JP5897916B2 - ビタミン含有錠剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビタミン含有錠剤及びその製造方法に関する。
従来、ビタミンB群を含んだサプリメントは市場に多く流通しているが、ビタミンB群の原料(例えば、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンなど)は、原料そのものに流動性や圧縮成形性に乏しい原料が多く、錠剤に加工するために多くの結合剤を必要としていた。
そのため、従来のビタミンB群含有錠剤は、比較的大きい形状をしたものが多くなり、消費者にとって飲み込みにくい錠剤形状となっていることが多いという問題がある。
この問題に加えて、打錠成形時に質量のばらつきやキャッピング等の打錠障害をきたす場合が多いという問題がある。
これまでに、ビタミンBを湿式法などで顆粒状とし、これにビタミンBなどの他の有効成分及び添加剤を加えて造粒することにより、1錠中の全有効成分の含量が65重量%〜80重量%であっても安定性の良好なビタミン含有錠剤が得られることが開示されている(特許文献1参照)。
また、ビタミンB群の粉末を流動層造粒装置で少量の結合剤で造粒することにより、少量の賦形剤で打錠できる顆粒が得られ、しかもこの顆粒から得られた錠剤は、充分な硬度を有することが開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、流動性及び圧縮成形性が悪い成分(ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン等)に起因する錠剤の質量ばらつき及びキャッピングの発生を更に防止でき、錠剤を成形するための結合剤が低減された消費者が飲み込み易いビタミン含有錠剤の提供が求められているが、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
特開平09−169651号公報 特公平07−51504号公報
そこで、本発明者が、前記従来における諸問題を解決すべく、鋭意検討したところ、ビタミンB群を高含有させて錠剤化しようとしても、パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれかの含有量が8質量%以上の高含有量となると、従来における前記諸問題に加えて、更に、打錠時にスティッキング及び錠剤表面のシミが発生し、不良錠となるという問題が生ずることを新たに見出した。
本発明は、従来における前記諸問題及び本発明者が新たに見出した前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、流動性及び圧縮成形性が悪い成分(ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン等)に起因する錠剤の質量ばらつき及びキャッピングの発生を防止でき、パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれかを高含有する際に生じる錠剤のスティッキング及び錠剤表面のシミの発生を防止し、低コストで効率良く製造可能であり、結合剤の含有量を低減して飲み込み易いビタミン含有錠剤を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を解決すべく、鋭意検討した結果、パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれかの含有量が8質量%以上の高含有量であっても、湿式造粒してなり、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンを錠剤に対して1質量%〜15質量%含有させることにより、流動性及び圧縮成形性が悪い成分(ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン等)に起因する錠剤の質量ばらつき及びキャッピングの発生を防止できることに加えて、パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれかを高含有する際に生じる錠剤のスティッキング及び錠剤表面のシミの発生を防止し、低コストで効率良く製造可能であり、結合剤の含有量を低減して飲み込み易いビタミン含有錠剤を提供することができることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 湿式造粒してなるビタミン含有錠剤であって、
(A)パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれかと、
(B)ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、葉酸、及びビオチンの少なくとも1種と、
(C)内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンと、
(D)結合剤と、を含み、
前記(A)成分の含有量が8質量%以上、且つ前記(C)成分の含有量が1質量%〜15質量%であることを特徴とするビタミン含有錠剤である。
<2> (C)グルカンの含有量が、2質量%〜10質量%である前記<1>に記載のビタミン含有錠剤である。
