JP5892662B2 - L10型FeNi合金粒子及びその製造方法、磁性組成物並びに磁石 - Google Patents

L10型FeNi合金粒子及びその製造方法、磁性組成物並びに磁石 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年4月11日出願の日本特願2011−87382号の優先権を主張し、その全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は、L10型鉄ニッケル(FeNi)合金粒子及びその製造方法に関する。さらに本発明は、L10型鉄ニッケル(FeNi)合金粒子を含む磁性組成物、及びL10型鉄ニッケル(FeNi)合金粒子を用いて作製した磁石に関する。
一般に永久磁石として使われる大きな保磁力を示す磁石としてサマリウム磁石やネオジム磁石が知られている。これらの材料にはレアアースが含まれるため、[非特許文献1]昨今の原料流通事情を考えると、早急な代替材料の開発が望まれる。大きな保磁力を有する材料として、L10型の規則構造を有する合金は、その構造ゆがみに由来する一軸磁気異方性から、大きな保磁力をもつことが知られている。L10型合金としては、FePt、CoPt、FePd、などが知られているが、いずれも貴金属であるPtやPdを含むため実用材料としては好ましくない。
そこで貴金属やレアアースを含まないL10型FeNiが磁性体として着目されている[非特許文献2]。このL10型のFeNiはtetrataeniteと呼ばれ、天然には鉄隕石中にしか存在しない[非特許文献3, 4]。鉄隕石は惑星の内核のマントル中で、高温度の溶融状態から百万年に1度、46億年の歳月をかけて非常にゆっくりと冷却過程を経て生成されたと考えられている [非特許文献5]。鉄隕石は銅やコバルトなどの不純物を含むことも知られている[非特許文献6]。L10型FeNiの形成にはこのようなプロセスの実現を実験室レベルで達成するのは困難である。人工的には中性子線を照射すること[非特許文献7]、あるいは、最新の膜製造技術を使い、FeとNiを一層ずつNiあるいはCu基盤の上に積み上げることでL10型FeNiが得られるとの報告がなされている[非特許文献8, 9]。
特許文献1:WO2011/027864 A1
非特許文献1:S. Sugimoto, J. Phys. D: Appl. Phys. 44, 064001(2011).
非特許文献2: M. Funaki, M. Koshita, H. Nagai, Antact. Meteorite Res. 16, 220 (2003).
非特許文献3:M. -Z. Dang, D. G. Rancourt, Phys. Rev. B, 53, 2291-2303 (1996).
非特許文献4:M. Kosugi, C. Mitsumata, H. Maruyama, T. Wakita, T. Taniguchi, K. Ono, M. Suzuki, N. Kawamura, N. Ishimaru, M. Oshima, Y. Watanabe, M. Taniguchi, Appl. Phys. Express, 3, 013001 (2010).
非特許文献5:C. -Y. Yang, D. B. williams, J. I. Goldstein, Geochim. Cosmochim. Acta, 61. 2943 (1997).
非特許文献6:R. S. Clarke Jr, E. R. D. Scott, American Mineralogis, 65, 624-630, 1980
非特許文献7:L. Neel, J. Pauthenet, J. Laugier, D. Dautreppe, J. Appl. Phys., 35, 873-876 (1964).
非特許文献8:T. Shima, M. Okamura, S. Mitani, K. Takanashi, J. Magn. Magn. Mater., 310, 2213-2214 (2007).
非特許文献9:M. Mizuguchi, S. Sekiya, K. Takanashi, J. Appl. Phys., 107, 09A716 (2010).
非特許文献10:M. Yamauchi, T. Tsukuda, Dalton Trans., 2010, DOI: 10.1039/C0DT01632B.
中性子線を照射する方法〔非特許文献7〕や、最新の膜製造技術を使い、FeとNiを一相ずつNiあるいはCu基盤の上に積み上げる方法[非特許文献8, 9]でのL10型FeNiの製造には、特殊なあるいは大がかりな装置を必要とする。従って、このような方法は、磁性材料の製造法として望ましいものではない。
そこで本発明は、比較的簡便な方法でL10型鉄ニッケル合金を製造できる方法を提供することにある。さらに本発明は、新たなL10型鉄ニッケル合金粒子、このL10型鉄ニッケル合金粒子を用いた磁性組成物及びこのL10型鉄ニッケル合金粒子を用いて製造した磁石を提供することにある。
本発明は、以下の通りである。
[1]
L10型鉄ニッケル合金粒子の製造方法であって、
鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーを溶媒に分散及び/又は溶解した液体を調製する工程(1)、
得られた液体に、前記鉄含有化合物に含まれる鉄イオン及び前記ニッケル含有化合物に含まれるニッケルイオンに対する還元剤を添加して、鉄及びニッケルを含有する前駆体粒子を調製する工程(2)、及び
前記前駆体粒子を水素雰囲気下で加熱して、前記前駆体粒子を還元し、かつ合金粒子の構造をL10型に規則化する工程(3)を含む、前記製造方法。
[2]
前記鉄及びニッケルを含有する前駆体粒子は、鉄酸化物及びニッケル酸化物を含有する粒子であるか、または鉄ニッケル合金、鉄酸化物及びニッケル酸化物を含有する粒子である[1]に記載の製造方法。
[3]
合金粒子の構造をL10型に規則化する工程(3)は、XRDパターンの解析により求めた合金粒子の格子定数が、a=2.520〜2.546Å, c=3.564〜3.600Åの範囲になるまで行う[1]に記載の製造方法。
[4]
