JP7340249B2 - 型枠パネル連結具 - Google Patents
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Description
しかし、釘で型枠パネルを連結固定する場合、横方向から釘を打撃することとなるため、隣り合う型枠パネルを引き寄せながら精度よく固定させることは困難で作業性が悪い。
また、打設したコンクリートの重量(圧力)に耐えられるようにするため、強度を保つ必要があり相当数の釘を打ち込まなければならず、型組み時における釘打ち作業、解体時における釘の引き抜き作業及び釘拾い作業に大変な労力を要する。
そして、釘抜き又はバール等で引き抜いた釘は曲がってしまうため、再利用することができず、多くが一回限りの使用となっている。
さらに、型枠パネルの桟木についても、釘抜き又はバール等の工具を使って解体するため、痛みが激しくライフサイクルが短くなって、コスト増の原因となっている。
この連結金具(1)は、特許文献1の第1図に記載されているように、長手弾性鋼材(2)の両側部(3)(4)を、それぞれ鋭角をなすように折り曲げ、変形U字形の弾性挟持部(6)を形成すると共に、両端部(7)(8)付近を外向きに折り曲げて、両側部(3)(4)間に滑り案内部(9)を形成してなるものである。
使用に際しては、第2図及び第3図に示すように、隣り合う木製型枠(10)(10)の枠部を形成している桟木(11)(12)を当接させ、滑り案内部(9)を両桟木(11)(12)の側部端縁に当てて、手で連結金具(1)を押し込むと、滑り案内部(9)が両桟木(11)(12)の側壁を滑るので、容易に取り付けることができる。
なお、スクリュー釘(7)は、スクリュー部(8)を備える釘棒(9)の上部(10)の水平断面形状が扁平な楕円となっており、釘抜き用治具(11)は、スクリュー釘(7)の上部(10)が嵌合される嵌合穴(12)を備える装着部(14)と、その装着部(14)の上部から上方に延び出す円柱軸(16) とからなっている。(特に、段落0018~0022及び図1~12を参照)。
また、特許文献2に記載されている締結具(5)は、ユニット型枠(10)(10)の連結工事の迅速化が図れると共に締結具(5)を再利用できるが、特許文献1に記載されている連結金具(1)と同様、従来の締結方法に慣れている作業員がとまどう、フィン(2)に連結孔(21)を形成する必要があるのでユニット型枠(10)のコストが上がる、隣接するフィン(2)(2)の連結孔(21)(21)を位置合わせする必要があるため作業性が悪いといった短所があった。
さらに、特許文献3に記載されている発明は、桟木(3)に残ったスクリュー釘(7)の抜き取り作業が容易にはなるものの、そもそもスクリュー釘(7)が桟木(3)にコンクリートパネル(5)を固定するものである点で異なっている。そして、桟木(3)にコンクリートパネル(5)を固定する際には、スクリュー釘(7)をコンクリートパネル(5)及び桟木(3)に打ち付けるので、上部(10)がコンクリートパネル(5)にめり込んでしまうという短所があり、また上部(10)の水平断面形状は扁平な楕円であるため、特殊な釘抜き用治具(11)が必要であった。
ネジ部と、該ネジ部の上端側に設けられ少なくとも上部が正多角柱状の頭部と、前記頭部の下端側に設けられているワッシャー部とを有し、
前記ネジ部及び前記頭部の中心軸は一直線上にあるとともに、前記ネジ部の断面積は前記正多角柱状の頭部の断面積より小さく、
前記ワッシャー部は、前記頭部の下面全面を覆うとともに、前記頭部の下面側から全方向に延出する延出部を有しており、
前記延出部は、前記頭部の下面側から前記頭部の上面方向に曲折しており、
前記延出部の先端は、前記頭部の下面より前記頭部の上面側に位置していることを特徴とする。
前記延出部は、前記頭部の下面側から全方向に延出しているとともに、前記ワッシャー部の下面の周縁と前記中心軸との距離が均一でないことを特徴とする。
前記頭部の長さは、前記正多角柱状の頭部の断面に内接する円の直径以上であることを特徴とする。
そして、従来の釘打ち作業及び釘抜き作業を、それぞれインパクトレンチ等の電動工具によるねじ込み作業及び抜き取り作業に変更するだけで済む。そのため、従来の締結方法に慣れている作業員もとまどうことなく隣接する型枠パネルの締結作業及び締結状態の解除作業を行うことができ、従来の木製型枠パネルをそのまま利用して木製型枠を組みあげることもできるので、労働条件の改善、作業時間の短縮、コスト削減が可能となる。
