JP2019064886A - 炭素を含有する材料の回収方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】2種以上の炭素を含有する複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収する方法の提供。【解決手段】2種以上の炭素を含有する複合材料1に、水蒸気を含有する高温ガス19を作用させ、1種以上の炭素成分を水蒸気ガス化反応により水素および二酸化炭素に変換し、該複合材料1から1種以上の炭素を含有する材料を回収する方法および2種以上の炭素を含有する複合材料1に水蒸気を含有する高温ガス19を作用させる水蒸気ガス化装置4、水蒸気ガス化装置4から発生する水素を含有するガス12に酸素を含有するガスを供給して、高温の水蒸気を含有する高温ガスを発生させる高温ガス発生装置15、高温ガス発生装置15から発生する水蒸気を含有する高温ガスの一部を水蒸気ガス化装置4に循環させるガス循環装置から構成される複合材料1から1種以上の炭素を含有する材料を回収するシステム。【選択図】図7
Description
本発明は、2種以上の炭素を含有する複合材料に水蒸気を含有する高温ガスを作用させて、1種以上の炭素を含有する材料を水蒸気と反応させガス化することにより、該複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収する方法およびシステムに関する。
特許文献1では、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)とエポキシ樹脂からなる炭素繊維複合材料(CFRP)と水を処理容器に仕込み、温度380℃、圧力30MPaの条件下で処理して、PAN系炭素繊維を再生回収している。
特許文献2では、炭素繊維とエポキシ樹脂からなる炭素複合材料を加熱したベンジルアルコールに水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属を溶解した液に仕込むことにより、エポキシ樹脂をアルコール溶液に溶解して炭素繊維を再生回収している。
特許文献3では、炭素繊維複合材料を多価アルコールに溶解した酸(硫酸)あるいはアルカリ(水酸化カリウム)溶液を電解液として、陽極を炭素繊維複合材料、陰極をチタンとして、炭素繊維複合材料を陽極酸化して、炭素繊維を再生回収している。
特許文献4では、炭素繊維複合材料(CFRP)を700℃窒素雰囲気下の後に300℃空気雰囲気下で熱分解することにより、炭素繊維を再生回収している。
特許文献5では、炭素繊維強化プラスチックを800℃以上の過熱水蒸気で、炭素繊維強化プラスチックの68〜80質量%を水蒸気ガス化することにより、炭素繊維を再生回収している。
特許文献6では、活性炭等の多孔質体に光触媒を担持して、光を照射して光触媒を活性化することにより、活性炭等の多孔質体に吸着した有機物を化学変化させ、活性炭等の多孔質体から有機物質を脱離させ、活性炭等の多孔質単体を再生回収している。
特許文献7では、疎水性ゼオライト(ZSM−5)にトルエンを吸着させた後に、180℃の空気を流通させ、ゼオライトに吸着したトルエンを脱着させ、後段に触媒燃焼炉を配置することにより、トルエンを酸化分解して、ゼオライトを再生回収している。
特許文献8では、有機物を吸着した活性炭などの多孔質吸着材に高温の空気を流通させ、多孔質吸着材を乾燥させ、その後に400℃程度の過熱水蒸気を流通させることにより、活性炭などの多孔質吸着材を再生回収している。
特許文献1に示されている方法は、処理流体は水で安価であるが、処理プロセスが高温高圧であるため、炭素材料の回収設備が複雑になってしまう。
特許文献2、特許文献3に示されている方法は、有機溶媒およびアルカリ金属などの薬剤を使用して電極反応を行うため、炭素材料の回収設備が複雑になってしまう。
特許文献4に示されている方法は、高温窒素で熱分解した後に300℃程度の空気で処理するため、再生回収する炭素繊維の一部が酸化反応で発熱して高温となり、炭素繊維が劣化してしまう懸念を有している。
特許文献5に示されている方法は、水蒸気ボイラー等で発生させた800℃の過熱水蒸気(水蒸気分圧100%)を用いているため、過熱水蒸気発生にためのエネルギー消費量が多くなってしまう。
特許文献6に示されている方法は、活性炭等に吸着した有機物を処理するために、活性炭等に光触媒を担持して光を照射しなければならず、スケールアップし場合に装置内部まで光が達せず、有機物分解の効率が低下することが予想される。
特許文献7に示されている方法は、吸着剤として使用した疎水性ゼオライトに吸着した有機物に降温の空気を流通させているため、吸着剤として活性炭を使用した場合には、活性炭が酸化劣化してしまう。
特許文献8に示されている方法は、活性炭に吸着した有機物を処理するため、高温の空気で活性炭を乾燥させた後に400℃程度の過熱水蒸気しているため、揮発性の高い有機物の場合は、乾燥工程で有機物が揮発してしまい、過熱水蒸気によるガス化の効果が得られない。
特許文献2、特許文献3に示されている方法は、有機溶媒およびアルカリ金属などの薬剤を使用して電極反応を行うため、炭素材料の回収設備が複雑になってしまう。
特許文献4に示されている方法は、高温窒素で熱分解した後に300℃程度の空気で処理するため、再生回収する炭素繊維の一部が酸化反応で発熱して高温となり、炭素繊維が劣化してしまう懸念を有している。
特許文献5に示されている方法は、水蒸気ボイラー等で発生させた800℃の過熱水蒸気(水蒸気分圧100%)を用いているため、過熱水蒸気発生にためのエネルギー消費量が多くなってしまう。
