JP2020104906A - 飛散防止シート、ptpシート、及びptpシートの製造方法 - Google Patents

飛散防止シート、ptpシート、及びptpシートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性に優れるとともに、PTPシートから収容物を容易かつ確実に取り出すことが可能なPTPシートを提供する。【解決手段】PTPシートは、内部空間に収容物が収容される複数の突出部、及び突出部の周囲に形成され隣接する突出部を接続するフランジ部、を有する成形シートと、複数の突出部の夫々の内部空間の開口面を塞ぐように成形シートに貼り合わされる薄厚シートと、成形シート側の面に貼り合わされる飛散防止シートと、を有する。飛散防止シートは、突出部の夫々の開口面に対応する領域に形成された複数の略短冊状の切込形成領域を有し、切込形成領域が、隣接する複数の帯状領域を形成するための複数の第1切込線と、帯状領域の夫々に形成され帯状領域を分断するための第2切込線とを有する。第2切込線が帯状領域を分断することにより形成される2つの短冊片は、夫々の長手方向の長さが異なる。【選択図】図2B

Description

この発明は、飛散防止シート、PTPシート、及びPTPシートの製造方法に関する。
特許文献1には、PTPシートの収容物を容易且つ確実に取り出せるようにするためにPTPシートに台紙を取り付けて包装した包装体について記載されている。上記包装体は、錠剤を収容したプラスチック成形体に、破断可能な薄形シートが貼り付けられたPTPシートに取り付けられる台紙であって、PTPシートの薄形シート側の面に取り付けられる第1側面と、PTPシートのプラスチック成形体側の面に取り付けられ第1側面に重ねられ、PTPシートを第1側面とで挟んで保持する第2側面を備え、第1側面と第2側面には、互いに重ねられた時に互いに一致する折罫線を備え、第1側面には、折罫線の途中に設けられ折罫線から側方に突出して中央部分で折り返されて再び折罫線に達する切断線を有し、切断線の内側で第2側面に重ねられる面に設けられた接着剤を備える。
特許文献2には、包装体を取り付けたPTPシートから収容物を容易かつ確実に取り出すことができるようにするようにしたPTPシートの包装体が記載されている。PTPシートの包装体は、PTPシートの成形シート側の面に重ねて設けられる第1シートと、PTPシートの薄厚シート側の面に第1シートに重ねて設けられる第2シートとを含む。第1シートは、突出部が嵌合される嵌め孔を有し、第2シートは、第2シートが薄厚シート側の面に重ねて設けられた際に突出部の開口面に対向する位置に、収容物の輪郭が収まる程度の広さで形成された略短冊状の切込形成領域を有する。切込形成領域は、隣接する複数の帯状領域を形成する複数の第1切込線と、帯状領域の夫々に形成され帯状領域を分断する第2切込線とを有する。
特開2016−13839号公報 特開2017−154775号公報
薬剤(錠剤やカプセル等)等の収容物を収容する包装体としてPTPシート(PTP:Press Through Package)がある。PTPシートは、板状樹脂(透明の板状プラスチック等)をバキュームフォーム等で成形することにより構成され、収容物が収容される突出部と当該突出部の周囲に形成されるフランジ部とを有する成形シートと、当該成形シートの突出部の内部空間を塞ぐように成形シートに重ねて設けられるアルミシート(アルミフィルム)等からなる薄厚シートと、を有する。
上記の構成を有するPTPシートからの収容物の取り出しは、上記の突出部を親指等で薄厚シートの方向に内部に収容されている収容物とともに押し込み、薄厚シートを破断させることにより行う。しかしこの操作にはそれなりの力が必要であり、例えば、力の弱い者や高齢者等はPTPシートから上手に薬剤を取り出すことができないことがある。また例えば、両手を使って力を込めて薄厚シートを破断させると勢い余って薬剤が飛散し、薬剤を汚してしまったり紛失してしまったりすることがある。
特許文献1,2では、PTPシートの収容物を容易かつ確実に取り出すことができるようにするために、PTPシートに所定構造を有する包装体を取り付けている。しかしいずれも包装体の構造が複雑である上、PTPシートに包装体を取り付ける工程も煩雑である。