前記工程(3)における加熱は、300℃〜1000℃の範囲である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5]
前記工程(3)における水素雰囲気は、水素圧力が0.01Pa〜100MPaの範囲である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]
前記工程(1)における溶媒は、鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーに対する親和性を有する溶媒である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7]
前記保護ポリマーは極性官能基部分を有する化合物である[1]〜[6]のいずれか1項に記載の製造方法。
[8]
前記保護ポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、ポリアクリレート、ポリ(メルカプトメチレンスリレン-N-ビニル-2-ピロリドン)、及びポリアクリロニトリルから成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の製造方法。
[9]
前記鉄及びニッケルを含有する前駆体粒子におけるFe:Niモル比は、0.3:0.7〜0.7:0.3の範囲である[1]〜[8]のいずれか1項に記載の製造方法。
[10]
工程(2)における還元は、0〜200℃の範囲で行う[1]〜[9]のいずれか1項に記載の製造方法。
[11]
L10型鉄・ニッケル合金粒子は、粒子径が1〜200000nmの範囲である[1]〜[10]のいずれか1項に記載の製造方法。
[12]
L10型鉄ニッケル合金粒子は、室温(25℃)で強磁性体である[1]〜[11]のいずれか1項に記載の製造方法。
[13]
平均粒子径が1〜200000nmの範囲であり、かつXRDパターンの解析により求めた合金粒子の格子定数が、a=2.520〜2.546Å, c=3.564〜3.600Åの範囲であるL10型鉄ニッケル合金粒子。
[14]
平均粒子径が1〜200000nmの範囲であり、かつXRDパターンの解析により求めた合金粒子の格子定数が、a=2.520〜2.546Å, c=3.564〜3.600Åの範囲であるL10型鉄ニッケル合金粒子並びに保護ポリマー及び保護ポリマーに由来する変質物の少なくとも1種を含む磁性組成物。
[15]
請求項13に記載のL10型鉄ニッケル合金粒子または請求項14に記載の磁性組成物から製造された磁石。
本発明によれば、放射線照射は不要であり、特殊な装置を必要とせず、基盤も必要とせずに、L10型鉄ニッケル合金粒子を得ることが出来る。本発明で作製されたL10型鉄ニッケル合金粒子を磁場中で配列することで、現在実用的に使われている材料を代替する磁性材料となることが期待される。
さらに本発明によれば、上記L10型鉄ニッケル合金粒子を用いた磁性組成物及びこのL10型鉄ニッケル合金粒子を用いて製造した磁石を提供することもできる。
実施例1で得られた前駆体のTEM像を示す。低倍率(4万倍)のTEM像(左)では、直径35±8 nm程度の集合体がみられる。これを高倍率(20万倍) (右)で観測してみると、直径2.5±0.6 nmの粒子の集合体であることがわかった。 試料の粉末XRDパターン(λ=0.57988Å, SPring-8, BL44B2)を示す。 meghamite、NiOおよび鉄ニッケルの結晶構造を初期条件としてリートベルト法による解析結果を示す。Aはバックグラウンドのシミュレーション曲線である。:Bはmeghamite、CはNiO、Dは鉄ニッケル(L10 FeNi)からの回折パターンのシミュレーション曲線を示す。EはB、C及びDの合成曲線である。Fは、実測パターンとシミュレーションとの差を示す(一番最下部に示す)。 加熱条件(試料を100℃で脱気した後、100kPaの水素ガスを導入し、段階的に500℃まで昇温)を示す。 水素圧力下で加熱しながら測定したin situ XRDパターンを示す。 水素圧力下で500℃の加熱し、室温に戻した試料の回折パターンを示す。 水素下で加熱した試料のTEM像を示す(A: 25万倍、B:4万倍)。 図8(左)はTEM像から見積もったサイズを示す。見積ったL10型FeNiナノ合金のサイズは、8.0±5.5Å程度であった。図8(右)は、得られサイズ分布より求めた試料の体積分布を示す。20nm程度の粒径のナノ合金が多く含まれていった。 L10型ナノ粒子の300Kにおける磁化率を示す。 実施例2(1)で得られた、前駆体を450℃にて水素焼成したサンプルのXRDパターンを示す。
<L10型鉄ニッケル合金粒子の製造方法>
本発明は、L10型鉄ニッケル合金粒子の製造方法に関する。この製造方法は、以下の工程を含む。
工程(1):鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーを溶媒に分散及び/又は溶解した液体を調製する工程
工程(2):得られた液体に、前記鉄含有化合物に含まれる鉄イオン及び前記ニッケル含有化合物に含まれるニッケルイオンに対する還元剤を添加して、鉄及びニッケルを含有する前駆体粒子を調製する工程
工程(3):前記前駆体粒子を水素雰囲気下で加熱して、前記前駆体粒子を還元し、かつ合金粒子の構造をL10型に規則化する工程
工程(1)
工程(1)では、鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーを溶媒に分散及び/又は溶解した液体を調製する。
鉄含有化合物は、鉄を含有する化合物であれば、特に制限はない。工程(1)に用いる溶媒に対する溶解性に優れたものであることが適当である。そのような化合物としては、例えば、塩化鉄、硫酸鉄、塩化鉄、硝酸鉄、およびそれらの水和物などの無機鉄含有化合物、さらには、鉄を含む錯体を挙げることができる。鉄を含む錯体としては、例えば、酢酸鉄、鉄アセチルアセトナト、テトラクロロ鉄(II)酸テトラエチルアンモニウム、テトラクロロ鉄(III)酸テトラエチルアンモニウム、ビス(スルフィド)テトラニトロシルに鉄(2-)ナトリウム八水和物、トリス(スルフィド)ヘプタニトロシル四鉄酸(1-)アンモニウム一水和物、ヘキサアンミン鉄(II)臭化物、テトラキス(チオフェノラト)鉄(II)酸テトラフェニルホスホニウム、テトラキス(2,3,5,6-テトラメチルフェノラト)鉄(III)酸テトラエチルアンモニウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、ペンタシアノアンミン鉄(II)酸ナトリウム三水和物、ペンタシアノアンミン鉄(III)酸ナトリウム三水和物、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物、ペンタシアノニトロ鉄(II)酸カリウム一水和物、テトラシアノ(エチレンジアミン)鉄(II)酸ナトリウム三水和物等を挙げることかできる。但し、これらの化合物は例示であって、これらの限定される意図ではない。
