JP5891082B2 - 炭素繊維の回収方法 - Google Patents
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Description
かかるCFRP製品は、たとえば、手編み法やRTM(レジントランスファーモールド)法や半硬化状態で提供されるプリプレグをホットプレスすることによって成形・製造される。
しかし、航空機の場合、安全性が非常に重要であるため、特に品質が第一に考えられるため、CFRPの歩留まりは50%と言われる。すなわち、トリミングのため、廃棄される部位も少なくない。また、型に合せて切断された、あるいは期限切れのプリプレグも廃棄される。
しかし、炭素繊維はその製造時に多くのエネルギーを消費するだけに、上記のように処分するのは、非常に無駄が多く、再利用が望まれている。
(1)熱分解法
熱分解法の場合、600〜700℃の高温雰囲気下でも酸素がないため、炭素繊維の酸化劣化が防げる。
しかしながら、熱分解法の場合、マトリックス樹脂の炭化が進むため、熱分解残渣を解繊して炭素繊維を分離しようとしても解繊が難しく、互いに完全に素線化して、実用に耐えるような2cm以上の長い炭素繊維を回収することが極めて難しい。また、この方法では、大気中に放出できない分解ガスも生じる。したがって、これを適切に処理するため、アフターバーナーが必要である上、不活性ガスを昇温するため、エネルギーコストも高くなる。しかも、連続的に処理しようとした場合、廃CFRPの投入、排出口からの空気の流入が避けられず、酸素濃度を緻密に制御することは難しい。加えて、高温・低酸素状態の未燃ガスが充満した炉中に酸素が流入した場合、急速な燃焼(=爆燃)も避けられず、時として炉の破損や、人身事故も起こる危険がある。また、炭素繊維の燃焼を避ける程度の低/無酸素下でのマトリックス樹脂の熱分解は極めて時間を有する。
(2)焼却法
焼却法の場合、装置は極めて簡単で、廃棄CFRPは自燃する。したがって、マトリックス樹脂のCが燃焼するため、燃焼後の残渣を解繊して炭素繊維を回収することは容易である。
しかしながら、有酸素雰囲気下で炭素繊維の温度が800℃を超えると炭素繊維の表面酸化が顕著となり、表面に凹みが生じ、繊維特性が急激に劣化する。また、剛性の顕著な低下は認められないものの、得られる再生炭素繊維の強度はバージン材に比べて引張り強度が1/4〜1/5に低下する。そこで、できれば、600℃以下で燃焼を継続する必要があるが、低温での燃焼のため、未燃焼・分解ガスが生じる。これを適切に処理するため、アフターバーナーが必要である。また、タール成分も生じて、電気炉等の処理装置内に溜まって、処理装置のメンテナンス頻度が高くなる。
すなわち、過熱水蒸気は、100℃の飽和水蒸気をさらに二次的なエネルギーを加えることによって数百度のエネルギーを得た高温蒸気としたもので、高温空気と比べて約4倍の熱容量を持っている。
したがって、ほぼ無酸素状態でマトリックス樹脂を短時間で分解処理することができる。
また、特許文献4は、実験レベルの提案であり連続処理作業などの作業効率にまでは言及されていない。加えて、800℃以上と極めて高温の過熱水蒸気を得ることは容易ではなく、エネルギーコストも高い。
飽和水蒸気の加熱手段としては、特に限定されないが、たとえば、オイル燃焼加熱方式、ガス燃焼加熱方式、電気加熱方式、電磁誘導加熱方式などが挙げられる。
また、空気流入抑止手段は、空気の流入を完全に抑えることが最も好ましいが、廃CFRPの投入を行う場合などにどうしても空気が一部入り込むため、完全に密閉系とすることは不可能であるので、少なくとも空気の流入量を処理筒内の過熱水蒸気の25%以下(酸素量に換算すると約5%)に抑えることが好ましい。
