JP5894049B2 - 光センシングデバイスユニットおよび光センシング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、局在プラズモンを誘起しうる微細な金属凹凸構造を備えた光電場増強デバイスを用いて、増強された検出光を測定する光センシング装置に関するものである。
また本発明は、上述のような光センシング装置を構成するための光センシングデバイスユニットに関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されているように、局在プラズモンを誘起しうる微細な金属凹凸構造を備えた光電場増強デバイスを用いて、増強された検出光すなわち表面増強ラマン光や表面増強蛍光を検出する光センシング装置が公知となっている。
この種の光センシング装置においては、微細な金属凹凸構造を備えた光電場増強デバイスとして、透明基板の上に金属凹凸構造を形成してなるものを用いて、増強された検出光をデバイスの裏側つまり基板の側から検出することが提案されており、特許文献1にもそのような構成を有する光センシング装置の例が示されている。
また上記の光電場増強デバイスを用いる光センシング装置においては、被測定物質を含んでいる可能性が有る液体試料を測定対象とすることも多く、その場合は一般に、液体試料を光電場増強デバイスに接するように流通させる流路を備えた試料セル(フローセル)が適用される。特許文献1には、そのようなフローセルを適用した光センシング装置の例も示されている。
特開2012-063294号公報
しかし特許文献1に示された光センシング装置において、光電場増強デバイスはフローセル内に固定されているので、光電場増強デバイスを用いた測定が完了すると、その使用済みの光電場増強デバイスはフローセルごと廃棄されることになる。このように1回の測定の都度、フローセル全体を光電場増強デバイスと共に廃棄すると、測定コストが高くついてしまう。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、光電場増強デバイスにより増強された検出光をデバイスの裏側つまり基板の側から検出可能で、しかも、光電場増強デバイスを固定している部分の少なくとも一部を再利用可能とする光センシング装置、並びにそのような光センシング装置を実現できる光センシングデバイスユニットを提供することを目的とする。
本発明による光センシングデバイスユニットは、
透明基板の上に金属からなる微細凹凸構造を有する光電場増強デバイスと、
この光電場増強デバイスを透明基板側から支持する支持部を有する第一支持体と、
光電場増強デバイスを前記第一支持体の支持部に押し当てて固定する第二支持体とを備えてなる光センシングデバイスユニットであって、
第一支持体において前記支持部が開口の周囲に形成され、
第二支持体に、その外部から内部を経て外部に出るように液体を案内する流路および、この流路と連通して、固定している光電場増強デバイスに前記液体を接触させる空間が形成され、
第二支持体が、光電場増強デバイスを固定する状態と解放した状態とを取り得るように、前記第一支持体に対して装着・離脱可能とされていることを特徴とするものである。
なお、本発明による光センシングデバイスユニットにおいては、第二支持体の空間が、第二支持体が第一支持体に対して装着された状態下で、第一支持体の前記支持部より内側に有る状態に形成されていることが望ましい。
また、本発明による光センシングデバイスユニットにおいては、第一支持体の光電場増強デバイスを支持する側の表面において、前記開口の周囲に、開口の外側から該開口内への液体流入を阻止する環状の突部が形成されていることが望ましい。
なお上記環状の突部は、第一支持体の前記支持部としても機能するように形成されているのが望ましい。
また、本発明による光センシングデバイスユニットにおいては、第一支持体に、送風用の流路が設けられていることが望ましい。
また、本発明による光センシングデバイスユニットは、固定された光電場増強デバイスの近辺を設定温度に調節する温度調節手段をさらに備えていることが望ましい。そのような温度調節手段は、電熱線またはペルチェ素子を備えてなるものであることが望ましい。
さらに、本発明による光センシングデバイスユニットにおいては、第二支持体が、光電場増強デバイスを第一支持体の支持部に押し当てる方向を回転軸として該第一支持体に螺合するネジ部を有し、全体的に回転されて螺進退することにより第一支持体に対して装着・離脱可能とされていることが望ましい。
また、本発明による光センシングデバイスユニットは、第二支持体を第一支持体側に押圧する押さえ手段をさらに備えていてもよい。
また、本発明による光センシングデバイスユニットにおいては、第二支持体に形成された流路が、前記空間に接続する部分の近傍において、幅が連続的に変化する形状とされていることが望ましい。
また、本発明による光センシングデバイスユニットにおいては、固定された光電場増強デバイスと第二支持体との間において、該第二支持体の前記空間を取り囲むシール材が配置されていることが望ましい。
そのようなシール材としては、少なくとも一部が、ゴム、樹脂からなるものが好適に使用され得る。
また第一支持体は、ステンレス鋼またはアルミニウム、もしくはそれらの少なくとも一方を成分とする合金から形成されたものであることが望ましい。
さらに、本発明による光センシングデバイスユニットにおいて、光電場増強デバイスは、金属の水酸化物または金属酸化物の水酸化物からなる透明微細凹凸構造上に、金属膜が形成されたものであることが望ましい。そして、そのような光電場増強デバイスとする場合透明微細凹凸構造は、より具体的には、バイヤーライト(Al(OH)3)またはベーマイト(AlOOH)からなるものであることが望ましい。
他方、本発明による第1の光センシング装置は、
以上説明した本発明の光センシングデバイスユニットと、
前記光電場増強デバイスに対してその微細凹凸構造側に存在する被測定物質に励起光を照射する励起光学系と、
