JP6666727B2 - 再生ロータリーキルン - Google Patents

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Description

本発明は、炭素繊維強化樹脂から炭素繊維を回収する再生ロータリーキルンに関する。
炭素繊維強化樹脂(Carbon Fiber Reinforced Plastic 以下、適宜、「CFRP」と称す)は、マトリックス樹脂と炭素繊維とを備えている。炭素繊維は、マトリックス樹脂に分散されている。CFRPは、軽量かつ高強度である。このため、CFRPは、航空機、自動車、鉄道車両、その他産業用機械等、様々な用途に利用され、需要が拡大している。したがって、CFRPの生産工程で生じる端材や、CFRP使用後の廃棄物が、増加している。現在、CFRPの端材や廃棄物は、埋立処分などにより処理されている。しかしながら、今後、CFRPの需要が増大する場合、端材や廃棄物の処理が大きな課題となることが想定される。例えば、現在行われている埋立処分の場合、埋立地の確保や埋立費用などが課題となる。
CFRPのマトリックス樹脂は、過熱水蒸気により分解(加水分解、熱分解)される。分解により、マトリックス樹脂からは、可燃性のガスが生成される。特許文献1には、CFRPの廃棄物のマトリックス樹脂をガス化すると共に、廃棄物から炭素繊維を回収する方法が開示されている。同文献記載の方法によると、廃棄物を減容することができる。また、同文献記載の方法によると、マトリックス樹脂から生成するガスの燃焼熱で処理管を加熱することにより、CFRPの加熱コストを削減することができる。
特開2013−199607号公報
しかしながら、同文献記載の回収方法の場合、処理管の内部において、廃棄物が塊状になりやすかった。すなわち、処理管の内部においては、廃棄物中のマトリックス樹脂のガス化に伴って、炭素繊維が表出してくる。同文献記載の回収方法の場合、当該炭素繊維が絡み合うことにより、廃棄物が塊状化しやすかった。塊状の廃棄物は、表層部と芯部とを備えている。表層部は、主に、絡み合った炭素繊維により形成されている。一方、芯部は、絡み合った炭素繊維に加えて、当該炭素繊維間に介在するマトリックス樹脂を含んでいる。芯部には、表層部を介して、熱が伝わることになる。したがって、芯部においては、マトリックス樹脂の分解が進行しにくかった。並びに、芯部においては、炭素繊維の改質が進行しにくかった。よって、廃棄物の処理時間が長かった。また、未改質の炭素繊維が、改質済みの炭素繊維と共に、処理管から排出されやすかった。よって、回収後の炭素繊維の品質に、むらが発生しやすかった。そこで、本発明は、被処理物の塊状化を抑制可能な再生ロータリーキルンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の再生ロータリーキルンは、軸周りに回転可能であって、マトリックス樹脂と炭素繊維とを有する炭素繊維強化樹脂製の被処理物を内部で加熱することにより、前記被処理物から前記炭素繊維を抽出する管体と、前記管体に配置され、内周面から径方向内側に突出する複数のピンと、を備えることを特徴とする。
本発明の再生ロータリーキルンによると、被処理物の塊状化を抑制することができる。また、塊状化した被処理物を解きほぐすことができる。
本発明の一実施形態である再生ロータリーキルンの軸方向断面図である。 図1の炉心管の加熱区間に対応する部分の拡大図である。 (a)は、ピンが炭素繊維を持ち上げる前の状態における炉心管の径方向断面図である。(b)は、ピンが炭素繊維を持ち上げた後の状態における炉心管の径方向断面図である。 (a)は、ピンが被処理物を引き裂く前の状態おける炉心管の径方向断面図である。(b)は、ピンが被処理物を引き裂いた後の状態における炉心管の径方向断面図である。 (a)は、ピンが被処理物を引き裂く前の状態における炉心管の径方向断面図である。(b)は、ピンが被処理物を引き裂いた後の状態における炉心管の径方向断面図である。 (a)は、撹拌羽根が炭素繊維を持ち上げる前の状態における炉心管の径方向断面図である。(b)は、撹拌羽根が炭素繊維を持ち上げた後の状態における炉心管の径方向断面図である。 (a)〜(d)は、その他の実施形態(その1〜その4)の再生ロータリーキルンの炉心管のピン付近の径方向断面図である。 (a)〜(d)は、その他の実施形態(その5〜その8)の再生ロータリーキルンのピンの径方向断面図である。
