JP5897908B2 - 薬剤プレススルーパック包装体 - Google Patents

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本発明は、シートのポケット部に固形薬剤を一個ずつ収容した薬剤プレススルーパック包装体に関する。
一般に、薬剤のプレススルーパック包装体(以下、PTP包装体と略称する)は、例えば図9及び図10(a)(b)に示すように、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる矩形の透明な基材シート11に設けた多数のポケット部12…,13…に、丸形錠剤M1やカプセル剤M2等の固形薬剤を一個ずつ収容すると共に、該基材シート11の背面側にアルミ箔等からなる可破断性の蓋フィルム21を貼着して封止したものであり、表面側に膨出したポケット部12,13を指先で押し潰すことにより、該ポケット部12,13内の固形薬剤が蓋フィルム14を突き破って放出されるようになっている。なお、図10及び図11において、P5は丸形錠剤用PTP包装体、P6はカプセル剤用PTP包装体である。
ところで、初期の薬剤PTP包装体は、基材シートに設けた縦横の分割線で手折りして1ポケット単位(薬剤1粒単位)に分離できるものであったが、その分離したPTP包装体を破封せずに丸ごと服用してしまい、基材シートの角で食道等の消化管を傷つけて出血したり、その傷から重篤な合併症を引き起こしたりする事故が多発していた。このため、近年の薬剤PTP包装体は、サイズ的に誤飲しにくいように、図9の破線cで示す横の分割線のみで2又は3ポケット単位にしか分離できない形にしている。ところが、このようにPTP包装体の分離単位が大きくなっても、特に高齢者の場合に分離したPTP包装体ごと服用することがあり、また1回分ずつの飲み薬に仕分けるために分離したPTP包装体を更に鋏等で1ポケット単位に切り離し、それを迂闊に飲み込んでしまう事例も少なくなかった。
そこで、本発明者等は先に、誤飲防止用として、例えば図13(a)(b)に示すように、平坦形態のPTP包装体10の両側部10a,10bを止着することにより、全体が蓋フィルム14を内面側とする筒状形態としたPTP包装体P7を提案している(特許文献1,2)。このような筒状形態の薬剤PTP包装体P7では、1〜3ポケット単位に分離できず、固形薬剤(図示は丸形錠剤M1)を取り出すには各ポケット部12を指で押し潰して破封するしかないから、服用者が破封せずに包装体ごと飲み込む懸念はない。なお、この筒状形態としては、図示した三角筒の他、円筒や四角筒以上の多角筒を含むと共に、三〜六角筒の複数本を接合一体化したものもある。
特開2011−25934号公報 特開2011−84295号公報
しかしながら、前記した従来汎用の平坦形態の薬剤PTP包装体P5,P6では、ポケット部12,13を指先で押し潰して破封するのにかなりの力を要し、指の力が弱い高齢者や傷病者では破封に困難をきたすという難点がある上、図11(a)及び図12(a)に示すように、破封状況によっては固形薬剤(丸形錠剤M1,カプセル剤M2)が蓋フィルム14の断裂片14aに引っ掛かり、ポケット部12,13から離脱しにくくなることが往々にしてあった。また、前記提案の筒状形態の薬剤PTP包装体P7では、既述のように確実な誤飲防止を果たせるが、破封の際に力を要することや破封状況によって固形薬剤(図示は丸形錠剤M1)が離脱しにくくなることは平坦形態の場合と同様である上、図14(a)(b)に示すように、取出口側(下部側)の複数のポケット部12が既に破封済みの状態で、奥側(上部側)のポケット部12を破封操作した際、筒内へ放出された固形薬剤が落下途中で周囲から内側へ張出している蓋フィルム14の断裂片14a…に引っ掛かって留まったり、破封済みで潰れたポケット部12に嵌まり込んだりすることがあった。