励起光の照射を受けることにより被測定物質が発した光を、前記透明基板側から検出する検出光学系とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明による第2の光センシング装置は、
以上説明した本発明の光センシングデバイスユニットと、
前記光電場増強デバイスに対してその微細凹凸構造側に存在する被測定物質に励起光を照射する励起光学系と、
励起光の照射を受けることにより被測定物質が発した光を、前記透明基板側から検出する検出光学系とを備え、
第一支持体の内部または該第一支持体に近接した位置に送風用流路が形成され、
この送風用流路に熱風または乾燥気体を供給する手段が設けられたことを特徴とするものである。
さらに、本発明による第3の光センシング装置は、
以上説明した本発明の光センシングデバイスユニットと、
前記光電場増強デバイスに対してその微細凹凸構造側に存在する被測定物質に励起光を照射する励起光学系と、
励起光の照射を受けることにより被測定物質が発した光を、前記透明基板側から検出する検出光学系とを備え、
光電場増強デバイスに向かう励起光を集光する集光レンズが設けられ、
この集光レンズと光電場増強デバイスとの間に液体が満たされていることを特徴とするものである。
以上述べた本発明の光センシング装置においては、励起光学系および検出光学系が、表面増強ラマン分光法により表面増強ラマン光を検出するように構成されていることが望ましい。
あるいは、上記励起光学系および検出光学系が、表面プラズモン励起増強蛍光分光法により表面増強蛍光を検出するように構成されていてもよい。
本発明の光センシングデバイスユニットにおいては、第一支持体において光電場増強デバイスを透明基板側から支持する支持部が開口の周囲に形成され、第二支持体に、その外部から内部を経て外部に出るように液体を案内する流路および、この流路と連通して、固定している光電場増強デバイスに液体を接触させる空間が形成されているので、この光センシングデバイスユニットを用いる光センシング装置においては、上記開口を通して励起光を光電場増強デバイスに向けて照射し、また光電場増強デバイスに接している液体中の被測定物質から発せられて該デバイスの作用により増強された検出光を、上記開口を通して光電場増強デバイスの透明基板側から検出することができる。
また本発明の光センシングデバイスユニットにおいては、光電場増強デバイスを第一支持体に押し当てる第二支持体が、光電場増強デバイスを固定する状態と解放した状態とを取り得るように、第一支持体に対して装着・離脱可能とされているので、第二支持体を第一支持体から離脱させれば、使用済みの光電場増強デバイスを簡単に取り出すことができる。そこで、この光センシングデバイスユニットを用いる光センシング装置においては、基本的に使用済みの光電場増強デバイスのみを廃棄し、また第二支持体の交換が必要なときだけ使用済みの第二支持体も廃棄すればよく、主要部品であって基本的に液体に接することがない第一支持体は継続使用することができる。そうであれば、測定に要するコストを確実に軽減可能となる。
またこの光センシングデバイスユニットを用いる光センシング装置においては、第一支持体が有する開口を通して、励起光照射系あるいは検出光検出系のレンズを光電場増強デバイスに近接配置することもできるので、種々の測定に対応可能となる。
また本発明の光センシングデバイスユニットにおいては、液体を光電場増強デバイスに接触させるための流路および空間が第二支持体に形成されているので、光電場増強デバイスがどのような厚さであっても、第二支持体で該光電場増強デバイスを押さえさえすれば、液体を光電場増強デバイスに接触させることが可能になる。つまり、光電場増強デバイスを押さえ付ける部材と、そこに液体を接触させるための流路とが別体になっている場合に必要な、光電場増強デバイスの厚さに応じてその流路の高さ位置を調整する作業が不要になる。
また、本発明による光センシングデバイスユニットにおいて特に、第二支持体の空間が、第二支持体が第一支持体に対して装着された状態下で、第一支持体の前記支持部より内側に有る状態に形成されている場合は、固定される光電場増強デバイスの端部が歪んでしまうことを防止できる。その詳しい理由は、後に実施形態に即して詳しく説明する。
また、本発明による光センシングデバイスユニットにおいて特に、第一支持体の光電場増強デバイスを支持する側の表面において、前記開口の周囲に、開口の外側から該開口内への液体流入を阻止する環状の突部が形成されている場合は、第二支持体と光電場増強デバイスとの間から液体が漏出したり、光電場増強デバイスの取り替え時に液体が第一支持体の上に滴下したりしても、その液体が上記開口内から下に流れ落ちることが無く、よって光センシングデバイスユニットの下に配置されているレンズ等がその液体で汚損されることを防止できる。
なお上記環状の突部が特に、第一支持体の前記支持部としても機能するように形成されている場合は、第一支持体の構造を簡素化することができる。
また、本発明による光センシングデバイスユニットにおいて特に、第一支持体に送風用の流路が設けられている場合は、その流路を通して第一支持体の近傍部分に乾燥空気や熱風を吹き付けることが可能になる。そのようにすれば、第一支持体に装着されている第二支持体の流路を流れる液体の温度と周囲気温との差に起因して、固定されている光電場増強デバイスや、近くのレンズ等に結露が生じることを防止可能となる。
また、本発明による光センシングデバイスユニットにおいて特に、固定された光電場増強デバイスの近辺を設定温度に調節する温度調節手段が設けられている場合も、上述のようにして発生し得る結露を防止することができる。
さらに、本発明による光センシングデバイスユニットにおいて特に、第二支持体が、光電場増強デバイスを第一支持体の支持部に押し当てる方向を回転軸として該第一支持体に螺合するネジ部を有し、全体的に回転されて螺進退することにより第一支持体に対して装着・離脱可能とされている場合は、第二支持体をキャップスクリュー状に全体的に回転させるだけで上記装着・離脱を簡単に行うことが可能になる。そうであれば、第二支持体を押さえ付けるための部品を不要にすることができる。