また、上記のように処理筒内を正圧にする場合、その圧力は、空気の入り込みを抑止することができれば、特に限定されないが、大気圧+(10〜20hPa)とすることが好ましい。すなわち、圧力が高すぎると、過熱水蒸気が外部に噴出して危険である。
さらに、排出部内を大気圧より正圧にするには、上記120℃以上の過熱水蒸気を排出部内に供給する以外に、他のガスを供給しても構わないが、不活性ガスを用いるとコストがかかり、可燃性ガスでは安全性に問題が生じるおそれがある。また、120℃未満の水蒸気では、分解処理物が水蒸気の凝縮による結露によって濡れてしまい、乾燥にエネルギーと時間がかかる問題が生じ、あまり高温の過熱水蒸気を用いると分解処理物を取り出す場合に、作業者に火傷などの危険がある上、エネルギーコストの面で問題が生じる。
また、処理する廃CFRPの形状、大きさ、マトリックス樹脂と炭素繊維の配合割合等によっても異なるが、過熱水蒸気の温度は、500〜600℃が好ましく、市販の過熱水蒸気発生装置と処理時間の関係から、500〜510℃が実用的で、より好ましい。
すなわち、500℃未満では、マトリックス樹脂の分解に時間がかかり過ぎて工業的には炭素繊維の回収コストが高くなるおそれがある。
また、450℃の過熱水蒸気であっても、廃CFRPのマトリックス樹脂を10分間程度の短時間で劣化させることができる。そして、マトリックス樹脂が劣化した廃CFRPは、簡易に微細チップ化できる。したがって、450℃で10分程度の短時間処理に止めて微細チップを得、この微細チップを、例えば、コンクリートに混合して、コンクリート硬化体の補強材として用いることもできる。
また、上記微細チップは、例えば、ポリアミド樹脂やABS樹脂などの樹脂材料に混練し、これらを強化することもできる。そして、微細チップをかかる樹脂材料の補強材として用いる場合、その大きさは差し渡し最大長さが0.3mm以下、長さ3mm以上、アスペクト比10以上のものが好ましい。
すなわち、可燃ガスによる環境汚染および火災を未然に防止することができる。
温度低下を抑止する方法としては、処理筒を保温する保温手段や、処理筒を外側から加熱する加熱手段を設ける方法が挙げられる。
加熱手段としては、電熱ヒータや電磁誘導加熱装置が挙げられ、これらを上記外筒内に収容し、保温手段と加熱手段を併用するようにしても構わない。
また、アフターバーナーで燃焼した燃焼ガスは、省エネルギーの観点から、上記外筒内に送り、処理筒の加熱に用いる、あるいは、処理筒内に投入する前の廃CFRPの予熱に用いるなど、廃熱利用することが好ましい。
すなわち、処理装置の排出口から排出された分解処理物は、通常、塊状になっているので、塊を手でほぐす、あるいは、カード機や解繊機にかけて一本一本に解いて再利用可能な炭素繊維として回収する。
(a)高分子系バインダーと混織された不織布
(b)紙漉き技術により製造される不織布
(c)PAやABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂など、熱可塑性エンジニアリングプラスチックスの射出成形用ペレットの強化材
(d)紙漉き技術により製造される不織布を用いたSMC(シートモールディングコンパウンド)
(e)解繊工程で得られる、長さ1mm以下の短繊維を用いたBMC(バルクモールディングコンパウンド)
中心軸を中心に回転する処理筒の一方から前記廃棄炭素繊維強化プラスチックを前記処理筒内に投入し、前記処理筒の回転に伴って前記処理筒の他方に向かって転動搬送するとともに、転動搬送中の前記廃棄炭素繊維強化プラスチックを前記処理筒内で過熱水蒸気に曝して前記マトリックス樹脂を分解処理する分解処理工程を備えているので、劣化の少ない炭素繊維を連続的に効率よく回収することができる。
さらに、過熱水蒸気のみを用いて分解処理するため、焼却法で問題となるような臭いや、処理装置内部に滞留するタール成分も生じず、清浄な環境が維持できる。
