JP2013147545A - 再生炭素繊維の製造方法 - Google Patents

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藤井  透
Kazuya Okubo
和也 大窪
Hiroyasu Nakamura
裕康 中村
Shunsaku Harie
俊策 針江
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Abstract

【課題】廃CFRPから工業的に実用可能な、高品位な再生炭素繊維を連続的に取り出せ、廃CFRPの熱分解のために必要とするエネルギーをできるだけ小さくできるとともに、廃CFRPのマトリックス樹脂の熱分解によって生じる未燃ガスによる爆燃を起こらなくすることができる再生炭素繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】ロータリーキルン1aのキルン本体3内を加熱バーナー6によってマトリックス樹脂の熱分解処理温度まで昇温するとともに、投入タイミングに合せて閉じた状態の投入口シャッターを開放して投入部4aから廃CFRP9aを投入し、キルン本体の出口側まで廃CFRPが搬送される間にマトリックス樹脂を熱分解して炭素繊維からなる熱分解処理残渣9bを得、熱分解処理残渣がキルン本体の排出口51bまできたとき、排出タイミングに合せて閉じた状態の排出口シャッター52を開放し、熱分解処理残渣を排出口から排出するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、再生炭素繊維の製造方法に関する。
高分子系の複合材料である炭素繊維強化プラスチック(以下、「CFRP」と記す)は、炭素繊維(CF)がマトリックス樹脂中に分散されていて、軽量である上、比強度や比剛性が高いため、身近なところでは、ゴルフシャフトやテニスラケット、釣竿などに幅広く利用されている。また、最近では大型航空機の翼や胴体など主要構造部材にも使用されている。
かかるCFRP製品は、たとえば、手編み法やRTM(レジントランスファーモールド)法や半硬化状態で提供されるプリプレグをホットプレスすることによって成形・製造される。
しかし、航空機の場合、安全性が非常に重要であるため、特に品質が第一に考えられるため、CFRPの歩留まりは50%と言われる。すなわち、トリミングのため、廃棄される部位も少なくない。また、型に合せて切断された、あるいは期限切れの硬化状態のプリプレグも廃棄される。
上記廃棄されるCFRP(以下、「廃CFRP」と記す)は、炭素繊維が通常の状態では不燃であるため、その最終廃棄処理は極めて面倒である。したがって、従来は破砕され、埋め立て処分されていた。
しかし、炭素繊維はその製造時に多くのエネルギーを消費するだけに、上記のように処分するのは、非常に無駄が多く、再利用が望まれている。
そこで、廃CFRPから再生炭素繊維を得る方法として、廃CFRPを高温不活性ガス雰囲気中に放置し、無酸素状態で廃CFRP中のマトリックス樹脂を熱分解する方法(たとえば、特許文献1)や、内部に予熱ゾーン、加熱ゾーン、冷却ゾーンを順に備え、予熱ゾーン側に設けられた導入口から冷却ゾーン側に設けられた排出口まで貫通するように、無端のメッシュベルトが配置されトンネル状をした電気炉内を有酸素雰囲気の状態で導入口からメッシュベルトを介して廃CFRPを電気炉内に導入し、導入された廃CFRPがメッシュベルトによって排出口まで搬送される間に廃CFRPのマトリックス樹脂を熱分解する方法(たとえば、特許文献2,3)が既に提案されている。
特開2005-307121号公報 特開2008-285600号公報 特開2008-285601号公報
しかしながら、特許文献1の方法の場合、800℃にも達する高温下で熱分解させた場合、得られる熱分解処理残渣(CFRP残材)に、炭素繊維以外にマトリックス樹脂を構成していた炭素(C)が多量に残り、この残った炭素が、熱分解処理残渣中の炭素繊維を互いにくっ付けてしまう。そのため、後工程で炭素繊維を一本一本解すことができず、塊状のものを多く含むものとなってしまう。したがって、上記方法では、再生炭素繊維(RCF)の回収歩留まりが悪いものとなってしまう。
また、燃焼を避ける程度の低/無酸素下でのマトリックス樹脂の熱分解は極めて時間を有する。しかも、連続的に処理しようとした場合、廃CFRPの投入、排出口からの空気の流入が避けられず、酸素濃度を緻密に制御することは難しい。加えて、高温・低酸素状態の未燃ガスが充満した炉中に酸素が流入した場合、急速な燃焼(=爆燃)も避けられず、時として炉の破損や、人身事故も起こる危険がある。