本発明者らは、上述の事情に鑑みて、従来の薬剤PTP包装体P5〜P7における破封状況を調べた結果、蓋フィルム14の断裂形状は一定しないが、概して二枚の大きな断裂片14a,14aを形成することが多く、これによって固形薬剤が離脱しにくくなることが判明した。例えば、丸形錠剤M1の場合、ポケット部12の蓋フィルム14の円形部分は、破封時に丸形錠剤M1によって押圧され、まず中央部から径方向に破断が進行し、次いで径方向の両端から基材シート11との接合境界に沿う円周方向へ破断してゆくため、図11(b1)の如き略Z字形の破断線21又は同図(c1)の如き略H字形の破断線22で二枚の断裂片14a,14aに分裂する。また、カプセル剤M2の場合、ポケット部13の蓋フィルム14の両端円弧で長細い部分は、カプセル剤M2によって押圧され、まず中央部から長手方向に破断が進行し、次いで円形両端に沿う破断に繋がるため、図12(b)の如き略H字形の破断線23で二枚の断裂片14a,14aに分裂する。従って、ポケット部12,13の押し潰し不足で両断裂片14a,14aの外側への開きが少ないとき、図11(b2)(c2)及び図12(b)の如く、外へ出かかった丸形錠剤M1やカプセル剤M2を両断裂片14a,14aが両側から抱え込む形になる。また、この破封操作では、蓋フィルム14の中央部の破断開始までに、かなりの押圧力が必要になる。更に、筒状形態の薬剤PTP包装体P7では、取出口側で破封済みのポケット部12における2枚の断裂片14a,14aの一方が下位側で上向き加減に張出している場合に、後の破封で筒内へ放出された固形薬剤が落下途中で引っ掛かり易くなる。
本発明は、上記の知見に基づき、薬剤PTP包装体として、ポケット部を軽く押圧するだけで簡単に破封して薬剤を確実に取り出すことができ、また筒状形態においても先の破封状況に影響されずに筒内に放出された固形薬剤を取出口から容易に受け取ることが可能なものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る薬剤PTP包装体P3,P4は、基材シート1の表面側へ膨出する複数のポケット部2…、3…に固形薬剤(丸形錠剤M1,カプセル剤M2)が一個ずつ収容され、これらポケット部2…、3…が該基材シート1の背面側に貼着した可破断性の蓋フィルム4によって封止されると共に、全体が蓋フィルム4を内面側とする筒状形態をなし、固形薬剤は、その水平面載置状態での水平方向に沿う最長方向を該筒状形態の筒軸方向sに対して傾斜した姿勢でポケット部2,3内に保持されていることを特徴としている。
請求項2の発明は、上記請求項1の薬剤PTP包装体P3,P4において、筒状形態が三角筒であり、その各側面11aに筒軸方向sに沿って配列した複数のポケット部2…,3…を有してなるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の薬剤PTP包装体P3,P4において、固形薬剤(丸形錠剤M1,カプセル剤M2)の傾斜した姿勢における傾斜角θ2が20〜70°である構成としている