[再生ロータリーキルンの構成]
まず、本実施形態の再生ロータリーキルンの構成について説明する。図1に、本実施形態の再生ロータリーキルンの軸方向(前後方向)断面図を示す。図1に示すように、再生ロータリーキルン1は、過熱水蒸気供給部2と、管体3と、燃焼部4と、ガス供給部5と、回収部6と、供給部7と、前後二対のローラ90と、を備えている。
(燃焼部4)
燃焼部4は、外壁40と、断熱材41と、燃焼室43と、複数のバーナ44と、複数の空気供給管45と、排気孔47と、を備えている。外壁40は、箱状を呈している。断熱材41は、外壁40の内側に積層されている。燃焼室43は、断熱材41の内部に区画されている。複数のバーナ44および複数の空気供給管45は、燃焼室43に配置されている。バーナ44には、燃料ガス(例えばプロパンガス)と空気とが供給される。空気供給管45には、空気が供給される。排気孔47は、燃焼部4と外部とを連通している。
(管体3、ローラ90)
管体3は、炉心管30と、前後一対のタイヤ31と、複数の接続管32と、を備えている。炉心管30は、円筒状を呈している。炉心管30は、略水平に配置されている。炉心管30は、前側(後述する被処理物10の搬送方向における上流側)から後側(後述する被処理物10の搬送方向における下流側)に向かって下がる方向に、傾斜している。炉心管30は、燃焼部4を前後方向(軸方向)に貫通している。炉心管30のうち、燃焼室43に露出している部分の内部(径方向内側)には、加熱区間Aが設定されている。
図2に、図1の炉心管の加熱区間に対応する部分の拡大図を示す。図2に示すように、炉心管30の加熱区間Aに対応する部分の内周面には、複数のピン300が配置されている。複数のピン300は、前後方向に一列に並んでいる。複数のピン300は、全体として櫛状を呈している。ピン300は、同径円柱状を呈している。ピン300は、内周面から径方向内側に突出している。
複数の接続管32は、各々、L字状を呈している。接続管32は、炉心管30の側周壁を貫通している。接続管32の一端(図1に示すガス10Gの流動方向における上流端)は、炉心管30の径方向中心に配置されている。接続管32の一端は、後向きに開口している。接続管32の他端(図1に示すガス10Gの流動方向における下流端)は、炉心管30の径方向外側に配置されている。接続管32の他端は、燃焼室43に開口している。接続管32の内部には、通路320が配置されている。通路320は、加熱区間Aと燃焼室43とを連結している。
図1に示すように、前後一対のタイヤ31は、加熱区間Aを挟んで、炉心管30の前端部と後端部とに環装されている。前側のタイヤ31は、前側の左右一対のローラ90に、転動可能に載置されている。後側のタイヤ31は、後側の左右一対のローラ90に、転動可能に載置されている。前後一対のタイヤ31が転動することにより、炉心管30つまり管体3は、複数のピン300と共に、自身の軸周りに回転可能である。
(供給部7)
供給部7は、スクリューフィーダ70と、ホッパ71と、切断機72と、上流端カバー73と、を備えている。切断機72は、本発明の「切断部」の概念に含まれる。上流端カバー73は、炉心管30の前端部を、炉心管30の回転を確保しながら、覆っている。スクリューフィーダ70は、前後方向に延在している。スクリューフィーダ70の後端(被処理物10の搬送方向における下流端)は、管体3の内部に挿入されている。ホッパ71は、スクリューフィーダ70の前端部に、上側から接続されている。切断機72は、ホッパ71の前側(被処理物10の搬送方向における上流側)に連なっている。
(ガス供給部5、過熱水蒸気供給部2、回収部6)
ガス供給部5は、ガス供給管50を備えている。ガス供給管50は、上流端カバー73を貫通している。過熱水蒸気供給部2は、過熱水蒸気供給管20を備えている。過熱水蒸気供給管20は、上流端カバー73を貫通している。
回収部6は、タンク60と、下流端カバー61と、配管62と、サイクロンフィルタ63と、配管64と、長繊維タンク65と、バグフィルタ66と、短繊維タンク67と、ブロワ68と、を備えている。