特許文献6に示されている方法は、活性炭等に吸着した有機物を処理するために、活性炭等に光触媒を担持して光を照射しなければならず、スケールアップし場合に装置内部まで光が達せず、有機物分解の効率が低下することが予想される。
特許文献7に示されている方法は、吸着剤として使用した疎水性ゼオライトに吸着した有機物に降温の空気を流通させているため、吸着剤として活性炭を使用した場合には、活性炭が酸化劣化してしまう。
特許文献8に示されている方法は、活性炭に吸着した有機物を処理するため、高温の空気で活性炭を乾燥させた後に400℃程度の過熱水蒸気しているため、揮発性の高い有機物の場合は、乾燥工程で有機物が揮発してしまい、過熱水蒸気によるガス化の効果が得られない。
本発明者は、従来技術の現状に留意しつつ鋭意研究を重ねた結果、2種以上の炭素を含有する複合材料に、水蒸気を含有する高温ガスを作用させ、1種以上の炭素成分を水蒸気ガス化反応により水素および二酸化炭素に変換し、該複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収する方法および2種以上の炭素を含有する複合材料に水蒸気を含有する高温ガスを作用させる水蒸気ガス化装置、該水蒸気ガス化装置から発生する水素を含有するガスに酸素を含有するガスを供給して、高温の水蒸気を含有する高温ガスを発生させる高温ガス発生装置、該高温ガス発生装置から発生する水蒸気を含有する高温ガスの一部を該水蒸気ガス化装置に循環させるガス循環装置から構成される該複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収するシステムを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、2種以上の炭素を含有する複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収する方法およびシステムに関するものである。
第1の炭素を含有する材料を回収する方法は、上記の課題を解決するために、2種以上の炭素を含有する複合材料に、水蒸気を含有する高温ガスを作用させ、1種以上の炭素成分を水蒸気ガス化反応により水素および二酸化炭素に変換し、該複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収することを特徴としている。
上記の構成によれば、水蒸気を含有する高温ガスのみを作用させることにより、水蒸気ガス化反応により炭素成分を容易に水素および二酸化炭素に変換して1種以上の炭素成分を複合材料から除去でき、1種以上の炭素を含有する材料を回収することができる。
上記の構成によれば、水蒸気を含有する高温ガスのみを作用させることにより、水蒸気ガス化反応により炭素成分を容易に水素および二酸化炭素に変換して1種以上の炭素成分を複合材料から除去でき、1種以上の炭素を含有する材料を回収することができる。
第2の炭素を含有する材料を回収する方法は、上記の課題を解決するために、水蒸気を含有する高温ガスを、複合材料から1種以上の炭素含有する材料を回収する工程から排出されるガスから発生させることを特徴としている。
上記の構成によれば、水蒸気ガス化反応により生成される水素ガスを酸化して、ガスの水蒸気分圧を上昇させるとともに、ガス温度を上昇できるので、効率的に水蒸気を含有する高温ガスを生成することができる。
上記の構成によれば、水蒸気ガス化反応により生成される水素ガスを酸化して、ガスの水蒸気分圧を上昇させるとともに、ガス温度を上昇できるので、効率的に水蒸気を含有する高温ガスを生成することができる。
第3の炭素を含有する材料を回収する方法は、水蒸気を含有する高温ガスを作用させる温度が500℃以上であることを特徴としている。
上記の構成によれば、1種以上の炭素成分と高温ガス中の水蒸気が効率的に反応して、水素および二酸化炭素を生成することができる。
上記の構成によれば、1種以上の炭素成分と高温ガス中の水蒸気が効率的に反応して、水素および二酸化炭素を生成することができる。
第4の炭素を含有する材料を回収する方法は、2種以上の炭素を含有する複合材料が炭素繊維および高分子有機物であり、高分子材料を水蒸気と反応させガス化することを特徴としている。
上記の構成によれば、高価な炭素繊維を含む複合材料の高分子有機物部分のみを水蒸気ガス化反応によりガス化でき、高価な炭素繊維を回収することができる。
上記の構成によれば、高価な炭素繊維を含む複合材料の高分子有機物部分のみを水蒸気ガス化反応によりガス化でき、高価な炭素繊維を回収することができる。
第5の炭素を含有する材料を回収する方法は、2種以上の炭素を含有する複合材料が活性炭および活性炭に吸着した有機物質であり、活性炭に吸着した有機物を水蒸気と反応させガス化することを特徴としている。
上記の構成によれば、活性炭に吸着した有機物質のみを水蒸気ガス化反応により除去できるので、活性炭を容易に再生することができる。
上記の構成によれば、活性炭に吸着した有機物質のみを水蒸気ガス化反応により除去できるので、活性炭を容易に再生することができる。
第6の炭素を含有する材料を回収する方法は、2種以上の炭素を含有する材料を水蒸気と反応させたガスに含まれる水素を燃焼させ、水蒸気を含有する高温ガスを生成することを特徴としている。
上記の構成によれば、水蒸気ガス化反応により生成した燃料ガスを有効に活用しているので、エネルギーを少なくすることができる。
上記の構成によれば、水蒸気ガス化反応により生成した燃料ガスを有効に活用しているので、エネルギーを少なくすることができる。
