JP2023133910A - カムシャフト焼入装置及びカムシャフトの焼入方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポンプカムを有するカムシャフトを焼入れする場合と、ポンプカムを有しないカムシャフトを焼入れする場合とで、焼入れコイルユニットを共用することができ、焼入れコイルユニットを交換する必要がないカムシャフト焼入装置を提供する。
【解決手段】カムシャフト焼入装置10は、カムシャフト12(12A)の両端部を位置決めする位置決め機構18を備える。位置決め機構18は、磁性材料からなりカムシャフト12の一端部を保持する先端治具36と、非磁性材料からなり先端治具36を支持する支持部材38とを有する。焼入れコイルユニット24により、ポンプカム16を有さないカムシャフトを誘導加熱するときに、支持部材38は、ポンプカム用コイル46bと向き合う位置に配置される。
【選択図】図1
【解決手段】カムシャフト焼入装置10は、カムシャフト12(12A)の両端部を位置決めする位置決め機構18を備える。位置決め機構18は、磁性材料からなりカムシャフト12の一端部を保持する先端治具36と、非磁性材料からなり先端治具36を支持する支持部材38とを有する。焼入れコイルユニット24により、ポンプカム16を有さないカムシャフトを誘導加熱するときに、支持部材38は、ポンプカム用コイル46bと向き合う位置に配置される。
【選択図】図1
Description
本発明は、カムシャフト焼入装置及びカムシャフトの焼入方法に関する。
カムシャフトは、内燃機関の吸気と排気を制御するバルブを動作させるための機械部品である。一般に、カムシャフトに設けられたカムの外周部に所望の強度を持たせるために、高周波電流による誘導加熱を利用して、カムの焼入れが行われる。従来、カムシャフトの焼入れには、複数のコイル部材を有する焼入れコイルユニットを備えたカムシャフト焼入装置が用いられる(例えば、下記特許文献1参照)。
カムシャフトは、バルブを駆動するためのカム(バルブカム)を有する。燃料ポンプを駆動するためのポンプカムをさらに有するカムシャフトもある。ポンプカムを有するカムシャフトと、ポンプカムを有しないカムシャフトは、互いに長さが異なるため、それぞれに対応した焼入れコイルユニットが用いられる。このため、ポンプカムを有するカムシャフトの焼入れと、ポンプカムを有しないカムシャフトの焼入れとを切り替える際には、焼入れコイルユニットの交換作業が必要であり、煩雑である。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
本発明の第1の態様は、カムシャフトの両端部を位置決めする位置決め機構と、一方向に互いに間隔を置いて配列された誘導加熱用の複数のコイル部材を有する焼入れコイルユニットと、を備え、複数のコイル部材を前記カムシャフトに設けられた複数のカム部の外周面に向き合うように配置して、高周波電流により前記複数のカム部を誘導加熱するカムシャフト焼入装置であって、前記複数のコイル部材からなるコイル列の一端に位置するコイル部材は、ポンプカムを加熱するためのポンプカム用コイルであり、前記位置決め機構は、磁性材料からなり前記カムシャフトの一端部を保持する先端治具と、非磁性材料からなり前記先端治具を支持する支持部材と、を有し、前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有する第1の形態のカムシャフトを誘導加熱するときに、前記支持部材は、前記ポンプカム用コイルと向き合わない位置に配置され、前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有さず且つ前記第1の形態のカムシャフトよりも短い第2の形態のカムシャフトを誘導加熱するときに、前記支持部材は、前記ポンプカム用コイルと向き合う位置に配置される、カムシャフト焼入装置である。
