JP2014164882A - 信頼性・加工性に優れた積層体およびフィルムセンサ並びに積層体製造方法 - Google Patents

信頼性・加工性に優れた積層体およびフィルムセンサ並びに積層体製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適度な結晶性を有する透明導電層を備えた積層体を提供する。
【解決手段】積層体10は、基材フィルム12と、基材フィルム12の一方の側に設けられ、導電性酸化物から構成される透明導電層18と、を備えている。積層体10の透明導電層18を燐硝酢酸溶液に10分間浸漬させた前後での、透明導電層18の抵抗値の変化率は、−10〜+10%の範囲内となっている。また積層体10の透明導電層18を塩化第二鉄溶液に浸漬させた場合に、透明導電層18がエッチングされる速度は、2〜15nm/minの範囲内となっている。
【選択図】図8

Description

本発明は、信頼性・加工性に優れたITOからなる透明導電層を備えた積層体に関する。また本発明は、当該積層体を製造する方法に関する。また本発明は、積層体をパターニングすることなどによって作製されるフィルムセンサに関する。
導電性を有しながら透光性を示す透明導電層、例えばインジウム錫酸化物(以下、ITO)からなる透明導電層は、液晶表示装置や有機EL表示装置における透明電極や、タッチパネルセンサ(フィルムセンサ)における検出用の透明導電パターンなどとして利用されている。透明導電層は、不純物の少ない高品質の層を得るため、一般に、真空環境下で作製される。
透明電極や透明導電パターンの特性を高めるため、透明導電層の電気抵抗値を低くすることや、透明導電層の信頼性・耐環境性を高めることが期待されている。ここで信頼性・耐環境性とは、例えば、寒冷地での極寒環境下や、真夏の炎天下の車内の高温環境下などの厳しい環境下において、透明導電層が適切にその特性を発揮することができることを意味する。また、透明導電層が、電子部品で使用される接着剤に含まれる酸や、日常環境において遭遇し得る酸(例えば海水中の酸)に接した場合であっても、透明導電層が適切にその特性を発揮することも求められている。透明導電層の電気抵抗値や信頼性・耐環境性を決定する要因の1つとして、透明導電層の結晶状態が挙げられる。例えば、多結晶状態の場合の方が、アモルファス状態の場合に比べて、インジウム錫酸化物などの透明導電層の電気抵抗値が低くなるとともに信頼性・耐環境性が高くなることが知られている。このような特性を考慮して、特許文献1においては、基材上に成膜されたITO層に対して180℃以上かつ1時間以上のアニール処理を施し、これによって、多結晶状態のITO層を得ることが提案されている。
特開2003−16858号公報
透明導電層の結晶性は、アニール処理の際の温度を高くするか、若しくはアニール処理を実施する時間を長くするほど、良好なものとなる。一方、積層体に含まれる基材フィルムの耐熱性が低い場合、アニール処理の際の温度が制限される。この場合、アニール処理を実施する時間を長くすることによって、結晶性の改善を図ることになる。しかしながら、アニール処理を実施する時間を長くし過ぎると、積層体の製造効率が低下してしまう。従って、十分な特性を有する積層体を、高い製造効率を維持しながら製造するためには、透明導電層の結晶性に関する適切な指標に基づいて、アニール処理の条件を適切に設定することが必要になる。
また積層体は一般に、タッチパネルセンサなどの電子部品を作製するために用いられる。積層体から電子部品を作製するための工程において、積層体の透明導電層は、エッチングによってパターニングされる。この場合、透明導電層の結晶性が低すぎると、透明導電層に隣接して積層されている金属層などをエッチングによってパターニングする際、金属層用のエッチング液によって透明導電層が溶解し、この結果、透明導電層の膜厚が減少したり、透明導電層が部分的にエッチングされたりして、透明導電層の導電性が悪化することになる。また、金属層用のエッチング液への透明導電層の溶解がさらに進行すると、透明導電層が消失してしまうことも考えられる。一方、透明導電層の結晶性が高すぎると、エッチング処理に要する時間が長くなってしまい、この結果、電子部品の製造効率が低下してしまう。また、エッチング処理に要する時間が長くなると、透明導電層以外の層が損傷してしまうことも考えられる。例えば、金属層の表面において腐食が進行することが考えられる。このため、適度な結晶性を有する透明導電層を備えた積層体を提供することが求められている。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、信頼性・耐環境性に優れ、且つ適度な結晶性を有する透明導電層を備えた積層体を提供することを目的とする。
本発明は、基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の側に設けられ、ITOから構成される透明導電層と、を備えた積層体であって、前記積層体の前記透明導電層を23℃の燐硝酢酸溶液に10分間浸漬させた前後での、前記透明導電層の抵抗値の変化率が−10〜+10%の範囲内であり、前記燐硝酢酸溶液は、71.5重量%の燐酸と、1.2重量%の硝酸と、13.8重量%の酢酸と、水と、を含むものであり、前記積層体の前記透明導電層を40℃の塩化第二鉄溶液に浸漬させた場合に、前記透明導電層がエッチングされる速度が、2〜15nm/minの範囲内であり、前記塩化第二鉄溶液は、1重量%の塩酸と、50重量%の塩化第二鉄と、水と、を含むものである、積層体である。
本発明の積層体は、前記基材フィルムと前記透明導電層との間に配置され、積層体の光学特性を調整する中間層をさらに備えていてもよい。この場合、前記中間層は、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する低屈折率層と、前記低屈折率層と前記透明導電層との間に配置されるとともに酸化珪素から構成され、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する酸化珪素層と、を備えており、前記低屈折率層の屈折率と、前記酸化珪素層の屈折率との間の差は、−0.05〜+0.05の範囲内となっている。前記低屈折率層は、有機樹脂と、有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子と、を含んでいてもよい。
本発明は、基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の側に設けられ、ITOから構成される透明導電層と、を備えた積層体を製造する方法であって、前記基材フィルムの一方の側に、成膜装置を用いて前記透明導電層を形成する成膜工程と、アニール装置を用いて前記透明導電層をアニール処理するアニール工程と、を備え、前記基材フィルムが前記成膜装置から前記アニール装置に至るまでの間、前記基材フィルムの周囲の雰囲気が真空状態に保たれており、前記積層体の前記透明導電層を23℃の燐硝酢酸溶液に10分間浸漬させた前後での、前記透明導電層の抵抗値の変化率が−10〜+10%の範囲内であり、前記燐硝酢酸溶液は、71.5重量%の燐酸と、1.2重量%の硝酸と、13.8重量%の酢酸と、水と、を含むものであり、前記積層体の前記透明導電層を40℃の塩化第二鉄溶液に浸漬させた場合に、前記透明導電層がエッチングされる速度が、2〜15nm/minの範囲内であり、前記塩化第二鉄溶液は、1重量%の塩酸と、50重量%の塩化第二鉄と、水と、を含むものである、積層体製造方法である。
本発明の積層体製造方法は、前記成膜工程の前に、前記基材フィルムの少なくとも一方の側に、積層体の光学特性を調整する中間層を形成する工程をさらに備えていてもよい。この場合、前記中間層を形成する工程は、基材フィルムの一方の側に、低屈折率材料を含む塗布液を塗布することによって、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する低屈折率層を形成する工程と、酸化珪素から構成され、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する酸化珪素層を、物理的気相成長法によって前記低屈折率層上に形成する工程と、を備えており、前記低屈折率層の屈折率と、前記酸化珪素層の屈折率との間の差は、−0.05〜+0.05の範囲内となっている。前記低屈折率層は、基材フィルムの一方の側に、有機樹脂および有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子を含む塗布液を塗布することによって形成されてもよい。
本発明は、基材フィルムと、前記基材フィルムに所定のパターンで設けられ、透光性および導電性を有するITOから構成された透明導電パターンと、を備え、前記透明導電パターンは、上記記載の積層体の透明導電層をパターニングすることにより得られたものである、フィルムセンサである。