図1は、本発明の回収方法の第1の実施の形態に用いる過熱水蒸気処理装置としての外燃式ロータリーキルン(以下、「ロータリーキルン」とのみ記す)を模式的にあらわし、図2はその投入部側からみた概略図である。
キルン本体1は、処理筒としての内筒11と、外筒12とを備えている。
また、内筒11内は、第1過熱水蒸気供給配管6が中心軸11aにほぼ平行に設けられている。
また、第1過熱水蒸気供給配管6は、内筒11内で長手方向に複数の噴射孔61を備え、この噴射孔61から過熱水蒸気が内筒11内に噴射されるようになっている。
また、外筒12は、内筒11を回転自在に支持しているとともに、内部に内筒周囲を囲むようにコイル状の電熱ヒータ14が設けられている。
すなわち、電熱ヒータ14によって内筒11が外筒12側から加熱できるようになっている。
繋ぎ筒21は、キャップ状をしていて、内筒11の傾斜上端側が中心軸11aを中心に回転可能に嵌り込んでいる。
また、繋ぎ筒21は、図2に示すように、その上端に排気筒25を備えている。
リフト台収容部22aは、上下方向に長い四角筒状をしていて、下端部に投入口22cを備え、上端で繋ぎ筒連結部22bに連通している。
投入口22cは、内筒11に投入される廃CFRPが投入可能な大きさに形成されている。
リフト台23aは、リフト台収容部22aの水平内断面と略同じ平面形状(添付の図では作図上少し隙間が形成されているように描かれている)をしていて、周壁がリフト台収容部22aの内壁面にほぼ接しながらリフト台収容部22a内を上下動するようになっている。
上記排出部本体は、底に排出口を備えた箱状をしていて、内筒11の傾斜下端が、上端側壁面を貫通し、中心軸11aを中心に回転可能に嵌り込んでいる。
なお、レベルは、図示していないが、例えば、耐熱性を備えた光学センサーを上記排出部本体に設けることで検出することができる。
分岐管42は、中間に流量調整バルブ42aを備え、開放端が外筒12内に臨んでいる。
すなわち、アフターバーナー4は、排気筒25を介して入り込んだマトリックス樹脂の分解や加熱によって内筒11内で発生したガス中の可燃ガスを完全燃焼させて大気中に放出できるようになっているとともに、流量調整バルブ42aの調整によって、燃焼ガスを外筒12内に必要量送り、内筒11を加熱する熱源として用いることができるようになっている。
(1)電熱ヒータ14を用いて、内筒11を外筒12側から加熱して内筒11内の温度を、第1過熱水蒸気供給配管6を介して内筒11内に供給される過熱水蒸気温度に昇温する。
(2)内筒11内の過熱水蒸気圧を大気圧より10〜20hPa(空気が入らない程度のわずかに)高い正圧となるように上記第1過熱水蒸気発生装置および第1過熱水蒸気供給配管6を介して450〜600℃(好ましくは500〜510℃)の過熱水蒸気を内筒11内に供給する。
(3)上記排出部内の過熱水蒸気圧を大気圧より正圧となるように上記第2過熱水蒸気発生装置および第2過熱水蒸気供給配管を介して100〜600℃(結露を防ぐため、また、作業者の安全を確保するため、好ましくは120〜130℃)の過熱水蒸気を排出部内に供給する。
(4)内筒11を回転させて、廃CFRP100が内筒11で、内筒11の投入側開口端から排出側開口端に達するまでの時間が、廃CFRP100のマトリックス樹脂が内筒11内でほぼ完全(95%以上)に分解されるのに過熱水蒸気に曝さなければならない必要最小限の時間となるように内筒11の回転速度を調整する。
(5)図1に実線で示すように、リフト台23aを最低位置に下降させた状態で投入口22cから廃CFRP100を投入部本体22内に供給し、リフト台23a上に載置する。
(6)図1に鎖線で示すように、リフト台23a上の廃CFRP100が内筒11の投入側開口を臨む位置までくるように、リフト台23aを上昇させる。