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。請求項1の発明に係る筒状形態の薬剤PTP包装体P3,P4では、ポケット部2、3に収容された固形薬剤(丸形錠剤M1,カプセル剤M2)が前記最長方向を筒軸方向sに対して傾斜した姿勢であるから、ポケット部2、3を指先で押し潰して破封する際、該固形薬剤を介して蓋フィルム4に加わる押圧力が局所に集中し、もって蓋フィルム4が破断し易くなると共に、その破断部分から固形薬剤が抜け出し易いため、ポケット部2、3を軽く押圧するだけで簡単に破封して固形薬剤を筒内に放出できると共に、各ポケット部2,3内の固形薬剤が斜め上向きの傾斜状態になるように保持すれば、下位側のポケット部2、3が既に破封済みであっても、それらの断裂片4aはポケット部2、3の上縁側から垂れ下がった形になっているから、新たに上位側のポケット部2,3を破封した際、筒内を落下する固形薬剤は下位にある断裂片4a…に引っ掛かることなく下端開口から排出される。
請求項2の発明によれば、上記筒状形態の薬剤PTP包装体P3,P4が三角筒であるため、筒状としての剛性を大きく設定でき、それだけポケット部2,3の破封操作が容易になるという利点がある。
請求項3の発明によれば、上記の筒状形態の薬剤PTP包装体P3,P4において、ポケット部2,3に傾斜姿勢で収容された固形薬剤(丸形錠剤M1,カプセル剤M2)の傾斜角θ2が特定範囲であることから、ポケット部2,3をより小さい押圧力で破封して固形薬剤をより容易に取り出すことができる。
本発明の第一実施形態に係る平坦形態の丸形錠剤用PTP包装体を示し、(a)は全体の斜視図、(b)は要部の縦断側面図である。 同第一実施形態の丸形錠剤用PTP包装体における薬剤取出操作を示し、(a)は序盤での縦断側面図、(b)は終盤での縦断側面図である。 同第二実施形態に係る平坦形態のカプセル剤用PTP包装体を示し、(a)は全体の斜視図、(b)はポケット部の縦断側面図である。 同第二実施形態のカプセル剤用PTP包装体における薬剤取出操作を示し、(a)は序盤での縦断側面図、(b)は終盤での縦断側面図である。 同第三実施形態に係る筒状形態のカプセル剤用PTP包装体を示し、(a)は全体の斜視図、(b)は要部の縦断側面図である。 同第三実施形態のカプセル剤用PTP包装体における蓋剤シートの破断状態を示し、(a)は平面図、(b)は縦断側面図である。 同第四実施形態に係る筒状形態のカプセル剤用PTP包装体を示し、(a)は全体の斜視図、(b)は要部の縦断側面図である。 本発明に係る薬剤PTP包装体の他の実施形態を示し、(a)は丸形錠剤を垂直状態で収容したポケット部の縦断側面図、(a)はカプセル剤を垂直状態で収容したポケット部の縦断側面図である。 従来の平坦形態の薬剤PTP包装体を示す斜視図である。 同従来の薬剤PTP包装体の要部を示し、(a)は丸形錠剤を収容したポケット部の縦断側面図、(b)はカプセル剤を収容したポケット部の縦断側面図である。 従来の平坦形態の丸形錠剤用PTP包装体における破封不良を示し、(a)は破封不良を生じたポケット部の縦断側面図、(b1)は蓋フィルムの破封不良となるZ字形断裂線を例示する背面図、(b2)は同Z字形断裂線による破封状況を示す背面図、(c1)は蓋フィルムの破封不良となるH字形断裂線を例示する背面図、(c2)は同H形断裂線による破封状況を示す背面図である。 従来の平坦形態のカプセル剤用PTP包装体における破封不良を示し、(a)は破封不良を生じたポケット部の縦断正面図、(b)は蓋フィルムの破封不良となるH字形断裂線を例示する背面図、(c)は同H形断裂線による破封状況を示す背面図である。 従来の筒状形態の薬剤PTP包装体を示し、(a)は全体の斜視図、(b)は横断平面図である。 従来の筒状形態の薬剤PTP包装体における破封状況を示し、(a)は一部破封後の平面図、形態のPTP包装体を納めた状態の要部斜視図、(b)は蓋フィルムの断裂片に薬剤が引っ掛かった状態の縦断側面図である。
