JP2013142034A - 巻取装置、積層体製造装置および積層体製造方法 - Google Patents

巻取装置、積層体製造装置および積層体製造方法 Download PDF

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田 正 実 沢
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上 正 徳 河
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Abstract

【課題】ブロッキング現象が生じることを抑制することができる巻取装置を提供する。
【解決手段】巻取装置40は、積層体18が巻き付けられるコア41と、コア41の近傍に配置され、コア41に巻き付けられる前の積層体18に部分的に接触しながら回転するタッチローラー44と、を備えている。積層体18は、基材フィルム11と、積層体18の最外面を構成するよう基材フィルム11の両側にそれぞれ設けられ、遮光性および導電性を有する遮光導電層15と、を含んでいる。タッチローラー44は、タッチローラー44に接触している積層体18が、コア41に巻き付けられている積層体18にも同時に接触するよう配置されている。またタッチローラー44の近傍には、タッチローラー44の表面を冷却するロール冷却手段46が設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、積層体を巻き取る巻取装置に関する。また本発明は、真空成膜によって基材フィルム上に遮光導電層を設けることにより積層体を形成する積層体製造装置および積層体製造方法に関する。
近年、タッチパネル装置、有機EL表示装置、液晶表示装置や電子ペーパーなど、様々な薄型の電子デバイスが実用化されている。薄型の電子デバイスは、一般に、ガラスやフィルムなどの基材上に光学素子や導電パターンなどを設けることによって作製される。
薄型の電子デバイスを作製する具体的な方法の1つとして、はじめに、基材と、基材上に設けられ、電子デバイスの機能を実現するための様々な材料からなる複数の層と、を有する積層体を用いる方法が知られている。この場合、エッチングなどによって積層体の各層を所望のパターンにパターニングすることにより、電子デバイスが作製される。例えば特許文献1においては、はじめに、透明な基材フィルムと、基材フィルムの一方の側に設けられた透明導電層および金属層と、基材フィルムの他方の側に設けられた透明導電層および金属層と、を有する積層体が準備される。次に、所定のエッチング液を用いて各透明導電層および金属層を部分的にエッチングする。これによって、所定のパターンで基材フィルム上に形成され、透明導電材料からなる透明導電パターンと、透明導電パターンに接続され、金属材料からなる遮光導電パターンと、を備えたタッチパネルセンサが作製される。
特開2010−238052号公報
電子デバイスの取り扱いや製造工程の容易さを実現するため、基材として、可撓性を有する合成樹脂を含むフィルムが用いられることがある。可撓性を有するフィルムをベースとして製造される積層体は、一般に、ロール状に巻き取られた巻回体として製造され保管される。ところで、積層体の両側に設けられる各層のうち最も外側に位置する層が金属層となっている場合、巻回体において互いに隣接する積層体の金属層同士が癒着してしまう(貼りついてしまう)こと、いわゆるブロッキング現象が生じることが知られている。ブロッキング現象が生じると、積層体の展開性が悪くなり、作業性が低下するという問題や、積層体の金属層に、癒着していた個所の跡が残るという問題などが起こる。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る巻取装置であって、ブロッキング現象が生じることを抑制することができる巻取装置を提供することを目的とする。
本発明は、積層体を巻き取る巻取装置において、積層体が巻き付けられるコアと、前記コアの近傍に配置され、前記コアに巻き付けられる前の積層体に部分的に接触しながら回転するタッチローラーと、を備え、積層体は、基材フィルムと、積層体の最外面を構成するよう前記基材フィルムの両側にそれぞれ設けられ、遮光性および導電性を有する遮光導電層と、を含み、前記タッチローラーは、前記タッチローラーに接触している積層体が、前記コアに巻き付けられている積層体にも同時に接触するよう配置されており、前記タッチローラーの内部または近傍に、前記タッチローラーの表面を冷却するロール冷却手段が設けられていることを特徴とする巻取装置である。
本発明による巻取装置は、前記コアに巻き付けられる前の積層体と、前記コアに巻き付けられている積層体との間に粘着性シートを挿入するシート挿入機構をさらに備えていてもよい。
本発明による巻取装置において、前記シート挿入機構によって挿入される前記粘着性シートは、基材シートと、粘着性シートの最外面を構成するよう前記基材シートの両側にそれぞれ設けられ、粘着性を有する粘着層と、を含んでいてもよい。
本発明による巻取装置において、前記ロール冷却手段は、前記タッチローラーの表面の温度が20〜50度の範囲内となるよう構成されていてもよい。
