JP5891869B2 - 車両用アウトサイドミラー装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ミラーアセンブリがシャフトに緩衝機構を介して回転可能に取り付けられている車両用アウトサイドミラー装置に関するものである。
この種の車両用アウトサイドミラー装置は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用アウトサイドミラー装置について説明する。従来の車両用アウトサイドミラー装置は、ドアミラーバイザーが外力を受けてケースが他方向へ所定値以上の外力を受けた場合には、緩衝のために、ケース山がスタンド山を乗り上げてミラーが前可倒位置側に回転する。
特開2001−287594号公報
ところが、前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置は、緩衝機構のケース山とスタンド山の摩耗を防ぐために、別部品の防削部材を使用するものである。
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用アウトサイドミラー装置では、緩衝機構の摩耗を防ぐために別部品を使用する、という点にある。
この発明(請求項1にかかる発明)は、車体に固定されるベースと、電動格納ユニットと、ベースに電動格納ユニットを介して回転可能に取り付けられているミラーアセンブリと、を備え、電動格納ユニットが、ベースに固定されているシャフトと、シャフトに回転可能に取り付けられていてかつミラーアセンブリが取り付けられているケーシングと、第1緩衝機構と、モータと、回転力伝達機構と、第2緩衝機構と、を備え、第1緩衝機構が、シャフトに固定されている第1部材と、ケーシングである第2部材と、スプリングと、から構成されていて、第1部材と第2部材とには、斜面がそれぞれ設けられていて、ミラーアセンブリが使用位置に位置するときには、スプリングのスプリング力および電動の締め付けトルクにより第1部材の斜面と第2部材の斜面とが相互に当接していて、ミラーアセンブリが緩衝のためにシャフトに対し使用位置から前方に回転するときには、スプリングのスプリング力に抗して第2部材の斜面が第1部材の斜面に沿って乗り上がる機構であり、第2緩衝機構が、シャフトに対して回転不可能である第1部材と、シャフトに対して回転可能である第2部材と、スプリングと、から構成されていて、第1部材と第2部材とには、斜面がそれぞれ設けられていて、スプリングのスプリング力により第1部材の斜面と第2部材の斜面とが相互に当接していて、ミラーアセンブリが電動格納ユニットの電動回転力以上の力で回転するときには、スプリングのスプリング力に抗して第2部材の斜面が第1部材の斜面を押し上げる機構であり、第1緩衝機構の第1部材の斜面と第2部材の斜面とが、第2部材の回転中心に向かう線に対して傾いている斜面であり、第2緩衝機構の第1部材の斜面と第2部材の斜面とが、第2部材の回転中心に向かう線に対して傾いている斜面である、ことを特徴とする。
この発明(請求項2にかかる発明)は、車体に固定されるベースと、ベースに固定されているシャフトと、シャフトに緩衝機構を介して回転可能に取り付けられているミラーアセンブリと、を備え、緩衝機構が、シャフトに対して回転不可能である第1部材と、シャフトに対して回転可能である第2部材と、スプリングと、から構成されていて、第1部材と第2部材とには、斜面がそれぞれ設けられていて、ミラーアセンブリがシャフトに対して所定の位置に位置するときには、スプリングのスプリング力により第1部材の斜面と第2部材の斜面とが相互に当接していて、ミラーアセンブリが緩衝のためにシャフトに対し回転するときには、スプリングのスプリング力に抗して第2部材の斜面が第1部材の斜面に沿って乗り上がる機構であり、第1部材の斜面と第2部材の斜面とが、斜面の稜線が第2部材の回転中心に向かう線に対して傾いている斜面である、ことを特徴とする。
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、第1緩衝機構の第1部材の斜面と第2部材の斜面とが、斜面の稜線が第2部材の回転中心に向かう線に対して傾いている斜面であり、第2緩衝機構の第1部材の斜面と第2部材の斜面とが、斜面の稜線が第2部材の回転中心に向かう線に対して傾いている斜面である。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、第1緩衝機構の第1部材の斜面および第2部材の斜面の面積と、第2緩衝機構の第1部材の斜面および第2部材の斜面の面積とを、従来の斜面よりも広げる(大きくする)ことができ、その結果、単位面積当たりの力を減らすことができるので、別部品を使用せずに、第1緩衝機構の第1部材の斜面および第2部材の斜面および第2緩衝機構の第1部材の斜面および第2部材の斜面の摩耗を軽減することができる。
この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、緩衝機構の第1部材の斜面と第2部材の斜面とが、斜面の稜線が第2部材の回転中心に向かう線に対して傾いている斜面である。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、緩衝機構の第1部材の斜面および第2部材の斜面の面積を従来の斜面よりも広げる(大きくする)ことができ、その結果、単位面積当たりの力を減らすことができるので、別部品を使用せずに、緩衝機構の第1部材の斜面および第2部材の斜面の摩耗を軽減することができる。
図1は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態1を示す使用状態の平面図である。 図2は、電動格納ユニットを示す分解斜視図である。 図3は、図2におけるIII矢視図であって、クラッチホルダの下側から見た斜視図である。 図4は、図2におけるIV矢視図であって、クラッチの上側から見た斜視図である。 図5は、クラッチの平面図である。 図6は、クラッチの一部拡大平面図である。 図7は、図6におけるVII−VII線断面図である。 図8は、図2におけるVIII矢視図であって、ギアケースの底面図である。 図9は、図2におけるIX矢視図であって、ストッパ部材の平面図である。 図10は、図2におけるX矢視図であって、シャフトとシャフトホルダの平面図である。 図11は、ミラーアセンブリが使用位置に位置するときのシャフト、シャフトホルダ、ストッパ部材、ギアケースの相対位置関係を示す横断面図(水平断面図)である。 図12は、ミラーアセンブリが格納位置に位置するときのシャフト、シャフトホルダ、ストッパ部材、ギアケースの相対位置関係を示す横断面図(水平断面図)である。 図13は、ミラーアセンブリが前方傾倒位置に位置するときのシャフト、シャフトホルダ、ストッパ部材、ギアケースの相対位置関係を示す横断面図(水平断面図)である。 図14は、カバーを取り除いた状態の電動格納ユニットを示す平面図である。 図15は、ケーシングを一部破断した電動格納ユニットを示す斜視図である。 図16は、第1緩衝機構の作用を示す説明図である。 図17は、第2緩衝機構(クラッチ機構)の作用を示す説明図である。 図18は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態2を示すクラッチの斜視図である。 図19は、クラッチの平面図である。 図20は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態3を示す縦断面図(垂直断面図)である。 図21は、ノッチ部材の斜視図である。 図22は、図21におけるXXII矢視図である。 図23は、シャフトの斜視図である。