第7の炭素を含有する材料を回収する方法は、2種以上の炭素を含有する材料を水蒸気と反応させたガスに水を噴霧することにより、水蒸気を含有する高温ガスを生成することを特徴としている。
上記の構成によれば、水の噴霧量により水蒸気を含有する高温ガスの温度を調節することができ、かつ該ガス中の水蒸気分圧を上昇させ、水蒸気ガス化反応を効率的に行わせることができる。
上記の構成によれば、水の噴霧量により水蒸気を含有する高温ガスの温度を調節することができ、かつ該ガス中の水蒸気分圧を上昇させ、水蒸気ガス化反応を効率的に行わせることができる。
第8の炭素を含有する材料を回収する方法は、2種以上の炭素を含有する材料を水蒸気と反応させたガスに含まれる水素の化学量論量より少ない酸素を供給することを特徴としている。
上記の構成によれば、水蒸気を含有する高温ガス中の酸素濃度が大きく低減するため、該複合材料から回収する1種以上の炭素を含有する材料の酸化劣化を防ぐことができる。
上記の構成によれば、水蒸気を含有する高温ガス中の酸素濃度が大きく低減するため、該複合材料から回収する1種以上の炭素を含有する材料の酸化劣化を防ぐことができる。
第9の炭素を含有する材料を回収する方法は、2種以上の炭素を含有する材料を水蒸気と反応させたガスの一部を熱回収することを特徴としている。
上記の構成によれば、該複合材料から回収する1種以上の炭素を含有する材料を回収できるとともに、熱や電気などのエネルギーも同時に回収することができる。
上記の構成によれば、該複合材料から回収する1種以上の炭素を含有する材料を回収できるとともに、熱や電気などのエネルギーも同時に回収することができる。
第1の炭素を含有する材料を回収するシステムは、2種以上の炭素を含有する複合材料に水蒸気を含有する高温ガスを作用させる水蒸気ガス化装置、該水蒸気ガス化装置から発生する水素を含有するガスに酸素を含有するガスを供給して、高温の水蒸気を含有する高温ガスを発生させる高温ガス発生装置、該高温ガス発生装置から発生する水蒸気を含有する高温ガスの一部を該水蒸気ガス化装置に循環させるガス循環装置から構成されることを特徴としている。
上記の構成によれば、水蒸気ガス化反応により炭素成分を容易に水素および二酸化炭素に変換して1種以上の炭素成分を複合材料から除去し、1種以上の炭素を含有する材料を回収するシステムを提供することができる。
上記の構成によれば、水蒸気ガス化反応により炭素成分を容易に水素および二酸化炭素に変換して1種以上の炭素成分を複合材料から除去し、1種以上の炭素を含有する材料を回収するシステムを提供することができる。
第2の炭素を含有する材料を回収するシステムは、高温ガス発生装置およびガス循環装置の間に水噴霧装置を設置することを特徴としている。
上記の構成によれば、水の噴霧量により水蒸気を含有する高温ガスの温度を調節することができ、かつ該ガス中の水蒸気分圧を上昇させ、水蒸気ガス化反応を効率的に行わせるシステムを提供することができる。
上記の構成によれば、水の噴霧量により水蒸気を含有する高温ガスの温度を調節することができ、かつ該ガス中の水蒸気分圧を上昇させ、水蒸気ガス化反応を効率的に行わせるシステムを提供することができる。
第3の炭素を含有する材料を回収するシステムは、該高温ガス発生装置から発生する水蒸気を含有する高温ガスの一部を熱回収する熱回収設備が附帯したことを特徴としている。
上記の構成によれば、該複合材料から回収する1種以上の炭素を含有する材料を回収できるとともに、熱や電気などのエネルギーも同時に回収することができるシステムを提供することができる。
上記の構成によれば、該複合材料から回収する1種以上の炭素を含有する材料を回収できるとともに、熱や電気などのエネルギーも同時に回収することができるシステムを提供することができる。
水蒸気を含有する高温ガスを2種以上の炭素を含有する複合材料に作用させ、1種以上の炭素成分を水蒸気ガス化反応により水素および二酸化炭素に変換することにより、該複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収することが可能となる。
2種以上の炭素を含有する複合材料は、炭素材料や有機物材料の複合体であれば特に限定されず、不均一状態で2種以上の炭素を含有するものであれば良い。結晶構造が異なり水蒸気ガス化温度が異なれば、炭素材料と炭素材料の複合材料であっても構わない。
炭素材料としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、天然黒鉛、人造黒鉛、グラファイト、活性炭、カーボンブラック及びアモルファスカーボン、コークス、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末、石炭、樹脂などの炭化品・黒鉛化品またはこれらの混合物、などを例示できる。
有機物材料としては、炭化水素骨格を有する物質であれば良く、他に酸素、窒素、塩素などの元素を含んでいても構わなく、プラスチック類、ゴム類、繊維類、接着剤、有機化合物などを例示し得る。
プラスチック類としては、エチレン樹脂、プロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂などの熱硬化性樹脂を提示し得る。
ゴム類としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴムなどを例示し得る。
繊維類としては、セルロース(天然繊維)アクリル繊維、アセテート繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維などを例示し得る。