本発明はこうした背景に鑑みてなされたもので、生産性に優れるとともに、PTPシートから収容物を容易かつ確実に取り出すことを可能にする飛散防止シート、当該飛散防止シートを用いたPTPシート、及び当該PTPシートの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一つは、飛散防止シートであって、内部空間に収容物が収容される複数の突出部、及び前記突出部の周囲に形成され隣接する前記突出部を接続するフランジ部、を有する成形シートと、前記複数の突出部の夫々の前記内部空間の開口面を塞ぐように前記成形シートに貼り合わされる薄厚シートと、を有するPTPシートの前記成形シート側の面に貼り合わされ、前記複数の突出部の夫々の前記開口面に対応する領域に形成された複数の略短冊状の切込形成領域を有する。
また本発明の他の一つは、上記飛散防止シートであって、前記切込形成領域は、隣接する複数の帯状領域を形成するための複数の第1切込線と、前記帯状領域の夫々に形成され前記帯状領域を分断するための第2切込線と、を有する。
本発明の飛散防止シートによれば、PTPシートから収容物を取り出す際、収容物が短冊片に絡み取られるので、ユーザはPTPシートから収容物を取り出す際に収容物を紛失したり汚したりすることがなく、容易かつ確実にPTPシートに収容されている収容物を取り出すことができる。また本発明の飛散防止シートは、既存の製造工程で製造されたPTPシートに貼り合わせるだけで容易に製造することができ、生産性に優れるとともに、既存の製造工程で製造されるPTPシートについても容易に飛散防止機能を設けることができる。
また本発明の他の一つは、上記飛散防止シートであって、前記第2切込線が前記帯状領域を分断することにより形成される2つの短冊片は、夫々の長手方向の長さが異なる。
このように、本発明の飛散防止シートは、2つの短冊片の長手方向の長さが異なるので、薄厚シートが破断して取り出された収容物には、複数の短冊片が、収容物の様々な部位に様々な方向から当接し、収容物にはその多様な部位に多様な方向から力が作用し、その結果、収容物は短冊片に落下や横ずれ等が生じにくい状態で確実に保持され、ユーザは容易かつ確実に収容物を取り出すことができる。
本発明の他の一つは、上記飛散防止シートであって、少なくとも前記複数の突出部の夫々の前記開口面に対応する領域が透明であることとする。
このように、飛散防止シートの、少なくとも複数の突出部の夫々の開口面に対応する領域を透明にすることで、収容物の取り出しに際してユーザは収容物の状態を容易に視認することができ、ユーザはPTPシートから効率よく確実に収容物を取り出すことができる。
本発明の他の一つは、上記飛散防止シートであって、貼り合わされる上記PTPシートよりも剛性の高い素材からなることとする。
このように飛散防止シートの素材としてPTPシートよりも剛性の高い素材を用いることで、PTPシートの剛性を高めることができ、収容物の取り出しを容易にすることができる。
本発明の他の一つは、上記飛散防止シートであって、前記第2切込線はつなぎ部分を有する。
このように第2切込線につなぎ部分を設けることで、PTPシートの製造時等において飛散防止シートを湾曲させた際、短冊片が飛散防止シートの表面から突出してしまうのを防ぐことができ、製造工程等においてロール状に巻回された飛散防止シートを引き出す場合等に短冊片が突出することにより生じる不都合を防ぐことができる。
本発明の他の一つは、上記飛散防止シートであって、前記PTPシートは、当該PTPシートを所定数の前記突出部を含む、誤飲が不可能な大きさの複数の素片に分離するための一つ以上の破断線を有し、当該飛散防止シートは、前記破断線に対応する位置に破断線を有することとする。
本発明の他の一つは、上記飛散防止シートであって、前記PTPシートは、当該PTPシートを単数の前記突出部を含む複数の素片に分離するための一つ以上の破断線を有し、当該飛散防止シートは、前記破断線の夫々に対応する位置に破断線を有することとする。
このようにPTPシート及び飛散防止シートに単数の前記突出部を含む複数の素片に分離するための破断線を形成することで、収容物の数の管理が容易になるとともに、飛散防止シートが貼り合わされたPTPシートを誤飲が不可能な大きさの複数の素片に分離されるようにユーザの分離操作を誘導することができ、PTPシートの誤飲を確実に防ぐことができる。
本発明の他の一つは、内部空間に収容物が収容される複数の突出部、及び前記突出部の周囲に形成され隣接する前記突出部を接続するフランジ部、を有する成形シートと、前記複数の突出部の夫々の前記内部空間の開口面を塞ぐように前記成形シートに貼り合わされる薄厚シートと、前記成形シート側の面に貼り合わされる飛散防止シートと、を有するPTPシートであって、前記飛散防止シートは、前記複数の突出部の夫々の前記開口面に対応する領域に形成された複数の略短冊状の切込形成領域を有することとする。
