JP5890339B2 - 盗難防止用ボルト - Google Patents

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Description

本発明は、盗難防止機能が付与された盗難防止用ボルト、盗難防止用ナット、及び前記盗難防止用ボルトと前記盗難防止用ナットとの組み合わせからなる盗難防止用締結具に関する。
近年、カーナビゲーション、ナンバープレート、カーコンポーネントなどの自動車用部品や、面格子、自動販売機などの屋外に設置される各種設置物、或いは公園遊具や建造物の一部などを盗難する犯罪が多発している。
このような犯罪は、主に、自動車用部品や各種設置物などの被締結部材を固定するためのボルトやナットなどの締結具を取り外すことによって実行されていることから、係る締結具につき、種々の盗難防止機能が付与されたものが開発されている。
例えば、下記特許文献1には、外周面がペンチやスパナなどの一般工具では掴み難い形状に形成されると共に、前記外周面に複数個の凹部が形成されてなる防犯ナットが開示されている。
又、下記特許文献2には、ネジやボルトの頭部に形成されている操作穴を、嵌め込み材にて埋めるようになされた防犯ネジが開示されている。
特開2000‐46027号公報 特開2003‐90322号公報
前記特許文献1に記載の防犯ナットは、前記凹部に嵌合し得る専用工具を用いなければ回転操作することができないため、盗難犯罪を抑止する簡易的な手段として非常に有効である。
しかしながら、前記特許文献1に記載の防犯ナットは、前記専用工具さえ入手できれば回転操作することが可能となるため、前記専用工具を入手した者による盗難犯罪を抑止することはできない。
一方、前記特許文献2に記載の防犯ネジは、締結後に、前記操作穴を前記嵌め込み材によって埋める仕組みとなっていることから、前記操作穴が前記嵌め込み材にて埋められた後は、締結作業に用いた専用工具を用いても、前記防犯ネジを回転操作することができない。これより、前記特許文献2に記載の防犯ネジは、盗難犯罪を確実に防止する手段として相当の評価を得ている。
しかしながら、前記特許文献1に記載の防犯ネジは、前記頭部に形成されている前記操作穴に、前記嵌め込み材を座屈させた状態にて埋めるため、相当な打撃を前記嵌め込み材に付与し得る状況でしか使用できないものであった。即ち、前記防犯ネジにて締結される被締結部材が、例えば、オートバイ等のナンバープレートなどの揺動する部材の場合、前記嵌め込み材に打撃を与えても、前記嵌め込み材の座屈が不十分となり、運転中の振動などによって前記嵌め込み材が抜け落ちる場合があった。
ここで、前記嵌め込み材を座屈させることなく、前記操作穴に留めさせるためには、前記嵌め込み材の水平断面形状を前記操作穴の開口端形状の寸法とほぼ同一にし、前記嵌め込み材を前記操作穴の内側面又は内側辺にて支持するようにする手段を講じることが考えられる。
しかしながら、前記嵌め込み材の寸法を、前記操作穴の内側面又は内側辺にて支持し得る寸法に設計した場合、係る嵌め込み材を前記操作穴に嵌め込むためには、前記嵌め込み材の位相と、前記操作穴の位相とを相当の精度にて一致させる位置決め作業を行わなければ、前記嵌め込み材を前記操作穴に押し込むことができず、締結作業を非常に困難なものにさせる。
本発明は、前記技術的課題に鑑みて完成されたものであり、盗難防止機能に加えて、締結作業を容易なものとし得る新規な盗難防止用ボルトと、盗難防止用ナットと、前記盗難防止用ボルトと前記盗難防止用ナットとの組み合わせからなる盗難防止用締結具と、を提供することを目的とする。
前記技術的課題を解決するために、本発明の第一の盗難防止用ボルトは、頭部と、前記頭部の座面から垂下する軸部と、前記頭部において、前記軸部の回転中心線上に設けられた操作穴と、を具備するボルト本体と、前記操作穴に嵌め込まれる嵌め込み材と、を具備してなり、前記操作穴に挿入可能な先端形状を有する締結専用工具にて、前記ボルト本体が締結方向に回転操作されて、前記ボルト本体が被締結部材に締結された後、前記嵌め込み材にて前記操作穴が埋められることによって、前記締結専用工具が前記操作穴に挿入できない状態となされる盗難防止用ボルトであって、前記嵌め込み材が、前記操作穴に嵌め込まれた際に前記操作穴の内側面又は内側辺によって支持されるキャップ部と、前記キャップ部の下面側に配置されたガイド部と、を具備してなり、前記嵌め込み材を前記操作穴に嵌め込む際に、前記キャップ部に先行して挿入される前記ガイド部の各外側面がそれぞれ対応する前記操作穴の各内側面に沿い、且つ、前記ガイド部の各外側辺がそれぞれ対応する前記操作穴の各内側辺に沿い、もって、前記キャップ部が前記操作穴に押し込まれ得る位相へと案内されるように、前記ガイド部が、前記操作穴の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する柱体となされ前記嵌め込み材が、めっき処理された表面を有してなり、前記キャップ部と前記ガイド部との境界に存する段差が前記めっきによって埋められてなることを特徴とする。(以下、「本発明第一ボルト」と称する。)
前記本発明第一ボルトにおいては、前記嵌め込み材が前記操作穴に埋め込まれた際、前記ガイド部の外側面と前記操作穴の内側面との間に生じる間隙が、0.05mm以上、且つ、0.2mm以下の範囲内となるように設計されたものが好ましい態様となる。
前記本発明第一ボルトにおいては、前記嵌め込み材が前記操作穴に埋め込まれた際、前記ガイド部の外側辺と前記操作穴の内側辺との間に生じる間隙が、0.05mm以上、且つ、0.2mm以下の範囲内となるように設計されたものが好ましい態様となる。
前記本発明第一ボルトにおいては、前記キャップ部が、前記操作穴の開口端形状と同じ形状の水平断面形状を有するものが好ましい態様となる。
前記本発明第一ボルトにおいては、前記嵌め込み材が、亜鉛、又は亜鉛合金を素材として形成されてなるものが好ましい態様となる。
前記本発明第一ボルトにおいては、前記嵌め込み材の上面の重心上に、窪み穴が設けられてなるものが好ましい態様となる。
本発明の第二の盗難防止用ボルトは、頭部と、前記頭部の座面から垂下する軸部と、前記頭部において、前記軸部の回転中心線上に設けられた操作穴と、を具備するボルト本体と、前記操作穴に嵌め込まれる嵌め込み材と、を具備してなり、前記操作穴に挿入可能な先端形状を有する締結専用工具にて、前記ボルト本体が締結方向に回転操作されて、前記ボルト本体が被締結部材に締結された後、前記嵌め込み材にて前記操作穴が埋められることによって、前記締結専用工具が前記操作穴に挿入できない状態となされる盗難防止用ボルトであって、前記嵌め込み材が、前記操作穴に嵌め込まれた際に前記操作穴の内側面又は内側辺によって支持されるキャップ部と、前記キャップ部の下面側に配置されたガイド部と、を具備してなり、前記嵌め込み材を前記操作穴に嵌め込む際に、前記キャップ部に先行して挿入される前記ガイド部の各外側面のいずれか少なくとも二面が前記操作穴の内側面のうちの二面に沿い、又は前記ガイド部の各外側辺のいずれか少なくとも三辺が前記操作穴の内側辺のうちの三辺に沿い、もって、前記キャップ部が前記操作穴に押し込まれ得る位相へと案内されるように、前記ガイド部が、前記操作穴の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する仮想柱体から一ないし複数の外側辺が落とされた形状、又は前記仮想柱体から一ないし複数の外側面を中心部に向かって後退させた形状となされたことを特徴とする(以下、「本発明第二ボルト」と称する。)。