下流端カバー61は、炉心管30の後端部を、炉心管30の回転を確保しながら、覆っている。タンク60は、下流端カバー61の下側に連なって配置されている。サイクロンフィルタ63は、配管62を介して、タンク60の下流側(炭素繊維10Sの搬送方向における下流側)に連なっている。長繊維タンク65は、サイクロンフィルタ63の下端開口(炭素繊維(長繊維)10Saの搬出側)に連なっている。バグフィルタ66は、配管64を介して、サイクロンフィルタ63の上端開口(炭素繊維(短繊維)10Sbの搬出側)に連なっている。バグフィルタ66は、濾布66aを備えている。短繊維タンク67は、バグフィルタ66の下端開口(濾布66aの上流側。炭素繊維(短繊維)10Sbの搬出側)に連なっている。ブロワ68は、バグフィルタ66の上端開口(濾布66aの下流側)に連なっている。
長繊維タンク65、短繊維タンク67には、各々、蓋付きの開口部(図略)が配置されている。作業者は、当該開口部を介して、長繊維タンク65から炭素繊維10Saを、短繊維タンク67から炭素繊維10Sbを、各々抜き出す。
[再生ロータリーキルンの炭素繊維回収時の動き]
次に、本実施形態の再生ロータリーキルンの炭素繊維回収時の動きについて説明する。図1に示すように、再生ロータリーキルン1は、CFRP製の被処理物10を、マトリックス樹脂からなる可燃性のガス10Gと、炭素繊維10Sと、に分離することができる。このうち、炭素繊維10Sは回収される。また、ガス10Gは、再生ロータリーキルン1において、被処理物10を加熱するために使用される。
まず、再生ロータリーキルン1を起動する。具体的には、複数のバーナ44に、燃料ガス、空気を供給し点火する。すなわち、燃焼室43を加熱する。また、スクリューフィーダ70、切断機72を駆動する。また、炉心管30を、モータ(図略)により、自身の軸周りに回転させる。
また、ガス供給管50から、炉心管30の前端開口(被処理物10の搬送方向における上流端開口)を介して、炉心管30の内部に、窒素ガスを導入する。並びに、過熱水蒸気供給管20から、炉心管30の前端開口を介して、炉心管30の内部に、過熱水蒸気を導入する。
次に、再生ロータリーキルン1に、被処理物10を供給する。具体的には、切断機72、ホッパ71を介して、スクリューフィーダ70に、被処理物10を供給する。被処理物10は、マトリックス樹脂と、炭素繊維10Sと、を備えている。被処理物10は、切断機72により、所定の大きさに切断される。図2に示すように、切断機72は、被処理物10の一辺(最も長い辺)の長さ(炭素繊維10Sの長さ)Lが、複数のピン300の前後方向のピッチP未満になるように、被処理物10の原料を切断する。
被処理物10は、スクリューフィーダ70により、炉心管30の内部に投入される。図2に示すように、投入された被処理物10は、炉心管30の回転により周方向に揺動しながら、炉心管30の傾斜により前側から後側に向かって移動する。移動中に、被処理物10は、加熱区間Aを通過する。
ここで、図1に示すように、加熱区間Aは、燃焼室43に収容されている。加熱区間Aは、燃焼室43により、所定の温度に保持されている。また、加熱区間Aには、過熱水蒸気供給管20を介して、前側(被処理物10の搬送方向における上流側)から、過熱水蒸気が導入されている。同様に、加熱区間Aには、ガス供給管50を介して、前側(被処理物10の搬送方向における上流側)から、窒素ガスが導入されている。このため、加熱区間Aにおいて、被処理物10は、過熱水蒸気、窒素ガスに曝された状態で、加熱される。被処理物10中のマトリックス樹脂は、分解(加水分解、熱分解)し、ガス化する。このように、加熱区間Aにおいて、被処理物10は、ガス10Gと、炭素繊維10Sと、に分離する。このうち、ガス10Gは、複数の通路320を介して、加熱区間Aから燃焼室43に排気される。一方、炭素繊維10Sは、加熱区間Aに残留する。
