樹脂フィルムFの巾方向における寸法は、600mm程度であるのが好ましい。
かかる構成により、巻出しロール13から巻き出された長尺樹脂フィルムFは、テンションロール17aで張力を測定されながらガイドされた後、前フィードロール16aを介してキャンロール14に送り込まれる。キャンロール14では、長尺樹脂フィルムFは一方の面を外周面に密着させた状態で搬送される。その際、長尺樹脂フィルムFの他方の面にスパッタリングカソード15a〜15dによって熱負荷のかかるスパッタリング処理が施される。これにより、金属薄膜層6が積層された金属薄膜付長尺樹脂フィルムSが得られる。得られた金属薄膜付長尺樹脂フィルムSは、後フィードロール16b及びテンションロール17bによって緩まないように搬送された後、巻取りロール18で巻き取られる。
ここで、図2に示す前フィードロール16aは、当該前フィードロール16aの外周面に巻き付けられる長尺樹脂フィルムFをグリップすることが可能なグリップ手段を有している。具体的には、前フィードロール16aは、その外周面部に表面硬度50°〜90°のゴムがグリップ手段として設けられている。
これにより、前フィードロール16aの外周面は長尺樹脂フィルムFをグリップすること、換言すれば、前フィードロール16aの外周面とそこに巻き付いて搬送される長尺樹脂フィルムFとに周速度差が生じようとしたときに、これらの間に適度な摩擦力を生じさせて、長尺樹脂フィルムFが前フィードロール16aの外周面上で容易に滑らないようにすることが可能となる。これにより、長尺樹脂フィルムFの表面に微小なキズのほとんどない金属化樹脂フィルムが得られる。尚、グリップ手段として、前フィードロール16aの外周面部に表面硬度50°〜90°のゴムを設けることにより、後述するようなニップロールを省くことができるため、真空成膜装置10の構成を簡素化することができる。
前フィードロール16aの外周面部に設けるゴムの硬度が50°未満の場合は、フィルム搬送時にロールが変形しやすくなり、この変形部分で磨耗が生じて滑りやすくなる。更にロールの変形は局所的であるため、長尺樹脂フィルムにも局所的な歪を与えてシワ発生などの不具合につながる。一方、この硬度が90°を超える場合は摩擦力が小さくなり、硬質クロムめっきで表面処理された金属の場合と同様に滑りが発生する。尚、本発明において表面硬度若しくは硬度とはJIS K 6253によって規定されるものであり、一般にデュロメータによって測定することができる。
前述したように前フィードロール16aにグリップ手段を設けて前フィードロール16aの外周面で長尺樹脂フィルムFをグリップさせる場合は、前フィードロール16aの周速度とキャンロール14の周速度との関係を適度に調整することが好ましい。これにより、前フィードロール16aとキャンロール14との間を走行する長尺樹脂フィルムFに適切な張力を掛けることが可能となる。
具体的には、前フィードロール16aとキャンロール14との間を走行する長尺樹脂フィルムFに適度な張力が掛かるように、前フィードロール16aの周速度を、キャンロール14の周速度と同等かそれよりも僅かに遅くすることが望ましい。これにより、キャンロール14の外周面に長尺樹脂フィルムFをより確実に密着させることができる。
上記前フィードロール16aの外周面とキャンロール14の外周面との具体的な周速度差は、キャンロール14や前フィードロール16aの径やキャンロール14と前フィードロール16aの離間距離、長尺樹脂フィルムFの材質などにより適宜定められるが、一般的には前フィードロール16aの外周面の周速度をキャンロール14の外周面の周速度の99%〜100%で制御することが望ましい。
前フィードロール16aの外周面の周速度がキャンロール14の外周面の周速度の99%未満では、前フィードロール16aの外周面部をゴムで形成しても長尺樹脂フィルムFが前フィードロール16aの外周面でスリップする程度が大きくなり、長尺樹脂フィルムの表面に微小なキズをつけてしまう。一方、前フィードロール16aの周速度がキャンロール14の周速度の100%を越えると、長尺樹脂フィルムFに張力が掛からず緩んでしまう。前フィードロール16aの周速度を定めるときは、実際に長尺樹脂フィルムFを搬送し、表面に発生する微小なキズの発生の有無を確認しながら適宜調整すればよい。