本発明は、積層体を製造する積層体製造装置において、前記積層体は、基材フィルムと、積層体の最外面を構成するよう前記基材フィルムの両側にそれぞれ設けられ、遮光性および導電性を有する遮光導電層と、を含み、前記積層体製造装置は、真空成膜処理によって前記基材フィルム上に前記遮光導電層を設け、これによって積層体を形成する成膜装置と、積層体を巻き取る巻取装置と、を備え、前記巻取装置は、積層体が巻き付けられるコアと、前記コアの近傍に配置され、前記コアに巻き付けられる前の積層体に部分的に接触しながら回転するタッチローラーと、を有し、前記タッチローラーは、前記タッチローラーに接触している積層体が、前記コアに巻き付けられている積層体にも同時に接触するよう配置されており、前記タッチローラーの内部または近傍に、前記タッチローラーの表面を冷却するロール冷却手段が設けられていることを特徴とする積層体製造装置である。
本発明は、積層体を製造する積層体製造方法において、前記積層体は、基材フィルムと、積層体の最外面を構成するよう前記基材フィルムの両側にそれぞれ設けられ、遮光性および導電性を有する遮光導電層と、を含み、前記積層体製造方法は、真空成膜処理によって前記基材フィルム上に前記遮光導電層を設け、これによって積層体を形成する成膜工程と、積層体をコアに巻き付ける巻取工程と、を備え、前記コアの近傍に、前記コアに巻き付けられる前の積層体に部分的に接触しながら回転するタッチローラーが設けられており、前記タッチローラーは、前記タッチローラーに接触している積層体が、前記コアに巻き付けられている積層体にも同時に接触するよう配置されており、前記タッチローラーの内部または近傍に、前記タッチローラーの表面を冷却するロール冷却手段が設けられていることを特徴とする積層体製造方法である。
本発明による積層体製造方法は、前記コアに巻き付けられる前の積層体と前記コアに巻き付けられている積層体との間に粘着性シートを挿入する粘着性シート挿入工程をさらに備えていてもよい。
本発明によれば、コアの近傍に配置され、前記コアに巻き付けられる前の積層体に部分的に接触しながら回転するタッチローラーを設けることにより、ブロッキング現象が生じることを抑制することができる。
図1は、本発明の実施の形態における積層体製造装置を示す図。 図2は、図1に示す積層体製造装置の巻出装置を示す図。 図3は、図1に示す積層体製造装置の成膜装置を示す図。 図4は、図1に示す積層体製造装置の巻取装置を示す図。 図5は、図4に示す巻取装置のシワ取り機構のタッチローラーを示す断面図。 図6は、積層体製造装置により製造された積層体を示す断面図。 図7は、比較の形態における巻取装置を示す図。 図8は、コアに積層体が巻き取られる様子を示す図。 図9(a)(b)は、比較の形態において、積層体にシワが形成される様子を示す図。 図10は、本実施の形態の変形例における巻取装置を示す図。 図11は、図10に示すシート挿入機構の粘着性シートの一例を示す断面図。 図12は、成膜装置の一変形例を示す図。 図13は、積層体の一変形例を示す断面図。 図14は、積層体の一変形例を示す断面図。 図15は、積層体の一変形例を示す断面図。
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の実施の形態について説明する。まず図1により、本実施の形態における積層体18について説明する。
積層体
図6に示すように、積層体18は、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方の側の面上および他方の側の面上に設けられた透明導電層14と、透明導電層14上に設けられた遮光導電層15と、を備えている。積層体18は、後述するように、連続したシート状の形態で作製され、そして後述する巻取装置によって巻き取られて巻回体になる。以下、積層体18を構成する各層について説明する。
(基材フィルム)
はじめに基材フィルム11について説明する。基材フィルム11は、積層体18を製造する際のベースとなるものであり、図6に示すように合成樹脂層12を有している。合成樹脂層12の材料としては、透明性および可撓性を有する材料が用いられ、例えば合成樹脂(プラスチック)が用いられる。合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン・コポリマー(COC)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、トリアセチルセルロース(TAC)または(ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの可撓性及び透明性を有する樹脂が用いられる。合成樹脂層12の厚みは、例えば25〜200μmの範囲内となっている。
基材フィルム11は、合成樹脂層12の一方の側の面上および他方の側の面上に設けられたハードコート層13をさらに有していてもよい。ハードコート層13を設けることにより、擦り傷などに対する基材フィルム11の耐擦傷性を高めることができる。ハードコート層13を構成する材料としては、例えばアクリル樹脂が用いられる。
(透明導電層)
透明導電層14は、透光性および導電性を有するよう構成された層である。透明導電層14を構成する材料としては、導電性を有しながら透光性を示す透明導電性材料が用いられ、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物が用いられる。透明導電層14の厚みは、例えば18〜50nmの範囲内となっている。
(遮光導電層)