本発明の他の一つは、上記PTPシートであって、前記切込形成領域は、隣接する複数の帯状領域を形成する複数の第1切込線と、前記帯状領域の夫々に形成され前記帯状領域を分断する第2切込線とを有する。
本発明の他の一つは、上記PTPシートであって、前記第2切込線が前記帯状領域を分断することにより形成される2つの短冊片は、夫々の長手方向の長さが異なることとする。
本発明の他の一つは、上記PTPシートであって、少なくとも前記複数の突出部の夫々の前記開口面に対応する領域が透明であることとする。
本発明の他の一つは、内部空間に収容物が収容される複数の突出部、及び前記突出部の周囲に形成され隣接する前記突出部を接続するフランジ部、を有する成形シートと、前記複数の突出部の夫々の前記内部空間の開口面を塞ぐように前記成形シートに貼り合わされる薄厚シートとを有するPTPシートの製造方法であって、前記複数の突出部の夫々の前記開口面に対応する領域に形成された複数の略短冊状の切込形成領域を有する飛散防止シートを、前記成形シート側の面に貼り合わせることとする。
本発明の他の一つは、PTPシートの薄厚シート側の面に前記飛散防止シートを接着剤により貼り合わせ、前記切込形成領域に対応する領域に前記接着剤を塗布しないこととする。
本発明によれば、収容物を取り出す際に収容物を飛散防止シートの短冊片により絡み取る機能を確実に発揮させることができる。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、生産性に優れるとともにPTPシートから収容物を容易かつ確実に取り出すことが可能なPTPシートを提供することができる。
基本PTPシートを斜め上方(表面側)から眺めた斜視図である。 基本PTPシートを斜め下方(裏面側)から眺めた斜視図である。 本実施形態のPTPシートを斜め上方(表面側)から眺めた斜視図である。 本実施形態のPTPシートを斜め下方(裏面側)から眺めた斜視図である。 飛散防止シートの平面図である。 PTPシートからユーザが収容物を取り出す手順を説明する図である。 PTPシートからユーザが収容物を取り出す手順を説明する図である。 PTPシートの他の構成を示す図である。 PTPシートの他の構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面とともに説明する。尚、以下の説明において、同一の又は類似する構成について同一の符号を付して重複した説明を省略することがある。
[基本となるPTPシート]
図1A及び図1Bは、後述する飛散防止シート20が貼り合わされるPTPシート(以下、「基本PTPシート8」と称する。)の構成を示す図である。図1Aは基本PTPシート8を斜め上方(表面側)から眺めた斜視図、図1Bは基本PTPシート8を斜め下方(裏面側)から眺めた斜視図である。
これらの図に示すように、基本PTPシート8は、四隅が角取りされた略長方形状の平面外形状を有する。基本PTPシート8は、薬剤(錠剤やカプセル等)等の収容物2を密封した状態で収容する。例示する基本PTPシート8は、10個(=5行×2列)の収容物2を収容可能なタイプである。また例示する基本PTPシート8は、例えば、例示する基本PTPシート8に相当する構成が複数個平面的に連設された一枚のシートから切り出されたものである。
基本PTPシート8は、その内部空間80に収容物2が収容される10個の突出部811並びに突出部811の周囲に形成されるフランジ部812を有する成形シート81と、突出部811の内部空間80の開口面813を塞ぐように成形シート81の裏面側に貼り合わされた薄厚シート82とを有する。フランジ部812は隣接する突出部811を接続する。尚、本例では、突出部811を略円筒状としているが、突出部811は収容物2の大きさや輪郭等に応じて様々な形状を取り得る。
成形シート81は、例えば、樹脂(PET(PolyEthylene Terephthalate)、PP(PolyPropylene)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride))シートや金属シート(アルミシート等)を成形することにより形成したものである。また薄厚シート82の素材としては、例えば、破断可能かつ密封性に優れた金属シート(アルミシート等)が選択される。尚、同等以上の機能を発揮することができるのであれば、成形シート81や薄厚シート82の素材は必ずしも限定されず、例えば、パルプ(紙)材等を用いてもよい。薄厚シート82は、成形シート81の突出部811の周囲に形成されているフランジ部812に熱圧着等により接着される。