上述したように、前フィードロール16aは、キャンロール14に送り込む長尺樹脂フィルムFをキャンロールに密着できるように張力を掛けて送り出す必要があるため、回転駆動手段を有する駆動ロールにする必要があるが、後フィードロール16bは回転駆動手段を有さないフリーロールであってもよい。これは、後フィードロール16bは、スパッタリング成膜処理を終えてキャンロール14から引き離される長尺樹脂フィルム(すなわち、金属薄膜付フィルムS)を導ければよいだけなので、その張力が金属薄膜付フィルムSの品質に及ぼす影響は、キャンロール14に送り込まれる長尺樹脂フィルムFの張力よりも小さいからである。
勿論、後フィードロール16bにサーボモータなどの回転駆動手段を備えて駆動ロールとしてもよい。この場合は、後フィードロール16bの周速度はキャンロール14の周速度に対して100%〜101%の範囲となるように調整するのが好ましい。すなわち、両フィードロール16a、16b及びキャンロール14で構成される3つの駆動ロールの周速度は、長尺樹脂フィルムFが搬送経路を下流に向かって進むにつれて徐々に速くなるように設定するのが好ましい。
後フィードロール16bをフリーロールにするのであれば、その外周面は硬質クロムめっきで処理された金属ロールにすることができる。一方、後フィードロール16bを駆動ロールにするのであれば、その外周面は硬質クロムめっきで処理された金属ロールでもよいし、前フィードロール16aと同じように、表面硬度50°〜90°のゴムからなるグリップ手段を備えたロールにしてもよい。
以上、グリップ手段の一具体的として、前フィードロール16aの外周面部に所定の硬度のゴムを設ける場合について説明したが、グリップ手段はかかる構成に限定されるものではない。グリップ手段の他の具体的としては、硬度50°〜90°のゴムで形成された外周面部を有し、前フィードロール16aとの間で長尺樹脂フィルムを挟み込むニップロールを挙げることができる。この場合は、前フィードロール16aの外周面の材料に硬質クロムめっきを使用することができる。図3には、グリップ手段として上記ニップロール21を用いたロールツーロール真空成膜装置20の概略の正面図が示されている。
このように、グリップ手段として外周面部に所定の硬度のゴムを備えたニップロール21を使用することによって、前フィードロール16aとの間で長尺樹脂フィルムFを挟み込むことが可能となるので、より確実に長尺樹脂フィルムFを前フィードロール16aにグリップさせることが可能となる。
尚、ニップロール21を使用する場合は、前フィードロール16aの外周面に巻き付けられる長尺樹脂フィルムFのグリップは、ニップロール21と前フィードロール16aとで挟まれた箇所だけで行われることになるので、より広い領域でグリップさせたい場合は、前述したように前フィードロール16aの外周面部に硬度50°〜90°のゴムを設けるのが好ましい。このとき、ニップロール21は設けてもよいし、設けなくてもよい。これにより、長尺樹脂フィルムFを前フィードロール16aの外周面に巻き付ける時、グリップ手段をニップロール21とする場合に比べてより確実にグリップすることができる。
以上、ロールツーロール方式の真空成膜装置を例に挙げて本発明の長尺樹脂フィルムの処理装置を説明してきたが、本発明はかかる真空成膜装置に限定されるものではない。例えば、成膜処理には上記スパッタリングに替えて、蒸着などを公知の真空成膜方法を用いることができる。また、これらスパッタリングや蒸着などの乾式めっき法による成膜処理のほか、熱負荷を与える処理としてプラズマ処理、イオンビーム処理などの表面処理を挙げることができ、これらの処理を施す処理装置においても、上記した長尺樹脂フィルムの真空成膜装置で説明した効果が同様に得られる。
(実施例1)
