JP2017226873A - 軸受部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の成形体を連続して誘導加熱処理することができ、かつ加熱対象領域の全体を均一に加熱することができる軸受部品の製造方法を提供する。【解決手段】環状の形状を有し、軸方向に対して交差する方向に延びる面を有し、軸方向における一方端2側が他方端3側よりも径方向の内側に位置している複数の成形体1を形成する工程と、上記交差する方向に延びる面4と径方向において対向配置された誘導加熱コイル21〜23によって、複数の成形体1を誘導加熱する工程とを備える。誘導加熱する工程において、複数の成形体1は、それぞれの中心軸が誘導加熱コイル21〜23の軸方向に沿うように配置されているとともに、隣り合う2つの成形体1の一方端2側同士または他方端3側同士が軸方向において対向するように配置されている。【選択図】図3
Description
本発明は、軸受部品の製造方法に関し、特に軸方向における一方端が他方端よりも外径が小さく、当該軸方向と交差する方向に延びる外周面を有する軸受部品の製造方法に関する。
軸受鋼からなる軸受部品は、炭化物を母地中に溶け込ませ、炭素を均一に拡散させるために、一定時間一定温度で保持される熱処理が実施される。軸受部品の炭素濃度は、所定の範囲内にあって全体として均一であることが要求される。軸受部品の炭素濃度は、母地への炭化物の溶け込み速度に依存し、当該溶け込み速度は母地の温度に依存する。そのため、軸受部品の製造工程において、上記熱処理の温度管理は非常に重要である。
軸受部品の製造工程における上記熱処理は、低環境負荷、低消費電力などの利点から、誘導加熱により行われる場合がある。特開2015−067880号公報には、軸方向に積み重ねられたリング状部材に対し、外周側に囲むように配置された誘導加熱コイルで誘導加熱しながら軸方向に搬送する熱処理方法が開示されている。
一方、誘導加熱の場合、発熱密度分布は誘導加熱コイルと被加熱部材との距離に依存する。そのため、従来、軸方向に対して傾斜している外径面を有する被加熱部材の当該外径面の全体を均一に誘導加熱するためには、以下のような誘導加熱方法が知られている。
特表2011−515575号公報には、軸方向に対して傾斜している円錐ころ軸受の外輪の転動面に対し、所定の間隔を保って移動させる誘導加熱方法が開示されている。
特開2015−10260号公報には、円すいころ軸受の内輪の表面を均一に加熱するために、内輪の軸方向に沿って延びる複数の柱状部と各柱状部とを径方向に連結する撚決部とを有する表面均一加熱用コイルを用いた、誘導加熱方法が開示されている。
しかしながら、特表2011−515575号公報および特開2015−10260号公報に記載の誘導加熱方法では、複数の軌道輪となるべき被加熱部材(成形体)を連続して加熱処理することが困難である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、複数の成形体を連続して誘導加熱処理することができ、かつ加熱対象領域の全体を均一に加熱することができる軸受部品の製造方法を提供することにある。
本発明に係る軸受部品の製造方法は、環状の形状を有し、軸方向に対して交差する方向に延びる面を有し、軸方向における一方端側が他方端側よりも径方向の内側に位置している複数の成形体を形成する工程と、交差する方向に延びる面と対向配置された少なくとも1つの誘導加熱コイルによって、複数の成形体を誘導加熱する工程とを備える。誘導加熱する工程において、複数の成形体は、それぞれの中心軸が誘導加熱コイルの軸方向に沿うように配置されているとともに、隣り合う2つの成形体の一方端側同士または他方端側同士が軸方向において対向するように配置されている。
本発明によれば、複数の成形体を連続して誘導加熱処理することができ、かつ加熱対象領域の全体を均一に加熱することができる軸受部品の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1〜図5を参照して、本実施の形態に係る軸受部品の製造方法について説明する。本実施の形態では、本発明の一例として、円すいころ軸受の内輪の製造方法を説明する。図1に示されるように、本実施の形態に係る内輪の製造方法は、成形体を形成する工程(S10)と、誘導加熱工程(S20)とを主に備える。
成形体形成工程(S10)では、高周波焼入処理に適した任意の成分組成を有する鋼材が準備される。当該鋼材は、例えばJIS規格SUJ2である。また、例えばSCM445H、SCM440などであってもよい。