また、頭部の下端側にワッシャー部が設けられており、ワッシャー部は頭部の下面全面を覆うとともに、頭部の下面側から全方向に延出する延出部を有しているので、電動工具を使用してねじ込み作業を行っても、頭部が型枠パネルの桟木にめり込むことがなく、型枠パネルが傷むのを抑えることができる。
さらに、延出部は、頭部の下面側から頭部の上面方向に曲折しており、延出部の先端は、頭部の下面より頭部の上面側に位置しているので、型枠パネル連結具の上部を持ってねじ込み作業を行っている時に、指や手袋がワッシャー部と桟木との間に挟まれてしまう危険性を低くすることができる。
また、桟木から突出している頭部が大きいので、電動工具のソケットに頭部を挿入し易く、迅速、確実に締結作業及び締結状態の解除作業を行うことができる。
図1~4に示すとおり、実施例1の型枠パネル連結具は、ネジ部1、ネジ部1の上端側(図1、2では左側)に設けられ上部が正六角柱状の頭部2及び頭部2の下端側(図1、2では右側)に設けられているワッシャー部3からなっている。
ネジ部1は、長さ56~90mm、太さ約5mmで先端が尖っている十字穴付皿タッピングネジ(以下「皿タッピング」という。)であり、頭部2は、長さ20~40mm、対面の間隔約12mmで直径5mm以上のネジ穴が切ってある高ナット(以下「正六角柱状金属部材」という。)を変形させたものであり、ワッシャー部3は、直径約30mm、厚さ約1mmで中心に約7mmの穴が穿ってある丸座金を変形させたものである。
そして、ネジ部1の長さ(ワッシャー部3の下面からネジ部1の下端までの長さ)は、桟木の厚さが通常25~30mmであることから、その厚さに応じて35~60mmとなるように調整し、頭部2のワッシャー部3で覆われていない部分の長さは、電動工具によるねじ込み作業を容易にするため、用いる電動工具や型枠パネルの大きさ等に応じて12~30mm(上記した対面の間隔の1~2.5倍)に調整すると良い。
また、実施例1の型枠パネル連結具の重心は、図1、2において、ワッシャー部3の突出している部分(図1の上端と下端を結んだ線)より右側に来るように調整する。
そうすることにより、実施例1の型枠パネル連結具が地面や床面等に落ちている時に、ネジ部1の下端が上を向くことが少なくなり安全性が高くなる。
(1)正六角柱状金属部材のネジ穴に皿タッピングを差し込み、皿タッピングの上端を正六角柱状金属部材の上面(図1、2では左面)に密着させる(接着等によって固定しても良い)。
(2)丸座金の両側をコの字状に曲げ、曲げた部分の間隔が12mm(正六角柱状金属部材の対面の間隔)となるように変形させる。
(3)皿タッピングの下端側(図1、2では右側)から変形させた丸座金を差し込み、正六角柱状金属部材の下面(図1、2では右面)及び対面に密着させる(接着等によって固定しても良い)。
(4)丸座金の曲げた部分の両側を万力等で挟み付け、丸座金を食い込ませて正六角柱状金属部材を変形させ、皿タッピングと正六角柱状金属部材と丸座金を完全に固定する。
以上の手順により、皿タッピング、正六角柱状金属部材及び丸座金は、それぞれネジ部1、頭部2及びワッシャー部3となる。
実施例1の型枠パネル連結具を桟木5、5にねじ込むに際しては、通常左手でワッシャー部3の側面を持ち、一方の桟木5の適当な位置にネジ部1の下端を当て、桟木5に対してほぼ垂直になるように保持した上で、頭部2の大きさに合ったソケットを取り付けたインパクトレンチを用いて頭部2を右回転させる。
そうすると、図5に示すように、ワッシャー部3の下面が桟木5に密着した状態になるまで、すなわちネジ部1が他方の桟木5にねじ込まれて両方の桟木5、5が引き寄せられ密着するまで回転して停止する。
図6は、実施例1の型枠パネル連結具を、隣り合う型枠パネル4、4の桟木5、5の3箇所にねじ込んで、型枠を組みあげた状態を示す図である。
なお、桟木5、コンクリートパネル6及び下方桟木7等からなる型枠4は、ベースコンクリート8の上に配置されており、必要に応じて下方桟木7にコンクリート釘を打ち込み、型枠4がベースコンクリート8に対して動かないように固定する場合もある。
実施例2の型枠パネル連結具は、ネジ部11、ネジ部11の上端側に設けられ全体が正六角柱状の頭部12及び頭部12の下端側に設けられているワッシャー部13からなっている。