<3> (C)グルカン及び(D)結合剤の総含有量(C+D)が、30質量%未満である前記<1>から<2>のいずれかに記載のビタミン含有錠剤である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のビタミン含有錠剤の製造方法であって、
(A)パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれかと、
(B)ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、葉酸、及びビオチンの少なくとも1種と、
(D)結合剤と、を混合し、湿式造粒して造粒物を得る造粒工程と、
前記造粒物に、(C)内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンを添加し、混合して混合物を得る添加混合工程とを含むことを特徴とするビタミン含有錠剤の製造方法である。
<5> 湿式造粒が、35℃〜60℃で行われ、且つ造粒物を50℃〜70℃で乾燥する前記<4>に記載のビタミン含有錠剤の製造方法である。
<6> 湿式造粒が、流動層造粒である前記<4>から<5>のいずれかに記載のビタミン含有錠剤の製造方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、流動性及び圧縮成形性が悪い成分(ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン等)に起因する錠剤の質量ばらつき及びキャッピングの発生を防止でき、パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれかを高含有する際に生じる錠剤のスティッキング及び錠剤表面のシミの発生を防止し、低コストで効率良く製造可能であり、結合剤の含有量を低減して飲み込み易いビタミン含有錠剤を提供することができる。
図1は、錠剤表面のシミを評価したビタミン含有錠剤の一例を示す写真である。
(ビタミン含有錠剤)
本発明のビタミン含有錠剤(以下、単に「錠剤」と称することがある)は、パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれか(以下、「(A)成分」と称することがある)と、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、葉酸、及びビオチンの少なくとも1種(以下、「(B)成分」と称することがある)と、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカン(以下、「(C)成分」と称することがある)と、結合剤(以下、「(D)成分」と称することがある)とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。本発明のビタミン含有錠剤は、湿式造粒してなり、好ましくは、後述の本発明のビタミン含有錠剤の製造方法により製造される。
<(A)パントテン酸及び/又はナイアシン>
パントテン酸(「ビタミンB」と称する場合がある。)及びナイアシン(「ビタミンB」と称する場合がある。)は、いずれもビタミンB群の1種である。なお、前記パントテン酸は、油っぽい性質の粉末であり、吸湿性を有する。また、前記ナイアシンは、結晶性の粉末であり、吸湿性を有する。
前記(A)成分の前記錠剤における含有量は、8質量%以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%〜18質量%が好ましく、12質量%〜16質量%がより好ましい。前記(A)成分の含有量が、前記好ましい範囲内であると、スティッキングやキャッピング等の打錠障害がより発生しにくい点で有利である。
前記パントテン酸の原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パントテン酸;パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム等のパントテン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、パントテン酸カルシウムが操作性の点で好ましい。
前記ナイアシンの原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニコチン酸;ニコチン酸アミド;ニコチン酸誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ニコチン酸アミドが操作性の点で好ましい。
<(B)ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、葉酸、及びビオチン>
