JP5890862B2 - 不整地走行用の空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、乗り心地及び接地感を低下させることなく操縦安定性を向上させた不整地走行用の空気入りタイヤに関する。
例えば、モトクロス等に用いられる不整地走行用の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)は、トレッド部に、複数のブロックを具える。このようなタイヤでは、ブロックが砂地や泥濘地等の軟弱路に食い込み、該ブロックのエッジであるブロック縁により、トラクションや旋回力を得て操縦安定性が高められる。
また、操縦安定性を高めるために、ブロックを大きくしてエッジ効果を高める方法や、ブロックのゴム硬度を高くしてグリップを高める方法が提案されている。しかしながら、ブロック剛性が大きくなると、乗り心地、接地感が悪化しやすいという問題があった。
他方、ブロックを大きくしたり、ブロックのゴム硬度を高くすることなく、ブロックのエッジ効果を高める方法も提案されている。例えば、下記特許文献1では、ショルダーブロックに張り出し部を設けたタイヤが提案されている。このようなタイヤは、ショルダーブロックのエッジをタイヤ軸方向外側に移行させることにより、エッジ効果をより有効に発揮させ、旋回性能を向上させている。
特開2008−254573号公報
しかしながら、上記のような不整地走行用の空気入りタイヤであっても、乗り心地、接地感を維持しながら操縦安定性を向上させることについては、さらなる改善の余地があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、クラウンブロックを、2つのブロック小片がタイヤ周方向に位置ずれしたシフトブロックを含ませることを基本として、乗り心地及び接地感を低下させることなく操縦安定性を向上させた不整地走行用の空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち、請求項1記載の発明は、トレッド部に、複数のブロックが配置された不整地走行用の空気入りタイヤであって、前記ブロックは、トレッド部の中央領域に配されるクラウンブロックと、トレッド接地端側に配されるショルダーブロックと、前記クラウンブロックと前記ショルダーブロックとの間に配されるミドルブロックとを含み、前記ミドルブロック及び前記ショルダーブロックは、ブロック縁からブロック中央部側へのびる一対の第1サイプと、該第1サイプ間を継ぐ第2サイプとからなる切込部により、前記切込部の内側に区分される副部と、前記切込部の外側に区分される主部とを具えた切込付ブロックを含み、前記クラウンブロックは、ブロックのタイヤ周方向の長さLとタイヤ軸方向の幅Wとの比(L/W)である縦横比が、前記ミドルブロック及び前記ショルダーブロックよりも小さく、しかも、前記クラウンブロックは、その幅方向の中央部をタイヤ周方向にのびる1本のスリットにより2つのブロック小片に区分されるとともに、該2つのブロック小片が前記スリットを介してタイヤ周方向に位置ずれしたシフトブロックを含み、前記トレッド部の中央領域には、前記2つのブロック小片が前記スリットを介してタイヤ周方向に位置ずれしない非シフトブロックが、タイヤ周方向に連続して2以上並ぶ非シフトブロック群が配され、前記非シフトブロック群のタイヤ周方向の両端を通るタイヤ軸方向線で挟まれる非シフトブロック群領域内に配された前記ミドルブロックは、前記非シフトブロック群領域外に配された前記ミドルブロックよりも、タイヤ赤道側に配されていることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記非シフトブロックが、前記クラウンブロックの中で最も小さいタイヤ軸方向の幅を有する請求項1に記載の不整地走行用の空気入りタイヤである。
また、請求項3記載の発明は、前記シフトブロックが、前記クラウンブロックの中で最も大きいタイヤ軸方向の幅を有する請求項1又は2に記載の不整地走行用の空気入りタイヤである。
また、請求項4記載の発明は、前記トレッド部の外面が、前記ブロックの間に形成される溝底面を含み、タイヤ周方向に隣り合う前記クラウンブロックの間には、前記溝底面を局部的に凹ませた凹部を具える請求項1乃至3のいずれかに記載の不整地走行用の空気入りタイヤである。
また、請求項5記載の発明は、前記ミドルブロックが、前記凹部とタイヤ軸方向で隣り合う請求項4記載の不整地走行用の空気入りタイヤである。
また、請求項6記載の発明は、前記シフトブロックが、第1シフトブロックと、前記第1シフトブロックとはタイヤ周方向の位置ずれ方向が異なる第2シフトブロックとを含む請求項1乃至5のいずれかに記載の不整地走行用の空気入りタイヤである。
また、請求項7記載の発明は、前記副部は、前記ブロック縁からタイヤ半径方向内方にのびる副部外壁面を有し、前記ミドルブロックの前記副部外壁面は、前記ミドルブロックのタイヤ軸方向外側に配され、前記ショルダーブロックの前記副部外壁面は、前記ショルダーブロックのタイヤ軸方向内側に配される請求項1乃至6のいずれかに記載の不整地走行用の空気入りタイヤである。
また、請求項8記載の発明は、前記ミドルブロックの前記切込部の深さが、前記スリットの深さよりも大きく、前記ショルダーブロックの前記切込部の深さは、前記スリットの深さよりも大きくかつ前記ミドルブロックの切込部の深さよりも小さい請求項7に記載の不整地走行用の空気入りタイヤである。