同図に示すように、基本PTPシート8は、その短辺に平行に複数の(本例では5つの)破断線85(ミシン目等)が形成されている。本例では、基本PTPシート8自体の誤飲を防ぐべく大き目のサイズで基本PTPシート8が分離されるように、収容物2の2つ分を単位として基本PTPシート8が分離されるように破断線85が形成されている。
薄厚シート82には収容物2に関する情報が記載されることもある。基本PTPシート8からの収容物2の取り出しは、例えば、突出部811を親指等で薄厚シート82の方向に内部空間80に収容されている収容物2とともに押し込み、薄厚シート82を破断させることにより行われる。
[実施形態のPTPシート]
図2A及び図2Bは、本発明の一実施形態として示すPTPシート10の構成を示す図である。図2AはPTPシート10を斜め上方(表面側)から眺めた斜視図、図2BはPTPシート10を斜め下方(裏面側)から眺めた斜視図である。図2Bに示すように、PTPシート10は、図1A及び図1Bに示した基本PTPシート8の裏面側に飛散防止シート20を貼り合わせた構造を有する。
図3に飛散防止シート20の平面図を示す。例示する飛散防止シート20の平面外形(輪郭)形状は、基本PTPシート8の平面外形形状と一致しており、略長方形状を呈する。飛散防止シート20は、製造時に要求される柔軟性(ロール可能性)を確保するために、例えば、0.1mm程度の厚さとするが、必ずしも限定されない。尚、本例では、このように飛散防止シート20の平面外形形状を基本PTPシート8と一致させているが、飛散防止シート20の平面外形形状は必ずしも限定されない。
同図に示すように、飛散防止シート20の、突出部811の開口面813に対向する領域には、収容物2の輪郭が収まる程度の広さで形成された略短冊状の切込形成領域521が形成されている。同図に示すように、例示する飛散防止シート20には、基本PTPシート8の10個の突出部811の夫々の開口面813に対応する各位置に切込形成領域521が形成されている。
同図に示すように、切込形成領域521は、隣接する複数の帯状領域525を形成する、飛散防止シート20の長辺に平行な複数(本例では7つ)の第1切込線5211と、帯状領域525の夫々に形成され当該帯状領域525を分断して2つの短冊片5251,5252を形成する、飛散防止シート20の短辺に平行な第2切込線5212(本例では6つ)とを含む。
同図に示すように、短冊片5251,5252は、夫々の長手方向の長さが異なる。尚、本例では、第1切込線5211を飛散防止シート20の長辺に平行に設けているが、第1切込線5211は、必ずしも飛散防止シート20の長辺に平行でなくてもよい。また本例では、第2切込線5212を飛散防止シート20の短辺に平行に設けているが、第2切込線5212は、必ずしも飛散防止シート20の短辺に平行でなくてもよい。
同図に示すように、飛散防止シート20は、基本PTPシート8に貼り合わされた状態で、基本PTPシート8の破断線85に対応する位置に、破断線86(ミシン目等)を有する。
以上の構成からなるPTPシート10は、基本PTPシート8の裏面側に、例えば、ラベリングマシン等の製造装置を用いて、例えば、ロール状に巻回された状態で供給される飛散防止シート20を貼り合わせていくことにより容易に製造することができ、生産性、量産性に優れる。
図3に示すように、第2切込線5212の中点付近には、つなぎ5212aが形成されている。つなぎ5212aは、PTPシート10の製造時(飛散防止シート20の基本PTPシート8への貼り合わせ時等)等において飛散防止シート20を湾曲させた際(飛散防止シート20をロール状に巻回する等して飛散防止シート20の長辺が弧状になるように湾曲させた際)に短冊片5251,5252が飛散防止シート20の表面から突出してしまうのを防ぐ役割を果たす。尚、同様の機能を確保できるのであれば、第2切込線5212におけるつなぎ5212aの位置は必ずしも限定されない。また必要であれば、第1切込線5211についてもその所定位置につなぎを設けるようにしてもよい。
基本PTPシート8への飛散防止シート20の貼り合わせに際しては、基本PTPシート8または飛散防止シート20の接着面に接着剤が塗布される。尚、短冊片5251,5252の収容物2を絡み取る機能を確実に発揮させるべく、接着剤は飛散防止シート20の切込形成領域521については塗布しないようにする。PTPシート10の製造に際し、この接着剤が塗布されない領域は、例えば、飛散防止シート20の接着剤の塗布面に、接着剤の接着力を低下させるための印字処理を施すことにより容易に形成することができる。