接着剤としては、天然ゴム系、エポキシ系、ポリウレタン系、フェノール系、ラミン系、ウレア系などを例示し得る。
有機化合物としては、炭化水素化合物、含有酸素化合物、含窒素化合物などを例示し得る。
炭化水素化合物としては、オクタン、ノナン、デカンなどのパラフィン類、ブテン、ペンテン、イソプレンなどのオレフィン類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどのナフテン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、アントラセンなどの芳香族類などを例示し得る。
含有酸素化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、フェノール、クレゾール、グアイアコールなどのフェノール類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸、シュウ酸、安息香酸、乳酸などの有機酸類、グルコース、フルクトース、ガラクトースなどの糖類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、ジオキシン、テトラヒドロフランなどのヘテロ原子として酸素を含む複素環式化合物などを例示し得る。
含窒素化合物としては、アセトニトリル、ニトロベンゼン、トリメチルアミン、アニリン、ピリジン、タンパク質などを例示し得る。
2種以上の炭素を含有する複合材料は上記の炭素を含有する物質の複合材料であれば特に限定されないが、炭素繊維とエポキシ樹脂等の高分子材料で構成させる炭素繊維強化プラスチックス、グラファイト炭素をアモルファス炭素でコーティングした電極材料、トルエンなどの有機化合物を吸着した活性炭吸着剤などを例示し得る。
水蒸気を含有する高温ガス中の水蒸気濃度は特に限定はされないが、炭素材料と水蒸気を効率的に反応させる観点からは、5体積%以上であることが好ましく、特に、20体積%であることが好ましい。
水蒸気を含有する高温ガス中に含まれる水蒸気以外のガス成分は特に限定されないが、炭素材料を大きく損失させない観点からは、不活性ガスである窒素や二酸化炭素が主成分であることが好ましく、炭素材料と反応性を有する酸素や一酸化炭素は、それぞれ1体積%以下であることが好ましい。
図7は本発明の本実施の形態1つである複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収するシステムに関する説明図である。本発明は、図7の水蒸気ガス化装置(4)、高温ガス発生装置(15)、水素を含有するガスのブロアー(11)および配管よりからなるガス循環装置から構成される。また、本発明には、水噴霧装置(18)、水循環ポンプ(31)、蒸気ボイラー(33)、蒸気タービン(35)、復水器(37)から構成される熱回収設備が附帯しても良い。
以下、図7の従って、本発明の実施形態を説明するが、本発明は図7の構成に限定されるものではない。
水蒸気ガス化装置(4)に供給される2種以上の炭素を含有する複合材料原料(1)の形状は特に限定されないが、水蒸気ガス化を迅速に行う観点から、代表径が5mm以下であることが好ましく、代表径が1mm以下であることが特に好ましい。2種以上の炭素を含有する複合材料原料(1)の粉砕機(図示せず)は特に限定されず、ハンマーミル、ピンミル、シュレッダーなどの破砕機が利用可能である。
2種以上の炭素を含有する複合材料原料(1)は、複合材料原料の搬送機(2)により水蒸気ガス化装置(4)に搬送される。固形搬送機の型式は、2種以上の炭素を含有する複合材料原料(1)を搬送できるものであれば特に限定されないが、スクリューフィーダー、振動フィーダー、ペルトコンベヤー、バケットコンベヤー、ロータリーバルブなどを例示し得る。この搬送時に、高温の水蒸気ガス化装置から出る水素を含有するガス(20)により、2種以上の炭素を含有する複合材料原料(1)を熱交換して、水蒸気ガス化装置(4)に供給することが好ましい。
水蒸気ガス化装置(4)内に供給された複合材料原料(5)は、下部から供給される水蒸気を含有する高温ガス(19)により、複合材料中の1種以上の炭素成分を水蒸気ガス化反応によりガス化して、水素および二酸化炭素を生成する。この水蒸気を含有する高温ガス(19)中の水蒸気分圧は、十分に水蒸気ガス化が進行する分圧であれば特に限定されないが、迅速に水蒸気ガス化を進行させる観点から、10kPaから100kPaであることが好ましい。水蒸気ガス化装置から出る水素を含有するガス(20)を循環利用する場合は、含有される窒素や二酸化炭素の観点から、20kPaから70kPaであることが好ましい。
水蒸気ガス化装置(4)の形状は、2種以上の炭素を含有する複合材料原料(1)と水蒸気を含有する高温ガス(19)が効率良く接触して水蒸気ガス化反応を行うものであれば特に限定されないが、固定床タイプ、流動床タイプであり、下部から処理済み複合材料(6)が取り出せる構造のものが好ましい。
水蒸気ガス化装置(4)から排出される処理済み複合材料(6)は、処理済み複合材料の搬送機(7)により排出される。固形搬送機の型式は、2種以上の炭素を含有する複合材料原料(1)を搬送できるものであれば特に限定されないが、スクリューフィーダー、振動フィーダー、ペルトコンベヤー、バケットコンベヤー、ロータリーバルブなどを例示し得る。この排出時に、低温の水素を含有するガス(21)と熱交換して、処理済み複合材料(6)の温度を低下させると共に、高温ガス発生装置(15)に供給する水素を含有するガス(12)の温度を上昇させることが熱回収の観点から好ましい。