本発明は、基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の側に設けられた中間層と、前記中間層の一方の側に所定のパターンで設けられ、透光性および導電性を有する透明導電パターンと、を備え、前記中間層は、有機樹脂および有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子を含み、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する低屈折率層と、前記低屈折率層と前記透明導電パターンとの間に配置されるとともに酸化珪素から構成され、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する酸化珪素層と、を備え、前記低屈折率層の屈折率と、前記酸化珪素層の屈折率との間の差が、−0.05〜+0.05の範囲内である、フィルムセンサである。
本発明によるフィルムセンサにおいて、前記低屈折率層は、前記透明導電パターンが設けられている領域および前記透明導電パターンが設けられていない領域のいずれとも重なるよう設けられており、前記酸化珪素層は、前記透明導電パターンに対応したパターンで設けられていてもよい。
本発明によれば、ITOからなる透明導電層の結晶性に関する適切な指標を提供することができる。このため、適度な結晶性を有する透明導電層を備えた積層体を提供することができる。これによって、積層体の製造工程において、透明導電層の成膜処理やアニール処理を実施する時間が過剰に長くなることを防ぐことができる。また、積層体の透明導電層のエッチング処理に要する時間が過剰に長くなることを防ぐことができる。このことにより、十分な特性を有する積層体や電子部品を、高い製造効率を維持しながら製造することができる。
図1は、本発明の実施の形態における積層体製造装置を示す図。 図2は、図1に示す積層体製造装置の巻出装置を示す図。 図3は、図1に示す積層体製造装置の成膜装置を示す図。 図4は、図1に示す積層体製造装置のアニール装置を示す図。 図5は、図1に示す積層体製造装置の巻取装置を示す図。 図6は、図3に示す成膜装置の水蒸気供給部を示す図。 図7は、図4に示すアニール装置の加熱機構を示す断面図。 図8は、積層体製造装置により製造された透明導電層を含む積層体を示す断面図。 図9は、積層体製造装置に供給される中間積層体を示す断面図。 図10は、図8に示す積層体をパターニングすることにより得られるタッチパネルセンサを示す平面図。 図11は、図10に示すタッチパネルセンサの線XI−XIに沿った断面図。 図12は、図8に示す積層体をパターニングすることにより得られるタッチパネルセンサの変形例を示す断面図。 図13は、積層体の変形例を示す断面図。 図14は、タッチパネルセンサの変形例を示す断面図。
以下、図1乃至図7を参照して、本発明の実施の形態について説明する。はじめに図5を参照して、本実施の形態において製造される、基材フィルム12の一方の側に設けられた透明導電層18を含む積層体10について説明する。
積層体
図8は、積層体10を示す断面図である。図8に示すように、積層体10は、基材フィルム12と、基材フィルム12の一方の側に設けられた中間層14と、中間層14の一方の側に設けられた透明導電層18と、を含んでいる。以下、基材フィルム12、中間層14および透明導電層18についてそれぞれ説明する。
(基材フィルム)
基材フィルム12としては、十分な透光性を有するフィルムが用いられる。基材フィルム12を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン・コポリマー(COC)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、(ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが挙げられる。基材フィルム12の厚みは、例えば25〜200μmの範囲内となっている。なおシクロオレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン・コポリマー(COC)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、(ポリメチルメタクリレート(PMMA)などは、高い透光性を有する一方で、耐熱性が低く、このため高い熱負荷をかけることができないフィルムとして知られている。
図8に示すように、積層体10は、基材フィルム12に隣接して設けられたハードコート層13をさらに含んでいてもよい。ハードコート層13は、擦り傷を防止するという目的や、層間の界面に低分子重合体(オリゴマー)が析出して白く濁ってみえることを防ぐという目的のために設けられる層である。ハードコート層13としては、例えばアクリル樹脂などが用いられる。このようなハードコート層13は、基材フィルム12の片側にのみ形成されていてもよく、若しくは図8に示すように、基材フィルム12の両側に形成されていてもよい。ハードコート層13の厚みは、例えば0.1〜10μmの範囲内となっている。また図示はしないが、基材フィルム12とハードコート層13との間には、プライマー層などの層がさらに設けられていてもよい。
(中間層)
中間層14は、積層体10の光学特性を調整するために設けられる層である。中間層14は、例えば図8に示すように、基材フィルム12側から順に設けられた高屈折率層15および低屈折率層16を含んでいる。このうち高屈折率層15は、基材フィルム12よりも高い屈折率を有する層であり、一方、低屈折率層16は、基材フィルム12よりも低い屈折率を有する層である。このような高屈折率層15および低屈折率層16を基材フィルム12と透明導電層18との間に設けることにより、積層体10における光の透過率や反射率を調整することができる。例えば、高屈折率層15および低屈折率層16は、積層体10の透明導電層18がパターニングされて後述するタッチパネルセンサの透明導電パターンとなる場合に、透明導電パターンが設けられている領域と設けられていない領域との間の光の透過率および反射率の差を小さくするためのインデックスマッチング層として機能することができる。屈折率の算出方法は特には限定されないが、例えば分光エリプソメーターを用いた測定から、光波長380〜780nmの可視光域における各層の屈折率を算出することができる。または、特定波長の光を生成する光源、例えば波長633nmの光を生成するHe−Neレーザーを用いて、特定波長における光屈折率を算出することもできる。屈折率の大小関係は、例えば、光波長380〜780nmの可視光域において測定された屈折率の平均値に基づいて、若しくは、特定波長において、例えば光波長550nmにおいて測定された屈折率に基づいて規定され得る。
高屈折率層15の材料としては、例えば酸化ニオブやジルコニウムなどの高屈折率材料が用いられる。高屈折率材料を用いて高屈折率層15を構成する具体的な方法が特に限られることはない。例えば高屈折率層15は、高屈折率材料単体によって構成される膜であってもよく、若しくは、有機樹脂と、有機樹脂内に分散された高屈折率材料の粒子と、から構成されていてもよい。高屈折率層15の厚みは、求められる光学特性に応じて適宜設定されるが、例えば40nmとなっている。高屈折率層15の光屈折率は、光波長550nmにおいて例えば1.68となっている。
低屈折率層16の材料としては、例えば酸化珪素やMgF(フッ化マグネシウム)などの低屈折率材料が用いられる。低屈折率材料を用いて低屈折率層16を構成する具体的な方法が特に限られることはない。例えば低屈折率層16は、低屈折率材料単体によって構成される膜であってもよく、若しくは、有機樹脂と、有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子と、から構成されていてもよい。低屈折率材料によって構成される膜は、例えば、低屈折率材料を用いたスパッタリングや真空蒸着によって形成され得る。一方、有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子から構成される低屈折率層16は、例えば、有機樹脂および低屈折率材料の粒子を含む塗布液を、コーターを用いてコーティングすることによって形成され得る。低屈折率層16の厚みは、求められる光学特性に応じて適宜設定されるが、例えば40nmとなっている。低屈折率層16の光屈折率は、光波長550nmにおいて例えば1.48となっている。
ところで、低屈折率層16には、コーティングの際に用いられる溶剤に起因する不純物が存在している。このため、仮に低屈折率層16の一方の側の面上に直接的に透明導電層18が設けられる場合、低屈折率層16と透明導電層18との間の密着性が乏しくなってしまうことや、低屈折率層16内の不純物に起因して透明導電層18の結晶化が阻害されてしまうことが考えらえる。このような点を考慮して、図8に示すように、中間層14は、低屈折率層16と透明導電層18との間に配置される酸化珪素層17をさらに含んでいてもよい。以下、酸化珪素層17について説明する。
