JP5896106B2 - 高周波熱処理装置及び高周波熱処理方法 - Google Patents

高周波熱処理装置及び高周波熱処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、高周波誘導加熱コイルを用いて被加熱体を高周波熱処理するための装置及び方法に関する。
周知のように、高周波焼入された材料は、適当な温度にまで再加熱した後に冷却する処理(焼戻)を施すことにより、材料表面の脆性と靭性とのバランスを調整することが可能である。例えば、高周波焼入されたクランクシャフトは、一定の巻径で螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイル内で高周波誘導加熱させることで焼戻することが可能である。この場合、相対的に体積が大きくコイルギャップが小さいギア圧入部は、オーバーヒートが問題となる。
そこで、特許文献1には、非磁性体の良導体である当て金を被焼入物体のオーバーヒートし易い部分(以下、加熱抑制部という)に当接させて被焼入物体を高周波誘導加熱する加熱処理方法(以下、公知技術という)が開示されている。この公知技術では、高周波誘導加熱コイルに高周波電流が印加されると、当て金には高周波誘導加熱コイルに印加された高周波電流に対して逆方向の誘導電流が流れる。この誘導電流によって発生する磁束は、高周波誘導加熱コイルが発生する磁束を打ち消すように作用することから、被焼入物体の加熱抑制部のジュール発熱を抑制することができる。
特開2000−227123号公報
しかしながら、公知技術は、当て金を加熱抑制部に当接させた状態で中空の高周波誘導加熱コイル内に配置させるため、当て金の形状及び配置に制約がある。また、当て金を製品(被焼入物体)毎に用意する必要があるため、設備コストが増大するとともに新規に製品が発生した場合に迅速に対応することが困難である。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、安価な設備コストで加熱能力を部分的に調節することが可能な高周波熱処理装置及び高周波熱処理方法を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明の高周波熱処理装置は、螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイルを備えて、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流が印加されることで、前記高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体が高周波誘導加熱される高周波熱処理装置であって、前記高周波誘導加熱コイルの外周又は内周に配置されて非磁性体の良導体によって構成される加熱抑制コイルと、前記加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段と、を有し、前記加熱抑制コイルに、前記高周波誘導加熱コイルに印加される高周波電流に対して逆方向の高周波電流が印加されることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の高周波熱処理方法は、螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加して、前記高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体を高周波誘導加熱させる高周波熱処理方法であって、前記高周波誘導加熱コイルの外周又は内周に、非磁性体の良導体によって構成される加熱抑制コイルを設けておいて、前記被加熱体を前記高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに前記加熱抑制コイルを前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置して、この状態で前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加し、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加している間、前記加熱抑制コイルに、前記高周波誘導加熱コイルに印加する高周波電流に対して逆方向の高周波電流を印加することを特徴とする。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)、(2)項の各々が、特許請求の範囲に記載した請求項1、2の各々に相当する。