本発明の第四の盗難防止用ボルトは、頭部と、前記頭部の座面から垂下する軸部と、前記頭部において、前記軸部の回転中心線上に設けられた操作穴と、を具備するボルト本体と、前記操作穴に嵌め込まれる嵌め込み材と、を具備してなり、前記操作穴に挿入可能な先端形状を有する締結専用工具にて、前記ボルト本体が締結方向に回転操作されて、前記ボルト本体が被締結部材に締結された後、前記嵌め込み材にて前記操作穴が埋められることによって、前記締結専用工具が前記操作穴に挿入できない状態となされる盗難防止用ボルトであって、前記嵌め込み材が、前記操作穴に嵌め込まれた際に前記操作穴の内側面又は内側辺によって支持されるキャップ部と、前記キャップ部の下面側に配置されたガイド部と、を具備してなり、前記嵌め込み材を前記操作穴に嵌め込む際に、前記キャップ部に先行して挿入される前記ガイド部の各外側面のいずれか少なくとも二面がそれぞれ前記操作穴の内側面のうちの二面に徐々に接近し、又は、前記ガイド部の各外側辺のいずれか少なくとも三辺がそれぞれ前記操作穴の各内側辺のうちの三辺に徐々に接近し、もって、前記キャップ部が前記操作穴に押し込まれ得る位相へと案内されるように、前記ガイド部が、前記操作穴の開口端形状と合同又は僅かに小さい相似の底面形状を有する仮想錐体又は仮想錐台体から、一ないし複数の外側辺が落とされた形状、若しくは、前記仮想錐体又は前記仮想錐台体から一ないし複数の外側面を中心部に向かって後退させた形状となされたことを特徴とする(以下、「本発明第四ボルト」と称する。)。
本発明によれば、盗難防止機能に加えて、締結作業を容易なものとすることができる。
図1(a)は、実施形態1に係る本発明第一ボルトを示す斜視図であり、図1(b)は、前記本発明第一ボルトにおいて用いられるボルト本体を示す断面図であり、図1(c)は、前記ボルト本体に設けられた操作穴を示す上面図であり、図1(d)は、前記本発明第一ボルトにおいて用いられる嵌め込み材を示す側面図である。 図2(a)は、前記本発明第一ボルトを締結する工程を示す斜視図であり、図2(b)、(c)は、前記ボルト本体に嵌め込み材を嵌め込む工程を示す断面図である。 図3(a)は、前記本発明第一ボルトにおいて用いられる他の嵌め込み材を示す斜視図であり、図3(b)は、前記嵌め込み材を、断面図にて示すボルト本体の操作穴に嵌め込んだ状態を示す断面図である。 図4(a)は、更に座金を具備する本発明第一ボルトを示す斜視図であり、図3(b)は、前記本発明第一ボルトにおいて用いられる前記座金を示す断面図であり、図4(c)は、前記座金を介して前記本発明第一ボルトを締結した状態を示す断面図である。 図5(a)は、実施形態2に係る本発明第一ボルトを示す斜視図であり、図5(b)は、前記本発明第一ボルトにおいて用いられる嵌め込み材を示す断面図である。 図6は、前記本発明第一ボルトの取り外し作業を示す斜視図である。 図7(a)は、実施形態3に係る本発明第二ボルトを示す斜視図であり、図7(b)は、前記本発明第二ボルトに用いられる嵌め込み材を示す側面図であり、図7(c)は、前記嵌め込み材を示す底面図である。 図8(a)〜(c)は、前記本発明第二ボルトに用いられる他の嵌め込み材を例示列挙して示す底面図である。 図9(a)は、実施形態4に係る本発明第三ボルトを示す斜視図であり、図9(b)は、前記本発明第三ボルトに用いられる嵌め込み材を示す側面図である。 図10(a)は、実施形態5に係る本発明第四ボルトを示す斜視図であり、図10(b)は、前記本発明第四ボルトに用いられる嵌め込み材を示す底面図である。 図11(a)は、本発明ナットを示す斜視図であり、図11(b)は、前記本発明ナットを示す側面図である。 図12(a)、(b)は、前記本発明ナットと、前記本発明第一ボルトとを締結する工程を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
[実施形態1]
<本発明第一ボルト101>
図1に、実施形態1に係る本発明第一ボルト101、図2に前記本発明第一ボルト101の締結工程を示す。前記本発明第一ボルト101は、ボルト本体2と、嵌め込み材4と、を具備する。
前記ボルト本体2は、頭部21と、軸部22と、を具備してなる。
前記頭部21は、座面(以下、「ボルト座面」と称する。)211と、前記ボルト座面211の反対側面に存する上面(以下、「ボルト上面」と称する。)212と、前記ボルト座面211から前記ボルト上面212に向かって水平断面積を漸減させるテーパーがつけられた周壁(以下、「ボルト周壁」と称する。)213と、前記ボルト上面212に配された操作穴214と、を具備する。
前記頭部21における前記ボルト座面211は、円形の外縁(直径:16mm)を有する。前記ボルト座面211は、例えば、前記本発明第一ボルト101にて一の部材Pを他の部材Qに固定した際に、前記一の部材Pと接触する側の面となる(図2参照)。前記ボルト上面212も円形の外縁(直径:12.5mm)を有してなり、前記ボルト座面211と平行関係となされている。図1(b)に示すように、前記頭部21は、対向する母線同士がなす角(θ)が約55度となされ、且つ、前記ボルト座面211から前記ボルト上面212までの高さ(H)が3.7mmとなされた略円錐台状の全体形状を有する。
前記軸部22は、その軸心が前記ボルト座面211及び前記ボルト上面212の双方の中心を通り、もって、前記頭部21のボルト座面211から垂下するように、前記頭部21に対して連結されている。又、前記軸部22には雄ネジ221が設けられている。
前記操作穴214は、前記軸部22の回転中心線上に配され、前記ボルト上面212において開口している。前記操作穴214は、対向する辺同士の間隔(L)が4.1mmとなされた正六角形の開口端形状を有してなり、その深さ(D)が2.5mmとなされている(図1(b)、(c)参照)。
前記嵌め込み材4は、キャップ部41と、ガイド部42と、を具備する。前記嵌め込み材4の高さ(H)は、前記操作穴214の深さ(D)と同一、又は幾分(好ましくは、1.1倍以上、且つ、1.5倍以下の範囲内)高くなるように設定される。本実施形態においては、前記嵌め込み材4の高さ(H)を、3mmとしている。
前記キャップ部41は、角柱状の全体形状を有する。前記キャップ部41は、前記操作穴214の開口端形状と同じ形状の水平断面形状を有する。又、前記キャップ部41の水平断面の寸法は、前記操作穴214の開口端の寸法とほぼ同じとなされている。本実施形態においては、前記キャップ部41の水平断面形状につき、対向する辺同士の間隔(L)が4.05mmとなされた正六角形としている。又、前記キャップ部41の高さ(H)は、1.5mmとしている(図1(d)参照)。
前記ガイド部42は、前記キャップ部41の下面側に配置されている。前記ガイド部42の一底面は、前記キャップ部41の下面と接合されている。前記ガイド部42は、前記操作穴の214の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する柱体となされている。又、前記ガイド部42の各外側辺の位相は、対応する前記キャップ部41の各外側辺の位相と一致されている。更に、前記ガイド部42は、その水平断面形状の重心が、前記キャップ部41の水平断面形状の重心と一致する位置に配置されている。本実施形態においては、前記ガイド部42の水平断面形状につき、対向する辺同士の間隔(L)が3.9mmとなされた正六角形としている。又、前記ガイド部42の高さ(H)は、1.5mmとしている(図1(d)参照)。