また、本発明による光センシングデバイスユニットにおいて特に、第二支持体に形成された流路が、前記空間に接続する部分の近傍において、幅が連続的に変化する形状とされている場合は、この流路に液体の渦流や縮流が発生することを防止して、流速ストレスや流れ方の不均一を抑制することができる。
また、本発明による光センシングデバイスユニットにおいて特に、固定された光電場増強デバイスと第二支持体との間において、該第二支持体の前記空間を取り囲むシール材が配置されている場合は、光電場増強デバイスと第二支持体との間から液体が漏出することを防止できる。
他方、本発明による第1の光センシング装置は、以上説明した本発明の光センシングデバイスユニットを用いるものであるから、前述した通り、検出光を光電場増強デバイスの透明基板側から検出することができる、使用済みの光電場増強デバイスを簡単に取り出すことができる、測定に要するコストを軽減できる、といった効果を奏することができる。これは、本発明による第2、第3の光センシング装置においても同様である。
また本発明による第2の光センシング装置は特に、第一支持体の内部または該第一支持体に近接した位置に送風用流路が形成され、この送風用流路に熱風または乾燥気体を供給する手段が設けられたものであるから、第二支持体の流路を流れる液体の温度と周囲気温との差に起因して、固定されている光電場増強デバイスや、近くのレンズ等に結露が生じることを防止可能となる。
さらに、本発明による第3の光センシング装置は特に、光電場増強デバイスに向かう励起光を集光する集光レンズと光電場増強デバイスとの間に液体が満たされているので、光電場増強デバイスに沿って流れる液体の温度と、集光レンズの周辺の気温と間に差が有っても、該集光レンズや光電場増強デバイスに結露が生じることを防止できる。
本発明の第1実施形態による光センシングデバイスユニットの一部破断側面図 本発明の第1実施形態による光センシングデバイスユニットの平面図 本発明に用いられる光電場増強デバイスを示す斜視図 図3の光電場増強デバイスの概略側面図 本発明の第2実施形態による光センシング装置の一部破断側面図 本発明の第3実施形態による光センシングデバイスユニットの一部破断側面図 本発明の第3実施形態による光センシングデバイスユニットの平面図 光センシングデバイスユニット内の液体の流れを説明する図 本発明の第4実施形態による光センシングデバイスユニットの一部破断側面図 本発明の第4実施形態による光センシングデバイスユニットの平面図 本発明の第5実施形態による光センシングデバイスユニットの一部破断側面図 本発明の第6実施形態による光センシングデバイスユニットの一部破断側面図 本発明の第6実施形態による光センシングデバイスユニットの底面図 本発明の第7実施形態による光センシング装置の一部破断側面図 本発明の第8実施形態による光センシング装置の一部破断側面図 本発明の第9実施形態による光センシング装置の一部破断側面図
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
《第1の実施形態》
図1および図2はそれぞれ、本発明の第1の実施形態による光センシングデバイスユニット10を示す一部破断側面図および平面図である。この光センシングデバイスユニット10は、透明基板の上に金属からなる微細凹凸構造を有する光電場増強デバイス20と、この光電場増強デバイス20を支持する支持部1aを有する第一支持体1と、光電場増強デバイス20を上記支持部1aに押し当てて固定する第二支持体2と、第二支持体2を上から押さえる押さえ蓋4とを備えている。この構成により、光電場増強デバイス20を第一支持体1と第二支持体2との間に挟み込み、第二支持体2を押さえる押さえ蓋4を4本のネジ5により第一支持体1に固定することにより、光電場増強デバイス20を所定位置に保持することが可能になっている。
ここで図3および図4を参照して、光電場増強デバイス20について説明する。図3はこの光電場増強デバイス20の概略全体形状を示し、図4はその概略側面形状を示している。図示の通りこの光電場増強デバイス20は、透明基板11の上に、金属からなる微細凹凸構造14が形成されてなるものである。透明基板11は、例えば光学ガラスからなる透明基板本体12の上に、バイヤーライト(Al(OH)3)またはベーマイト(AlOOH)からなる透明微細凹凸構造13が形成されたものである。
そしてこの透明微細凹凸構造13の上に沿って金属膜が成膜されることにより、金属からなる微細凹凸構造14が形成されている。上記金属膜は、励起光の照射を受けて局在プラズモンを生じうる金属からなるものであればよいが、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Pt、およびこれらを主成分とする合金を含む群から選択される少なくとも1種の金属からなるものが好ましく、特にAuあるいはAgからなるものが好ましい。
以上のように金属からなる微細凹凸構造14が表面に形成された光電場増強デバイス20は、局在プラズモン共鳴による光電場増強効果を得ることができるものとなっている。またこの光電場増強デバイス20は、透明基板11が適用されているため、局在プラズモン共鳴により増強された光を裏側、つまり透明基板11側から測定することを可能にしている。なお、この種の光電場増強デバイスを作製する方法については、特開2012-63294号公報や特開2010-19765号公報等に開示がなされており、本例の光電場増強デバイス20もそのような公知の方法を適宜利用して作製可能である。