残留した炭素繊維10Sは、炉心管30の後端開口(被処理物10の搬送方向における下流端開口)から、タンク60に流れ落ちる。タンク60に流れ落ちた炭素繊維10Sには、長繊維である炭素繊維10Saと、短繊維である炭素繊維10Sb(炭素繊維10Saよりも繊維長が短い)と、が混在している。炭素繊維10Sは、ブロワ68により、配管62を経由してタンク60からサイクロンフィルタ63に搬送される。サイクロンフィルタ63においては、炭素繊維10Sが、遠心力および重力により、炭素繊維10Saと、炭素繊維10Sbと、に分級される。すなわち、長繊維である炭素繊維10Saは、質量が大きい。このため、サイクロンフィルタ63の下端開口から、長繊維タンク65に落下する。一方、短繊維である炭素繊維10Sbは、炭素繊維10Saと比較して、質量が小さい。このため、ブロワ68により、配管64を経由してサイクロンフィルタ63の上端開口からバグフィルタ66に搬送される。炭素繊維10Sbは、濾布66aにより濾し取られ、短繊維タンク67に落下する。
一方、マトリックス樹脂から生成されるガス10Gは、可燃性を有している。ガス10Gは、燃焼室43において燃焼する。すなわち、ガス10Gは、被処理物10を加熱する際の熱源、具体的にはマトリックス樹脂を分解(加水分解、熱分解)させる際の熱源として利用される。廃ガスは、排気孔47を介して、加熱室200から再生ロータリーキルン1の外部に放出される。
[炭素繊維回収時における複数のピンの機能]
次に、炭素繊維回収時における複数のピンの機能について説明する。炭素繊維回収時においては、炉心管30の回転に伴って、炭素繊維10Sが絡み合いやすい。このため、加熱区間Aにおいて、被処理物10が塊状になりやすい。塊状の被処理物10は、表層部と芯部とを備えている。表層部は、主に、絡み合った炭素繊維10Sにより形成されている。一方、芯部は、絡み合った炭素繊維10Sに加えて、当該炭素繊維10S間に介在するマトリックス樹脂を含んでいる。芯部には、表層部を介して、熱が伝わることになる。したがって、芯部においては、マトリックス樹脂の分解が進行しにくい。並びに、芯部においては、炭素繊維10Sの改質が進行しにくい。
この点、図2に示すように、炉心管30には、炉心管30と共に回転する、複数のピン300が配置されている。複数のピン300は、被処理物10の塊状化を抑制する機能(塊状化抑制機能)と、塊状化した被処理物10を解きほぐす機能(塊分解機能)と、を有している。このため、被処理物10の塊状化を抑制することができる。並びに、塊状の被処理物10を解きほぐすことができる。
(塊状化抑制機能)
まず、塊状化抑制機能について説明する。図3(a)に、ピンが炭素繊維を持ち上げる前の状態における炉心管の径方向断面図を示す。図3(b)に、ピンが炭素繊維を持ち上げた後の状態における炉心管の径方向断面図を示す。
図3(a)に示すように、炉心管30の回転に伴って、被処理物10の炭素繊維10S(マトリックス樹脂が含まれる場合もある。以下同様。)は、ピン300に引っ掛かり、持ち上げられる。ここで、図2に示すように、被処理物10の一辺の長さ(炭素繊維10Sの長さ)Lは、複数のピン300の前後方向のピッチP未満である。このため、図3(b)に示すように、ピン300により持ち上げられた炭素繊維10Sは、前後方向に隣り合う一対のピン300の隙間をすり抜け、炉心管30の内周面を滑り落ちる。このため、炭素繊維10Sが絡み合いにくい。したがって、被処理物10が塊状になりにくい。このように、複数のピン300は、被処理物10の塊状化を抑制する機能を有している。
(塊分解機能)
次に、塊分解機能について説明する。図4(a)に、ピンが被処理物を引き裂く前の状態における炉心管の径方向断面図を示す。図4(b)に、ピンが被処理物を引き裂いた後の状態における炉心管の径方向断面図を示す。
図4(a)に示すように、炉心管30の回転に伴って、塊状の被処理物10は、ピン300により持ち上げられようとする。しかしながら、ピン300は、被処理物10の一部だけを、下側から支持しているに過ぎない。このため、炉心管30の回転に伴って、被処理物10のうち、ピン300に支持されている部分だけが、ピン300により持ち上げられる。一方、被処理物10のうち、ピン300に支持されていない部分は、自重により、炉心管30の内周面の真下部分に残留する。その結果、図4(b)に示すように、塊状の被処理物10は、ピン300により、引き裂かれる。