<本発明第一ボルト101の締結(締め付け)作業>
図2(a)に示すように、前記本発明第一ボルト101を用いて一の部材Pを他の部材Qに固定するにあたっては、まず、前記一の部材Pに存する穴P1を、前記他の部材Qに存する穴Q1に重ね合わせ、前記穴Q1に重ねあわされた前記穴P1に、前記ボルト本体2の前記軸部22を挿入する。
前記他の部材Qに存する前記穴Q1には、その内壁において、前記軸部22に設けられた前記雄ネジ221と螺合し得る雌ネジが設けられている。従って、前記軸部22の先端を前記穴Q1の開口端にあてがった状態にて、前記ボルト本体2の前記頭部21を指で摘みながら締結方向に回転操作すれば、前記ボルト本体2の前記雄ネジ221と、前記穴Q1に設けられた雌ネジとが螺合する。前記雄ネジ221と前記雌ネジとの螺合を進めると、前記ボルト本体2の前記ボルト座面211と、一の部材Pの表面とが接近し、もって、前記一の部材Pが、前記ボルト座面211と前記他の部材Qとの間に挟まれた状態にて仮固定される。
仮固定の後、締結専用工具(本実施形態においては、「六角スパナ」と称される角棒レンチの一種)6を用いて、前記ボルト本体2を更に回転操作し、もって、前記ボルト本体2に十分な締結力を付与する。この作業は、前記締結専用工具6の一端を、前記頭部21に存する前記操作穴214に挿入した上で、締結方向に回転操作することにより実行される。
なお、本実施形態においては、前述の仮固定における回転操作を指で行ったが、係る仮固定の回転操作についても前記締結専用工具6を用いて行って良い。
その後、前記操作穴214に前記嵌め込み材4が嵌め込まれる。前記操作穴214に前記嵌め込み材4を嵌め込むにあたっては、まず、前記ガイド部42を前記キャップ部41に先行させて前記操作穴214に挿入する(図2(b)参照)。
ここで、前記ガイド部42は、前記操作穴214の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する柱体となされていることから、前記操作穴214に対し、円滑に挿入することができる。
又、前記ガイド部42は、前記操作穴214に挿入される際、各外側辺が対応する前記操作穴214の各内側辺に沿い、且つ、各外側面が対応する前記操作穴214の各内側面に沿うため、回転方向への自由度がほとんど無くなった状態で、前記操作穴214に挿入配置される。そして、前記ガイド部42の各外側辺の位相は、対応する前記キャップ部41の各外側辺の位相と一致されているから、前記ガイド部42が前記操作穴214に嵌め合わされると、前記キャップ部41は、前記操作穴214に押し込まれ得る位相へと案内され、位置決めされる。
前記ガイド部42を前記操作穴214に嵌め合わせることによって、前記キャップ部41を位置決めした後、露出されている前記嵌め込み材4の端面をハンマーなどの工具によって叩けば、前記操作穴214内に向かって前記キャップ部41が押し込まれる(図2(c)参照)。
前記キャップ部41は、その水平断面の寸法が、前記操作穴214の開口端の寸法とほぼ同じとなされているから、前記操作穴214に押し込まれた前記キャップ部41は、前記操作穴214の内側辺及び内側面にて支持され、前記操作穴214の開口端を塞いだ状態で前記操作穴214に留まる。
前述の如く、前記ボルト本体2を締結方向に回転操作するにあたって用いられる前記締結専用工具6は、角棒レンチなどの一般的に流通されている一般工具である。又、前記締結作業の最終段階において、前記操作穴214に前記嵌め込み材4を埋めるにあたっては、ハンマーなどの工具が用いられる。前記締結作業に必要とされるこれらの工具は入手が容易であり、又、これらの工具を用いた前記締結作業には、さほど特別な技術は必要とされない。更に、前記嵌め込み材4に設けられた前記ガイド部42によって、前記操作穴214に対する前記キャップ部41の位置決めは非常に容易となる。これより、前記本発明第一ボルト101は、非常に簡単な作業にて締結することができる。
そして、前記操作穴214に前記嵌め込み材4が嵌め込まれた後は、前記操作穴214に前記締結専用工具6を挿入させることが不可能となり、もはや前記締結専用工具6を用いて前記本発明第一ボルト101を取り外すことはできなくなる。
又、前記ボルト本体2は、前記頭部21における前記ボルト周壁213が傾斜していることから、前記ボルト周壁213をペンチなどの工具によって挟持しつつ、回転操作することも困難である。
更に、前記嵌め込み材4における前記キャップ部41は、前記操作穴214の内側辺及び内側面にて支持され、前記操作穴214の開口端を塞いだ状態で前記操作穴214に留まっているから、前記嵌め込み材4を、前記操作穴214から取り出すことも困難である。
これより、前記嵌め込み材4が前記操作穴214に嵌め込まれた状態にて締結された本発明第一ボルト101は、締結が緩む方向に回転操作することが非常に困難なものとなり、その結果、盗難犯罪を防止する手段として非常に有効なものとなる。
なお、本実施形態では、前記操作穴214の開口端形状を正六角形としているが、前記操作穴214の開口端形状はこれに限られない。又、正多角形に限定されるものでもない。前記操作穴214の開口端形状は、三角形、四角形、五角形、六角形、楕円形、星形、或いはハート形等の各種形状とすることができる。但し、一般的な工具による締結作業の容易な実施の観点から、本発明においては、前記操作穴214の開口端の形状につき、正三角形、正方形、正五角形、又は正六角形のいずれかの形状とすることが好ましい。
又、本実施形態では、前記操作穴214の底面を平坦面としているが、前記操作穴214の底面は、このような平坦面に限定されるものではなく、例えば、漏斗状に陥没していても良い。
更に、前記締結専用工具6による回転操作の操作性を向上すべく、前記操作穴214の開口端の内径(本実施形態においては、前記操作穴214の開口端に外接する円の直径)は、3mm以上、且つ、6mm以下の範囲内とすることが好ましい。又、前記嵌め込み材4の十分な挿入深さを確保すべく、前記操作穴214の深さ(D)は、2mm以上(より好ましくは、2mm以上、且つ、5mm以下の範囲内)とすることが好ましい。
本実施形態では、前記嵌め込み材4におけるキャップ部41の形状を、前記操作穴214の開口端の形状と同じ水平断面形状を有する柱体としているが、前記キャップ部41の形状は、必ずしも前記操作穴214の開口端形状と同じ水平断面形状を有する柱体とする必要はない。前記キャップ部41の形状は、前記嵌め込み材4が前記操作穴214に嵌め込まれた際に、前記キャップ部の内側面又は内側辺が前記操作穴214の内側辺又は内側面にて支持されて、前記操作穴214に留まり得る形状とすれば良い。
前記キャップ部41の形状の例としては、前記操作穴214の開口端形状とほぼ同じ水平断面形状を有する柱体の他、前記操作穴214の開口端形状から一ないし複数の角を落とした水平断面形状を有する柱体や、前記操作穴214の開口端形状から一ないし複数の辺を中央部に向かって後退させた水平断面形状を有する柱体などを挙げることができる。
前記キャップ部41の寸法については、前記嵌め込み材4が前記操作穴214に埋め込まれた際、前記操作穴214の内側面又は内側辺によって支持される部分に生じる間隙が、0.05mm未満(より好ましくは、0mm以上、且つ、0.03mm以下)となるように設計することが好ましい。例えば、本実施形態のように、前記キャップ部41の形状を前記操作穴214の開口端形状とほぼ同じ水平断面形状を有する柱体とする場合にあっては、前記キャップ部41の外側面と、前記操作穴214の内側面との間に生じる間隙につき、0.05mm未満(より好ましくは、0mm以上、且つ、0.03mm以下)となるように設計することが好ましい。又、前記キャップ部41の外側辺と、前記操作穴214の内側辺との間に生じる間隙についても、0.05mm未満(より好ましくは、0mm以上、且つ、0.03mm以下)となるように設計することが好ましい