一方、特許文献2,3の方法の場合のように、有酸素雰囲気下で、熱分解温度を400℃以上にすれば、炭素(C)と酸素(O)で構成されるマトリックス樹脂の多くは、二酸化炭素(CO2)もしくは一酸化炭素(CO)となって炭素繊維表面から霧散する。したがって、熱分解完了後に残った熱分解処理残渣を解繊機械にかければ、うまく一本一本が解繊された状態の再生炭素繊維として取り出すことができる上、繊維強度の低下は小さい。また、熱分解温度を550℃以上にすれば、解繊機械を用いることなく、手もみによっても解繊できる。そして、800℃までなら酸化による炭素繊維表面の損傷も小さく、剛性低下も少ない。因みに、廃CFRPの電気炉を用いた高温雰囲気下での熱分解試験によれば、700℃、大気圧下(酸素濃度21重量%)でもバージン材(たとえば、東レ社製トレカT800 )の1/5〜1/3である700〜1000MPa程度の引張り強度を有する。
しかし、電気炉中、この条件で廃CFRPのマトリックス樹脂を安定的かつ連続的に熱分解することは難しい。すなわち、特許文献2,3のような電気炉中では、廃CFRP表面の、電気ヒーターから放射される熱線があたる部分が集中的に加熱され、廃CFRPの内部までなかなか加熱されない。その上、大気圧条件下(酸素濃度21重量%)では爆発の危険性さえ存在する熱分解ガスの急激な燃焼を避けることができない。そして、このような燃焼が始まれば、炉内の温度は急激に高くなり、900℃以上にも達し、得られる炭素繊維は、再生炭素繊維としての使用に性能を満足しないおそれがでてくる。
本発明は、上記事情に鑑みて、廃CFRPから工業的に実用可能な、高品位な再生炭素繊維を連続的に取り出せ、廃CFRPの熱分解のために必要とするエネルギーをできるだけ小さくできるとともに、廃CFRPのマトリックス樹脂の熱分解によって生じる未燃ガスによる爆燃を起こらなくすることができる再生炭素繊維の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる再生炭素繊維の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と記す)は、炭素繊維をマトリックス樹脂中に含む廃CFRPを加熱して、この廃CFRP中のマトリックス樹脂を熱分解処理し、処理後に残った炭素繊維を再生炭素繊維として得る再生炭素繊維の製造方法であって、ロータリーキルンの投入口側から筒状をしたキルン本体内に前記廃棄炭素繊維強化プラスチックを投入し、キルン本体内で前記廃棄炭素繊維強化プラスチックを転動させながらキルン本体の排出口側へ搬送する間に前記マトリックス樹脂を加熱分解処理することを特徴としている。
本発明の製造方法において、マトリックス樹脂としては、特に限定されないが、UP(不飽和ポリエステル)樹脂、EP(エポキシ)樹脂、PF(フェノール)樹脂、VE(ビニルエステル)樹脂等の熱硬化性樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂、及びPC(ポリカーボネート)樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明の製造方法において、マトリックス樹脂を加熱分解処理するとは、マトリックス樹脂が燃焼する以外に低分子の燃焼性ガスに分解されることを含む。
ロータリーキルンは、外燃式でも内燃式でも構わない。
本発明の製造方法は、特に限定されないが、キルン本体内でマトリックス樹脂の燃焼温度が800℃以下に抑止するように制御しながら加熱分解処理することが好ましい。
すなわち、有酸素雰囲気下で廃CFRPが10分以上800℃を超えた雰囲気に晒されると、再生炭素繊維の品質低下を招く恐れがある。また、加熱分解によって発生した未燃ガスがキルン本体内あるいは投入口や排出口付近で爆燃して作業者を危険にさらす恐れがある。
本発明の製造方法において、上記のように、燃焼温度を800℃以下に制御する方法としては、特に限定されないが、投入口や排出口からの空気の入り込みを制限してキルン内の酸素濃度を15%以下、好ましくは12.5%以下に保持する方法や、キルン本体内に空気等の冷却ガスや冷却水を必要に応じて供給する方法、これらを併用する方法などを用いることができる。
なお、冷却水を供給する方法としては、特に限定されないが、例えば、キルン本体内を臨むように噴霧ノズルを備えた冷却水配管を設け、噴霧ノズルから霧状にして噴霧する方法が挙げられる。
キルン本体内に投入される廃CFRPは、投入口を介してキルン本体内に投入できれば、その大きさは特に限定されない。したがって、投入口を通過しない大きなものに関しては、あらかじめ裁断または破砕して投入口を通過可能な大きさにしておく必要がある。
投入口の大きさは、特に限定されないが、その開口面積が、キルン本体を中心軸に直交する面で切断したキルン本体の内断面積の10〜70%が好ましく、20〜50%がより好ましい。すなわち、開口面積が小さすぎると、投入される廃CFRPの大きさを小さくせざるを得ず、再生炭素繊維の製造効率が悪くなるおそれがあり、開口面積が大きすぎると、投入口から大気が大量に入り込み、マトリックス樹脂の燃焼温度が必要以上に高温になる恐れや、投入口で未燃ガスが爆燃する恐れがある。