第一支持体1は例えばアルミニウムから形成され、後述のようにして保持する液体の量に見合った容積を有する有底容器状とされたもので、底板に四角形の開口1bを有している。そして底板の上表面には、開口1bの周囲を取り囲むようにして前述した支持部1aが環状に形成されている。この支持部1aは、例えば断面が山形の突部とされており、後述するように開口1bの外側から該開口内に液体が流入することを阻止する機能も有する。なお、第一支持体1を形成する好ましい材料としては、上記アルミニウムの他にステンレス鋼や、あるいは、アルミニウムまたはステンレス鋼を成分とする合金が挙げられる。ステンレス鋼の中では特に、熱膨張係数が小さいインバーが好ましい。
一方、第二支持体2は例えばアクリル、塩化ビニール、ポリスチレン等の樹脂製で、第一支持体1の筒状の部分内に収容可能な形状とされている。この第二支持体2には、その外部から内部を経て外部に出るように液体を案内する流路2aおよび、この流路2aと連通して、固定している光電場増強デバイス20に上記液体を接触させる空間2bが形成されている。本例では、上記流路2aの一端および他端にそれぞれ、液体導入管6、液体排出管7が接続されており、これらの管6、7は、押さえ蓋4に形成された孔を通って押さえ蓋4よりも外側に突出するようになっている。
前述した通り第二支持体2は、それを押さえる押さえ蓋4を4本のネジ5により第一支持体1に固定することにより、第一支持体1に装着されて光電場増強デバイス20を固定する状態となる。また、ネジ5を緩めて押さえ蓋4を外すことにより第二支持体2は、第一支持体1から離脱して光電場増強デバイス20を解放する状態となる。
なお第二支持体2の空間2bは、第二支持体2が第一支持体1に対して装着された状態下で、第一支持体1の支持部1aより内側に有る状態に形成されている。したがって、この状態のとき支持部1aに当たっている光電場増強デバイス20の部分は、その裏側(上側)において、空間2bの周囲部分で受け止められることになる。このようになっていれば、第一支持体1と第二支持体2とに挟まれて保持される光電場増強デバイス20の端部が歪んでしまうことがなくなる。それに対して、支持部1aに当たっている光電場増強デバイス20の部分の裏側に空間が有って(つまり、光電場増強デバイス20を受け止める第二支持体2の部分が支持部1aよりも外側に有って)、この部分が裏側から受け止められなければ、光電場増強デバイス20が歪みやすくなる。
また本実施形態では、固定された光電場増強デバイス20と第二支持体2との間に、該第二支持体2の空間2bを取り囲む四角い環状のシール材8が配置されている。それにより、光電場増強デバイス20と第二支持体2との間が液密状態に保たれるので、後述するように空間2b内に保持される液体が両者の間から漏出することが防止される。このシール材8は、少なくとも一部が、柔軟性が高くてシール性に優れたゴムまたは樹脂等から形成されるのが好ましく、そのような好適な材料としてより具体的には、シリコーンゴム、アクリルゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態による光センシング装置120について説明する。図5はこの光センシング装置120の概略構成を示す正面図である。なおこの図5において、既に説明した図1〜4中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。この光センシング装置120は、一例として前記第1の実施形態による光センシングデバイスユニット10が適用されて、表面増強ラマン分光法(SERS: Surface Enhanced Raman Spectroscopy)を利用した測定を行うものであり、ラマン分光測定系と照明観察系とを有している。
この測定を行う際、まず光センシングデバイスユニット10の第一支持体1に対して第二支持体2が離脱した状態とされ、第一支持体1の上に光電場増強デバイス20が載置され、次に第二支持体2を第一支持体1に装着させて両者の間に光電場増強デバイス20が保持される。そしてこの状態下で、検出対象の被測定物質Sを含む可能性の有る液体Wが、例えばポンプ等を用いて液体導入管6から第二支持体2の流路2a内に連続的に導入される。この液体Wは空間2bにおいて光電場増強デバイス20の微細凹凸構造14と接触する状態となり、その後流路2aを経て液体排出管7から第二支持体2の外に流出する。
上記ラマン分光測定系は、例えばDFB(分布帰還型)半導体レーザからなる励起光源31から発せられた波長785nmの励起光L1を、そのスペクトルを先鋭化するレーザラインフィルター32に通し、ダイクロイックミラー33、34で順次反射させて集光レンズ35に導き、集光された励起光L1を光電場増強デバイス20に照射する構成(励起光学系)と、後述のようにして表面増強ラマン光L2を分光検出する構成(検出光学系)とを有する。
ダイクロイックミラー33は波長798nmより長波長の光を95%以上透過させ、波長786nmより短波長の光を90%以上反射する特性を有する。一方ダイクロイックミラー34は、波長700nm以下の光を90%以上透過させ、波長750nm以上の光を95%以上反射する特性を有する、一般にHOTMIRRORと呼ばれるミラーである。集光レンズ35には、例えばオリンパス(株)製の倍率60倍、NA0.7の対物レンズが用いられている。この集光レンズ35に入射した励起光L1は、光センシングデバイスユニット10に保持されている光電場増強デバイス20の微細凹凸構造14に集光される。
光電場増強デバイス20は、金属からなる上記微細凹凸構造14に照射された励起光L1により局在プラズモン共鳴を誘起させ、この局在プラズモン共鳴により、微細凹凸構造14の表面に増強された光電場を生じさせる。
液体Wに含まれる被測定物質Sは、上記励起光L1の照射を受けるとラマン散乱光を発する。このラマン散乱光は光電場増強デバイス20の作用により増強される。こうして増強された表面増強ラマン光L2は、集光レンズ35により集光され、ダイクロイックミラー34で反射した後ダイクロイックミラー33、励起光カット用のノッチフィルター36および迷光カット用のレンズ対37およびスリット38を通り、分光検出器39によって分光検出される。