ニッケル含有化合物は、ニッケルを含有する化合物であれば、特に制限はない。工程(1)に用いる溶媒に対する溶解性に優れたものであることが適当である。そのような化合物としては、例えば、塩化ニッケル、硝酸ニッケルおよびそれらの水和物などの無機ニッケル含有化合物、さらには、ニッケルを含む錯体を挙げることができる。ニッケルを含む錯体としては、例えば、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナト、テトラクロロニッケル(II)酸テトラエチルアンモニウム、テトラブロモニッケル(II)酸テトラエチルアンモニウム、ヘキサアンミンニッケル(II)塩化物、ジニトロテトラアンミンニッケル(II)、テトラシアノニッケル(II)酸カリウム一水和物、ヘキサニトロニッケル(II)酸カリウムバリウム、トリス(エチレンジアミン)ニッケル(II)硫酸塩、ビス(エチレンジアミン)ジアクアニッケル硝酸塩、エチレンジアミンテトラアクアニッケル(II)硫酸塩一水和物、ジニトロ(エチレンジアミン)ニッケル(II)、ビス(N,N-ジメチルエチレンジアミン)ニッケル(II)過塩素酸、ビス(2,3-ジメチル-2,3-ジアミノブタン)ニッケル(II)ヨウ化物、ビス(ペルクロラト)テトラピリジンニッケル(II)、アセチルアセトナト(ニトラト)(N,N,N'、N'-テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル(II)等を挙げることかできる。但し、これらの化合物は例示であって、これらの限定される意図ではない。
保護ポリマーは、前記鉄含有化合物及び/又はニッケル含有化合物に対して親和性を示し、さらに溶媒に対しても可溶性を示す、前記鉄含有化合物及び/又はニッケル含有化合物などの金属含有化合物に対して親和性を有する官能基部分、例えば極性官能基を有するポリマーであることが適当であり、水溶性のポリマーであることが好ましい。前記保護ポリマーとしては、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、ポリアクリレート、ポリ(メルカプトメチレンスリレン-N-ビニル-2-ピロリドン)、ポリアクリロニトリルなどを挙げることかできる。さらに、PVPのような環状アミド構造を有するポリマーが好適である。
保護ポリマーの役割は、主に、工程(2)及(3)ので生成する前駆体粒子及び/又は合金粒子間の凝集を防止することと、生成する前駆体粒子及び/又は合金粒子のサイズを制御することである。前駆体粒子及び/又は鉄ニッケル合金ナノ粒子は、平均粒子径は、例えば、1〜200000nm、望ましくは1〜5000nmであり、好ましくは1〜1000nmであり、より好ましくは1〜200nmであり、さらに好ましくは1〜100nmであり、さらに一層好ましくは1〜50nmであり、より一層好ましくは1〜20nmであり、さらにより一層好ましくは1〜10nmであり、最も好ましくは、平均粒子径は1〜4nmの範囲である。そのためこの粒子径を維持するために、各ナノ粒子を凝集等から保護する手段を用いることが好ましく、そのための手段として保護ポリマーを用いる。さらに、合金の粒子径は、金属と保護ポリマーの比率を調整することによって制御することが出来る。例えば、溶媒中における保護ポリマーの量を相対的に増やすと、析出する前駆体粒子及び/又は合金粒子の粒径は小さくなる。この現象を利用すれば前駆体粒子及び/又は合金粒子の粒径を制御できる。尚、析出する合金粒子の粒径は、鉄含有化合物及びニッケル含有化合物の濃度を調整することでも調整できる。
前記溶媒は、鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーを溶解できる溶媒である。ここで溶解とは、鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーが溶媒に溶けている状態であり、溶液が透明になることが好ましい。溶媒として、水及び/又は有機溶媒、その混合溶媒を用いることができる。有機溶媒は、水に親和性のある有機溶媒または極性部位を有する有機溶媒であることが、鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーに対する溶解性に優れるという観点から好ましい。溶媒は、水及び水に親和性のある有機溶媒の混合溶媒であることもできる。有機溶媒としては、鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーの種類等に応じて適宜選択するとよく、例えばエタノール、プロパノールやエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールを用いることができる。水と有機溶媒の混合溶媒を用いる場合にも、鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーの溶解性等を考慮して、有機溶媒の種類や有機溶媒と水との混合比を適宜調整できる。