本発明の製造方法は、特に限定されないが、上記ロータリーキルンが、開閉自在な投入口シャッターを有し、前記キルン本体入口への廃CFRPの投入口と、開閉自在な排出口シャッターを有し、前記キルン本体出口まで送られてきた前記熱分解処理残渣を外部に排出する排出口と、前記キルン本体内を加熱する加熱バーナーとを備える内燃式であって、前記投入口からの廃CFRPの投入タイミングに合せて前記投入口シャッターを開放し、前記排出口からの熱分解処理残渣の排出タイミングに合せて前記排出口シャッターを開放する構成とすることが好ましい。
すなわち、上記構成とすれば、廃CFRPの投入口からの投入時あるいは熱分解処理残渣の排出口からの排出時以外、キルン本体内をほぼ閉空間とすることができるので、以下のようなより優れた効果を期待できる。
なお、投入口からの空気流入が少なく、廃CFRPが800度を超えない範囲で燃焼し、爆燃の発生する恐れがない場合、開閉自在なシャッターは除くことができる。排出口についても、その付近のキルン内酸素濃度が15%を超えることなく、爆燃の発生する恐れがない場合、開閉自在なシャッターは除いてもよい。
(1)キルン本体内の雰囲気を管理でき、廃CFRPから、剛性の劣化が小さい、工業的に実用可能な、高品位な再生炭素繊維を連続的に取り出すことができる。
(2)廃CFRPのマトリックス樹脂の熱分解のために必要とするエネルギーをできるだけ小さくすることができる。
(3)廃CFRPのマトリックス樹脂の熱分解によって生じる未燃ガスによる爆燃を防止することができ、作業員の安全を確保することができる。
本発明の製造方法は、特に限定されないが、上記ロータリーキルンを、キルン本体の中心軸が傾斜し、キルン本体の傾斜上端側が投入口を有する投入部に、傾斜下端側が排出口を有する排出部にそれぞれ前記中心軸周りに回転自在に支持され、前記投入部の内部空間および排出部の内部空間とキルン本体内とが連通するように形成するとともに、
前記キルン本体側から前記投入部の内部空間内に入り込んだガスを投入部の投入口より上方から排気する構成としてもよい。
すなわち、上記構成とすることによって、キルン本体内から投入部に入ったガス中に含まれる未燃ガスが投入口付近で爆燃することを回避でき、作業者の安全性をより高くすることができる。
また、ロータリーキルンには、必要に応じて、キルン本体内の酸素濃度を調整するためにキルン本体内に外気を供給する空気供給経路を設けるもようにしてもよい。
また、上記投入部は、キルン本体の傾斜上端側を回転自在に支持し上記内部空間を形成する繋ぎ筒と、一部に投入口を有するとともに、前記繋ぎ筒の筒中心より中心軸が下方にオフセットされた状態で一端部が前記繋ぎ筒内に臨むように設けられた筒状をした投入部本体とを備えている構成とすることが好ましい。
すなわち、上記構成とすることによって、回転するキルン本体内で廃CFRPが安定的に螺旋状に回転しながら搬送されるとともに、未燃ガスを含む排ガスが投入口から大気中に漏れ出ることを防止することができる。
また、本発明の製造方法は、投入部の投入口より上方に設けられた排気口から排気された未燃ガスをキルン本体外で燃焼させて燃焼熱を燃焼ガスとともにキルン本体内に送り、キルン本体内を加熱することが好ましい。
すなわち、キルン本体内の加熱するエネルギー効率を向上させることができる。
また、本発明の製造方法は、50℃以下かつ酸素濃度が15%以下の人体に無害な冷却ガスを排出部の内部空間に供給し、前記内部空間内で熱分解処理残渣を冷却するとともに、少なくとも排出口近傍をロータリーキルン外より正圧にする構成としてもよい。
すなわち、上記冷却ガスによって、排出口近傍を温度が低く燃焼しにくい雰囲気にするとともに、熱分解処理残渣をロータリーキルン外に排出する際に排出口から空気の入り込みを防止して、排出口近傍での爆燃を防止して、作業者の安全性をより高くすることができる。
上記冷却ガスとしては、特に限定されないが、コスト面を考慮すると、上記排気口から排気された未燃ガスをキルン本体外で燃焼させて得られた完全燃焼ガスおよび前記未燃ガスとともに前記排気口から排気された完全燃焼ガスを用いることが好ましい。
本発明の製造方法は、上記加熱バーナーを、キルン本体内の廃CFRPに、炎が直接当たらない位置に設けることが好ましい。
すなわち、炎が廃CFRPに直接あたると、廃CFRPが必要以上に加熱されて再生炭素繊維の品質低下を招くおそれがある。
なお、加熱バーナーによる加熱は、キルン本体内の廃CFRPの燃焼温度にあわせてON―OFFさせてもよい。
すなわち、先にキルン本体内で自燃状態になった廃CFRPの燃焼熱によってキルン本体内が加熱されて加熱バーナーによる加熱が不要になる場合がある。
また、本発明の製造方法においては、固形燃料をキルン本体内で燃焼させてキルン本体内を加熱処理温度まで昇温したのち、廃CFRPをキルン本体内に投入するようにしてもよい。
すなわち、キルン本体を処理温度まで速く加熱することができる。