前記キャップ部41の高さ(H)については、前記操作穴214に対する前記キャップ部41の十分な挿入深さを確保すべく、0.5mm以上(より好ましくは、1mm以上、且つ、2mm以下の範囲内)とすることが好ましい。
一方、前記ガイド部42の寸法については、前記操作穴214に前記嵌め込み材4が嵌め込まれる際、先行して挿入される前記ガイド部42が前記操作穴214に円滑に挿入され、しかも、挿入された前記ガイド部42の各外側辺が、それぞれ前記操作穴214の各内側辺に沿い得るように、前記嵌め込み材4が前記操作穴214に埋め込まれた際、前記ガイド部42の外側面と前記操作穴214の内側面との間に生じる間隙が、0.05mm以上、且つ、0.2mm以下の範囲内(より好ましくは、0.075mm以上、且つ、0.15mm以下の範囲内)となるように設計することが好ましい。又、前記ガイド部42の外側辺と前記操作穴214の内側辺との間に生じる間隙についても、0.05mm以上、且つ、0.2mm以下の範囲内(より好ましくは、(より好ましくは、0.075mm以上、且つ、0.15mm以下の範囲内))となるように設計することが好ましい。前記ガイド部42の高さ(H)については、0.5mm以上(より好ましくは、1mm以上、且つ、2mm以下の範囲内)とすることが好ましい。
前記嵌め込み材4の材質としては、特に限定されるものではないが、金属を素材として形成することが好ましい。中でも、亜鉛や亜鉛合金を素材として形成された前記嵌め込み材4は、前記操作穴214に押し込まれる際に、適度な軟らかさと粘りを発現し、より容易に前記操作穴214に押し込むことができる。又、亜鉛や亜鉛合金を素材として形成された前記嵌め込み材4は、より確実に前記操作穴214に留まることができる。
更に、前記嵌め込み材4としては、めっき処理された表面を有してなるものが好ましい。めっき処理された表面を有する嵌め込み材は、錆び難くいうえ、前記キャップ部41と前記ガイド部42との境界に存する段差がめっきによって埋められるため、前記段差になだらかな傾斜面が生じる。これより、めっき処理された表面を有してなる前記嵌め込み材4は、前記操作穴214へ、より容易に押し込まれ得るものとなる。前記めっき処理としては、ニッケルによるめっき処理が好ましい。
加えて、前記嵌め込み材4としては、図3(a)に示すような、前記キャップ部41側の上面が中心部に向かってなだらかに盛り上がる形状となるように加工されたものが好ましい態様となる。前記キャップ部41側の上面を中心部に向かってなだらかに盛り上がる形状とすると、前記操作穴214に埋め込まれた前記嵌め込み材4を、ペンチなどの工具で挟むことがより困難となり、防犯効果が向上する(図3(b)参照)。
ところで、本実施形態では、前記ボルト本体2の頭部21の全体形状を略円錐台状としているが、前記ボルト本体2の頭部21の全体形状は、略円錐台状の他、略半球状、或いは略円柱状のようなペンチやスパナなどの一般工具では掴み難い形状とすることが好ましい。
なお、本発明において「略円錐台状」及び「略半球状」とは、前記ボルト座面211から、前記円形の前記ボルト上面212に向かって水平断面積を漸減させる傾斜面状となされた前記ボルト周壁213を具備する形状を意味する。又、本発明において「略円柱状」とは、前記ボルト座面211及び前記ボルト上面212の各外縁形状が、合同且つ円形となされた形状を意味する。
前記ボルト本体2の前記頭部21の高さ(H)は、特に限定されないが、よりペンチやスパナなどの一般工具で掴み難くなるように、10mm以下(より好ましくは、2mm以上、且つ、10mm以下の範囲内)とすることが好ましい。又、本実施形態のように、前記ボルト本体2の頭部21の全体形状を略円錐台状とする場合にあっては、よりペンチやスパナなどの一般工具で掴み難くなるように、対向する母線同士がなす角(θ)につき、45度以上、且つ、120度以下の範囲内とすることが好ましい。更に、前記ボルト座面211の直径は、5mm以上、且つ、30mm以下の範囲内とすることが好ましい。
但し、前記ボルト座面211の直径が大きくなると、前記ボルト座面211によって覆い隠される面積が大きくなり、例えば、自動車のナンバープレートの表示の一部に前記頭部21が被さって前記表示の一部を覆い隠してしまう場合がある。このような場合にあっては、前記ボルト座面211の直径につき、5mm以上、且つ、20mm以下の範囲内とすることが好ましい。なお、本実施形態のように、前記ボルト本体2の頭部21の全体形状を略円錐台状とする場合にあっては、前記ボルト座面211の直径が小さくなると、前記ボルト上面212が相対的に小さくなり、結果として、前記操作穴214の内径が小さくなりすぎて操作性が悪くなる場合がある。そのため、本発明においては、対向する母線同士がなす角(θ)につき、45度以上、且つ、60度以下の範囲内とすることが、更に好ましい。
又、本発明においては、図4に示すように、前記ボルト本体2を皿ネジ状にし、座金5との組み合わせにより、ペンチやスパナなどの一般工具では掴み難い形状としても良い。
更に詳しくは、前記座金5は、円環形状を有する。前記座金5の外周壁51は、図中上部から下部に向かって直径を増加させる傾斜面状となされており、その内周壁52は、図中上部から下部に向かって直径を漸減させる傾斜面状となされている(図4(b)参照)。
前記内周壁52の傾斜角(テーパ角)は、前記ボルトにおける前記頭部21のボルト周壁213の傾斜角(テーパ角)と同一となされており、前記座金5を介在させて、前記ボルト本体2を締結した際、前記ボルト周壁213が、前記座金5の前記内周壁52に収まるように設計されている(図4(c)参照)。
そして、前記座金5の前記外周壁51は、図中上部から下部に向かって直径を増加させる傾斜面状となされていることから、前記座金5を介在させて締結された前記ボルト本体2は、前記頭部21の周囲に存する前記外周壁51の傾斜面によって、ペンチやスパナなどの一般工具では掴み難くなる。又、前記座金5を無理矢理掴んで回転させても、前記ボルト本体2に対して回転力が伝達され難くなるため、より一層防犯効果が向上する。
本発明において、前記座金5を利用する場合にあっては、前記座金5の前記内周壁52によって囲まれる部分の深さ寸法(D)につき、前記ボルト本体2を締結した際、前記ボルト上面212の存する位置より、前記座金5の前記内周壁52の上端が0.1mm以上(好ましくは、0.5mm以上、且つ、2mm以下の範囲内)高くなるように設計することが好ましい。前記座金5における前記内周壁52によって囲まれる部分の深さ寸法(D)をこのように設計すると、前記座金5を介在させて、前記ボルト本体2を締結した際、前記ボルト上面212の存する位置より、前記座金5の前記内周壁51の上端が突出する。これより、前記座金5の前記内周壁52と前記ボルト本体2の前記頭部21との間に、マイナスドライバーなどの工具が差し込み難くなり、より一層防犯効果が向上する。
又、前記座金5の前記外周壁51における対向する母線同士がなす角(θ)については、45度以上、且つ、120度以下の範囲内(より好ましくは45度以上、且つ、60度以下の範囲内)とすることが好ましい。更に、前記座金5の座面外縁の直径は、5mm以上、且つ、30mmの範囲内(より好ましくは、5mm以上、且つ、20mm以下の範囲内)とすることが好ましい。