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態(実施例)の3例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態(実施例)によりこの発明が限定されるものではない。
「実施形態1の構成の説明」
図1〜図17は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態1を示す。以下、この実施形態1における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。
(電動格納式ドアミラー装置1の説明)
図1において、符号1は、この実施形態1における車両用アウトサイドミラー装置であって、この例では、電動格納式ドアミラー装置(電動格納型のドアミラー)である。前記電動格納式ドアミラー装置1は、自動車の左右のドア(左側のドアを図示、右側のドアを図示せず)にそれぞれ装備される。以下、自動車の左側のドアDに装備される電動格納式ドアミラー装置1の構成について説明する。なお、自動車の右側のドアに装備される電動格納式ドアミラー装置の構成は、この実施形態1の電動格納式ドアミラー装置1の構成とほぼ同一であり、かつ、配置がほぼ左右逆であるから説明を省略する。
前記電動格納式ドアミラー装置1は、図1に示すように、ベース(ミラーベース)2と、電動格納ユニット3と、ミラーアセンブリ4と、から構成されているものである。前記ベース2は、前記ドアDに固定されるものである。前記ミラーアセンブリ4は、前記電動格納ユニット3を介して前記ベース2に回転可能に取り付けられるものである。すなわち、前記ミラーアセンブリ4は、前記電動格納ユニット3および前記ベース2を介して前記車体Dに回転可能に取り付けられるものである。
(ミラーアセンブリ4の説明)
前記ミラーアセンブリ4は、図1に示すように、ミラーハウジング5と、取付ブラケット(図示せず)と、パワーユニット(図示せず)と、図示しないミラー(ミラーユニット)と、から構成されている。前記ミラーハウジング5内には、前記取付ブラケットが取り付けられている。前記取付ブラケットには、前記パワーユニットが取り付けられている。前記パワーユニットには、前記ミラーが上下左右に傾動可能に取り付けられている。
(電動格納ユニット3の説明)
前記電動格納ユニット3は、図2、図14、図15に示すように、シャフトホルダ(シャフトベース)9と、シャフト10と、ケーシングとしてのギアケース11およびカバー12と、ミラーアセンブリ回転範囲規制機構と、第1緩衝機構49(ストッパ部材6)と、モータ13と、回転力伝達機構としての減速機構14およびクラッチ機構15と、第2緩衝機構と、軸受部材16と、を備えるものである。
(シャフトホルダ9およびシャフト10の説明)
前記シャフトホルダ9は、前記ベース2に固定されている。なお、前記シャフトホルダ9を前記ベース2に一体に設けても良い。前記シャフトホルダ9の一方の面(上面)の中央には、前記シャフト10が一体に固定されている。なお、前記シャフトホルダ9に前記シャフト10を一体に設けても良い。前記シャフト10は、中空形状をなしていて、ハーネス(図示せず)が挿通するように構成されている。
(ギアケース11およびカバー12の説明)
前記ギアケース11と前記カバー12とは、相互に嵌合固定されていて、中空形状のケーシングを構成する。前記ギアケース11、前記カバー12には、挿入孔19、39がそれぞれ設けられている。前記挿入孔19、39中には、前記シャフト10が挿入されている。この結果、前記ギアケース11および前記カバー12は、前記シャフト10に前記シャフト10の回転中心O−O回りに回転可能に取り付けられている。
前記ギアケース11には、前記ミラーアセンブリ4の前記取付ブラケットが取り付けられている。この結果、前記ミラーアセンブリ4は、前記ギアケース11を介して前記シャフト10に前記シャフト10の回転中心O−O回りに回転可能に取り付けられている。
前記カバー12には、中空形状の前記シャフト10と連通するハーネス挿通筒部26が一体に設けられている。前記カバー12には、ソケット部7が設けられている。前記ソケット部7には、図示しない電源(バッテリー)側と電気的に接続されているコネクタ8が電気的に断続可能に接続しかつ機械的に着脱可能に取り付けられる。前記ソケット部7には、基板27が取り付けられている。前記基板27は、前記モータ13と電気的に接続されている。前記基板27には、前記モータ13の駆動停止を制御するスイッチ回路が実装されている。この結果、前記モータ13は、前記基板27および前記ソケット部7を介して前記コネクタ8と電気的に接続される。
前記ギアケース11、前記カバー12には、収納部18がそれぞれ設けられている。前記ギアケース11および前記カバー12の前記収納部18中には、前記ミラーアセンブリ回転範囲規制機構と、前記第1緩衝機構49(ストッパ部材6)と、前記モータ13と、前記回転力伝達機構としての前記減速機構14および前記クラッチ機構15と、前記第2緩衝機構と、前記軸受部材16と、前記基板27と、がスクリューなどによりそれぞれ固定収納されている。
(ミラーアセンブリ回転範囲規制機構の説明)
図2、図10に示すように、前記シャフトホルダ9の上面には、前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円弧形状の円弧凸部21が一体に設けられている。前記円弧凸部21の両端面には、当接面22がそれぞれ設けられている。一方、図2、図8に示すように、前記ギアケース11の下面には、前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円弧形状の円弧溝24が設けられている。前記円弧溝24の両端面には、当接面25がそれぞれ設けられている。
前記ギアケース11の前記円弧溝24には、前記シャフトホルダ9の前記円弧凸部21が係合されている。前記円弧凸部21と前記円弧溝24とは、前記ギアケース11が前記シャフトホルダ9に対して前記シャフト10の回転中心O−O回りに回転する際、すなわち、図1に示すように、前記ミラーアセンブリ4が前記ベース2に対して使用位置Aと格納位置(後方格納位置)Bとの間および使用位置Aと前方傾倒位置Cとの間を後方(上から見て反時計方向)または前方(上から見て時計方向)に回転する際のガイドとなるガイド部材を構成する。図1において、符号Eは、車両の後方を示し、符号Fは、車両の前方を示す。