次に、準備された鋼材に対し、鍛造、旋削などの加工が実施される。これにより、所望の内輪の形状に応じた形状を有する成形体が複数個作製される。図1に示すように、成形体1は、環状の形状を有している。成形体1は、軸方向における一方端2の外径が他方端3の外径よりも短い。言い換えると、成形体1は、軸方向における一方端2側が他方端3側よりも径方向の内側に位置している。成形体1の一方端2は、内輪において小つば部となるべき部分である。成形体1の他方端3は、内輪において大つば部となるべき部分である。成形体1の外周面上において一方端2と他方端3との間には溝部が形成されている。溝部は周方向に延在している。溝部の底面は、軸方向に対して交差する方向に延びる面4である。成形体1の面4は、内輪において転走面となるべき部分である。
次に、図2に示されるように、焼入硬化処理工程が実施される。焼入硬化処理工程は、誘導加熱工程(S20)と、加熱停止保持工程(S30)と、冷却工程(S40)とを含んでいる。焼入硬化処理は、例えば図3に示される誘導加熱部と、図示しない冷却部とを備える熱処理装置により実施される。誘導加熱工程(S20)は誘導加熱部により実施され、冷却工程(S40)は冷却部により実施される。はじめに、焼入硬化処理工程に用いられる熱処理装置について説明する。
図3に示されるように、誘導加熱部は、例えば複数の誘導加熱コイル21,22,23を含んでいる。誘導加熱コイル21〜23は、環状の形状を有している。誘導加熱コイル21〜23は、成形体1の他方端3の外径よりも大きい内径を有している。誘導加熱コイル21〜23の各内径は、例えば同一である。誘導加熱コイル21〜23は、それぞれの軸方向から見たときに、各中心軸が重なるように同軸配置されている。誘導加熱コイル21〜23は、当該軸方向において間隔を隔てて配置されている。誘導加熱コイル21〜23の軸方向は、例えば鉛直方向に沿っている。なお、誘導加熱コイル21〜23の軸方向D1は、後述する誘導加熱コイル21〜23に囲まれる空間内を搬送される成形体1の搬送方向に沿っている。
誘導加熱コイル21〜23のコイルの巻き数は、例えば一部の誘導加熱コイル21,22と他の誘導加熱コイル23とで異なっている。一部の誘導加熱コイル21,22,23,26の巻き数は、例えば他の誘導加熱コイル24,25の巻き数の半分である。誘導加熱コイル21〜23の軸方向において隣り合う2つの誘導加熱コイル間の間隔は、例えば成形体1の軸方向における長さ(一方端2と他方端3との間の当該軸方向における長さ)の約2倍である。なお、誘導加熱部において、誘導加熱コイル21〜23の各構成は、成形体1の形状等に応じて適宜変更される。誘導加熱コイル21〜23の最適な構成は、予備実験またはシミュレーションなどによって決定され得る。
誘導加熱部は、例えば各誘導加熱コイル21〜23に個別に電力を供給する電源装置30をさらに含んでいる。電源装置30は、誘導加熱コイル21〜23と電気的に直列に接続されている。電源装置30は、例えば図示しない制御装置によって誘導加熱コイル21〜23に供給される電力値、電流値、電圧値のいずれかが制御されている。誘導加熱コイル21〜23には、電源装置30から供給された電力によって高周波電流が流通する。誘導加熱コイル21〜23に流れる高周波電流は、例えば電源装置30により誘導加熱工程(S20)において一定に制御されている。なお、各誘導加熱コイル21〜23に流れる高周波電流は、それぞれ異なる電源装置によって供給される電力値により制御されていてもよい。
誘導加熱部は、誘導加熱コイル21〜23の軸方向D1において誘導加熱コイル21〜23に囲まれた空間と隣接する空間に成形体1を例えば1つずつ搬入する搬入部40と、搬入部40により当該隣接する空間内に搬入された複数の成形体1を支持する支持部41をさらに含んでいる。支持部41は、例えば成形体1の周方向において互いに間隔を隔てて形成された複数の爪冶具である。支持部41は、誘導加熱コイル21〜23に囲まれた空間およびその隣接する空間に搬入された複数の成形体1のうち最も誘導加熱コイル21から離れた位置にある成形体1の一方端2または他方端3の複数箇所と当接可能に設けられている。搬入部40は、支持部41よりも軸方向D1において誘導加熱コイル21〜23側に成形体1を搬送可能である。具体的には、搬入部40は、搬入部40が搬送している成形体1の他方端3または一方端2が支持部41により支持されている複数の成形体1のうち支持部41と直接接触している成形体1の一方端2または他方端3と当接するとともに、搬入部40が搬送している成形体1の一方端2または他方端3が支持部41に支持され得る位置に達するように、駆動される。つまり、支持部41に支持されている複数の成形体1は、搬入部40が搬送している成形体1とともに、軸方向D1に沿って搬送される。支持部41において、複数の成形体1は、それぞれの中心軸が誘導加熱コイル21〜23の軸方向に沿うように、かつ当該軸方向において隣り合う2つの成形体1の一方端2同士および他方端3同士が対向するように積層された状態で、支持され得る。