以下に、本発明に係る薬剤PTP包装体の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。第一及び第二実施形態の薬剤PTP包装体P1,P2は平坦形態、第三及び第四実施形態の薬剤PTP包装体P3,P4は筒状形態、をそれぞれ例示している。なお、これら第一〜第四実施形態において、共通部分には同じ符号を附している。
図1で示す第一実施形態の薬剤PTP包装体P1は、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる矩形の透明な基材シート1に、その表面側へ膨出したポケット部2が横2個一対の5列に形成され、各ポケット部2に丸形錠剤M1を一個ずつ収容した状態で、該基材シート1の背面側にアルミ箔等からなる蓋フィルム4を貼着することにより、各ポケット部2が密封されている。なお、基材シート1にはポケット部2を横2個ずつに区切るように幅方向に沿うミシン目c…が刻設されており、これによって該PTP包装体P1は2ポケット単位に切離し可能である。
各ポケット部2は、基部側が略正方形で、外面側で斜め上向きの傾斜部2aを形成するように一辺側に偏って高くなる形で膨出すると共に、その一辺と対向辺との間の内側間隔が丸形錠剤M1の径よりも狭く設定することにより、収容した該丸形錠剤M1が蓋フィルム4面に対して同図(b)の如く径方向が角度θ1で傾斜した状態に保持されている。また、各ポケット部2内の丸形錠剤M1は、傾斜状態に配置することで、該ポケット部2に臨む蓋フィルム4の周辺寄りに接している。
このような薬剤PTP包装体P1では、各ポケット部2内の丸形錠剤M1を取り出して服用する際、指先で該ポケット部2の傾斜部2aを押し潰して破封することになる。このとき、該ポケット部2を封鎖している蓋フィルム4は、丸形錠剤M1を介して周辺寄りの位置で押圧されるから、まず図2(a)に示すように、その周辺側における基材シート1との接合境界部で断裂を生じ、そのまま該境界部に沿って両側の断裂が進行し、丸形錠剤M1の押し出しに伴って一枚の断裂片4aとして外側へ開き出してゆく。そして、同図(b)に示すように、最終的に丸形錠剤M1が外側へ放出されると共に、該断裂片4aの開き出しは殆どポケット部2の基部全体に及ぶまで拡大する。
上記の破封操作では、蓋フィルム4に加わる押圧力が傾斜姿勢の丸形錠剤M1との接触部分に集中して、且つポケット部2内の周辺側に偏って作用する上、元来より蓋フィルム4が基材シート1との接合境界部で断裂し易いことから、指の力が弱い高齢者や傷病者でも楽に該蓋フィルム4を破断できる。しかも、ポケット部2内の丸形錠剤M1は蓋フィルム4の破断部分から抜け出し易い傾斜姿勢である上、その破断部分が一枚の略矩形の断裂片4aとして外側へ開き出し、外へ出かかった丸形錠剤M1を両側から抱え込む形にはならないため、ポケット部2が押し潰し不足であっても丸形錠剤M1はするりと容易に離脱することになる。
図3で示す第二実施形態の薬剤PTP包装体P2は、前記第一実施形態と同様の基材シート1に、その表面側へ膨出したポケット部3が横2個一対の5列に形成され、各ポケット部2に粉状や顆粒状の薬剤を内包するカプセル剤M2を一個ずつ収容した状態で、該基材シート1の背面側に蓋フィルム4を貼着することにより、各ポケット部2が密封されており、第一実施形態のPTP包装体P1と同様に基材シート1に設けたミシン目c…で2ポケット単位に切離し可能になっている。
この薬剤PTP包装体P2の各ポケット部3は、基部側が両端円弧状で細長い形になり、外面側で斜め上向きの傾斜部3aを形成するように一端側が高くなる形で膨出すると共に、その一端側と他端側との内側間隔をカプセル剤M2の長さよりも狭く設定することにより、収容したカプセル剤M2が蓋フィルム4面に対して同図(b)の如く長さ方向が角度θ2で傾斜した状態に保持されており、もって該カプセル剤M2が一端側で蓋フィルム4の封鎖部分の一端寄りに接している。