水蒸気ガス化装置(4)で生成した水素を含有するガス(20)は、複合材料原料の搬送機(2)で冷却された後、水素を含有するガスのブロアー(11)に供給され、ガスは昇圧される。ガスの圧力は、ガスの圧力損失を賄うことができれば特に限定されないが、100mmAq〜1000mmAqが好ましい。ブロアーの型式は、昇圧できるタイプのものであれば特に限定されず、ターボ式、シロッコ式、ルーツ式、スクリュー式などを例示し得る。
処理済み複合材料の搬送機(7)により熱交換された水素を含有するガス(12)および空気ブロアー(14)で昇圧された空気(13)は、高温ガス発生装置(15)に供給される。高温ガス発生装置(15)では、空気(13)に含まれる酸素と水素を含有するガス(12)中の水素が酸化反応して、ガス全体の温度が上昇する。高温ガス発生装置(15)に供給する酸素の量は、水素を含有するガス(12)中の水素の当量以下であることが好ましく、酸素量は化学当量の1.0倍〜0.8倍が選択される。酸素の量が化学当量の1.0倍を超える場合は、水蒸気を含有する高温ガス(16)に酸素が残存することになり、水蒸気ガス化装置(4)で、反応させたくない回収する炭素を酸化してしまう恐れがある。また、酸素の量が化学当量の0.8倍未満の場合は、酸化反応が十分行われず、高温ガスが得られない恐れを有している。高温ガス発生装置(15)は水素と酸素の酸化反応が生じれば特に限定されないが、十分に酸化反応を進行させるために、酸化触媒を用いても構わない。
高温ガス発生装置(15)を出た水蒸気を含有する高温ガス(16)の温度調節および水蒸気分圧上昇のために、水噴霧装置(18)にて水を噴霧して水蒸気とすることにより、水蒸気ガス化装置(4)に供給する温度への制御および水蒸気分圧の上昇を行うことができる。このように温度および水蒸気分圧が制御された水蒸気を含む高温ガス(19)は、水蒸気ガス化装置(4)に供給される。
水蒸気ガス化装置(4)に供給されない余剰の水蒸気を含有するガス(22)は、蒸気ボイラー(33)等に供給され熱回収される。蒸気ボイラー(33)で発生した蒸気(34)は蒸気として利用しても良いが、ここでは蒸気タービン(35)により電力を回収している。蒸気タービン(35)で膨張した低圧蒸気(36)は復水器(37)で凝縮され、給水ポンプ(31)により循環される。
(評価試料1:有機物吸着活性炭)
実施例1において用いた有機物吸着活性炭(評価試料1)は、以下のようにして用意した。0.5gの平均分子量190〜210のポリエチレングリコール(PEG#200、ナカライテスク株式会社製)を10gのメタノールに溶解した。ここに9.5gのヤシ殻由来活性炭(8〜32mesh、ナカライテスク株式会社製)添加し、均一に撹拌した。室温においてメタノールを減圧留去し、10gの0.5質量%−PEG吸着活性炭(評価試料1)を得た。
吸着前のヤシ殻由来活性炭の比表面積は1040m2/g、評価試料1の比表面積は750m2/gであった。
(評価試料2:炭素繊維複合材)
実施例2において用いた炭素繊維複合材(評価試料2)は、PAN系炭素繊維(CF1)およびピッチ系炭素繊維(CF2)を交絡させてなる炭素繊維シートに接着剤(ポリエステル系樹脂材料)を含浸させ、炭素化させた炭素繊維複合材である。仕込み炭素繊維の存在量は、炭素繊維CF1が30質量%、炭素繊維CF2が70質量%である。
実施例1において用いた有機物吸着活性炭(評価試料1)は、以下のようにして用意した。0.5gの平均分子量190〜210のポリエチレングリコール(PEG#200、ナカライテスク株式会社製)を10gのメタノールに溶解した。ここに9.5gのヤシ殻由来活性炭(8〜32mesh、ナカライテスク株式会社製)添加し、均一に撹拌した。室温においてメタノールを減圧留去し、10gの0.5質量%−PEG吸着活性炭(評価試料1)を得た。
吸着前のヤシ殻由来活性炭の比表面積は1040m2/g、評価試料1の比表面積は750m2/gであった。
(評価試料2:炭素繊維複合材)
実施例2において用いた炭素繊維複合材(評価試料2)は、PAN系炭素繊維(CF1)およびピッチ系炭素繊維(CF2)を交絡させてなる炭素繊維シートに接着剤(ポリエステル系樹脂材料)を含浸させ、炭素化させた炭素繊維複合材である。仕込み炭素繊維の存在量は、炭素繊維CF1が30質量%、炭素繊維CF2が70質量%である。
(熱重量分析装置)
熱重量測定装置には、水蒸気作動型示差熱天秤(株式会社リガク製TG−DTA/HUM−1)を用いた。
(ガス分析装置)
水蒸気ガス化反応により生成したガス成分は、トラップによる水除去後、マイクロガスクロマトグラフィー(アジレント・テクノロジー株式会社製、装置名:Agilent 490 マイクロGC)にて分析した。
(比表面積測定)
水蒸気ガス化反応前後の試料の比表面積は、窒素ガス吸着法によるBET測定(株式会社島津製作所製の比表面積/細孔分布測定装置マイクロメリティクス・アサップ2010)により測定した。
(IRスペクトル測定および電子顕微鏡観察)
水蒸気ガス化反応前後試料のIRスペクトルは、顕微IR法(株式会社パーキンエルマージャパン製、Spotlight400赤外イメージングシステム)により測定した。水蒸気ガス化反応前後試料の表面観察は、走査型電子顕微鏡FE−SEM(日本電子株式会社製JSM−6700F)を用いて実施した。
熱重量測定装置には、水蒸気作動型示差熱天秤(株式会社リガク製TG−DTA/HUM−1)を用いた。
(ガス分析装置)
水蒸気ガス化反応により生成したガス成分は、トラップによる水除去後、マイクロガスクロマトグラフィー(アジレント・テクノロジー株式会社製、装置名:Agilent 490 マイクロGC)にて分析した。