接着剤の種類としては、基本PTPシート8の接着面の素材や飛散防止シート20の接着面の素材に適した性質のものが適宜選択される。また接着剤を塗布する領域は、例えば、PTPシート10の生産性や利便性を考慮して適切に設定される。基本PTPシート8への飛散防止シート20の貼り合わせは、熱圧着等の他の方法により行ってもよい。
[収容物の取り出し]
続いて、以上の構成を有するPTPシート10からユーザが収容物2を取り出す手順について説明する。
PTPシート10から収容物2を取り出す際、ユーザは、まず図4Aに示すように、PTPシート10の成形シート81の突出部811を親指F等で表面側から裏面側に押し込むようにする。これにより突出部811の内部空間80に収納されていた収容物2が薄厚シート82の開口面813を突き破って内部空間80から押し出される。
薄厚シート82の開口面813から飛び出した収容物2は、図4Bに示すように、飛散防止シート20の短冊片5251,5252に絡み取られる。また2つの短冊片5251,5252は、前述したように夫々長手方向の長さが異なっているので、薄厚シート82が破断して取り出された収容物2には、複数の短冊片5251,5252が、収容物2の様々な部位に様々な方向から当接する。さらに第2切込線5212は、隣接する帯状領域525間で交互に位置が異なっているため、収容物2にはその多様な部位に多様な方向から力が作用し、収容物2は短冊片5251,5252に落下や横ずれが生じにくい状態で確実に保持される。尚、短冊片5251,5252は、薄厚シート82が破断して飛び出した収容物2の運動エネルギーを吸収する緩衝体としても機能し、収容物2が飛散するのを防ぐ役割を果たす。
続いて、ユーザは、短冊片5251,5252に絡み取られている収容物2をほぐして収容物2を摘まみ取る。
以上のように、ユーザがPTPシート10から収容物2を取り出す際、収容物2は短冊片5251,5252に確実に絡み取られる。そのため、収容物2の飛散を防ぐことができ、収容物2を紛失したり汚したりすることがなく、ユーザは容易かつ確実にPTPシートに収容されている収容物2を取り出すことができる。
また本実施形態のPTPシート10は、既存の製造工程で製造された基本PTPシート8に飛散防止シート20を貼り合わせるだけで製造することができ、既存の製造工程で製造された基本PTPシート8についても容易に飛散防止機能を付加することができる。
尚、飛散防止シート20の素材としては、透明なものを選択することが好ましい。飛散防止シート20を透明にすることで、収容物2の取り出しに際しユーザは収容物2の状態を視認可能となり、ユーザは収容物2の状態を確認しつつ、PTPシート10から収容物2を効率よく取り出すことができる。
ところで、基本PTPシート8によっては、成形シート81と薄厚シート82の素材が双方ともアルミシートのような柔軟な素材であることもある(例えば、収容物2である薬剤を遮光する必要がある場合等)。その場合、基本PTPシート8の剛性が低く、収容物2を取り出す際にユーザが突出部811にうまく力を加えることができず、収容物2の取り出しが難しいことがある。しかし基本PTPシート8に飛散防止シート20を貼り合わせることで剛性も高まるため、収容物2の取り出しも容易になる。尚、飛散防止シート20の素材として、基本PTPシート8の素材より剛性が高いものを選択することで、より確実に収容物の取り出しを容易にすることができる。
以上、実施形態について詳述したが、以上の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
例えば、図1A及び図1Bに示した基本PTPシート8は、10個(=5行×2列)の収容物2を収容可能なタイプであり、収容物2の2つ分を単位として基本PTPシート8が分離されるように破断線85が形成されているが、本発明は他の様々なタイプの基本PTPシート8にも適用することができる。
図5A及び図5Bは、他のタイプの基本PTPシート8に基づくPTPシート10の例である。例示するPTPシート10は、4個(=4行×1列)の収容物2を収容可能なタイプであり、収容物2を1つのみ含んだ単位でPTPシート10が分離されるように、破断線85,86が形成されている。PTPシート10をこのような構成とすることで、ユーザは収容物2の数を管理しやすくなり、例えば、収容物2が薬剤である場合、ユーザが一回分の服用量を間違える可能性が低くなる。また分離された個々のシート片のサイズを誤飲が不可能な程度に大きなサイズにすることで、PTPシート10自体の誤飲を確実に防ぐことができる。
2 収容物、8 基本PTPシート、10 PTPシート、20 飛散防止シート、80 内部空間、81 成形シート、811 突出部、812 フランジ部、813 開口面、82 薄厚シート、85 破断線、86 破断線、521 切込形成領域、5211 第1切込線、5212 第2切込線、5212a つなぎ、5251,5252 短冊片、525 帯状領域