本発明の不整地走行用の空気入りタイヤは、クラウンブロックが、1本のスリットにより2つのブロック小片に区分されるとともに、該2つのブロック小片が、前記スリットを介してタイヤ周方向に位置ずれしたシフトブロックを含む。このようなクラウンブロックは、旋回時において、タイヤ周方向のエッジ成分を増加させて、摩擦力を高め、操縦安定性を向上しうる。
また、トレッド部の中央領域には、2つのブロック小片がスリットを介してタイヤ周方向に位置ずれしない非シフトブロックが、タイヤ周方向に連続して2以上並ぶ非シフトブロック群が配され、非シフトブロック群のタイヤ周方向の両端を通るタイヤ軸方向線で挟まれる非シフトブロック群領域内に配されたミドルブロックは、非シフトブロック群領域外に配されたミドルブロックよりも、タイヤ赤道側に配されている
本実施形態の不整地走行用の自動二輪車用タイヤを示す断面図である。 図1のトレッド部の展開図である。 (a)は非シフトブロックの拡大平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 (a)はシフトブロックの斜視図、(b)は(a)の拡大平面図である。 ミドルブロック及びショルダーブロックの拡大平面図である。 (a)は切込付ブロックの斜視図、(b)は(a)のC−C断面図である。 (a)は副部が主部から離間する向きに変位した状態の断面図であり、(b)は副部が主部に接近する向きに変位した状態の断面図である。 (a)はミドルブロックを構成する切込付ブロックの平面図であり、(b)はショルダーブロックを構成する切込付ブロックの平面図である。 ミドルブロック及びショルダーブロックの拡大平面図である。 他の実施形態のミドルブロック及びショルダーブロックの拡大平面図である。 (a)は、切込付ブロックの他の実施形態の拡大斜視図であり、(b)は(a)のD−D断面図である。 切込付ブロックの他の実施形態の拡大平面図である。 トレッド部の他の実施形態を示す展開図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本実施形態の不整地走行用の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)1として、砂地や泥濘地等の軟弱路において最高の性能を発揮できるように設計されたモトクロス競技用のタイヤが例示される。また、図1に示されるタイヤ1の断面図は、該タイヤ1が正規リム(図示省略)に装着されかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規状態での図2のA−A断面である。
ここで、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。また、前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"を意味する。なお、本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の正規状態において特定される値とする。
前記タイヤ1は、トレッド部2と、その両側からタイヤ半径方向の内方にのびる一対のサイドウォール部3、3と、各サイドウォール部3のタイヤ半径方向の内方端に位置しかつリム(図示省略)に装備されるビード部4、4とを有する。また、タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、該カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるトレッド補強層7とを含んで補強される。
前記トレッド部2は、その外面が、タイヤ半径方向外側に凸で湾曲するとともに、該トレッド部2のトレッド端2t、2t間のタイヤ軸方向距離であるトレッド幅TWが、タイヤ最大幅をなしている。
前記カーカス6は、一対のビードコア5、5間をトロイド状に跨る本体部6aと、この本体部6aの両側に連なりかつビードコア5の回りでタイヤ軸方向の内側から外側に折り返される折返し部6bとを有する1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aから構成される。また、カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向の外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックス8が配され、ビード部4が適宜補強される。
前記トレッド部2には、図1、図2に示されるように、複数のブロックBrと、それらの間のトレッド溝10とが形成される。トレッド溝10の溝底面10bは、カーカス6の外面に沿った滑らかな表面に形成される。また、トレッド溝10の溝深さD1は、例えば10〜20mm程度に設定される。
このようなブロックBrの疎らな配置は、トレッド部2の外表面の全面積S(トレッド溝10を全て埋めたと仮定したときのトレッド部2の外表面の全面積)に対する全ブロックBrの踏面の面積の総和Sbであるランド比(Sb/S)によって把握される。このランド比(Sb/S)が、過度に小さくなると、硬質なハード路ないしミディアム路での駆動力が低下するおそれがあり、逆に、大きくなると、軟弱路での駆動力が低下するおそれがある。このような観点より、ランド比(Sb/S)は、0.06〜0.30の範囲が好ましい。