照明観察系は、キセノンランプ等からなる照明光源40から発せられた照明光L3をコリメートレンズ41により平行化した上で光電場増強デバイス20上の液体Wに照射する構成を有する。さらにこの照明観察系は、液体Wで散乱した後に光電場増強デバイス20、集光レンズ35、およびダイクロイックミラー34を透過した照明光L3をミラー42により直角に反射させ、集光レンズ43により集光してCCD44に導き、このCCD44が撮像した照明光L3による画像を図示外の画像表示装置に表示させる構成を有する。
そこで、上記画像表示装置に表示された画像を観察して液体W中の被測定物質Sの位置を確認し、それに応じて光電場増強デバイス20を(より具体的には光センシングデバイスユニット10を)該デバイス20の基板面内方向に動かすことで、励起光L1の集光位置に被測定物質Sを配置して表面増強ラマン分光測定を行うことができる。
この測定が終了したならば、第二支持体2を第一支持体1から離脱させ、第二支持体2および光電場増強デバイス20だけを新しいものに交換すれば、また次の測定を行うことができる。その際、第二支持体2と比べてコストの高い第一支持体1は光センシング装置120から取り外す必要はなく、そのまま継続使用することができる。
また、液体Wを光電場増強デバイス20に接触させるための流路2aおよび空間2bが第二支持体2自体に形成されているので、光電場増強デバイス20がどのような厚さであっても、第二支持体2で該光電場増強デバイス20を押さえさえすれば、液体Wを光電場増強デバイス20に接触させることが可能になる。それに対して、光電場増強デバイス20を押さえ付ける部材と、そこに液体Wを接触させるための流路とが別体になっている場合は、光電場増強デバイス20の厚さに応じてその流路の高さ位置を調整する作業が必要になる。
また本実施形態においては、光電場増強デバイス20の基板として透明基板11が用いられると共に、第一支持体1には開口1bが形成されているので、表面増強ラマン光L2の検出並びに散乱照明光の検出を、光電場増強デバイス20の裏側つまり透明基板11の側から行うことが可能になっている。散乱照明光の検出に関しては、このように透明基板11の側から検出することにより、被測定物質Sやその周辺の環境(この場合は特に液体W)による影響を排除することができる。
また第一支持体1には、光電場増強デバイス20を支持する側の表面において、開口1bの周囲に環状の突部である支持部1aが形成されているので、該開口1bの外側から開口内への液体流入を阻止することができる。したがって、万一光電場増強デバイス20と第二支持体2との間から液体Wが漏れた場合でも、開口1bの下側に設置されている機器類が液体Wによって汚損することを防止できる。
さらに、光電場増強デバイス20を交換する際に、該光電場増強デバイス20や第二支持体2に付着している液体Wが第一支持体1の底板上に垂れ落ちたとしても、それが開口1b内に流入して落下し、機器類を汚損させることを防止できる。
また、第一支持体1が前述したように剛性の高いステンレス鋼等の金属で形成されていれば、光電場増強デバイス20の交換を行っても、該光電場増強デバイス20の位置を容易に再現することができ、光軸の再調整を簡単にすることができる。
《第3の実施形態》
次に図6および図7を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図6および図7はそれぞれ、本発明の第3の実施形態による光センシングデバイスユニット130を示す一部破断側面図および平面図である。この光センシングデバイスユニット130は図1および図2に示した光センシングデバイスユニット10と比べると基本的に、第二支持体2に形成された流路2aの形状の点で異なるものである。すなわちこの光センシングデバイスユニット130における流路2aは、平面視状態で図7に示す通り、空間2bに接続する部分ではこの空間2bと同じ幅とされ、そこから離れるに従って幅が連続的に狭くなる形状とされている。
ここで図8に、図1および図2に示した光センシングデバイスユニット10における流路2aと空間2bとの関係をモデル化した構造を示し、そこを液体Wが流れる状態について考察する。この図8の構造は、狭幅の流路2aから広幅の空間2bに接続する部分を拡大流路131で、また広幅の空間2bから狭幅の流路2aに接続する部分を縮小流路132でモデル化したものである。また同図では、液体Wの流れを矢印で示し、特に渦流は実線の矢印で示している。
拡大流路131においては、液体Wが狭幅の流路から広幅の流路に流入すると、広幅の流路における側壁面近くで渦流133が発生する。また縮小流路132においては、液体Wが広幅の流路から狭幅の流路に流入すると、広幅の流路および狭幅の流路の双方の側壁面近くで渦流133が発生し、さらに狭幅の流路中央部には縮流134が生じる。このような渦流および縮流は流速ストレスとなり、さらには、液体Wの流れに不均一が生じる原因となる。
上述のような渦流と縮流は、流路断面積の変化を緩やかにすることで防ぐことができる。流路断面積の変化を緩やかにする構造は一般にディフューザーと呼ばれており、図7に示した空間2bに接続する部分の流路2aもこのディフューザーを構成している。
生体サンプルのように、培地溶液を環流させる必要があり、かつ流速ストレスや流れ方の不均一に対して測定結果が敏感に反応するサンプルについて測定を行う場合は、図7に示すディフューザーを構成する流路2aを用いて、液体Wの流れ方を制御するのが好ましい。そのようにすれば、流路2aから空間2bに液体Wが流入した際、および空間2bから流路2aに液体Wが流出した際に、前述した渦流や縮流が発生することを防止して、流速ストレスや流れ方の不均一を抑制することができる。
《第4の実施形態》