前記鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーの溶媒中での存在状態は、特に制限はなく、分散及び/又は溶解した状態であることができる。分散した状態は分散液であり、溶解した状態は溶解液である。溶解の際には混合物を加熱することもできる。子分散と溶解が併存する場合も含まれる。前記鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーが分散状態にあるか、溶解状態にあるか、両者の併存状態にあるかは、前記鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーの種類並びに溶媒、さらには、溶媒中の前記鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーの濃度により変化する。溶媒中の前記鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーの濃度は、それぞれ前駆体の組成や粒子径等を考慮して決められる。分散液または溶解液中の保護ポリマーの濃度、鉄イオンの濃度及びニッケルイオンの濃度は、例えば、保護ポリマーが1×10-7〜10mol/Lの範囲、鉄イオンが1×10-10〜10mol/Lの範囲、及びニッケルイオンが1×10-10〜10mol/Lの範囲であることができる。
分散液または溶解液の調製は、上記溶媒に保護ポリマー並びに鉄含有化合物及びニッケル含有化合物を加えて、溶解または分散することで行うことができる。保護ポリマー並びに鉄含有化合物及びニッケル含有化合物の添加順序には制限はない。保護ポリマーを分散または溶解した溶液と鉄含有化合物を溶解した溶液及びニッケル含有化合物を溶解した溶液を、適宜混合することで調製することもできる。
前記鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーの溶媒への分散または溶解の操作は、常温または加温または冷却下で行うことができる。さらに、前記溶媒への分散または溶解の操作は、静置した状態で行っても、攪拌した状態で行ってもよい。
工程(2)
工程(2)では、工程(1)で得られた前記前記鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーを含有する液体に、前記鉄含有化合物に含まれる鉄イオン及び前記ニッケル含有化合物に含まれるニッケルイオンに対する還元剤を添加して、鉄及びニッケルを含有する前駆体粒子を調製する。
還元剤としては、標準還元電位が室温における水素(0eV)よりも負である化合物を用いることが、鉄イオン及びニッケルイオンを金属に還元する力が強いという観点から適当である。そのような還元剤としては、例えば、MBH4,MEt3BH(M=Na, K), 水素化シアノホウ素ナトリウム NaBH3CN、水素化ホウ素リチウム LiBH4、水素化トリエチルホウ素リチウム LiBHEt3、ボラン錯体 BH3・L(Lは配位子、例えば、THF(テトラヒドロフラン)、SMe2(ジメチルスルフィド))、トリエチルシラン Et3SiH、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム (Sodium Bis(2-methoxyethoxy)Alminium Hydride; Red-Al)などを挙げることができる。但し、これらの還元剤の中には、水と爆発的に反応して危険であるため水溶液中で使用できないものもあるので注意を要する。その場合は、溶媒として水以外の溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド等のアプロトニックな極性溶媒)を使用することが適当である。
還元剤の使用量は、金属原料に含まれる鉄の物質量等を考慮して適宜決定され、例えば、還元すべき鉄イオン及びニッケルイオンの合計量の当量から200倍当量以下の範囲とすることができる。好ましくは鉄イオン及びニッケルイオンの合計量の当量から50倍当量以下の範囲とする
還元剤の添加方法は、特に制限はされないが、例えば、粉末状又は顆粒状の還元剤を前記液体に添加することができる。あるいは、前記工程(1)で用いた溶媒に例えば、粉末状又は顆粒状の還元剤を溶解及び/又は分散し、溶解及び/又は分散液を前記液体に添加することもできる。使用する溶媒は、還元剤に対して不活性な物であることが、還元効率の観点から好ましい。
上記還元剤で鉄イオン及びニッケルイオンを還元することで、前駆体粒子が調製される。上記還元剤での還元の温度は、還元により調製されるべき合金の結晶構造を考慮して決定され、例えば、0〜200℃の範囲とすることが適当である。好ましくは25〜160℃の範囲とすることがきる。
工程(2)において、得られる前記鉄及びニッケルを含有する前駆体粒子は、鉄酸化物及びニッケル酸化物を含有する粒子であるか、または鉄ニッケル合金、鉄酸化物及びニッケル酸化物を含有する粒子である。前駆体粒子の作製時の還元により鉄イオン及びニッケルイオンは、還元剤野量が過剰であればその分、金属(鉄ニッケル合金)にまで還元されることがある。しかし、金属を含む前駆体粒子は、酸素を含む雰囲気に晒されることで、酸化される。従って、合成直後の前駆体粒子は金属(鉄ニッケル合金)の含有量は比較的高く、時間の経過と共にその量は低下する。鉄ニッケル合金、鉄酸化物及びニッケル酸化物の割合は、還元条件により変化するが、鉄ニッケル合金、鉄酸化物及びニッケル酸化物の割合が、例えば、1:0.1〜100:0.1〜100の範囲であることができる。但し、この範囲に制限される意図ではない。
前記鉄及びニッケルを含有する前駆体粒子におけるFe:Niモル比は、0.3:0.7〜0.7:0.3の範囲であることができる。Fe:Niモル比は、好ましくは0.4:0.6〜0.6:0.4の範囲、より好ましくは0.45:0.55〜0.55:0.45の範囲、さらに好ましくは0.47:0.53〜0.53:0.47の範囲である。Fe:Niモル比が1:1に近いほど、最終的に得られる合金は、磁性特性に優れる傾向がある。但し、合金の磁性特性はFe:Niモル比のみに依存するものでなはく、結晶構造等にも依存する。
工程(3)
工程(3)は、前記前駆体粒子を水素雰囲気下で加熱して、前記前駆体粒子を還元し、かつ合金粒子の構造をL10型に規則化する工程である。
上記工程(1)及び(2)により前駆体粒子を製造し、製造された前駆体粒子を水素雰囲気に暴露して、結晶構造がL10型に規則化された鉄ニッケル合金ナノ粒子を得る。
上記方法により製造した前駆体粒子は、鉄ニッケル合金、鉄酸化物及びニッケル酸化物を含有し、鉄ニッケル合金の結晶構造は一部がL10型であるか、又はL10型を含まない。それに対して、水素雰囲気に暴露することで、下記式(A)で表される規則化度が99.5%以上である、結晶構造の規則性が向上したL10型である鉄ニッケル合金ナノ粒子を得ることができる。