図2に示されるように、前記ブロックBrは、中央領域Crにその大部分が配置されるクラウンブロック11と、トレッド接地端側の端部領域Shにその大部分が配置されるショルダーブロック12と、中央領域Crと端部領域Shとの間の領域である中間領域Mdにその大部分が配置されるミドルブロック13とが含まれる。これらのブロック11、12、13は、夫々タイヤ周方向に隔設される。なお、中央領域Crは、タイヤ赤道Cを中心とするトレッド展開幅TWeの25%の領域とする。また、端部領域Shは、トレッド接地端2tからトレッド展開幅TWeの12.5%の領域とする。さらに、「大部分が配置される」とは、各ブロック11、12、13の踏面の表面積の80%以上が、各領域Cr、Sh、Md内に配置されることを意味する。
前記クラウンブロック11は、ブロックのタイヤ周方向の長さLとタイヤ軸方向の幅Wとの比(L/W)である縦横比が、ミドルブロック13及びショルダーブロック12よりも小さく形成される。本実施形態では、クラウンブロック11は、前記長さLよりも前記幅Wが大きい横長矩形状に形成される。このようなクラウンブロック11は、タイヤ軸方向にのびるエッジ成分を増加させることができ、直進時のトラクション性能や制動性能を向上しうる。
上記のような作用を効果的に発揮させるために、クラウンブロック11の縦横比(L/W)は、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.35以上であり、また、好ましくは0.70以下、より好ましくは0.65以下である。同様に、クラウンブロック11の幅Wは、好ましくは、トレッド展開幅TWeの20%以上、より好ましくは25%以上であり、また、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下である。
また、前記ショルダーブロック12は、前記縦横比が他のブロック11、13に比べて最も大きく形成される。本実施形態のショルダーブロック12は、タイヤ周方向の長さL6がタイヤ軸方向の幅W7よりも大きい縦長矩形状に形成される。このようなショルダーブロック12は、タイヤ周方向にのびるエッジ成分を増加させることができ、旋回性能を向上しうる。このような観点から、ショルダーブロック17の縦横比(L6/W7)は、1.20〜1.80程度が望ましい。さらに、前記長さL6は、トレッド展開幅TWeの7〜24%程度が望ましい。
前記ミドルブロック13は、前記縦横比が、クラウンブロック11の縦横比よりも大、かつ前記ショルダーブロック12の縦横比よりも小で形成される。本実施形態のミドルブロック13は、タイヤ周方向の長さL5とタイヤ軸方向の幅W6とが近似する矩形状に形成される。このようなミドルブロック13は、タイヤ軸方向及びタイヤ周方向のエッジ効果をバランスよく発揮し、直進性能と旋回性能とをバランスよく向上するのに役立つ。このような観点から、ミドルブロック13の縦横比(L5/W6)は、0.85〜1.45程度が望ましい。さらに、前記長さL3はトレッド展開幅TWeの8〜25%程度が望ましい。
本発明のクラウンブロック11は、図2に示されるように、シフトブロック22と、非シフトブロック21とを含む。シフトブロック22及び非シフトブロック21は、その幅方向の中央部をタイヤ周方向にのびる1本のスリット15により、2つのブロック小片16、16に区分される。さらに、シフトブロック22は、2つのブロック小片16、16がスリット15を介してタイヤ周方向に位置ずれしている。これに対し、非シフトブロック21は、前記2つのブロック小片16、16が位置ずれしない。
図3(a)には、非シフトブロック21の拡大平面図が、図3(b)にはそのB−B断面図が夫々示される。非シフトブロック21は、スリット15により、その剛性が緩和される。スリット15は、非シフトブロック21のタイヤ周方向にのびるエッジ成分を増加させる。スリット15の幅W1が、小さくなると、非シフトブロック21の剛性が弱まらず、ひいては路面追従性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、前記幅W1が大きくなると、非シフトブロック21の剛性が過度に低下し、直進時のトラクション性能や制動性能が低下するおそれがある。このような観点より、スリット15の幅W1は、好ましくはクラウンブロック11の幅Wの5%以上、より好ましくは10%以上であり、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下である。同様に、前記スリット15の溝深さD2は、好ましくは前記溝深さD1の5%以上、より好ましくは15%以上であり、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下である。前記幅W1及び溝深さD2の大きさは、シフトブロック22に配されるスリット15についても適用される。
各ブロック小片16、16は、スリット15側を周方向にのびる内の縦エッジ17iと、該内の縦エッジ17iとタイヤ軸方向で向き合って周方向にのびる外の縦エッジ17oとを有する。また、各ブロック小片16、16は、内の縦エッジ17iと外の縦エッジ17oとの間をタイヤ軸方向にのびる一対の横エッジ18を有し、平面視略矩形状又は台形状にそれぞれ形成される。
本実施形態の非シフトブロック21は、スリット15を中心として2つのブロック小片16が線対称に配置され、位置ずれしない。このため、非シフトブロック21は、直進時のトラクション性能や制動性能を向上させる。このような作用をより効果的に発揮させるために、非シフトブロック21は、クラウンブロック11の中で最も小さいタイヤ軸方向の幅を有するのが望ましい。これにより、クラウンブロック11の単位面積当たりに作用する接地圧が大きくなり、硬質なダートでのクラウンブロック11の食い込み量が大きくなり、直進安定性が向上しうる。