(比表面積測定)
水蒸気ガス化反応前後の試料の比表面積は、窒素ガス吸着法によるBET測定(株式会社島津製作所製の比表面積/細孔分布測定装置マイクロメリティクス・アサップ2010)により測定した。
(IRスペクトル測定および電子顕微鏡観察)
水蒸気ガス化反応前後試料のIRスペクトルは、顕微IR法(株式会社パーキンエルマージャパン製、Spotlight400赤外イメージングシステム)により測定した。水蒸気ガス化反応前後試料の表面観察は、走査型電子顕微鏡FE−SEM(日本電子株式会社製JSM−6700F)を用いて実施した。
(有機物吸着活性炭の再生:評価試料1)
実施例1〜2では、有機物吸着活性炭(評価試料1)の再生について試験した。ここで、評価試料1における水蒸気ガス化反応は、ポリエチレングリコールの方が活性炭よりも低温で生じる。
実施例1〜2では、有機物吸着活性炭(評価試料1)の再生について試験した。ここで、評価試料1における水蒸気ガス化反応は、ポリエチレングリコールの方が活性炭よりも低温で生じる。
〔実施例1〕
有機物吸着活性炭(評価試料1)をおよそ40mg、0.01mgまで精秤し、熱重量測定装置に導入した。ここにガス化剤として水蒸気と窒素を混合したガスを300ml/min流した。このときの水蒸気分圧は40kPaとした。ガス化剤を流通した条件で、20℃/minの昇温速度で500℃まで昇温後、500℃にて重量減少が認められなくなるまで30min保持した。得られたTG曲線を図1に示した。
500℃到達後5minにおける重量減少量より算出したポリエチレングリコールの除去率は99.5質量%であった。
水蒸気ガス化後の活性炭の比表面積は1035m2/gであり、初期活性炭とほぼ同等の比表面積であった。すなわち、活性炭に吸着したポリエチレングリコール(分子量200)から、ポリエチレングリコールのみを水蒸気ガス化して、活性炭を再生回収できることを確認した。
有機物吸着活性炭(評価試料1)をおよそ40mg、0.01mgまで精秤し、熱重量測定装置に導入した。ここにガス化剤として水蒸気と窒素を混合したガスを300ml/min流した。このときの水蒸気分圧は40kPaとした。ガス化剤を流通した条件で、20℃/minの昇温速度で500℃まで昇温後、500℃にて重量減少が認められなくなるまで30min保持した。得られたTG曲線を図1に示した。
500℃到達後5minにおける重量減少量より算出したポリエチレングリコールの除去率は99.5質量%であった。
水蒸気ガス化後の活性炭の比表面積は1035m2/gであり、初期活性炭とほぼ同等の比表面積であった。すなわち、活性炭に吸着したポリエチレングリコール(分子量200)から、ポリエチレングリコールのみを水蒸気ガス化して、活性炭を再生回収できることを確認した。
〔実施例2〕
水蒸気ガス化温度を600℃に変更した点以外は実施例1と同様に実施した。600℃到達後5minにおけるポリエチレングリコールの除去率は100質量%であった。
水蒸気ガス化温度を600℃に変更した点以外は実施例1と同様に実施した。600℃到達後5minにおけるポリエチレングリコールの除去率は100質量%であった。
回収した活性炭の比表面積は1040m2/gであり、初期活性炭とほぼ同等の比表面積まで再生できた。
〔比較例1〕
水蒸気ガス化温度を400℃に変更した点以外は実施例1と同様に実施した。400℃到達後5minにおけるポリエチレングリコールの除去率は64質量%であった。
回収した活性炭の比表面積は970m2/gであった。
水蒸気ガス化温度を400℃に変更した点以外は実施例1と同様に実施した。400℃到達後5minにおけるポリエチレングリコールの除去率は64質量%であった。
回収した活性炭の比表面積は970m2/gであった。
〔比較例2〕
400℃保持時間を30min間に変更した点以外は比較例1と同様に実施した。400℃到達後30minにおけるポリエチレングリコールの除去率は94重量%であった。
回収した活性炭の比表面積は1010m2/gであった。
400℃保持時間を30min間に変更した点以外は比較例1と同様に実施した。400℃到達後30minにおけるポリエチレングリコールの除去率は94重量%であった。
回収した活性炭の比表面積は1010m2/gであった。
ヤシ殻由来活性炭、PEGを0.5質量%吸着したヤシ殻由来活性炭の比表面積および実施例1、実施例2、比較例1、比較例2のガス化温度、所要時間、PEG除去率、活性炭再生後の比表面積を表1に示す。
(炭素繊維の回収)
実施例3〜4では、炭素繊維複合材(評価試料2)から樹脂成分のみを水蒸気ガス化して、炭素繊維を回収する試験を実施した。
実施例3〜4では、炭素繊維複合材(評価試料2)から樹脂成分のみを水蒸気ガス化して、炭素繊維を回収する試験を実施した。
〔実施例3〕
(各成分のガス化開始温度の決定)
炭素繊維複合材(評価試料2)の各炭素質のガス化温度を決定した。評価試料2におけるガス化反応は、樹脂由来炭素の方が炭素繊維よりも低温で生じ、且つ炭素繊維CF1の方が炭素繊維CF2よりも低温で生じる。
炭素繊維複合材(評価試料2)をおよそ0.7mg、0.01mgまで精秤し、熱重量測定装置に導入した。ここにガス化剤として水蒸気と窒素を混合したガスを300ml/min流した。このときの水蒸気分圧は20kPaとした。ガス化剤を流通した条件で、重量変化速度の絶対値が制御値0.01%/秒よりも小さいときは10℃/min昇温速度で昇温し、重量変化速度の絶対値が制御値0.01%/秒以上の場合昇温を停止するように試料温度を制御して、TG曲線を計測した。得られたTG曲線を図2に示した。