図5(a)に、ピンが被処理物を引き裂く前の状態における炉心管の径方向断面図を示す。図5(b)に、ピンが被処理物を引き裂いた後の状態における炉心管の径方向断面図を示す。
図5(a)、図5(b)に示すように、塊状の被処理物10が解れにくい場合、塊状の被処理物10は、ピン300に引っ掛かり、炉心管30の内周面の上部にまで上昇する。被処理物10のうち、ピン300に引っ掛かっている部分は、炉心管30の内周面の上部に残留する。一方、被処理物10のうち、ピン300に引っ掛かっていない部分は、自重により、炉心管30の内周面の下部に落下する。その結果、塊状の被処理物10は、ピン300により、引き裂かれる。また、被処理物10のうち落下した部分は、落下時の衝撃により分解する。このように、複数のピン300は、塊状化した被処理物10を解きほぐす機能を有している。
[作用効果]
次に、本実施形態の再生ロータリーキルンの作用効果について説明する。複数のピン300は、図3(a)、図3(b)に示す塊状化抑制機能を有している。このため、被処理物10の塊状化を、抑制することができる。また、複数のピン300は、図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)に示す塊分解機能を有している。このため、塊状化した被処理物10を、解きほぐすことができる。
このように、複数のピン300は塊状化抑制機能および塊分解機能を併有している。このため、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、マトリックス樹脂の分解を促進することができる。並びに、炭素繊維10Sの改質を促進することができる。よって、被処理物10の処理時間を短縮することができる。また、回収後の炭素繊維10Sの品質にむらが発生するのを、抑制することができる。
以下、仮に、前後方向に延在する板状の撹拌羽根が配置された炉心管を想定する。なお、当該炉心管を用いてCFRPから炭素繊維を回収する技術は、従来技術ではない。図6(a)に、撹拌羽根が炭素繊維を持ち上げる前の状態における炉心管の径方向断面図を示す。図6(b)に、撹拌羽根が炭素繊維を持ち上げた後の状態における炉心管の径方向断面図を示す。なお、図3(a)、図3(b)と対応する部位については、同じ符号で示す。
図6(a)、図6(b)に示すように、炉心管30の回転に伴い、被処理物10の炭素繊維10Sは、撹拌羽根100により持ち上げられる。ここで、撹拌羽根100は、前後方向(軸方向)に連なっている。このため、炭素繊維10Sは、撹拌羽根100の前側や後側をすり抜けることができない。したがって、撹拌羽根100がある程度の高さまで上昇すると、炭素繊維10Sは、撹拌羽根100の先端(径方向内端)を乗り越えて、炉心管30の内周面を転がり落ちる。転がり落ちる際、炭素繊維10Sは、内周面に堆積している炭素繊維10Sを絡め取ってしまう。このため、ちょうど雪玉が雪だるまに成長するように、被処理物10が塊状化してしまう。
これに対して、本実施形態の再生ロータリーキルン1の場合、図3(a)、図3(b)に示すように、ピン300により持ち上げられた炭素繊維10Sは、前後方向に隣り合う一対のピン300の隙間をすり抜け、炉心管30の内周面を滑り落ちる。滑り落ちる際、炭素繊維10Sは、内周面に堆積している炭素繊維10Sを絡め取りにくい。並びに、滑り落ちる炭素繊維10S同士が絡み合いにくい。したがって、被処理物10が塊状になりにくい。このように、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、撹拌羽根付きのロータリーキルンと比較して、被処理物10の塊状化を抑制することができる。
また、図2に示すように、複数のピン300の前後方向のピッチPは、炭素繊維10Sの繊維長を超えている。このため、ピン300により持ち上げられた被処理物10や炭素繊維10Sが、前後方向に隣り合う一対のピン300の隙間をすり抜け、炉心管30の内周面を滑り落ちやすい。この点においても、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、被処理物10の塊状化を抑制することができる。