図4(a)、(b)には、シフトブロック22の斜視図及び拡大平面図が夫々示される。図4に示されるように、シフトブロック22は、2つのブロック小片16、16において、内の縦エッジ17i、外の縦エッジ17o及び横エッジ18がそれぞれタイヤ周方向に位置ずれして配されている。これにより、ブロック小片16は、内の縦エッジ17iと横エッジ18とのコーナ部23に、タイヤ周方向に突出してシフトブロックの出隅となる出隅コーナ部23eが形成される。なお、本実施形態では、出隅コーナ部23eは、面取りされ、面取り部27が設けられている。
このようなシフトブロック22は、旋回時において、出隅コーナ部23eを形成する内の縦エッジ17iが、タイヤ周方向にのびるエッジ成分を増加させることができ、操縦安定性を向上しうる。しかも、シフトブロック22は、接地面積を増加させることなくタイヤ周方向にのびるエッジ成分を増加することができるので、乗り心地及び接地感を悪化させることなく、直進時のトラクション性能や制動性能が向上する。また、シフトブロック22は、クラウンブロック11の中で最も大きいタイヤ軸方向の幅を有するのが望ましい。これにより、エッジ成分がより一層増加し、特に軟質なダートでのトラクション性能及び制動性能が向上しうる。
スリット15を介して隣り合う2つのブロック小片16、16のタイヤ周方向の位置ずれ量W2は、小さくなると、エッジによるタイヤ軸方向の摩擦力が小さくなるおそれがある。逆に、前記位置ずれ量W2が大きくなると、各ブロック小片16、16のタイヤ軸方向にのびるエッジ成分をなす横エッジ18、18がタイヤ周方向に大きく離間し、トラクション性能及び制動性能が低下するおそれがある。このような観点から、前記位置ずれ量W2は、好ましくは、クラウンブロック11のタイヤ周方向の長さL(L1)の5%以上、より好ましくは10%以上であり、また、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下である。
なお、前記「位置ずれ量W2」は、隣り合う2つのブロック小片16、16のタイヤ周方向の最外端点16o、16o(本実施形態では、外の縦エッジ17oと横エッジ18とのコーナ部)間のタイヤ周方向の長さとする。
また、シフトブロック22のブロック小片16のタイヤ軸方向の長さL2b(図4(b)に示す)は、非シフトブロック21のブロック小片16のタイヤ軸方向の長さL2a(図3(a)に示す)よりも大きいのが好ましい。これにより、面取部27による横エッジ18の減少が補われ、タイヤ軸方向にのびるエッジ成分を増加させることができ、ひいてはトラクション性能及び制動性能を向上することができる。
なお、前記長さL2bは、小さくなると、上記のような作用を十分に得ることができないおそれがあり、逆に大きくなると、ブロック小片16の接地面積が大きくなり、軟弱路面に十分に食い込むことができないおそれがある。このような観点から、前記長さL2bは、好ましくは、非シフトブロック21のブロック小片16の長さL2aの100%以上、より好ましくは120%以上であり、また、好ましくは150%以下、より好ましくは140%以下である。
また、図4(a)に示されるように、シフトブロック22を形成する各ブロック小片16は、そのタイヤ周方向の長さL3がスリット15側からブロック幅方向の外側に向かって漸増するのが望ましい。これにより、外の縦エッジ17oの長さが確保され、タイヤ周方向にのびるエッジ成分が増加し、旋回性能が向上しうる。
また、各ブロック小片16は、横壁面24の内縁24eが、横エッジ18と同方向のタイヤ周方向に位置ずれ(本例では、位置ずれ量X)するのが望ましい。これにより、ブロック小片16は、出隅コーナ部23e側へはみ出す突出壁面25が形成できる。突出面25は、旋回時において、軟弱路面に対して大きな抵抗となって、旋回性能を効果的に向上しうる。しかも、このような突出壁面25は、旋回時に泥や砂をかき込んでスリット15内に効率よく導入し、軟弱路での過度の沈み込みを防止しうる。横壁面24の内縁24eは、横壁面24と溝底面10bとの交わり部とし、横壁面24と溝底面10bとの間に面取等が設けられているときは、該面取の円弧面の中間位置で特定されるものとする。
突出壁面25は、コーナ部23を、内の縦エッジ17iと横エッジ18と跨ってタイヤ半径方向内方に切り欠いた面取部27であるのが望ましい。このような面取部27は、軟弱路から大きな横力を受ける出隅コーナ部23eの剛性を高め、ブロック欠けの発生を抑制しうる。
図4に示されるように、面取部27の面取長さL4は、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは2.0mm以上であり、また、好ましくは5.0mm以下、さらに好ましくは4.0mm以下である。
図2に示されるように、前記シフトブロック22は、トレッド部2の中央領域Crに、複数個配される。シフトブロック22の効果を十分に発揮させるため、中央領域Crに配されたシフトブロック22の個数Gsは、好ましくは、クラウンブロック11の合計数Gt(前記個数Gs+非シフトブロック21の個数Gp)の40%以上、さらに好ましくは50%以上であり、また、好ましくは90%以下、さらに好ましくは80%以下である。
前記シフトブロック22は、第1シフトブロック22Aと、該第1シフトブロックとはタイヤ周方向の位置ずれ方向が異なる第2シフトブロック22Bとを含むのが好ましい。このようなシフトブロック22A、22Bは、ブロック小片16、16の位置ずれ方向によって生じがちなタイヤ周方向及びタイヤ軸方向にのびるエッジ成分の左右の偏りを緩和させ、直進時のトラクション性能や制動性能、及び旋回性能を左右バランスよく高めうる。