遮光導電層15は、遮光性および導電性を有するよう構成された層である。遮光導電層15を構成する材料としては、透明導電層14を構成する透明導電性材料よりも高い導電性を有する材料が用いられ、例えば、銀、銅若しくはアルミニウム、またはこれらの合金の少なくとも1種類からなる金属材料が用いられる。このうち銀合金は、従来の一般的なタッチパネルセンサにおいて導電パターンの材料として用いられているモリブデン合金などよりも比抵抗が小さく、このため遮光導電層15の材料として好ましい。このような銀合金の一例として、銀、パラジウム、銅を含んでなるAPC合金を挙げることができる。遮光導電層15の厚みは、例えば100〜400nmの範囲内となっている。
図6に示すように、積層体18の最外面は、遮光導電層15によって構成されている。この場合、上述の課題において説明したように、積層体18がロール状に巻き取られて巻回体が形成される際、巻回体において互いに隣接する積層体18の遮光導電層15同士が癒着してしまう(貼りついてしまう)こと、いわゆるブロッキング現象が生じる可能性がある。以下、このようなブロッキング現象が生じることを抑制するよう構成された、本実施の形態による積層体製造装置10について、図1乃至図5を参照して説明する。
積層体製造装置
図1に示すように、積層体製造装置10は、基材フィルム11を巻き出す巻出装置20と、真空成膜処理によって基材フィルム11上に所望の膜(層)を設ける成膜装置30と、成膜処理が実施された後の基材フィルム11を巻き取る巻取装置40と、を備えている。以下、各装置20,30,40について、図2乃至図5を参照してそれぞれ説明する。
(巻出装置)
図2は、巻出装置20を示す図である。図2に示すように、巻出装置20は、回転自在に設けられ、基材フィルム11が巻き付けられたコア21と、コア21から巻き出された基材フィルム11を成膜装置30に向けて案内するガイドローラー29と、基材フィルム11に沿って設けられ、基材フィルム11を加熱する加熱機構22と、を備えている。巻出装置20においては、コア21から巻き出された基材フィルム11を加熱機構22によって加熱することにより、基材フィルム11に付着している水分や油分などの不純物を蒸発または昇華させ、これによって不純物を基材フィルム11から取り除くことができる。すなわち、いわゆる脱ガス処理を実施することができる。
脱ガス処理の際の加熱温度は、基材フィルム11を構成する材料の特性が大きく変化しないような温度である限り特に限定されないが、例えば50〜180℃の範囲内となっている。脱ガス処理を実施するための加熱機構22の具体的な構成は特に限定されないが、例えば図2に示すように、搬送されている基材フィルム11に沿って基材フィルム11の両側に設けられた一対のヒーター23によって加熱機構22が構成されている。
図2に示すように、巻出装置20は、巻出装置20内の気体を外部に排出する排気手段24をさらに備えている。これによって、基材フィルム11から発生した気体を迅速に外部に排出することができ、このことにより、脱ガス処理を効率良く実施することができる。また図2に示すように、成膜装置30の内部雰囲気を巻出装置20の内部雰囲気に対して遮蔽するためのロードロックバルブ25が設けられていてもよい。これによって、基材フィルム11の巻回体を巻出装置20内に搬入するために巻出装置20を大気に対して開放する際に、成膜装置30内の真空度を維持することができる。
(成膜装置)
次に成膜装置30について説明する。成膜装置30による成膜方法としては、真空蒸着、スパッタリング、CVDやイオンプレーティングなど様々な方法が採用され得るが、ここでは、成膜方法としてスパッタリングが用いられる例について図3を参照して説明する。
図3に示すように、成膜装置30は、成膜処理が実施される成膜室36と、基材フィルム11が巻き付けられて搬送される搬送ドラム38と、基材フィルム11を案内するガイドローラー39と、成膜室36の内部の気体を外部に排出する真空排気機構37と、搬送されている基材フィルム11に対向するよう設けられ、基材フィルム11上に設けられる層の原料となるターゲットと、を備えている。図3に示す例においては、ターゲットとして、透明導電層14の原料となるITOからなる第1ターゲット31a、および、遮光導電膜15の原料となる銀合金からなる第2ターゲット32aが設けられている。
なお図示はしないが、成膜装置30において、各ターゲット31a,32aが配置された領域がそれぞれ、隔壁などによって互いに隔離されていてもよい。この場合、各領域の雰囲気を独立に調整するため、領域ごとに真空排気機構やガス供給機構が設けられていてもよい。ガス供給機構によって各領域に供給されるガスとしては、例えば、基材フィルム11上に設けられる層の材料となり得る酸素ガスまたは水蒸気などの反応性ガスまたはアシストガスや、窒素やアルゴンなどの不活性ガスが用いられる。このようにターゲットの周囲の雰囲気(真空度など)を個別に調整することによって、ターゲットごとに最適化された条件の下でスパッタリングを実施することができる。
また成膜装置30の搬送ドラム38は、各層の成膜処理に適した温度に基材フィルム11の温度を加熱または冷却するよう構成されていてもよい。例えば搬送ドラム38は、基材フィルム11を−20〜180℃に加熱または冷却するための温度調整手段(図示せず)を含んでいてもよい。なお、成膜装置30における成膜処理が低温、例えば室温以下の温度で実施される場合、成膜処理によって得られた各層の結晶化を進行させるため、各層を加熱するアニール処理が成膜処理の後に実施されてもよい。
(巻取装置)