(1)螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイルを備えて、高周波誘導加熱コイルに高周波電流が印加されることで、高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体が高周波誘導加熱される高周波熱処理装置であって、高周波誘導加熱コイルの外周又は内周に配置されて非磁性体の良導体によって構成される加熱抑制コイルと、加熱抑制コイルを被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段と、を有し、加熱抑制コイルに、高周波誘導加熱コイルに印加される高周波電流に対して逆方向の高周波電流が印加されることを特徴とする高周波熱処理装置。
本項に記載の高周波熱処理装置によれば、加熱抑制コイルを、高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体の加熱抑制部(発熱量を抑制したい部分)に対向させて配置して、この状態で高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加すると、加熱抑制コイルには、高周波誘導加熱コイルに印加した高周波電流に対して逆方向の誘導電流が流れる。この誘導電流によって生じる加熱抑制コイルの磁束は、高周波誘導加熱コイルの磁束を打ち消すように作用する。その結果、被加熱体における加熱抑制部のジュール発熱を抑制することができる。
そして、本項に記載の高周波熱処理装置によれば、加熱抑制コイルに、高周波誘導加熱コイルに印加される高周波電流に対して逆方向の高周波電流が印加されるので、加熱抑制コイルに高周波電流を印加しない場合、すなわち、高周波誘導加熱コイルに高周波電流が印加されることによる誘導電流のみが加熱抑制コイルに流れる場合と比較して、加熱抑制コイルの磁束を増大させることができる。これにより、加熱抑制コイルの磁束によってより多くの高周波誘導加熱コイルの磁束が打ち消されることになり、加熱抑制部のジュール発熱をより効果的に抑制することができる。また、加熱抑制コイルに印加する高周波電流を制御することにより、加熱抑制部のジュール発熱を制御することができる。
また、本項に記載の高周波熱処理装置は、被加熱体の加熱抑制部の位置が変更になった場合であっても、位置決め手段によって加熱抑制コイルを移動させるだけで対応することができるので、製品(被加熱体)毎に当て金を製作する必要がある公知技術と比較して、設備コストを大幅に削減することができるだけでなく、新規の製品(被加熱体)に対して迅速な対応が可能である。
ここで、本項に記載の高周波熱処理装置を使用したクランクシャフトの焼戻を想定する。なお、対象となるクランクシャフトは、直列4気筒エンジンに組み込まれるクランクシャフトであり、4個の各ピン部の両端に配置された合計で8個あるアーム部のうち、1個のアーム部にギア圧入部(加熱抑制部)が形成されている。このギア圧入部は、他のアーム部と比較して体積が大きくコイルギャップが小さい。
この場合、中空の高周波誘導加熱コイル内にクランクシャフトを配置して、位置決め手段によって、加熱抑制コイルを高周波誘導加熱コイルの軸線方向へ移動させることにより、加熱抑制コイルをギア圧入部に対向させて位置決めさせる。この状態で、高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加すると、加熱抑制コイルに、高周波誘導加熱コイルに印加された高周波電流に対して逆方向の誘導電流が流れる。この誘導電流によって生じる加熱抑制コイルの磁束は、高周波誘導加熱コイルの磁束を打ち消すように作用する。これにより、高周波誘導加熱コイルの加熱能力が部分的に調節されてギア圧入部のジュール発熱が抑制される。その結果、ギア圧入部のオーバーヒートを回避することができる。
本項の態様において、加熱抑制コイルの巻数は必要に応じて適宜設定することができる。また、加熱抑制コイルの巻数は必ずしも1以上である必要はなく、例えば、半開放型コイルを採用することができる。
本項の態様において、加熱抑制コイルを高周波誘導加熱コイルの内側に配置した場合、加熱抑制コイルを高周波誘導加熱コイルの外周に配置した場合と比較して、加熱抑制コイルの磁束によって打ち消される高周波誘導加熱コイルの磁束が増大するので、加熱抑制部のジュール発熱をより効果的に抑制することができる。
(2)螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加して、高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体を高周波誘導加熱させる高周波熱処理方法であって、高周波誘導加熱コイルの外周又は内周に、非磁性体の良導体によって構成される加熱抑制コイルを設けておいて、被加熱体を高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに加熱抑制コイルを被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置して、この状態で高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加し、高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加している間、加熱抑制コイルに、高周波誘導加熱コイルに印加する高周波電流に対して逆方向の高周波電流を印加することを特徴とする高周波熱処理方法。