前記円弧凸部21の前記当接面22と前記円弧溝24の前記当接面25とは、前記ミラーアセンブリ回転範囲規制機構を構成する。すなわち、前記ミラーアセンブリ4が前記格納位置Bに位置するときには、図12に示すように、前記円弧凸部21の一方の前記当接面22と前記円弧溝24の一方の前記当接面25とが当接して、前記ミラーアセンブリ4の回転が規制される。前記ミラーアセンブリ4が前記前方傾倒位置Cに位置するときには、図13に示すように、前記円弧凸部21の他方の前記当接面22と前記円弧溝24の他方の前記当接面25とが当接して、前記ミラーアセンブリ4の回転が規制される。
(第1緩衝機構49の説明)
前記ストッパ部材6は、前記第1緩衝機構49の第1部材を構成する。前記ギアケース11は、前記第1緩衝機構49の第2部材を構成する。前記クラッチ機構15のスプリング36は、前記第1緩衝機構49のスプリングを構成する。
前記ストッパ部材6は、筒部20と、鍔部23と、から一体に構成されている。前記筒部20中には、前記シャフト10が挿入されている。前記ストッパ部材6は、前記シャフト10に固定されている。前記ストッパ部材6は、前記シャフトホルダ9と前記ギアケース11との間に設けられている。
図9に示すように、前記ストッパ部材6の前記鍔部23の一方の面(上面)には、2個のノッチ部としての凸部47が一体に設けられている。2個の前記凸部47は、前記ストッパ部材6の前記鍔部23の狭い円環状の上面に設けられている。前記凸部47の側面(平面から見て反時計方向の側面)には、斜面(ノッチ面)28が設けられている。図8に示すように、前記ギアケース11の前記挿入孔19と前記円弧溝24との間であって前記鍔部23の上面と対向する面(下面)には、同じく、2個のノッチ部としての凸部48が一体に設けられている。2個の前記凸部48は、前記ギアケース11の前記挿入孔19と前記円弧溝24との間の狭い円環状の下面に設けられている。前記凸部48の側面(底面から見て反時計方向の側面)には、斜面(ノッチ面)34が、前記ストッパ部材6の前記斜面28に対応して設けられている。
前記ストッパ部材6と前記ギアケース11と前記クラッチ機構15の前記スプリング36とは、前記第1緩衝機構49を構成する。すなわち、前記ミラーアセンブリ4が前記使用位置Aに位置するときには、図11、図16(A)に示すように、前記クラッチ機構15の前記スプリング36のスプリング力(前記シャフト10の軸方向の力)および電動の締め付けトルク(前記シャフト10の周方向の力)により前記ストッパ部材6の前記斜面28と前記ギアケース11の前記斜面34とが相互に当接している。前記ミラーアセンブリ4が緩衝のために前記シャフト10に対し前記使用位置Aから前方に回転するときには、図16(B)に示すように、前記スプリング36のスプリング力に抗して、前記ミラーアセンブリ4側の前記ギアケース11の前記斜面34が前記シャフト10側の前記ストッパ部材6の前記斜面28に沿って乗り上がる。前記ギアケース11の前記斜面34が前記ストッパ部材6の前記斜面28に沿って乗り上がると、図13、図16(C)に示すように、前記ミラーアセンブリ4側の前記ギアケース11が前記シャフト10側の前記ストッパ部材6に対し前記使用位置Aから前方に回転する。
(回転力伝達機構の説明)
前記回転力伝達機構の前記減速機構14および前記クラッチ機構15は、前記モータ13の出力軸(図示せず)と前記シャフト10との間に設けられ、前記モータ13の回転力を前記シャフト10に伝達するものである。前記モータ13および前記回転力伝達機構の前記減速機構14および前記クラッチ機構15は、前記ミラーアセンブリ4を前記シャフト10に対して前記シャフト10の回転中心O−O回りに電動回転させるものである。
(減速機構14の説明)
前記減速機構14は、第1段目のギアとしての第1ウォームギア29と、前記第1ウォームギア29に噛み合う第2段目のギアとしてのヘリカルギア30と、第3段目のギアとしての第2ウォームギア31と、前記第2ウォームギア31が噛み合う最終段目のギアとしてのクラッチギア32と、から構成されている。前記モータ13の回転が停止したときには、前記第2ウォームギア31と前記クラッチギア32との間には、前記の電動の締め付けトルクが発生している。
前記第1ウォームギア29は、前記ギアケース11および前記軸受部材16に回転可能に軸受されている。前記第1ウォームギア29は、ジョイント17を介して前記モータ13の出力軸に連結されている。前記ヘリカルギア30は、前記軸受部材16に回転可能に軸受されている。前記第2ウォームギア31は、前記ギアケース11および前記軸受部材16に回転可能に軸受されている。前記ヘリカルギア30と前記第2ウォームギア31とは、一体に回転可能に連結されている。
(クラッチ機構15の説明)
前記クラッチ機構15は、前記クラッチギア32と、クラッチ33と、クラッチホルダ35と、前記スプリング36と、プッシュナット37と、を備える。前記クラッチギア32と前記クラッチ33とは、それぞれ別個のもので、一体に組み合わせてなるものであって、相互に一体で作動する。なお、前記クラッチギア32と前記クラッチ33とは、一体に構成したものであっても良い。前記クラッチ機構15は、前記シャフト10に、前記クラッチギア32、前記クラッチ33、前記クラッチホルダ35、前記スプリング36、を順次嵌め合せ、前記プッシュナット37を前記シャフト10に止めて、前記スプリング36を圧縮状態にすることによって構成されている。前記クラッチ33と前記クラッチホルダ35とは、断続可能に連結されている。前記減速機構14の前記第2ウォームギア31と前記減速機構14および前記クラッチ機構15の前記クラッチギア32とが噛合うことにより、前記モータ13の回転力が前記シャフト10に伝達されることとなる。
前記クラッチ33は、前記シャフト10に前記シャフト10の回転中心O−O回りに回転可能にかつ軸方向に移動可能に取り付けられている。前記クラッチホルダ35は、前記シャフト10に回転不可能にかつ軸方向に移動可能に嵌合状態で取り付けられている。図2〜図4に示すように、前記クラッチ33と前記クラッチホルダ35との相互に対向する面、すなわち、前記クラッチ33の一方の面(上面)側と前記クラッチホルダ35の一方の面(下面)側とには、複数個この例では3個の山形形状のノッチ部としてのクラッチ凸部40と谷形形状のノッチ部としてのクラッチ凹部41とが等間隔に設けられている。3個の前記クラッチ凸部40は、前記クラッチ33の狭い円環状の上面に、3個の前記クラッチ凹部41は、前記クラッチホルダ35の狭い円環状の下面に、それぞれ設けられている。
前記クラッチ凸部40と前記クラッチ凹部41とが嵌合状態にあるときには、前記クラッチ33と前記クラッチホルダ35とが続状態(外れていない状態、つながっている状態)にあり、前記クラッチ凸部40と前記クラッチ凹部41とが嵌合解除状態にあるときには、前記クラッチ33と前記クラッチホルダ35とは、断状態(外れている状態、切れている状態)にある。前記クラッチ機構15は、前記モータ13および前記回転力伝達機構(前記減速機構14および前記クラッチ機構15)の電動回転力では外れず、かつ、前記電動回転力以上の力で外れて前記ミラーアセンブリ4を前記シャフト10に対して回転可能とする。
前記クラッチ部材のうち前記クラッチギア32の他方の面(下面)側は、前記ギアケース11の底部の一面(上面)に直接もしくはワッシャ46を介して当接する。一方、前記クラッチ部材のうち前記クラッチホルダ35の他方の面(上面)側は、前記スプリング36に直接当接する。