[実施形態2]
<本発明第一ボルト101>
図5に、実施形態2に係る本発明第一ボルト101を示す。前記本発明第一ボルト101は、ボルト本体2と、嵌め込み材4と、を具備する。
前記ボルト本体2は、前記実施形態1において説明したものと同様の構造を有する。
前記嵌め込み材4は、前記キャップ部41側の上面が中心部に向かってなだらかに盛り上がるように加工され、且つ、前記上面の重心位置に、窪み穴43が設けられている以外は、前記実施形態1において説明したものと同様の構造を有する(図5(b)参照)。
<本発明第一ボルト101の締結(締め付け)作業>
前記本発明第一ボルト101は、前記実施形態1において説明した手順と同様の手順にて締結される。
<本発明第一ボルト101の取り外し作業>
前述のように、前記嵌め込み材4が前記操作穴214に埋め込まれた状態にて締結された本発明第一ボルト101は、締結が緩む方向に回転操作することが非常に困難なものとなり、その結果、盗難犯罪を防止する手段として非常に有効なものとなる。
しかしながら、前記本発明第一ボルト101によって固定された部材において、盗難やいたずら等の犯罪目的ではなく、修理や交換などの正当な目的が生じた際には、前記本発明第一ボルト101を強制的に取り外す必要がある。
前記本発明第一ボルト101を強制的に取り外すにあたっては、図6に示すように、前記操作穴214に埋め込まれた前記嵌め込み材4を、ドリル等の切削工具Hにて破壊して取り除いたうえで、前記専用締結工具6にて、締結が緩む方向に回転操作する手段が採られる。
但し、前記嵌め込み材4を前記切削工具Hにて破壊するにあたっては、前記嵌め込み材4の端面の重心の存する位置に正確に刃先Haを当てないと、前記操作穴214まで破壊し、その後に前記専用締結工具6では回転操作できない状態にしてしまう場合がある。特に、本実施形態のように、前記嵌め込み材4における前記キャップ部41側の端面が、中心部に向かってなだらかに盛り上がるように加工されたものにおいては、刃先Haが滑りやすくなり、係る作業を非常に困難なものとする。
この点につき、前記嵌め込み材4として、前記キャップ部41側の端面の重心位置に、窪み穴43が設けられているものを用いれば、図6に示すように、前記窪み穴43が、前記切削工具Hの刃先Haをあてがうガイドとなるため、前記切削工具Hの刃先Haが滑ることを好適に防止することができる。
なお、前記窪み穴43の深さ(K)は、0.1mm以上、且つ、1mm以下の範囲内(より好ましくは、0.2mm以上、且つ0.5mm以下の範囲内)とすることが好ましい。又、前記窪み穴43の開口端の径(K)は、0.1mm以上、且つ、1mm以下の範囲内(より好ましくは、0.2mm以上、且つ0.5mm以下の範囲内)とすることが好ましい。
その余は、前記実施形態1において説明した事項と同様であり、繰り返しを避けるべく、ここでは説明を省略する。
[実施形態3]
<本発明第二ボルト102>
図7に、実施形態3に係る本発明第二ボルト102を示す。前記本発明第二ボルト102は、ボルト本体2と、嵌め込み材4と、を具備する。
前記ボルト本体2は、前記実施形態1において説明したものと同様の構造を有する。
前記嵌め込み材4は、キャップ部41と、ガイド部42と、を具備する(図7(b)参照)。
前記キャップ部41は、角柱状の全体形状を有する。前記キャップ部41は、前記操作穴214の開口端形状と同じ形状の水平断面形状を有する。又、前記キャップ部41の水平断面の寸法は、前記操作穴214の開口端の寸法とほぼ同じとなされている。
前記ガイド部42は、前記キャップ部41の下面側に配置されている。図7(c)に示すように、前記ガイド部42は、前記操作穴214の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する仮想柱体42aから、一の外側辺が落とされた形状を有する。又、前記ガイド部42は、前記仮想柱体42aの各外側辺の位相と、対応する前記キャップ部41の各外側辺の位相とが一致する位置に配されている。又、前記ガイド部42は、前記仮想柱体42aの水平断面形状の重心と、前記キャップ部41の水平断面形状の重心とが一致する位置に配されている。
<本発明第二ボルト102の締結(締め付け)作業>
前記本発明第二ボルト102の締結作業は、前記実施形態1において説明した手順と同様の手順にて行われる。又、締結された前記ボルト本体2の前記操作穴214に前記嵌め込み材4を嵌め込むにあたっては、前記実施形態1と同様にして、まず、前記ガイド部42を前記キャップ部41に先行させて挿入する。
ここで、前記ガイド部42は、前記操作穴214の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する前記仮想柱体42aから、一の角が落とされた形状となされていることから、前記操作穴214に対し、円滑に挿入することができる。
又、前記ガイド部42は、前記操作穴214に挿入される際、前記仮想柱体42aから残存する三つの外側辺X、Y、Z、及び前記仮想多角形42から角が落とされたことによって新たに生じた二つの外側辺X、Yが、それぞれ前記操作穴214の各内側辺のうちの五辺に沿い、且つ、前記仮想多角形42aから残存する四つの外側面A、B、C、Dがそれぞれ前記操作穴214の六つの内側面のうちの四面に沿うため、回転方向への自由度がほとんど無くなった状態で、前記操作穴214に挿入配置される。そして、前記ガイド部42は、前記仮想柱体42aの各外側辺の位相と、対応する前記キャップ部41の各外側辺の位相とが一致する位置に配されているから、前記ガイド部42が前記操作穴214に挿入配置されると、前記キャップ部41は前記操作穴214に押し込まれ得る位相へと案内され、位置決めされる。
前記ガイド部42を前記操作穴214に挿入配置することによって、前記キャップ部41を位置決めした後、露出されている前記嵌め込み材4の端面をハンマーなどの工具によって叩けば、前記操作穴214内に向かって前記キャップ部41が押し込まれる。
前記本発明第二ボルト102においては、前記ガイド部42の形状を、前記操作穴214の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する前記仮想柱体42aから、一の角が落とされた形状としているから、前記ガイド部42の水平断面形状は、前記キャップ部41の水平断面形状と異なる。
これより、前記キャップ部41と前記ガイド部42とを認識することが容易となり、作業性がより向上する。
図8に、前記本発明第二ボルト102における前記嵌め込み材4のその他の態様を例示列挙する。
図8(a)に示す嵌め込み材4は、キャップ部41の下面側に配置されたガイド部42が、前記操作穴214の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する仮想柱体42aから、対向する二つの外側辺を落とした形状となされたものである。
前記嵌め込み材4は、前記操作穴214に挿入される際、前記仮想柱体42aの外側辺が落とされたことによって新たに生じた四つの外側辺W、X、Y、Zが、それぞれ前記操作穴214の内側辺のうちの四つの内側辺に沿う。又、前記ガイド部42における前記仮想柱体42aから残存する二つの側面A、Bがそれぞれ前記操作穴214の内側面のうちの二つの内側面に沿う。これより、前記ガイド部42は、回転方向への自由度がほとんど無くなった状態で、前記操作穴214に挿入配置される。