(1−(m−M)/M)×100% (A)
m:鉄ニッケル合金ナノ粒子の格子定数
M:鉄原子とニッケル原子が規則的に配列したバルクの格子定数
前記水素雰囲気への暴露処理は、上記工程(2)で得られた鉄ニッケル合金、鉄酸化物及びニッケル酸化物鉄ニッケル合金ナノ粒子と保護ポリマーの混合物から溶媒を除去した後に、または溶媒とともに、所定の温度及び水素圧力にて行うことができる。温度は、例えば、300℃〜1000℃の範囲であり、水素圧力は0.01Pa〜100MPaの範囲であることができる。水素雰囲気暴露処理の条件は、好ましくは350〜950℃の範囲で、かつ水素圧0.01MPa〜5MPaの範囲である。処理時間は、温度及び圧力に応じて適宜設定することができ、例えば、0.05〜10時間の範囲とすることができる。但し、この範囲に限定される意図ではない。
上記方法により製造した規則化度が90%未満である結晶構造がL10型である鉄ニッケル合金ナノ粒子を水素雰囲気暴露処理に付すことで、結晶構造の規則性が向上した、規則化度が99.5%以上、好ましくは99.9%以上、より好ましくは100%のL10型である鉄ニッケル合金ナノ粒子を得ることができる。
上記規則化度は、下記式(A)で表される。
(1−(m−M)/M)×100% (A)
m:鉄ニッケル合金ナノ粒子の格子定数
M:鉄原子とニッケル原子が規則的に配列したバルクの格子定数
合金粒子の構造をL10型に規則化する工程(3)は、XRDパターンの解析により求めた合金粒子の格子定数が、a=2.520〜2.546Å, c=3.564〜3.600Åの範囲になるまで行うことが、磁性特性に優れた合金をえるという観点からは好ましい。規則化度が99.5%である合金は、格子定数が、a=2.520〜2.546Å, c=3.564〜3.600Åの範囲である。前記合金粒子の格子定数は、より好ましくはa=2.530〜2.536Å, c=3.578〜3.586Åの範囲になる。規則化度が99.9%である合金は、合金粒子の格子定数がa=2.530〜2.536Å, c=3.578〜3.586Åの範囲にある。
上記方法により得られる組成物における鉄ニッケル合金ナノ粒子、保護ポリマー及び溶媒の組成比は、例えば、鉄ニッケル合金ナノ粒子の濃度が0.1〜99.9質量%、好ましくは20〜99質量%の範囲であり、保護ポリマーの濃度が0.1〜99.9質量%、好ましくは1〜10質量%の範囲であることができる。但し、鉄ニッケル合金ナノ粒子、保護ポリマー及び溶媒の合計が100質量%になるように選択する。尚、これらの範囲に限定される意図ではない。尚、保護ポリマーは、水素雰囲気暴露処理により変質している可能性があり、その場合には、「保護ポリマーの濃度」とは、「保護ポリマーに由来する変質物の濃度」と定義される。
得られた鉄ニッケル合金ナノ粒子、保護ポリマー及び溶媒の混合物から、鉄ニッケル合金ナノ粒子のみを分離精製すること、あるいは鉄ニッケル合金ナノ粒子及び保護ポリマーの混合物とするもできる。鉄ニッケル合金ナノ粒子の分離精製は、遠心分離あるいはろ過等の固液分離、及び/又は水等による洗浄、及び/又は乾燥の工程の後に、300℃以上での焼成あるいはプラズマ処理を経ることができる。鉄ニッケル合金ナノ粒子及び保護ポリマーの混合物は、溶媒を例えば、遠心分離あるいはろ過等の固液分離、及び/又は水等による洗浄、及び/又は乾燥の工程を経ることで、除去することで調製できる。この場合も、保護ポリマーは、水素雰囲気暴露処理により変質している可能性があり、その場合には、「保護ポリマー」とは、「保護ポリマーに由来する変質物」と定義される。「保護ポリマーに由来する変質物」は、水素雰囲気暴露処理の条件により変化するが、例えば、アモルファス状の炭素であることができる。
本発明の製造方法で得られる鉄ニッケル合金ナノ粒子は、磁性材料として様々な分野で応用が可能である。
<L10型鉄ニッケル合金粒子>
本発明は、平均粒子径が1〜200000nmの範囲であり、かつXRDパターンの解析により求めた合金粒子の格子定数が、a=2.520〜2.546Å, c=3.564〜3.600Åの範囲であるL10型鉄ニッケル合金粒子を包含する。本発明のL10型鉄ニッケル合金粒子は、上記本発明の製造方法によって製造すくことができる。本発明のL10型鉄ニッケル合金粒子は、平均粒子径が、1〜200000nmの範囲であり、微粒子という観点からは、望ましくは1〜5000nmであり、好ましくは1〜1000nmであり、より好ましくは1〜200nmであり、さらに好ましくは1〜100nmであり、さらに一層好ましくは1〜50nmであり、より一層好ましくは1〜20nmであり、さらにより一層好ましくは1〜10nmであり、最も好ましくは、平均粒子径は1〜4nmの範囲である。但し、磁性特性の観点からは、粒子径が、例えば、10nm〜100nm、好ましくは10〜50nmの範囲の粒子の含有量が多いことが望ましい。
尚、L10型鉄ニッケル合金は、流星由来の物が知られているが、これらの流星由来の合金は塊であり、塊を粉砕して上記平均粒子径にしようとすると、粉砕の過程で結晶構造が壊れたり、酸化されたりして、粉砕後もL10型鉄ニッケル合金を維持することはできない。さらに、流星由来の物は、微量の不純物を含んでいる。従って、本発明のL10型鉄ニッケル合金粒子は新規物質である。
本発明のL10型鉄ニッケル合金粒子は、XRDパターンの解析により求めた合金粒子の格子定数が、a=2.520〜2.546Å, c=3.564〜3.600Åの範囲であり(規則化度が99.5%)、磁性特性に優れた合金という観点からは、好ましくはa=2.530〜2.536Å, c=3.578〜3.586Åの範囲である(規則化度が99.9%)。
本発明のL10型鉄ニッケル合金粒子におけるFe:Niモル比は、0.3:0.7〜0.7:0.3の範囲であることができる。Fe:Niモル比は、好ましくは0.4:0.6〜0.6:0.4の範囲、より好ましくは0.45:0.55〜0.55:0.45の範囲、さらに好ましくは0.47:0.53〜0.53:0.47の範囲である。Fe:Niモル比が1:1に近いほど、磁性特性に優れる傾向がある。但し、合金の磁性特性はFe:Niモル比のみに依存するものでなはく、結晶構造等にも依存する。
<磁性組成物>