また、管体3の上流側には、切断機72が配置されている。切断機72は、被処理物10の原料を、被処理物10の一辺の長さLがピッチP未満になるように、切断する。このため、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、炭素繊維10Sの繊維長を調整しやすい。
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、連続的に炭素繊維10Sを回収することができる。また、管体3の回転に伴って、被処理物10を撹拌することができる。このため、回収した炭素繊維10Sを、均質化することができる。
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、マトリックス樹脂から生成された可燃性のガス10Gを、被処理物10の加熱に利用することができる。このため、被処理物10の加熱コストを削減することができる。
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、窒素ガス中に過熱水蒸気を添加している。このため、回収した炭素繊維10Sとマトリックス樹脂との接着性(密着性)を向上させることができる。
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、加熱区間Aにおいて、被処理物10の処理当初から、被処理物10を確実に窒素ガス中の過熱水蒸気に曝すことができる。この点においても、回収した炭素繊維10Sとマトリックス樹脂との接着性(密着性)を確実に向上させることができる。
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、回収部6がサイクロンフィルタ63を備えている。このため、管体3から回収した炭素繊維10Sを、長繊維である炭素繊維10Saと、短繊維である炭素繊維10Sbと、に分級することができる。すなわち、炭素繊維10Sを繊維長ごとに分級することができる。このため、再利用の際に、改めて炭素繊維10Sを分級する必要がない。
<その他>
以上、本発明の再生ロータリーキルンの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
図7(a)〜図7(d)に、その他の実施形態(その1〜その4)の再生ロータリーキルンの炉心管のピン付近の径方向断面図を示す。なお、図3(a)、図3(b)と対応する部位については、同じ符号で示す。
図7(a)に示すように、ピン300を、下側(炉心管30における径方向外側)から上側(炉心管30における径方向内側)に向かって尖るテーパ状(円錐状)としてもよい。こうすると、塊状の被処理物10が、ピン300に刺さりやすくなる。図7(b)に示すように、ピン300を、上側から下側に向かって尖るテーパ状としてもよい。こうすると、ピン300に刺さった被処理物10が、ピン300から抜けにくくなる。
図7(c)に示すように、ピンとしてボルト303aを配置してもよい。こうすると、炉心管30の孔301(内周面にねじ部を有する)に対するボルト303aの挿入量を調整することにより、炉心管30の内周面からのボルト303aの突出量を、調整することができる。また、ボルト303aの種類(軸方向長さ)を変更することにより、炉心管30の内周面からのボルト303aの突出量を、調整することができる。
図7(d)に示すように、ボルト303aにナット303bを取り付けてもよい。すなわち、ボルト303aおよびナット303bにより、ピン300を構成してもよい。こうすると、ピン300に刺さった被処理物10が、ピン300から抜けにくくなる。また、ボルト303aに対するナット303bの位置を調整することにより、ピン300に対する炭素繊維10Sの係合量を調整することができる。また、ナット303b以外の方法により、ピン300の外周面に凸部(フランジ、突起など、外径が大きい部分)を配置してもよい。また、ピン300の外周面に凹部(孔、くびれなど、外径が小さい部分)を配置してもよい。こうすると、ピン300に炭素繊維10Sが引っ掛かりやすい。