搬入部40によって支持部41に支持されている複数の成形体1が押し出される方向は、誘導加熱コイル21〜23の軸方向および支持部41上に保持している複数の成形体1の軸方向に沿っている。上記方向D1は、例えば鉛直方向に沿って下方から上方に向かう方向である。支持部41は、複数の成形体1を保持している状態で、誘導加熱コイル21〜23に対して相対的に停止可能である。一方端2が搬入部40と接触されている成形体1が搬送されてから他方端3が搬入部40と接触されている成形体1が搬送されるまでの時間隔(後述する変更する工程(搬送工程S21)に要する時間)は、他方端3が搬入部40と接触されている成形体1が搬送されてから一方端2が搬入部40と接触されている成形体1が搬送されるまでの時間隔(後述する保持する工程(S22)に要する時間)よりも短い。
冷却部は、例えば適温に保持された冷却液(例えば、焼入油)が貯留された冷却液槽を含んでいる。誘導加熱部において処理された成形体1は、例えば熱処理装置に設けられた搬送部によって、誘導加熱部から冷却部へ個別に順次搬送される。
なお、搬入部40は、一方端2が対向するように積層された2つの成形体1を1セットとして誘導加熱コイル21〜23に囲まれた空間と隣接する空間に搬入する構成であってもよい。支持部41は、1セットとして搬入された2つの成形体1のうち最も誘導加熱コイル21から離れた位置にある成形体1の他方端3の複数箇所と当接可能に設けられていればよい。搬送部は、一方端2が対向するように積層された2つの成形体1を1セットとして誘導加熱部から冷却部に搬送する構成であってもよい。つまり、本実施の形態に係る軸受部品の製造方法は、軸受部品となるべき2つの成形体を鼓形の1つの被処理物として処理可能に構成されていてもよい。
誘導加熱工程(S20)では、複数の成形体1が連続して誘導加熱処理される。誘導加熱工程(S20)は、誘導加熱コイル21〜23の軸方向における複数の成形体1と誘導加熱コイル21〜23との相対的な位置を変更する工程(搬送する工程S21)と、誘導加熱コイル21〜23の軸方向における複数の成形体1と誘導加熱コイル21〜23との相対的な位置を所定の時間保持する工程(S22)とを含む。
まず複数の成形体1が支持部41に保持される。複数の成形体1は、それぞれの中心軸が誘導加熱コイル21〜23の軸方向に沿うように、かつ上記方向D1において隣り合う2つの成形体1の一方端2同士および他方端3同士が対向するように積層された状態で、保持される。支持部41には、例えば12個の成形体1が保持される。支持部41上において、12個の成形体1は、それぞれの中心軸が方向D1に沿って連なるように配置されているとともに、方向D1において隣り合う2つの成形体1の一方端2同士および他方端3同士が対向するように配置されている。説明の便宜上、一方端同士2が対向するように積層された2つの成形体1を1組の積層体とよぶ。12個の成形体1は、6組の積層体11,12,13からなる。6組の積層体11〜13は、他方端3同士が対向するように、鉛直方向の上方から下方に向けて順に積層されている。
次に、変更する工程(S21)が実施される。本工程(S21)では、支持部41に保持されている複数の成形体1は、搬入部40によって搬入される成形体1により上方に押し上げられ、かつ搬入部40によって搬入された成形体1が支持部41に支持されることにより、方向D1に沿って順次搬送される。具体的には、支持部41に保持されている複数の成形体1のうち最も下方に位置する成形体1の一方端2または他方端3に、搬入部40によって搬送されている成形体1の一方端2または他方端3が下方から当接する。搬入部40は、搬送している成形体1において下方に位置する一方端2または他方端3を支持部41が支持可能な位置に達するまで上方に移動する。このとき、搬入部40は、先に支持部41により支持されていた複数の成形体1と、搬送している成形体1とを支持するとともに、方向D1に搬送する。
これにより、軸方向D1における複数の成形体1と誘導加熱コイル21〜23との相対的な位置が変更される。複数の成形体1は、順次誘導加熱コイル21〜23に囲まれた空間内に搬送される。なお、複数の成形体1のうち最も上方に位置する成形体1は、誘導加熱コイル21〜23に囲まれた空間から排出されたものとなる。
図3に示されるように、本工程(S21)は、径方向から視たときに、軸方向において隣り合う2つの成形体1のそれぞれの他方端3と誘導加熱コイル21〜23とが重ならないように配置された状態(以下、第1状態という)に達するまで、実施される。なお、本工程(S21)では、比較的短時間に、径方向から視たときに、軸方向において隣り合う2つの成形体1のそれぞれの他方端3と誘導加熱コイル21〜23とが重なるように配置された状態(以下、第2状態という)に置かれる。成形体1が第2状態に置かれる時間t2は、10秒未満であるのが好ましい。