酸化珪素層17は、酸化珪素の膜として形成される層である。酸化珪素層17に含まれる酸化珪素の組成が特に限られることはなく、SiO(xは任意の数)の組成を有する様々な酸化珪素が用いられるが、例えばx=1.8となっている。後述するように、酸化珪素層17は、スパッタリング法や真空蒸着法などの物理的気相成長法によって形成される。このため、酸化珪素層17の表面粗さは、コーティングによって形成される場合の低屈折率層16の表面粗さよりも小さくなっている。従って、このような酸化珪素層17を低屈折率層16と透明導電層18との間に設けることにより、透明導電層18との間の密着性を高めることができる。また酸化珪素層17を形成するためのスパッタリングや真空蒸着は、真空環境下または不活性ガス環境下で実施される。このため、酸化珪素層17に含まれる不純物の量は、コーティングによって形成される場合の低屈折率層16に含まれる不純物の量よりも少なくなっている。また酸化珪素層17は、低屈折率層16に含まれる不純物が透明導電層18に到達することを防ぐためのバリア層として機能することもできる。従って、低屈折率層16と透明導電層18との間に酸化珪素層17を設けることによって、透明導電層18の結晶化が阻害されてしまうことを抑制することができる。
また酸化珪素層17は、上述のように酸化珪素から構成されている。酸化珪素の屈折率は、PETやCOPから構成される基材フィルム12の屈折率よりも低い。すなわち、酸化珪素層17の屈折率は、低屈折率層16と同様に、基材フィルム12よりも低くなっている。従って、低屈折率層16の屈折率と酸化珪素層17の屈折率との間の差を十分に小さくすることにより、酸化珪素層17を、積層体10の光学特性を調整するための中間層14の一部として機能させることができる。低屈折率層16の屈折率と酸化珪素層17の屈折率との間の差として求められる値は、積層体10や積層体10から作製される電子部品に対する光学特性の要求に応じて決定される。例えば、低屈折率層16の屈折率と酸化珪素層17の屈折率との間の差が−0.05〜+0.05の範囲内であることが求められる。酸化珪素層17の厚みは、積層体10に求められる光学特性や透明導電層18に求められる結晶性などに応じて適宜設定されるが、例えば5nmとなっている。
なお本実施の形態においては、上述の中間層14が積層体10に含まれている例について説明するが、しかしながら、中間層14は必ずしも設けられていなくてもよい。この場合、基材フィルム12の面上やハードコート層13の面上に透明導電層18が設けられる。また中間層14が高屈折率層15、低屈折率層16および酸化珪素層17を含む例を示したが、これに限られることはなく、積層体10における光の透過率や反射率を調整することができる限りにおいて、中間層14の層構成として様々な構成が考えられる。例えば中間層14は、高屈折率層15を含まず、低屈折率層16および酸化珪素層17を含んでいてもよい。
(透明導電層)
透明導電層18を構成する材料としては、導電性を有しながら透光性を示す材料が用いられ、具体的には、インジウム錫酸化物(ITO)が用いられる。ここでITOとは、89〜99重量%のインジウムと、1〜11重量%の錫と、0.5重量%以下のその他の添加元素または不可避の不純物と、を含む金属酸化物を意味している。ITOからなる透明導電層18の厚みは、透明電極または透明導電パターンにおける電気抵抗の仕様などに応じて適宜設定されるが、例えば18〜50nmの範囲内となっている。
次に図1乃至図7を参照して、真空雰囲気の下で基材フィルム12上に透明導電層18を形成するための積層体製造装置1について説明する。はじめに図1を参照して、積層体製造装置1全体について説明する。なおここでは、図9に示す後述する中間積層体11に対して成膜処理やアニール処理を実施することによって積層体10を製造するための積層体製造装置1について説明する。中間積層体11は、本実施の形態による積層体10を製造する工程の途中で得られる中間生成物である。図9に示すように、中間積層体11の段階で、基材フィルム12には、ハードコート層13、高屈折率層15および低屈折率層16が設けられている。
積層体製造装置
図1に示すように、積層体製造装置1は、中間積層体11を巻き出す巻出装置20と、中間積層体11上に透明導電層18などの膜を設ける成膜装置30と、中間積層体11上に設けられた透明導電層18を加熱してアニール処理を実施するアニール装置40と、透明導電層18が設けられた中間積層体11を巻き取る巻取装置50と、を備えている。以下、各装置20,30,40,50について、図2乃至図7を参照してそれぞれ説明する。
(巻出装置)
図2は、巻出装置20を示す図である。図2に示すように、巻出装置20は、回転自在に設けられ、中間積層体11が巻き付けられたシャフト21と、シャフト21から巻き出された中間積層体11を成膜装置30に向けて案内するガイドローラー29と、中間積層体11に沿って設けられ、中間積層体11を加熱する加熱機構22と、を備えている。巻出装置20においては、シャフト21から巻き出された中間積層体11を加熱機構22によって加熱することにより、中間積層体11に付着している水分や油分などの不純物を蒸発または昇華させ、これによって不純物を中間積層体11から取り除くことができる。すなわち、いわゆる脱ガス処理を実施することができる。
脱ガス処理の際の加熱温度は、中間積層体11を構成する材料の特性が大きく変化しないような温度である限り特に限定されないが、例えば50〜170℃の範囲内となっている。脱ガス処理を実施するための加熱機構22の具体的な構成は特に限定されないが、例えば図2に示すように、搬送されている中間積層体11に沿って中間積層体11の両側に設けられた一対のヒーター23によって加熱機構22が構成されている。
図2に示すように、巻出装置20は、巻出装置20内の気体を外部に排出する排気手段24をさらに備えている。これによって、基材フィルム12から発生した気体を迅速に外部に排出することができ、このことにより、脱ガス処理を効率良く実施することができる。また図2に示すように、成膜装置30の内部雰囲気を巻出装置20の内部雰囲気に対して遮蔽するためのゲートバルブ(ロードロックバルブ)25が設けられていてもよい。これによって、中間積層体11の巻回体を巻出装置20内に搬入するために巻出装置20を大気に対して開放する際に、成膜装置30内の真空度を維持することができる。
(成膜装置)
次に、巻出装置20の下流側に設けられた成膜装置30について説明する。成膜装置30による成膜方法としては、真空蒸着、スパッタリングやイオンプレーティングなど様々な物理的気相成長法が採用され得るが、ここでは、成膜方法としてスパッタリングが用いられる例について図3を参照して説明する。
図3に示すように、成膜装置30は、成膜処理が実施される成膜室36と、中間積層体11が巻き付けられて搬送される成膜用搬送ドラム38と、搬送される中間積層体11を案内するガイドローラー39と、成膜室36の内部の気体を外部に排出する成膜用真空排気機構37と、搬送されている中間積層体11に対向するよう設けられ、中間積層体11上に設けられる膜の原料となるターゲットと、を備えている。図3に示す例においては、ターゲットとして、酸化珪素層17の原料となる珪素からなる第1ターゲット31a、並びに、透明導電層18の原料となるITOからなる第3ターゲット33aおよび第4ターゲット34aが設けられている。なお図3に示す例においては、ITOの成膜のために2つのターゲット33a,34aが用いられるが、これに限られることはなく、形成される層の種類や厚みに応じて適宜ターゲットの個数が設定される。また図3において符号32(第2領域)で示す空間にはターゲットが設けられていないが、この第2領域32にも、形成される層の種類や厚みに応じて更なるターゲットが配置されていてもよい。
成膜装置30においては、はじめに成膜用真空排気機構37によって成膜室36の内部の気体を外部に排出し、これによって、成膜室36内を真空状態とする。次に、不活性ガス供給装置(図示せず)によって成膜室36内にアルゴンなどの不活性ガスを導入し、その後、放電装置によってターゲットに放電電力を印加する。これによって、各ターゲットの材料からなる膜を中間積層体11上に設けることができる。
図3に示すように、成膜装置30の成膜室36は、隔壁36aによって、第1ターゲット31aを含む第1領域31と、第2ターゲット(図示せず)が設けられ得る第2領域32と、第3ターゲット33aを含む第3領域33と、第4ターゲット34aを含む第4領域34と、その他の第5領域35と、に区画されていてもよい。また図3に示すように、成膜用真空排気機構37は、各領域31〜35にそれぞれ接続され、各領域31〜35の内部の気体を外部に排出する排気手段31b〜35bを含んでいてもよい。これによって、ターゲットごとにターゲットの周囲の雰囲気(真空度など)を調整することができ、このことにより、ターゲットごとに最適化された条件の下でスパッタリングを実施することができる。