(第2緩衝機構の説明)
前記クラッチホルダ35は、前記第2緩衝機構の第1部材を構成する。前記クラッチ33は、前記第2緩衝機構の第2部材を構成する。前記クラッチ機構15の前記スプリング36は、前記第2緩衝機構のスプリングを構成する。前記クラッチ機構15の前記スプリング36は、前記第1緩衝機構49のスプリングと前記第2緩衝機構のスプリングとに兼用される。
図3に示すように、前記クラッチホルダ35の前記クラッチ凹部41の両側面には、斜面(ノッチ面)38が設けられている。図4に示すように、前記クラッチ33の前記クラッチ凸部40の両側面には、同じく、斜面(ノッチ面)42が、前記クラッチホルダ35の前記斜面38に対応して設けられている。
前記クラッチホルダ35と前記クラッチ33と前記スプリング36とは、前記クラッチ機構15を構成するとともに、前記第2緩衝機構を構成する。すなわち、図17(A)に示すように、前記スプリング36のスプリング力により前記クラッチホルダ35の前記斜面38と前記第2部材の前記斜面とが相互に当接している。前記ミラーアセンブリ4が前記電動格納ユニット3の電動回転力以上の力で回転するときには、図17(B)に示すように、前記スプリング36のスプリング力に抗して、前記ミラーアセンブリ4側の前記クラッチ33の前記斜面42が前記シャフト10側の前記クラッチホルダ35を前記クラッチホルダ35の前記斜面38に沿って押し上げる。前記クラッチ33の前記斜面42が前記クラッチホルダ35を前記クラッチホルダ35の前記斜面38に沿って押し上げると、図17(C)に示すように、前記ミラーアセンブリ4側の前記クラッチ33が前記シャフト10側の前記クラッチホルダ35に対し前記使用位置Aから前方に回転する。
(斜面42の説明)
前記クラッチ33の前記斜面42は、図5、図6に示すように、前記斜面42の稜線43が前記クラッチ33の回転中心O−Oに向かう線(径線)44に対して任意角度(θ1°)傾いている斜面である。
ここで、図6、図7を参照して、前記クラッチ33の前記斜面42(図6中の太い実線参照)と従来のクラッチの斜面45(図6中の太い破線参照)とについて説明する。従来のクラッチの斜面45は、図6中の太い破線にて示すように、前記斜面45の稜線がクラッチの回転中心O−Oに向かう線44上に位置する斜面である。なお、従来のクラッチの斜面においては、前記斜面45のほかに、斜面の稜線がクラッチの回転中心O−Oに向かう線44とほぼ平行である斜面の場合がある。
これに対して、前記クラッチ33の前記斜面42は、前記の通り、前記斜面42の稜線43が前記クラッチ33の回転中心O−Oに向かう線44に対して任意角度(θ1°)傾いている斜面である。この結果、前記クラッチ33の前記斜面42の面積は、従来のクラッチの斜面45の面積よりも大きい。
また、図6に示すように、前記クラッチ33の前記斜面42の上の稜線43と下の稜線43とのずれ角度θ2°を、従来のクラッチの斜面45の上の稜線44と下の稜線44とのずれ角度θ2°に、合わせる。すると、図7に示すように、周方向の断面において、前記クラッチ33の前記斜面42の乗り上がり角度θ3°は、従来のクラッチの斜面45の乗り上がり角度θ3°と同一となる。すなわち、前記クラッチ33の前記斜面42の乗り上げトルクが従来のクラッチの斜面45の乗り上げトルクと同一となる。
前記クラッチホルダ35の前記斜面38、および、前記ギアケース11の前記斜面34、および、前記ストッパ部材6の前記斜面28は、前記クラッチ33の前記斜面42と同様に、前記斜面38、34、28の稜線が回転中心O−Oに向かう線に対して任意角度傾いている斜面である。
「実施形態1の作用の説明」
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
(使用位置Aの説明)
まず、図1に示すように、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4を格納位置Bに電動回転させて格納させる場合について説明する。ミラーアセンブリ4が使用位置Aに位置する状態(セット状態、使用状態)のときにおいては、ミラーアセンブリ回転範囲規制機構が図11に示す状態にあり、第1緩衝機構49が図11、図16(A)に示す状態にあり、第2緩衝機構としてのクラッチ機構15が図17(A)に示す状態にある。
すなわち、ミラーアセンブリ回転範囲規制機構は、図11に示すように、シャフトホルダ9の円弧凸部21の2個の当接面22と、ギアケース11の円弧溝24の2個の当接面25とが非当接状態にある。この結果、ギアケース11は、シャフトホルダ9に対して回転可能である。
第1緩衝機構49は、図11、図16(A)に示すように、クラッチ機構15のスプリング36のスプリング力および電動の締め付けトルクにより、ストッパ部材6の斜面28とギアケース11の斜面34とが相互に当接している。この結果、ギアケース11は、ストッパ部材6に対して、図11中の時計方向の回転が阻止されている。すなわち、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aから前方方向の回転が阻止されている。これにより、ミラーアセンブリ4は、振れることなく確実に使用位置Aに位置する。
第2緩衝機構としてのクラッチ機構15は、図17(A)に示すように、クラッチ33のクラッチ凸部40とクラッチホルダ35のクラッチ凹部41とが嵌合状態にあるので、クラッチギア32とクラッチホルダ35とが続状態にある。このために、クラッチギア32およびクラッチ33は、クラッチホルダ35と共に、シャフト10に対して回転不可能の状態にある。これにより、ミラーアセンブリ4は、振れることなく確実に使用位置Aに位置する。
(使用位置Aから格納位置Bへの電動回転の説明)
このセット状態(使用状態)において、自動車の室内のスイッチ(図示せず)を操作して、コネクタ8、ソケット部7、基板27を介してモータ13に給電してモータ13を駆動させる。すると、モータ13の回転力は、出力軸、減速機構14を介してシャフト10に固定されたクラッチギア32に伝達される。このとき、クラッチギア32は、クラッチ33およびクラッチホルダ35と共に、シャフト10に対して回転不可能の状態にあるので、減速機構14の第2ウォームギア31がモータ13から伝達された回転によりクラッチギア32を固定ギアとしてシャフト10の回転中心O−O回りに回転移動する。この回転により電動格納ユニット3を内蔵したミラーアセンブリ4は、図1に示すように、シャフト10の回転中心O−O回りに使用位置Aから格納位置Bへと上から見て反時計方向に回転移動する。
このミラーアセンブリ4が使用位置Aから格納位置Bへと上から見て反時計方向に回転しているときには、電動格納ユニット3のギアケース11がシャフト10に対して同様に上から見て反時計方向(図12中の実線矢印方向)に回転している。これに伴って、ギアケース11の斜面34がストッパ部材6の斜面28から離れる。