図8(b)に示す嵌め込み材4は、キャップ部41の下面側に配置されたガイド部42が、前記操作穴214の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する仮想柱体42aから、三つの外側辺を落とした形状となされたものである。
前記嵌め込み材4は、前記操作穴214に挿入される際、前記仮想柱体42aの外側辺が落とされたことによって新たに生じた三つの外側辺X、Y、Zが、それぞれ前記操作穴214の内側辺のうちの三つの内側辺に沿う。これより、前記ガイド部42は、回転方向への自由度がほとんど無くなった状態で、前記操作穴214に挿入配置される。
図8(c)に示す嵌め込み材4は、キャップ部41の下面側に配置されたガイド部42が、前記操作穴214の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する仮想柱体42aから、六つの側面を中央部に向かって後退させた形状を有する。
前記嵌め込み材4は、前記操作穴214に挿入される際、前記仮想柱体42aの六つの側面を中央部に向かって後退させたことによって新たに生じた六つの外側辺U、V、W、X、Y、Zが、それぞれ前記操作穴214の各内側辺に沿う。これより、前記ガイド部42は、回転方向への自由度がほとんど無くなった状態で、前記操作穴214に挿入配置される。
このように、前記本発明第二ボルト102においては、前記ガイド部42につき、各外側面のうちの少なくとも二面が前記操作穴214の内側面に沿い、又は、各外側辺のうちの少なくとも三辺が前記操作穴214の内側辺に沿う形状となされているから、前記ガイド部42を先行させて前記嵌め込み材4を前記操作穴214に挿入すれば、前記キャップ部41が前記操作穴214に押し込まれ得る位相へと案内される。
なお、前記仮想柱体42aの外側辺を落としたり、外側面を中央部に向かって後退させたりするにあたり、そのカットラインは、直線状に限られず、湾曲していたり、屈曲していたり、波打っていたりしても良い。
その余は、前記実施形態1又は実施形態2において説明した事項と同様であり、繰り返しを避けるべく、ここでは説明を省略する。
[実施形態4]
<本発明第三ボルト103>
図9に、実施形態4に係る本発明第三ボルト103を示す。前記本発明第三ボルト103は、ボルト本体2と、嵌め込み材4と、を具備する。
前記ボルト本体2は、前記実施形態1において説明したものと同様の構造を有する。
前記嵌め込み材4は、キャップ部41と、ガイド部42と、を具備する(図9(b)参照)。
前記キャップ部41は、角柱状の全体形状を有する。前記キャップ部41は、前記操作穴214の開口端形状と同じ形状の水平断面形状を有する。又、前記キャップ部41の水平断面の寸法は、前記操作穴214の開口端の寸法とほぼ同じとなされている。
前記ガイド部42は、前記キャップ部41の下面側に配置されている。前記ガイド部42は、前記操作穴214の開口端形状と合同、又は、僅かに小さい相似の底面形状を有する錐台体となされる。又、前記ガイド部42の底面の各角の位相は、対応する前記キャップ部41の水平断面形状の各角の位相と一致される。又、前記キャップ部41の水平断面形状の重心と、前記ガイド部42の水平断面形状の重心とは一致されている。
<前記本発明第三ボルト103の締結(締め付け)作業>
前記本発明第三ボルト103の締結作業は、前記実施形態1において説明した手順と同様の手順にて行われる。又、締結された前記ボルト本体2の前記操作穴214に前記嵌め込み材4を嵌め込むにあたっては、前記実施形態1と同様にして、まず、前記ガイド部42を前記キャップ部41に先行させて挿入する。
ここで、前記ガイド部42は、大きい方の底面からもう一方の底面に向かって先細る形状の錐台体となっているから、前記操作穴214に対し、より円滑に挿入することができる。
又、前記ガイド部42は、前記操作穴214に挿入されるにつれて、各外側辺がそれぞれ前記操作穴214の各内側辺に徐々に接近して沿い、且つ、各外側面がそれぞれ前記操作穴214の各内側面に接近して沿うため、回転方向への自由度が次第に無くなり、最終的に回転方向への自由度がほとんど無くなった状態で、前記操作穴214に挿入配置される。そして、前記ガイド部42の底面の各角は、対応する前記キャップ部41の水平断面形状の各角の位相と一致されているから、前記ガイド部42が前記操作穴214に挿入配置されると、前記キャップ部41は前記操作穴214に押し込まれ得る位相へと案内され、位置決めされる。
前記ガイド部42を前記操作穴214に挿入配置することによって、前記キャップ部41を位置決めした後、前記嵌め込み材4の端面をハンマーなどの工具Hによって叩けば、前記操作穴214内に向かって前記キャップ部41が押し込まれる。
なお、前記本発明第三ボルト103においては、前記ガイド部42の大きい方の底面の寸法(L)につき、前記嵌め込み材4が前記操作穴214に嵌め込まれた際、前記ガイド部42の大きい方の底面と前記操作穴214の内壁面との間に生じる間隙が、0.2mm未満(より好ましくは、0mm以上、且つ、0.15mm以下)となるように設計することが好ましい。
一方、前記ガイド部42のもう一方の底面の寸法(L)については、大きい方の底面の寸法(L)より小さければ特に限定されるものではない。前記本発明第三ボルト103における前記ガイド部42については、もう一方の底面が存在しない錐体としても良い。前記ガイド部42のもう一方の底面の寸法(L)については、前記嵌め込み材4が前記操作穴214に埋め込まれた際、前記ガイド部42の前記もう一方の底面と前記操作穴214の内壁面との間に生じる間隙が、0.2mm以上(より好ましくは、0.2mm以上、且つ、0.5mm以下の範囲内)となるように設計することが好ましい。
その余は、前記実施形態1〜3において説明した事項と同様のため、繰り返しを避けるべく、ここでは説明を省略する。
[実施形態5]
<本発明第四ボルト104>
図10に、実施形態5に係る本発明第四ボルト104を示す。前記本発明第四ボルト104は、ボルト本体2と、嵌め込み材4と、を具備する。
前記ボルト本体2は、前記実施形態1において説明したものと同様の構造を有する。
前記嵌め込み材4は、 前記嵌め込み材4は、キャップ部41と、ガイド部42と、を具備する。
前記キャップ部41は、角柱状の全体形状を有する。前記キャップ部41は、前記操作穴214の開口端形状の同じ形状の水平断面形状を有する。又、前記キャップ部41の水平断面の寸法は、前記操作穴214の開口端の寸法とほぼ同じとなされている。
前記ガイド部42は、前記キャップ部41の下面側に配置されている。前記ガイド部42は、前記操作穴214の水平断面形状と合同、又は、僅かに小さい相似の底面形状を有する仮想錐台体42bから一の外側辺が落とされた形状を有する(図10(b)参照)。又、前記ガイド部42は、前記仮想錐台体42bの底面の各角の位相と、対応する前記キャップ部41の水平断面形状の各角の位相とを一致させた状態にて配置される。これにより、前記キャップ部41の水平断面形状の重心と、前記仮想錐台体42bの重心とが一致される。
<本発明第四ボルト104の締結(締め付け)作業>
前記本発明第四ボルト104の締結作業は、前記実施形態1において説明した手順と同様の手順にて行われる。又、締結された前記ボルト本体2の前記操作穴214に前記嵌め込み材4を嵌め込むにあたっては、前記実施形態1と同様にして、まず、前記ガイド部42を前記キャップ部41に先行させて挿入する。