次に図9および図10を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。図9および図10はそれぞれ、本発明の第4の実施形態による光センシングデバイスユニット140を示す一部破断側面図および平面図である。この光センシングデバイスユニット140は、先に説明した第1の実施形態による光センシングデバイスユニット10と比べると基本的に、第二支持体を第一支持体に対して装着・離脱可能とする構造の点で異なるものである。
すなわち本実施形態における第一支持体101は概略、円筒状部分と底板部分を有する有底容器状に形成され、円筒状部分の内周面には雌ネジ101cが形成されている。また底板部分に形成された支持部101aは円環状の突部とされ、その内側の開口101bは円形のものとされている。これらの支持部101aおよび開口101bもそれぞれ、図1の光センシングデバイスユニット10における支持部1aおよび開口1bと同様に機能する。
一方第二支持体102は概略円柱状に形成され、その外周面には上記雌ネジ101cに螺合可能な雄ネジ102cが形成されている。そこでこの第二支持体102は、その雄ネジ102cを上記雌ネジ101cに螺合させて、キャップスクリュー状に全体的に回転させれば、その回転軸(これは光電場増強デバイス20を第一支持体101の支持部101aに押し当てる方向と平行である)に沿って螺進退するので、該第二支持体102を第一支持体101に装着させて光電場増強デバイス20を押圧保持したり、あるいは第二支持体102を第一支持体101から離脱させて光電場増強デバイス20を取り出すことができる。このような構成を採用することにより、第二支持体を押さえ付けるための部品、つまり図1に示した押さえ蓋4やネジ5等を不要にすることができる。
《第5の実施形態》
次に図11を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。図11は、本発明の第5の実施形態による光センシングデバイスユニット150を示す一部破断側面図である。この光センシングデバイスユニット150は、先に説明した第1の実施形態による光センシングデバイスユニット10と比べると基本的に、固定された光電場増強デバイス20の近辺を温度調節する手段が設けられた点が異なるものである。
すなわち第一支持体1の底板の下面には、開口1bを取り囲む状態にして筒状の電熱線保持部50が取り付けられ、その保持部50の周囲に電熱線51が巻回保持されている。この電熱線51は図示外の電源から電流供給を受けて発熱し、またその電流量が図示外の温度検出手段が検出した温度に基づいて調節されることにより、固定されている光電場増強デバイス20および対物レンズ35の近辺を、液体Wの温度と近い設定温度に維持する。これにより、液体Wを液温制御しながら灌流させた際に液温と周辺の空気との温度差に起因して光電場増強デバイス20や対物レンズ35に結露が生じることを防止可能となる。
なお電熱線51に代えて、その他の加熱手段を用いることもできる。さらには、加熱手段に代えてペルチェ素子等の冷却手段を用いて、所望部分を設定温度に維持するようにしてもよい。
《第6の実施形態》
次に図12および図13を参照して、本発明の第6の実施形態について説明する。図12および図13はそれぞれ、本発明の第6の実施形態による光センシングデバイスユニット160を示す一部破断側面図および底面図である。この光センシングデバイスユニット160は、先に説明した第1の実施形態による光センシングデバイスユニット10と比べると基本的に、第一支持体1の底板裏面に、送風用流路1dが形成されている点で異なるものである。
この光センシングデバイスユニット160においては、送風用流路1dが形成されていることにより、後述するようにして光電場増強デバイス20の近辺に結露防止用の気体を送風することが可能になる。なお第一支持体1の底板裏面に送風用流路1dを形成する代わりに、第一支持体1の近接する送風用チューブ(管路)を新たに設けてもよい。
《第7の実施形態》
次に図14を参照して、本発明の第7の実施形態について説明する。図14は、本発明の第7の実施形態による光センシング装置170を示す一部破断側面図である。この光センシング装置170は、図5に示した光センシング装置120と比べると基本的に、光センシングデバイスユニット10に代えて上記第6の実施形態の光センシングデバイスユニット160が適用された上で、送風用ダクト70および送風システム71が追加された点で異なるものである。
送風システム71は例えばガスボンベからなるものであり、一例として乾燥した窒素ガス等の気体を2方向に送り出す。この2方向に送り出された気体はそれぞれ送風用ダクト70から光センシングデバイスユニット160の送風用流路1dを流れ、第一支持体1の開口1b近辺に両側から吹き付けられる。これにより、液体Wの温度と周囲気温との差異に起因して、集光レンズ35や光電場増強デバイス20に結露が生じることを防止可能となる。
なお、本実施形態においては乾燥した窒素ガスを使用しているが、湿度が測定部(光電場増強デバイス20が設置されている部分)の雰囲気の飽和水蒸気量よりも低く保たれていれば、大気を使用してもよい。また本実施形態においては、湿度が低く保たれた気体を使用しているが、液体Wの温度と近い温度とした気体を使用することによっても、上記結露を防ぐことができる。さらに、送風システム71にはガスボンベを使用しているが、ブロワを使用してもよく、また送風気体から吸湿する機能や、送風気体を温度調節する機能を持つ送風システムを用いてもよい。
《第8の実施形態》
次に図15を参照して、本発明の第8の実施形態について説明する。図15は、本発明の第8の実施形態による光センシング装置180を示す一部破断側面図である。この光センシング装置180は、図5に示した光センシング装置120と比べると基本的に、通常の集光レンズ35に代えて液浸型の集光レンズ135が適用されている点が異なるものである。
そしてこの液浸型の集光レンズ135と光電場増強デバイス20との間は、例えば水や油等の液体80で満たされる。こうすることにより、光電場増強デバイス20の上を流れる液体Wの温度と、集光レンズ135の周辺の気温と間に差が有っても、該集光レンズ135や光電場増強デバイス20に結露が生じることを防止できる。