(7)押し出し棒24を内筒11方向に押し出して、リフト台23a上の廃CFRP100を内筒11内に供給する。
(8)内筒11内でマトリックス樹脂の分解処理で生じるガス中の可燃ガスをアフターバーナーで燃焼させ、その燃焼ガスを分岐管42を介して外筒12内に送り、燃焼ガスの熱によって内筒11を外部から加熱する。なお、内筒11内の温度制御は、電熱ヒータ14のオンオフ制御あるいは流量調整バルブ42aの開度を調整することによって行う。
(9)内筒11の排出側開口端まで達した分解処理物が上記排出部本体内に落とし込まれて排出部本体内に一定レベル以上の分解処理物が貯まると、シャッターを開放状態とし、上記排出部本体の排出口を介してキルン本体1外に排出して搬送コンベヤー上に受けさせる。
(10)貯まっていた分解処理物が上記搬送コンベヤー上に受けられると同時に上記シャッターを閉じる。
(11)上記搬送コンベヤー9に受けられた分解処理物を解繊機(図示せず)等に搬送し、塊をほぐしてほぼ1本1本の繊維(素線)に分離された再利用可能な炭素繊維を得る。
なお、上記搬送コンベヤーに受けられた分解処理物は、その温度が80℃を超えている場合、80℃以下に空冷された後、解繊機により素線化される。
(1)450〜600℃の過熱水蒸気のみを用いてマトリックス樹脂を分解処理するようにしたので、短時間で炭素繊維を傷めることなく、マトリックス樹脂を分解でき、効率よく再利用可能な長繊維状態の炭素繊維を回収することができる。また、焼却法で問題となった臭い、キルン本体1内部に滞留するタール成分も生じず、清浄な環境が維持できる。
(2)廃CFRP100を投入口22cからつぎつぎに投入するだけで、連続的に廃CFRP100のマトリックス樹脂を分解処理して炭素繊維をほとんど傷めることなく回収することができる。
(3)廃CFRP100が内筒11内を転動搬送されるので、廃CFRP100のサイズが大きい場合においても、表面から内部にかけて部位の違いによる分解処理温度の差が少なくなる。したがって、均質かつ長繊維の炭素繊維を回収することができる。
(4)内筒11内および排出部3内の過熱水蒸気圧をわずかではあるが大気圧より正圧にしたので、ロータリーキルン1内への空気の流入を防止してロータリーキルン1内をほぼ無酸素状態に保つことができるので、より短時間でマトリックス樹脂を分解処理できる。したがって、作業効率、エネルギー効率を向上させることができる。
(5)アフターバーナー4を備え、分解ガス中の可燃ガスを完全燃焼させて大気中に放出することができ、安全で環境汚染の問題もない。
(6)アフターバーナー4から出る燃焼ガスを内筒11の加熱に用いるようにしたので、電熱ヒータ14による加熱時間を短縮することができ、省エネルギー化を図ることができる。
内筒11が、以下のような構成となった図1に示すようなロータリーキルン1を用いて以下の条件で廃CFRP100を処理した。
〔内筒〕
内径30cm、長さ220cm、傾斜角15°
〔処理条件〕
廃CFRP100:1cmの厚さの炭素繊維入りプリプレグ(マトリックス樹脂は不飽和ポリエステル樹脂)を重ね合わせて成形した角材(カーボン繊維体積含有率= 65 %)から10cm (幅)× 20cm (高さ)× 長さ10cmに切り出したもの
第1過熱水蒸気供給配管6から内筒11内に供給される過熱水蒸気温度:500℃
内筒11内の過熱水蒸気圧:大気圧+(10〜20hPa)
内筒11の回転速度:25rpm
廃CFRPの内筒11内滞留時間:10分
内筒11内の空気量:10%以下
第2過熱水蒸気配管から排出部内に供給される過熱水蒸気温度:120℃
排出部内の過熱水蒸気圧:大気圧+(10〜20hPa)
そして、得られた分解処理物を通常のピンローラ式解繊機((有)竹内製作所製)を用いて解繊し、素線化した炭素繊維を回収したところ、回収できた炭素繊維は、バージン材の80%以上の強度を有するものであった。