前記ビタミンBの原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チアミン;チアミン硝酸塩、チアミン塩酸塩等のチアミンの塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビタミンBの原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リボフラビン;リボフラビン酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム等のリボフラビン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビタミンBの原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビタミンB12の原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コバラミン;ヒドロキソコバラミン、アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、シアノコバラミン、スルフィトコバラミン等のコバラミン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記葉酸(「ビタミンB」と称する場合がある。)の原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉酸;葉酸カルシウム等の葉酸の塩;5−メチルテトラヒドロ葉酸カルシウム、5−メチルテトラヒドロ葉酸等の葉酸誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビオチン(「ビタミンB」と称する場合がある。)の原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビオチンなどが挙げられる。
−ビタミンB群−
「ビタミンB群」は、前記パントテン酸、前記ナイアシン、前記ビタミンB、前記ビタミンB、前記ビタミンB、前記ビタミンB12、前記葉酸、前記ビオチンなどの総称である。
前記(B)成分(ビタミンB群)の前記錠剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有効成分の質量換算、及び/又は、原料の質量換算で、10質量%〜85質量%が好ましく、15質量%〜75質量%がより好ましい。
<(C)グルカン>
前記グルカンは、「内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカン」及び/又はその誘導体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、具体的には、特開平8−134104号公報に記載の「内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカン」が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記(C)成分の重合度が50未満であると、水分や油分の吸着能が低下することがある。
また、前記(C)成分としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、クラスターデキストリン(登録商標)(江崎グリコ株式会社製)などが挙げられる。前記クラスターデキストリンは、環状構造を有する高分子デキストリンである。
前記(C)成分の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とを有する糖類と、該糖類に作用して環状構造を形成し得る酵素(例えば、サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ)とを反応させることを含む方法などが挙げられる。
ここで、「内分岐環状構造部分」とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分をいう。また、「外分岐構造部分」とは、前記内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分をいう。
前記「重合度」は、ゲル濾過によって、重合度が既知のアミロースの溶出位置から示差屈折計を用いて測定され得る。さらに、示差屈折計と低角度レーザー光散乱光度計とを併用して、次の原理により重合度が決定され得る。示差屈折計の出力は、前記グルカンの濃度に比例し、低角度レーザー光散乱計の出力は、前記グルカンの重合度と濃度との積に比例する。したがって、両検出器の出力の比を測定することにより、前記グルカンの重合度が決定され得る。
前記(C)成分が、内分岐環状構造を有していることは、以下の(1)から(6)の性質で確認され得る。
(1)還元性末端数は、原料(澱粉など)と比較して増加しない。即ち、還元末端を検出することができない。上記還元末端数の定量は、Hizukuriら、Carbohydr. Res. 94:205−213(1981)の改変パークジョンソン法により行い得る。
(2)エキソ型アミラーゼであるグルコアミラーゼを作用させると、グルコアミラーゼ耐性成分が残る。その成分は、脱リン酸化酵素(シグマ社製)を作用させた後にさらにグルコアミラーゼを作用させても分解されない。
(3)前記グルコアミラーゼ耐性成分は、澱粉中のα−1,6−グルコシド結合を加水分解するイソアミラーゼ(株式会社林原生化学研究所製)により分解され、グルコアミラーゼの作用を受けるようになる。
(4)前記グルコアミラーゼ耐性成分は、澱粉中のα−1,4−グルコシド結合を加水分解するエンド型α−アミラーゼ(ナガセ生化学工業株式会社製)により分解され、グルコアミラーゼの作用を受けるようになる。