次に、保持する工程(S22)が実施される。本工程(S22)は、第1状態に達した直後に実施される。本工程(S22)では、複数の成形体1は支持部41に支持された状態となる。図3に示されるように、第1状態では、径方向から視たときに、変更する工程(S21)によって積層体11を構成する成形体1の一方端2および面4の一部が、誘導加熱コイル21と重なる位置に配置される。好ましくは、径方向から見たときに、方向D1において隣接する2つの一方端2の境界と誘導加熱コイル21〜23の軸方向における中心とが重なる位置に配置される。
保持する工程(S22)は、所定の時間実施される。つまり、第1状態は、所定の時間保持される。第1状態が保持される時間t1は、変更する工程(S22)において第2状態に置かれる時間t2よりも十分に長い。例えば上記時間t1は、上記時間t2の2倍以上である。上記時間t1および上記時間t2は、成形体1の寸法などに応じて異なるが、例えば成形体1の外形が140mm、内径が110mm、幅が40mmの場合、上記時間t1は、8秒以上30秒以下であり、上記時間t2は、4秒以上15秒以下である。
変更する工程(S21)と保持する工程(S22)とは、繰り返し実施される。言い換えると、各成形体1は、誘導加熱工程(S20)において、誘導加熱コイル21〜23の数だけ第1状態に保持される。具体的には、積層体11〜13は、保持する工程(S22)での処理時間(時間t1)が経過した後、方向D1への移動を再開する。図4に示されるように、積層体11〜13は、積層体11を構成する成形体1が再び第1状態に置かれるまで、すなわち積層体11を構成する成形体1の一方端2および面4の一部が、誘導加熱コイル22と径方向において対向する位置に配置されるまで、移動する。積層体11を構成する成形体1が第1状態に置かれると、再び保持する工程(S22)が実施される。このとき、積層体12を構成する成形体1も第1状態に置かれている。すなわち、積層体12を構成する成形体1の一方端2および面4の一部は、誘導加熱コイル21と径方向において対向する位置に配置されている。積層体11〜13は、停止してから所定の時間が経過した後、方向D1への移動を再開する。なお、複数回実施される保持する工程(S22)の処理時間は、それぞれ任意に設定され得るが、例えばいずれも一定の時間t1である。
誘導加熱工程(S20)開始後、変更する工程(S21)と保持する工程(S22)とが積層体11〜13の数実施されることにより、図5に示されるように、積層体11を構成する成形体1の一方端2および面4の一部が誘導加熱コイル23と径方向において対向する位置に配置される。同時に、積層体13を構成する成形体1の一方端2および面4の一部が誘導加熱コイル21と径方向において対向する位置に配置される。
積層体11〜13は、方向D1への移動が停止してから所定の時間が経過した後、再び方向D1に移動される。積層体11を構成する成形体1は、誘導加熱コイル23よりも上方に搬送される。これにより、積層体11を構成する成形体1に対する誘導加熱工程(S20)が終了する。さらに、変更する工程(S21)と保持する工程(S22)とが繰り返されることにより、複数の成形体1に対する誘導加熱工程(20)は順次終了する。言い換えると、誘導加熱工程(20)では、複数の成形体1に対する誘導加熱処理が連続して実施される。
誘導加熱工程(S20)において、複数の成形体1は、例えば、誘導加熱コイル21〜23の各径方向と対向する位置に順次搬送されていきながら昇温され、方向D1における所定の位置において成形体の少なくとも面4を含む表層領域がA1点以上の温度に誘導加熱される。これにより、各成形体1には、面4に沿った円環状の加熱領域が形成される。なお、誘導加熱工程(S20)における加熱処理条件は、成形体1の寸法や軌道輪として要求される特性などに応じて適宜設定され得る。誘導加熱工程(S20)において、誘導加熱コイル21〜23に供給される高周波電流は、例えば一定に制御されている。
誘導加熱工程(S20)が終了した成形体1には、加熱停止保持工程(S30)が施される。つまり、積層体11〜13を構成する各成形体1に対しては、順次加熱停止保持工程(S30)が施される。成形体1は、工程(S30)において加熱が停止された状態で所定の時間保持される。工程(S30)は、温度のばらつきを抑制するために、誘導加熱完了後、MS点以下の温度への冷却前に実施される。より具体的には、上記成形体1の形状および加熱条件の下においては、たとえば加熱完了後3秒間加熱を停止した状態に保持することにより、加熱された領域の表面における温度のばらつきを20℃以下程度にまで抑制することができる。本工程(S30)は、積層体11〜13の上記方向D1への移動中または停止中に実施され得る。言い換えると、特定の成形体1に対し、該成形体1よりも下方に位置する他の成形体1の誘導加熱工程(S20)と同時に実施され得る。複数の成形体1に対する加熱停止保持工程(S30)は、順次終了する。