内筒内の過熱水蒸気温度を600℃とした以外は、上記実施例1と同様にして炭素繊維を回収した。
回収できた炭素繊維は、バージン材の80%以上の強度を有するものであった。
以下の条件とした以外は、上記実施例1と同様にして炭素繊維を回収した。
回収できた炭素繊維は、バージン材の80%以上の強度を有するものであった。
第1過熱水蒸気供給配管6から内筒11内に供給される過熱水蒸気温度:450℃
内筒11の傾斜角度:5°
内筒11の回転速度:1.5rpm
廃CFRPの内筒11内滞留時間:5時間
内筒内の過熱水蒸気温度を800℃とした以外は、上記実施例1と同様にして炭素繊維を回収した。
回収できた炭素繊維は、バージン材の20%以下の強度しかなかった。
内筒内の過熱水蒸気温度を450℃とした以外は、上記実施例1と同様にしてロータリーキルンで分解処理したが、排出口から排出された分解処理物は、マトリックス樹脂が劣化しているものの、分解が不十分であった。
そして、この分解処理物を、ピンローラを用いて破砕したところ、容易に断面の差し渡し最大長さが 0.2〜1mm、平均長さ20mmの、炭素繊維の周りにマトリックス樹脂の非分解物が付着した微細チップが得られた。
得られた微細チップを、コンクリートの補強材として普通ポルトランドセメント100重量部に対し、5重量部添加して、40(幅)×40(高さ)×160(長さ)mmのモルタル試験体(JIS)を成形したところ、添加しないものに比べ、曲げ強度が50%向上した。
内筒11内の空気量:30%以上とした以外、実施例1と同じで、再生炭素繊維を回収した場合、その引張り強度はバージン材の40%であった。
実施例1と同様のロータリーキルンを用い、内筒11の回転を停止した状態で、実施例1と同様の廃CFRPを隣接させた(重ね合わせた)状態で内筒11内に“静置”した以外は、実施例1と同様の条件で廃CFRPを過熱水蒸気処理したところ、隣接した廃CFRP同士が溶着してしまう現象が観察された。
すなわち、静置方式で過熱水蒸気処理を行なうと、過熱水蒸気処理の途中で、被処理物質である廃CFRP同士が不規則に溶着してしまい、過熱水蒸気処理の効率低下を招くと共に、マトリックス樹脂を均一に(万遍なく)分解することが困難となるため、再生炭素繊維に未分解の樹脂が残存してしまうことがわかった。
そこで、未分解の樹脂の残存を避けるために、必要以上に長時間過熱水蒸気処理を行なわざるを得なかったが、その分再生炭素繊維の物性低下を招いた。
上記の実施の形態では、排出口にシャッターが設けられていたが、排出部内が過熱水蒸気によって常に大気圧より正圧されていれば、シャッターは設けなくても構わない。
上記の実施の形態では、投入部の投入口は、開放状態であったが、排出口と同様にシャッターを設け、廃CFRPの投入時のみ投入口を開放するようにしても構わない。
1 キルン本体
11 内筒(処理筒)
11a 中心軸
12 外筒(保温手段)
14 電熱ヒータ
2 投入部(加熱手段)
21 繋ぎ筒
22 投入部本体
22a リフト台収容部
22b 繋ぎ筒連結部
22c 投入口
23 リフト装置
23a リフト台(空気流入抑止手段)
24 押し出し棒
25 排気筒(排気路)
4 アフターバーナー
41 バーナー排気筒
42 分岐管
42a 流量調整バルブ
6 第1過熱水蒸気供給配管
61 噴射孔
100 廃CFRP
Claims (18)
- 炭素繊維をマトリックス樹脂中に含む廃棄炭素繊維強化プラスチックを加熱して、この廃棄炭素繊維強化プラスチック中のマトリックス樹脂を分解処理し、処理後に残った炭素繊維を回収する炭素繊維の回収方法であって、