なお図3に示す例において、成膜用搬送ドラム38は、その表面が所定の成膜温度に調整されたものであってもよい。これによって、最適な温度条件下で中間積層体11上に各層17,18を形成することができる。成膜用搬送ドラム38の表面を所定の成膜温度に調整するための具体的な構成が特に限られることはなく、例えば図示はしないが、成膜用搬送ドラム38の内部に設けられ、オイルなどの所定の温度媒体を循環させる媒体循環路と、温度媒体を成膜温度に調整する媒体調整手段とが用いられる。成膜温度は、中間積層体11の基材フィルム12の耐熱性や、中間積層体11上に設けられる各層17,18の特性に応じて適宜設定される。
次に、ITOのスパッタリングを実施するための第3領域33および第4領域34の構成について特に説明する。なお第4領域34の構成は、第3領域33の構成と同一であるので、ここでは第3領域33の構成について主に説明する。図3に示すように、第3領域33内には、第3ターゲット33aおよび中間積層体11の周囲の雰囲気に水蒸気を供給する水蒸気供給部33eと、第3領域33の水蒸気分圧を測定する測定部33cと、が設けられている。この場合、水蒸気供給部33eは、測定部33cによる水蒸気分圧の測定結果に基づいて、制御部33dにより制御されてもよい。同様に、第4領域34内には、測定部34c,制御部34dおよび水蒸気供給部34eが設けられていてもよい。
従来、ITOの成膜処理において、雰囲気の水蒸気分圧を制御することによって、成膜されるITOの結晶状態を制御できることが知られている。例えば、成膜処理時の水蒸気分圧が非常に小さい場合、微細な結晶粒からなる多結晶状態のITO膜が得られ、また、水蒸気分圧を大きくするにつれて、得られる結晶粒が大きくなることが知られている。また、成膜処理時の水蒸気分圧をさらに大きくすると、アモルファス状態のITO層が得られることが知られている。ここで本実施の形態によれば、上述の測定部33c、制御部33dおよび水蒸気供給部33eを用いることにより、成膜処理時の第3ターゲット33aおよび中間積層体11の周囲の水蒸気分圧を所望の値に調整することができる。このことにより、中間積層体11に設けられる、ITOからなる透明導電層18の結晶状態を制御することができる。
水蒸気供給部33eの具体的な構成は特に限られないが、例えば図6に示すように、水蒸気供給部33eは、所定の蒸気圧で水蒸気が充填された供給タンク33hと、バルブ33iを介して供給タンク33hに接続され、第3ターゲット33aおよび中間積層体11の近傍まで延びる水蒸気供給管33fと、を有していてもよい。水蒸気供給管33fには、図6に示すように、水蒸気供給管33f内の水蒸気を吐出する複数の開口部33gが形成されており、これによって、第3ターゲット33aおよび中間積層体11の周囲の雰囲気に、圧力が調整された水蒸気を供給することができる。なお図6において一点鎖線で示すように、アルゴンなどの不活性ガスが所定の圧力で充填されたガスタンク33jがバルブ33kを介して水蒸気供給管33fにさらに接続されていてもよい。これによって、水蒸気とともに不活性ガスを第3ターゲット33aおよび中間積層体11の周囲の雰囲気に供給することができる。
また図示はしないが、成膜室36の各領域31,33,34において成膜される層17,18の原料となり得る成分を含むガス、例えば酸素ガスを各領域31,33,34のターゲット31a,33a,34aおよび中間積層体11の周囲に供給するガス供給機構がさらに設けられていてもよい。これによって、成膜条件のさらなる調整を行うことができ、このことにより、より効率的に高品質の層17,18を得ることができる。各領域31,33,34にガスを供給する方法は特には限られないが、例えば第3領域33に酸素ガスを供給する場合、酸素ガスを供給するタンクを上述の水蒸気供給管33fにさらに接続することによって、酸素ガスを第3ターゲット33aおよび中間積層体11の周囲に供給してもよい。
(アニール装置)
次に図4を参照して、成膜装置30の下流側に設けられたアニール装置40について説明する。図4に示すように、アニール装置40は、アニール処理が実施されるアニール室41と、搬送される中間積層体11を案内するガイドローラー49と、アニール室41の内部の気体を外部に排出するアニール用排気機構42と、アニール室41の内部の水蒸気分圧を所定範囲内に調整する水蒸気調整機構44と、アニール室41の内部に設けられ、所定のアニール温度で透明導電層18を加熱する加熱機構45と、を備えている。図示はしないが、アニール処理中にアルゴンなどの不活性ガスをアニール室41内に導入する不活性ガス供給装置がアニール装置40に設けられていてもよい。なおアニール装置40および上述の成膜装置30は、中間積層体11が成膜装置30の成膜室31からアニール装置40のアニール室41に至るまでの間、中間積層体11の周囲の雰囲気が真空状態に保たれるよう構成されている。このため、真空状態の中で上述の成膜処理および後述するアニール処理を連続して実施することができる。
本件発明者らが鋭意実験を重ねたところ、アニール処理の際にアニール室41の内部に存在する水蒸気が、透明導電層18の結晶化に大きな影響を及ぼすことを見出した。この点を考慮して、本実施の形態によるアニール装置40は、アニール室41の内部の水蒸気分圧を適切に調整することができるよう構成されている。以下、アニール装置40の各構成要素について説明する。
アニール用真空排気機構42としては、アニール処理の前にアニール室41の内部の気体をいったん外部に排出してアニール室41の内部雰囲気を真空状態にするための真空ポンプなどが用いられる。アニール用真空排気機構42としては、アニール処理の際に不純物が透明導電層18に不適切に添加されないような真空度を達成することができるアニール用真空排気機構42が用いられるが、例えば、アニール室41の内部の全圧を1×10−3Pa以下にすることができるアニール用真空排気機構42が用いられる。以下の記述において、アニール室41内において水蒸気以外の気体による圧力が1×10−3Pa以下となっている状態を、アニール装置40における「真空状態」と称する。なお、所望の真空度を達成するために用いられる真空ポンプの台数や種類が限られることはなく、複数の真空ポンプが組み合わせて用いられ得る。
水蒸気調整手段44は、図4に示すように、アニール室41の内部の水蒸気を凝縮または吸着させて捕捉する水蒸気捕捉部44cと、アニール室41の内部の水蒸気分圧を測定する測定部44aと、を含んでいる。水蒸気捕捉部44cは、アニール室41の内部の水蒸気分圧が例えば1×10−4Pa以上となるよう、より好ましくは3×10−4Pa以上となるよう、測定部44aによる水蒸気分圧の測定結果に基づいて、制御部44bにより制御される。なお本実施の形態において、アニール処理の際の適切な水蒸気分圧に関して、下限の値だけでなく上限の値が定められていてもよい。例えば、水蒸気捕捉部44cは、アニール室41の内部の水蒸気分圧が40×10−4Pa以下となるよう、より好ましくは10×10−4Pa以下となるよう、制御部44bにより制御されてもよい。
水蒸気捕捉部44cの具体的な構成が特に限られることはないが、例えば水蒸気捕捉部44cは、水蒸気を凝縮させ得る程度の温度に調整された低温面を有するクライオパネルからなっている。クライオパネルは、図示はしないが、冷凍機によって所定の温度に冷却された低温パネルを含んでおり、この低温パネルによってアニール室41の内部に存在する気体を凝縮させることにより、気体が捕捉される。なお水蒸気は、酸素、窒素やアルゴンなどの気体に比べて比較的高温で凝縮する。このため、クライオパネルの低温パネルの温度を、酸素、窒素やアルゴンなどの気体は凝縮しないが水蒸気は凝縮する温度に調整することによって、アニール室41の内部に存在する気体のうち水蒸気のみを選択的に捕捉することができる。従って、クライオパネルの低温パネルの温度を適宜調整することにより、アニール室41の内部に存在する水蒸気のうち低温パネルに捕捉される水蒸気の量(捕捉量)を調整することができ、これによって、アニール室41の内部の水蒸気分圧を所望の値に調整することができる。
水蒸気分圧を測定する測定部44aの具体的な構成が特に限られることはないが、例えば測定部44aは、真空中に存在する気体の種類および各気体の圧力を計測する四重極ガス分析装置からなっている。