ミラーアセンブリ4が格納位置Bに位置すると、図12に示すように、ギアケース11の円弧溝24の一方の当接面25がシャフトホルダ9の円弧凸部21の一方の当接面22に当たって、ギアケース11の回転が停止する。これと同時に、モータ13に供給される電流(作動電流)の値が上昇して所定値に達して、基板27のスイッチ回路が作動してモータ13への電流供給が遮断される。この結果、ミラーアセンブリ4が図1に示す所定の位置の格納位置Bに停止して位置する。
(格納位置Bから使用位置Aへの電動回転復帰の説明)
つぎに、図1に示すように、格納位置Bに位置するミラーアセンブリ4を使用位置Aに電動回転させて復帰させる場合について説明する。ミラーアセンブリ4が格納位置Bに位置する状態(格納状態)において、自動車の室内のスイッチ(図示せず)を操作してモータ13を駆動させる。すると、モータ13の回転力が減速機構14を介して回転不可能の状態にあるクラッチギア32に伝達される。これにより、電動格納ユニット3を内蔵したミラーアセンブリ4は、図1に示すように、シャフト10の回転中心O−O回りに格納位置Bから使用位置Aへと上から見て時計方向に回転する。
このミラーアセンブリ4が格納位置Bから使用位置Aへと上から見て時計方向に回転しているときには、電動格納ユニット3のギアケース11がシャフト10に対して同様に上から見て時計方向(図12中の実線矢印方向と逆方向)に回転している。これに伴って、ギアケース11の円弧溝24の一方の当接面25がシャフトホルダ9の円弧凸部21の一方の当接面22から離れる。
ミラーアセンブリ4が使用位置Aに位置すると、図11に示すように、ギアケース11の斜面34がストッパ部材6の斜面28に当接する。この結果、ギアケース11の回転が停止する。これと同時に、モータ13に供給される電流(作動電流)の値が上昇して所定値に達して、基板27のスイッチ回路が作動してモータ13への電流供給が遮断される。この結果、ミラーアセンブリ4が図1に示す所定の位置の使用位置Aに停止して位置する。
(使用位置Aから前方傾倒位置Cへの緩衝傾倒の説明)
さらに、図1に示すように、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4を緩衝のために前方傾倒位置Cに傾倒させる場合について説明する。ミラーアセンブリ4のセット状態(使用状態)において、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4に上から見て時計方向の力であって、モータ13および減速機構14による電動回転力よりも大きい力(手動による力、何かがミラーアセンブリ4に当たったときの力)がかかる。すると、ミラーアセンブリ4に取り付けられているギアケース11が上から見て時計方向(図13、図16(A)中の実線矢印方向)に回転しようとする。
すると、図16(B)中の実線矢印に示すように、スプリング36のスプリング力に抗して、ギアケース11の斜面34がストッパ部材6の斜面28に沿って乗り上がる。つぎに、ギアケース11がさらに上から見て時計方向に回転しようとする。すると、図14に示すように、クラッチギア32と第2ウォームギア31との間のバックラッシュが詰まり、その第2ウォームギア31のスラスト方向の隙間が詰まり、シャフト10とクラッチホルダ35との間の嵌合隙間が詰まる。
クラッチホルダ35は、シャフト10に回転不可能に嵌合されているので、図17(A)中の実線矢印に示すように、ギアケース11側のクラッチ33がシャフト10の固定側のクラッチホルダ35に対して回転しようとする。すると、図17(B)中の実線矢印に示すように、ギアケース11側のクラッチ33のクラッチ凸部40がシャフト10の固定側のクラッチホルダ35を押し上げる。そして、図17(C)中の実線矢印に示すように、クラッチ33のクラッチ凸部40とクラッチホルダ35のクラッチ凹部41との嵌合状態が外れる。このとき、クラッチホルダ35は、スプリング36のスプリング力に抗して移動(上昇)し、クラッチ33は、時計方向に回転する。
この結果、ギアケース11(カバー12、モータ13、減速機構14、軸受部材16、クラッチギア32、クラッチ33を含む)は、上から見て時計方向に回転する。これにより、図1に示すように、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aから前方傾倒位置Cへと上から見て時計方向に回転して、図13に示すように、シャフトホルダ9の円弧凸部21の他方の当接面22がギアケース11の円弧溝24の他方の当接面25に当接した時点で、前方傾倒位置Cに位置する。
(前方傾倒位置Cから使用位置Aへの復帰の説明)
さらにまた、図1に示すように、前方傾倒位置Cに位置するミラーアセンブリ4を使用位置Aに電動回転または手動回転により復帰させる場合について説明する。ミラーアセンブリ4が前方傾倒位置Cに位置する状態(前方傾倒状態)において、ミラーアセンブリ4を電動または手動により反時計方向に回転させる。すると、ミラーアセンブリ4に取り付けられているギアケース11(カバー12、モータ13、減速機構14、軸受部材16、クラッチギア32、クラッチ33を含む)が上から見て反時計方向(図13、図16、図17中の実線矢印方向と逆方向)に回転する。これに伴って、ギアケース11の円弧溝24の他方の当接面25がシャフトホルダ9の円弧凸部21の他方の当接面22から離れる。
そして、図17(A)に示すように、スプリング36のスプリング力により、クラッチギア32のクラッチ凸部40とクラッチホルダ35のクラッチ凹部41とが相互に嵌合してクラッチ機構15が続状態となる。それから、図11、図16(A)に示すように、スプリング36のスプリング力により、ギアケース11の斜面34がストッパ部材6の斜面28に当接する。この結果、図1に示すように、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aに位置する。
(使用位置Aから格納位置Bへの緩衝傾倒の説明)
さらにまた、図1に示すように、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4を緩衝のために格納位置Bに傾倒させる場合について説明する。使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4に上から見て反時計方向の力であって、電動回転力よりも大きい力(手動による力、何かがミラーアセンブリ4に当たったときの力)がかかる。すると、ミラーアセンブリ4に取り付けられているギアケース11が上から見て反時計方向に回転しようとする。このとき、クラッチホルダ35は、シャフト10に回転不可能に嵌合されているので、ギアケース11側のクラッチ33のクラッチ凸部40がシャフト10の固定側のクラッチホルダ35を押し上げて、クラッチ33のクラッチ凸部40とクラッチホルダ35のクラッチ凹部41との嵌合状態が外れる。このとき、クラッチホルダ35は、スプリング36のスプリング力に抗して移動(上昇)する。
この結果、ギアケース11(カバー12、モータ13、減速機構14、軸受部材16、クラッチギア32、クラッチ33を含む)は、上から見て反時計方向に回転する。これにより、図1に示すように、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aから格納位置Bへと上から見て反時計方向に回転して、シャフトホルダ9の円弧凸部21の一方の当接面22がギアケース11の円弧溝24の一方の当接面25に当接する。この結果、ギアケース11の回転が停止して、ミラーアセンブリ4が格納位置Bに停止して位置する。