エッジ成分の左右の偏りをより効果的に抑制するために、第1シフトブロック22Aの個数Gs1と、第2シフトブロック22Bの個数Gs2とは、同一であるのが好ましい。また、より好ましくは、前記第1シフトブロック22Aと、第2シフトブロック22Bとは、タイヤ周方向に交互に配される。
前記非シフトブロック群21gのタイヤ周方向の両端を通るタイヤ軸方向線で挟まれる非シフトブロック群領域の内部に配されたミドルブロック13は、前記非シフトブロック群領域の外部に配されたミドルブロック13よりもタイヤ赤道C側に配されているのが望ましい
タイヤ周方向に隣り合うクラウンブロック11の間には、溝底面10bを局部的に凹ませた凹部26が設けられるのが望ましい。これにより、タイヤ赤道C付近の溝底面10bが柔軟になり、クラウンブロック11の路面へのタイヤ周方向の追従性をさらに高めることができる。また、凹部26は、溝底面に土が付着するのを抑制し、排土性を向上させる。
図5には、ミドルブロック13及びショルダーブロック12の拡大平面図が示される。図5に示されるように、前記ミドルブロック13及び前記ショルダーブロック12は、切込付ブロック31を含む。該切込付ブロック31は、ブロック縁31eからブロック中央部側へのびる一対の第1サイプS1と、該第1サイプS1を継ぐ第2サイプS2とからなる略コ字状の切込部28を有する。また、切込付ブロック31は、前記切込部28の内側に区分される副部30と、該切込部28の外側に区分される主部29とを具える。
このような切込付ブロック31は、そのエッジ成分を多方向に増加させる。従って、例えばブロックを大きくしたり、ゴム硬度を大きくすることなく操縦安定性を高めることができ、乗り心地、接地感及びスライドコントロール性能の低下を招くことがない。また、前記副部30は、切込部28を介して離間する向きに変位できる。このような副部30は、切込部28に沿ったエッジ成分による効果を増加させ、より一層、操縦安定性を高める。
図6(a)には、切込付ブロック31の斜視図、図6(b)には、そのC−C断面図が示される。図6(a)に示されるように、主部29の踏面29sは、副部30の踏面30sを三方から囲むように、平面視略コ字状に形成される。
副部30の踏面30sは、平面視略矩形状に形成されるのが望ましい。また、踏面30sは、主部29の踏面29sに対して突出して、タイヤ半径方向外側に突出するのが望ましい。このような副部30は、より一層、エッジ効果を発揮し、操縦安定性をさらに向上させる。
また、副部30は、そのブロック縁30eからタイヤ半径方向内方にのびる副部外壁面30oが、主部29のブロック縁29eからタイヤ半径方向内方にのびる主部外壁面29oに対して、ブロック外方へ突出するのが望ましい。このような切込付ブロック31は、副部30の踏面30s、副部外壁面30o及び踏面30sから第1、第2サイプS1、S2に沿ってタイヤ半径方向内方にのびる副部内壁面30iによって立体的にエッジ成分が増加する。従って、このような副部30は、エッジ成分を多方向に増加させて不整地での操縦安定性をさらに向上させる。
図7には、副部30が変位した状態の断面図が示される。図7(a)に示されるように、副部30は、切込部28を介して主部29から離間する向きに変位できる。このような変位により、切込付ブロック31は、ブロック縁31eの輪郭形状を凸化し、そのエッジ長さを増大させ、摩擦力を高めて操縦安定性を向上させることができる。また、副部30の踏面30sが突出することにより、副部30の離間による前記踏面30sの沈み込みが防止される。また、図7(b)に示されるように、副部30は、第2サイプS2を閉じることにより、主部29に接近する向きにも変位できる。この場合、副部30は、主部29に支持されて、ブロック剛性を高めうる。
上記作用を効果的に発揮させるために、図6(b)に示されるように、副部30の踏面30sと主部29の踏面29sとの踏面法線方向の位置ずれ量P1は、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは1.0mm以上である。前記位置ずれ量P1が小さすぎると、副部30のエッジ成分を十分に増加できないおそれがある。逆に、位置ずれ量P1が大きくなると、副部30が大きな抵抗となり、乗り心地、接地感及びスライドコントロール性能が悪化するおそれがある。このような観点より、位置ずれ量P1は、好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下である。
同様の観点より、副部外壁面30oと主部外壁面29oとの位置ずれ量P2は、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上であり、好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.5mm以下である。なお、上記位置ずれ量P1、P2が夫々一定でない場合には、最大の値を前記範囲内とすることが望ましい。
また、第1、第2のサイプS1、S2の切り込み幅W3は、小さくなると、主部29と副部30との間に大きな摩擦が生じ、副部30を十分に変位させることができないおそれがある。逆に、前記切り込み幅W3が大きくなると、切込付ブロック31のブロック剛性が過度に低下するおそれがある。このような観点から、前記切り込み幅W3は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。