《第9の実施形態》
次に図16を参照して、本発明の第9の実施形態について説明する。図16は、本発明の第9の実施形態による光センシング装置190を示す一部破断側面図である。この光センシング装置190は、図5に示した光センシング装置120と比べると、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS:Surface Plasmon-field enhanced Fluorescence Spectroscopy)による測定を行う構成とされている点が異なるものである。すなわちこの光センシング装置190は、蛍光増強測定系と照明観察系の2つを有している。
測定を行う際には、図5に示した光センシング装置120におけるのと同様にして光電場増強デバイス20が固定され、また検出対象の被測定物質Sを含む可能性の有る液体Wが第二支持体2の流路2a内に連続的に導入される。この液体Wは空間2bにおいて光電場増強デバイス20の微細凹凸構造14と接触する状態となり、その後流路2aを経て液体排出管7から第二支持体2の外に流出する。
上記蛍光増強測定系は、励起光源31から発せられた波長488nmの励起光L1を、ダイクロイックミラー33、34で順次反射させて集光レンズ35に導き、集光された励起光L1を光電場増強デバイス20に照射する構成(励起光学系)と、後述のようにして表面増強蛍光L4を分光検出する構成(検出光学系)とを有する。
ダイクロイックミラー33、34は波長530nm以下の光を90%以上透過させ、波長500nm以上の光を95%以上反射する特性を有する。集光レンズ35には、例えばオリンパス(株)製の倍率60倍、NA0.7の対物レンズが用いられている。この集光レンズ35に入射した励起光は、光センシングデバイスユニット10に保持されている光電場増強デバイス20の微細凹凸構造14に集光される。
光電場増強デバイス20は、金属からなる上記微細凹凸構造14に照射された励起光L1により局在プラズモン共鳴を誘起させ、この局在プラズモン共鳴により、微細凹凸構造14の表面に増強された光電場を生じさせる。
液体Wに含まれる被測定物質Sは、上記励起光L1の照射を受けると蛍光を発し、この蛍光は光電場増強デバイス20の作用により増強される。こうして増強された表面増強蛍光L4は、集光レンズ35により集光され、ダイクロイックミラー34で反射した後ダイクロイックミラー33、ロングパスフィルター91を透過し、光電子増倍管92によって分光検出される。この光センシング装置190によれば、例えばAcridine orangeで染色した生体サンプルが発する蛍光を測定することができる。
照明観察系は、図8の装置におけるものと同様のものであって、キセノンランプ等からなる照明光源40から発せられた照明光L3をコリメートレンズ41により平行化した上で光電場増強デバイス20上の液体Wに照射する構成を有する。さらにこの照明観察系は、液体Wで散乱した後に光電場増強デバイス20、集光レンズ35、およびダイクロイックミラー34を透過した照明光L3をミラー42により直角に反射させ、集光レンズ43により集光してCCD44に導き、このCCD44が撮像した照明光L3による画像を図示外の画像表示装置に表示させる構成を有する。
この照明観察系が設けられていることにより、上記画像表示装置に表示された画像を観察して液体W中の被測定物質Sの位置を確認し、それに応じて光電場増強デバイス20を(より具体的には光センシングデバイスユニット10を)該デバイス20の基板面内方向に動かすことで、励起光L1の集光位置に被測定物質Sを配置して表面増強蛍光測定を行うことができる。
この測定が終了したならば、第二支持体2を第一支持体1から離脱させ、第二支持体2および光電場増強デバイス20だけを新しいものに交換すれば、また次の測定を行うことができる。その際、第二支持体2と比べてコストの高い第一支持体1は光センシング装置190から取り外す必要はなく、継続使用することができる。
また本実施形態においては、光電場増強デバイス20の基板として透明基板11が用いられると共に、第一支持体1には開口1bが形成されているので、表面増強蛍光L4の検出並びに散乱照明光の検出を、光電場増強デバイス20の裏側つまり透明基板11の側から行うことが可能になっている。散乱照明光の検出に関しては、このように透明基板11の側から検出することにより、被測定物質Sやその周辺の環境(この場合は特に液体W)による影響を排除することができる。
また第一支持体1には、光電場増強デバイス20を支持する側の表面において、開口1bの周囲に環状の突部である支持部1aが形成されているので、この場合も、開口1bを通って液体Wが落下することを無くして、該開口1bの下側に設置されている機器類が液体Wによって汚損することを防止できる。
1、101 第一支持体
1a、101a 第一支持体の支持部
1b、101b 第一支持体の開口
1d 第一支持体の送風用流路
2、102 第二支持体
2a、102a 第二支持体の流路
2b、102b 第二支持体の空間
4 押さえ蓋
5 ネジ
6 液体導入管
7 液体排出管
8 シール材
10、130、140、150、160 光センシングデバイスユニット
11 透明基板
12 透明基板本体
13 透明微細凹凸構造
14 金属からなる微細凹凸構造
20 光電場増強デバイス
31 励起光源
32 レーザラインフィルター
33、34 ダイクロイックミラー
35、43、135 集光レンズ
36 ノッチフィルター
37 レンズ対
38 スリット
39 分光検出器
40 照明光源
41 コリメートレンズ
42 ミラー
44 CCD
51 電熱線
70 送風用ダクト
71 送風システム
91 ロングパスフィルター
92 光電子増倍管
101c 第一支持体の雌ネジ
102c 第二支持体の雄ネジ
120、170、180、190 光センシング装置
L1 励起光
L2 表面増強ラマン光
L3 表面増強蛍光