ここで、前記ガイド部42は、前記仮想錐台体42bから一の外側辺が落とされた形状を有するから、前記操作穴214に対し、より円滑に挿入することができる。
又、前記ガイド部42は、前記操作穴214に挿入されるにつれて、前記仮想錐台体42bから残存する三つの外側辺X、Y、Z、及び前記仮想錐台体42bから角が落とされたことによって新たに生じた二つの外側辺X、Yが、それぞれ前記操作穴214の各内側辺のうちの五辺に徐々に接近して沿い、且つ、前記仮想錐台体42bから残存する各外側面A、B、C、Dがそれぞれ前記操作穴214の各内側面のうちの四面に接近して沿うため、回転方向への自由度が次第に無くなり、最終的に回転方向への自由度がほとんど無くなった状態で、前記操作穴214に挿入配置される。
そして前記ガイド部42は、前記仮想錐台体42bの底面の各角の位相と、対応する前記キャップ部41の水平断面形状の各角の位相とが一致する位置に配されているから、前記ガイド部42が前記操作穴214に挿入配置されると、前記キャップ部41は前記操作穴214に押し込まれ得る位相へと案内され、位置決めされる。
前記ガイド部42を前記操作穴214に挿入配置することによって、前記キャップ部41を位置決めした後、露出されている前記嵌め込み材4の端面をハンマーなどの工具によって叩けば、前記操作穴214内に向かって前記キャップ部41が押し込まれる。
その余は、前記実施形態1〜5において説明した事項と同様のため、繰り返しを避けるべく、ここでは説明を省略する。
[実施形態6]
<本発明ナット3>
図11に、実施形態6に係る本発明ナット3を示す。前記本発明ナット3は、前記本発明第一〜第四ボルト101〜104の前記軸部22に螺合し得るものである。又、前記本発明第一〜第四ボルト101〜104のいずれかと、前記本発明ナット3との組み合わせからなるものが本発明締結具である。
前記本発明ナット3は、座面(以下、「ナット座面」と称する。)31と、前記ナット座面31の反対側面に存する頂部(以下、「ナット頂部」と称する。)32と、前記ナット座面31から前記ナット頂部32に向かって直径を漸減させる傾斜面状となされた周壁(以下、「ナット周壁」と称する。)33と、前記ナット座面31から前記ナット頂部32に向かって貫通する雌ネジ部34と、を具備する。
本実施形態において、前記ナット3における前記ナット座面31は、円形の外縁(直径:約18mm)を有している。前記ナット頂部32も円形の外縁(直径:約10mm)を有してなり、前記ナット座面31と平行関係となされている。前記ナット3は、対向する母線同士がなす角(θ)が約60度となされ、且つ、前記ナット座面31から前記ナット頂部32までの高さ(H)が約6mmとなされた略円錐台状の全体形状を有する(図11(b)参照)。
前記雌ネジ部34は、その軸心が前記ナット座面31及び前記ナット頂部32の双方の中心を通り、もって、前記ナット座面31及び前記ナット頂部32の双方に対し垂直となるように設けられている。
又、前記ナット座面31には、複数の突起35が設けられている。本実施形態においては、前記突起31は、外径約0.8mm、高さ約0.5mmの円柱形状を有してなり、前記雌ネジ部34の開口端の周囲四箇所に、90度ずつの位相差を開けた状態にて設けられている。
<前記本発明ナット3を用いた前記本発明第一ボルト101の締結(締め付け)作業>
図12(a)に示すように、前記本発明ナット3、及び、前記本発明第一ボルト101を用いて一の部材Pを他の部材Qに固定するにあたっては、まず、前記一の部材Pに存する穴P1と、前記他の部材Qに存する穴Q1とを重ね合わせ、前記重ねあわされた前記穴P1、Q1に、前記ボルト本体2の前記軸部22を挿入する。
次いで、前記軸部22の先端に、前記本発明ナット3の前記ナット座面31側に存する雌ネジ部34の開口端あてがった状態にて、前記ボルト本体2の前記頭部21を指で摘みながら締結方向に回転操作すれば、前記ボルト本体2の前記雄ネジ221と、雌ネジ部34とが螺合する。前記雄ネジ221と前記雌ネジ部34との螺合を進めると、前記ボルト本体2の前記ボルト座面211と、前記本発明ナット3の前記ナット座面31とが接近し、もって、前記一の部材Pと前記他の部材Qが、前記ボルト座面211と前記ナット座面31との間に挟まれた状態にて仮固定される。
仮固定の後、締結専用工具(本実施形態においては、「六角スパナ」と称される角棒レンチの一種)6を用いて、前記ボルト本体2を更に回転操作し、もって、前記ボルト本体2に十分な締結力を付与する。この作業は、前記締結専用工具6の一端を、前記頭部21に存する前記操作穴214に嵌合させた上で、締結方向に回転操作することにより実行される。
この回転操作の際、前記ボルト本体2の回転に同調して前記本発明ナット3も回転しようとする。一般の締結具においては、ナット側をペンチやスパナなどで掴むことにより、ボルトの回転に同調して回転しようとするナットの動きを抑制しながらこの回転操作を実行することになるが、前記本発明ナット3は、前記ナット周壁33が、ペンチやスパナなどの一般工具では掴み難い形状となっている。
この点につき、前記本発明ナット3は、前記ナット座面31に前記突起35が設けられているため、前記ボルト本体2を回転操作する際に、前記突起35の先端が前記他の部材Qの表面に引っ掛かり、前記ボルト本体2の回転に同調して回転しようとする前記本発明ナット3の動きに対する抵抗力を生じさせる。
これより、回転操作時における前記本発明ナット3の空回りが好適に防止されて、十分な締結力を前記ボルト本体2に付与することができる。
その後、前記操作穴214に前記嵌め込み材4を嵌め込む。前記操作穴214への前記嵌め込み材4の埋め込み作業は、まず、前記ガイド部42を前記キャップ部41に先行させて挿入し、前記キャップ部41を前記操作穴214に押し込まれ得る位置に位置決めした後、露出されている前記嵌め込み材4の端面をハンマーなどの工具によって叩くことによって行う。
なお、本実施形態では、前記本発明ナット3と対になって用いられるボルトとして、前記本発明第一ボルト101を選択しているが、前記本発明ナット3と対になって用いられるボルトとしては、前記本発明第一〜第四ボルト101〜104のいずれを選択しても良い。又、前記本発明ナット3は、前記本発明第一〜第四ボルト101〜104以外のボルトと対になって使用されることが否定されるものではない。
ところで、本実施形態においては、前記突起35として、外径0.8mm、高さ0.5mmの円柱形状を有してなるものを、前記雌ネジ部34の開口端の周囲四箇所に、90度の位相差をもって設けているが、前記突起35の形状及び数については、特に限定されない。前記突起35の形状としては、円柱状の他、角柱状、円錐状、角錐状、円錐台状、或いは角錐台状などが好ましい。前記突起35の数としては、3個以上、且つ、6個以下の範囲内とすることが好ましい。前記突起35の外径(もっとも嵩高い部分の径)としては、0.1mm以上、且つ、1mm以下の範囲内が好ましい。前記突起35の高さ(前記ナット座面31からの高さ)としては、0.1mm以上、且つ、1mm以下の範囲内とすることが好ましい。
又、本実施形態では、前記本発明ナット3の全体形状を略円錐台状としているが、前記本発明ナット3の全体形状は、略円錐台状の他、略半球状、或いは略円柱状のようなペンチやスパナなどの一般工具では掴み難い形状とすることが好ましい。