そして、実施例2の型枠パネル連結具も実施例1の型枠パネル連結具と同様の構成であるが、ネジ部1を構成する皿タッピングの長さが56~90mmであったのに対して、ネジ部21を構成する皿タッピングの長さは54~90mmである点、頭部2が正六角柱状金属部材を変形させたものであったのに対して、頭部12は正六角柱状金属部材を変形させていない点、頭部2を構成する正六角柱状金属部材の長さが20~40mmであったのに対して、頭部12を構成する正六角柱状金属部材の長さは18~36mmである点及びワッシャー部3が丸座金の両側をコの字状に曲げ変形させたものであったのに対して、ワッシャー部13は実施例1と同じ丸座金を直径25mm、深さ6mmのカップ型に加工したカップ状金属部材に加工したものである点で異なっている。
なお、実施例2の型枠パネル連結具の重心は、実施例1と同じ理由で、ワッシャー部13の上端より下側に来るように調整してある。
(1)皿タッピングの上端から10mm程度下端側を約4mmの長さにわたって押しつぶす(実施例2では正六角柱状金属部材を変形させないため、回り止めが必要)。
(2)正六角柱状金属部材の穴に皿タッピングを押し込み、皿タッピングの上端を正六角柱状金属部材の上面に密着させる。
(3)丸座金を直径25mm、厚さ約1mm、深さ6mmのカップ型に加工したカップ状金属部材とする。
(4)皿タッピングの下端側から上記のカップ状金属部材を差し込み、正六角柱状金属部材の下面に密着させ、接着や溶接等によって固定する。
以上の手順により、皿タッピング、正六角柱状金属部材及び丸座金は、それぞれネジ部11、頭部12及びワッシャー部13となる。
実施例3の型枠パネル連結具は、ネジ部21、ネジ部21の上端側に設けられ全体が正正六角柱状の頭部22及び頭部22の下端側に設けられているワッシャー部23からなっている。
そして、実施例3の型枠パネル連結具も実施例1及び2の型枠パネル連結具と同様の構成であるが、ネジ部1を構成するネジが長さ56~90mm、太さ約5mmで先端が尖っている十字穴付皿タッピングネジであったのに対して、ネジ部21を構成するネジは長さ48~90mm、太さ約5mmで先端が尖っているマイナス穴付皿タッピングネジである点、頭部2が正六角柱状金属部材を変形させたものであったのに対して、頭部22は正六角柱状金属部材を変形させていない点、頭部2を構成する正六角柱状金属部材の長さが20~40mmであったのに対して、頭部22を構成する正六角柱状金属部材の長さは12~30mmである点及びワッシャー部3が直径約30mm、厚さ約1mmで中心に約7mmの穴が穿ってある丸座金の両側をコの字状に曲げ変形させたものであったのに対して、ワッシャー部23は直径15mm、厚さ約1mmで中心に約7mmの穴が穿ってある丸座金である点で異なっている。
なお、実施例3の型枠パネル連結具の重心は、実施例1と同じ理由で、ワッシャー部23より下側に来るように調整してある。
(1)マイナス穴付皿タッピングネジの上端から10mm程度下端側を約4mmの長さにわたって押しつぶす(実施例3でも実施例2と同じく回り止めが必要)。
(2)正六角柱状金属部材の穴にマイナス穴付皿タッピングネジを押し込み、マイナス穴付皿タッピングネジの上端を正六角柱状金属部材の上面に密着させる。
(3)マイナス穴付皿タッピングネジの下端側から上記の丸座金を差し込み、正六角柱状金属部材の下面に密着させ、接着や溶接等によって固定する。
以上の手順により、マイナス穴付皿タッピングネジ、正六角柱状金属部材及び丸座金は、それぞれネジ部21、頭部22及びワッシャー部23となる。
(1)実施例1~3においては、ネジ部1、11、21の長さを35~60mmとなるように調整したが、それは従来から利用されている木製型枠パネルの桟木の厚さを考慮したものであるので、ネジ部1、11、21の長さはこの数値範囲に限られるものではない。要するに、ネジ部1、11、21の長さを、使用する型枠パネルの桟木の厚さの1.4~2倍の長さとすれば良い。
(2)実施例1~3においては、市販されている皿タッピング又はマイナス穴付皿タッピングネジを利用して型枠パネル連結具を製造したが、正六角柱状金属部材に挿入でき、頭が正六角柱状金属部材の穴より大きいネジであればどんなネジでも利用可能である。