本発明は、平均粒子径が1〜200000nmの範囲であり、かつXRDパターンの解析により求めた合金粒子の格子定数が、a=2.520〜2.546Å, c=3.564〜3.600Åの範囲であるL10型鉄ニッケル合金粒子並びに保護ポリマー及び保護ポリマーに由来する変質物の少なくとも1種を含む磁性組成物を包含する。L10型鉄ニッケル合金粒子は、上記本発明のL10型鉄ニッケル合金粒子である。保護ポリマーに由来する変質物は、保護ポリマーが水素雰囲気暴露処理により変質して生成した物質である。保護ポリマーの種類及び水素雰囲気暴露処理の条件により、変質物の生成の有無及び程度は変化する。保護ポリマー及び保護ポリマーに由来する変質物の両方が含まれる場合、保護ポリマーのみが含まれる場合及び保護ポリマーに由来する変質物のみが含まれる場合のいずれも、本発明では包含する。
上記保護ポリマー及び保護ポリマーに由来する変質物の少なくとも1種は、前記L10型鉄ニッケル合金粒子の少なくとも一部の表面を被覆している。上記保護ポリマー及び保護ポリマーに由来する変質物の少なくとも1種は、好ましくは前記L10型鉄ニッケル合金粒子の表面の全部を被覆している。L10型鉄ニッケル合金粒子は、その表面を上記保護ポリマー及び保護ポリマーに由来する変質物の少なくとも1種で被覆されることで、外気との接触を回避でき、その結果、酸化を受けにくくなり、L10型鉄ニッケル合金の状態を維持しやすくなる。
<磁石>
本発明は、上記本発明のL10型鉄ニッケル合金粒子または上記本発明の磁性組成物から製造された磁石を包含する。磁石の組成は、L10型鉄ニッケル合金のみからなっていてもよいが、L10型鉄ニッケル合金以外の磁性材料との混合物であってもよい。磁石の製造方法は公知の方法を採用できる。磁石を製造する際に加熱が必要な場合は、L10型鉄ニッケル合金が、L10型を維持しやすいという観点から、水素含有雰囲気、好ましくは水素雰囲気で実施することが適当である。より具体的には、上記本発明のL10型鉄ニッケル合金粒子または磁性組成物を所定形状に成形し、次いで、加熱処理することで磁石を製造することができる。加熱処理は、上記のように水素含有雰囲気、好ましくは水素雰囲気で実施することが適当であり、さらに、磁場中で、一定方向に結晶を配向させながら加熱処理することが適当である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
(1)前駆体の作製
200mlのエチレングリコールに、金属原料である0.2mmolの鉄(III)アセチルアセトナトと0.2mmol酢酸ニッケル(II)、および保護被覆剤である1.6 mmolポリ[n-ビニル-2-ピロリドン](K30)を溶解した。この溶液をメカニカルスターラーを用い、Ar下で15分攪拌して溶液中の酸素を取り除いた。マイクロウェーブ装置を用いて160℃まで加熱し、10mMのNaBH4水溶液を滴下した。更に、マイクロウェーブ装置により160℃にて30分ほど加熱を行った。
但し、マイクロウェーブは効率的に加熱するために用いており、本発明は溶液の加熱法をマイクロウェーブ法に限定するものではない。
(2)前駆体の同定
得られた前駆体のTEM像を図1に示す。低倍率(4万倍)のTEM像では、直径35±8 nm程度の集合体がみられるが、高倍率(20万倍)で観測してみると、これは、直径2.5±0.6 nmの粒子の集合体であることがわかった。
試料の粉末XRDパターン(λ=0.57988Å, SPring-8, BL44B2)を図2に示す。得られたパターンはmeghamiteとNiOのパターンの重なりであると考えられる。さらに、meghamite、NiOおよび鉄ニッケルの結晶構造を初期条件としてリートベルト法による解析を行った。結果を図3に示す。前駆体の回折パターンはmeghamite、NiOおよび鉄ニッケルからの回折パターンの重さね合わせで良く再現出来た。また、この解析から、試料には60重量%のmeghamite、38重量%のNiO、1.7重量%のFeNi合金が含まれることがわかった。リートベルト法により、粒径の小さな結晶の組成を精密に決定することは困難であるが、前駆体は鉄酸化物、ニッケル酸化物、および鉄ニッケル合金の複合体から形成されることが明らかとなった。これは、一度還元剤にFeイオン とNiイオンが還元されて固体となり、溶媒中あるいは精製・乾燥・保存の過程で再酸化されたためであると考えられる。EDS分析とICP-AES分析により、試料の組成は、55:45(EDS)および56:44(ICP-AES)とFeがわずかに多い組成であることがわかった。この方法の最大のポイントは、ほぼ仕込み値どおりの組成のFeとNiが良く混合した複合前駆体が得られることである。成分金属を良く混合して、いかに前駆体の構造を規則合金に近づけるかが、規則合金製造の最大の鍵となることがこれまでの本発明者の研究から明らかになっている[特許文献1]。
(3)水素印加処理によるL10型FeNiナノ合金の作製
中性子などの粒子線照射により、FeNi合金のL10構造への規則化が促進されることが報告されている[非特許文献7]。しかし、中性子の利用は許可された特定の施設でのみ利用が可能であり、材料製造に放射線を利用するのはコストの面からも賢明ではない。本研究では、中性子線のかわりに最も軽い元素である水素を試料に作用させて、FeNi合金の規則化を試みる。これまでの我々の研究により、水素ガスを印加することにより、CuPdナノ合金のB2構造への規則化が促進されることを明らかにしている[非特許文献10、特許文献1]。本研究では、前駆体の還元とFeNiナノ合金のL10構造への規則化の促進のために、水素印加処理を導入する。