前記ナット座面31から前記ナット頂部32までの高さ(H)は、特に限定されないが、よりペンチやスパナなどの一般工具で掴み難くなるように、10mm以下(より好ましくは、2mm以上、且つ、10mm以下の範囲内)とすることが好ましい。又、本実施形態のように、前記本発明ナット3の全体形状を略円錐台状とする場合にあっては、よりペンチやスパナなどの一般工具で掴み難くなるように、対向する母線同士がなす角(θにつき、45度以上、且つ、120度以下の範囲内(より好ましくは45度以上、且つ、60度以下の範囲内)とすることが好ましい。更に、前記ナット座面31の直径は、5mm以上、且つ、30mm以下の範囲内(より好ましくは、5mm以上、且つ、20mm以下の範囲内)とすることが好ましい。
その余は、前記実施形態1〜5において説明した事項と同様であり、繰り返しを避けるべく、ここでは説明を省略する。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
101 本発明第一ボルト(盗難防止用ボルト)
102 本発明第二ボルト(盗難防止用ボルト)
103 本発明第三ボルト(盗難防止用ボルト)
104 本発明第四ボルト(盗難防止用ボルト)
2 ボルト本体
21 頭部
211 (ボルト)座面
212 (ボルト)上面
213 (ボルト)周壁
214 操作穴
22 軸部
221 雄ネジ
3 本発明ナット(盗難防止用ナット)
31 (ナット)座面
32 (ナット)頂部
33 (ナット)周壁
34 雌ネジ部
35 突起
4 嵌め込み材
41 キャップ部
42 ガイド部
42a 仮想柱体
42b 仮想錐台体
43 窪み穴
5 座金
51 外周壁
52 内周壁
6 締結専用工具

Claims (8)

  1. 頭部と、前記頭部の座面から垂下する軸部と、前記頭部において、前記軸部の回転中心線上に設けられた操作穴と、を具備するボルト本体と、
    前記操作穴に嵌め込まれる嵌め込み材と、
    を具備してなり、
    前記操作穴に挿入可能な先端形状を有する締結専用工具にて、前記ボルト本体が締結方向に回転操作されて、前記ボルト本体が被締結部材に締結された後、前記嵌め込み材にて前記操作穴が埋められることによって、前記締結専用工具が前記操作穴に挿入できない状態となされる盗難防止用ボルトであって、
    前記嵌め込み材が、前記操作穴に嵌め込まれた際に前記操作穴の内側面又は内側辺によって支持されるキャップ部と、前記キャップ部の下面側に配置されたガイド部と、を具備してなり、
    前記嵌め込み材を前記操作穴に嵌め込む際に、前記キャップ部に先行して挿入される前記ガイド部の各外側面がそれぞれ対応する前記操作穴の各内側面に沿い、且つ、前記ガイド部の各外側辺がそれぞれ対応する前記操作穴の各内側辺に沿い、もって、前記キャップ部が前記操作穴に押し込まれ得る位相へと案内されるように、
    前記ガイド部が、前記操作穴の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する柱体となされ
    前記嵌め込み材が、めっき処理された表面を有してなり、前記キャップ部と前記ガイド部との境界に存する段差が前記めっきによって埋められてなることを特徴とする盗難防止用ボルト。
  2. 前記嵌め込み材が前記操作穴に埋め込まれた際、前記ガイド部の外側面と前記操作穴の内側面との間に生じる間隙が、0.05mm以上、且つ、0.2mm以下の範囲内となるように設計されたことを特徴とする請求項1に記載の盗難防止用ボルト。
  3. 前記嵌め込み材が前記操作穴に埋め込まれた際、前記ガイド部の外側辺と前記操作穴の内側辺との間に生じる間隙が、0.05mm以上、且つ、0.2mm以下の範囲内となるように設計されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の盗難防止用ボルト。
  4. 前記キャップ部が、前記操作穴の開口端形状と同じ形状の水平断面形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の盗難防止用ボルト。
  5. 前記嵌め込み材が、亜鉛、又は亜鉛合金を素材として形成されてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の盗難防止用ボルト。
  6. 前記嵌め込み材の上面の重心上に、窪み穴が設けられてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の盗難防止用ボルト。
  7. 頭部と、前記頭部の座面から垂下する軸部と、前記頭部において、前記軸部の回転中心線上に設けられた操作穴と、を具備するボルト本体と、
    前記操作穴に嵌め込まれる嵌め込み材と、
    を具備してなり、
    前記操作穴に挿入可能な先端形状を有する締結専用工具にて、前記ボルト本体が締結方向に回転操作されて、前記ボルト本体が被締結部材に締結された後、前記嵌め込み材にて前記操作穴が埋められることによって、前記締結専用工具が前記操作穴に挿入できない状態となされる盗難防止用ボルトであって、
    前記嵌め込み材が、前記操作穴に嵌め込まれた際に前記操作穴の内側面又は内側辺によって支持されるキャップ部と、前記キャップ部の下面側に配置されたガイド部と、を具備してなり、
    前記嵌め込み材を前記操作穴に嵌め込む際に、前記キャップ部に先行して挿入される前記ガイド部の各外側面のいずれか少なくとも二面が前記操作穴の内側面のうちの二面に沿い、又は前記ガイド部の各外側辺のいずれか少なくとも三辺が前記操作穴の内側辺のうちの三辺に沿い、もって、前記キャップ部が前記操作穴に押し込まれ得る位相へと案内されるように、
    前記ガイド部が、前記操作穴の開口端形状より僅かに小さい相似の水平断面形状を有する仮想柱体から一ないし複数の外側辺が落とされた形状、又は前記仮想柱体から一ないし複数の外側面を中心部に向かって後退させた形状となされたことを特徴とする盗難防止用ボルト。
  8. 頭部と、前記頭部の座面から垂下する軸部と、前記頭部において、前記軸部の回転中心線上に設けられた操作穴と、を具備するボルト本体と、
    前記操作穴に嵌め込まれる嵌め込み材と、
    を具備してなり、
    前記操作穴に挿入可能な先端形状を有する締結専用工具にて、前記ボルト本体が締結方向に回転操作されて、前記ボルト本体が被締結部材に締結された後、前記嵌め込み材にて前記操作穴が埋められることによって、前記締結専用工具が前記操作穴に挿入できない状態となされる盗難防止用ボルトであって、
    前記嵌め込み材が、前記操作穴に嵌め込まれた際に前記操作穴の内側面又は内側辺によって支持されるキャップ部と、前記キャップ部の下面側に配置されたガイド部と、を具備してなり、
    前記嵌め込み材を前記操作穴に嵌め込む際に、前記キャップ部に先行して挿入される前記ガイド部の各外側面のいずれか少なくとも二面がそれぞれ前記操作穴の内側面のうちの二面に徐々に接近し、又は、前記ガイド部の各外側辺のいずれか少なくとも三辺がそれぞれ前記操作穴の各内側辺のうちの三辺に徐々に接近し、もって、前記キャップ部が前記操作穴に押し込まれ得る位相へと案内されるように、
    前記ガイド部が、前記操作穴の開口端形状と合同又は僅かに小さい相似の底面形状を有する仮想錐体又は仮想錐台体から、一ないし複数の外側辺が落とされた形状、若しくは、前記仮想錐体又は前記仮想錐台体から一ないし複数の外側面を中心部に向かって後退させた形状となされたことを特徴とする盗難防止用ボルト。
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