加熱停止保持工程(S30)が終了した成形体1には、冷却工程(S40)が実施される。つまり、積層体11〜13を構成する各成形体1に対して、順次冷却工程(S40)が施される。成形体1は、工程(S40)において加熱領域全体がMS点以下の温度に同時に冷却される。成形体1は、積層体11〜13上から搬送部によって順次冷却部に搬送され、冷却部の冷却液槽内に所定の時間浸漬されることにより、加熱領域全体がMS点以下の温度に同時に冷却される。これにより、加熱領域がマルテンサイトに変態し、面4を含む領域が焼入硬化する。以上の手順により、焼入硬化工程が完了する。複数の成形体1に対する焼入硬化処理は連続して実施される。
次に、焼戻工程(S50)が実施される。この工程(S50)では、焼入硬化された成形体1が、例えば炉内に装入され、A1点以下の温度に加熱されて所定の時間保持されることにより、焼戻処理が実施される。
次に、仕上工程(S60)が実施される。この工程(S60)では、例えば面4に対する研磨加工などの仕上げ加工が実施される。以上のプロセスにより、円すいころ軸受の内輪を構成する内輪部材が完成する。面4は、転走面に仕上げられている。このように製造された内輪部材は、焼入硬化層が少なくとも転走面に沿って全周にわたって均質に形成されている。
次に、本実施の形態に係る軸受部品の製造方法の作用効果について説明する。本実施の形態に係る軸受部品の製造方法は、環状の形状を有し、軸方向に対して交差する方向に延びる面を有し、軸方向における一方端2側が他方端3側よりも径方向の内側に位置している複数の成形体1を形成する工程(S10)と、上記交差する方向に延びる面4と径方向において対向配置された誘導加熱コイル21〜23によって、複数の成形体1を誘導加熱する工程(S20)とを備える。誘導加熱する工程(S20)において、複数の成形体1は、それぞれの中心軸が誘導加熱コイル21〜23の軸方向に沿うように配置されているとともに、隣り合う2つの成形体1の一方端2側同士または他方端3側同士が軸方向において対向するように配置されている。
このようにすれば、誘導加熱工程(S20)において、各成形体1は、第1状態に順次または同時に置かれ得る。第1状態では、誘導加熱コイル21〜23によって生じる磁束が、成形体1において外周面に沿うように形成される。そのため、成形体1が第1状態にあるときに当該磁束により誘導される渦電流によって転走面となるべき面4を含む成形体1の少なくとも表層領域がA1点以上の温度に誘導加熱されることにより、成形体1には少なくとも面4に沿って焼入硬化層が均質に形成される。つまり、本実施の形態に係る軸受部品の製造方法によれば、複数の成形体1を連続して誘導加熱処理することができ、かつ各成形体1の加熱対象領域の全体を均一に加熱することができる。
上記軸受部品の製造方法において、誘導加熱する工程(S20)は、誘導加熱コイル21〜23の軸方向における複数の成形体1と誘導加熱コイル21〜23との相対的な位置を変更する工程(S21)と、誘導加熱コイル21〜23の軸方向における複数の成形体1と誘導加熱コイル21〜23との相対的な位置を保持する工程(S22)とを含んでいる。そのため、第1状態は、変更する工程(S21)によって実現され、保持する工程(S22)によって保持され得る。
上記軸受部品の製造方法において、誘導加熱する工程(S20)では、複数の誘導加熱コイル21〜23によって、複数の成形体1が誘導加熱される。複数の誘導加熱コイル21〜23は、誘導加熱コイル21〜23の軸方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている。変更する工程(S21)と保持する工程(S22)とは、交互に繰り返し実施される。このようにすれば、複数の積層体11〜13に対して同時に誘導加熱処理することができる。
なお、第2状態では、誘導加熱コイル21〜23によって生じる磁束が、成形体1において外周面と交差するように形成される。そのため、成形体1が第2状態にあるときに当該磁束により誘導される渦電流によって転走面となるべき面4を含む成形体1の表層領域がA1点以上の温度に誘導加熱されてしまうと、成形体1には均質でない焼入硬化層が形成されてしまう。成形体1が第2状態に置かれる時間t2を10秒未満とすれば、第2状態にあるときの磁束により誘導される渦電流によって転走面となるべき面4を含む成形体1の表層領域がA1点以上の温度に誘導加熱されることを防ぐことができる。