本項に記載の高周波熱処理方法によれば、加熱抑制コイルを、高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体の加熱抑制部(発熱量を抑制したい部分)に対向させて配置して、この状態で高周波誘導加熱コイルに通電すると、加熱抑制コイルには、高周波誘導加熱コイルに流れる高周波電流に対して逆方向の誘導電流が流れる。この誘導電流によって生じる加熱抑制コイルの磁束は、高周波誘導加熱コイルの磁束を打ち消すように作用するので、被加熱体における加熱抑制部のジュール発熱を抑制することができる。
そして、本項に記載の高周波熱処理方法によれば、高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加している間、加熱抑制コイルに、高周波誘導加熱コイルに印加する高周波電流に対して逆方向の高周波電流を印加するので、加熱抑制コイルに高周波電流を印加しない場合、すなわち、高周波誘導加熱コイルに高周波電流が印加されることによる誘導電流のみが加熱抑制コイルに流れる場合と比較して、加熱抑制コイルの磁束を増大させることができる。これにより、加熱抑制コイルの磁束によってより多くの高周波誘導加熱コイルの磁束が打ち消されることになり、加熱抑制部のジュール発熱をより効果的に抑制することができる。また、加熱抑制コイルに印加する高周波電流を制御することにより、加熱抑制部のジュール発熱を制御することができる。
また、本項に記載の高周波熱処理方法は、被加熱体の加熱抑制部の位置が変更になった場合であっても、加熱抑制コイルを移動させるだけで対応することができるので、製品(被加熱体)毎に当て金を製作する必要がある公知技術と比較して、設備コストを大幅に削減することができるだけでなく、新規の製品(被加熱体)に対して迅速な対応が可能である。
ここで、本項に記載の高周波熱処理方法を使用したクランクシャフトの焼戻を想定する。なお、対象となるクランクシャフトは、直列4気筒エンジンに組み込まれるクランクシャフトであり、4個の各ピン部の両端に配置された合計で8個あるアーム部のうち、1個のアーム部にギア圧入部(加熱抑制部)が形成されている。このギア圧入部は、他のアーム部と比較して体積が大きくコイルギャップが小さい。
この場合、中空の高周波誘導加熱コイル内にクランクシャフトを配置して、位置決め手段によって、加熱抑制コイルを高周波誘導加熱コイルの軸線方向へ移動させることにより、加熱抑制コイルをギア圧入部に対向させて位置決めさせる。この状態で、高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加すると、加熱抑制コイルに、高周波誘導加熱コイルに印加された高周波電流に対して逆方向の誘導電流が流れる。この誘導電流によって生じる加熱抑制コイルの磁束は、高周波誘導加熱コイルの磁束を打ち消すように作用する。これにより、高周波誘導加熱コイルの加熱能力が部分的に調節されてギア圧入部のジュール発熱が抑制される。その結果、ギア圧入部のオーバーヒートを回避することができる。
本項の態様において、加熱抑制コイルの巻数は必要に応じて適宜設定することができる。また、加熱抑制コイルの巻数は必ずしも1以上である必要はなく、例えば、半開放型コイルを採用することができる。
本項の態様において、加熱抑制コイルを高周波誘導加熱コイルの内側に配置した場合、加熱抑制コイルを高周波誘導加熱コイルの外周に配置した場合と比較して、加熱抑制コイルの磁束によって打ち消される高周波誘導加熱コイルの磁束が増大するので、加熱抑制部のジュール発熱をより効果的に抑制することができる。
本発明によれば、安価な設備コストで加熱能力を部分的に調節することが可能な高周波熱処理装置及び高周波熱処理方法を提供することができる。
本実施形態を概略的に説明するための斜視図である。 被加熱体としてのクランクシャフト1Aの斜視図である。 被加熱体としてのクランクシャフト1Bの斜視図である。 クランクシャフト1Aを熱処理する場合の加熱抑制コイルの位置を説明するための図である。 クランクシャフト1Bを熱処理する場合の加熱抑制コイルの位置を説明するための図である。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。ここでは、高周波焼入されたクランクシャフト1A及び1B(被加熱体)を焼戻するための高周波熱処理装置及び高周波熱処理方法を説明する。