本発明の第2の態様は、カムシャフトの両端部を位置決めする位置決め機構と、一方向に互いに間隔を置いて配列された誘導加熱用の複数のコイル部材を有する焼入れコイルユニットと、を備えたカムシャフト焼入装置を用い、前記複数のコイル部材を前記カムシャフトに設けられた複数のカム部の外周面に向き合うように配置して、高周波電流により前記複数のカム部を誘導加熱するカムシャフトの焼入方法であって、前記複数のコイル部材からなるコイル列の一端に位置するコイル部材は、ポンプカムを加熱するためのポンプカム用コイルであり、前記位置決め機構は、磁性材料からなり前記カムシャフトの一端部を保持する先端治具と、非磁性材料からなり前記先端治具を支持する支持部材と、を有し、前記カムシャフトの焼入方法は、前記位置決め機構により前記カムシャフトの両端部を位置決めする位置決め工程と、前記焼入れコイルユニットにより複数のカム部を誘導加熱する加熱工程と、を有し、前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有する第1の形態のカムシャフトを誘導加熱するときは、前記ポンプカム用コイルと向き合わない位置に前記支持部材が配置された状態で前記加熱工程が実施され、前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有さず且つ前記第1の形態のカムシャフトよりも短い第2の形態のカムシャフトを誘導加熱するときは、前記ポンプカム用コイルと向き合う位置に前記支持部材が配置された状態で前記加熱工程が実施される、カムシャフトの焼入方法である。
本発明によれば、ポンプカムを有しないカムシャフトを焼入れコイルユニットにより加熱するとき、支持部材はポンプカム用コイルと向き合う位置に配置されるが、支持部材は非磁性材料からなるためポンプカム用コイルによる加熱が防止される。すなわち、高周波電流による磁界が発生する範囲内に支持部材が配置されたときでも、支持部材が赤熱することはないため、ポンプカムを有しないカムシャフトを焼入れする場合と同じ焼入コイルユニットを用いて、ポンプカムを有しないカムシャフトを支障なく焼入れすることができる。このため、ポンプカムを有するカムシャフトを焼入れする場合と、ポンプカムを有しないカムシャフトを焼入れする場合とで、焼入れコイルユニットを共用することができ、焼入れコイルユニットを交換する必要がない。
図1及び図2に示す本実施形態に係るカムシャフト焼入装置10は、金属材料からなるカムシャフト12の複数のカム部14を高周波電流により誘導加熱するための装置である。カムシャフト12は、シャフト本体を構成する長尺状の軸部13と、軸部13に互いに間隔を置いて配置された複数のカム部14とを有する。図1に示すカムシャフト12と、図2に示すカムシャフト12とは、互いに別形態に構成されている。以下、2種類のカムシャフト12を区別して説明する場合には、図1に示すカムシャフト12を「カムシャフト12A」と表記し、図2に示すカムシャフト12を「カムシャフト12B」と表記する。カムシャフト焼入装置10は、カムシャフト12Aとカムシャフト12Bのいずれに対しても焼入れが可能である。
図1に示すカムシャフト12Aは、内燃機関の排気バルブを駆動するための排気側カムシャフトである。複数のカム部14は、排気バルブを駆動するための複数のバルブカム14aと、内燃機関に燃料を供給する燃料ポンプを駆動するための1つのポンプカム16とを有する。カムシャフト12Aは、直列4気筒エンジン用のカムシャフトであり、8個のバルブカム14aを有する。カムシャフト12Aは、ポンプカム16を有する第1の形態のカムシャフトである。ポンプカム16は、バルブカム14aのカムプロフィールとは異なるカムプロフィール(外周形状)を有しており、カムシャフト12Aの一端側に配置されている。
図2に示すカムシャフト12Bは、内燃機関の吸気バルブを駆動するための吸気側カムシャフトである。カムシャフト12Bは、複数のカム部14として、吸気バルブを駆動するための複数のバルブカム14bを有する。カムシャフト12Bは、4気筒の内燃機関用であり、8個のバルブカム14bを有する。カムシャフト12Bは、ポンプカム16を有さず且つカムシャフト12Aよりも短い第2の形態のカムシャフトである。
カムシャフト12Aとカムシャフト12Bは、DOHC方式の吸排気弁機構を有する同一機種の内燃機関に用いられる。カムシャフト12Aの複数のバルブカム14aと、カムシャフト12Bの複数のバルブカム14bとは、略同一の配置となっている。すなわち、カムシャフト12A及びカムシャフト12Bにおいて、複数のバルブカム14aの両端に位置するバルブカム14a同士の距離と、カムシャフト12Bにおいて複数のバルブカム14bの両端に位置するバルブカム14b同士の距離とは、略同一である。カムシャフト12A及びカムシャフト12Bにおいて、バルブカム14a同士の間隔とバルブカム14b同士の間隔とは、略同一である。カムシャフト12A及びカムシャフト12Bにおいて、互いに対応するバルブカム14a、14b同士の位置の違いは、例えば、1.0mm~3.0mmの範囲内である。
カムシャフト焼入装置10は、位置決め機構18と、焼入れコイルユニット24と、高周波電源26と、制御部28とを備える。