本手法によりTG曲線は3段階の反応を示した。低温側から、TG曲線が減少し始める温度より接着剤由来炭素質のガス化開始温度は220℃、炭素繊維CF1のガス化開始温度は810℃、炭素繊維CF2のガス化開始温度は870℃と得られた。
(各成分のガス化開始温度の決定)
炭素繊維複合材(評価試料2)の各炭素質のガス化温度を決定した。評価試料2におけるガス化反応は、樹脂由来炭素の方が炭素繊維よりも低温で生じ、且つ炭素繊維CF1の方が炭素繊維CF2よりも低温で生じる。
炭素繊維複合材(評価試料2)をおよそ0.7mg、0.01mgまで精秤し、熱重量測定装置に導入した。ここにガス化剤として水蒸気と窒素を混合したガスを300ml/min流した。このときの水蒸気分圧は20kPaとした。ガス化剤を流通した条件で、重量変化速度の絶対値が制御値0.01%/秒よりも小さいときは10℃/min昇温速度で昇温し、重量変化速度の絶対値が制御値0.01%/秒以上の場合昇温を停止するように試料温度を制御して、TG曲線を計測した。得られたTG曲線を図2に示した。
本手法によりTG曲線は3段階の反応を示した。低温側から、TG曲線が減少し始める温度より接着剤由来炭素質のガス化開始温度は220℃、炭素繊維CF1のガス化開始温度は810℃、炭素繊維CF2のガス化開始温度は870℃と得られた。
〔実施例4〕
実施例3と同様に炭素繊維複合材を水蒸気の存在下、220℃まで昇温し、接着剤由来の炭素質のみをガス化除去した。220℃到達後、ドライ窒素ガスを流通した状態で100℃以下まで冷却し試料を回収した。回収試料は初期の投入量に対して、93.8重量%であった。
炭素繊維複合材および回収試料のIRスペクトルを図3に、電子顕微鏡写真を図4および図5に示した。IRスペクトルより、炭素繊維複合材に存在した接着剤成分が回収試料には存在しないことを確認した。電子顕微鏡写真においても、接着剤成分の除去を確認でき、且つ、炭素繊維CF1およびCF2の表面状態およびフラメント径に変化がないことを確認し、炭素繊維を損傷させずに回収できた。
実施例3と同様に炭素繊維複合材を水蒸気の存在下、220℃まで昇温し、接着剤由来の炭素質のみをガス化除去した。220℃到達後、ドライ窒素ガスを流通した状態で100℃以下まで冷却し試料を回収した。回収試料は初期の投入量に対して、93.8重量%であった。
炭素繊維複合材および回収試料のIRスペクトルを図3に、電子顕微鏡写真を図4および図5に示した。IRスペクトルより、炭素繊維複合材に存在した接着剤成分が回収試料には存在しないことを確認した。電子顕微鏡写真においても、接着剤成分の除去を確認でき、且つ、炭素繊維CF1およびCF2の表面状態およびフラメント径に変化がないことを確認し、炭素繊維を損傷させずに回収できた。
〔実施例5〕
実施例3と同様に炭素繊維複合材を水蒸気の存在下、810℃まで昇温し、接着剤由来の炭素質および炭素繊維CF1をガス化除去した。810℃到達後、ドライ窒素ガスを流通した状態で100℃以下まで冷却し試料を回収した。回収試料は初期の投入量に対して、65.6質量%であった。
回収試料の電子顕微鏡写真を図6に示した。接着剤成分および炭素繊維CF1の除去が確認でき、且つ、炭素繊維CF2の表面状態およびフラメント径に変化がないことを確認し、炭素繊維CF2のみを損傷させずに回収できた。
実施例3と同様に炭素繊維複合材を水蒸気の存在下、810℃まで昇温し、接着剤由来の炭素質および炭素繊維CF1をガス化除去した。810℃到達後、ドライ窒素ガスを流通した状態で100℃以下まで冷却し試料を回収した。回収試料は初期の投入量に対して、65.6質量%であった。
回収試料の電子顕微鏡写真を図6に示した。接着剤成分および炭素繊維CF1の除去が確認でき、且つ、炭素繊維CF2の表面状態およびフラメント径に変化がないことを確認し、炭素繊維CF2のみを損傷させずに回収できた。
〔実施例6〕
図7に示すシステムに関して、2種以上の炭素を含有する複合材料原料(1)を105kg/h(活性炭100kg/h、トリエチレングリコール(分子量194)5kg/h)で供給した場合のプロセス計算(物質収支およびエネルギー収支)をプロセスシミュレータVMGSim(VMG Japan株式会社製)にて計算した。表2に複合炭素の収支、表3にガスの収支、表4にエネルギー回収の収支を示す。ブロアーおよび蒸気タービンの断熱効率を80%、ポンプの断熱効率を70%とした場合の、ポンプおよびブロアーの消費電力は190W、蒸気タービンの発電量は4220Wなので、100kg/hの活性炭再生処理により、4030Wの電力が回収可能となる。
図7に示すシステムに関して、2種以上の炭素を含有する複合材料原料(1)を105kg/h(活性炭100kg/h、トリエチレングリコール(分子量194)5kg/h)で供給した場合のプロセス計算(物質収支およびエネルギー収支)をプロセスシミュレータVMGSim(VMG Japan株式会社製)にて計算した。表2に複合炭素の収支、表3にガスの収支、表4にエネルギー回収の収支を示す。ブロアーおよび蒸気タービンの断熱効率を80%、ポンプの断熱効率を70%とした場合の、ポンプおよびブロアーの消費電力は190W、蒸気タービンの発電量は4220Wなので、100kg/hの活性炭再生処理により、4030Wの電力が回収可能となる。
2種以上の炭素を含有する複合材料の産業上の事例としては、炭素繊維強化プラスチックや有機物質を吸着した活性炭などがある。炭素繊維強化プラスチックでは、本特許の方法やシステムにより、高価な炭素繊維を分離回収して再使用することが可能となる。有機物質を吸着した活性炭では、吸着した有機物質のみをガスができるので、活性炭を再生して再使用することが可能となる。