(格納位置Bから使用位置Aへの復帰の説明)
そして、図1に示すように、格納位置Bに位置するミラーアセンブリ4を電動回転力あるいは手動力により上から見て時計方向に回転させる。すると、ミラーアセンブリ4に取り付けられているギアケース11(カバー12、モータ13、減速機構14、軸受部材16、クラッチギア32、クラッチ33を含む)が上から見て時計方向に回転するので、図1に示すように、ミラーアセンブリ4が格納位置Bから使用位置Aへと上から見て時計方向に回転する。
すると、クラッチギア32のクラッチ凸部40とクラッチホルダ35のクラッチ凹部41とが相互に嵌合してクラッチ機構15が続状態となる。この結果、図1に示すように、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aに位置する。
「実施形態1の効果の説明」
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、第1緩衝機構49の第1部材としてのストッパ部材6の斜面28と第2部材としてのギアケース11の斜面34とが斜面28、34の稜線43がギアケース11の回転中心O−Oに向かう線44に対して傾いている斜面であり、第2緩衝機構(クラッチ機構15)の第1部材としてのクラッチホルダ35の斜面38と第2部材としてのクラッチ33の斜面42とが、斜面38、42の稜線43がクラッチ33の回転中心O−Oに向かう線44に対して傾いている斜面である。この結果、この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、第1緩衝機構49の第1部材としてのストッパ部材6の斜面28および第2部材としてのギアケース11の斜面34の面積と、第2緩衝機構(クラッチ機構15)の第1部材としてのクラッチホルダ35の斜面38および第2部材としてのクラッチ33の斜面42の面積を、従来のクラッチの斜面45よりも広げる(大きくする)ことができ、その結果、単位面積当たりの力を減らすことができるので、別部品を使用せずに、第1緩衝機構49の第1部材としてのストッパ部材6の斜面28および第2部材としてのギアケース11の斜面34および第2緩衝機構(クラッチ機構15)の第1部材としてのクラッチホルダ35の斜面38および第2部材としてのクラッチ33の斜面42の摩耗を軽減することができる。
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、ストッパ部材6の斜面28、ギアケース11の斜面34、クラッチホルダ35の斜面38、クラッチ33の斜面42の摩耗を軽減することができるので、すなわち、ノッチ部の斜面の耐摩耗性が向上される。このために、ミラーアセンブリ4の保持力維持性能が同一条件の場合においては、部材(クラッチホルダ35、クラッチ33、ストッパ部材6、ギアケース11)の小型化が可能であり、電動格納ユニット3を小型化することができる。または、小型化せずに、部材(クラッチホルダ35、クラッチ33、ストッパ部材6、ギアケース11)の材質を安価な材質にすることができ、製造コストを安価にすることができる。
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、部材(クラッチホルダ35、クラッチ33、ストッパ部材6、ギアケース11)を小型化しても、ノッチ部の斜面の耐摩耗性が向上される。このために、シャフト10中に挿通するハーネスの本数を増やすためにシャフト10の外径を大きくすることができ、一方、電動格納ユニット3を小型化することができる。
特に、この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、中央部にシャフト10が挿通するための空間(挿入孔19)が設けられているストッパ部材6、ギアケース11、クラッチホルダ35、クラッチ33の狭い円環状の面にノッチ部47、48、41、40が設けられている構造に最適である。
「実施形態2の説明」
図18、図19は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態2を示す。以下、この実施形態2における車両用アウトサイドミラー装置について説明する。図中、図1〜図17と同符号は、同一のものを示す。
前記の実施形態1の電動格納式ドアミラー装置1は、クラッチ33の凸部40(クラッチホルダ35の凹部41)の形状において、外周側の幅が内周側の幅に対して狭い。これに対して、この実施形態2の電動格納式ドアミラー装置は、クラッチ330の凸部400の形状において、外周側の幅が内周側の幅に対して広い。なお、この実施形態2においては、図示していないが、クラッチホルダの凹部の形状において、外周側の幅が内周側の幅に対して広い。
この実施形態2の電動格納式ドアミラー装置は、上記の構成からなるので、前記の実施形態1の電動格納式ドアミラー装置1とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
「実施形態3の説明」
図20〜図23は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態3を示す。以下、この実施形態3における車両用アウトサイドミラー装置について説明する。図中、図1〜図19と同符号は、同一のものを示す。
「実施形態3の構成の説明」
前記の実施形態1、2の車両用アウトサイドミラー装置は、電動格納式ドアミラー装置1である。これに対して、この実施形態3の車両用アウトサイドミラー装置は、手動格納式ドアミラー装置100である。
前記手動格納式ドアミラー装置100は、図20に示すように、車体(自動車のドア)に固定されるベース(ミラーベース)102と、前記ベース102に固定されているシャフト103と、前記シャフト103に可倒可能に取り付けられているミラーアセンブリ104と、固定側の前記シャフト103と回転側の前記ミラーアセンブリ104との間に設けられているクラッチ機構108と、緩衝機構と、を備えるものである。
前記ミラーアセンブリ104は、ミラーハウジング105と、パワーユニット(図示せず)と、図示しないミラー(ミラーユニット)と、から構成されている。前記ミラーハウジング105は、取付ブラケットを兼用する本体部106と、前記本体部106に取り付けられているカバー部107と、から構成されている。前記本体部106には、前記パワーユニットが取り付けられている。前記パワーユニットには、前記ミラーが上下左右に傾動可能に取り付けられている。
前記ミラーアセンブリ104の前記本体部106には、前記シャフト103の回転中心O−O回りに回転可能に前記シャフト103に外から嵌合(外嵌)する収納部109が一体に設けられている。前記収納部109は、断面円環形状の円筒部をなす。前記収納部109の一端面(下端面)には、1個もしくは複数個の固定凸部が等間隔(等開角度)に一体に設けられている。