この第二実施形態の薬剤PTP包装体P2においても、各ポケット部3内のカプセル剤M2を取り出して服用する際、指先で該ポケット部3の傾斜部3aを押し潰して破封する。このとき、蓋フィルム4の細長い封鎖部分は、カプセル剤M2を介して一端側で押圧されるから、まず図4(a)に示すように、その一端側における基材シート1との接合境界部で断裂を生じ、そのまま該境界部に沿って両側の断裂が進行し、カプセル剤M2の押し出しに伴って一枚の舌片状の断裂片4aとして外側へ開き出してゆき、最終的に同図(b)に示すように、該カプセル剤M2の外側への放出と共に該断裂片4aの開き出しが殆どポケット部3の基部全体まで拡大する。
上記の破封操作では、前記第一実施形態の薬剤PTP包装体P1と同様に、蓋フィルム4に加わる押圧力が傾斜姿勢のカプセル剤M2との接触部分に集中して、且つポケット部3内の一端側に偏って作用し、且つ蓋フィルム4が断裂し易い基材シート1との接合境界部から断裂し始めるから、指の力が弱い高齢者や傷病者でも楽に該蓋フィルム4を破断できる。そして、ポケット部3内のカプセル剤M2は、傾斜姿勢で蓋フィルム4の破断部分から抜け出し易い上、その破断部分が一枚の断裂片4aとして外側へ開き出すため、ポケット部3が押し潰し不足であっても、該断裂片4aに引っ掛かることなく容易に離脱することになる。
図5に示す第三実施形態の薬剤PTP包装体P3は、誤飲防止用として、丸形錠剤M1を収容したポケット部2を縦横5×3個に配列した平坦形態のPTP包装体10を用い、このPTP包装体10を縦列単位で三つに折り曲げて両側縁部10a、10bをヒートシールすることにより、蓋フィルム4を内面側とする三角筒にしたものである。そして、このPTP包装体P3の各ポケット部2は、第一実施形態のPTP包装体P1と同様構成であるが、その高く膨出する一辺側が筒軸方向の一端側つまり使用時の上方側になるように配置し、もって丸形錠剤M2を同図(b)の如く使用時の筒軸方向sに対して径方向が角度θ2で傾斜した斜め上向きの姿勢で収容している。
このような筒状形態の薬剤PTP包装体P3では、各ポケット部2内の丸形錠剤M1を取り出して服用する際、図5のように各ポケット2の高く膨出する一辺側が上側になるように片手で保持し、他方の手の指先で該ポケット部2の斜め下向きの傾斜部2aを押し潰して破封する。このとき、該ポケット部2を封鎖している蓋フィルム4は、丸形錠剤M1を介して下部寄りの位置で押圧され、図5(b)の下段のポケット部2で示すように、まず下端側における基材シート1との接合境界部で断裂を生じ、そのまま該境界部に沿って左右両側の断裂が進行し、図示実線の如く一枚の矩形状の断裂片4aとして外側へ開き出し、最終的に図示仮想線の如く丸形錠剤M1の筒内への放出と共に、該断裂片4aがポケット部2の上縁から垂れ下がった状態になる。
この破封操作では、前記第一実施形態の場合と同様に、蓋フィルム4に加わる押圧力が傾斜姿勢の丸形錠剤M1と接触する下側部分に集中し、蓋フィルム4が元来より断裂し易い基材シート1との接合境界部の下縁から断裂し始め、これに伴ってポケット部2が下方側から開放してゆくと共に、丸形錠剤M1が筒内側に対して滑り出し易い斜め下向き姿勢になっているから、指先の力が弱い高齢者や傷病者であっても楽に破封できる上、ポケット部2が押し潰し不足であっても断裂片4aに引っ掛かることなく、筒内に放出された該丸形錠剤M1を下端開口から容易に取り出すことができる。丸形錠剤M1はするりと容易に離脱することになる。また、例えば図6に示すように、下位側周囲のポケット部2…が既に破封済みの状態において、後から上位側のポケット2を破封した場合でも、下位側の破封した断裂片4a…がいずれも各ポケット部2の上縁から該ポケット部2を覆うように垂れ下がった状態になっているため、筒内に放出された丸形錠剤M1は、落下途中で断裂片4a…に引っ掛かったり、破封済みのポケット部2に嵌まり込んだりすることがなく、確実に下端開口から排出される。