次に図4を参照して、巻取装置40について説明する。巻取装置40は、回転自在に設けられ、成膜装置30によって形成された積層体18を巻き取るコア41と、コア41に向けて搬送される積層体18を案内するガイドローラー49と、コア41の近傍に配置されたシワ取り機構43と、を有している。また図4に示すように、巻取装置40の内部を真空状態に保つための排気手段42が設けられていてもよい。また図4に示すように、成膜室36の内部雰囲気を巻取装置40の内部雰囲気に対して遮蔽するためのロードロックバルブ60が設けられていてもよい。これによって、積層体18の巻回体を巻取装置40から搬出するために巻取装置40を大気に対して開放する際に、成膜室36内の真空度を維持することができる。なおここでは積層体18が巻取装置40によって巻き取られる例を説明するが、後述するように、積層体18になる前の中間生成物、例えば一方の側にのみ所望の層が設けられた基材フィルム11が巻取装置40によって巻き取られることもある。
シワ取り機構43は、コア41に巻き付けられる直前の積層体18にシワが生じている場合に、シワを除去するよう構成されている。具体的には、シワ取り機構43は、コア41の近傍に配置され、コア41に巻き付けられる前の積層体18に部分的に接触しながら回転するタッチローラー44を含んでいる。このタッチローラー44は、タッチローラー44に接触している積層体18が、少なくとも部分的に、コア41に巻き付けられている積層体18にも同時に接触するよう配置されている。例えばタッチローラー44は、コア41に既に巻き取られている積層体18の最外面と、タッチローラー44のうちコア41に対向する面との間の距離dが、積層体18の厚みよりも小さくなるよう配置されている。このようにタッチローラー44を配置することにより、タッチローラー44によってそのシワが除去された積層体18に再びシワが生じるよりも前に、当該積層体18をコア41に巻き付けて固定することができる。
なお、コア41に巻き取られている積層体18の最外面の位置は、積層体18の巻き数が増えるにつれて変化する。この変化に対応するよう、シワ取り機構43は例えば、コア41の中心とタッチローラー44の中心とを結ぶ直線にほぼ平行な方向に沿って、例えば図4において矢印Tで示す方向に沿ってタッチローラー44を移動させる駆動機構45をさらに有している。これによって、はじめにタッチローラー44によって積層体18のシワを除去し、次に、当該積層体18に再びシワが生じるよりも前に当該積層体18をコア41に巻き付けて固定する、という工程を、常に安定に実施することができる。
タッチローラー44を回転させるための具体的な構成が特に限られることはなく、様々な構成が採用され得る。例えば、タッチローラー44を回転させるための駆動機構(図示せず)が設けられていてもよい。例えば、後述するようにタッチローラー44の内部に冷媒46bを循環させる冷媒循環路46aが形成されている場合、タッチローラー44の重量が大きくなるので、タッチローラー44を回転させるための駆動機構が必要になることがある。また、積層体18との間の摩擦力によってタッチローラー44が回転可能である場合、駆動機構を用いることなくタッチローラー44を回転させることも可能である。
ところで一般に、真空蒸着やスパッタリングなどの真空成膜方法によって形成される積層体においては、積層体の各層を構成する材料の結晶状態を制御するため、成膜処理の際、若しくはその後に行われるアニール処理の際、積層体18が加熱される。しかしながら、積層体18が高温となっている状態で積層体が巻き取られる場合、ブロッキング現象が生じやすくなってしまう可能性がある。特に、積層体18が長尺の者の場合、積層体18から伝達された熱が巻取装置40のガイドローラー49に累積するため、ガイドローラー49の温度が積層体18の温度と同程度まで高められる。この場合、巻回体19のうち外側に位置する積層体18ほどブロッキング現象が生じやすくなると考えられる。
ここで本実施の形態によれば、積層体18が高温状態で巻き取られることに起因するブロッキング現象を生じにくくするため、巻取装置40のシワ取り機構43は、タッチローラー44の内部または近傍に設けられ、タッチローラー44の表面を冷却するロール冷却手段46をさらに有している。以下、図5を参照して、シワ取り機構43のロール冷却手段46の一例について説明する。図5は、タッチローラー44の断面を示す図である。
図5に示す例において、タッチローラー44は、表面部分44aと中空部分44bとを含んでいる。この場合、ロール冷却手段46は、表面部分44aに隣接して設けられ、冷媒46bを循環させる冷媒循環路46aと、冷媒46bを所望の温度まで冷却する冷媒冷却手段(図示せず)と、を含んでいる。このようなロール冷却手段46をタッチローラー44の内部に組み込むことにより、タッチローラー44の表面部分44aの温度を所望の温度まで冷却することができる。例えば、タッチローラー44の表面部分44aの温度を20〜50度の範囲内とすることができる。なおタッチローラー44の表面部分44aを構成する材料としては、高い熱伝導性とともに所望の硬度を有する材料が用いられ、例えば金属材料が用いられる。また、ロール冷却手段46の具体的な構成が図5に示す形態に限られることはなく、様々な構成が考えられ得る。例えばロール冷却手段46は、タッチローラー44の表面部分44aを外部から冷却するよう構成されていてもよい。また図示はしないが、タッチローラー44の表面の温度を測定するためのモニタ手段が設けられていてもよい。この場合、フィードバック制御を用いてタッチローラー44の表面の温度を精密に制御することができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。ここでは、基材フィルム11上に所望の層を設けることによって積層体18を形成する積層体製造方法について説明する。