Claims (14)

  1. 内部空間に収容物が収容される複数の突出部、及び前記突出部の周囲に形成され隣接する前記突出部を接続するフランジ部、を有する成形シートと、前記複数の突出部の夫々の前記内部空間の開口面を塞ぐように前記成形シートに貼り合わされる薄厚シートと、を有するPTPシートの前記成形シート側の面に貼り合わされ、
    前記複数の突出部の夫々の前記開口面に対応する領域に形成された複数の略短冊状の切込形成領域を有する
    ことを特徴とする飛散防止シート。
  2. 請求項1に記載の飛散防止シートであって、
    前記切込形成領域は、隣接する複数の帯状領域を形成するための複数の第1切込線と、前記帯状領域の夫々に形成され前記帯状領域を分断するための第2切込線と、を有する
    ことを特徴とする飛散防止シート。
  3. 請求項2に記載の飛散防止シートであって、
    前記第2切込線が前記帯状領域を分断することにより形成される2つの短冊片は、夫々の長手方向の長さが異なる
    ことを特徴とする飛散防止シート。
  4. 請求項1に記載の飛散防止シートであって、
    少なくとも前記複数の突出部の夫々の前記開口面に対応する領域が透明である
    ことを特徴とする飛散防止シート。
  5. 請求項1に記載の飛散防止シートであって、
    前記PTPシートよりも剛性の高い素材からなる
    ことを特徴とする飛散防止シート。
  6. 請求項2に記載の飛散防止シートであって、
    前記第2切込線はつなぎ部分を有する
    ことを特徴とする飛散防止シート。
  7. 請求項1に記載の飛散防止シートであって、
    前記PTPシートは、当該PTPシートを所定数の前記突出部を含む、誤飲が不可能な大きさの複数の素片に分離するための一つ以上の破断線を有し、
    当該飛散防止シートは、前記破断線に対応する位置に破断線を有する
    ことを特徴とする飛散防止シート。
  8. 請求項7に記載の飛散防止シートであって、
    前記PTPシートは、当該PTPシートを単数の前記突出部を含む複数の素片に分離するための一つ以上の破断線を有する
    ことを特徴とする飛散防止シート。
  9. 内部空間に収容物が収容される複数の突出部、及び前記突出部の周囲に形成され隣接する前記突出部を接続するフランジ部、を有する成形シートと、前記複数の突出部の夫々の前記内部空間の開口面を塞ぐように前記成形シートに貼り合わされる薄厚シートと、前記成形シート側の面に貼り合わされる飛散防止シートと、
    を有するPTPシートであって、
    前記飛散防止シートは、前記複数の突出部の夫々の前記開口面に対応する領域に形成された複数の略短冊状の切込形成領域を有する
    ことを特徴とするPTPシート。
  10. 請求項9に記載のPTPシートであって、
    前記切込形成領域は、隣接する複数の帯状領域を形成するための複数の第1切込線と、前記帯状領域の夫々に形成され前記帯状領域を分断するための第2切込線と、を有する
    ことを特徴とするPTPシート。
  11. 請求項10に記載のPTPシートであって、
    前記第2切込線が前記帯状領域を分断することにより形成される2つの短冊片は、夫々の長手方向の長さが異なる、
    ことを特徴とするPTPシート。
  12. 請求項9に記載のPTPシートであって、
    少なくとも前記複数の突出部の夫々の前記開口面に対応する領域が透明である、
    ことを特徴とするPTPシート。
  13. 内部空間に収容物が収容される複数の突出部、及び前記突出部の周囲に形成され隣接する前記突出部を接続するフランジ部、を有する成形シートと、前記複数の突出部の夫々の前記内部空間の開口面を塞ぐように前記成形シートに貼り合わされる薄厚シートとを有するPTPシートの製造方法であって、
    前記複数の突出部の夫々の前記開口面に対応する領域に形成された複数の略短冊状の切込形成領域を有する飛散防止シートを、前記成形シート側の面に貼り合わせる
    ことを特徴とする、PTPシートの製造方法。
  14. 請求項13に記載のPTPシートの製造方法であって、
    前記PTPシートの薄厚シート側の面に前記飛散防止シートを接着剤により貼り合わせ、前記切込形成領域に対応する領域には前記接着剤を塗布しない
    ことを特徴とする、PTPシートの製造方法。
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