加熱機構45の具体的な構成は、中間積層体11上に設けられた透明導電層18を均一に加熱することができる限りにおいて特に限定されるものではない。例えば加熱機構45は、成膜装置30の場合と同様に、中間積層体11が巻き付けられるアニール用搬送ドラム46であって、その表面が所定のアニール温度に加熱されたアニール用搬送ドラム46を有している。アニール用搬送ドラム46の表面を加熱するための具体的な構成が特に限られることはない。例えば図7に示すように、アニール用搬送ドラム46が表面部分46aと中空部分46bとからなる場合、アニール用搬送ドラム46の表面部分46aを内側から加熱するドラム加熱手段47が設けられていてもよい。ドラム加熱手段47は、例えば、表面部分46aに隣接して設けられ、熱媒47bを循環させる熱媒循環路47aと、熱媒47bをアニール温度に加熱する熱媒加熱手段(図示せず)と、を含んでいる。その他、ドラム加熱手段47として、アニール用搬送ドラム46の内部に設けられた電熱線ヒーターなどが用いられてもよい。
(巻取装置)
次に図5を参照して、巻取装置50について説明する。巻取装置50は、透明導電層18などの層が形成された中間積層体11からなる積層体10を巻き取るシャフト51と、シャフト51に向けて搬送される積層体10を案内するガイドローラー59と、を備えている。また図5に示すように、巻取装置50の内部を真空状態に保つための排気手段52が設けられていてもよい。
また、シャフト51近傍に、図5に示すニアローラー53が設けられていてもよい。ニアローラー53は、シャフト51に巻き取られている積層体10の最外面と、ニアローラー53のうちシャフト51に対向する面との間の距離が、積層体10の厚みよりもわずかに大きくなるよう構成されている。なお、シャフト51に巻き取られている積層体10の最外面の位置は、積層体10の巻き数が増えるにつれて変化する。この変化に対応するよう、ニアローラー53は移動可能に構成されている。このため、積層体10の巻き数に依らず、シャフト51に巻き取られている積層体10の最外面とニアローラー53との間の距離を常に一定に保つことができる。このようなニアローラー53を設けることにより、シャフト51に巻き取られる際の積層体10にしわなどの凹凸が生じることを防ぐことができ、これによって、シャフト51に巻き取られている積層体10同士が密着してしまう、いわゆるブロッキングが生じることを防ぐことができる。
また図5に示すように、アニール装置40の内部雰囲気を巻取装置50の内部雰囲気に対して遮蔽するためのゲートバルブ55が設けられていてもよい。これによって、積層体10の巻回体を巻取装置50から搬出するために巻取装置50を大気に対して開放する際に、アニール装置40内の真空度を維持することができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。ここでは、はじめに、上述の中間積層体11を製造する方法の一例について説明する。次に、中間積層体11を積層体製造装置1に供給して積層体10を製造する方法について説明する。その後、製造された積層体10の結晶性を評価する方法について説明する。次に、積層体10をパターニングすることにより得られるタッチパネルセンサについて説明する。
中間積層体の製造方法
はじめに基材フィルム12を準備する。次に、アクリル樹脂を含む塗布液を、コーターを用いて基材フィルム12の両側にコーティングする。これによって、基材フィルム12の両側にハードコート層13が形成される。次に、有機樹脂および有機樹脂内に分散された高屈折率材料の粒子、例えばジルコニウムの粒子を含む塗布液を、コーターを用いてハードコート層13の一方の側にコーティングする。これによって、ハードコート層13の一方の側に高屈折率層15が形成される。その後、有機樹脂および有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子、例えば酸化珪素の粒子を含む塗布液を、コーターを用いて高屈折率層15の一方の側にコーティングする。これによって、高屈折率層15の一方の側に低屈折率層16が形成される。このようにして、図9に示す中間積層体11を得ることができる。
積層体の製造方法
次に、積層体製造装置1を用いて中間積層体11の一方の側に酸化珪素層17および透明導電層18を形成し、これによって図8に示す積層体10を得る方法について説明する。
(脱ガス工程)
はじめに、巻出装置20において、中間積層体11が巻回されたシャフト21を準備し、次に、成膜装置30に向けて中間積層体11を巻き出す。このとき、加熱機構22によって中間積層体11を50〜170℃で加熱するとともに、排気手段24によって巻出装置20内の気体を外部に排出する。これによって、中間積層体11に付着している水分や油分などの不純物が取り除かれる。
(成膜工程)
次に、成膜装置30によって、中間積層体11上に所望の膜を設ける成膜処理を実施する。成膜処理においては、はじめに、第1領域31において、酸素ガスによる反応性スパッタリング法により、第1ターゲット31aを構成する珪素に基づいて酸化珪素(SiO)を生成させ、これを中間積層体11上に付着させる。これによって、酸化珪素からなる酸化珪素層17が中間積層体11上に形成される。なお、スパッタリングの際の放電電力や放電時間、不活性ガスの分圧などの条件は、所望の厚みや成膜用搬送ドラム38の回転速度などに応じて適宜設定される。
その後、第3領域33において、第1領域31における酸化珪素層17の成膜処理の場合と同様にして、ITOからなる透明導電層18を酸化珪素層17上に設ける。第4領域34においても、第3領域33における成膜処理と同様の成膜処理を実施する。これによって、透明導電層18の厚みを所望の値まで増加させる。
好ましくは、透明導電層18の成膜工程の際、水蒸気供給部33e,34eによってターゲット33a,34aおよび中間積層体11の近傍に水蒸気を例えば数sccmで供給する。また、ターゲット33a,34aおよび中間積層体11の近傍に、透明導電層18の原料となり得る成分を含むガス、例えば酸素ガスをさらに供給してもよい。これによって、成膜条件の最適化を行うことができ、このことにより、より効率的に高品質の透明導電層18を得ることができる。この際の水蒸気分圧の値は、例えば3〜10×10−4Paの範囲内となっている。
(アニール工程)
次に、アニール装置40によって、中間積層体11上に設けられた透明導電層18を加熱してアニール処理を実施する。アニール処理においては、はじめに、アニール用真空排気機構42によってアニール室41の内部の気体を外部に排出する(排気工程)。例えば、アニール室41の内部に存在する気体のうち水蒸気以外の気体による圧力が1×10−3Pa以下となるよう、アニール用真空排気機構42を駆動させる。その後、水蒸気調整機構44によって、アニール室41の内部の水蒸気分圧を1×10−4Pa〜40×10−4Paの範囲内に調整する(水蒸気調整工程)。水蒸気調整工程において、測定部44aは、アニール室41の内部の水蒸気分圧を測定する(測定工程)。また水蒸気捕捉部44cは、測定部44aによる測定結果(測定工程における測定結果)に基づいて、アニール室41の内部の水蒸気の捕捉量を調整する(水蒸気捕捉工程)。次に、アルゴンガスなどの不活性ガスを、全圧が1Pa以下となる範囲内でアニール室41に導入する。
その後、アニール室41の内部において透明導電層18を所定のアニール温度で加熱する(加熱工程)。アニール温度は、100〜170℃の範囲内の所定温度に設定されている。すなわち、アニール用搬送ドラム46が100〜170℃の範囲内の所定温度まで加熱されている。透明導電層18をアニール温度で加熱することにより、透明導電層18の結晶化が進行する。これによって、得られる透明導電層18の電気抵抗値を低くするとともに、耐薬品性を高くすることができる。
好ましくは、アニール処理の間、アニール用搬送ドラム46は連続的に回転している。このため、アニール用搬送ドラム46の回転を停止させた上でアニール処理を実施する場合に比べて、アニール処理済みの透明導電層18をより効率的に製造することができる。この場合、透明導電層18が加熱される時間は、アニール用搬送ドラム46の回転周期に応じて決定される。例えば、図4に示すように透明導電層18がアニール用搬送ドラム46のほぼ1周にわたって巻きつけられている場合、透明導電層18は、アニール用搬送ドラム46が1周するのに要する時間の間だけアニール用搬送ドラム46によって加熱されることになる。
ここで本実施の形態においては、上述のように、中間積層体11が成膜装置30からアニール装置40に至るまでの間、中間積層体11の周囲の雰囲気が真空状態に保たれている。従って、中間積層体11上に透明導電層18が形成されてから当該中間積層体11がアニール装置40に至るまでの間に、意図しない水分が透明導電層18上に付着することが防がれている。またアニール装置40の内部においては、上述のように、アニール室41の内部の水蒸気分圧が適切な範囲内に調整されている。従って本実施の形態によれば、アニール装置40のアニール室41に到達した透明導電層18を最適な環境下で即座にアニール処理することができる。また上述のように、アニール処理の際にアニール室41の内部に存在する水蒸気がアニール後の透明導電層18の結晶化に大きな影響を及ぼすということが判明している。従って本実施の形態によれば、アニール装置40における透明導電層18の結晶化を極めて効率的に進行させることができる。この結果、アニール装置40におけるアニール処理に有する時間を極めて短くすることができる。例えば1分間のアニール処理で、透明導電層18の結晶化を適切に進行させることができる。このため本実施の形態によれば、アニール用搬送ドラム46の回転周期を約1分/回転にすることができ、これによって、高い効率で積層体10を製造することができる。