同様の観点より、第1、第2のサイプS1、S2の切り込み深さD3は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、好ましくは5.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下である。
また、本実施形態の主部29の踏面29sは、第2サイプS2から該第2サイプと向き合うブロック縁29eまでの幅W4が大きくなると、副部30の踏面30sが過度に小さくなり、そのエッジ長さを十分に増大できないおそれがある。逆に、前記幅W4が小さくなると、主部29のブロック剛性が過度に小さくなるおそれがある。このような観点から、前記幅W4は、好ましくは3.0mm以上、より好ましくは5.0mm以上であり、好ましくは8.0mm以下、より好ましくは7.0mm以下である。
同様の観点より、前記副部30の第1サイプS1間の幅W5は、好ましくは5.0mm以上、より好ましくは7.0mm以上であり、好ましくは12.0mm以下、より好ましくは10.0mm以下である。
図8(a)に示されるように、副部30の第1サイプS1、S1間の幅W5は、ブロック縁30oからブロック中央部側に向かって小さくすること、例えば漸減してもよい。このような切込付ブロック31は、副部30が主部29から離間する向きに変位する際に、副部内壁面30iと、主部29の踏面29sから第1、第2サイプS1、S2に沿ってタイヤ半径方向内側にのびる主部内壁面29iとの間に、大きな摩擦が生じるのを抑制しうる。このような切込付ブロック31は、特にミドルブロックに好適に採用され、倒し込み時の過渡特性を向上させ、ひいては操縦安定性を向上させる。
図8(a)に示される実施形態の場合、ブロック縁側の幅W5oは、ブロック中央部側の幅W5iに対して小さくなると、副部30をスムーズに変位させることができないおそれがある。逆に、前記幅W5oが、前記幅W5iに対して大きくなると、副部30のブロック中央部側のエッジ成分が過度に減少するおそれがある。このような観点から、ブロック縁側の幅W5oは、ブロック中央側の幅W5iの好ましくは105%以上、より好ましくは110%以上がであり、また好ましくは150%以下、より好ましくは130%以下である。
また、図8(b)に示されるように、副部30は、前記幅W5が、ブロック縁からブロック中央部側に向かって大きくすること、例えば漸増させることもできる。このような切込付ブロック31は、副部30が主部29から離間する向きに変位する際に、副部内壁面30iと主部内壁面29iとの間に大きな摩擦を生じさせ、副部30の変位を一定量に拘束し、変位が過度に大きくなるのを抑制しうる。このような切込付ブロック31は、剛性が大きく、特にショルダーブロックとして好適に採用され、倒し込みをリニアに収束させるのに役立つ。
図8(b)に示される実施形態の場合、ブロック縁側の幅W5oは、ブロック中央部側の幅W5iに対して小さくなると、副部30を十分に変位させることができないおそれがある。逆に、前記幅W5oは、前記幅W5iに対して大きくなると、副部30の変位量が過度に大きくなるおそれがある。このような観点から、ブロック縁側の幅W5oは、ブロック中央部側の幅W5iの、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、また、好ましくは95%以下、より好ましくは80%以下である。
また、副部外壁面30oは、図8(a)、(b)に示されるように、2つの面a、bがブロック外方に向かってV字状をなす交差面32であるのが好ましい。これにより、副部外壁面30oには、タイヤ半径方向にのびる稜線としてエッジ成分が形成され、より一層操縦安定性が向上しうる。
切込付ブロック31の交差面32の先端の角度α1は、小さくなると、副部外壁面30oの剛性が低下し、操縦安定性を十分に向上できないおそれがある。逆に、前記角度α1が大きくなると、エッジ成分として十分に作用できないおそれがある。このような観点から、前記角度α1は、好ましくは100度以上、さらに好ましくは110度以上であり、また好ましくは160度以下、さらに好ましくは150度以下である。
図9に示されるように、ミドルブロック13として設けられる切込付ブロック31は、第1サイプS1がタイヤ軸方向にのびるとともに、副部外壁面30oが該ミドルブロック13のタイヤ軸方向の外側面13oの一部をなすのが好ましい。このようなミドルブロック13は、コーナリング時に路面から生じる旋回内側への摩擦力F1によって、副部30をタイヤ軸方向かつ主部29から離間する向きに変位させることができる。これにより、ミドルブロック13は、エッジ成分を大幅に増加させ、スライド性能、グリップ性能及び接地感を高めることができる。また、このようなミドルブロック13は、直立状態からフルバンク状態までの過渡特性を向上させうる。
ショルダーブロック12として切込付ブロック31が設けられる場合、第1サイプS1がタイヤ軸方向にのびるとともに、副部外壁面30oが該ショルダーブロック12のタイヤ軸方向の内側面12iの一部をなすのが好ましい。
このようなショルダーブロック12は、不安定になりやすいフルバンク時において、前記摩擦力F1により、副部30は主部29に接近する向きに変位して、主部29に支持されて一体化してブロック剛性を確保でき、旋回挙動を安定させることができる。また、ショルダーブロック12は、副部30により、そのタイヤ軸方向内側のエッジ成分を増加できるので、ミドルブロック13が主に接地する初期バンク時からグリップ性能を高めることができる。