(第1巻出工程)
はじめに図2に示すように、巻出装置20において、基材フィルム11が巻回されたコア21を準備し、次に、成膜装置30に向けて基材フィルム11を巻き出す。このとき、ヒーター23を含む加熱機構22によって基材フィルム11を80〜120℃で加熱するとともに、排気手段24によって巻出装置20内の気体を外部に排出する。これによって、基材フィルム11に付着している水分や油分などの不純物が取り除かれる。
(第1成膜工程)
次に、成膜装置30によって、基材フィルム11の一方の側に所望の層を設ける第1成膜工程を実施する。はじめに、基材フィルム11が搬送ドラム38に巻き付けられる。次に、各ターゲット31a,32aを構成する物質をスパッタリングによって基材フィルム11の一方の側に付着させる。これによって、基材フィルム11の一方の側の面上に、透明導電層14および遮光導電層15が順に設けられる。この際、搬送ドラム38は、各層の成膜に適した温度に基材フィルム11を加熱または冷却するよう構成されていてもよい。また、成膜装置30による第1成膜工程の後、基材フィルム11上に設けられた各層を加熱して結晶化を進行させるアニール処理が実施されてもよい。
(第1巻取工程)
その後、巻取装置40において、その一方の側に透明導電層14および遮光導電層15が設けられた基材フィルム11が、コア41によって巻き取られる。
(第2巻出工程)
その後、その一方の側に透明導電層14および遮光導電層15が設けられた基材フィルム11を巻出装置20内に再び搬入し、次に、成膜装置30に向けて基材フィルム11を巻き出す。この際、基材フィルム11の他方の側、すなわち層がまだ設けられていない側が外方に向いた状態で基材フィルム11が搬送ドラム38に巻き付けられるよう、基材フィルム11を成膜装置30に向けて巻き出す。
(第2成膜工程)
次に、成膜装置30によって、基材フィルム11の他方の側に所望の層を設ける第2成膜工程を実施する。第2成膜工程においては、はじめに、基材フィルム11が搬送ドラム38に巻き付けられる。次に、各ターゲット31a,32aを構成する原子をスパッタリングによって基材フィルム11の他方の側に付着させる。これによって、基材フィルム11の他方の側の面上に、透明導電層14および遮光導電層15が順に設けられる。具体的な方法は、上述の第1成膜工程の場合と同様であるので、詳細な説明を省略する。
(第2巻取工程)
その後、巻取装置40において、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方の側に設けられた透明導電層14および遮光導電層15と、基材フィルム11の他方の側に設けられた透明導電層14および遮光導電層15と、を備えた積層体18が、コア41によってロール状に巻き取られる。これによって、積層体18の巻回体19が作製される。
ここで本実施の形態によれば、巻取装置40のコア41近傍には、コア41に巻き付けられる直前の積層体18にシワが生じている場合に、シワを除去するよう構成されたシワ取り機構43が設けられている。シワ取り機構43は、コア41の近傍に配置されたタッチローラー44であって、タッチローラー44に接触している積層体18がコア41に既に巻き付けられている積層体18にも同時に接触するよう配置されたタッチローラー44を有している。このため、シワが存在していない状態の積層体18をコア41に巻き付けることができる。
また本実施の形態によれば、シワ取り機構43は、タッチローラー44の表面を冷却するロール冷却手段46を有している。このため、成膜処理またはアニール処理によって積層体18の温度が高くなっている場合であっても、積層体18がコア41に巻き付けられる前に積層体18の温度を十分に低くすることができる。これによって、コア41に巻き付けられた後の積層体18が伸びなどによって変位することを抑制することができる。このため、仮にコア41に巻き付けられる積層体18に突起部などのシワが残っている場合であっても、隣接する積層体18の突起部同士が積層体18の変位に起因して接触してしまうことを防ぐことができる。これによって、ブロッキング現象が生じることをさらに抑制することができる。また、積層体18の変位に起因して積層体18が損傷されてしまうことや積層体18が変形してしまうことを防ぐこともできる。
また本実施の形態によれば、コア41に巻き付けられる前の積層体18をロール冷却手段46によって冷却することにより、隣接する積層体18間の癒着性(密着性)を低くすることができる。このことにより、隣接する積層体18間の密着性に起因するブロッキング現象が生じることを抑制することができる。
比較の形態
次に、本実施の形態の効果を、比較の形態と比較して説明する。図7は、比較の形態における巻取装置70を示す図である。図7に示す比較の形態による巻取装置70は、シワ取り機構43が設けられていない点が異なるのみであり、その他の点は図4に示す本実施の形態による巻取装置40と略同一である。
以下、図8および図9(a)(b)(c)を参照して、比較の形態による巻取装置70によって積層体18が巻き取られる様子について説明する。図8は、コア41に積層体18が巻き取られる様子を示す図である。なお図8において、本実施の形態による巻取装置40において設けられるタッチローラー44が参考のため点線で示されている。