試料を100℃で脱気した後、100kPaの水素ガスを導入し、段階的に500℃まで昇温した。(加熱条件は図4を参照)。水素圧力下で加熱しながら測定したin situ XRDパターンを図5に示す。350℃まで加熱すると、酸化物由来のピークが減少し、最強線がやや高角度にシフトし、400℃以上では短時間(15分程度)のうちに完全に酸化物のピークが消失した。500℃にまで加熱すると、最強線に小さいながらも肩が観測された。図6に水素圧力下で500℃の加熱し、室温に戻した試料の回折パターンを示す。図6に示すように得られたXRDパターンはほぼL10型のFeNiのものと一致した。また、最強線肩に現れたピークは、bcc構造のFeの回折であることがわかった。先に示したとおり、EDSやICP分析によりサンプル中には過剰のFeが含まれていることから、L10型の規則合金から排除された余分なFeが単体の鉄として析出ためであると考えられる。XRDパターンの解析により、格子定数を求めると、a=2.531Å, c=3.579Åであり、L10型FeNiの報告値a=2.533Å, c=3.582Åとほぼ一致した。この結果から、L10型FeNiナノ合金が得られたことが明らかとなった。一方、水素ガスなしの真空下で前駆体の加熱処理のみを行った場合でも、450℃以上では酸化物由来の回折ピークの強度が減少し、還元が進んだことがわかった。しかし、500℃においても酸化物に由来するピークは存在しおり、前駆体の還元は不完全であった。また、最強線のピーク位置はL10型FeNiのものとは異なっており、加熱のみでは規則化の進行は遅いと考えられる。
水素下で加熱した試料のTEM像を図7(A: 25万倍、B:4万倍)に示す。一部の粒子は凝集して大きな粒子となっているが、中には小さい粒子も残っていることがわかる。このTEM像よりL10型FeNiナノ合金のサイズを見積もると、8.0±5.5Å程度であることがわかった(図8(左))。また、得られサイズ分布より、試料の体積分布をもとめると図8(右)のようになり、20nm程度の粒径のナノ合金が多く含まれていることがわかった。直径数十nm程度が単磁区の最大の大きさであるため、作製されたL10型FeNiは理想的な磁性体構造を有していると推測される。また、調製されたFeNiナノ合金の周囲にはアモルファス様の被覆が存在することがTEM観測により明らかとなった。また、EDSによる測定により、試料には炭素分が含まれることがわかった。PVPは350℃以上で分解することとXRDパターンには酸化物などの明確な回折が観測されていないことから、作製したナノ合金はアモルファス状の炭素含有生成物で被覆されていると考えられる。
(4)L10型FeNiナノ合金の磁化率
図9にL10型ナノ粒子の300Kにおける磁化率を示す。測定には、In situ粉末XRD測定した硝子のキャピラリーに入った試料を用いた。硝子の反磁性磁化率をナノ合金の測定データから差し引く補正を行った。誤差は硝子の重量の見積もりに由来している。前駆体の磁化曲線にはヒステリシスが観測されなかった。したがって、前駆体は室温(300K)で常磁性体であることがわかった。一方、L10型FeNiの磁化率は前駆体に比べて非常に増大し、磁化曲線には明確なヒステリシスが観測された。この結果から、作製したL10型FeNiナノ合金が室温で強磁性体であることが明らかとなった。また、400℃においても大きな磁化率を保持していることから、実験値(840K)と理論計算値(1020K)と同様な高いキュリー温度を示す可能性がある[非特許文献3]。表1に本発明で作製されたL10型FeNiナノ合金と他のFe系合金の磁化率を示す。L10型FeNiナノ合金は、大きな飽和磁化を示す他の鉄系合金と比較しても同等の飽和磁化を示していることに加え、さらに、大きな保磁力を持つことがわかる。本発明で作製されたL10型FeNiナノ合金を磁場中で配列することで、現在実用的に使われている材料を代替する磁性材料となることが期待される。
実施例2(前駆体作製時の原料を替えた実施例)
(1)硝酸鉄、硝酸ニッケルを使用、NaEt 3 BHを120℃で添加、450℃で水素焼成
オレイルアミン 2.8428 g、オレイン酸(60%) 5.0070 g、硝酸鉄(II) 0.4579 g、硝酸ニッケル(II) 0.3113 gを50 mlナスフラスコに加えた。薬さじでよくかき混ぜた後、マントルヒーターを用いて140℃に加熱して金属原料を溶解させた。その後120℃で、N2ガスを導入し30分以上保持した後、1 M NaEt3BHトルエン溶液を4 ml加えて1時間保持した。得られた溶液に対してエタノールを50 ml加えて遠心分離により沈殿物を得た。沈殿物にヘキサンを5 ml加えて溶かし、エタノールを45 ml加えて沈殿させた。この操作を4回繰り返し、得られた沈殿物を真空デシケータで保管した。
焼成処理は200 mL/minで水素ガスを導入しながら、20℃/minで50℃昇温して10分保持する過程を450℃まで繰り返した。焼成したサンプルのXRDパターンは図10に示す。還元剤のホウ素由来と考えられる不純物の成分とともに還元されたL10型FeNiの回折も観察された。(a=2.53Å、c=3.58Å)
金属原料に硝酸鉄、硝酸コバルト、還元剤にNaEt3BHを用いて作製した前駆体を450℃にて水素焼成したサンプルでは、L10FeNiナノ合金と還元剤由来の材料の混合物となっている。図10に示すXRDパターンには、実測値に加えてシミュレーションパターンを示す。さらに200回折位置が計算値から出した回折角度も示す。シミュレーションパターンは報告値から算出したL10FeNiの回折角度と一致した。不純物由来の回折(斜線部分)はマスクして解析からは除外した。
(2)酢酸鉄、酢酸ニッケルを使用、NaEt 3 BHを室温で添加
オレイルアミン 2.8666 g、オレイン酸(60%) 5.0085 g、酢酸鉄(II) 0.1966 g、酢酸ニッケル(II) 0.2650 gを100 mlナスフラスコに加えた。薬さじでよくかき混ぜた後、マイクロウェーブを用いて120℃で3分加熱して金属原料を溶解させた。N2ガスを導入し、30分以上保持して室温まで冷却した。その後1 M Na Et3BHトルエン溶液を4 ml加えて1時間保持した。得られた溶液に対してエタノールを80 ml加えて遠心分離により沈殿物を得た。沈殿物にヘキサンを10 ml加えて溶かし、エタノールを50 ml加えて沈殿させた。この操作を2回繰り返し、得られた沈殿物を真空デシケータで保管した。
焼成処理は200 mL/minで水素ガスを導入しながら、20℃/minで50℃昇温して10分保持する過程を500℃まで繰り返した。焼成したサンプルのXRDパターンは図10に示すものとほぼ同様であった。
(3)酢酸鉄、酢酸ニッケルを使用、NaEt 3 BHを120℃で添加