なお、本発明の製造方法において、熱分解処理残渣排出口から排出された熱分解処理残渣は、通常、塊状になっているので、塊を手でほぐす、あるいは、カード機や解繊機にかけて一本一本に解いて再生炭素繊維とする。
本発明の製造方法で得られる再生炭素繊維は、特に限定されないが、たとえば、以下のようなものに利用できる。
(a)高分子系バインダーと混織された不織布
(b)紙漉き技術により製造される不織布
(c)PAやABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂など、熱可塑性エンジニアリングプラスチックスの射出成形用ペレットの強化材
(d)紙漉き技術により製造される不織布を用いたSMC(シートモールディングコンパウンド)
(e)解繊工程で得られる、長さ1mm以下の短繊維を用いたBMC(バルクモールディングコンパウンド)
本発明の製造方法は、以上のように、炭素繊維をマトリックス樹脂中に含む廃棄炭素繊維強化プラスチックを加熱して、この廃棄炭素繊維強化プラスチック中のマトリックス樹脂を熱分解処理し、処理後に残った炭素繊維を再生炭素繊維として得る再生炭素繊維の製造方法であって、ロータリーキルンの投入口側から筒状をしたキルン本体内に前記廃棄炭素繊維強化プラスチックを投入し、キルン本体内で前記廃棄炭素繊維強化プラスチックを転動させながらキルン本体の排出口側へ搬送する間に前記マトリックス樹脂を加熱分解処理するようにしたので、廃CFRPが全周からほぼ均一に近い状態で加熱される。したがって、廃CFRPの表面だけではなく内部まで迅速に加熱して安定した熱分解状態を維持することができる。
本発明の製造方法の第1の実施の形態に用いる内燃式ロータリーキルンの概略説明図である。 図1の内燃式ロータリーキルンを投入部側から見た図である。 本発明の製造方法の第2の実施の形態に用いる内燃式ロータリーキルンの概略説明図である。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明の製造方法の第1の実施の形態に用いる再生炭素繊維製造装置を模式的にあらわしている。
図1に示すように、この再生炭素繊維製造装置Aは、内燃式ロータリーキルン1a、搬送コンベアー2を備えている。
内燃式ロータリーキルン1aは、キルン本体3と、投入部4aと、排出部5とを備えている。
キルン本体3は、回転軸である中心軸3cが傾斜し、この中心軸3cを中心にして回転するように、架台30,30によって回転自在に支持されている。
また、キルン本体3の傾斜上端側には、加熱バーナー6が、その炎噴出し口を後述する投入部本体42より上方に配置した状態で、投入部4aの繋ぎ筒41を貫通して設けられている。
加熱バーナー6は、後述する投入部本体42の上方位置で、すなわち、その先端の炎噴出し口から出る炎がキルン本体3内に投入された廃CFRP9aに直接当たらない位置に配置されている。
加熱バーナー6の燃料は、天然ガスなどの気体燃料や重油などの液体燃料が用いられる。
投入部4aは、繋ぎ筒41と、投入部本体42とを備えている。
繋ぎ筒41は、キャップ状をしていて、キルン本体3の傾斜上端側が中心軸3cを中心に回転可能に嵌り込んでいる。
すなわち、キルン本体3と繋ぎ筒41の内部空間41aとは連通した状態になっている。
また、繋ぎ筒41は、その上端に内部空間41aと連通する排気口41bを備えている。
投入部本体42は、キルン本体3より小径で、一端が開放され、他端が蓋部42aで閉じられた有底筒状をしている。
そして、投入部本体42は、蓋部42a側が投入部本体42より外側に突出し、開放端側が内部空間41内を介してキルン本体3内を臨むとともに、筒の中心軸がキルン本体3の中心軸3cより下側にオフセットされた状態となるように設けられている。すなわち、投入部本体42は、廃CFRP9aが、投入部本体42からキルン本体3の加熱バーナー6の炎が直接当たらない位置に,常に投入できる。また、排ガスが投入口44から排出されることが防止される。
投入部本体42は、突き出し具43と、図2に示す投入口44とを備えている。
突き出し具43は、蓋部42aを貫通して外部に突出する突き出し棒43aを操作することによって、作用部43bがキルン本体3側に進退するようになっている。
投入口44は、投入部本体42の筒の側壁面に設けられていて、開閉自在なシャッター44aを備えている。
排出部5は、排出部本体51と、シャッター52とを備えている。
排出部本体51は、下方に排出口51bを備えた筒状をしていて、キルン本体3の傾斜下端が、筒の上端側壁面を貫通し、内部空間51a内に臨み、中心軸3cを中心に回転可能に嵌り込んでいる。
シャッター52は、排出口51bを下方から閉鎖するとともに、熱分解処理残渣9bが排出部本体51内に一定レベル以上貯まると開放されて、一定レベル以下(0を含む)になると閉鎖状態に戻るように設けられている。
なお、レベルは、図示していないが、例えば、耐熱性を備えた光学センサーを排出部本体51に設けることで検出することができる。