L4 照明光
S 被測定物質
W 液体

Claims (18)

  1. 透明基板の上に金属からなる微細凹凸構造を有する光電場増強デバイスと、
    この光電場増強デバイスを透明基板側から支持する支持部を有する第一支持体と、
    前記光電場増強デバイスを前記第一支持体の支持部に押し当てて、該支持部から離脱可能に固定する第二支持体とを備えてなる光センシングデバイスユニットであって、
    前記第一支持体において前記支持部が開口の周囲に形成され、
    前記第二支持体に、その外部から内部を経て外部に出るように液体を案内する流路および、この流路と連通して、固定している光電場増強デバイスに前記液体を接触させる空間が形成され、
    前記第二支持体が、前記光電場増強デバイスを固定する状態と解放した状態とを取り得るように、前記第一支持体に対して装着・離脱可能とされていることを特徴とする光センシングデバイスユニット。
  2. 前記第二支持体の空間が、第二支持体が第一支持体に対して装着された状態下で、第一支持体の前記支持部より内側に有る状態に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光センシングデバイスユニット。
  3. 前記第一支持体の光電場増強デバイスを支持する側の表面において、前記開口の周囲に、開口の外側から該開口内への液体流入を阻止する環状の突部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の光センシングデバイスユニット。
  4. 前記環状の突部が、第一支持体の前記支持部としても機能するものであることを特徴とする請求項3記載の光センシングデバイスユニット。
  5. 前記第一支持体に、送風用の流路が設けられていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の光センシングデバイスユニット。
  6. 固定された前記光電場増強デバイスの近辺を設定温度に調節する温度調節手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の光センシングデバイスユニット。
  7. 前記温度調節手段が、電熱線またはペルチェ素子を備えてなるものであることを特徴とする請求項6記載の光センシングデバイスユニット。
  8. 前記第二支持体が、光電場増強デバイスを第一支持体の支持部に押し当てる方向を回転軸として該第一支持体に螺合するネジ部を有し、全体的に回転されて螺進退することにより第一支持体に対して装着・離脱可能とされていることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の光センシングデバイスユニット。
  9. 前記第二支持体を、前記第一支持体側に押圧する押さえ手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の光センシングデバイスユニット。
  10. 前記流路が、前記空間に接続する部分の近傍において、幅が連続的に変化する形状とされていることを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の光センシングデバイスユニット。
  11. 固定された光電場増強デバイスと前記第二支持体との間において、該第二支持体の前記空間を取り囲むシール材が配置されていることを特徴とする請求項1から10いずれか1項記載の光センシングデバイスユニット。
  12. 前記シール材の少なくとも一部が、ゴム、樹脂からなることを特徴とする請求項11記載の光センシングデバイスユニット。
  13. 前記第一支持体がステンレス鋼またはアルミニウム、もしくはそれらの少なくとも一方を成分とする合金から形成されていることを特徴とする請求項1から12いずれか1項記載の光センシングデバイスユニット。
  14. 請求項1から13いずれか1項記載の光センシングデバイスユニットと、
    前記光電場増強デバイスに対してその微細凹凸構造側に存在する被測定物質に励起光を照射する励起光学系と、
    励起光の照射を受けることにより前記被測定物質が発した光を、前記透明基板側から検出する検出光学系とを備えたことを特徴とする光センシング装置。
  15. 請求項1から13いずれか1項記載の光センシングデバイスユニットと、
    前記光電場増強デバイスに対してその微細凹凸構造側に存在する被測定物質に励起光を照射する励起光学系と、
    励起光の照射を受けることにより前記被測定物質が発した光を、前記透明基板側から検出する検出光学系とを備え、
    前記第一支持体の内部または該第一支持体に近接した位置に送風用流路が形成され、
    この送風用流路に熱風または乾燥気体を供給する手段が設けられたことを特徴とする光センシング装置。
  16. 請求項1から13いずれか1項記載の光センシングデバイスユニットと、
    前記光電場増強デバイスに対してその微細凹凸構造側に存在する被測定物質に励起光を照射する励起光学系と、
    励起光の照射を受けることにより前記被測定物質が発した光を、前記透明基板側から検出する検出光学系とを備え、
    光電場増強デバイスに向かう前記励起光を集光する集光レンズが設けられ、
    この集光レンズと光電場増強デバイスとの間に液体が満たされていることを特徴とする光センシング装置。
  17. 前記励起光学系および検出光学系が、表面増強ラマン分光法により表面増強ラマン光を検出するように構成されていることを特徴とする請求項14から16いずれか1項記載の光センシング装置。
  18. 前記励起光学系および検出光学系が、表面プラズモン励起増強蛍光分光法により表面増強蛍光を検出するように構成されていることを特徴とする請求項14から16いずれか1項記載の光センシング装置。
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