図9(a)および(b)は、比較の形態において、巻取装置70によって巻き取られる前の積層体18を、図8に示すIXa−IXaおよびIXb−IXb方向から見た場合を示す断面図である。このうち図9(a)は、積層体18がガイドローラー49に接している際の積層体18の断面を示す図であり、図9(b)は、積層体18がガイドローラー49から離れている際の積層体18の断面を示す図である。
比較の形態による巻取装置70において、図9(a)に示すように、ガイドローラー49に接している際の積層体18においては、ガイドローラー49によって積層体18が支持されているため、積層体18のシワが除去されていると考えられる。一方、積層体18がガイドローラー49から離れると、積層体18を直接的に支持するものが存在しないため、図9(b)に示すように、積層体18に再びシワが生じてしまうと考えられる。そして比較の形態においては、シワが生じている状態の積層体18がコア41に巻き付けられる。このため、コア41に巻き付けられた後の積層体18が伸びなどに起因して変位する場合に、積層体18が損傷してしまうことや積層体18が変形してしまうことが考えられる。
これに対して本実施の形態によれば、上述のように、コア41に巻き付けられる直前に積層体18のシワを除去するシワ取り機構43が設けられている。このため、巻回体19に巻き付けられた後の積層体18に突出部18aなどのシワが残ることを抑制することができる。またシワ取り機構43は、タッチローラー44の表面を冷却するロール冷却手段46を有している。このため、成膜処理またはアニール処理によって積層体18の温度が高くなっている場合であっても、積層体18がコア41に巻き付けられる前に積層体18の温度を十分に低くすることができる。これによって、コア41に巻き付けられた後の積層体18が伸びなどによって変位することを抑制することができる。このことにより、仮に、コア41に巻き付けられる積層体18に突出部18aなどのシワが残っている場合であっても、積層体18の変位に起因して隣接する積層体18の突起部18a同士が接触してしまうことを防ぐことができる。これらのことにより、隣接する積層体18同士が貼りついてしまうことを防ぐことができる。また、コア41に巻き付けられた後の積層体18が伸びなどによって変位することを抑制することにより、積層体18の損傷や変形を防ぐこともできる。
変形例
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
(巻取装置の変形例)
図10に示すように、巻取装置40は、コア41に巻き付けられる前の積層体18と、コア41に巻き付けられている積層体18との間に、粘着性を有する粘着性シート50を挿入するシート挿入機構47をさらに有していてもよい。シート挿入機構47は、図10に示すように、粘着性シート50を巻き出すコア47aを含んでいる。このようなシート挿入機構47を設け、そして積層体18に粘着性シート50を挿入すること(粘着性シート挿入工程)により、隣接する積層体18間に粘着性シート50が挿入された巻回体19を得ることができる。このため、巻回体19において、一の積層体18の最外面を構成する遮光導電層15が、他の積層体18の最外面を構成する遮光導電層15に接触することがない。このことにより、ブロッキング現象が生じることを確実に防ぐことができる。なお粘着性シート50は、巻回体19から積層体18を巻き出す際、積層体18から剥離される。
ところで一般に、真空成膜処理においては、処理中に多くの異物が発生し、これら異物が積層体18上に付着することが考えられる。しかしながら、真空雰囲気下においては、積層体18上に付着した異物を取り除くためにごみ取りロールなどの異物除去手段を用いることが容易ではない。ここで本変形例によれば、積層体18の巻回体19を形成する際、上述のように、隣接する積層体18間に粘着性シート50が挿入される。このため、巻回体19から積層体18を巻き出す際、積層体18上に付着していた異物を粘着性シート50側に付着させることができ、これによって、積層体18上の異物を取り除くことができる。
また本変形例によれば、粘着性を有する粘着性シート50が積層体18間に挿入されるため、コア41に巻き付けられた後の積層体18が隣接する積層体18に対して変位することを防ぐことができる。このため、積層体18の変位に起因して積層体18が損傷されてしまうことや積層体18が変形してしまうことを防ぐことができる。
シート挿入機構47によって積層体18間に挿入される粘着性シート50の具体的な構成は、粘着性シート50が適切な粘着性を有する限りにおいて特に限定されない。例えば図11に示すように、粘着性シート50は、基材シート51と、基材シート51の一方の側の面上および他方の側の面上に設けられた粘着層52と、を含んでいる。基材シート51としては、例えばPETやポリエチレンなどが用いられる。基材シート51の厚みは、積層体18の厚みや層構成に応じて適宜設定されるが、例えば数十μm程度となっている。また粘着層52は、好ましくは、巻回体19から積層体18を巻き出す際に積層体18から容易に剥離される程度の粘着性を有する材料から構成されている。ここで「容易に剥離される」とは、例えば、積層体18から粘着性シート50が剥離される際に積層体18に生じる力によって積層体18が傷ついたり歪んだりすることがない、ということを意味している。粘着層52における粘着力の具体的な値は、積層体18に応じて適宜設定されるが、例えば、粘着層52における180°引きはがし粘着力は0.2〜10N/20mmの範囲内となっている。