位置決め機構18は、カムシャフト12の第1端部121を保持する第1保持部20と、カムシャフト12の第2端部122を保持する第2保持部22とを有する。図1及び図2において、カムシャフト12の左側の端部が第1端部121であり、カムシャフト12の右側の端部が第2端部122である。
第1保持部20は、カムシャフト12の第1端部121を保持する第1先端治具30と、第1先端治具30に連結された第1シャフト32とを有する。第1先端治具30は、金属材料、特に磁性材料からなるのが好ましい。第1先端治具30は、真空焼入れ処理された部材であることが好ましい。第1先端治具30は、円形に形成されており、第1保持部20の先端部を構成する。
第1先端治具30は、カムシャフト12の第1端部121を受け入れて保持するための円形の第1保持凹部301を有する。第1保持凹部301の内周部は、第1シャフト32に向かって縮径する第1環状傾斜面302を有する。
第1シャフト32は、第1先端治具30に同軸に連結されている。第1シャフト32は、図示しないベアリングによって回転可能に支持されている。第1保持部20(第1先端治具30及び第1シャフト32)は、軸方向に移動可能である。カムシャフト焼入装置10は、第1保持部20を軸方向に移動させる移動機構34をさらに備える。移動機構34は、カムシャフト焼入装置10の制御部28によって制御される。
第2保持部22は、カムシャフト12の第2端部122を保持する第2先端治具36と、第2先端治具36を支持する支持部材38と、支持部材38に連結された第2シャフト40とを有する。第2先端治具36は、磁性材料からなる。第2先端治具36は、真空焼入れ処理された部材であることが好ましい。第2先端治具36は、円形に形成されており、第2保持部22の先端部を構成する。
第2先端治具36は、カムシャフト12の第2端部122を受け入れて保持するための円形の第2保持凹部361を有する。第2保持凹部361の内周部は、第2シャフト40に向かって縮径する第2環状傾斜面362を有する。第2先端治具36は円環状に形成されている。第2先端治具36の中心部には孔部363が形成されている。
支持部材38は、非磁性材料からなる。本実施形態において、支持部材38は、熱処理されていない金属材である。支持部材38は、金属材に限られず、セラミックス材からなる部材でもよい。支持部材38は、第2先端治具36に同軸に連結されている。支持部材38は、第2先端治具36と第2シャフト40との間に配置された中間部材である。
支持部材38は、円筒状の胴体部381と、胴体部381の先端から突出した先端凸部382とを有する。胴体部381の軸方向長さは、第1先端治具30の軸方向長さよりも長い。胴体部381の先端凸部382が設けられた側とは反対側には凹部383が形成されている。先端凸部382は、胴体部381と同軸状に設けられ、第2先端治具36の孔部363に嵌合した円筒状突起である。第2先端治具36に螺合したネジ部材42の一端が、先端凸部382の外周面に突き当たっている。当該ネジ部材42によって第2先端治具36と支持部材38とが相互固定されている。
第2シャフト40の先端が支持部材38に同軸に連結されている。第2シャフト40の先端が支持部材38の凹部383に嵌合及び固定されている。第2シャフト40は、図示しないベアリングによって回転可能に支持されている。従って、第2先端治具36、支持部材38及び第2シャフト40は一体的に回転可能である。第2保持部22は、軸方向に移動可能である。カムシャフト焼入装置10は、第2保持部22を駆動する駆動機構44をさらに備える。駆動機構44は、第2シャフト40を軸方向に移動させるとともに、第2シャフト40をその軸心回りに回転させる。駆動機構44は、カムシャフト焼入装置10の制御部28によって制御される。
焼入れコイルユニット24は、一方向に互いに間隔を置いて配列された誘導加熱用の複数のコイル部材46と、複数のコイル部材46を支持するフレーム48とを有する。カムシャフト焼入装置10は、複数のコイル部材46を複数のカム部14の外周面に向き合うように配置して、高周波電流により複数のカム部14を誘導加熱する。各コイル部材46は、円形リング状に形成されている。焼入れコイルユニット24によりカムシャフト12を加熱する際には、複数のコイル部材46の内側にカムシャフト12が配置される。
複数のコイル部材46は、バルブカム14a、14bを加熱するための複数(本実施形態では、8個)のバルブカム用コイル46aと、ポンプカム16を加熱するための1個のポンプカム用コイル46bとを有する。ポンプカム用コイル46bは、複数のコイル部材46からなるコイル列の一端に配置されている。ポンプカム用コイル46bは、複数のコイル部材46のうち第2保持部22に最も近いコイル部材である。