(5)前記(4)のエンド型α−アミラーゼによる加水分解により、イソマルトシルマルトース(IMM)を生じる。α−1,6−グルコシド結合を有するグルカンにエンド型α−アミラーゼを作用させた場合の最小のリミットデキストリンは、IMMである(Yamamoto,T.、Handbook of amylase and related emzymes、Pergamon Press、p40−45(1988))との記載と一致する。
(6)前記グルコアミラーゼ耐性成分の分子量をレーザーイオン化TOF−MS装置(株式会社島津製作所製)で分析すると、得られた分子量の値は、環状グルカンの理論値に一致し、非環状のグルカンの理論値に一致しない。
前記(C)成分の前記錠剤における含有量としては、1質量%〜15質量%であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%超え15質量%以下が好ましく、錠剤表面のシミの抑制作用に優れる点で、2質量%〜15質量%がより好ましく、錠剤硬度の点で、2質量%〜10質量%が更に好ましく、4質量%〜10質量%が特に好ましい。前記(C)成分の含有量が、1質量%未満であると、スティッキングやシミの発生を起こすことがあり、15質量%を超えると、硬度低下もしくはキャッピングを起こすことがある。一方、前記グルカンの含有量が、前記より好ましい範囲内であると、前記錠剤の硬度、打錠障害の抑制に優れる点で有利である。
<(D)結合剤>
前記結合剤(前記グルカン以外の結合剤)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デキストリン、天然多糖類、結晶セルロース、結晶セルロース・軽質無水ケイ酸(結晶セルロースに軽質無水ケイ酸を付着させたもの)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、還元麦芽糖水あめ、キシリトール等の糖アルコール、大豆多糖類、とうもろこしタンパクなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(D)成分としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、パインデックス(登録商標)#100、パインデックス(登録商標)#4(いずれも松谷化学工業株式会社製)等のデキストリン;デンプンを原料とし、マルトトリオースが規則正しくα−1,6−グルコシド結合したプルラン等の天然多糖類;セオラス(登録商標)ST−100、セオラス(登録商標)UF−F711、セオラス(登録商標)UF−F702(いずれも旭化成ケミカルズ株式会社製)等の結晶セルロース;NUTRASOLV 90F(木村産業株式会社製)等の結晶セルロース・軽質無水ケイ酸;アマルティMR100、アマルティMR50(いずれも三菱商事フードテック株式会社製)等の還元麦芽糖水あめ;キシリット微粉(三菱商事フードテック社製)等のキシリトール;ヘミロース(フロイント産業株式会社製)等の大豆多糖類;ツェイン(昭和産業株式会社製)等のとうもろこしタンパクなどが挙げられる。
前記(D)成分の前記錠剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜21質量%が好ましく、8質量%〜17質量%がより好ましい。前記(D)成分の含有量が、5質量%未満であると、十分な錠剤硬度が得られないことがあり、21質量%を超えると、所望の錠剤質量に収まらないことがある。
前記(C)成分の含有量と、前記(D)成分の含有量との総含有量(C+D)100質量部に対する前記(C)成分の含有量((C)/〔(C)+(D)〕)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、錠剤表面のシミの抑制作用に優れる点で、1質量部〜80質量部が好ましく、4.5質量部〜75質量部がより好ましく、錠剤硬度の点で、20質量部〜50質量部が特に好ましい。
前記錠剤における、前記(C)成分の含有量と、前記(D)成分の含有量との総含有量(C+D)としては、錠剤を成形するための結合剤が低減された飲み込み易い錠剤を提供できる点で、30質量%未満が好ましく、5質量%〜25質量%がより好ましく、10質量%〜22質量%が特に好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イノシトール等のビタミンB様物質;ビタミンA、ビタミンC等のビタミンB群以外のビタミン群;滑沢剤;崩壊剤;賦形剤などが挙げられる。
前記滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、微粒二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、植物油脂、硬化油などが挙げられる。
前記賦形剤としては、例えば、乳糖、ビール酵母、デキストリン、コーンスターチ等の澱粉などが挙げられる。
(ビタミン含有錠剤の製造方法)
本発明のビタミン含有錠剤の製造方法は、造粒工程と、添加混合工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択した、乾燥工程、打錠成形工程などのその他の工程を含む。
<造粒工程>
前記造粒工程は、前記パントテン酸及び前記ナイアシンの少なくともいずれか((A)成分)と、前記ビタミンB、前記ビタミンB、前記ビタミンB、前記ビタミンB12、前記葉酸、及び前記ビオチンの少なくとも1種((B)成分)と、前記結合剤((D)成分)とを混合し、湿式造粒して造粒物を得る工程である。