1 2種以上の炭素を含有する複合材料原料
2 複合材料原料の搬送機および熱交換器
3 熱交換された複合材料原料
4 水蒸気ガス化装置
5 水蒸気ガス化装置内の複合材料原料
6 処理済み複合材料
7 処理済み複合材料の搬送機および熱交換器
8 熱交換された処理済み複合材料
11 水素を含有するガスのブロアー
12 熱交換された水素を含有するガス
13 空気
14 空気ブロアー
15 高温ガス発生装置
16 水蒸気を含有する高温ガス
17 水
18 水噴霧装置
19 水蒸気を含有する高温ガス
20 水蒸気ガス化装置から出る水素を含有するガス
21 熱交換された水素を含有するガス
22 余剰の水蒸気を含有する高温ガス
23 熱交換された余剰の水蒸気を含有する高温ガス
31 水循環ポンプ
32 ボイラー給水
33 蒸気ボイラー
34 高圧過熱水蒸気
35 蒸気タービン
36 低圧蒸気
37 復水器
38 復水
2 複合材料原料の搬送機および熱交換器
3 熱交換された複合材料原料
4 水蒸気ガス化装置
5 水蒸気ガス化装置内の複合材料原料
6 処理済み複合材料
7 処理済み複合材料の搬送機および熱交換器
8 熱交換された処理済み複合材料
11 水素を含有するガスのブロアー
12 熱交換された水素を含有するガス
13 空気
14 空気ブロアー
15 高温ガス発生装置
16 水蒸気を含有する高温ガス
17 水
18 水噴霧装置
19 水蒸気を含有する高温ガス
20 水蒸気ガス化装置から出る水素を含有するガス
21 熱交換された水素を含有するガス
22 余剰の水蒸気を含有する高温ガス
23 熱交換された余剰の水蒸気を含有する高温ガス
31 水循環ポンプ
32 ボイラー給水
33 蒸気ボイラー
34 高圧過熱水蒸気
35 蒸気タービン
36 低圧蒸気
37 復水器
38 復水
Claims (12)
- 2種以上の炭素を含有する複合材料に、水蒸気を含有する高温ガスを作用させ、1種以上の炭素成分を水蒸気ガス化反応により水素および二酸化炭素に変換し、該複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収する方法。
- 水蒸気を含有する高温ガスを、複合材料から1種以上の炭素含有する材料を回収する工程から排出されるガスから発生させることを特徴とする請求項1記載の炭素を含有する材料を回収する方法。
- 水蒸気を含有する高温ガスを作用させる温度が500℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の炭素を含有する材料を回収する方法。
- 2種以上の炭素を含有する複合材料が炭素繊維および高分子有機物であり、高分子材料を水蒸気と反応させガス化することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の炭素を含有する材料を回収する方法。
- 2種以上の炭素を含有する複合材料が活性炭および活性炭に吸着した有機物質であり、活性炭に吸着した有機物を水蒸気と反応させガス化することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の炭素含有する材料を回収する方法。
- 2種以上の炭素を含有する材料を水蒸気と反応させたガスに含まれる水素を燃焼させ、水蒸気を含有する高温ガスを生成することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の炭素を含有する材料を回収する方法。
- 2種以上の炭素を含有する材料を水蒸気と反応させたガスに水を噴霧することにより、水蒸気を含有する高温ガスを生成することを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の炭素を含有する材料を回収する方法。
- 2種以上の炭素を含有する材料を水蒸気と反応させたガスに含まれる水素の化学量論量より少ない酸素を供給することを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の炭素を含有する材料を回収する方法。
- 2種以上の炭素を含有する材料を水蒸気と反応させたガスの一部を熱回収することを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の炭素を含有する材料を回収する方法。
- 2種以上の炭素を含有する複合材料に水蒸気を含有する高温ガスを作用させる水蒸気ガス化装置、該水蒸気ガス化装置から発生する水素を含有するガスに酸素を含有するガスを供給して、水蒸気を含有する高温ガスを発生させる高温ガス発生装置、該高温ガス発生装置から発生する水蒸気を含有する高温ガスの一部を該水蒸気ガス化装置に循環させるガス循環装置から構成される該複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収するシステム。
- 高温ガス発生装置およびガス循環装置の間に、水蒸気を含有する高温ガスに水噴霧装置を設置することを特徴とする請求項10記載の該複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収するシステム。
- 該高温ガス発生装置から発生する水蒸気を含有する高温ガスの一部を熱回収する熱回収設備が附帯したことを特徴とする請求項10または11記載の該複合材料から1種以上の炭素を含有する材料を回収するシステム。
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