高周波電源26は、焼入れコイルユニット24に接続されている。高周波電源26は、焼入れコイルユニット24のフレーム48に設けられた導電経路を介して複数のコイル部材46に電気的に接続されており、複数のコイル部材46に高周波電流を供給する。高周波電源26は、制御部28によって制御される。
カムシャフト焼入装置10は、以下のように動作する。
まず、図1を参照し、ポンプカム16を有するカムシャフト12Aを焼入れする場合について説明する。カムシャフト焼入装置10を用いたカムシャフト12Aの焼入方法は、位置決め工程と、加熱工程と、冷却工程とを有する。
位置決め工程では、図1に示すように、位置決め機構18によりカムシャフト12の両端部を位置決めする。具体的には、第1保持部20によりカムシャフト12Aの第1端部121を保持し、第2保持部22によりカムシャフト12Aの第2端部122を保持する。このとき、第1先端治具30の第1環状傾斜面302が第1端部121の外周エッジに当接し、第2先端治具36の第2環状傾斜面362が第2端部122の外周エッジに当接する。このため、第1保持部20及び第2保持部22に対してカムシャフト12Aが正確にセンタリングされる。
第2先端治具36の先端面は、ポンプカム16の端面16eから突出したシャフト端部50に当接し、ポンプカム16の当該端面16eから離間している。すなわち、第2先端治具36の先端面は、ポンプカム16の端面16eと接触していない。
位置決め工程では、複数のバルブカム14aが複数のバルブカム用コイル46aに向き合うように配置され、ポンプカム16がポンプカム用コイル46bに向き合うように配置される。支持部材38は、ポンプカム用コイル46bと向き合わない位置に配置される。
次に、加熱工程が行われる。加熱工程では、焼入れコイルユニット24によりカムシャフト12Aの複数のバルブカム14a及びポンプカム16を加熱する。具体的には、駆動機構44によりカムシャフト12Aを回転させながら、複数のバルブカム用コイル46aにより複数のバルブカム14aを加熱するとともに、ポンプカム用コイル46bによりポンプカム16を誘導加熱する。加熱工程は、ポンプカム用コイル46bと向き合わない位置に支持部材38が配置された状態で実施される。バルブカム14a及びポンプカム16が加熱されたカムシャフト12Aは、焼入れコイルユニット24の下流側に配置された図示しない冷却部へと搬送される。
次に、冷却部において冷却工程が行われる。冷却工程では、カムシャフト12Aが冷却水によって急冷される。この結果、カムシャフト12Aが焼入れされる。
図2を参照し、ポンプカム16を有しないカムシャフト12Bを焼入れする場合について説明する。カムシャフト焼入装置10を用いたカムシャフト12Bの焼入方法は、位置決め工程と、加熱工程と、冷却工程とを有する。
位置決め工程では、図2に示すように、位置決め機構18によりカムシャフト12Bの両端部を位置決めする。具体的には、第1保持部20によりカムシャフト12Bの第1端部121を保持し、第2保持部22によりカムシャフト12Bの第2端部122を保持する。このとき、第1先端治具30の第1環状傾斜面302が第1端部121の外周エッジに当接し、第2先端治具36の第2環状傾斜面362が第2端部122の外周エッジに当接する。このため、第1先端治具30及び第2先端治具36に対してカムシャフト12Bが正確にセンタリングされる。
ポンプカム16を有しないカムシャフト12Bは、ポンプカム16を有するカムシャフト12Aよりも短い。このため、カムシャフト12Bを焼入れする際の位置決め工程では、複数のバルブカム14bが複数のバルブカム用コイル46aに向き合うように配置され、第2保持部22の支持部材38がポンプカム用コイル46bと向き合う位置に配置される。すなわち、支持部材38は、リング状のポンプカム用コイル46bの内側に配置される。
次に、加熱工程が行われる。加熱工程では、焼入れコイルユニット24によりカムシャフト12Bの複数のバルブカム14bを加熱する。具体的には、駆動機構44によりカムシャフト12Bを回転させながら、複数のバルブカム用コイル46aにより複数のバルブカム14bを誘導加熱する。このとき、ポンプカム用コイル46bにも高周波電流が供給されており、支持部材38の少なくとも外周部は、ポンプカム用コイル46bによる磁界形成領域にある。バルブカム14bが加熱されたカムシャフト12Bは、焼入れコイルユニット24の下流側に配置された図示しない冷却部へと搬送される。
次に、冷却部において冷却工程が行われる。冷却工程では、カムシャフト12Bが冷却水によって急冷される。この結果、カムシャフト12Bが焼入される。