搬送コンベアー2は、搬送面が排出口51bを下方から臨み、排出口51bから排出された熱分解処理残渣9bを受けて、解繊機等に搬送するようになっている。
また、この再生炭素繊維製造装置Aは、アフターバーナー7aと、燃焼ガス供給配管7bと、クーラー7cと、水噴霧配管7dと、冷却空気供給配管7eとを備えている。
アフターバーナー7aは、排気口41bに接続されていて、排気口41bから排気された未燃ガスを完全燃焼させるようになっている。
燃焼ガス供給配管7bは、一端がアフターバーナー7aに接続され、他端が排出部本体51を貫通して、キルン本体3の傾斜下端側でキルン本体3の内部に臨んでいる。
また、燃焼ガス供給配管7bは、アフターバーナー7a近傍で第1バルブ71を介して排気筒71aに分岐接続されているとともに、中間部で第2バルブ72を介して、不活性ガス供給配管73に分岐されている。
不活性ガス供給配管73は、中間部にクーラー7cを備えているとともに、先端部が排出部本体51内に臨んでいる。
第1バルブ71および第2バルブ72は、三方弁になっている。
水噴霧配管7dは、排出部本体51を介して噴霧部がキルン本体3内に臨み、必要に応じて、水をキルン本体3内に細かい霧状にして噴霧できるようになっている。
冷却空気供給配管7eは、排出部本体51を介して供給口が、キルン本体3内に臨み、必要に応じて冷却空気をキルン本体3内に供給できるようになっている。
次に、上記再生炭素繊維製造装置Aを用いた再生炭素繊維の製造方法の一例をその工程順に説明する。
(1)加熱バーナー6を用いて、キルン本体3内を、平均酸素濃度(キルン本体3の中央部と排出口側端部での測定データの平均)が12.5%以下の雰囲気に保ちながら熱分解処理温度まで昇温する。
なお、このとき、第1バルブ71および第2バルブ72を操作して排気口41bを介して排気された高温の燃焼ガスが、燃焼ガス供給配管7bを介してキルン本体3内に供給されるようにしておく。すなわち、燃焼ガスの廃熱がキルン本体3内に入り込んで、昇温が早まるようにしておく。
熱分解処理温度は、廃CFRP9aがキルン本体3の入口からキルン本体3の全長の1/3〜1/2位置まで送られてきたときに、廃CFRP9が自燃を始め、キルン本体3の出口に達したときに安定的に熱分解が持続する状態となっているように設定され、マトリックス樹脂の種類や炭素繊維の配合割合等によって適宜決定されるが、550℃〜600℃とすることが好ましい。
(2)昇温後、第2バルブ72を切り替え、完全燃焼ガスが50℃以下になるようにクーラー7cで冷却したのち、排出部本体51内に供給されるようにするとともに、アフターバーナー7aを点火する。
なお、完全燃焼ガスは、排出部本体51内がロータリーキルン1a外の大気圧より正圧となるように排出部本体51内に供給される。
(3)投入タイミングにあわせて閉じられた状態の投入口シャッター44aを開放状態とし、廃CFRP9aを投入部本体42内に投入する。
(4)廃CFRP9aの投入部本体42内への投入完了後、直ちに投入口シャッター44aを閉じる。
(5)突き出し具43の突き出し棒43aを操作して、廃CFRP9aを投入部本体42側からキルン本体3方向に突き出して、キルン本体3内に廃CFRP9aを投入する。
投入された廃CFRP9aは、キルン本体3の回転に伴って、キルン本体3の出口側(排出部5側)に向かって搬送される間にキルン本体3内で熱分解処理温度まで加熱され、マトリックス樹脂が熱分解処理され、キルン本体3の出口側に達した時点では、マトリック樹脂が分解処理されて、ほぼ炭素繊維のみからなる塊状をした熱分解処理残渣9bとなる。
なお、キルン本体3内では、加熱バーナー6の炎が廃CFRP9aに直接当たらないので、マトリックス樹脂は、加熱バーナー6の炎によって、熱分解処理温度を超える高温になって燃え上がることがない。
(6)キルン本体3出口まで達した熱分解処理残渣9bを排出部本体51内に落とし込むとともに、排出部本体51内に熱分解処理残渣9bが落とし込まれて排出部本体51内に一定レベル以上の熱分解処理残渣9bが貯まると、不活性ガス配管73から排出部本体51内に不活性ガスを供給すると同時に閉じられた状態の排出口シャッター52を開放状態とし、排出口51bを介して内燃式ロータリーキルン1a外に排出して搬送コンベアー2上に受けさせる。
(7)貯まっていた熱分解処理残渣9bが搬送コンベアー2上に受けられると同時に排出口シャッター52を閉じる。
(8)搬送コンベアー2に受けられた熱分解処理残渣9bを解繊機等に搬送し、塊をほぐしてほぼ1本1本の繊維(素線)に分離された再生炭素繊維を得る。
なお、搬送コンベアー2に受けられた熱分解処理残渣9bは、その温度が80℃を超えている
場合、80℃以下に空冷された後、解繊機により素線化される。
この再生炭素繊維の製造方法は、以上のように構成されているので、以下のような効果を備えている。