なお、成形体1は、任意の数積み重ねられていればよい。図6に示されるように、積層体11よりも上方にはダミー部材50が積み重ねられているのが好ましい。すなわち、誘導加熱コイル21〜23に囲まれた空間内に積層体11よりも先に搬送されるダミー部材50が準備されているのが好ましい。ダミー部材50は、成形体1と同等の構成を備えている。ダミー部材50は、軸方向における一方端52側が他方端53側よりも径方向の内側に位置している。ダミー部材50は、例えば複数個が軸方向に積み重ねられている。ダミー部材50は、一方端52同士および他方端53同士が軸方向において対向するように積み重ねられている。当該ダミー部材50は、軸方向における長さが、誘導加熱コイル21と誘導加熱コイル23との軸方向における中心間の距離よりも長く設けられているのが好ましい。誘導加熱コイル21〜23に囲まれた空間内の磁界分布は、当該空間内での被加熱処理物の有無や配置によって変化する。そのため、成形体1の加熱処理に先立って成形体1と同等の構成を有するダミー部材50を当該空間内に配置させておくことにより、成形体1に対する加熱処理開始前後で当該空間内の磁界分布が変化することを抑制することができる。
また、図3に示される例では、積層体11〜13を構成する各成形体1は、一方端2の一部および面4の一部が誘導加熱コイル23と径方向において対向する位置に配置されるが、これに限られるものでは無い。積層体11〜13を構成する各成形体1は、一方端2の全体および面4の一部が誘導加熱コイル23と径方向において対向する位置に配置されていてもよい。積層体11〜13を構成する各成形体1は、軸方向において隣り合う一方端2間の境界と誘導加熱コイル21〜23の軸方向における中心とが径方向において重なる位置に配置されていてもよい。
また、図3に示されるように、複数の成形体1は一方端2同士と他方端3同士が軸方向において直接接続されているのが好ましいが、図7に示されるように、複数の成形体1は一方端2同士が軸方向において間接的に接続されていてもよい。一方端2同士は、例えば導電性を有する材料により構成されている導電部材60を介して1接続されていてもよい。同様に、複数の成形体1は他方端3同士が軸方向において間接的に接するように積層されていてもよい。このようにしても、第1状態では、誘導加熱コイル21〜23によって生じる磁束が成形体1において外周面に沿うように形成されるため、本実施の形態に係る軸受部品の製造方法と同様の効果を奏することができる。
上記軸受部品の製造方法において、成形体1は、軸方向に対して交差する方向に延びる面4が外周面上に形成されている。つまり、本実施の形態では、成形体1は、円すいころ軸受の内輪となるべきものとして成形されている。なお、本実施の形態に係る軸受部品の製造方法は、焼入硬化処理層がその軸方向に対して傾斜している表面領域上に形成されている軸受部品の製造方法に好適である。そのため、図8に示されるように、例えば成形体1は、円すいころ軸受の外輪となるべきものとして成形されていてもよい。この場合、成形体1において転走面となるべき面(軸方向に対して交差する方向の延びる面)は内周面上に形成されている。そのため、誘導加熱工程(S20)において用いられる誘導加熱コイル21〜23の外径は例えば成形体1の内径よりも短く、誘導加熱コイル21〜23は例えば径方向において成形体1の当該内周面よりも内側に配置される。外輪となるべき成形体は、軸方向における一方端側が他方端側よりも径方向の外側に位置している。そのため、複数の成形体は、それぞれの中心軸が誘導加熱コイルの軸方向に沿うように配置されているとともに、隣り合う2つの成形体の一方端側同士および他方端側同士が軸方向において対向するように配置されていればよい。
また、上記軸受部品の製造方法において、焼入硬化工程の前に、焼きならし工程が実施されてもよい。焼きならし工程では、工程(S10)において作製された成形体がA1変態点以上の温度に加熱された後、A1変態点未満の温度に冷却されることにより焼ならし処理が実施される。このとき、焼ならし処理の冷却時における冷却速度は、成形体を構成する鋼がマルテンサイトに変態しない冷却速度、すなわち臨界冷却速度未満の冷却速度であればよい。そして、焼ならし処理後の成形体の硬度は、この冷却速度が大きくなると高く、冷却速度が小さくなると低くなる。そのため、当該冷却速度を調整することにより、所望の硬度を成形体に付与することができる。焼きならし工程の加熱処理は、例えば炉加熱により実施される。
次に、実施例について説明する。本実施例では、誘導加熱処理について以下のようなモデル1,2を立てて、各モデル1,2での被加熱処理物である成形体の被加熱領域中の温度分布および昇温挙動をシミュレーションにより評価した。シミュレーションは、有限要素法による電磁界周波数応答解析と熱伝導解析との連成解析を用いて行った。
(モデル1)
モデル1は、本発明に係る軸受部品の製造方法の誘導加熱工程に従ったモデルである。図9は、モデル1を説明するための断面模式図である。
モデル1は、本発明に係る軸受部品の製造方法の誘導加熱工程に従ったモデルである。図9は、モデル1を説明するための断面模式図である。