(巻取工程)
その後、巻取装置50において、中間積層体11と、中間積層体11上に形成された層17,18と、を含む積層体10が、シャフト51によって巻き取られる。これによって、積層体10の巻回体が得られる。
なお上述の成膜工程においても、上述のアニール工程の場合と同様に、成膜用搬送ドラム38の温度が高温に、例えば100〜170℃の範囲内に設定されていてもよい。これによって、成膜工程の際に透明導電層18の結晶化を進行させることができる。なお、成膜用搬送ドラム38の温度が高温に設定される場合、上述のアニール工程におけるアニール用搬送ドラム46の温度がより低く設定されてもよい。若しくは、アニール工程が省略されてもよい。
積層体の評価方法
次に、積層体10の透明導電層18の結晶性を評価する評価工程を実施する。ここでは、酸性の溶液に対する透明導電層18の耐性に基づいて、透明導電層18の結晶性を評価する工程(耐酸性評価工程)、および、透明導電層18用のエッチング液に対する透明導電層18の溶解性に基づいて、透明導電層18の結晶性を評価する工程(エッチング特性評価工程)について説明する。
(耐酸性評価工程)
はじめに耐酸性評価工程について説明する。ここでは、積層体10の透明導電層18を酸性の溶液に浸漬させた前後での、透明導電層18の抵抗値の変化率を評価する。酸性の溶液としては、金属を溶解することができる様々な溶液が用いられ得る。例えば、35〜75重量%の燐酸と、1〜5重量%の硝酸と、10〜35重量%の酢酸と、を含む燐硝酢酸溶液を用いることができる。より具体的には、以下に説明する耐酸性評価工程においては、71.5重量%の燐酸と、1.2重量%の硝酸と、13.8重量%の酢酸と、残りの水とを含む燐硝酢酸溶液を用いている。なお耐酸性評価工程は、積層体10の表面に金属層がさらに設けられる場合であって、この金属層がエッチングによってパターニングされる場合に、透明導電層18が金属層用のエッチング液に耐えることができるかどうか、という点を評価することを想定したものである。上記の燐硝酢酸溶液によってエッチングされ得る金属層としては、例えば、APC合金などの銀合金からなる層が挙げられる。
耐酸性評価工程においては、はじめに、積層体10の透明導電層18の電気抵抗値を測定する。抵抗値の測定方法としては、公知の方法が適宜用いられ得るが、例えば四端子法が用いられ得る。次に、20〜28℃の範囲内の所定の温度、例えば23℃に調整された燐硝酢酸溶液を準備する。その後、温度調整された燐硝酢酸溶液の中に、透明導電層18を備えた積層体10を10分間浸漬させる。10分間浸漬させた後、積層体10を取り出し、積層体10の透明導電層18の電気抵抗値を再度測定する。次に、積層体10を燐硝酢酸溶液に10分間浸漬させた前後での、前記透明導電層の抵抗値の変化率が、所定の基準範囲内であるかどうかを確認する。なお、積層体10を燐硝酢酸溶液に浸漬させている間、燐硝酢酸溶液は静止状態にある。
上記基準範囲は、金属層用のエッチング処理の実施時間や、積層体10から作製されるタッチパネルセンサなどの電子部品に対して求められる特性などに応じて適宜設定されるが、本件発明者らが鋭意検討を重ねたところ、抵抗値の変化率が−10〜+10%であるという基準範囲が、積層体10や電子部品の製造効率、並びに電子部品の特性の観点から最も好ましいものである、ということを見出した。すなわち本実施の形態によれば、抵抗値の変化率が−10〜+10%であるという基準範囲を採用することにより、十分な特性を有する積層体10や電子部品を、高い製造効率を維持しながら製造することができる。
(エッチング特性評価工程)
次にエッチング特性評価工程について説明する。ここでは、積層体10の透明導電層18を透明導電層18用のエッチング液に浸漬させた場合の透明導電層18のエッチング速度(溶解速度)を評価する。透明導電層18用のエッチング液としては、例えば、塩化第二鉄(FeCl)を45〜55重量%の重量比率で含むとともに、塩酸を0.5〜1.5重量%の重量比率で含む塩化第二鉄溶液を用いることができる。より具体的には、以下に説明するエッチング特性評価工程においては、塩化第二鉄(FeCl)を50重量%の重量比率で含むとともに、塩酸を1重量%の重量比率で含み、かつ残りの水を含む塩化第二鉄溶液を用いている。なお積層体10を塩化第二鉄溶液に浸漬させている間、塩化第二鉄溶液は静止状態にある。
エッチング特性評価工程においては、はじめに、積層体10の透明導電層18の電気抵抗値を測定するための環境を整える。例えば、四端子法で透明導電層18の電気抵抗値を測定するため、端子を透明導電層18に接続する。次に、40〜42℃の範囲内の所定の温度、例えば40℃に調整された塩化第二鉄溶液を準備する。その後、温度調整された塩化第二鉄溶液の中に、透明導電層18を備えた積層体10を浸漬させる。所定時間にわたって積層体10を浸漬させた後、積層体10を塩化第二鉄溶液から取り出し、積層体10の透明導電層18の電気抵抗値を測定する。これによって、透明導電層18がエッチングされる速度を算出する。例えば、塩化第二鉄溶液に浸漬させる前の透明導電層18の厚みが20nmであり、塩化第二鉄溶液に浸漬させる前の透明導電層18の電気抵抗値が150Ωであり、塩化第二鉄溶液に5分間浸漬させた後の透明導電層18の電気抵抗値が300Ωであるとする。この場合、電気抵抗値が浸漬前の2倍となっているので、5分間浸漬させた後の透明導電層18の厚みは10nmになっていると考えられる。従って、この場合のエッチング速度は、(20nm−10nm)/5min=2nm/minと算出される。このようにして、電気抵抗値の時間変化に基づいて、透明導電層18がエッチングされる速度を算出することができる。なお、積層体10の上述の浸漬−取り出し−電気抵抗測定を複数回繰り返すことにより、透明導電層18がエッチングされる速度をより精密に測定してもよい。また、電気抵抗値を測定する方法を適切に設定することにより、積層体10を塩化第二鉄溶液の中に浸漬させている間、積層体10の透明導電体18の電気抵抗値を測定し続けることも可能である。
その後、積層体10の透明導電層18が塩化第二鉄溶液によってエッチングされる速度が、所定の基準範囲内であるかどうかを確認する。上記基準範囲は、透明導電層18用のエッチング処理の実施時間や、積層体10から作製されるタッチパネルセンサなどの電子部品に対して求められる特性などに応じて適宜設定されるが、本件発明者らが鋭意検討を重ねたところ、エッチング速度が2〜15nm/minであるという基準範囲が、積層体10や電子部品の製造効率、並びに電子部品の特性の観点から最も好ましいものである、ということを見出した。例えば、エッチング速度が15nm/min以下であることは、透明導電層18が最低限の結晶性を有していることを意味している。また、エッチング速度が2nm/min以上であることは、透明導電層18のためのエッチング処理に要する時間が過剰に長くなることを防ぐことができ、これによって、透明導電層18のエッチング処理の際に、金属層などのその他の層が有意には溶解されないことを意味している。またエッチング速度が2nm/min以上であることは、透明導電層18のアニール処理が長くなりすぎ、この結果、透明導電層18に過剰な結晶性が付与されている、ということが生じていないことを意味している。透明導電層18のアニール処理が長くなりすぎることは、積層体10の製造効率が低下することを意味しており、好ましくない。なおエッチング速度が2nm/minであることは、例えば、厚み20nmの透明導電層18が10分でエッチングされることを意味している。また、エッチング速度が15nm/minであることは、例えば、厚み30nmの透明導電層18が2分でエッチングされることを意味している。
(その他の評価工程)