(1)廃CFRP9aがキルン本体3内を転動搬送されるので、廃CFRP9aのサイズが大きい場合においても、表面から内部にかけて部位の違いによる熱分解温度の差が少なくなる。したがって、均質かつ長繊維の再生炭素繊維を得ることができる。特に廃CFRP9aがキルン本体3内で自燃状態になった際にその効果が大きくなる。
(2)廃CFRP9aの投入口44からの投入時あるいは熱分解処理残渣9bの排出口51bからの排出時以外、キルン本体3内をほぼ閉空間とすることができる。
すなわち、キルン本体3内の雰囲気を緻密に管理できるので、廃CFRP9aから、剛性の劣化は小さい、工業的に実用可能な、高品位な再生炭素繊維を連続的に安定して取り出すことができる。
また、廃CFRP9aのマトリックス樹脂の熱分解のために必要とするエネルギーをできるだけ小さくすることができる。
(3)廃CFRP9aのマトリックス樹脂の熱分解によってキルン本体3内で発生する未燃ガスを、繋ぎ筒41の排気口41bから排気するようにしたので、投入口44での未燃ガスの急速な燃焼による爆燃を防止することができ、作業員の安全を確保することができる。
(4)排気口41bから排出された未燃ガスをアフターバーナー7aで完全燃焼させるようにしたので、環境にやさしい。
(5)キルン本体3内の燃焼ガスをキルン本体3内に再び戻すようにしたので、燃焼熱を有効利用することができ、エネルギーコストを低減できる。
(6)キルン本体3内で発生する未燃ガスをアフターバーナー7aで完全燃焼させたガスおよびキルン本体3内で発生する完全燃焼ガスを不活性ガスとして用いたので、別途不活性ガスを用意する必要がなく、低コスト化を図ることができる。
(7)排出部本体51内を大気圧より正圧としたので、排出口51bを開放しても酸素を含む外気が排出部本体51内に入り込まない。すなわち、もし、万一、排出部本体51内に未燃ガスが残っていても、排出部本体51内で未燃ガスの急速な燃焼による爆燃を防止することができ、作業員の安全を確保することができる。
なお、図1中、33はキルン本体3内の温度を測定する温度測定装置(たとえば、熱電対)である。
(8)シャッター52が開放されるタイミングに合わせて不活性ガス配管73から排出部本体51内に不活性ガスが供給されるので、排出口51bからキルン本体3側へ不必要に空気がはいるのをより防止することができる。
図3は、本発明の製造方法の第2の実施の形態に用いる再生炭素繊維製造装置を模式的にあらわしている。
図3に示すように、この再生炭素繊維製造装置Bは、内燃式ロータリーキルン1bが、以下に説明する点で上記再生炭素製造装置Aの内燃式ロータリーキルン1aと相違し、その他の点では、上記再生炭素繊維製造装置Aと基本的に同じ構成をしている。したがって、上記再生炭素繊維製造装置Aと同じ構成部分は、再生炭素繊維製造装置Aと同じ符号を付し、説明を省略する。
すなわち、図3に示すように、この内燃式ロータリーキルン1bは、投入部本体46が本体の後端に投入口46aを備え、この投入口46aがシャッター46bを備えるとともに、投入部本体46に突き出し具44が設けられていない点で、内燃式ロータリーキルン1aと相違する。
なお、投入口46aは、キルン本体3の内断面の10〜50%(好ましくは15〜20%)の開口面積を備えている。
また、この内燃式ロータリーキルン1bは、燃焼ガス供給配管7fが排気口41bに直接接続され、排気筒74が燃焼ガス供給配管7fの排気口41bの近傍に設けられた三方バルブ73を介して燃焼ガス供給配管7fに分岐接続されていて、アフターバーナー7aが排気筒74の中間部に設けられている点で、内燃式ロータリーキルン1aと相違する。
さらに、この内燃式ロータリーキルン1bは、クーラー7cおよび水噴霧配管7dが設けられていない点で、内燃式ロータリーキルン1aと相違する。
なお、図3中、7gは冷却空気供給配管である。
つぎに、この再生炭素繊維製造装置Bを用いた再生炭素繊維の製造方法の一例を説明する。
この製造方法は、図3に示すように、キルン本体3の出口側に火のついた固形燃料Fおよび廃CFRP9aを投入し、固形燃料Fによって廃CFRP9aを自燃させて、キルン本体3内を加熱するとともに、加熱バーナー6を点火するようになっているとともに、昇温後、三方バルブ73を切り替えて、未燃ガスをアフターバーナー7aで燃焼させて大気中に放出させ、完全燃焼ガスを不活性ガスとして排出部本体51内に供給しない以外は、上記再生炭素繊維製造装置Aを用いた再生炭素繊維の製造方法とほぼ同じになっている。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、排出部本体51の排出口51aを開閉するシャッター52を設けていたが、このシャッター52とともに、排出部本体51内を上下に仕切る仕切りシャッターを別途設け、この仕切りシャッター上に熱処理済み廃CFRP9bが一定レベル以上貯まると、仕切りシャッターが開放されて、貯まった熱処理済み廃CFRP9bをシャッター52上に落とし、仕切りシッターが再び閉じた後に、シャッター52が開放されるようにしてもよい。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と対比させて説明する。