成形体1は、円すいころ軸受(型番32022)の内輪とした。誘導加熱の被加熱領域は、成形体1の外周面に面している表層領域とした。図9に示されるように、モデル1では、12個の成形体1を、それぞれの中心軸が連なるように配置されているとともに、隣り合う2つの成形体1の各小つば(一方端側)同士および大つば(他方端側)同士が軸方向において対向するように積み重ねた。誘導加熱コイル21〜26は、それぞれシングルターンコイル(内径200mm,断面形状12mm×12mm)とした。モデル1では、6個の誘導加熱コイル21〜26を、軸方向において互いに間隔を隔てて配置した。誘導加熱コイル21,22,24,25のコイルの巻き数は、誘導加熱コイル23,26の巻き数の半分とした。軸方向において隣り合う2つの誘導加熱コイルの軸方向における中心間の距離は、成形体1の軸方向における長さの2倍とした。成形体1の積層体の中心軸と、誘導加熱コイル21〜26の中心軸とは、重なるように同軸配置した。成形体1と誘導加熱コイル21〜26とは、それぞれの軸方向は鉛直方向に沿うように配置した。
成形体1は、誘導加熱コイル21〜26に対して、鉛直方向の下方から上方へ相対的に移動するものとした。加熱処理前の成形体1は、常温とした。成形体1は、変更する工程(S21)と保持する工程(S22)とを繰り返すものとした。保持する工程(S22)において、径方向から視たときに、成形体1の一方端2および軸方向と交差する方向の延びる面が誘導加熱コイル21〜26と重なる位置に保持される時間は、24秒とした。
誘導加熱コイル21〜26に入力される各電流値は、同等とした。誘導加熱コイル21〜26に入力される高周波電流の周波数は3kHzとした。誘導加熱コイル21〜26に入力される各電流値は、2085Arms一定しとした。
また、連成解析の条件として、磁化曲線(B−H曲線)、電気伝導率、比熱、熱伝導率は、全てSUJ2の実測値を用いた。
モデル1の連成解析では、加熱処理開始(図12における時間ゼロ)後に、図9に示される6個の誘導加熱コイルのうちの最も下方に位置する誘導加熱コイル21と径方向において重なる位置に配置される積層体11の2つの成形体1のうち、下方に位置する成形体1の表面領域中の4か所について昇温挙動を解析した。図13は、成形体における当該4か所を示す断面模式図である。図13に示されるように、解析箇所Aは成形体1の大つば(他方端3)上の点である。解析箇所B,Cは成形体1の転走面(面4)上の点である。解析箇所Dは成形体1の小つば(一方端2)上の点である。加熱処理は、280秒間実施されるものとした。
(モデル2)
モデル2は、モデル1に対し被加熱処理物である成形体の積み重ね方法を変更したモデルである。モデル2の成形体の積み重ね方法は、従来の軸受部品の製造方法の誘導加熱方法において採用されているものである。モデル2は、当該従来の積み重ね方法を採用した場合に、シミュレーションにより最適と考えられる誘導加熱方法のモデルである。図10は、モデル2を説明するための断面模式図である。図11は、モデル2の解析モデルである。誘導加熱コイルに流す電流は図12に示されるように、成形体1に対する加熱処理開始後、時間により変化させた。本シミュレーションにおいては、上述した実施の形態の軸受部品の製造方法における変更する工程(S21)のように誘導加熱コイルに対する複数の成形体1の相対的な位置関係を変更する代わりに、誘導加熱コイルに供給する電流値を経時的に変化させた。図12の横軸は、各誘導加熱コイルに電流の供給を開始したときをゼロとし、その時からの経過時間(単位:秒)を示す。図12の縦軸は、誘導加熱コイルに入力される電流値(単位:Arms)を示す。
モデル2は、モデル1に対し被加熱処理物である成形体の積み重ね方法を変更したモデルである。モデル2の成形体の積み重ね方法は、従来の軸受部品の製造方法の誘導加熱方法において採用されているものである。モデル2は、当該従来の積み重ね方法を採用した場合に、シミュレーションにより最適と考えられる誘導加熱方法のモデルである。図10は、モデル2を説明するための断面模式図である。図11は、モデル2の解析モデルである。誘導加熱コイルに流す電流は図12に示されるように、成形体1に対する加熱処理開始後、時間により変化させた。本シミュレーションにおいては、上述した実施の形態の軸受部品の製造方法における変更する工程(S21)のように誘導加熱コイルに対する複数の成形体1の相対的な位置関係を変更する代わりに、誘導加熱コイルに供給する電流値を経時的に変化させた。図12の横軸は、各誘導加熱コイルに電流の供給を開始したときをゼロとし、その時からの経過時間(単位:秒)を示す。図12の縦軸は、誘導加熱コイルに入力される電流値(単位:Arms)を示す。