ここで、前記錠剤において、前記(A)成分の含有量が8質量%以上であることを必要とする。また、前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(D)成分については、上述の本発明のビタミン含有錠剤において説明した内容を全て適用することができる。
前記湿式造粒の方法としては、上記の成分が造粒される限り、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法を適宜選択することができ、例えば、練合、捏和、攪拌、噴霧などが挙げられる。これらの中でも、攪拌造粒法、流動層造粒法等の湿式造粒法であることが好ましく、前記流動層造粒法がより好ましい。また、前記流動層造粒法の好ましい条件としては、パントテン酸の物性変化を生じさせない観点から、造粒時の温度が、35℃〜60℃、より好ましくは50℃〜55℃で行われ、且つ、前記造粒物を50℃〜70℃(より好ましくは55℃〜65℃)で乾燥することが好ましい。
前記造粒に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、攪拌造粒装置(例えば、バーチカルグラニュレーター、株式会社パウレック製)、流動層造粒装置(例えば、転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)などが挙げられる。
なお、前記流動層造粒時の温度は、前記装置を用いる場合、給気温度を意味する。
<添加混合工程>
前記添加混合工程は、前記造粒物に、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカン((C)成分)を添加し、混合して混合物を得る工程である。このとき、必要に応じて、更に前記その他の成分や、錠剤を加工するにあたり通常用いられる原料等を添加してもよい。なお、前記(C)成分については、上述の本発明のビタミン含有錠剤において説明した内容を全て適用することができる。
前記混合する方法としては、特に制限はなく、常法により混合することができる。前記混合には、装置を用いることができ、該装置としては、例えば、コンテナタンブラー(山崎金属産業株式会社製)、V型混合機(株式会社徳寿工作所製)、ボーレコンテナミキサー(寿工業株式会社製)などが挙げられる。
ここで、前記錠剤において、前記(C)成分の含有量が1質量%〜15質量%であることを必要とする。また、前記(C)成分については、上述の本発明のビタミン含有錠剤において説明した内容を全て適用することができる。
<その他の工程>
<<打錠成形工程>>
前記打錠成形工程は、前記添加混合工程において得られた混合物を、打錠成形する工程である。
前記打錠成形工程における充填加圧時の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、8kg/cm〜18kg/cmが好ましく、12kg/cm〜16kg/cmがより好ましい。前記圧力が、8kg/cm未満であると、十分な硬度が得られず錠剤がもろくなることや、スティッキングが発生することがあり、18kg/cmを超えると、キャッピングが発生することがある。一方、前記圧力が、前記より好ましい範囲であると、十分な硬度の錠剤が得られ、スティッキングやキャッピングの発生を抑制できるなど、打錠障害を抑制することができる点で有利である。
前記打錠成形に用いる装置としては、例えば、打錠機(HT−APSS型、HT−AP−MS型、HT−X−SS型、HT−X−MS型(以上、株式会社畑鉄工所製)、VIRGO、AQUARIUS、LIBRA(以上、株式会社菊水製作所製))などが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
参考例1)
(1)顆粒の調製(造粒工程)
−造粒用末の調製−
造粒用末あたり、下記組成及び配合量となるように混合し、造粒用末とした。
[造粒用末の組成及び配合量]
・パントテン酸 26.02質量%
(パントテン酸カルシウム、第一ファインケミカル株式会社製)
・ナイアシン 22.64質量%
(ニコチン酸アミド、VERTELLUS SPECIALTIES INC.製)
・ビタミンB(チアミン硝酸塩、BASFジャパン株式会社製) 18.72質量%
・ビタミンB 23.71質量%
(ピリドキシン塩酸塩、DSMニュートリションジャパン社製)
・デキストリン 8.91質量%
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
合計 100質量%
−造粒用噴霧液の調製−
造粒用噴霧液として、プルラン(林原商事社製)を準備し、その8質量%水溶液を調製して結合液を得た。
−ビタミンB群含有顆粒の調製−
流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)を用いて、前記造粒用末に、前記結合液を、ビタミンB群含有顆粒中の前記プルランの含有量が0.6質量%となるように均一に散布しながら、常法(流動層造粒法)に従い造粒加工した。その際、給気温度を45℃程度とし、噴霧液の噴霧速度を3ml/分間〜5ml/分間とした。
得られた造粒物を水分が2質量%以下になるまで65℃にて乾燥し、乾燥後、目開きが1.00mmの篩を用いて整粒を行い、篩の透過物からビタミンB群含有顆粒を得た。