前記シャフト103は、図23に示すように、中空の円筒形状をなしていて、ハーネス(図示せず)が挿通するように構成されている。前記シャフト103の上端部には、溝111が設けられている。前記シャフト103の下端部には、シャフトホルダ112が一体に設けられている。
前記シャフトホルダ112の一面(上面)には、1個もしくは複数個、この例では、3個のクラッチ凹部113が等間隔(等開角度)に一体に設けられている。前記クラッチ凹部113は、底面と、斜面123と、から構成されている。前記シャフト103の前記シャフトホルダ112は、前記ベース102にスクリュー(図示せず)などにより固定されている。前記ベース102は、前記ドアに固定されるものである。前記ベース102の下部には、カバー114が取り付けられている。
前記シャフト103には、前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109が前記シャフト103の回転中心O−O回りに回転可能に外嵌する。この結果、前記ミラーアセンブリ104は、前記シャフト103に傾倒可能に取り付けられ、かつ、前記ドアに傾倒可能に取り付けられる。
前記クラッチ機構108は、ノッチ部材115と、ワッシャ116と、スプリング117と、プッシュナット118と、を備えるものである。前記クラッチ機構108は、固定側の前記シャフト103と回転側の前記ミラーアセンブリ104との間に設けられている。
前記ノッチ部材115は、固定側の前記シャフト103と回転側の前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109との間に介在されている。前記ノッチ部材115は、前記クラッチ機構108のトルクを安定させるものである。
前記ワッシャ116は、前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109と前記スプリング117との間に介在されている。前記ワッシャ116は、前記ミラーアセンブリ104が前記スプリング117に対して円滑(スムーズ)に回転するためのものである。
前記スプリング117は、前記シャフト103に外嵌し、かつ、固定側の前記シャフト103の前記プッシュナット118と回転側の前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109の前記ワッシャ116との間に介在されている。前記スプリング117は、車両の走行中などにおいて、前記ミラーアセンブリ104のミラー面(鏡面)がぶれないように、適度の保持力を得るためのものである。
前記プッシュナット118は、前記シャフト103の前記溝111に係合固定されている。前記プッシュナット118は、前記スプリング117の弾性力を保持するものである。
前記ノッチ部材115は、図21、図22に示すように、ノッチ部119と、筒部120と、から構成されている。前記筒部120は、断面円形の円筒形状をなす。前記筒部120の一端部(下端部)には、前記ノッチ部119が一体に設けられている。
前記ノッチ部119の一面(上面)側には、前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109の前記固定凸部が嵌合固定する固定凹部121が、設けられている。前記固定凹部121は、前記固定凸部と対応して、1個もしくは複数個、この例では、3個等間隔(等開角度)に設けられている。前記ノッチ部材115の前記ノッチ部119の前記固定凹部121には、前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109の前記固定凸部が嵌合固定されている。
前記ノッチ部119の他面(下面)側には、クラッチ凸部122が一体に設けられている。前記クラッチ凸部122は、前記クラッチ凹部113と対応して、1個もしくは複数個、この例では、3個等間隔(等開角度)に設けられている。前記クラッチ凸部122は、山面と、斜面124と、から構成されている。前記ノッチ部材115の前記ノッチ部119の前記クラッチ凸部122には、前記シャフト103の前記シャフトホルダ112の前記クラッチ凹部113が断続可能に嵌合している。
前記シャフトホルダ112は、前記緩衝機構の第1部材を構成する。前記ノッチ部材115は、前記緩衝機構の第2部材を構成する。前記クラッチ機構108の前記スプリング117は、前記緩衝機構のスプリングを構成する。
図23に示すように、前記シャフトホルダ112の前記クラッチ凹部113の両側面には、前記斜面(ノッチ面)123が設けられている。図21、図22に示すように、前記ノッチ部材115の前記クラッチ凸部122の両側面には、同じく、前記斜面(ノッチ面)124が、前記シャフトホルダ112の前記斜面123に対応して設けられている。
前記シャフトホルダ112と前記ノッチ部材115と前記スプリング117とは、前記緩衝機構を構成する。すなわち、前記ミラーアセンブリ104が使用位置に位置するときには、前記スプリング117のスプリング力により前記シャフトホルダ112の前記斜面123と前記ノッチ部材115の前記斜面124とが相互に当接している。前記ミラーアセンブリ104に前記スプリング117のスプリング力以上の力が作用するときには、前記スプリング117のスプリング力に抗して、前記ミラーアセンブリ104側の前記ノッチ部材115の前記斜面124が前記シャフト103側の前記シャフトホルダ112の前記斜面123に沿って乗り上がる。前記ノッチ部材115の前記斜面124が前記シャフトホルダ112の前記斜面123に沿って乗り上がると、前記ミラーアセンブリ104が緩衝のために前記シャフト103に対して前記シャフト103の回転中心O−O回りに前記使用位置から前方または後方に回転する。
前記ノッチ部材115の前記斜面124は、図22に示すように、前記斜面124の稜線125が前記ノッチ部材115の回転中心O−Oに向かう線(径線)126に対して任意角度傾いている斜面である。なお、前記シャフトホルダ112の前記斜面123も、前記ノッチ部材115の前記斜面124と同様に、前記斜面123の稜線が前記ノッチ部材115の回転中心O−Oに向かう線(径線)に対して任意角度傾いている斜面である。
「実施形態3の作用の説明」
この実施形態3における手動格納式ドアミラー装置100は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
通常、クラッチ機構108のクラッチ凸部122とシャフト103のクラッチ凹部113とが相互に嵌合している。すなわち、緩衝機構のスプリング117のスプリング力により、シャフトホルダ112の斜面123とノッチ部材115の斜面124とが相互に当接している。この結果、ミラーアセンブリ104は、使用位置に位置する。使用位置に位置するミラーアセンブリ104をスプリング117のスプリング力以上の力で回転させようとする。すると、スプリング117のスプリング力に抗して、ノッチ部材115の斜面124がシャフトホルダ112の斜面123に沿って乗り上がる。ノッチ部材115の斜面124がシャフトホルダ112の斜面123に沿って乗り上がると、ミラーアセンブリ104が緩衝のためにシャフト103に対してシャフト103の回転中心O−O回りに使用位置から前方または後方に回転する。