本実施形態に係るカムシャフト焼入装置10及びカムシャフト12の焼入方法は、以下の効果を奏する。
ポンプカム16を有しないカムシャフト12Bを焼入れコイルユニット24により加熱するとき、支持部材38はポンプカム用コイル46bと向き合う位置に配置されるが、支持部材38は非磁性材料からなるためポンプカム用コイル46bによる加熱が防止される。すなわち、高周波電流による磁界が発生する範囲内に支持部材38が配置されたときでも、支持部材38が赤熱することはないため、ポンプカム16を有するカムシャフト12Aを誘導加熱する場合と同じ焼入れコイルユニット24を用いて、ポンプカム16を有しないカムシャフト12Bを支障なく誘導加熱することができる。このため、ポンプカム16を有するカムシャフト12Aを焼入れする場合と、ポンプカム16を有しないカムシャフト12Bを焼入れする場合とで、焼入れコイルユニット24を共用することができ、カムシャフト12の形態に応じて焼入れコイルユニット24を交換する必要がない。
第2先端治具36は磁性材料からなるため、ポンプカム用コイル46bによりポンプカム16を誘導加熱する際に、ポンプカム16の近傍に位置する第2先端治具36が、ポンプカム用コイル46bによる磁界形成を阻害することがない。従って、ポンプカム用コイル46bによりポンプカム16を良好に誘導加熱することができる。
支持部材38の材料として、熱処理されていないステンレス鋼を採用することにより、支持部材38を設けることに伴うコストの増加を抑制することができる。
図1に示したように、ポンプカム16を有するカムシャフト12Aを焼入れするとき、第2先端治具36がポンプカム16の端面16eに当接しない。このため、ポンプカム16の焼入れ時に第2先端治具36が過度に加熱されて赤熱することを防止することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
上記の実施形態をまとめると、以下のようになる。
上記の実施形態は、カムシャフト(12)の両端部を位置決めする位置決め機構(18)と、一方向に互いに間隔を置いて配列された誘導加熱用の複数のコイル部材(46)を有する焼入れコイルユニット(24)と、を備え、複数のコイル部材を前記カムシャフトに設けられた複数のカム部(14)の外周面に向き合うように配置して、高周波電流により前記複数のカム部を誘導加熱するカムシャフト焼入装置(10)であって、前記複数のコイル部材からなるコイル列の一端に位置するコイル部材は、ポンプカム(16)を加熱するためのポンプカム用コイル(46b)であり、前記位置決め機構は、磁性材料からなり前記カムシャフトの一端部を保持する先端治具と、非磁性材料からなり前記先端治具を支持する支持部材(38)と、を有し、前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有する第1の形態のカムシャフト(12A)を誘導加熱するときに、前記支持部材は、前記ポンプカム用コイルと向き合わない位置に配置され、前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有さず且つ前記第1の形態のカムシャフトよりも短い第2の形態のカムシャフト(12B)を誘導加熱するときに、前記支持部材は、前記ポンプカム用コイルと向き合う位置に配置される、カムシャフト焼入装置を開示する。
前記支持部材は、熱処理されていないステンレス鋼からなる。
前記ポンプカムを有する前記カムシャフトを焼入れするときに、前記先端治具は、前記ポンプカムの端面(16e)から突出したシャフト端部(50)に当接し、前記ポンプカムの前記端面から離間する。
上記の実施形態は、カムシャフト(12)の両端部を位置決めする位置決め機構(18)と、一方向に互いに間隔を置いて配列された誘導加熱用の複数のコイル部材(46)を有する焼入れコイルユニット(24)と、を備えたカムシャフト焼入装置(10)を用い、前記複数のコイル部材を前記カムシャフトに設けられた複数のカム部(14)の外周面に向き合うように配置して、高周波電流により前記複数のカム部を誘導加熱するカムシャフトの焼入方法であって、前記複数のコイル部材からなるコイル列の一端に位置するコイル部材は、ポンプカム(16)を加熱するためのポンプカム用コイル(46b)であり、前記位置決め機構は、磁性材料からなり前記カムシャフトの一端部を保持する先端治具と、非磁性材料からなり前記先端治具を支持する支持部材(38)と、を有し、前記カムシャフトの焼入方法は、前記位置決め機構により前記カムシャフトの両端部