オレイルアミン 2.8395 g、オレイン酸(60%) 5.0093 g、酢酸鉄(II) 0.1974 g、酢酸ニッケル(II) 0.2645 gを50 mlナスフラスコに加えた。薬さじでよくかき混ぜた後、マントルヒーターを用いて140℃に加熱して金属原料を溶解させた。その後120℃で、N2ガスを導入し30分以上保持した後、1 M Na Et3BHトルエン溶液を4 ml加えて1時間保持した。得られた溶液に対してエタノールを50 ml加えて遠心分離により沈殿物を得た。沈殿物にヘキサンを5 ml加えて溶かし、エタノールを45 ml加えて沈殿させた。この操作を4回繰り返し、得られた沈殿物を真空デシケータで保管した。
焼成処理は200 mL/minで水素ガスを導入しながら、20℃/minで50℃昇温して10分保持する過程を500℃まで繰り返した。焼成したサンプルのXRDパターンは図10に示すものとほぼ同様であった。
実施例3 (水素還元条件を変更した実施例)
硝酸鉄、硝酸ニッケルを試料、NaBH 4 を160℃で添加、450℃で水素焼成
硝酸鉄(II) 0.0841 g、硝酸ニッケル(II) 0.0651 g、ポリビニルピロリドン1.8205 g、エチレングリコール300mlを300ml 三方ナスフラスコに加えた。薬さじでよくかき混ぜた後、超音波処理を40分間行い、金属原料を溶解させた。N2ガスを導入し30分以上保持した後、マイクロウェーブを用いて120℃に昇温した。NaBH4 0.1512 gを水5mlに溶かして加え、160℃に昇温して30分保持した。得られた溶液に試料溶液 : アセトン : ジエチルエーテル = 12.5 : 22.5 : 15となるよう加えて遠心分離により沈殿物を得た。沈殿物に水を5 ml加えて溶かし、アセトンを45 ml加えて沈殿させた。この操作を2回繰り返し、得られた沈殿物を真空デシケータで保管した。
焼成処理は200 mL/minで水素ガスを導入しながら、20℃/minで50℃昇温して10分保持する過程を450℃まで繰り返した。焼成したサンプルのXRDパターンは図10に示すものとほぼ同様であった。
本発明は、磁性材料に関連する分野に有用である。

Claims (13)

  1. L1型鉄ニッケル合金粒子の製造方法であって、
    鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーを溶媒に分散及び/又は溶解した液体を調製する工程(1)、
    得られた液体に、前記鉄含有化合物に含まれる鉄イオン及び前記ニッケル含有化合物に含まれるニッケルイオンに対する還元剤を添加して、鉄及びニッケルを含有する前駆体粒子を調製する工程(2)、但し、前記鉄及びニッケルを含有する前駆体粒子は、鉄酸化物及びニッケル酸化物を含有する粒子であるか、または鉄ニッケル合金、鉄酸化物及びニッケル酸化物を含有する粒子である、及び
    上記工程(2)で得られた前駆体粒子を含む混合物から溶媒を除去した後、前記前駆体粒子を水素雰囲気下で加熱して、前記前駆体粒子を還元し、かつ合金粒子の構造をL1型に規則化する工程(3)を含む、但し、前記工程(3)における加熱は、300℃〜1000℃の範囲であり、かつ前記工程(3)における水素雰囲気は、水素圧力が0.01MPa〜100MPaの範囲である、前記製造方法。
  2. 合金粒子の構造をL1型に規則化する工程(3)は、XRDパターンの解析により求めた合金粒子の格子定数が、a=2.520〜2.546Å,c=3.564〜3.600Åの範囲になるまで行う請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程(3)における水素雰囲気は、水素圧力が0.01MPa〜5MPaの範囲である請求項1、3のいずれか1項に記載の製造方法。
  4. 前記工程(1)における溶媒は、鉄含有化合物、ニッケル含有化合物及び保護ポリマーに対する親和性を有する溶媒である、請求項1、3、5のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記保護ポリマーは極性官能基部分を有する化合物である請求項1、3、5〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記保護ポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、ポリアクリレート、ポリ(メルカプトメチレンスリレン−N−ビニル−2−ピロリドン)、及びポリアクリロニトリルから成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1、3、5〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記鉄及びニッケルを含有する前駆体粒子におけるFe:Niモル比は、0.3:0.7〜0.7:0.3の範囲である請求項1、3、5〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 工程(2)における還元は、0〜200℃の範囲で行う請求項1、3、5〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. L1型鉄・ニッケル合金粒子は、平均粒子径が1〜200000nmの範囲である請求項1、3、5〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. L1型鉄ニッケル合金粒子は、室温(25℃)で強磁性体である請求項1、3、5〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 平均粒子径が1〜200nmの範囲であり、かつXRDパターンの解析により求めた合金粒子の格子定数が、a=2.520〜2.546Å,c=3.564〜3.600Åの範囲であるL1型鉄ニッケル合金粒子。
  12. 平均粒子径が1〜200nmの範囲であり、かつXRDパターンの解析により求めた合金粒子の格子定数が、a=2.520〜2.546Å,c=3.564〜3.600Åの範囲であるL1型鉄ニッケル合金粒子並びに保護ポリマー及び保護ポリマーに由来する変質物の少なくとも1種を含む磁性組成物。
  13. 請求項13に記載のL1型鉄ニッケル合金粒子または請求項14に記載の磁性組成物から製造された磁石。
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