図7に示す第四実施形態の薬剤PTP包装体P4は、カプセル剤M2を収容したポケット部3を縦横4×3個に配列した平坦形態のPTP包装体10を用い、第三実施形態のPTP包装体P3と同様に誤飲防止用として、該PTP包装体10を縦列単位で三つに折り曲げて両側縁部10a、10bをヒートシールすることにより、蓋フィルム4を内面側とする三角筒にしたものである。このPTP包装体P4の各ポケット部3は、第二実施形態のPTP包装体P2と同様構成であるが、その高く膨出する一端側が筒軸方向の一端側つまり使用時の上方側になるように配置し、もってカプセル剤M2を同図(b)の如く使用時の筒軸方向sに対して長さ方向が角度θ2で傾斜した斜め上向きの姿勢で収容している。
この薬剤PTP包装体P4でも、各ポケット部3内のカプセル剤M2を取り出して服用する際、第三実施形態のPTP包装体P3と同様に、図7のように各ポケット3の高く膨出する一端側が上側になるように片手で保持し、他方の手の指先で該ポケット部3の斜め下向きの傾斜部3aを押し潰して破封する。従って、該ポケット部3を封鎖している蓋フィルム4は、カプセル剤M2を介して下端寄りの位置で押圧され、同図(b)の下段のポケット部3で示すように、基材シート1との接合境界部に沿って下端側から断裂してゆき、一枚の舌片状の断裂片4aとして図示実線から図示仮想線のように外側へ開き出し、カプセル剤M2の筒内への放出と共に、該断裂片4aがポケット部3の上縁から垂れ下がった状態になる。
この破封操作では、前記第三実施形態の場合と同様に、蓋フィルム4が断裂し易い基材シート1との接合境界部の下端から断裂し始め、これに伴ってポケット部3が下方側から開放してゆくと共に、カプセル剤M2が筒内側へ滑り出し易い傾斜姿勢になっているから、指先の力が弱い高齢者や傷病者でも楽に破封でき、またポケット部2が押し潰し不足であっても断裂片4aに引っ掛かることなく、筒内に該カプセル剤M2を確実に且つ容易に放出できると共に、下位側周囲のポケット部3…が既に破封済みの状態で上位側のポケット2を破封した場合でも、落下途中でカプセル剤M2が断裂片4a…に引っ掛かったり、破封済みのポケット部2に嵌まり込んだりすることがない。
前記第一〜第四実施形態ではポケット部に固形薬剤が蓋フィルムに対して傾斜姿勢で保持されているものを例示したが、本発明の薬剤PTP包装体は、例えば図8(a)(b)で示す丸形錠剤M1やカプセル剤M2のように、ポケット部に固形薬剤が蓋フィルム面に対して垂直姿勢で保持された構成も包含する。このような薬剤PTP包装体では、蓋フィルムに対して固形薬剤が端部で接しているから、ポケット部を指先で押し潰して破封する際、固形薬剤を介して蓋フィルムに加わる押圧力が局所的に集中し、該蓋フィルム4が破断し易い上、その破断部分に対して垂直姿勢の固形薬剤が最小の通過サイズになるため、該破断部分から固形薬剤が容易に抜け出すことになる。従って、ポケット部内に固形薬剤が蓋フィルム面に対して垂直姿勢で保持された薬剤PTP包装体においても、ポケット部を軽く押圧するだけで簡単に破封して薬剤を確実に取り出すことができる。