図2及び図3に示されるように、クランクシャフト1A及び1Bは、各々、直列4気筒エンジンに組み込まれるクランクシャフト1A、1B(以下、必要に応じて被加熱体1と使い分ける)である。クランクシャフト1Aには、出力軸2側(図2における左側)から数えて6番目のアーム部3にギア圧入部4(以下、必要に応じて加熱抑制部4と使い分ける)が形成されている。他方、クランクシャフト1Bには、出力軸2側(図3における左側)から数えて3番目のアーム部3にギア圧入部4が形成されている。クランクシャフト1A及び1Bの各ギア圧入部4は、ギア圧入部4が形成されていない他のアーム部3と比較して、体積が大きく高周波誘導加熱コイル5に対するコイルギャップが小さい。なお、クランクシャフト1Aとクランクシャフト1Bとは、ギア圧入部4の位置が異なる点を除いて、その他の部分の外形(寸法)が同一である。
図1に示されるように、高周波熱処理装置は、非磁性体の良導体によって構成された線材が一定の巻径で螺旋状に巻かれて形成された中空の高周波誘導加熱コイル5を有する。また、高周波熱処理装置は、非磁性体の良導体によって構成されて高周波誘導加熱コイル5の外周に配置される加熱抑制コイル6を有する。加熱抑制コイル6は、コイル巻数が1であるとともに、内径が高周波誘導加熱コイル5の外径よりも大きく形成されている。なお、高周波誘導加熱コイル5の軸線(中心線)と加熱抑制コイル6の軸線とは一致する。
また、高周波熱処理装置は、加熱抑制コイル6を高周波誘導加熱コイル5に対して軸線方向へ移動及び位置決めさせる位置決め手段を備えている。位置決め手段は、例えば、直動ガイド、ボールねじ、サーボモータ及び制御装置を含んで構成される公知技術を採用して構成することができる。また、加熱抑制コイル6を高周波誘導加熱コイル5に対して手動で移動及び位置決めさせるように位置決め手段を構成することもできる。
また、高周波熱処理装置は、高周波誘導加熱コイル5を一方向(図1におけるW1)へ流れる高周波電流を高周波誘導加熱コイル5に印加するとともに、高周波誘導加熱コイル5に印加される高周波電流に対して逆方向(図1におけるW2)へ流れる高周波電流を加熱抑制コイル6に印加する高周波電源を有する。この高周波電源は、高周波誘導加熱コイル5に印加される高周波電流の周波数と加熱抑制コイル6に印加される高周波電流の周波数とを個別に設定することが可能である。
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、クランクシャフト1Aを焼戻する場合を説明する。最初に、高周波誘導加熱コイル5内にクランクシャフト1Aをセットする。次に、位置決め手段によって、加熱抑制コイル6を予め決められた位置に位置決めさせる。これにより、図4に示されるように、加熱抑制コイル6は、高周波誘導加熱コイル5を介在させてクランクシャフト1Aのギア圧入部4に対向する。当然、高周波誘導加熱コイル5内にクランクシャフト1Aをセットする前に、位置決め手段によって加熱抑制コイル6を予め決められた位置に位置決めさせることが可能である。この状態で、高周波誘導加熱コイル5に高周波電流を印加するとともに、高周波誘導加熱コイル5に高周波電流を印加している間、加熱抑制コイル6に、高周波誘導加熱コイル5に印加された高周波電流の方向(図1におけるW1)に対して逆方向(図1におけるW2)の高周波電流を印加する。
このように、加熱抑制コイル6に、高周波誘導加熱コイル5に印加する高周波電流に対して逆方向の高周波電流を印加することにより、加熱抑制コイル6の磁束は、高周波誘導加熱5コイルの磁束を打ち消すように作用する。これにより、高周波誘導加熱コイル5の加熱能力を調節、すなわち、ギア圧入部4に対応する部位で部分的に低下させることができ、ギア圧入部4のジュール発熱を抑制することができる。その結果、相対的に体積が大きくコイルギャップが小さいギア圧入部4のオーバーヒートを回避することが可能であり、クランクシャフト1Aを均一に焼戻(高周波熱処理)することができる。
次に、クランクシャフト1Bを焼戻する場合を説明する。なお、前述したクランクシャフト1Aを焼戻する場合と重複する説明は省略する。
まず、高周波誘導加熱コイル5内にクランクシャフト1Bをセットする。次に、位置決め手段によって、加熱抑制コイル6を予め決められた位置に位置決めさせる。これにより、加熱抑制コイル6は、図5に示されるように、高周波誘導加熱コイルを介在させてクランクシャフト1Bのギア圧入部4(加熱抑制部)に対向する。この状態で、高周波誘導加熱コイル5に高周波電流を印加するとともに、高周波誘導加熱コイル5に高周波電流を印加している間、加熱抑制コイル6に、高周波誘導加熱コイル5に印加された高周波電流の方向(図1におけるW1)に対して逆方向(図1におけるW2)の高周波電流を印加することにより、クランクシャフト1Bを均一に焼戻することができる。