中心軸を中心に回転する処理筒の一方から前記廃棄炭素繊維強化プラスチックを前記処理筒内に投入し、前記処理筒の回転に伴って前記処理筒の他方に向かって転動搬送するとともに、転動搬送中の前記廃棄炭素繊維強化プラスチックを前記処理筒内で過熱水蒸気に曝して前記マトリックス樹脂を分解処理する分解処理工程を備えていることを特徴とする廃棄炭素繊維強化プラスチックからの炭素繊維の回収方法。 - 上記処理筒内に外部からの空気の流入を抑止する空気流入抑止手段を設ける請求項1に記載の炭素繊維の回収方法。
- 上記処理筒内の空気量が過熱水蒸気の25容量%以下になるように、外部から上記処理筒内への空気の入り込みを抑える請求項1または請求項2に記載の炭素繊維の回収方法。
- 少なくとも処理筒内を大気圧より正圧の過熱水蒸気雰囲気に保持する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の炭素繊維の回収方法。
- 処理筒を、その投入側端部が、筒状または箱状をした投入部の内部に入り込んだ状態で、前記処理筒の中心軸を中心に回転自在に支持するとともに、
前記投入部の、前記処理筒の投入側開口からずれた位置に投入口を設け、この投入口から、廃棄炭素繊維強化プラスチックを前記投入部内に投入し、
この投入された廃棄炭素繊維強化プラスチックを投入部内に設けられた移動台に載せ、
この移動台に載せた廃棄炭素繊維強化プラスチックを、
前記移動台によって前記投入口から処理筒側への空気の流入を抑止しながら前記処理筒の投入側開口を臨む位置まで移動させたのち、
前記移動台から前記処理筒内に押し入れる請求項2〜請求項4のいずれかに記載の炭素繊維の回収方法。 - 処理筒の排出側端部から処理筒内で処理された分解処理物を、底に排出口を備える箱状をした排出部内に排出するとともに、前記排出部内が大気圧より正圧となるように、120℃以上の過熱水蒸気を排出部内に供給する請求項2〜請求項5のいずれかに記載の炭素繊維の回収方法。
- 上記処理筒内に供給される過熱水蒸気温度が500〜600℃である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の炭素繊維の回収方法
- 上記処理筒の回転軸を、投入側から排出側に向かって、傾斜角が5〜15度の下り勾配に傾斜させる請求項1〜請求項7のいずれかに記載の炭素繊維の回収方法。
- 処理筒内に供給された過熱水蒸気の処理筒内での温度低下を25℃以下に抑止する保温手段及び処理筒を外側から加熱する加熱手段の少なくともいずれかを設ける請求項1〜請求項8のいずれかに記載の炭素繊維の回収方法。
- 保温手段が処理筒の周囲を覆う断熱材である請求項9に記載の炭素繊維の回収方法。
- 加熱手段が処理筒を外側から囲むように設けられた電熱ヒータである請求項9に記載の炭素繊維の回収方法。
- 加熱手段が電磁誘導加熱装置である請求項9に記載の炭素繊維の回収方法。
- 上記処理筒を外側から囲繞する外筒を設け、この外筒内に設けた加熱手段で前記処理筒を外側から加熱する請求項9、請求項11および請求項12のいずれかに記載の炭素繊維の回収方法。
- マトリックス樹脂の分解によって処理筒内で生じる可燃ガスを、前記処理筒からアフターバーナーに送り、アフターバーナーで燃焼させる請求項1〜13に記載の炭素繊維の回収方法。
- 上記処理筒を外側から囲繞する外筒を設け、アフターバーナーから出る燃焼ガスで、外筒内を加熱する請求項14に記載の炭素繊維の回収方法。
- 上記アフターバーナーから出る燃焼ガスで、処理筒内に投入する前の廃棄炭素繊維強化プラスチックを予熱する請求項14に記載の炭素繊維の回収方法。
- 分解処理工程で得られた分解処理物を解繊する解繊工程を備える請求項1〜請求項16のいずれかに記載の炭素繊維の回収方法。
- 上記投入部の投入口を処理筒の投入側開口より下方に設ける請求項5に記載の炭素繊維の回収方法。
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