図10には、他の実施形態の切込付ブロック31が示される。この実施形態のミドルブロック13は、第1サイプS1が、タイヤ軸方向の内側から外側に向かい、かつタイヤ回転方向Rの後着側から先着側に傾斜してのびる。また、副部外壁面30oは、タイヤ軸方向の外側かつミドルブロック13のタイヤ回転方向Rの先着側の外斜面13tの一部をなしている。このようなミドルブロック13は、コーナリング時に生じる旋回内側への摩擦力F1と減速時の路面からの摩擦力F3との合力F4に対して、副部30をスムーズに変位させることができ、特に旋回中のトラクション性能をさらに高めることができる。
また、この実施形態のショルダーブロック12は、第1サイプS1が、タイヤ軸方向の外側から内側に向かい、かつタイヤ回転方向Rの先着側から後着側に傾斜してのびる。また、副部外壁面30oは、タイヤ軸方向の内側かつショルダーブロック12のタイヤ回転方向Rの後着側の内斜面12uの一部をなしている。このようなショルダーブロック12は、フルバンク時において、前記合力F4に対する副部30の変位を抑制して、操縦安定性をさらに向上しうる。
図11(a)、(b)には、さらに他の実施形態の切込付ブロック31が示される。
この実施形態の切込付ブロック31は、副部30の踏面30sが主部29の踏面29sからタイヤ半径方向内方に凹むとともに、副部外壁面30oが主部外壁面29oから凹んでいる。このような切込付ブロック31は、主部29の踏面29s、主部外壁面29o、主部内壁面29i、及び主部外壁面29oから副部外壁面30oへのびる底面30bによって形成されるエッジ成分を増加させることができる。しかも、このような切込付ブロック31は、比較的剛性が小さい副部30を主部29の内側に配することができる。このため、副部30の偏摩耗が抑制される。さらに、主部29は、不整地路面に食い込んで接地するため、多方向のエッジ成分を増加させることができる。
また、本実施形態の副部30の踏面30sと主部29の踏面29sとの位置ずれ量P1、及び副部外壁面30oと主部外壁面29oとの位置ずれ量P2には、前記した数値範囲内で好ましく設定できる。
さらに、切込付ブロック31は、例えば、副部30の踏面30sが主部29の踏面29sから凹むとともに、副部外壁面30oが主部外壁面30oから突出してもよい。また、切込付ブロック31は、副部30の踏面30sが主部29の踏面29sから突出するとともに、副部外壁面30oが主部外壁面29oから凹むものでもよい。これらにより、切込付ブロック31は、その配置や、ブロックの大きさに応じて、エッジ成分を変化させることができる。
図12に示されるように、切込付ブロック31の切込部28は、第2サイプS2が、第1サイプS1間を滑らかに湾曲する平面視略円弧状に形成されてもよい。このような切込付ブロック31は、副部内壁面30iに、偏摩耗が生じるのを抑制しうる。
図13には、ミドルブロック13の配置を変化させた他の実施形態の展開図が示される。この実施形態では、シフトブロック群22gのタイヤ周方向の両端を通るタイヤ軸方向線Lsで挟まれるシフトブロック群領域33内に配されたミドルブロック13は、前記シフトブロック群領域33の外部に配されたミドルブロック13よりもタイヤ赤道C側に配されている。これにより、直進時にシフトブロック群領域33が接地する際、ミドルブロック13が同時に接地する機会が多くなる。従って、直進時に周方向にのびるエッジ成分が増加し、直進から旋回初期の操縦安定性が向上する。
また、前記非シフトブロック群21gのタイヤ周方向の両端を通るタイヤ軸方向線Lsで挟まれる非シフトブロック群領域34の内部に配されたミドルブロック13は、前記非シフトブロック群領域34の外部に配されたミドルブロック13よりもタイヤ接地端2t側に配されているのが望ましい。これにより、直進時に非シフトブロック群領域が接地する際、非シフトブロック21の接地圧が大きくなって、直進時のトラクション性能及び制動性能が向上しうる。
ミドルブロック13は、凹部26とタイヤ軸方向で隣り合うのが望ましい。これにより、ミドルブロック13は、路面に対するタイヤ軸方向の追従性が高められ、操縦安定性が向上しうる。
また、図1に示したように、ミドルブロック13の切込部28の深さD4は、スリット15の深さD2よりも大きく、ショルダーブロック12の切込部28の深さD5は、スリットの深さD2よりも大きくかつミドルブロック13の切込部28の深さD4よりも小さいのが望ましい。これにより、ミドルブロック13の剛性が相対的に小さくなるため、直進状態からフルバンクまでの倒し込み速度が向上して旋回性が向上する。また、ショルダーブロック12の剛性がミドルブロック13と比較して大きくなるため、フルバンク付近で倒し込みがリニアに収束し、操縦安定性が向上しうる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す基本構造をなし、表1に示すシフトブロックを有する不整地走行用の自動二輪車用タイヤが製造され、それらの性能が評価された。また、比較のために、比較例1乃至3についても同様に評価された。比較例1は、シフトブロック及び切込付ブロックを有しない従来のタイヤである。また、比較例2は、クラウンブロックとしてシフトブロックが配され、ミドルブロック及びショルダーブロックには切込を有しない従来のブロックが配されないタイヤである。さらに、比較例3は、ミドルブロック及びショルダーブロックとして切込付ブロックが配され、クラウンブロックはスリットを有しない従来のブロックが配されたタイヤである。なお、各タイヤの共通仕様は、以下の通りである。
使用車両:排気量450cc 自動二輪車