この実施形態では以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、高周波誘導加熱コイル5の外周に配置した加熱抑制コイル6を位置決め手段によって移動及び位置決めさせて、加熱抑制コイル6を高周波誘導加熱コイル5内の被加熱体1(本実施形態では、ギア圧入部4の位置が異なるクランクシャフト1A及び1B)の加熱抑制部4(本実施形態では、ギア圧入部4)に対向させた状態で、高周波誘導加熱コイル5に高周波電流を印加するとともに、加熱抑制コイル6に、高周波誘導加熱コイル5に印加する高周波電流に対して逆方向の高周波電流を印加することにより、高周波誘導加熱コイル5の加熱能力を部分的に調節した(低下させた)ので、被加熱体1の部分的なオーバーヒートを抑制して、被加熱体1を均一に熱処理(本実施形態では、焼戻)することができる。さらに、形状が異なる複数種類の被加熱体1の熱処理(焼戻)を同一設備で実施することができるため、当て金を製品(被加熱体1)毎に製作することを要する公知技術と比較した場合、設備コストを大幅に削減することができ、且つ、新規の製品(被加熱体)の熱処理を実施する場合も迅速な対応が可能である。
なお、前述した実施形態は、以下の点に留意されたい。
被加熱体1は、クランクシャフト1A、1Bに限定されない。
熱処理は、焼戻に限定されるものではない。本実施形態は、例えば、高周波焼入に適用することができる。
本実施形態では、加熱抑制コイル6の巻数を1としたが、加熱抑制コイル6の巻数は、必要に応じて適宜決定することができる。
本実施形態では、加熱抑制コイル6に、高周波誘導加熱コイル5に印加された高周波電流の流れ方向に対して逆方向へ流れる高周波電流を印加したが、加熱抑制コイル6に高周波電流を印加することは必須ではない。加熱抑制コイル6に高周波電流を印加しない場合、高周波誘導加熱コイル5に高周波電流を印加すると、加熱抑制コイル6には、高周波誘導加熱コイル5に流れる高周波電流に対して逆方向の誘導電流が流れる。この誘導電流によって生じる加熱抑制コイル6の磁束は、高周波誘導加熱コイル5の磁束を打ち消すように作用する。
本実施形態では、加熱抑制コイル6を高周波誘導加熱コイル5の外周に配置したが、加熱抑制コイル6は、高周波誘導加熱コイル5の内周に配置することができる。加熱抑制コイル6を高周波誘導加熱コイル5の内周に配置した場合、加熱抑制コイル6を高周波誘導加熱コイル5の外周に配置した場合と比較して、加熱抑制コイル6の磁束によって打ち消される高周波誘導加熱コイル5の磁束が増大するので、加熱抑制部4のジュール発熱をより効果的に抑制することができる。
1 被加熱体(クランクシャフト1A、1B)、2 出力軸、3 アーム部、4 加熱抑制部(ギア圧入部)、5 高周波誘導加熱コイル、6 加熱抑制コイル

Claims (2)

  1. 螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイルを備えて、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流が印加されることで、前記高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体が高周波誘導加熱される高周波熱処理装置であって、
    前記高周波誘導加熱コイルの外周又は内周に配置されて非磁性体の良導体によって構成される加熱抑制コイルと、
    前記加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段と、
    を有し、
    前記加熱抑制コイルに、前記高周波誘導加熱コイルに印加される高周波電流に対して逆方向の高周波電流が印加されることを特徴とする高周波熱処理装置。
  2. 螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加して、前記高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体を高周波誘導加熱させる高周波熱処理方法であって、
    前記高周波誘導加熱コイルの外周又は内周に、非磁性体の良導体によって構成される加熱抑制コイルを設けておいて、
    前記被加熱体を前記高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに前記加熱抑制コイルを前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置して、
    この状態で前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加し、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加している間、前記加熱抑制コイルに、前記高周波誘導加熱コイルに印加する高周波電流に対して逆方向の高周波電流を印加することを特徴とする高周波熱処理方法。
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