長尺樹脂フィルムFには、市販のポリイミドフィルム(ユーピレックス(登録商標)35SGA宇部興産製)で長さ1500m、幅50cmのものを用いた。この長尺樹脂フィルムFの処理装置には、図2に示すようなロールツーロール方式の真空成膜装置10を使用した。スパッタリングカソード15aにはニッケル−クロムからなる合金ターゲットを下地金属層用として配置し、スパッタリングカソード15b〜dには銅ターゲットを一次金属層用として配置した。また、前フィードロール16aには、外周面部が硬度80°のゴムで形成された駆動ロールを使用した。
そして、ポリイミドフィルムを3m/分で搬送させながらスパッタリング法により成膜を行って、厚み250Åの下地金属層と厚み1000Åの一次金属層とを成膜した。尚、ポリイミドフィルムの搬送の際、キャンロール14の周速度に対する前フィードロール16aの周速度は99.8%に設定した。得られた金属薄膜付長尺樹脂フィルムSの表面を20倍の実体顕微鏡でフィルムの長手方向の両末端及びセンター位置の3視野を観察したところ微小なキズが発生していなかった。図4には、上記3視野のうちのセンター位置の実体顕微鏡写真を示す。
(実施例2)
外周面部が硬度55°のゴムで形成された前フィードロール16aを用いた以外は実施例1と同様にして金属薄膜付長尺樹脂フィルムSを製造した。得られた金属薄膜付長尺樹脂フィルムSの表面を20倍の実体顕微鏡でフィルムの長手方向の両末端及びセンター位置の3視野を観察したところ微小なキズが発生していなかった。
(比較例)
比較のため、外周面が金属材料で構成される前フィードロール16aを使用した以外は実施例1と同様にして金属薄膜付長尺樹脂フィルムSを製造した。得られた金属薄膜付長尺樹脂フィルムSの表面を20倍の実体顕微鏡でフィルムの長手方向の両末端及びセンター位置の3視野を観察したところ、図5のように表面に微小なキズが多数発生していた。
10、20 ロールツーロール真空成膜装置
12 筐体
13 巻出しロール
14 キャンロール
15a〜d スパッタリングカソード
16a 前フィードロール
16b 後フィードロール
17a、17b テンションロール
18 巻取りロール
21 ニップロール
F 長尺樹脂フィルム
S 金属薄膜付長尺樹脂フィルム

Claims (7)

  1. 減圧雰囲気の下、ロールツーロールで搬送される長尺樹脂フィルムの一方の面を温度調節されたキャンロールの外周面に巻き付けながら他方の面に熱負荷のかかる処理を施す長尺樹脂フィルムの処理方法であって、
    表面硬度50°〜90°のゴムからなるグリップ手段によって長尺樹脂フィルムをグリップすることが可能な外周面を有し、且つ駆動手段により前記キャンロールの周速度の99〜100%の周速度で回転する前フィードロールを介して長尺樹脂フィルムを前記キャンロールに送り込むことを特徴とする長尺樹脂フィルムの処理方法。
  2. 表面硬度50°〜90°のゴムからなるグリップ手段によって長尺樹脂フィルムをグリップすることが可能な外周面を有し、且つ駆動手段により前記キャンロールの周速度の100〜101%の周速度で回転する後フィードロールで前記キャンロールから送り出される長尺樹脂フィルムを搬送することを特徴とする、請求項1に記載の長尺樹脂フィルムの処理方法。
  3. 前記グリップ手段が、前記駆動ロールの外周面部を形成する前記ゴムであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の長尺樹脂フィルムの処理方法。
  4. 前記グリップ手段が、前記ゴムで形成された外周面部を有し、前記駆動ロールとの間で長尺樹脂フィルムを挟み込むニップロールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の長尺樹脂フィルムの処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱負荷のかかる処理が乾式めっき処理であることを特徴とする長尺樹脂フィルムの成膜方法。
  6. 前記乾式めっき処理が、スパッタリングカソードによるめっき処理であることを特徴とする、請求項5に記載の長尺樹脂フィルムの成膜方法。
  7. 請求項6に記載の成膜方法で、長尺樹脂フィルムの表面に接着剤を介さずに金属薄膜を成膜することを特徴とする金属化樹脂フィルムの製造方法。
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