(2)錠剤の調製(添加工程)
−打錠末の調製−
錠剤質量に対して、下記組成及び配合量を、1粒質量が330mgとなるよう適宜配合し、これらを混合して打錠末を得た。
[打錠末の組成及び配合量]
・前記造粒工程で得られたビタミンB群含有顆粒 56.45質量%
・ビタミンB(リボフラビン、BASFジャパン株式会社製) 10.8質量%
・ビタミンB12・1,000倍散(オルガノ株式会社製) 8.7質量%
・葉酸(DSMニュートリションジャパン社社製) 0.07質量%
・ビオチン100倍散(田辺三菱製薬株式会社製) 1.43質量%
・グルカン 1.0質量%
(クラスターデキストリン(登録商標)(江崎グリコ株式会社製))
・結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製) 20.05質量%
ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 1.5質量%
合計 100質量%
−ビタミン含有錠剤の調製−
打錠機(HT−AP12SS−U、株式会社畑鉄工所製)を用い、常法により前記打錠末を15kg/cmの圧力で充填加圧して打錠加工し、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、330mg/錠の丸錠である参考例1のビタミン含有錠剤を得た。
(実施例2)
参考例1において、(2)錠剤の調製(添加工程)のグルカン(クラスターデキストリン(登録商標))の配合量を、1.0質量%から5.0質量%に変え、結晶セルロースの配合量を、20.05質量%から16.05質量%に変えたこと以外は、参考例1と同様の方法で、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、330mg/錠の丸錠である実施例2のビタミン含有錠剤を得た。
(実施例3)
参考例1において、(2)錠剤の調製(添加工程)のグルカン(クラスターデキストリン(登録商標))の配合量を、1.0質量%から10.0質量%に変え、結晶セルロースの配合量を、20.05質量%から11.05質量%に変えたこと以外は、参考例1と同様の方法で、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、330mg/錠の丸錠である実施例3のビタミン含有錠剤を得た。
(実施例4)
参考例1において、(2)錠剤の調製(添加工程)のグルカン(クラスターデキストリン(登録商標))の配合量を、1.0質量%から15.0質量%に変え、結晶セルロースの配合量を、20.05質量%から6.05質量%に変えたこと以外は、参考例1と同様の方法で、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、330mg/錠の丸錠である実施例4のビタミン含有錠剤を得た。
(比較例1)
参考例1において、(2)錠剤の調製(添加工程)のグルカン(クラスターデキストリン(登録商標))1.0質量%を配合せず、結晶セルロースの配合量を、20.05質量%から21.05質量%に変えたこと以外は、参考例1と同様の方法で、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、330mg/錠の丸錠である比較例1のビタミン含有錠剤を得た。
(比較例2)
顆粒の調製(造粒工程)を行わず、下記組成及び配合量を、直接混合して15kg/cmの圧力で充填加圧して打錠加工し(直接打錠法)、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、330mg/錠の丸錠である比較例2のビタミン含有錠剤を得た。なお、比較例2では、下記組成に示すように、クラスターデキストリンは添加しなかった。
[ビタミン含有錠剤の組成及び配合量]
・パントテン酸 14.6質量%
(パントテン酸カルシウム、第一ファインケミカル株式会社製)
・ナイアシン 12.7質量%
(ニコチン酸アミド、VERTELLUS SPECIALTIES INC.製)
・ビタミンB(チアミン硝酸塩、BASFジャパン株式会社製) 10.5質量%
・ビタミンB(リボフラビン、BASFジャパン株式会社製) 10.8質量%
・ビタミンB 13.3質量%
(ピリドキシン塩酸塩、DSMニュートリションジャパン社製)
・ビタミンB12・1,000倍散(オルガノ株式会社製) 8.7質量%
・葉酸(DSMニュートリションジャパン社社製) 0.07質量%
・ビオチン100倍散(田辺三菱製薬株式会社製) 1.43質量%
・デキストリン 5.0質量%
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
・結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製) 21.4質量%
ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 1.5質量%
合計 100質量%
(比較例3)
比較例2において、組成にグルカン(クラスターデキストリン(登録商標)(江崎グリコ株式会社製))1.0質量%を更に添加し、結晶セルロースの配合量を、21.4質量%から20.4質量%に変えたこと以外は、比較例2と同様の方法で、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、330mg/錠の丸錠である比較例3のビタミン含有錠剤を得た。