なお図11に示す例においては、基材シート51の両側に粘着層52が設けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、基材シート51の一方の側にのみ粘着層52が設けられていてもよい。この場合であっても、一の積層体18の最外面を構成する遮光導電層15が、他の積層体18の最外面を構成する遮光導電層15に接触することはない。このことにより、ブロッキング現象が生じることを確実に防ぐことができる。
好ましくは、図10に示すように、シート挿入機構47は、粘着性シート50を巻き出すコア47a近傍に配置され、シート挿入機構47の温度を調整するシート温度調整機構48をさらに有している。このシート温度調整機構48は、粘着性シート50の温度が、コア41に巻き付けられる前の積層体18の温度と略同一になるよう、粘着性シート50を加熱または冷却する。これによって、粘着性シート50と積層体18との間の温度の差を小さくすることができる。この結果、粘着性シート50が貼り付けられることによって積層体18の温度が変動することを防ぐことができ、このことにより、温度変動に起因する積層体18の伸長や収縮が発生することを防ぐことができる。これによって、積層体18にシワが生じることや、積層体18の変位に起因して積層体18が傷つくことを防ぐことができる。なお、粘着性シート50の温度を調整するための具体的な方法が特に限られることはない。
(積層体製造装置の変形例)
また上述の本実施の形態において、はじめに、積層体製造装置10において基材フィルム11を一方向に流すことによって、基材フィルム11の一方の側に複数の層が設けられ、次に、当該基材フィルム11を再び積層体製造装置10において一方向に流すことによって、基材フィルム11の他方の側に複数の層が設けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図12に示すように、ロール・トゥ・ロールで基材フィルム11を往復させる間に基材フィルム11の一方の側および他方の側のそれぞれに複数の層を設けることができる成膜装置30Aを用いて積層体を製造してもよい。
図12に示す成膜装置30Aにおいては、第1回転方向Rの上流側から順に、透明導電性材料からなる第1ターゲット31aと、金属材料からなる第2ターゲット32aと、透明導電性材料からなる第3ターゲット31a’と、が配置されている。図12に示す成膜装置30Aを用いた積層体製造方法においては、はじめに、図12の左から右へ基材フィルム11を搬送する間に第1成膜工程を実施する。まず、第1回転方向Rに回転している搬送ドラム38に基材フィルム11が巻き付けられる。次に、各ターゲット31a,32aを構成する原子を、スパッタリングによって基材フィルム11の一方の側に付着させる。これによって、基材フィルム11の一方の側の面上に、透明導電層14および遮光導電層15が順に設けられる。その後、基材フィルム11の表裏を反転させた上で、図12の右から左へ基材フィルム11を搬送する間に第2成膜工程を実施する。まず、第2回転方向Rに回転している搬送ドラム38に基材フィルム11が巻き付けられる。次に、各ターゲット31a’,32aを構成する原子を、スパッタリングによって基材フィルム11の他方の側に付着させる。これによって、基材フィルム11の他方の側の面上に、透明導電層14および遮光導電層15が順に設けられる。このようにして、本実施の形態による積層体18を製造することができる。
なお図12に示す成膜装置30Aが用いられる場合、作製された積層体18は、図12に示す成膜装置30Aの左側へ搬送される。この場合、積層体18を巻き取る巻取装置40は、成膜装置30Aの左側に配置されている。
(積層体の変形例)
また本実施の形態において、積層体18は、その最外面が遮光導電層15によって構成される限りにおいて、様々な層を含むことができる。例えば図13に示すように、積層体18は、基材フィルム11と透明導電層14との間に設けられたインデックスマッチング層16をさらに含んでいてもよい。インデックスマッチング層16は、例えば図13に示すように、透明導電層14よりも高い屈折率を有する高屈折率層16aと、透明導電層14よりも低い屈折率を有する低屈折率層16bと、を少なくとも1組含んでいる。このようなインデックスマッチング層16を設けることにより、積層体18における光の透過率および反射率を適切に調整することが可能となる。例えば、積層体18を用いてタッチパネルセンサ(図示せず)などの導電パターン基板を作製した場合に、透明導電層14からなるパターンが設けられている領域と、透明導電層14からなるパターンが設けられていない領域との間における光の透過率および反射率の差が小さくなるよう、インデックスマッチング層16を適宜設定することができる。
高屈折率層16aを構成する材料としては、透明導電層14を構成する材料よりも高い屈折率を有する材料であれば特に限定はされないが、例えば酸化ニオブが用いられる。低屈折率層16bを構成する材料としては、透明導電層14を構成する材料よりも低い屈折率を有する材料であれば特に限定はされないが、例えば酸化珪素が用いられる。高屈折率層16aおよび低屈折率層16bの厚みは、所望の透過率や反射率が達成されるよう、用いられる材料に応じて適宜設定される。