(実施例1)
キルン本体3が、以下のような構成となった図1に示すようなロータリーキルン1aを用いて以下の条件で再生炭素繊維を製造した。
〔キルン本体〕
内径30cm、長さ220cm、傾斜角15度
〔製造条件〕
廃CFRP:1cmの厚さの炭素繊維入りプリプレグ(マトリックス樹脂は不飽和ポリエステル樹脂)を重ね合わせて成形した角材(カーボン繊維体積含有率= 65 %)から10cm (幅)× 20cm (高さ)× 長さ10cmに切り出したもの
キルン本体内の熱処理温度:500℃
キルン本体の回転速度:15rpm
廃CFRPのキルン本体内滞留時間:25分
キルン本体内の平均酸素濃度: 11%
キルン本体内投入口酸素濃度: 13%
上記製造条件で排出口から排出された熱分解処理残渣は、不完全ではあるが、上記プリプレグの接合界面で層分離した状態になっていた。しかし、完全に層分離させるには、手作業による補助が必要であった。また、マトリックス樹脂未燃残渣がある程度残っており、通常のピンローラ式解繊機((有)竹内製作所製)を用いて解繊したところ、解繊には大きな力を必要とした。ただし、回収できた再生炭素繊維は、バージン材の80%以上の強度を有するものであった。
(実施例2)
キルン本体内の熱処理温度を550℃、キルン本体の回転速度を20rpm、廃CFRPのキルン本体内滞留時間を20分とした。
キルン本体内の平均酸素濃度: 13%
キルン本体内投入口酸素濃度: 18%
以外は、実施例1と同様にして再生炭素繊維を製造した。
排出口から排出された熱分解処理残渣は、実施例1のものより層分離が進んでいた。しかし、マトリックス樹脂未燃残渣が実施例1のものに比べ少ないものの残っており、完全に層間剥離するには、少し手作業による補助が必要であった。
また、熱分解処理残渣を、上記ピンローラ式解繊機を用いて解繊したところ、容易に10cm以上の再生炭素繊維が回収できた。回収できた再生炭素繊維は、バージン材の40%以上の強度を有するものであった。
(実施例3)
キルン本体内の熱処理温度を600℃とした以外は、実施例2と同様にして再生炭素繊維を製造した。
排出口から排出された熱分解処理残渣は、実施例2のものより層分離が進んでおり、手で容易に層間剥離できた。また、マトリックス樹脂未燃残渣は実施例2のものに比べ少ないものの少し残っていた。
また、熱分解処理残渣を、上記ピンローラ式解繊機を用いて解繊したところ、15cm以上の再生炭素繊維が容易に回収できた。回収できた再生炭素繊維は、バージン材の30%以上の強度を有するものであった。
(実施例4)
キルン本体内の熱処理温度を700℃、キルン本体の回転速度を25rpm、廃CFRPのキルン本体内滞留時間を15分とした以外は、実施例2と同様にして再生炭素繊維を製造した。
排出口から排出された熱分解処理残渣は、実施例3のものよりさらに層分離が進んでおり、マトリックス樹脂未燃残渣は幾らか認められるが、自然に層間剥離した。
また、熱分解処理残渣を、上記ピンローラ式解繊機を用いて解繊したところ、5cm以上の再生炭素繊維が容易に回収できた。回収できた再生炭素繊維は、バージン材の25%以上の強度を有するものであった。
(比較例1)
実施例1と同様に廃CFRPを初期温度が500℃に保持された電気炉(50cm×50cm×50cm )内に投入したところ、マトリックス樹脂の熱分解により 、未燃ガスが大量に発生し、空気(酸素)の遮断が無いので、10分後にマトリックス樹脂に着火して廃CFRPが自燃状態となり、その結果熱分解温度の制御ができず、炉内温度は 850℃ 以上に上昇した。25分後熱分解処理残渣を炉内から取り出し、熱分解処理残渣を、上記ピンローラ式解繊機を用いて解繊したところ、回収できた再生炭素繊維は、バージン材の20%以下の強度しかなかった。解繊された再生炭素繊維の長さも20mm以下が90%以上となった。
(比較例2)
廃CFRPを初期温度が600℃に保持された比較例1と同様に電気炉内に投入したところ、マトリックス樹脂の熱分解により 、未燃ガスが大量に発生し、空気(酸素)の遮断が無いので、5分後にマトリックス樹脂に着火して廃CFRPが自燃状態となり、その結果熱分解温度の制御ができず、炉内温度は 850℃ 以上に上昇した。20分後熱分解処理残渣を炉内から取り出し、熱分解処理残渣を、上記ピンローラ式解繊機を用いて解繊したところ、回収できた再生炭素繊維は、バージン材の20%以下の強度しかなかった。解繊された再生炭素繊維の長さも20mm以下が90%以上となった。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、加熱バーナーの炎がキルン本体内の廃CFRPに直接当たらないようになっていたが、短時間であれば、炭素繊維の特性をそれほど損なうことがないので、一時的にあたるような構造であっても構わない。