を位置決めする位置決め工程と、前記焼入れコイルユニットにより複数のカム部を誘導加熱する加熱工程と、を有し、前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有する第1の形態のカムシャフト(12A)を誘導加熱するときは、前記ポンプカム用コイルと向き合わない位置に前記支持部材が配置された状態で前記加熱工程が実施され、前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有さず且つ前記第1の形態のカムシャフトよりも短い第2の形態のカムシャフト(12B)を誘導加熱するときは、前記ポンプカム用コイルと向き合う位置に前記支持部材が配置された状態で前記加熱工程が実施される、カムシャフトの焼入方法を開示する。
10…カムシャフト焼入装置 12、12A、12B…カムシャフト
14…カム部 18…位置決め機構
24…焼入れコイルユニット 38…支持部材
46…コイル部材 46a…バルブカム用コイル
46b…ポンプカム用コイル
14…カム部 18…位置決め機構
24…焼入れコイルユニット 38…支持部材
46…コイル部材 46a…バルブカム用コイル
46b…ポンプカム用コイル
Claims (4)
- カムシャフトの両端部を位置決めする位置決め機構と、
一方向に互いに間隔を置いて配列された誘導加熱用の複数のコイル部材を有する焼入れコイルユニットと、を備え、
複数のコイル部材を前記カムシャフトに設けられた複数のカム部の外周面に向き合うように配置して、高周波電流により前記複数のカム部を誘導加熱するカムシャフト焼入装置であって、
前記複数のコイル部材からなるコイル列の一端に位置するコイル部材は、ポンプカムを加熱するためのポンプカム用コイルであり、
前記位置決め機構は、磁性材料からなり前記カムシャフトの一端部を保持する先端治具と、非磁性材料からなり前記先端治具を支持する支持部材と、を有し、
前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有する第1の形態のカムシャフトを誘導加熱するときに、前記支持部材は、前記ポンプカム用コイルと向き合わない位置に配置され、
前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有さず且つ前記第1の形態のカムシャフトよりも短い第2の形態のカムシャフトを誘導加熱するときに、前記支持部材は、前記ポンプカム用コイルと向き合う位置に配置される、カムシャフト焼入装置。 - 請求項1記載のカムシャフト焼入装置において、
前記支持部材は、熱処理されていないステンレス鋼からなる、カムシャフト焼入装置。 - 請求項1又は2記載のカムシャフト焼入装置において、
前記ポンプカムを有する前記カムシャフトを焼入れするときに、前記先端治具は、前記ポンプカムの端面から突出したシャフト端部に当接し、前記ポンプカムの前記端面から離間する、カムシャフト焼入装置。 - カムシャフトの両端部を位置決めする位置決め機構と、一方向に互いに間隔を置いて配列された誘導加熱用の複数のコイル部材を有する焼入れコイルユニットと、を備えたカムシャフト焼入装置を用い、前記複数のコイル部材を前記カムシャフトに設けられた複数のカム部の外周面に向き合うように配置して、高周波電流により前記複数のカム部を誘導加熱するカムシャフトの焼入方法であって、
前記複数のコイル部材からなるコイル列の一端に位置するコイル部材は、ポンプカムを加熱するためのポンプカム用コイルであり、
前記位置決め機構は、磁性材料からなり前記カムシャフトの一端部を保持する先端治具と、非磁性材料からなり前記先端治具を支持する支持部材と、を有し、
前記カムシャフトの焼入方法は、
前記位置決め機構により前記カムシャフトの両端部を位置決めする位置決め工程と、
前記焼入れコイルユニットにより複数のカム部を誘導加熱する加熱工程と、を有し、
前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有する第1の形態のカムシャフトを誘導加熱するときは、前記ポンプカム用コイルと向き合わない位置に前記支持部材が配置された状態で前記加熱工程が実施され、
前記焼入れコイルユニットにより、前記ポンプカムを有さず且つ前記第1の形態のカムシャフトよりも短い第2の形態のカムシャフトを誘導加熱するときは、前記ポンプカム用コイルと向き合う位置に前記支持部材が配置された状態で前記加熱工程が実施される、カムシャフトの焼入方法。
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