しかるに、ポケット部内に固形薬剤を蓋フィルム面に対して垂直姿勢で保持する構成では、基材シートから該ポケット部を狭い領域で高く突出させる必要があるが、該ポケット部を平坦な基材シートの熱加工で形成する際に薄肉化の度合が大きくなるため、ポケット部として十分な強度を付与しにくく、安定した成形が困難であったり、また破封時の押圧方向によってポケット部が横倒しになって固形薬剤をうまく取り出せなくなるといった難点もある。また、特に筒状形態の薬剤PTP包装体では、ポケット部内に固形薬剤が蓋フィルム面に対して垂直姿勢で保持されていると、破封時に蓋フィルムが二枚の断裂片に分離し、その一方が下位側で上向き加減に張出する場合がある上、固形薬剤が筒内へ横向きに放出されることから、該固形薬剤が筒内を落下する途中で引っ掛かり易くなる。
従って、平坦形態の薬剤PTP包装体では、前記第一及び第二実施形態のように、ポケット部内に固形薬剤が蓋フィルム面に対して角度θ1で傾斜した姿勢で保持された構成がより好適である。また、筒状形態の薬剤PTP包装体では、破封によって筒内に放出された固形薬剤が落下途上で引っ掛かるのを防止する上で、前記第三及び第四実施形態のように、ポケット部内に固形薬剤が使用時の筒軸方向に対して角度θ2で斜め上向きに傾斜した姿勢で保持された構成とする必要がある。なお、ここでいう固形薬剤の傾斜姿勢や垂直姿勢は固形薬剤の水平面載置状態での水平方向に沿う最長方向を基準としており、該最長方向は丸形錠剤M1では径方向、カプセル剤M2や丸軸形、楕円形、小判形等の非円形錠剤では長さ方向となる。しかして、上記の傾斜角度θ1及びθ2としては、特に制約されないが、ポケット部をより小さい押圧力で破封して固形薬剤をより容易に取り出す上で、20〜70°の範囲が好適である。
本発明の薬剤PTP包装体におけるポケット部としては、前記第一〜第四実施形態で例示したものに限らず、収容する固形薬剤の形状に応じて種々の形態に設定できると共に、平坦形態のPTP包装体での縦横配列数や筒状形態のPTP包装体における各側面の配置数についても例示以外に種々設定できる。ただし、固形薬剤を傾斜姿勢で収容するポケット部では、該固形薬剤を傾斜姿勢のまま押圧し易いように、前記第一〜第四実施形態で例示したように傾斜部2a,3aを有する形態が好適である。
なお、筒状形態のPTP包装体としては、四角筒以上の多角筒や円筒であってもよいが、特に筒形としての剛性を確保する上で三角筒が好適である。しかして、平坦形態のPTP包装体10から筒状形態とするための両側縁部10a,10bの止着手段としては、例示したヒートシールに限らず、接着剤による接合、タッカー針による止着、係止片同士又は係止片と係止孔による係着等の種々の手段を採用できる。また、実施形態では止着する両側縁部10a,10bが外側へ突出しているが、その一方を筒内側へ折り付ける形で止着してもよい。
1 基材シート
2,3 ポケット部
4 蓋フィルム
M1 丸形錠剤(固形薬剤)
M2 カプセル剤(固形薬剤)
P1〜P4 薬剤PTP包装体
θ1,θ2 傾斜角度
s 筒軸方向

Claims (3)

  1. 基材シートの表面側へ膨出する複数のポケット部に固形薬剤が一個ずつ収容され、これらポケット部が該基材シートの背面側に貼着した可破断性の蓋フィルムによって封止されると共に、全体が前記蓋フィルムを内面側とする筒状形態をなし、
    前記固形薬剤は、その水平面載置状態での水平方向に沿う最長方向を該筒状形態の筒軸方向に対して傾斜した姿勢で前記ポケット部内に保持されていることを特徴とする薬剤プレススルーパック包装体。
  2. 前記筒状形態が三角筒であり、その各側面に筒軸方向に沿って配列した複数の前記ポケット部を有してなる請求項1に記載の薬剤プレススルーパック包装体。
  3. 前記固形薬剤の傾斜した姿勢における傾斜角θ2が20〜70°である請求項1又は2に記載の薬剤プレススルーパック包装体。
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