なお上述の各評価工程においては、透明導電層18を評価する工程についてのみ説明したが、これに限られることはない。積層体10に含まれる各層のうち、透明導電層18以外の層を評価する工程をさらに実施してもよい。例えば、基材フィルム12と透明導電層18との間に設けられる高屈折率層15や低屈折率層16の特性を評価する工程をさらに実施してもよい。上述のように、高屈折率層15および低屈折率層16は、有機樹脂を含む塗布液をコーティングすることによって形成され得る層である。このような層15,16に対しては、アルカリ性の溶液を用いてその耐性を評価することが好ましい。これによって、高屈折率層15や低屈折率層16が溶解によって損傷する可能性が高いかどうかを評価することができ、このことにより、高屈折率層15や低屈折率層16が、透明導電層18を保持するための下地層として適切に機能するかどうかを確認することができる。高屈折率層15および低屈折率層16を評価するために用いられるアルカリ性の溶液としては、例えば、20〜60℃の範囲内に温度調整され、10〜17g/Lの濃度で添加された水酸化ナトリウムの溶液や、20〜35℃の範囲内に温度調整され、10〜200g/Lの濃度で添加された水酸化カリウムの溶液などを用いることができる。水酸化ナトリウムの溶液や水酸化カリウムの溶液を用いた評価における評価基準が特に限られることはない。例えば25℃の範囲内に温度調整された水酸化カリウムの溶液に積層体10を10分間浸漬させた前後での、透明導電層18の抵抗値の変化率が、−5〜+5%の範囲内であるかどうかを確認することにより、高屈折率層15および低屈折率層16によって透明導電層18を適切に支持することができるかどうかを判定することができる。なお後述するように、酸化珪素からなる酸化珪素層17は、アルカリ性の溶液によって溶解される。一方、低屈折率材料の粒子を含む低屈折率層16は、低屈折率材料の粒子が有機樹脂によって被覆されているため、アルカリ性の溶液に対する耐性を有している。
タッチパネルセンサの製造方法
次に、積層体10の用途の一例として、積層体10をパターニングすることにより得られるタッチパネルセンサ(フィルムセンサ)について説明する。タッチパネルセンサ60は、液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどの表示パネルの観察者側に設けられ、人体などの被検出体の接触位置を検出するための透明導電パターンなどを含むセンサである。タッチパネルセンサ60としては、被検出体からの圧力に基づいてタッチ箇所を検出する抵抗膜方式のタッチパネルセンサや、人体などの被検出体からの静電気に基づいてタッチ箇所を検出する静電容量方式のタッチパネルセンサなど様々なタイプのものが知られているが、ここでは、積層体10をパターニングすることによって静電容量方式のタッチパネルセンサ60を形成する例について、図10および図11を参照して説明する。図10は、タッチパネルセンサ60を示す平面図であり、図11は、図10に示すタッチパネルセンサ60の線XI−XIに沿った断面図である。なお図10および図11においては、2つの積層体10をそれぞれ別個にパターニングすることにより、第1方向に延びる透明導電パターンを含むタッチパネルセンサと、第1方向に直交する第2方向に延びる透明導電パターンを含むタッチパネルセンサとをそれぞれ形成し、その後、2つのタッチパネルセンサを貼り合わせることにより、第1方向および第2方向に延びる透明導電パターンを含むタッチパネルセンサが得られる例について説明する。
図11に示すように、タッチパネルセンサ60は、上側に位置する第1タッチパネルセンサ60Aと、下側に位置する第2タッチパネルセンサ60と、を含んでいる。第1タッチパネルセンサ60Aと第2タッチパネルセンサ60Bとは、例えば接着層19によって貼り合わされている。各タッチパネルセンサ60A,60Bは、基材フィルム12と、ハードコート層13と、中間層14と、中間層14上に所定のパターンで設けられ、透光性および導電性を有する複数の透明導電パターン62と、を有している。図10に示す例において、透明導電パターン62は、第1タッチパネルセンサ60Aに包含される横方向(第1方向)に延びるパターンと、第2タッチパネルセンサ60に包含される縦方向(第2方向)に延びるパターンとからなっている。なお図10において、下側に設けられた透明導電パターン62が点線で表されている。図11に示すように、各透明導電パターン62は、積層体10の透明導電層18をパターニングすることにより得られるものである。透明導電層18をパターニングする方法としては、例えばフォトリソグラフィー法が用いられる。
また図10に示すように、各タッチパネルセンサ60A,60Bは、各透明導電パターン62に接続された取出パターン64と、各取出パターン64に接続され、各透明導電パターン62からの信号を外部へ取り出すための端子部65と、をさらに有していてもよい。これら取出パターン64および端子部65は、タッチパネルセンサ60のうち表示パネルからの映像光が通過しない領域、いわゆる額縁領域に配置されている。このため、取出パターン64および端子部65を構成する材料が透明性を有する必要はない。従って、取出パターン64および端子部65は一般に、透明導電パターン62を構成する導電性酸化物よりも高い電気伝導率を有する金属層から構成される。金属層を構成する材料としては、上述のように、APC合金などの銀合金が用いられる。
このような取出パターン64および端子部65を形成する方法が特に限られることはなく、フォトリソグラフィー法や印刷法が適宜用いられる。例えば、はじめに積層体10の透明導電層18上に金属層(図示せず)を形成し、次に、フォトリソグラフィー法を用いて金属層および透明導電層18を順次または同時にエッチングすることにより、取出パターン64および端子部65と透明導電パターン62とが形成されてもよい。この場合、図11に示すように、取出パターン64と低屈折率層15との間に透明導電パターン62が介在されていてもよい。これによって、透明導電パターン62からの信号を取り出す際の電気抵抗をより小さくすることができる。なお、表示パネルからの映像光が通過する領域にある透明導電パターン62上に残っている金属層を取り除くためのエッチングにおいては、エッチング液として、金属層のみを選択的に溶解させるエッチング液が用いられ、例えば上述の燐硝酢酸溶液が用いられる。この場合、透明導電層18には、当該エッチング液に対する高い耐薬品性を有していることが求められる。
本実施の形態によれば、上述のように、一連の真空雰囲気の中で、透明導電層18の成膜処理およびアニール処理が実施される。またアニール処理の際、真空状態に保たれたアニール室41において、水蒸気分圧が適切に調整されている。これによって、透明導電層18の結晶化を促進することができ、このため、低い電気抵抗値および高い耐薬品性を有する多結晶状態の透明導電層18を効率良く得ることができる。また本実施の形態によれば、上述の耐酸性評価工程およびエッチング特性評価工程を実施することにより、積層体10の透明導電層18の結晶状態を適切に確認することができる。このため本実施の形態によれば、適度な結晶性を有する透明導電層18を備えた積層体を提供することができる。このことにより、十分な特性を有する積層体10や電子部品を、高い製造効率を維持しながら製造することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
上述の本実施の形態において、酸化珪素層17が、透明導電パターン62が設けられている領域および透明導電パターン62が設けられていない領域のいずれとも重なるよう設けられる例を示した。すなわち、積層体10を用いてタッチパネルセンサ60を作製する際、酸化珪素層17がパターニングされない例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図12に示すように、酸化珪素層17は、透明導電パターン62に対応したパターンを有するよう、タッチパネルセンサ60の製造工程においてパターニングされてもよい。この場合、酸化珪素層17の厚みや屈折率を調整することにより、透明導電パターン62が設けられていない領域における反射率や透過率に影響を与えることなく、透明導電パターン62が設けられている領域の反射率や透過率のみを調整することができる。このため、透明導電パターン62が設けられている領域の反射率や屈折率と、透明導電パターン62が設けられていない領域の反射率や屈折率との間の差を、より精密かつ容易に設定することができる。
図12に示すように酸化珪素層17をパターニングするための方法が特に限られることはなく、公知の方法が適宜用いられ得る。例えば、透明導電パターン62をマスクとして酸化珪素層17をエッチングすることにより、酸化珪素層17をパターニングすることができる。酸化珪素層17をエッチングするための液としては、例えばアルカリ性の溶液を用いることができる。この際、上述のように低屈折率層16の低屈折率材料の粒子は有機樹脂によって被覆されているため、低屈折率層16はエッチングされ難い。また、積層体10の高屈折率層15や低屈折率層16における、アルカリ性の溶液に対する耐性が、上述の評価によって確認されていることが好ましい。これによって、酸化珪素層17をエッチングする際に、高屈折率層15や低屈折率層16が有意には溶解されないことを確実にすることができる。