また図14に示すように、積層体18は、透明導電層14と遮光導電層15との間に設けられた中間層17をさらに含んでいてもよい。ここで中間層17は、透明導電層14に比べて、遮光導電層15に対するより大きな密着力を有するよう構成された層である。このような中間層17を透明導電層14と遮光導電層15との間に介在させることにより、透明導電層14に対して遮光導電層15を確実に固定することができる。
中間層17を構成する材料は、透明導電層14および遮光導電層15に対する密着力が良好な材料であれば特に限定されないが、例えばモリブデン(Mo)合金などの金属が用いられる。Mo合金としては、例えばMoとニオブ(Nb)の合金であるMoNbを挙げることができる。
また本実施の形態において、基材フィルム11と遮光導電層15の間に透明導電層14が設けられる例を示したが、これに限られることはない。例えば図15に示すように、積層体18は、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方の側の面上および他方の側の面上に設けられた遮光導電層15と、を含むものであってもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 積層体製造装置
11 基材フィルム
15 遮光導電層
18 積層体
20 巻出装置
30 成膜装置
40 巻取装置
41 コア
43 シワ取り機構
44 タッチローラー
46 ロール冷却手段
47 シート挿入機構
50 粘着性シート

Claims (7)

  1. 積層体を巻き取る巻取装置において、
    積層体が巻き付けられるコアと、
    前記コアの近傍に配置され、前記コアに巻き付けられる前の積層体に部分的に接触しながら回転するタッチローラーと、を備え、
    積層体は、基材フィルムと、積層体の最外面を構成するよう前記基材フィルムの両側にそれぞれ設けられ、遮光性および導電性を有する遮光導電層と、を含み、
    前記タッチローラーは、前記タッチローラーに接触している積層体が、前記コアに巻き付けられている積層体にも同時に接触するよう配置されており、前記タッチローラーの内部または近傍に、前記タッチローラーの表面を冷却するロール冷却手段が設けられていることを特徴とする巻取装置。
  2. 前記コアに巻き付けられる前の積層体と前記コアに巻き付けられている積層体との間に粘着性シートを挿入するシート挿入機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の巻取装置。
  3. 前記シート挿入機構によって挿入される前記粘着性シートは、基材シートと、粘着性シートの最外面を構成するよう前記基材シートの両側にそれぞれ設けられ、粘着性を有する粘着層と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の巻取装置。
  4. 前記ロール冷却手段は、前記タッチローラーの表面の温度が20〜50度の範囲内となるよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の巻取装置。
  5. 積層体を製造する積層体製造装置において、
    前記積層体は、基材フィルムと、積層体の最外面を構成するよう前記基材フィルムの両側にそれぞれ設けられ、遮光性および導電性を有する遮光導電層と、を含み、
    前記積層体製造装置は、
    真空成膜処理によって前記基材フィルム上に前記遮光導電層を設け、これによって積層体を形成する成膜装置と、
    積層体を巻き取る巻取装置と、を備え、
    前記巻取装置は、積層体が巻き付けられるコアと、前記コアの近傍に配置され、前記コアに巻き付けられる前の積層体に部分的に接触しながら回転するタッチローラーと、を有し、
    前記タッチローラーは、前記タッチローラーに接触している積層体が、前記コアに巻き付けられている積層体にも同時に接触するよう配置されており、
    前記タッチローラーの内部または近傍に、前記タッチローラーの表面を冷却するロール冷却手段が設けられていることを特徴とする積層体製造装置。
  6. 積層体を製造する積層体製造方法において、
    前記積層体は、基材フィルムと、積層体の最外面を構成するよう前記基材フィルムの両側にそれぞれ設けられ、遮光性および導電性を有する遮光導電層と、を含み、
    前記積層体製造方法は、
    真空成膜処理によって前記基材フィルム上に前記遮光導電層を設け、これによって積層体を形成する成膜工程と、
    積層体をコアに巻き付ける巻取工程と、を備え、
    前記コアの近傍に、前記コアに巻き付けられる前の積層体に部分的に接触しながら回転するタッチローラーが設けられており、
    前記タッチローラーは、前記タッチローラーに接触している積層体が、前記コアに巻き付けられている積層体にも同時に接触するよう配置されており、
    前記タッチローラーの内部または近傍に、前記タッチローラーの表面を冷却するロール冷却手段が設けられていることを特徴とする積層体製造方法。
  7. 前記コアに巻き付けられる前の積層体と前記コアに巻き付けられている積層体との間に粘着性シートを挿入する粘着性シート挿入工程をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の積層体製造方法。
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