(3)実施例1においては、皿タッピング、正六角柱状金属部材及び両側をコの字状に曲げた丸座金を、かしめて変形させることによって全体を完全に固定し、実施例2及び3においては、皿タッピング又はマイナス穴付皿タッピングネジのネジ部の一部を押しつぶした後に正六角柱状金属部材に押し込んで両者が回転しないように固定したが、逆に実施例1において、皿タッピングのネジ部の一部を押しつぶした後に正六角柱状金属部材に押し込んで両者が回転しないように固定しても良く、実施例2及び3において、正六角柱状金属部材のネジ穴に皿タッピング又はマイナス穴付皿タッピングネジを差し込んだ後に、かしめて変形させることによって両者が回転しないように固定しても良い。
また、頭部2、12、22の構成部材として正六角柱状金属部材を用いたが、それはボルトやネジを回転させる電動工具のソケットに六角形のものが多いことを考慮したものであるので、正六角柱状のものに限られるものでもない。
そして、電動工具用のソケットとして正方形や正八角形のものも市販されているので、特許請求の範囲においては「正六角柱状」に代えて「正多角柱状」と記載した。
(5)実施例1~3においては、頭部2、12、22の正六角柱状部分の長さを対面の間隔の1~2.5倍としたが、それは締結作業及び締結状態の解除作業の作業性を考慮したものであるので、正六角柱状部分の長さはこの数値範囲に限られるものではない。
そして、正六角柱状部分の長さは、ソケットを取り付けて電動工具で回転させることができれば良いので、3mm以上あれば充分である。
なお、特許請求の範囲における頭部の長さの限定は、上記(4)で説明したように頭部の形状を「正多角柱状」としたことを考慮して、「正六角柱状金属部材の対面の間隔の1~2.5倍」に代えて「正多角柱状の頭部の断面に内接する円の直径以上」とした。
(6)実施例1~3においては、市販されている高ナット等を利用して型枠パネル連結具を製造したが、高ナット等の正六角柱状金属部材に代えて穴のない正六角柱状金属体を用い、同正六角柱状金属体の下面に先端が尖っているネジ棒を溶接しても良く、同正六角柱状金属体の下面側にネジ穴等を設け、そのネジ穴等に先端が尖っているネジ棒をねじ込んだり差し込んだりするとともに接着等によって固定しても良い。
その場合、頭部が傾いた状態とならないように、延出している部分(以下「延出部」という。)は、正六角柱状金属部材から均等な間隔で延出させた方が良く、各延出部の幅も同じとするのがより好ましい。
(8)実施例2及び3においては、ワッシャー部13、23が全方向に均一に延出していたため、型枠パネル連結具が平らな面に置かれている時に転がり易かったが、実施例1のように転がりにくくするため、ワッシャー部13、23を部分的に変形又は切断しても良い。すなわち、ワッシャー部13、23の下面の周縁とネジ部11、21及び頭部12、22の中心軸との距離が均一でなければ良い。
(9)実施例1~3においては、型枠パネル連結具の重心を調整して、型枠パネル連結具が地面や床面等に落ちている時に、ネジ部1、11、21の下端が上を向くことが少なくなるようにしていたが、本発明の型枠パネル連結具はワッシャー部3、13、23を有しており、ネジ部1、11、21が頭部2、12、22から突出している長さも最低で35mmあって比較的目に付き易いので、重心の位置は調整しなくても良い。
3、13、23 ワッシャー部 4 型枠パネル 5 桟木
6 コンクリートパネル 7 下方桟木 8 ベースコンクリート
Claims (3)
- 複数の型枠パネルを締結してコンクリートを打設するための型枠を組みあげる際に用いる型枠パネル連結具であって、
ネジ部と、該ネジ部の上端側に設けられ少なくとも上部が正多角柱状の頭部と、前記頭部の下端側に設けられているワッシャー部とを有し、
前記ネジ部及び前記頭部の中心軸は一直線上にあるとともに、前記ネジ部の断面積は前記正多角柱状の頭部の断面積より小さく、
前記ワッシャー部は、前記頭部の下面全面を覆うとともに、前記頭部の下面側から全方向に延出する延出部を有しており、
前記延出部は、前記頭部の下面側から前記頭部の上面方向に曲折しており、
前記延出部の先端は、前記頭部の下面より前記頭部の上面側に位置している
ことを特徴とする型枠パネル連結具。 - 前記延出部は、前記頭部の下面側から全方向に延出しているとともに、前記ワッシャー部の下面の周縁と前記中心軸との距離が均一でない
ことを特徴とする請求項1に記載の型枠パネル連結具。 - 前記頭部の長さは、前記正多角柱状の頭部の断面に内接する円の直径以上である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の型枠パネル連結具。
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