また、上記の実施の形態では、ロータリーキルンが内燃式であったが、外燃式のものを用いることも可能である。また、外燃式ロータリーキルンを用いる場合、加熱手段は電熱式でよい。
A,B 再生炭素繊維製造装置
1a,1b 内燃式ロータリーキルン
2 搬送コンベアー
3 キルン本体
3c 中心軸(キルン本体3)
30 架台
33 温度測定装置
4a,4b 投入部
41 繋ぎ筒
41a 内部空間
41b 排気口
42 投入部本体
42a 蓋部
43 突き出し具
43a 突き出し棒
43b 作用部
44 投入口
44a シャッター
46 投入部本体
46a 投入口
46b シャッター
5 排出部
51 排出部本体
51a 内部空間
51b 排出口
52 シャッター
6 加熱バーナー
7a アフターバーナー
7b 燃焼ガス供給配管
7c クーラー
7d 水噴霧配管
7e 冷却空気供給配管
7f 燃焼ガス供給配管
7g 冷却空気供給配管
71 第1バルブ
71a 排気筒
72 第2バルブ
73 不活性ガス供給配管
74 三方バルブ
75 排気筒
9a 廃CFRP
9b 熱分解処理残渣

Claims (10)

  1. 炭素繊維をマトリックス樹脂中に含む廃棄炭素繊維強化プラスチックを加熱して、この廃棄炭素繊維強化プラスチック中のマトリックス樹脂を熱分解処理し、処理後に残った炭素繊維を再生炭素繊維として得る再生炭素繊維の製造方法であって、
    ロータリーキルンの投入口側から筒状をしたキルン本体内に前記廃棄炭素繊維強化プラスチックを投入し、キルン本体内で前記廃棄炭素繊維強化プラスチックを転動させながらキルン本体の排出口側へ搬送する間に前記マトリックス樹脂を加熱分解処理することを特徴とする再生炭素繊維の製造方法。
  2. キルン本体内でマトリックス樹脂の燃焼温度が800℃以下に抑止するように制御しながら加熱分解処理する請求項1に記載の再生炭素繊維の製造方法。
  3. 上記ロータリーキルンが、
    開閉自在な投入口シャッターを有し、前記キルン本体入口への廃棄炭素繊維強化プラスチックの投入口と、
    開閉自在な排出口シャッターを有し、前記キルン本体出口まで送られてきた前記熱分解処理残渣を外部に排出する排出口と、
    前記キルン本体内を加熱する加熱バーナーと、を備える内燃式であって、
    前記投入口からの廃棄炭素繊維強化プラスチックの投入タイミングに合せて前記投入口シャッターを開放し、前記排出口からの熱分解処理残渣の排出タイミングに合せて前記排出口シャッターを開放する請求項1または請求項2に記載の再生炭素繊維の製造方法。
  4. 上記ロータリーキルンを、キルン本体の中心軸が傾斜し、キルン本体の傾斜上端側が投入口を有する投入部に、傾斜下端側が排出口を有する排出部にそれぞれ前記中心軸周りに回転自在に支持され、前記投入部の内部空間および排出部の内部空間とキルン本体内とが連通するように形成するとともに、
    前記キルン本体側から前記投入部の内部空間内に入り込んだガスを投入部の投入口より上方から排気する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の再生炭素繊維の製造方法。
  5. 上記投入部が、キルン本体の傾斜上端側を回転自在に支持し上記内部空間を形成する繋ぎ筒と、
    一部に投入口を有するとともに、前記繋ぎ筒の筒中心より中心軸が下方にオフセットされた状態で一端部が前記繋ぎ筒内に臨むように設けられた筒状をした投入部本体と
    を備えている請求項4に記載の再生炭素繊維の製造方法。
  6. 上記投入口より上方に設けられた排気口から排気された未燃ガスをキルン本体外で燃焼させて燃焼熱を燃焼ガスとともにキルン本体内に送り、キルン本体内を加熱する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の再生炭素繊維の製造方法。
  7. 50℃以下かつ酸素濃度が15%以下の人体に無害な冷却ガスを排出部の内部空間に供給し、前記内部空間内で熱分解処理残渣を冷却するとともに、少なくとも排出口近傍をロータリーキルン外より正圧にする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の再生炭素繊維の製造方法。
  8. 上記冷却ガスが、上記排気口から排気された未燃ガスをキルン本体外で燃焼させて得られた完全燃焼ガスおよび前記未燃ガスとともに前記排気口から排気された完全燃焼ガスである請求項7に記載の再生炭素繊維の製造方法。
  9. 上記加熱バーナーを、キルン本体内の廃棄炭素繊維強化プラスチックに、炎が直接当たらない位置に設ける請求項3〜請求項8のいずれかに記載の再生炭素繊維の製造方法。
  10. 固形燃料をキルン本体内で燃焼させてキルン本体内を加熱処理温度まで昇温したのち、廃棄炭素繊維強化プラスチックをキルン本体内に投入する請求項1〜請求項9のいずれかに記載の再生炭素繊維の製造方法。
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