図8(a)〜図8(d)に、その他の実施形態(その5〜その8)の再生ロータリーキルンのピンの径方向断面図を示す。なお、図3(a)、図3(b)と対応する部位については、同じ符号で示す。図8(a)に示すように、ピン300の径方向断面を、真円状としてもよい。また、楕円状としてもよい。図8(b)に示すように、ピン300の外周面に、軸方向や螺旋方向に延びる凹凸形状を付与してもよい。こうすると、ピン300に炭素繊維10Sが引っ掛かりやすい。図8(c)に示すように、ピン300の径方向断面を、三角形、四角形、六角形などの多角形状としてもよい。図8(d)に示すように、多角形状のピン300の外周面を、径方向内側に凹ませてもよい。反対に、多角形状のピン300の外周面を、径方向外側に膨らませてもよい。
ピン300は、中実でも中空でもよい。例えば、ピン300を筒状としてもよい。また、図7(a)〜図7(d)、図8(a)〜図8(d)に示すような複数種類のピン300を、単一の炉心管30に混在させてもよい。
ピン300の配置数は特に限定しない。また、図2に示すピン列(前後方向に並ぶ複数のピン300からなる列)の配置数は特に限定しない。例えば、図3に示す炉心管30の径方向断面において、所定の中心角(180°、120°、90°、60°、45°、30°、15°など)ごとに、複数のピン列を配置してもよい。
ピン300の機能は、図3(a)、図3(b)、図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)に示す塊状化抑制機能、塊分解機能に限定されない。また、これらの図に示す機能は、各々単独で発揮されてもよい。また、複数の機能が、同時に発揮されてもよい。
1:再生ロータリーキルン、2:過熱水蒸気供給部、20:過熱水蒸気供給管、200:加熱室、3:管体、30:炉心管、300:ピン、301:孔、303a:ボルト、303b:ナット、31:タイヤ、32:接続管、320:通路、4:燃焼部、40:外壁、41:断熱材、43:燃焼室、44:バーナ、45:空気供給管、47:排気孔、5:ガス供給部、50:ガス供給管、6:回収部、60:タンク、61:下流端カバー、62:配管、63:サイクロンフィルタ、64:配管、65:長繊維タンク、66:バグフィルタ、66a:濾布、67:短繊維タンク、68:ブロワ、7:供給部、70:スクリューフィーダ、71:ホッパ、72:切断機(切断部)、73:上流端カバー、90:ローラ、10:被処理物、10G:ガス、10S:炭素繊維、10Sa:炭素繊維、10Sb:炭素繊維、100:撹拌羽根、A:加熱区間、L:長さ、P:ピッチ

Claims (6)

  1. 軸周りに回転可能であって、マトリックス樹脂と炭素繊維とを有する炭素繊維強化樹脂製の被処理物を内部で加熱することにより、前記被処理物から前記炭素繊維を抽出する管体と、
    前記管体に配置され、内周面から径方向内側に突出する複数のピンと、
    を備え
    複数の前記ピンは、前記炭素繊維同士の絡み合いに起因する前記被処理物の塊状化を抑制し、
    前記管体の内部において、前記被処理物は前記管体の軸方向一端から供給される過熱水蒸気に曝されながら加熱され、前記マトリックス樹脂から可燃性のガスが生成される再生ロータリーキルン。
  2. 燃焼熱により前記管体を径方向外側から加熱する燃焼室を有する燃焼部と、
    前記管体に配置され、前記管体の内部から前記燃焼室に可燃性の前記ガスを導入する接続管と、
    を備える請求項1に記載の再生ロータリーキルン。
  3. 複数の前記ピンは、前記管体の軸方向に並んでいる請求項1または請求項2に記載の再生ロータリーキルン。
  4. 前記管体の軸方向における複数の前記ピンのピッチは、前記炭素繊維の繊維長を超える請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の再生ロータリーキルン。
  5. 前記管体の上流側に配置され、前記被処理物の原料を、前記被処理物の一辺の長さが前記ピッチ未満になるように、切断する切断部を備える請求項4に記載の再生ロータリーキルン。
  6. 前記ピンの外径は、不均一である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の再生ロータリーキルン。
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