また本実施の形態において、積層体製造装置1によって製造される積層体10の一例として、中間積層体11の一方の側にのみ中間層14および透明導電層18が形成された積層体10を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図13に示すように、積層体製造装置1が、基材フィルム12の一方の側および他方の側の両方にそれぞれ中間層14および透明導電層18が形成された積層体10を製造してもよい。図13に示す積層体10を製造する方法が特に限られることはない。
例えば、はじめに、基材フィルム12の両側に高屈折率層15および低屈折率層16が形成された中間積層体11を準備する。次に、中間積層体11を巻出装置20から成膜装置30およびアニール装置40を介して巻取装置50に搬送する間に、基材フィルム12の一方の側に成膜処理およびアニール処理を施し、これによって、基材フィルム12の一方の側に酸化珪素層17および透明導電層18を形成する。次に、一方の側に酸化珪素層17および透明導電層18が形成された中間積層体11を、巻出装置20に搬入する。その後、再び中間積層体11を巻出装置20から成膜装置30およびアニール装置40を介して巻取装置50に搬送する間に、中間積層体11の他方の側に成膜処理およびアニール処理を施し、これによって、中間積層体11の他方の側に酸化珪素層17および透明導電層18を形成する。このようにして、図13に示す積層体10が得られる。
若しくは、はじめに、基材フィルム12の両側に高屈折率層15および低屈折率層16が形成された中間積層体11を準備する。次に、中間積層体11の一方の側に成膜処理を施し、これによって、中間積層体11の一方の側に、酸化珪素層17および透明導電層18を形成する。次に、中間積層体11の他方の側に成膜処理を施し、これによって、中間積層体11の他方の側に、酸化珪素層17および透明導電層18を形成する。その後、一方の側および他方の側のそれぞれに酸化珪素層17および透明導電層18が形成された中間積層体11に対して、アニール処理を実施する。このようにして、図13に示す積層体10が得られる。
図14は、図13に示す積層体10をパターニングすることにより得られるタッチパネルセンサ60の一例を示す図である。この場合、基材フィルム12の両側に透明導電層18が形成されている。このため、例えば、基材フィルム12の一方の側の透明導電層18をパターニングすることにより、横方向に延びる透明導電パターン62を形成し、基材フィルム12の他方の側の透明導電層18をパターニングすることにより、縦方向に延びる透明導電パターン62を形成することができる。このように基材フィルム12の両側に透明導電層18を設けることにより、様々なタイプのタッチパネルセンサ60を形成することが可能となる。
なお、上述した各実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 積層体製造装置
10 積層体
11 中間積層体
12 基材フィルム
13 ハードコート層
14 中間層
15 高屈折率層
16 低屈折率層
17 酸化珪素層
18 透明導電層
20 巻出装置
30 成膜装置
40 アニール装置
50 巻取装置
60 タッチパネルセンサ
62 透明導電パターン

Claims (9)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の側に設けられ、ITOから構成される透明導電層と、を備えた積層体であって、
    前記積層体の前記透明導電層を23℃の燐硝酢酸溶液に10分間浸漬させた前後での、前記透明導電層の抵抗値の変化率が−10〜+10%の範囲内であり、前記燐硝酢酸溶液は、71.5重量%の燐酸と、1.2重量%の硝酸と、13.8重量%の酢酸と、水と、を含むものであり、
    前記積層体の前記透明導電層を40℃の塩化第二鉄溶液に浸漬させた場合に、前記透明導電層がエッチングされる速度が、2〜15nm/minの範囲内であり、前記塩化第二鉄溶液は、1重量%の塩酸と、50重量%の塩化第二鉄と、水と、を含むものである、積層体。
  2. 前記基材フィルムと前記透明導電層との間に配置され、積層体の光学特性を調整する中間層をさらに備え、
    前記中間層は、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する低屈折率層と、前記低屈折率層と前記透明導電層との間に配置されるとともに酸化珪素から構成され、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する酸化珪素層と、を備え、
    前記低屈折率層の屈折率と、前記酸化珪素層の屈折率との間の差が、−0.05〜+0.05の範囲内である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記低屈折率層は、有機樹脂と、有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子と、を含む、請求項2に記載の積層体。
  4. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の側に設けられ、ITOから構成される透明導電層と、を備えた積層体を製造する方法であって、
    前記基材フィルムの一方の側に、成膜装置を用いて前記透明導電層を形成する成膜工程と、
    アニール装置を用いて前記透明導電層をアニール処理するアニール工程と、を備え、
    前記基材フィルムが前記成膜装置から前記アニール装置に至るまでの間、前記基材フィルムの周囲の雰囲気が真空状態に保たれており、
    前記積層体の前記透明導電層を23℃の燐硝酢酸溶液に10分間浸漬させた前後での、前記透明導電層の抵抗値の変化率が−10〜+10%の範囲内であり、前記燐硝酢酸溶液は、71.5重量%の燐酸と、1.2重量%の硝酸と、13.8重量%の酢酸と、水と、を含むものであり、
    前記積層体の前記透明導電層を40℃の塩化第二鉄溶液に浸漬させた場合に、前記透明導電層がエッチングされる速度が、2〜15nm/minの範囲内であり、前記塩化第二鉄溶液は、1重量%の塩酸と、50重量%の塩化第二鉄と、水と、を含むものである、積層体製造方法。
  5. 前記成膜工程の前に、前記基材フィルムの少なくとも一方の側に、積層体の光学特性を調整する中間層を形成する工程をさらに備え、
    前記中間層を形成する工程は、基材フィルムの一方の側に、低屈折率材料を含む塗布液を塗布することによって、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する低屈折率層を形成する工程と、酸化珪素から構成され、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する酸化珪素層を、物理的気相成長法によって前記低屈折率層上に形成する工程と、を備え、
    前記低屈折率層の屈折率と、前記酸化珪素層の屈折率との間の差が、−0.05〜+0.05の範囲内である、請求項4に記載の積層体製造方法。
  6. 前記低屈折率層は、基材フィルムの一方の側に、有機樹脂および有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子を含む塗布液を塗布することによって形成される、請求項5に記載の積層体製造方法。
  7. 基材フィルムと、
    前記基材フィルムに所定のパターンで設けられ、透光性および導電性を有するITOから構成された透明導電パターンと、を備え、
    前記透明導電パターンは、請求項1に記載の積層体の透明導電層をパターニングすることにより得られたものである、フィルムセンサ。
  8. 基材フィルムと、
    前記基材フィルムの少なくとも一方の側に設けられた中間層と、
    前記中間層の一方の側に所定のパターンで設けられ、透光性および導電性を有する透明導電パターンと、を備え、
    前記中間層は、有機樹脂および有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子を含み、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する低屈折率層と、前記低屈折率層と前記透明導電パターンとの間に配置されるとともに酸化珪素から構成され、前記基材フィルムよりも小さい屈折率を有する酸化珪素層と、を備え、
    前記低屈折率層の屈折率と、前記酸化珪素層の屈折率との間の差が、−0.05〜+0.05の範囲内である、フィルムセンサ。
  9. 前記低屈折率層は、前記透明導電パターンが設けられている領域および前記透明導電パターンが設けられていない領域のいずれとも重なるよう設けられており、
    前記酸化珪素層は、前記透明導電パターンに対応したパターンで設けられている、請求項8に記載のフィルムセンサ。
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