「実施形態3の効果の説明」
この実施形態3における手動格納式ドアミラー装置100は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施形態1、2の電動格納式ドアミラー装置1とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
すなわち、この実施形態3における手動格納式ドアミラー装置100は、緩衝機構の第1部材としてのシャフトホルダ112の斜面123と第2部材としてのノッチ部材115の斜面124とが、斜面の稜線125がノッチ部材115の回転中心に向かう線126に対して傾いている斜面である。この結果、この実施形態3における手動格納式ドアミラー装置100は、緩衝機構の第1部材のシャフトホルダ112の斜面123および第2部材のノッチ部材115の斜面124の面積を従来の斜面よりも広げる(大きくする)ことができ、その結果、単位面積当たりの力を減らすことができるので、別部品を使用せずに、緩衝機構のシャフトホルダ112の斜面123およびノッチ部材115の斜面124の摩耗を軽減することができる。
「実施形態1、2、3以外の例の説明」
なお、前記の実施形態1、2においては、電動格納式のドアミラー装置について説明するものである。ところが、この発明においては、電動格納式のドアミラー装置以外の車両用アウトサイドミラー装置にも適用できる。たとえば、電動格納式の車両用フェンダミラー装置などの電動格納式の車両用アウトサイドミラー装置に適用することができる。
また、前記の実施形態3においては、手動格納式のドアミラー装置について説明するものである。ところが、この発明においては、手動格納式のドアミラー装置以外の車両用アウトサイドミラー装置にも適用できる。たとえば、手動格納式の車両用フェンダミラー装置などの手動格納式の車両用アウトサイドミラー装置に適用することができる。
1 電動格納式ドアミラー装置(車両用アウトサイドミラー装置)
2 ベース
3 電動格納ユニット
4 ミラーアセンブリ
5 ミラーハウジング
6 ストッパ部材(第1緩衝機構の第1部材)
7 ソケット部
8 コネクタ
9 シャフトホルダ
10 シャフト
11 ギアケース(第1緩衝機構の第2部材)
12 カバー
13 モータ
14 減速機構
15 クラッチ機構(第2緩衝機構)
16 軸受部材
17 ジョイント
18 収納部
19 挿入孔
20 筒部
21 円弧凸部
22 当接面
23 鍔部
24 円弧溝
25 当接面
26 ハーネス挿通筒部
27 基板
28 斜面
29 第1ウォームギア
30 ヘリカルギア
31 第2ウォームギア
32 クラッチギア
33 クラッチ(第2緩衝機構の第2部材)
34 斜面
35 クラッチホルダ(第2緩衝機構の第1部材)
36 スプリング
37 プッシュナット
38 斜面
39 挿入孔
40 クラッチ凸部
41 クラッチ凹部
42 斜面
43 稜線
44 回転中心O−Oに向かう線
45 従来のクラッチの斜面
46 ワッシャ
47 凸部
48 凸部
49 第1緩衝機構
100 手動格納式ドアミラー装置(車両用アウトサイドミラー装置)
102 ベース
103 シャフト
104 ミラーアセンブリ
105 ミラーハウジング
106 本体部
107 カバー部
108 クラッチ機構
109 収納部
111 溝
112 シャフトホルダ
113 クラッチ凹部
114 カバー
115 ノッチ部材
116 ワッシャ
117 スプリング
118 プッシュナット
119 ノッチ部
120 筒部
121 固定凹部
122 クラッチ凸部
123 斜面
124 斜面
125 稜線
126 回転中心O−Oに向かう線
A 使用位置
B 格納位置
C 前方傾倒位置
D ドア(車体)
E 車両の後方
F 車両の前方
O−O シャフトの回転中心

Claims (2)

  1. 車体に固定されるベースと、
    電動格納ユニットと、
    前記ベースに前記電動格納ユニットを介して回転可能に取り付けられているミラーアセンブリと、
    を備え、
    前記電動格納ユニットは、前記ベースに固定されているシャフトと、前記シャフトに回転可能に取り付けられていてかつ前記ミラーアセンブリが取り付けられているケーシングと、第1緩衝機構と、モータと、回転力伝達機構と、第2緩衝機構と、を備え、
    前記第1緩衝機構は、前記シャフトに固定されている第1部材と、前記ケーシングである第2部材と、スプリングと、から構成されていて、前記第1部材と前記第2部材とには、斜面がそれぞれ設けられていて、前記ミラーアセンブリが使用位置に位置するときには、前記スプリングのスプリング力および電動の締め付けトルクにより前記第1部材の前記斜面と前記第2部材の前記斜面とが相互に当接していて、前記ミラーアセンブリが緩衝のために前記シャフトに対し前記使用位置から前方に回転するときには、前記スプリングのスプリング力に抗して前記第2部材の前記斜面が前記第1部材の前記斜面に沿って乗り上がる機構であり、
    前記第2緩衝機構は、前記シャフトに対して回転不可能である第1部材と、前記シャフトに対して回転可能である第2部材と、前記スプリングと、から構成されていて、前記第1部材と前記第2部材とには、斜面がそれぞれ設けられていて、前記スプリングのスプリング力により前記第1部材の前記斜面と前記第2部材の前記斜面とが相互に当接していて、前記ミラーアセンブリが前記電動格納ユニットの電動回転力以上の力で回転するときには、前記スプリングのスプリング力に抗して前記第2部材の前記斜面が前記第1部材の前記斜面を押し上げる機構であり、
    前記第1緩衝機構の前記第1部材の前記斜面と前記第2部材の前記斜面とは、前記第2部材の回転中心に向かう線に対して傾いている斜面であり、
    前記第2緩衝機構の前記第1部材の前記斜面と前記第2部材の前記斜面とは、前記第2部材の回転中心に向かう線に対して傾いている斜面である、
    ことを特徴とする車両用アウトサイドミラー装置。
  2. 車体に固定されるベースと、
    前記ベースに固定されているシャフトと、
    前記シャフトに緩衝機構を介して回転可能に取り付けられているミラーアセンブリと、
    を備え、
    前記緩衝機構は、前記シャフトに対して回転不可能である第1部材と、前記シャフトに対して回転可能である第2部材と、スプリングと、から構成されていて、前記第1部材と前記第2部材とには、斜面がそれぞれ設けられていて、前記ミラーアセンブリが前記シャフトに対して所定の位置に位置するときには、前記スプリングのスプリング力により前記第1部材の前記斜面と前記第2部材の前記斜面とが相互に当接していて、前記ミラーアセンブリが緩衝のために前記シャフトに対し回転するときには、前記スプリングのスプリング力に抗して前記第2部材の前記斜面が前記第1部材の前記斜面に沿って乗り上がる機構であり、
    前記第1部材の前記斜面と前記第2部材の前記斜面とは、前記斜面の稜線が前記第2部材の回転中心に向かう線に対して傾いている斜面である、
    ことを特徴とする車両用アウトサイドミラー装置。
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