成形体は、モデル1と同様に円すいころ軸受(型番32022)の内輪とした。図11を参照して、モデル2では、モデルの上下端に周期境界条件を設定することで、成形体1および誘導加熱コイルが鉛直方向に無限に配置されている状態を模擬した。誘導加熱コイルは、内径200mm、断面形状12mm×12mmとした。
モデル2における誘導加熱コイルの構成および加熱処理条件は、上記のように積み重ねられた成形体に対して連続的に誘導加熱を行う場合に最適と考えられる構成に基づいたものとした。
モデル2の連成解析では、加熱処理開始(図12における時間ゼロ)後に、図10に示される13個の誘導加熱コイルのうちの最も下方に位置する誘導加熱コイルと重なる位置に配置される成形体の表面領域中の4か所について昇温挙動を解析した。当該4か所は、モデル1と同様に、図13に示されるA〜Dとした。加熱処理は、280秒間実施されるものとした。
図14および図15は、それぞれモデル1およびモデル2の解析結果を示すグラフである。図14および図15の横軸は、図12の横軸と同様に、径方向から視たときに、成形体の大つば以外の部分が図9および図10に示す最も下方に位置する誘導加熱コイルと重なる位置に配置されたときをゼロとし、その時からの経過時間(単位:秒)を示す。図14および図15の縦軸は、それぞれ4つの解析箇所A〜Dでの温度(単位:℃)を示す。
表1に、加熱開始後280秒後の4箇所の到達温度および当該到達温度の最高温度と最低温度との差(温度バラつきの最大値)と、4箇所いずれもが900℃に到達するまでに要した時間を示す。
図14および表1に示されるように、モデル1では、126秒後に4箇所いずれも900度に到達した。さらに、モデル1では、900℃に到達後、4箇所間での温度のばらつきが小さく、また4箇所いずれも温度変動が小さかった。
一方、図15および表1に示されるように、モデル2では、4箇所いずれも900度に到達するのに、272秒を有した。モデル2では、特に700℃以上の温度で、4箇所の温度バラつきが大きかった。
本実施例により、モデル1は、従来の誘導加熱方法における最適条件と考えられるモデル2と比べても、900℃への到達時間が短く、かつ成形体の被加熱領域内での温度分布が小さいことが確認された。つまり、本発明に係る軸受部品の製造方法によれば、図10に示されるように複数の成形体が同一の向きに積層された状態で誘導加熱される従来の軸受部品の製造方法と比べて、加熱対象領域の全体を均一に加熱することができることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 成形体、2 一方端(小つば)、3 他方端(大つば)、4 面(転走面)、11,12,13 積層体、21,22,23,24,25,26 誘導加熱コイル、31,32,33 電源装置、40 支持部、50 ダミー部材、60 導電部材。
Claims (5)
- 環状の形状を有し、軸方向に対して交差する方向に延びる面を有し、前記軸方向における一方端側が他方端側よりも径方向の内側に位置している複数の成形体を形成する工程と、
前記交差する方向に延びる面と対向配置された少なくとも1つの誘導加熱コイルによって、前記複数の成形体を誘導加熱する工程とを備え、
前記誘導加熱する工程において、前記複数の成形体は、それぞれの中心軸が前記誘導加熱コイルの軸方向に沿うように配置されているとともに、隣り合う2つの前記成形体の前記一方端側同士または前記他方端側同士が前記軸方向において対向するように配置されている、軸受部品の製造方法。 - 前記誘導加熱する工程は、前記誘導加熱コイルの前記軸方向における前記複数の成形体と前記誘導加熱コイルとの相対的な位置を変更する工程と、前記誘導加熱コイルの前記軸方向における前記複数の成形体と前記誘導加熱コイルとの相対的な位置を保持する工程とを含む、請求項1に記載の軸受部品の製造方法。
- 前記保持する工程では、前記径方向から視たときに、前記軸方向において隣り合う2つの前記成形体のそれぞれの前記他方端と前記誘導加熱コイルとが重ならないように配置された状態が保持される、請求項2に記載の軸受部品の製造方法。
- 前記誘導加熱する工程では、複数の前記誘導加熱コイルによって、前記複数の成形体が誘導加熱され、
前記複数の誘導加熱コイルは、前記誘導加熱コイルの前記軸方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されており、
前記変更する工程と前記保持する工程とは、交互に繰り返し実施される、請求項2または請求項3に記載の軸受部品の製造方法。 - 前記成形体は、前記交差する方向に延びる面が外周面上に形成されている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の軸受部品の製造方法。
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