(比較例4)
比較例2において、組成にグルカン(クラスターデキストリン(登録商標)(江崎グリコ株式会社製))5.0質量%を更に添加し、結晶セルロースの配合量を、21.4質量%から16.4質量%に変えたこと以外は、比較例2と同様の方法で、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、330mg/錠の丸錠である比較例4のビタミン含有錠剤を得た。
(比較例5)
比較例2において、組成にグルカン(クラスターデキストリン(登録商標)(江崎グリコ株式会社製))10.0質量%を更に添加し、結晶セルロースの配合量を、21.4質量%から11.4質量%に変えたこと以外は、比較例2と同様の方法で、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、330mg/錠の丸錠である比較例4のビタミン含有錠剤を得た。
(比較例6)
(1)顆粒の調製(造粒工程)
−造粒用末の調製−
造粒用末あたり、下記組成及び配合量となるように混合し、造粒用末とした。
[造粒用末の組成及び配合量]
・パントテン酸 43.98質量%
(パントテン酸カルシウム、第一ファインケミカル株式会社製)
・ナイアシン 38.25質量%
(ニコチン酸アミド、VERTELLUS SPECIALTIES INC.製)
結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製) 17.77質量%
合計 100質量%
−顆粒の調製−
乾式造粒機(ローラーコンパクターTF−LABO、フロイント産業株式会社製)を用い、前記造粒用末を用いて、常法(乾式造粒法)に従い造粒加工した。
(2)錠剤の調製(添加工程)
−打錠末の調製−
錠剤質量に対して、下記組成及び配合量を、1粒の質量が330mgとなるよう適宜配合し、これらを混合して打錠末を得た。
[打錠末の組成及び配合量]
・前記造粒工程で得られた顆粒 33.2質量%
・ビタミンB(チアミン硝酸塩、BASFジャパン株式会社製) 10.5質量%
・ビタミンB(リボフラビン、BASFジャパン株式会社製) 10.8質量%
・ビタミンB 13.3質量%
(ピリドキシン塩酸塩、DSMニュートリションジャパン社製)
・ビタミンB12・1,000倍散(オルガノ株式会社製) 8.7質量%
・葉酸(DSMニュートリションジャパン社社製) 0.07質量%
・ビオチン100倍散(田辺三菱製薬株式会社製) 1.43質量%
・グルカン 7.0質量%
(クラスターデキストリン(登録商標)(江崎グリコ株式会社製))
・結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製) 13.5質量%
ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 1.5質量%
合計 100質量%
−ビタミン含有錠剤の調製−
打錠機(HT−AP12SS−U、株式会社畑鉄工所製)を用い、常法により前記打錠末を15kg/cmの圧力で充填加圧して打錠加工し、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、330mg/錠の丸錠である比較例6のビタミン含有錠剤を得た。
<打錠末及び錠剤物性の評価>
参考例1、及び実施例2〜4、並びに比較例1〜6で得られた打錠末及びビタミン含有錠剤の物性について、下記の通り、(1)打錠末の流動性、(2)錠剤質量ばらつき、(3)キャッピング、(4)スティッキング、及び(5)錠剤表面のシミの5項目を評価した。
<<(1)打錠末の流動性>>
打錠末の流動性の評価としては、円筒回転法 安息角測定器(筒井理化学器械株式会社製)にて安息角を測定し、下記の評価基準に従って評価を行った。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
○:安息角が44°以下(流動性が良い)
△:安息角が44°超え、且つ52°以下(流動性は普通)
×:安息角が52°超え(流動性が悪い)
<<(2)錠剤質量ばらつき>>
錠剤質量ばらつきの評価としては、錠剤質量(N=10)を測定して測定平均値を求め、下記の評価基準に従って評価を行った。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
○:測定平均値に対して全ての錠剤が±3mg以内である(ばらつきが非常に少ない)
△:測定平均値に対して±3mgを超える錠剤があるが、
全ての錠剤が±5mg以内である(ばらつきが少ない)
×:測定平均値に対して±5mgを超える錠剤がある(ばらつきがある)
<<(3)キャッピング>>
キャッピングの評価としては、錠剤20粒を適当な茶瓶に投入後、瓶を手で上下に30回振った後に錠剤を取り出した際の、割れている錠剤の数を数え、下記の評価基準に従って評価を行った。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
○:割れた錠剤数が0粒である(キャッピングが生じない)
△:割れた錠剤数が1粒〜5粒である(キャッピングが僅かに生じる)
×:割れた錠剤数が6粒以上である(キャッピングが多く生じる)
<<(4)スティッキング>>