タイヤサイズ:
前輪:90/100−21
後輪:120/80−19
リムサイズ:
前輪:1.60×21
後輪:2.15×19
内圧:
前輪:80kPa
後輪:80kPa
トレッド幅TW:145mm
トレッド展開幅TWe:175mm
溝深さD1:15mm
ランド比(Sb/S):0.25
クラウンブロック:
タイヤ周方向の長さL:20mm
タイヤ軸方向の幅W:40mm
縦横比(L/W):0.50
比(W/TWe):0.23
ミドルブロック:
タイヤ周方向の長さL5:25mm
タイヤ軸方向の幅W6:20mm
縦横比(L5/W6):1.25
比(W6/TWe):0.11
ショルダーブロック:
タイヤ周方向の長さL6:25mm
タイヤ軸方向の幅W7:20mm
縦横比(L6/W7):1.25
比(W7/TWe):0.11
第1サイプ、第2サイプ:
切り込み幅W3:1.0mm
切り込み深さD3:3.0mm
切込付ブロック:
主部の幅W4:4.0〜6.0mm
副部の幅W5:9.0〜11.0mm
テスト方法は、次の通りである。
<直進時のトラクション性能、旋回時のグリップ性能、旋回時のスライド性能、乗り心地、接地感>
上記条件にて、不整地路面のテストコースを実車走行したときの直進時のトラクション性能、旋回時のグリップ性能、旋回時のスライド性能、乗り心地、接地感が運転者の官能評価により、10点法で評価された。数値が大きいほど良好である。
テストの結果が表1に示される。
Figure 0005890862
Figure 0005890862
Figure 0005890862
テストの結果、実施例のタイヤは、乗り心地及び接地感を維持しつつ、操縦安定性の指標となる、直進時のトラクション性能、旋回時のグリップ性能、及び旋回時のスライド性能を向上させることが確認できた。
11 クラウンブロック
12 ショルダーブロック
13 ミドルブロック
15 スリット
21 非シフトブロック
22 シフトブロック
26 凹部
28 切込部
29 主部
30 副部
31 切込付ブロック

Claims (8)

  1. トレッド部に、複数のブロックが配置された不整地走行用の空気入りタイヤであって、
    前記ブロックは、トレッド部の中央領域に配されるクラウンブロックと、トレッド接地端側に配されるショルダーブロックと、前記クラウンブロックと前記ショルダーブロックとの間に配されるミドルブロックとを含み、
    前記ミドルブロック及び前記ショルダーブロックは、ブロック縁からブロック中央部側へのびる一対の第1サイプと、該第1サイプ間を継ぐ第2サイプとからなる切込部により、前記切込部の内側に区分される副部と、前記切込部の外側に区分される主部とを具えた切込付ブロックを含み、
    前記クラウンブロックは、ブロックのタイヤ周方向の長さLとタイヤ軸方向の幅Wとの比(L/W)である縦横比が、前記ミドルブロック及び前記ショルダーブロックよりも小さく、
    しかも、前記クラウンブロックは、その幅方向の中央部をタイヤ周方向にのびる1本のスリットにより2つのブロック小片に区分されるとともに、該2つのブロック小片が前記スリットを介してタイヤ周方向に位置ずれしたシフトブロックを含み、
    前記トレッド部の中央領域には、前記2つのブロック小片が前記スリットを介してタイヤ周方向に位置ずれしない非シフトブロックが、タイヤ周方向に連続して2以上並ぶ非シフトブロック群が配され、
    前記非シフトブロック群のタイヤ周方向の両端を通るタイヤ軸方向線で挟まれる非シフトブロック群領域内に配された前記ミドルブロックは、前記非シフトブロック群領域外に配された前記ミドルブロックよりも、タイヤ赤道側に配されていることを特徴とする不整地走行用の空気入りタイヤ。
  2. 前記非シフトブロックは、前記クラウンブロックの中で最も小さいタイヤ軸方向の幅を有する請求項1に記載の不整地走行用の空気入りタイヤ。
  3. 前記シフトブロックは、前記クラウンブロックの中で最も大きいタイヤ軸方向の幅を有する請求項1又は2に記載の不整地走行用の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド部の外面は、前記ブロックの間に形成される溝底面を含み、
    タイヤ周方向に隣り合う前記クラウンブロックの間には、前記溝底面を局部的に凹ませた凹部を具える請求項1乃至3のいずれかに記載の不整地走行用の空気入りタイヤ。
  5. 前記ミドルブロックは、前記凹部とタイヤ軸方向で隣り合う請求項4記載の不整地走行用の空気入りタイヤ。
  6. 前記シフトブロックは、第1シフトブロックと、前記第1シフトブロックとはタイヤ周方向の位置ずれ方向が異なる第2シフトブロックとを含む請求項1乃至5のいずれかに記載の不整地走行用の空気入りタイヤ。
  7. 記副部は、前記ブロック縁からタイヤ半径方向内方にのびる副部外壁面を有し、
    前記ミドルブロックの前記副部外壁面は、前記ミドルブロックのタイヤ軸方向外側に配され、
    前記ショルダーブロックの前記副部外壁面は、前記ショルダーブロックのタイヤ軸方向内側に配される請求項1乃至6のいずれかに記載の不整地走行用の空気入りタイヤ。
  8. 前記ミドルブロックの前記切込部の深さは、前記スリットの深さよりも大きく、
    前記ショルダーブロックの前記切込部の深さは、前記スリットの深さよりも大きくかつ前記ミドルブロックの切込部の深さよりも小さい請求項7に記載の不整地走行用の空気入りタイヤ。
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