スティッキングの評価としては、15分間の打錠を行い、下記の評価基準に従って評価を行った。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
○:打錠終了後も打錠機の杵表面中心部に付着が見られない
(スティッキングが生じない)
△:打錠開始後5分間から打錠終了直前までに杵表面中心部に付着が見られた
(スティッキングが僅かに生じる)
×:打錠開始後5分間以内に杵表面中心部に付着が見られた
(スティッキングが杵全体に生じる)
<<(5)錠剤表面のシミ>>
錠剤表面のシミの評価としては、錠剤表面を観察し、下記の評価基準に従って評価を行った。結果を表1に示す。また、表面のシミを評価した錠剤の一例を図1に示す。
〔評価基準〕
◎:錠剤表面にシミが全く見られない
○:錠剤表面にシミが斑点として僅かに発生するが、外観上問題ない程度である。
△:錠剤表面のシミが錠剤の淵の辺りのみ及び/又は斑点として発生しているが、
シミの面積が錠剤表面の全面積の1/10未満である
×:錠剤表面に明らかにシミが見られる
(錠剤表面の全面積の1/10〜1/5程度にシミが見られる)
なお、表1において、「(A)」は(A)成分、「(B)」は(B)成分、「(C)」は(C)成分、「(D)」は(D)成分をそれぞれ表す。また、参考例1、及び実施例2〜4、並びに比較例1〜6の各成分の含有量は、上記各製造工程から、ビタミン含有錠剤中の各成分の全量を換算した値である。また、「(C)/[(C)+(D)]含有量」は、(C)成分と(D)成分の総含有量100質量部に対する(C)成分の含有量(質量部)を表す。
参考例1、及び実施例2〜4の結果で示されるように、湿式造粒法(流動層造粒法)で造粒を行い、クラスターデキストリン(グルカン)の含有量が錠剤質量に対して1質量%〜15質量%であると、打錠末の流動性、並びに、錠剤の質量ばらつき、キャッピング、スティッキング、及びシミの発生は低減でき、特にクラスターデキストリンの含有量が錠剤質量に対して5質量%〜15質量%である場合は、錠剤表面のシミの発生が大幅に抑制できた。なお、実施例4のようにクラスターデキストリンの含有量が錠剤質量に対して10質量%を超えた場合、錠剤表面のシミの発生は完全に抑制できたが、錠剤硬度が上がらない傾向を示すため、適度な添加量の調整が必要である。
一方、比較例1の結果で示されるように、流動層造粒法で造粒した場合であっても、クラスターデキストリンを添加しない場合は、錠剤表面のシミの発生は改善できなかった。
また、比較例2〜6の結果で示されるように、クラスターデキストリンを添加した場合であっても、流動層造粒法以外の方法で造粒した場合は、いずれの項目においても改善は認められなかった。

Claims (6)

  1. 湿式造粒してなるビタミン含有錠剤であって、
    (A)パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれかと、
    (B)ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、葉酸、及びビオチンの少なくとも1種と、
    (C)内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンと、
    (D)結合剤と、を含み、
    前記(A)成分の含有量が8質量%以上、且つ前記(C)成分の含有量が質量%〜15質量%であることを特徴とするビタミン含有錠剤。
  2. (A)パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれかと、
    (B)ビタミンB 、ビタミンB 、ビタミンB 、ビタミンB 12 、葉酸、及びビオチンの少なくとも1種と、
    (C)内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンと、
    (D)結合剤と、を含み、
    前記(A)成分の含有量が8質量%以上、且つ前記(C)成分の含有量が2質量%〜15質量%であることを特徴とする湿式造粒ビタミン含有錠剤。
  3. (C)グルカンの含有量が、2質量%〜10質量%である請求項1から2のいずれかに記載のビタミン含有錠剤。
  4. (C)グルカン及び(D)結合剤の総含有量(C+D)が、30質量%未満である
    請求項1から3のいずれかに記載のビタミン含有錠剤。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のビタミン含有錠剤の製造方法であって、
    (A)パントテン酸及びナイアシンの少なくともいずれかと、
    (B)ビタミンB 、ビタミンB 、ビタミンB 、ビタミンB 12 、葉酸、及びビオチンの少なくとも1種と、
    (D)結合剤と、を混合し、湿式造粒して造粒物を得る造粒工程と、
    前記造粒物に、(C)内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンを添加し、混合して混合物を得る添加混合工程とを含むことを特徴とするビタミン含有錠剤の製造方法。
  6. 湿式造粒が、35℃〜60℃で行われ、且つ造粒物を50℃〜70℃で乾燥する請求項5に記載のビタミン含有錠剤の製造方法。
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